以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠14は、遊技球を貯留可能な上皿15を一体成形した構成とされているとともに、裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するガラス支持枠が組み付けられている。また、中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿16が装着されているとともに、下皿16の右方には、遊技球を遊技盤13に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル17が装着されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う電飾表示部(装飾ランプ)18と、各種音声を出力して音声演出を行う複数のスピーカ19が配置されている。
遊技盤13のほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置22が装着されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体21の左下の遊技領域には、7セグメント型の特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置23には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果(大当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[1]〜[7]の7種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、演出表示装置22の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置23の表示領域よりも遥かに大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、本実施形態において、リーチ形成前の段階では、全列共通して、…1→2→3→4→5→6→7→1…というように順番に数字が大きくなっていき、7となった場合には1に戻るような順番で変動するようになっている。本実施形態では、各列において前述したような順番で図柄が表示される際の順序を、表示順序として定義している。そして、このような表示順序において「表示順序が前」とは、図柄[1]を先頭とするとともに、図柄[1]〜[7]を1つの変動周期と考えると、[1]が、各列において所定の図柄表示位置に表示された1つの図柄組み合わせが有効となる有効ラインL1上に(図4(a)に示す)表示されている場合、[2]〜[7]は、表示順序が後となる。一方、[2]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1]は、[2]が表示されるよりも前に既に表示されているものとみなし、[1]は、表示順序が前となる一方、[3]〜[7]は、表示順序が後となる。
また、[3]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1][2]は、[3]が表示されるよりも前に既に表示されているものとみなし、[1][2]は、表示順序が前となる一方、[4]〜[7]は、表示順序が後となる。また、[4]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1]〜[3]は、[4]が表示されるよりも前に既に表示されているものとみなし、[1]〜[3]は、表示順序が前となる一方、[5]〜[7]は、表示順序が後となる。
一方、[5]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1]〜[4]は、[5]が表示されるよりも前に既に表示されているものとみなし、[1]〜[4]は、表示順序が前となる一方、[6][7]は、表示順序が後となる。また、[6]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1]〜[5]は、[6]が表示されるよりも前に既に表示されているものとみなし、[1]〜[5]は、表示順序が前となる一方、[7]は、表示順序が後となる。また、[7]が有効ラインL1上に表示されている場合、[1]〜[6]は、表示順序が前となる。
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
図1の説明に戻り、表示枠体21の左下の遊技領域であって、特別図柄表示装置23の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動入賞口25へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特図始動保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特図始動保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特図始動保留記憶数は、前記始動入賞口25に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口25へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、特別図柄保留発光部の点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、表示枠体21の下方の遊技領域には、遊技球の入球口25aを有する始動入賞口25が配置されている。始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口25は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口25の下方の遊技領域には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉26を備えた大入賞口(特別電動役物)27が配設されている。大入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉26の開動作によって大入賞口27が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉26の開動作により大入賞口27が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、遊技盤13の遊技領域の最下方(大入賞口27よりも下方)には、遊技領域に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口28が形成されている。アウト球口28を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームで所定の演出を出現させることを課題(ミッション)として遊技者に提示し、その提示した演出の出現によって大当り図柄を導出する課題付与演出(ミッション演出)を実行可能に構成されている。ミッション演出は、通常、大当り抽選に当選した時に、遊技者に提示するミッションに合致する演出を出現させるように図柄変動ゲームの演出内容を決定することで行われる。このため、ミッション演出は、遊技者の見た目上、提示されたミッションに合致する演出が図柄変動ゲームで出現するので、当該ミッションの達成によって大当りを得られたかのような演出表現となる。なお、ミッション演出の開始条件及び終了条件や、遊技者に提示されるミッション内容などのミッション演出に係る具体的な制御内容は後述する。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図2に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、電飾表示部18の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ19の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、始動入賞口25に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、大入賞口27に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2と、特別図柄表示装置23と、特別図柄保留記憶表示装置Raが接続されている。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合に、リーチか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に設定されている変動パターンの一例を図3に示す。
変動パターンP1は、はずれ演出用の変動パターンであり、変動内容として「通常変動」を特定している。なお、「通常変動」は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。変動パターンP2,P3は、変動内容として「ライン増加なしリーチ」を特定している。なお、「ライン増加なしリーチ」とは、各列において所定の図柄表示位置に表示された1つの図柄組み合わせが有効となる有効ライン上にリーチの図柄組み合わせが表示されることによって形成されるリーチライン(リーチを形成する数)の本数が1本(第1本数)から増加しない、つまり、変化しない内容を指す。また、変動パターンP2は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンである一方、変動パターンP3は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
そして、変動パターンP2,P3に基づく図柄変動ゲームでは、図4(a)に示すように、演出表示装置22において、前述した表示順序(…1→2→3→…というように順番に数字が大きくなっていく順序)で全列が変動する。そして、所定時間経過後に、演出表示装置22の中央において横方向へ直線的に延びる有効ラインL1上に位置する左列と右列に同一図柄が導出されて、リーチ状態(リーチ形成図柄)が表示された有効ラインL1によって1本のリーチラインが形成される(図4(b))。その後、所定時間経過後に中列の図柄が導出されることにより、最終的な図柄組み合わせが形成されることになる(図4(f))。
また、変動パターンP4,P5は、変動内容として「ライン増加(2本)リーチ」を特定している。なお、「ライン増加(2本)リーチ」とは、リーチ形成後、リーチラインの本数が1本から2本に増加する内容を指す。また、変動パターンP4は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンである一方、変動パターンP5は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
そして、変動パターンP4,P5に基づく図柄変動ゲームでは、図4(a)に示すように、演出表示装置22において、前述した表示順序で全列が変動し、所定時間経過後に有効ラインL1上に位置する左列と右列に同一図柄が導出されて、リーチ状態が表示された有効ラインL1によって1本のリーチラインが形成される(図4(b))。その後、所定のキャラクタを題材としたリーチ演出に移行した後、所定時間の経過後に、リーチラインの本数が、1本から2本に増加する。なお、リーチライン増加後のリーチ形成図柄は、リーチライン増加前のリーチ形成図柄を基準として表示順序が連続する図柄とされている。また、複数のリーチラインを形成する図柄は、リーチライン毎に異なる図柄とされている。図4(c)に示す例では、各リーチラインのリーチ形成図柄は、[1]及び[2]となる。ちなみに、リーチラインの増加態様を説明すると、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[2])が、右上がりの斜め方向へ直線的に延びるように形成された有効ラインL2上に移動する。その後、左列及び右列において、[2]を基準として、右下がりの斜め方向へ直線的に延びるように形成された有効ラインL3上にリーチ形成図柄(この例では[1])が展開される。つまり、中列及び右列における図柄の表示順序は、リーチライン増加前と同一の表示順序となっているが、左列における図柄の表示順序は、リーチライン増加前と逆の表示順序(…7→6→5→…というように順番に数字が小さくなっていく順序)となっている。
そして、はずれリーチ演出用の変動パターンP4からは、リーチラインの本数が増加した後、有効ラインL2上にリーチ状態を認識可能なはずれの図柄組み合わせ(以下、はずれリーチの図柄組み合わせと示す)を導出させる演出内容が特定されるようになっている。その後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図4(e))。同様に、大当り演出用の変動パターンP5からは、リーチラインの本数が増加した後、有効ラインL2又は有効ラインL3上に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が特定されるようになっている。その後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2又は有効ラインL3上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図示せず)。
また、変動パターンP6,P7は、変動内容として「ライン増加(3本)リーチ」を特定している。なお、「ライン増加(3本)リーチ」とは、リーチ形成後、リーチラインの本数が1本から3本に増加する内容を指す。また、変動パターンP6は、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出用の変動パターンである一方、変動パターンP7は、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出用の変動パターンである。
そして、変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームでは、前述したように図4(a)及び図4(b)の流れで演出が展開され、所定時間の経過後に、リーチラインの本数が、1本から3本に増加する。図4(d)に示す例では、各リーチラインのリーチ形成図柄は、[7]、[1]、及び[2]となる。ちなみに、リーチラインの増加態様を説明すると、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[2])が有効ラインL2上に移動した後、左列及び右列において、[2]を基準として有効ラインL1上にリーチ形成図柄(この例では[1])が展開される。それとともに、[2]を基準として有効ラインL3上にリーチ形成図柄(この例では[7])が展開される。つまり、変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームにおいても、変動パターンP4,P5に基づく図柄変動ゲームと同じく、中列及び右列における図柄の表示順序は、リーチライン増加前と同一の表示順序となっているが、左列における図柄の表示順序は、リーチライン増加前と逆の表示順序となっている。
そして、はずれリーチ演出用の変動パターンP6からは、リーチラインの本数が増加した後、有効ラインL2上にはずれリーチの図柄組み合わせを導出させる演出内容が特定されるようになっている。その後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図4(f))。同様に、大当り演出用の変動パターンP7からは、リーチラインの本数が増加した後、有効ラインL1〜L3のいずれかに大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が特定されるようになっている。その後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL1〜L3上のいずれかに導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図示せず)。なお、前述したリーチラインの増加方向、つまり、リーチラインを増加させる図柄の展開方向は、どの変動パターンが選択された場合であっても、一定方向として定められている。
以下、リーチラインの位置と変動時間との関連性を説明するために、変動パターンP4〜P7に基づく図柄変動ゲームの演出態様を説明する。なお、本実施形態では、リーチライン増加後、中列及び右列では、…→1→2→3→4→5→6→7→1…というように順番に数字が大きくなっていき、7となった場合には1に戻るような順番で変動するようになっている。
図4において、変動パターンP4,P5に基づく図柄変動ゲームでは、中列の中段に[1]が導出された後、恰も有効ラインL3上に[1]が停止表示されるような煽り演出が行われた後、[1]が中列の下段にスクロールされ、代わりに中列の中段に[2]が導出される。そして、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームでは、有効ラインL2上に[2]が停止表示されるかのような煽り演出が行われた後、[2]が中列の下段にスクロールされ、代わりに中列の中段に[3]が導出される(232)。一方、変動パターンP5に基づく図柄変動ゲームでは、有効ラインL3上に[1]が停止表示される場合と、有効ラインL2上に[2]が停止表示される場合とがある。
同様に、変動パターンP6,P7に基づく図柄変動ゲームでは、中列の中段に[7]が導出された後、恰も有効ラインL3上に[7]が停止表示されるような煽り演出が行われた後、[7]が中列の下段にスクロールされ、代わりに中列の中段に[1]が導出される。その後、恰も有効ラインL1上に[1]が停止表示されるような煽り演出が行われた後、[1]が中列の下段にスクロールされ、代わりに中列の中段に[2]が導出される。そして、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームでは、有効ラインL2上に[2]が停止表示されるかのような煽り演出が行われた後、[2]が中列の下段にスクロールされ、代わりに中列の中段に[3]が導出される(232)。一方、変動パターンP7に基づく図柄変動ゲームでは、有効ラインL3上に[7]が停止表示される場合と、有効ラインL1上に[1]が停止表示される場合と、有効ラインL2上に[2]が停止表示される場合とがある。
このような演出態様により、変動パターンP4,P5よりも変動パターンP6,P7の方が煽り演出の実行回数が多い分、変動時間が長く設定されている。そして、変動パターンP4〜P7に基づく図柄変動ゲームでは、必ず有効ラインL2上にリーチライン増加前のリーチ形成図柄による図柄組み合わせが導出されるようになっている。
本実施形態では、変動パターンP2,P3に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、通常演出となる一方で、変動パターンP4〜P7に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、特定演出となる。また、1本のリーチラインが形成されるまでの内容が、第1リーチ演出となる一方で、リーチラインの本数が1本から2本(又は3本)に増加する内容が、第2リーチ演出となる。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1470までの全1471通りの整数)の中から定められている。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、始動入賞口25へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数特別図柄用の保留記憶数を+1(1加算)し、特図始動保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、1加算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから読み出して取得し、該値を特図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM35cの所定の記憶領域に設定する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中ではなく、大当り遊技中ではないときに、特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。そして、この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を−1(1減算)し、特図始動保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、当該特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数の各値を取得する。また、主制御用CPU35aは、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。
次に、主制御用CPU35aは、取得した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置23に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU35aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用CPU35aから取得し、その取得した値をもとに、大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、リーチを形成させるか否かを判定するリーチ判定を実行する。本実施形態では、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、リーチ判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、決定された変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU35aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU35aは、最終停止図柄を指定する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。
本実施形態では、変動パターンを決定する主制御用CPU35aが、演出内容決定手段として機能する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
具体的には、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
なお、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4〜P7のうちいずれかを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、有効ラインL2上に導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。本実施形態では、リーチライン増加後の各列における図柄の表示順序が予め設定されているので、1つのリーチライン上に導出する図柄組み合わせを決定すれば、その他のリーチライン上に表示される図柄も必然的に決定されることになる。そして、統括制御用CPU36aは、有効ラインL2上に導出させる飾り図柄の図柄組み合わせを、リーチライン増加前のリーチ形成図柄として決定する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。表示制御用CPU37aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
次に、統括制御用CPU36aが実行するミッション演出に係る制御内容を説明する。
本実施形態においてミッション演出は、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用の変動パターンのうち特定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了を開始契機として、その次からの図柄変動ゲームを対象として開始されるようになっている。また、本実施形態においてミッション演出は、複数回の図柄変動ゲーム(例えば10回)を対象に展開されるが、図柄変動ゲーム毎にミッション(課題)が変更されるようになっている。また、統括制御用CPU36aは、ミッション演出を開始させてミッション(課題)を提示してから実行された図柄変動ゲームが予め定めた提示回数(例えば「10回」)に達すると、以後(10回目以後)の図柄変動ゲームの開始毎に、終了契機の到来とするか否かの終了抽選を実行するようになっている。なお、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームである条件下で、終了抽選を実行する。そして、統括制御用CPU36aは、終了抽選で転落の抽選結果とする場合に終了契機の到来としてミッション演出を終了させ、終了抽選で継続の抽選結果とする場合に終了契機の非到来としてミッション演出を継続させる。なお、統括制御用CPU36aは、終了抽選で転落の抽選結果とする場合、今回の図柄変動ゲームの終了を以てミッション演出を終了させる。終了抽選では、「転落」及び「継続」を決定する確率を所定の確率となるように乱数を振分けて乱数抽選が実行される。
そして、本実施形態では、「「○(1〜7の図柄)」でリーチをかけろ!!」などのリーチ形成演出を提示する複数種類のミッション演出が用意されている。本実施形態では、飾り図柄として[1]〜[7]までの7種類の飾り図柄が用いられている。このため、リーチ形成演出で提示する内容(以下、課題図柄と示す場合がある)として、7種類の飾り図柄のうち1種類の飾り図柄でリーチが形成されることに伴って、「「1」でリーチをかけろ!!」などの7種類が用意されている。なお、ミッション演出は、図柄変動ゲーム開始後、左列の図柄が導出される迄に実行される。
そして、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の開始に際してミッションの内容を7種類の中から抽選により決定し、ミッション演出の開始契機となる図柄変動ゲームの終了に伴って決定したミッション(課題)によるミッション演出の開始を指示する演出指示コマンドを各制御基板37,38に出力する。そして、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP4,P6が選択された場合、増加後のリーチ形成図柄と同一でなく、かつ課題図柄の出現率が略均等となるように課題図柄を乱数抽選によって決定する。
例えば、図4(c)を用いて説明すると、増加前リーチ図柄として「2」が決定されているので、課題図柄として「2」は対象外となる。また、増加後リーチ図柄として「1」が決定されているので、「1」も課題図柄として対象外となる。この場合、課題図柄として決定可能な図柄は、「3」〜「7」で示す5種類となる。同様に、増加前リーチ図柄として「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、及び「1」が決定されている場合も、課題時柄として決定可能な図柄は、夫々5種類ずつとなる。また、図4(d)を用いて説明すると、増加前リーチ図柄として「2」が決定されているので、課題図柄として「2」は対象外となる。また、増加後リーチ図柄として「1」及び「7」が決定されているので、「1」及び「7」も課題図柄として対象外となる。この場合、課題図柄として決定可能な図柄は、「3」〜「6」で示す4種類となる。同様に、増加前リーチ図柄として「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、及び「1」が決定されている場合も、課題時柄として決定可能な図柄は、夫々4種類ずつとなる。
この場合、課題図柄とリーチ図柄の組み合わせは、(5×7)+(4×7)=63(種類)となる。なお、リーチ図柄の種類に応じて選択可能な課題図柄の種類をパターン化して記憶しておくこともできるが、本実施形態では、リーチラインの増加数が2本又は3本であって、その増加本数が一定ではないため、同じ基準図柄が決定されている場合であっても、リーチラインの本数毎にそれぞれパターン化して記憶しておかなければならない。また、リーチラインの本数をさらに多くした変動パターンを設定したり、図柄の種類を増加させたりすると、さらに記憶させるべきパターン数が増加することになる。この場合、課題図柄をパターン化したデータを記憶させるためだけに、統括制御用ROM36bの記憶容量が使用されてしまうことになる。したがって、本実施形態では、リーチラインの本数や如何なる図柄でリーチが形成されるかにかかわらず、後述する演算処理によって、選択可能な複数種類の課題図柄の中から何れか1つの課題図柄を算出可能に構成している。
以下、リーチラインが増加する変動パターン(特に、変動パターンP4,P6)が選択された際の具体的な課題図柄の決定方法について図5及び図6に従って説明する。
なお、以下の説明では、リーチライン増加後のリーチ形成図柄を「増加後リーチ図柄」と示し、リーチライン増加前のリーチ形成図柄を「増加前リーチ図柄」と示す。また、図5及び図6において、「基準図柄」で示す項目に記載された図柄は、有効ラインL2上に導出されるリーチ図柄を示しており、括弧内の数字は、その図柄を特定する図柄番号を示している。また、「禁則基準図柄」で示す項目に記載された図柄は、有効ラインL3上に導出されるリーチ図柄を示しており、カッコ内の数字は、その図柄を特定する図柄番号を示している。なお、同一の行に位置付けられた基準図柄と禁則基準図柄は、リーチライン増加後に画像表示部GHに導出される図柄を示しており、この同一の行に位置付けられた基準図柄と禁則基準図柄によって複数のリーチラインが形成されることを示している。また、図5及び図6において、「課題図柄」で示す項目の上段に記載されている「00H」〜「04H」又は「00H」〜「03H」は、課題図柄を仮決定するための図柄番号を示している。さらに、「課題図柄」で示す項目における2段目以降に記載された図柄は、ミッション演出で実際に提示される課題図柄を示しており、括弧内の数字は、その図柄を特定する図柄番号を示している。また、網掛け箇所は、再算出することによって得られた値を示している。
最初に、統括制御用CPU36aは、ミッション演出を実行可能な期間中にはずれリーチ演出用の変動パターンP4(ライン増加数2本)を指定する変動パターン指定コマンドを入力したとすると、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせに基づいて、増加前リーチ図柄を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、増加前リーチ図柄として決定した飾り図柄の種類に基づき、リーチラインが増加した後に導出されるとともに前記増加前リーチ図柄から最も離れた図柄である禁則基準図柄(第2特定値)を算出する。なお、禁則基準図柄は、リーチラインが増加した際に導出される図柄であるため、基準図柄〜禁則基準図柄に含まれる図柄と課題図柄が一致すると、ミッションを達成したにもかかわらず、大当り遊技が付与されなかったという誤認識を与えてしまう虞がある。したがって、課題図柄としては、基準図柄〜禁則基準図柄に含まれる図柄とは異なる図柄が選択されなければならない。
そして、前述した禁則基準図柄は、以下の計算式(1)によって求められる。
禁則基準図柄を特定する図柄番号=(基準図柄を特定する図柄番号(第1特定値)+リーチ形成列を構成する図柄数−リーチライン増加数)%(剰余)リーチ形成列を構成する図柄数…(1)
例えば、統括制御用CPU36aは、増加前リーチ図柄として[3]を決定した場合、基準図柄は[3]となる。また、本実施形態では、各図柄を特定する図柄番号が対応付けられている。具体的には、図柄[1]を特定する図柄番号として「00H」が対応付けられているとともに、図柄[2]を特定する図柄番号として「01H」が対応付けられている。また、図柄[3]を特定する図柄番号として「02H」が対応付けられているとともに、図柄[4]を特定する図柄番号として「03H」が対応付けられている。同様に、図柄[5]を特定する図柄番号として「04H」が対応付けられているとともに、図柄[6]を特定する図柄番号として「05H」が対応付けられている。また、図柄[7]を特定する図柄番号として「06H」が対応付けられている。そして、統括制御用CPU36aは、…00H([1])→01H([2])→02H([3])→03H([4])→04H([5])→05H([6])→06H([7])→00H([1])→…というように、図柄番号によって図柄の種類及び有効ラインL1上を通過した図柄を把握することになる。
そして、本実施形態では、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、及び[7]で示す7種類の図柄によってリーチ形成列が構成されているため、リーチ形成列を構成する図柄数は[7]となる。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP4(ライン増加数2本)が選択された場合、図4(a)〜図4(c)で説明したように、リーチラインの本数が1本から2本に増加するため、リーチライン増加数は、2(本)−1(本)=1(本)となる。これにより、これらの値を前述の計算式(1)に当てはめると、(02H+07H−01H)=08H(第1の演算値)となる。そして、第1の演算値(08H)を、リーチ形成列を構成する図柄数(07H)で除算した際の剰余値は、01Hとなる。また、前述したように、「01H」によって特定される図柄は図柄[2]であるため、増加前リーチ図柄として[3]を決定した際の禁則基準図柄は[2]となる(図5参照)。
本実施形態では、変動パターンP4が選択された場合、基準図柄と禁則基準図柄の差分が「−01H」、つまり、基準図柄よりも禁則基準図柄の方が、表示順序が1つ後となっている。ところが、統括制御用CPU36aは、図柄の種類を図柄番号によって把握しているため、単に、基準図柄を特定する図柄番号から1減算するだけで禁則基準図柄を算出できるわけではない。つまり、左列は、リーチライン増加後、上から数えて、…1→2→3→4→5→6→7→1→…というような順番で表示されるようになっている。したがって、例えば、基準図柄として[1]が決定された場合、基準図柄を特定する図柄番号「00H」から1減算すると、−01Hとなり、本来特定されるべき06Hを算出することができない。
したがって、統括制御用CPU36aは、基準図柄を特定する図柄番号にリーチ形成列を構成する図柄数を加算することで、減算後の値をマイナス値としない。そして、リーチラインが増加した分だけリーチ形成列を構成する図柄数が増加してしまうので、増加したリーチライン数を減算した上で、リーチ形成列を構成する図柄数で除算することで、その剰余値が、禁則基準図柄を特定することになる。
また、統括制御用CPU36aは、まず、以下の計算式(2)に従って課題図柄を算出する。
課題図柄を特定する図柄番号=(リーチ形成列を構成する図柄数−増加後のリーチライン数)と等しい個数の図柄番号のうちランダム…(2)
例えば、はずれリーチ演出用の変動パターンP4(ライン増加数2本)が選択された場合、そのリーチライン数は2本であるため、前述の計算式(2)に当てはめると、7−2=5となる。そして、統括制御用CPU36aは計算式(2)で算出した数(5)と同じ個数の「00H」〜「04H」で示す5つの仮課題図柄を特定する図柄番号(課題決定値)の中から何れか1つの図柄番号を決定する。なお、本実施形態では、0〜99で示す100通りの乱数値が設定されており、抽出した乱数値を計算式(2)で算出した値で除算したときの剰余値によって、図柄番号「00H」〜「04H」のうち何れか1つを特定可能となっている。例えば、統括制御用CPU36aが、図柄番号を特定するための乱数値として「21」を選択した場合、「21」を「5」で除算したときの剰余値は、「1」となるため、図柄番号として「01H」を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、決定した図柄番号で特定される図柄を、仮課題図柄(仮図柄)として決定することになる。なお、図5では、「課題図柄」で示す項目の上段に記載されている「00H」〜「04H」のうち何れか1つの図柄番号が仮課題図柄に対応している。
その後、統括制御用CPU36aは、計算式(2)で算出した図柄番号と、計算式(1)で算出した禁則基準図柄を特定する図柄番号とを比較し、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であるか否かを判定する。つまり、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄として決定した図柄が、禁則基準図柄と同じか否か、又は禁則基準図柄よりも表示順序が前であるか否かを判定していることになる。このとき、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄として決定した図柄を特定する図柄番号が、禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であった場合、禁則基準図柄と同じ、又は禁則基準図柄よりも表示順序が後であることを認識する。一方、仮課題図柄として決定した図柄を特定する図柄番号が、禁則基準図柄を特定する図柄番号未満であった場合、禁則基準図柄よりも表示順序が前であることを認識する。
なお、ライン増加数が2本の場合、リーチライン上に表示される図柄は「2種類」であるため、課題図柄として選択可能な図柄は5種類である。この場合、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄として「00H」〜「04H」のうち何れかで特定される図柄「[1]〜[5]のうち何れかを決定することになる。つまり、計算式(2)に基づいて課題図柄を決定した時点では、仮課題図柄として[6][7]は決定されない。そして、決定した仮課題図柄がリーチライン上に表示される図柄に含まれない場合、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄を課題図柄として決定することになる。その一方、決定した仮課題図柄がリーチライン上に表示される図柄に含まれる場合、統括制御用CPU36aは、課題図柄の選択範囲からリーチライン上に表示される図柄を除外するために、仮課題図柄を特定する図柄番号に、リーチライン数と同じ個数である「2」を加算する。これにより、課題図柄が、リーチライン上に表示される図柄とは必ず異なる図柄となる。
なお、統括制御用CPU36aは、計算式(2)で算出した仮課題図柄を特定する図柄番号が計算式(1)で算出した禁則基準図柄を特定する図柄番号未満であった場合、計算式(2)で算出した仮課題図柄を課題図柄として決定する。
例えば、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で課題図柄を特定する図柄番号として「00H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(00H)は禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも小さい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(2)で算出した図柄番号で特定される仮課題図柄を課題図柄として決定することになる。そして、前述したように、「00H」によって特定される図柄は図柄[1]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[1]を決定したことになる。この場合、増加後リーチ図柄は、[2]及び[3]となるが、課題図柄として[1]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図5参照)。
したがって、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号未満となる場合には、仮課題図柄を特定する図柄番号を再算出する必要がなく、仮課題図柄を課題図柄として決定することになる。
一方、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であった場合、統括制御用CPU36aは、以下の計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出する。
仮課題図柄を特定する図柄番号+リーチライン数…(3)
例えば、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「01H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(01H)と禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)は同一の値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、図柄番号を再算出することになり、再算出後の図柄番号は、01H+02H=03Hとなる。そして、前述したように、「03H」によって特定される図柄は図柄[4]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[4]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるが、課題図柄として[4]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図5参照)。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「02H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(02H)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、02H+02H=04Hとなる。そして、前述したように、「04H」によって特定される図柄は図柄[5]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[5]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるが、課題図柄として[5]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図5参照)。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「03H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(03H)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、03H+02H=05Hとなる。そして、前述したように、「05H」によって特定される図柄は図柄[6]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[6]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるが、課題図柄として[6]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図5参照)。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「04H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(04H)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、04H+02H=06Hとなる。そして、前述したように、「06H」によって特定される図柄は図柄[7]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[7]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるが、課題図柄として[7]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図5参照)。
このように、変動パターンP4が選択されるとともに禁則基準図柄として[2]が算出された場合に決定可能な課題図柄の範囲は、[4](禁則基準図柄+2)〜[1](禁則基準図柄+6)となる。ちなみに、前述した「+○」との記載は、禁則基準図柄よりも表示順序が前であることを示す。つまり、[2][3]以外の図柄を課題図柄として選択可能となっている。なお、ここでは、禁則基準図柄として[2]が算出された場合を例示したが、禁則基準図柄として[1]、[3]〜[7]のうち何れかが算出された場合であっても、統括制御用CPU36aは、前述の演算方法にて課題図柄を算出する。
なお、計算式(2)で算出した仮課題図柄を特定する図柄番号と計算式(1)で算出した禁則基準図柄を比較した結果、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄以上であった際に、新たに課題図柄を特定する図柄番号を再算出しなかった場合、以下のような現象が生じる。すなわち、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「01H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(01H)と禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)は同一の値となる。ところが、計算式(3)に従って仮課題図柄を特定する図柄番号を再算出しない場合、仮課題図柄を特定する図柄番号が「01H」であるため、課題図柄として[2]が決定されたことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるとともに、課題図柄として[2]が決定されたことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致してしまう。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「02H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、禁則基準図柄を特定する図柄番号(02H)は、仮課題図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。ところが、計算式(3)に従って仮課題図柄を特定する図柄番号を再算出しない場合、仮課題図柄を特定する図柄番号が「02H」であるため、課題図柄として[3]が決定されたことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2]及び[3]となるとともに、課題図柄として[3]が決定されたことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致してしまう。
したがって、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上となる場合には、リーチライン数と同一の値を加算することで、課題図柄としてリーチライン増加後の図柄と同一の課題図柄を選択することがなくなる。
そして、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの開始時に、決定した課題図柄を指示する課題図柄指示コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
このように、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4が選択された際に増加前リーチ図柄としてどの図柄を決定した場合であっても、仮課題図柄として[1]〜[5]で示す5種類の図柄を選択可能となっている。そして、選択した仮課題図柄が禁則基準図柄と同一の場合には、増加後リーチ図柄と仮課題図柄が同一となってしまう虞がある。このため、禁則基準図柄からリーチライン数と同一の数だけ、表示順序に従って前方向にずらした分の図柄を課題図柄として決定すれば、増加後リーチ図柄と課題図柄が同一となることがなくなる。一方、選択した仮課題図柄が禁則基準図柄よりも表示順序が前の場合には、増加後リーチ図柄と課題図柄が同一となることがないので、仮課題図柄を課題図柄として決定可能となる。
次に、はずれリーチ演出用の変動パターンP6(ライン増加数3本)を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合における課題図柄の決定方法について図6に従って説明する。
統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP6(ライン増加数3本)を指定する変動パターン指定コマンドを入力したとすると、増加前リーチ図柄として決定した飾り図柄の種類に基づき、禁則基準図柄を算出する。
例えば、統括制御用CPU36aは、増加前リーチ図柄として[4]を決定した場合、基準図柄が[4]となる。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP6(ライン増加数3本)が選択された場合、図4(a),(b),(d)で説明したように、リーチラインの本数が1本から3本に増加するため、リーチライン増加数は、3(本)−1(本)=2(本)となる。これにより、これらの値を前述の計算式(1)に当てはめると、(03H+07H−02H)=08H(第1の演算値)となる。そして、第1の演算値(08H)を、リーチ形成列を構成する図柄数(07H)で除算した際の剰余値は、01Hとなる。また、前述したように、「01H」によって特定される図柄は図柄[2]であるため、増加前リーチ図柄として[4]を決定した際の禁則基準図柄は[2]となる(図6参照)。
また、統括制御用CPU36aは、計算式(2)に従って仮課題図柄を算出する。
例えば、はずれリーチ演出用の変動パターンP6(ライン増加数3本)が選択された場合、そのリーチライン数は3本であるため、前述の計算式(2)に当てはめると、7−3=4となる。そして、統括制御用CPU36aは計算式(2)で算出した数(4)と同一個数の「00H」〜「03H」で示す4つの仮課題図柄を特定する図柄番号の中から何れか1つの図柄番号を決定する。なお、本実施形態では、0〜99で示す100通りの乱数値が設定されており、抽出した乱数値を計算式(2)で算出した値で除算したときの剰余値によって、図柄番号「00H」〜「03H」のうち何れか1つを特定可能となっている。例えば、統括制御用CPU36aが、図柄番号を特定するための乱数値として「21」を選択した場合、「21」を「4」で除算したときの剰余値は、「1」となるため、図柄番号として「01H」を決定する。なお、本実施形態では、乱数値として0〜99で示す100通りの値を設定したが、「4」と「5」の公倍数となる値であれば、どのような値であっても良い。このとき、統括制御用CPU36aは、決定した図柄番号で特定される図柄を、仮課題図柄として決定することになる。
その後、統括制御用CPU36aは、計算式(2)で算出した仮課題図柄を特定する図柄番号と、計算式(1)で算出した禁則基準図柄を特定する図柄番号とを比較し、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であるか否かを判定する。
例えば、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「00H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(00H)は禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも小さい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(2)で算出した図柄番号で特定される仮課題図柄を課題図柄として決定することになる。そして、前述したように、「00H」によって特定される図柄は図柄[1]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[1]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2][3][4]となるが、課題図柄として[1]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図6参照)。
一方、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であった場合、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出する。
例えば、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「01H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(01H)と禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)は同一の値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、01H+03H=04Hとなる。そして、前述したように、「04H」によって特定される図柄は図柄[5]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[5]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2][3][4]となるが、課題図柄として[5]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図6参照)。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「02H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(02H)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、02H+03H=05Hとなる。そして、前述したように、「05H」によって特定される図柄は図柄[6]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[6]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2][3][4]となるが、課題図柄として[6]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図6参照)。
また、計算式(1)で禁則基準図柄として[2]が算出されるとともに、計算式(2)で仮課題図柄を特定する図柄番号として「03H」が算出されたとする。この場合、禁則基準図柄としての[2]は、「01H」で示す図柄番号によって特定されるため、仮課題図柄を特定する図柄番号(03H)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号(01H)よりも大きい値となる。これにより、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになり、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、03H+03H=06Hとなる。そして、前述したように、「06H」によって特定される図柄は図柄[7]であるため、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[7]を決定したことになる。この場合、ライン増加後のリーチ図柄は、[2][3][4]となるが、課題図柄として[7]を決定したことにより、リーチライン増加後の図柄と課題図柄が一致することがない(図6参照)。
このように、変動パターンP6が選択されるとともに禁則基準図柄として[2]が算出された場合に決定可能な課題図柄の範囲は、[5](禁則基準図柄+3)〜[1](禁則基準図柄+6)となる。つまり、[2]〜[4]以外の図柄を課題図柄として選択可能となっている。なお、ここでは、禁則基準図柄として[2]が算出された場合を例示したが、禁則基準図柄として[1]、[3]〜[7]のうち何れかが算出された場合であっても、統括制御用CPU36aは、前述の演算方法にて課題図柄を算出する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、リーチラインの本数や如何なる図柄でリーチが形成されるかにかかわらず、同一の演算処理によって、選択可能な複数種類の課題図柄の中から何れか1つの課題図柄を算出することができる。
なお、統括制御用CPU36aは、大当り演出用の変動パターンP3,P5,P7が選択された場合、課題図柄として[1]〜[7]のうち何れか1つの図柄を決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP2(ライン増加なし)が選択された場合、リーチの図柄組み合わせとは異なる図柄の中から抽選で課題図柄を決定する。例えば、統括制御用CPU36aは、はずれリーチの図柄組み合わせとして「232」を決定した場合、課題図柄として[1]、[3]〜[6]、及び[7]のうち何れか1つの図柄を決定する。
そして、統括制御用CPU36aは、決定した課題図柄を指示する課題図柄指示コマンドを演出表示制御基板37に出力する。そして、統括制御用CPU36aから課題図柄指示コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、当該コマンドで指定された課題図柄を表示させるように、演出表示装置22を制御する。
本実施形態では、統括制御用CPU36aが、リーチ形成図柄決定手段、課題決定手段、演出制御手段として機能する。また、表示制御用CPU37aが、演出制御手段として機能する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において、増加後リーチ図柄の中にリーチライン増加前に提示された課題図柄と同一の図柄を含む演出態様(NG態様)を、図7及び図9にしたがって説明する。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、増加後リーチ図柄の中にリーチライン増加前に提示された課題図柄と同一の図柄を含まないように実行される演出態様(OK態様)を、図8及び図10にしたがって説明する。
なお、図7〜図10において演出表示装置22内に図示する矢印は「図柄の変動」を示し、二点鎖線は「リーチライン」を示す。
最初に、課題図柄を決定するに際し、増加後リーチ図柄を考慮しなかった際の演出態様を図7(a)〜(c)に従って説明する。
統括制御用CPU36aは、ミッション演出を実行可能な期間中にはずれリーチ演出用の変動パターンP4(ライン増加数2本)を指定する変動パターン指定コマンドを入力したとすると、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせに基づいて、増加前リーチ図柄を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、増加前リーチ図柄として[4]を決定した場合、禁則基準図柄を特定する図柄番号は、計算式(1)に当てはめると、(03H+07H−01H)÷07H=1…02Hとなり、禁則基準図柄は[3]となる。そして、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[3]を決定したとする。
この場合、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置22において、前述した表示順序で全列が変動し、左列の図柄が停止するよりも前に「「3」でリーチをかけろ!!」というミッション演出が実行される。そして、所定時間経過後に左列と右列に図柄[4]が導出されて1本のリーチラインが形成される(図7(a))。この時点では、課題図柄とリーチ図柄が異なるので、課題達成とはならない。その後、所定のキャラクタを題材としたリーチ演出に移行した後、所定時間の経過後に、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[4])が有効ラインL2上に移動した後、左列及び右列において、[4]を基準として有効ラインL3上に[3]が展開される(図7(b))。この場合、課題図柄[3]と有効ラインL3上に導出されたリーチ形成図柄(3)が同一であるため、はずれリーチ演出用の変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームであるにもかかわらず、リーチライン増加後のリーチ図柄の中に課題図柄と同じ図柄[3]が含まれてしまうことになる。
そして、有効ラインL2上にはずれリーチの図柄組み合わせ(454)が導出された後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図7(c))。これにより、ミッションを達成したにもかかわらず、大当り遊技が付与されなかったと勘違いしてしまう虞がある。
次に、課題図柄を決定するに際し、増加前リーチ図柄を考慮した際の演出態様を図8(a)〜(c)に従って説明する。なお、図7と同一箇所についての説明は省略する。
図8において、課題図柄を特定する図柄番号の個数は、計算式(2)に当てはめると、7−2=5となるので、統括制御用CPU36aは、「00H」〜「04H」で示す5つの図柄番号の中から何れか1つの課題図柄を特定する図柄番号を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄を特定する図柄番号として「03H」を選択したとすると、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄以上であるか否かを判定する。この場合、仮課題図柄を特定する図柄番号(「03H」)が禁則基準図柄を特定する図柄番号(「02H」)よりも大きいため、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになる。この場合、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、03H+02H=05Hとなり、当該課題図柄を特定する図柄番号で特定される課題図柄は[6]となる。
この場合、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置22において、前述した表示順序で全列が変動し、左列の図柄が停止するよりも前に「「6」でリーチをかけろ!!」というミッション演出が実行される。そして、所定時間経過後に左列と右列に図柄[4]が導出されて1本のリーチラインが形成される(図8(a))。この時点では、課題図柄とリーチ図柄が異なるので、課題達成とはならない。その後、所定のキャラクタを題材としたリーチ演出に移行した後、所定時間の経過後に、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[4])が有効ラインL2上に移動した後、左列及び右列において、[4]を基準として有効ラインL3上に[3]が展開される(図8(b))。この場合、課題図柄(6)と有効ラインL2,L3上に導出されたリーチ形成図柄([3]及び[4])が異なるため、ライン増加後のリーチ形成図柄の中に課題図柄と同じ図柄([6])が一致することがない(図5参照)。
そして、有効ラインL2上にはずれリーチの図柄組み合わせ(454)が導出された後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図8(c))。これにより、ミッション未達成となる。
次に、課題図柄を決定するに際し、増加後リーチ図柄を考慮しなかった際の演出態様を図9(a)〜(c)に従って説明する。
統括制御用CPU36aは、ミッション演出を実行可能な期間中にはずれリーチ演出用の変動パターンP6(ライン増加数3本)を指定する変動パターン指定コマンドを入力したとすると、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせに基づいて、増加前リーチ図柄を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、増加前リーチ図柄として[4]を決定した場合、禁則基準図柄を特定する図柄番号は、計算式(1)に当てはめると、(03H+07H−02H)÷07H=1…01Hとなり、禁則基準図柄は[2]となる。そして、統括制御用CPU36aは、課題図柄として[3]を決定したとする。
この場合、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置22において、前述した表示順序で全列が変動し、左列の図柄が停止するよりも前に「「3」でリーチをかけろ!!」というミッション演出が実行される。そして、所定時間経過後に左列と右列に図柄[4]が導出されて1本のリーチラインが形成される(図9(a))。この時点では、課題図柄とリーチ図柄が異なるので、課題達成とはならない。その後、所定のキャラクタを題材としたリーチ演出に移行した後、所定時間の経過後に、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[4])が有効ラインL2上に移動した後、左列及び右列において、[4]を基準として有効ラインL1上に[3]が、有効ラインL3上に[2]が展開される(図9(b))。この場合、課題図柄[3]と有効ラインL1上に導出されたリーチ形成図柄[3]が同一であるため、はずれリーチ演出用の変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームであるにもかかわらず、リーチライン増加後のリーチ図柄の中に課題図柄と同じ図柄[3]が含まれてしまうことになる。
そして、有効ラインL2上にはずれリーチの図柄組み合わせ(454)が導出された後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図9(c))。これにより、ミッションを達成したにもかかわらず、大当り遊技が付与されなかったと勘違いしてしまう虞がある。
次に、課題図柄を決定するに際し、増加前リーチ図柄を考慮した際の演出態様を図10(a)〜(c)に従って説明する。なお、図9と同一箇所についての説明は省略する。
図10において、課題図柄を特定する図柄番号の個数は、計算式(2)に当てはめると、7−3=4となるので、統括制御用CPU36aは、「00H」〜「03H」で示す4つの図柄番号の中から何れか1つの課題図柄を特定する図柄番号を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、仮課題図柄を特定する図柄番号として「02H」を選択したとすると、仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄以上であるか否かを判定する。この場合、仮課題図柄を特定する図柄番号(「02H」)が禁則基準図柄を特定する図柄番号(「01H」)よりも大きいため、統括制御用CPU36aは、計算式(3)に従って、課題図柄を特定する図柄番号を再算出することになる。この場合、再算出後の課題図柄を特定する図柄番号は、02H+03H=05Hとなり、当該課題図柄を特定する図柄番号で特定される課題図柄は[6]となる。
この場合、変動パターンP6に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置22において、前述した表示順序で全列が変動し、左列の図柄が停止するよりも前に「「6」でリーチをかけろ!!」というミッション演出が実行される。そして、所定時間経過後に左列と右列に図柄[4]が導出されて1本のリーチラインが形成される(図10(a))。この時点では、課題図柄とリーチ図柄が異なるので、課題達成とはならない。その後、所定のキャラクタを題材としたリーチ演出に移行した後、所定時間の経過後に、リーチライン増加前のリーチ形成図柄(この例では[4])が有効ラインL2上に移動した後、左列及び右列において、[4]を基準として有効ラインL1上に[3]が、有効ラインL3上に[2]が展開される(図10(b))。この場合、課題図柄(6)と有効ラインL1〜L3上に導出されたリーチ形成図柄([2]〜[4])が異なるため、ライン増加後のリーチ形成図柄の中に課題図柄と同じ図柄([6])が一致することがない(図6参照)。
そして、有効ラインL2上にはずれリーチの図柄組み合わせ(454)が導出された後、所定時間経過後にリーチラインが1本に戻り、有効ラインL2上に導出された図柄組み合わせが有効ラインL1上に確定停止表示される(図10(c))。これにより、ミッション未達成となる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括制御用CPU36aは、リーチラインの本数が増加するはずれリーチ演出用の変動パターンが選択された場合、全図柄のうち増加後リーチ図柄を除く複数の図柄の中からいずれか1つの図柄を課題図柄として決定する。これにより、リーチ図柄と課題図柄の組み合わせのバリエーションを増加させるとともに、その出現率も均一化し、課題図柄と異なるリーチ図柄が導出された場合であっても、大当りとなることに期待を持たせることができる。
(2)統括制御用CPU36aは、増加後リーチ図柄に含まれる図柄を課題図柄として決定してしまった場合、一義的に課題図柄を対応付けるのではなく、複数の図柄で構成される特定範囲内の中から課題図柄を決定する。これにより、はずれとなるにもかかわらず課題を達成したかのような演出が実行されることなく、かつはずれ時に出現する課題図柄が偏ってしまうことも抑制することができる。
(3)統括制御用CPU36aは、大当り抽選に当選している場合には、課題図柄として増加前リーチ図柄と同一の図柄を決定可能とした。これにより、課題達成により、大当り抽選に当選していることを認識させることができる。
(4)統括制御用CPU36aは、決定した仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号未満であった場合、決定した仮課題図柄を課題図柄として決定する。その一方、統括制御用CPU36aは、決定した仮課題図柄を特定する図柄番号が禁則基準図柄を特定する図柄番号以上であった場合、決定した仮課題図柄を特定する図柄番号に増加後のリーチライン数と同一の値を加算した値で特定される図柄番号を、新たな課題図柄を特定する図柄番号として決定する。このような演算処理を実行することで、はずれ時においてリーチ形成図柄と課題図柄が一致してしまうことなく、かつ特定の課題図柄が偏って決定されることもなくなり、適切に課題図柄を決定することができる。
(5)リーチラインを増加させる場合、中列及び右列における図柄の表示順序を、リーチライン増加前と同一の表示順序とする一方で、左列における図柄の表示順序を、リーチライン増加前と逆の表示順序とするようにした。これにより、複数のリーチラインを形成可能にすることができるとともに、リーチライン増加時における図柄の展開方向が逆方向となり、意外性を与えることができる。
(6)計算式(2)で算出した数と同一個数の図柄番号(課題決定値)に対して、仮課題図柄を特定する図柄番号選択用の乱数値を設定し、抽出した乱数値を計算式(2)で算出した値で除算したときの剰余値によって、図柄番号を特定するようにした。このように設定することで、1つの図柄への偏りを防ぐことができるとともに課題図柄の選択確率を一定に保つことができる。また、リーチ形成列の図柄数やリーチラインの数に変更があった場合でも、リーチライン数に応じて異なる計算式(2)で算出される値の公倍数となる数の乱数値を設定し、その値を計算式(2)で算出した値で除算するだけで、その剰余値によって図柄番号を特定することができる。
(7)基準図柄を特定する図柄番号にリーチ形成列を構成する図柄数を加算した値からリーチライン増加数を減算することで第1の演算値を算出し、第1の演算値を、リーチ形成列を構成する図柄の個数で除算した際の剰余値を禁則基準図柄として算出するようにした(計算式(1))。このような演算方法を採用することで、図柄の種類を図柄番号によって把握することができるとともに、各列の図柄が循環して変動するような態様であっても、禁則基準図柄として正確な値を算出することができる。
(8)リーチライン増加後、禁則基準図柄から順番に煽り演出を行った後、最終的に増加前リーチ図柄で煽り演出を行うようにした。これにより、リーチラインが増加する演出が行われた場合であっても、最終的に停止表示される図柄組み合わせは、増加前リーチ図柄として決定された図柄となるため、増加前のリーチ図柄と増加後のリーチ図柄の関連性を明確なものとすることができる。
(9)どの変動パターンが選択された場合であっても、リーチラインを増加させる際の図柄の展開方向を一定方向として定めた。これにより、課題図柄として選択可能な図柄の種類の範囲が、禁則基準図柄を中心としてどちらの方向に一定方向にずれるのかを統一することができる。
(10)リーチラインの本数や如何なる図柄でリーチが形成されるかにかかわらず、同一の演算処理を実行し、選択可能な複数種類の課題図柄の中から何れか1つの課題図柄を算出するようにした。これにより、リーチラインの本数や図柄の種類毎に課題図柄をパターン化したデータを記憶させる場合に比して、サブ統括制御基板36の記憶容量の圧迫を削減しつつ、リーチ図柄の種類に応じて複数種類の課題図柄の中から何れか1つの図柄を決定することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、ミッション演出の最低実行回数は10回に限られない。
・ 実施形態において、ミッション演出の実行中に課題図柄を変更させるミッション変更演出を実行するようにしても良い。
・ 実施形態において、各図柄列を構成する図柄数は、7個に限られない。つまり、各図柄列を構成する図柄数が異なる場合であっても、本実施形態に示す計算式(1)を用いれば、禁則基準図柄を算出することができる。
・ 実施形態において、大当り抽選に当選した場合には、増加後リーチ図柄に含まれる図柄と同一の図柄を課題図柄として決定するようにしても良い。このようにすることで、リーチ形成時に課題図柄と同一の図柄でリーチが形成されなかった場合、大当り抽選に当選していないと認識することになるが、リーチラインが増加することによって課題図柄とリーチライン増加後のリーチ図柄が一致することになり、ミッション達成となる。これにより、ミッション未達成という印象を抱かせつつ、リーチライン増加によってミッション達成となるので、意外性を与えることができる。
・ 実施形態における大当りの種類として、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない非確変大当りを設定しても良い。なお、「確変状態」とは、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率状態を低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動させる状態を指す。このような場合、演出表示装置22に確定停止表示される飾り図柄のうち、[111]、[333]、[555]、及び[777]によって構成される大当りの図柄組み合わせを、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定しても良い。一方、演出表示装置22に確定停止表示される飾り図柄のうち、[222]、[444]、及び[666]によって構成される大当りの図柄組み合わせを、非確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(非確変確定の大当り図柄)として設定しても良い。このように設定した場合において、ライン増加数が2本に設定された大当り演出用の変動パターンP5が選択されるとともに、増加前リーチ図柄として[2]が決定されたとする。この場合、課題図柄として[1]が決定されたとすると、課題図柄[1]が導出されたとしても、最初は[2]でリーチが形成されるので、ミッション未達成となる。ところが、リーチラインが増加することによって、リーチ形成図柄が[1]と[2]となってしまい、リーチライン増加後のリーチ図柄と課題図柄が一致してしまうことになる。ところが、課題図柄と一致したリーチ図柄[1]は、確変大当りを確定的に認識させる図柄として設定しているため、課題図柄とリーチ図柄が一致したにもかかわらず、大当り遊技終了後に確変状態が付与されないことになってしまう。したがって、このような場合には、課題図柄として、ライン増加後のリーチ図柄を除く図柄を決定する必要がある。
・ 実施形態において、各列における図柄の表示順序を変更しても良い。例えば、左列における図柄の表示順序を昇順とする一方で、右列における表示順序を降順としても良い。また、リーチラインが増加する前から、右列及び中列における表示順序を左列とは異なる表示順序で変動表示させても良い。このような場合であっても、本実施形態に示した計算式に従って演算を行うことで、課題図柄を算出することができる。ただし、左列の表示順序を昇順とする一方で、右列の表示順序を降順とした場合であっても、各図柄を特定する図柄番号は、本実施形態と同一であるとする。ただし、変動パターンP4が選択された場合における基準図柄を[4]とした場合、当該図柄は有効ラインL3上に表示される一方で、禁則基準図柄は[3]となり、当該図柄は有効ラインL2上に表示される。この場合、計算式(1)に当てはめると、(03H+07H−01H)÷07H=1…02Hとなるので、剰余値としての「02H」で特定される図柄は、[3]となり、計算式(1)を用いて禁則基準図柄として[3]を算出できる。また、左列の表示順序を昇順とする一方で、右列の表示順序を降順とした場合であっても、計算式(2)及び計算式(3)を用いて課題図柄を算出することができる。例えば、禁則基準図柄として[3]が算出された際に、課題図柄を特定する図柄番号として、「03H」を選択した場合、仮課題図柄を特定する図柄番号(03H)が禁則基準図柄を特定する図柄番号(02H)以上の値となるため、計算式(3)に当てはめると、02H+02H=04Hとなり、課題図柄として[5]が算出されることとなる。なお、図柄番号を本実施形態とは逆に付した場合、計算式(1)は、禁則基準図柄を特定する図柄番号=(基準図柄を特定する図柄番号(第1特定値)+リーチ形成列を構成する図柄数+リーチライン増加数)÷リーチ形成列を構成する図柄数…(1)となる。
・ 実施形態において、増加後リーチ図柄は、増加前リーチ図柄を有効ラインL1上に表示し、当該ラインを中心に上下方向にリーチラインが増加するような態様であっても良い。
・ 実施形態において、リーチラインの増加は、1本のリーチラインから2本のリーチラインに増加するような態様であっても良い。また、2本のリーチラインから3本のリーチラインに増加するような態様であっても良い。つまり、リーチラインの本数が変更前よりも変更後の方が多くなるのであれば、どのような本数であっても良い。
・ 実施形態において、各図柄列を構成する図柄数は異なっていても良い。このような場合、計算式(1)及び計算式(2)で使用される図柄列を構成する図柄数は、リーチ形成列を構成する図柄数となる。
・ 実施形態において、各図柄列において変動表示される図柄は、数字図柄ではなく果物や乗り物などとしても良い。このよう場合、本実施形態のように、内部的に各図柄を特定する図柄番号が対応付けられているものとする。
・ 本実施形態では、演出表示装置22を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としてもよい。
・ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、サブ統括制御基板36で実行する処理を演出表示制御基板37で実行するようにしても良い。また、サブ統括制御基板36と、音声・ランプ制御基板38と、音声・ランプ制御基板38とを単一の基板で構成しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記演出制御手段は、前記第2リーチ演出中、特定の図柄列において前記第1リーチ演出における表示順序とは逆の表示順序で図柄を表示させることでリーチ形成図柄を基準として予め定めた基準方向に沿って表示順序が連続する図柄を表示させることで前記リーチラインの本数を前記第1本数以上とする。
(ロ)各図柄列で変動表示される図柄の種類は、各図柄の種類を特定する特定値によって管理されており、前記第2リーチ演出実行時における第1停止列の図柄を特定する特定値は降順となっている一方で、第2停止列及び第3停止列の図柄を特定する特定値は昇順となっており、前記課題決定手段は、大当りか否かの大当り抽選に当選しなかった際に前記特定演出が実行される場合、前記第1リーチ演出で導出されるリーチ形成図柄を特定する第1特定値に基準としたリーチ形成列の図柄数を加算した値からリーチライン増加数を減算した値を第1の演算値とし、該第1の演算値を前記図柄数で除算した際の剰余値を、前記第2リーチ演出で導出されるリーチ形成図柄を特定する第2特定値として算出し、前記図柄数から前記第2リーチ演出におけるリーチライン数を減算した数分の課題決定値の中から何れか1つの値をランダムに決定するとともに、該課題決定値で特定される値を仮図柄として決定し、前記課題決定値で特定される仮図柄が前記第2特定値で特定される図柄よりも表示順序が前であった場合、決定した仮図柄を課題図柄として決定する一方で、前記課題決定値で特定される仮図柄が前記第2特定値で特定される図柄と同じ場合、又は前記図柄よりも表示順序が後であった場合、前記課題決定値に前記第2リーチ演出におけるリーチライン数を減算した値を、新たな課題決定値とする。