JP5175067B2 - 加振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビル、戸建住宅、橋または高架道路等のような構造物において、その固有振動数を検出するのに用いられる、加振装置に関する。
ビルや戸建住宅等の構造物においては、所定の耐震強度を持つことが要求されるが、実際には、耐震強度が不明な構造物が数多く存在するため、何らかの方法でそれを調査して耐震強度が不足する構造物を探し出し、これを補強することが防災上の重要な課題となっている。
構造物の耐震強度を評価する方法としては、構造物の「固有振動数」に基づく評価方法が有効である。この評価方法は、構造物を実際に振動させて「固有振動数」を検出し、当該「固有振動数」と、計算で求めた「設計固有振動数」とを対比し、当該「固有振動数」が「設計固有振動数」よりも低いときに「耐震強度が不足する可能性がある。」と評価するものである。
この評価方法では、加振装置を用いて構造物を実際に振動させる必要があるが、従来では、何トンもある大型の加振装置をクレーン等を用いて構造物に据付けていたので、小規模ビルまたは戸建住宅等のような小型の構造物や、クレーン等を搬入できない環境では使用できないという問題があった。
そこで、近年では、小型で軽量の加振装置が種々開発されており、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の加振装置は、「ボールネジによって左右に動かされる可動重錘をボールネジをまたぐようにして設置し、重錘駆動機構の長さを重錘変位振幅長とし、ボールネジをACサーボモータにより回転駆動し、その回転速度をフィードバックして加振振動数および加振力の制御を行うようにしたもの」である。
特許第3235820号公報
特許文献1の加振装置では、「重錘を回転式ではなくレール上で1次元に動かすこと」によって、装置全体の小型化を達成している(特許文献1の段落[0008]参照)。
しかしながら、「重錘駆動機構の長さを重錘変位振幅長としていること」や「レールを備えること」から、装置全体の長さを「重錘変位振幅長」や「レール長」よりも短くすることができず、さらなる小型化の要請には応えることができなかった。
また、「可動重錘をボールネジによって移動させるようにしていること」から、特に、可動重錘が大きく、また振動数が高い場合には、ACサーボモータの負担が大きくなり、消費電力が大きくなるという問題があった。
それゆえに本発明の主たる課題は、装置全体をより小型化できるとともに、モータの負担を軽減して消費電力を低減できる、加振装置を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「加振対象物12の水平面12aを振動運動することによって前記加振対象物12に所定の加振力を付与する、加振装置10であって、加振質量体14、前記加振質量体14が積載される基台16、前記基台16に取り付けられ、前記水平面12aを滑ることなく転動する車輪18、回転方向を切り換えながら前記車輪18を回転駆動することによって、基準位置P0を含む所定範囲内において前記基台16を前後方向へ振動運動させるモータ20、および前記基台16を前記基準位置P0から前方または後方へ移動させるとき、前記車輪18の回転回数に比例する戻りトルクを発生させてこれを前記車輪18に付与する戻りトルク発生手段21を備える、加振装置10」である。
本発明によれば、加振装置10の全体が車輪18によって移動するため、全ての構成要素の質量を加振力の発生に寄与する「加振質量」として用いることができる。また、加振装置10の全体が加振対象物12の水平面12aを振動運動するので、特許文献1の加振装置のように「レール」や「ボールネジ」を設ける必要がない。したがって、装置全体を小型軽量化できる。そして、戻りトルク発生手段21によって「戻りトルク」を発生させて、これを「戻り時」の推進力として車輪18に付与することができるので、モータ20の負担を軽減できる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した「加振装置10」において、「前記戻りトルク発生手段21は、前記車輪18の回転に伴って回転する巻取りプーリー48と、前記巻取りプーリー48に巻き掛けられた第1ワイヤー50aと、一端が前記基台16に固定され、かつ、他端が前記第1ワイヤー50aに連結された第1ばね手段52aと、前記巻取りプーリー48に前記第1ワイヤー50aとは反対の方向から巻き掛けられた第2ワイヤー50bと、一端が前記基台16に固定され、かつ、他端が前記第2ワイヤー50bに連結された第2ばね手段52bとを有しており、前記第1ばね手段52aと前記第2ばね手段52bとが前記基準位置P0においてバランスする」ことを特徴とする。
本発明において、車輪18の回転に伴って巻取りプーリー48が回転されると、巻取りプーリー48に第1ワイヤー50aまたは第2ワイヤー50bが巻き取られて第1ばね手段52aまたは第2ばね手段52bが伸長または収縮される。したがって、車輪18の回転回数が増加するにつれて第1ばね手段52aまたは第2ばね手段52bの反力が大きくなり、車輪18に付与される「戻りトルク」が大きくなる。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した「加振装置10」において、「前記戻りトルク発生手段21は、前記車輪18の回転と共に回転する駆動プーリー42と、前記巻取りプーリー48と一体となって回転する従動プーリー44と、前記駆動プーリー42の回転力を前記従動プーリー44に伝達する動力伝達ベルト46とをさらに有しており、前記駆動プーリー42は、前記動力伝達ベルト46が掛けられる部分の直径が任意に変更可能な可変プーリーである」ことを特徴とする。
本発明では、駆動プーリー42が「可変プーリー」であることから、従動プーリー44および巻取りプーリー48の回転速度、すなわち第1ワイヤー50aまたは第2ワイヤー50bの巻取り速度を調整でき、第1ばね手段52aまたは第2ばね手段52bの特性を加振装置10の振動運動に適するように調整できる。
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載した「加振装置10」において、「前記戻りトルク発生手段21は、前記車輪18の回転に伴って回転するピニオン56と、前記ピニオン56の回転運動を直線運動に変換するラック58と、一端が前記基台16に固定され、かつ、他端が前記ラック58に連結されたばね手段52a,52bとを有する」ことを特徴とする。
本発明において、車輪18の回転に伴ってピニオン56が回転されると、ラック58が直線運動されてばね手段52a,52bが引き伸ばされる。したがって、車輪18の回転回数が増加するにつれてばね手段52a,52bの反力が大きくなり、車輪18に付与される「戻りトルク」が大きくなる。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した「加振装置10」において、「前記戻りトルク発生手段21は、前記車輪18の回転と共に回転する駆動プーリー42と、前記ピニオン56と一体となって回転する従動プーリー44と、前記駆動プーリー42の回転力を前記従動プーリー44に伝達する動力伝達ベルト46とをさらに有しており、前記駆動プーリー42は、前記動力伝達ベルト46が掛けられる部分の直径が任意に変更可能な可変プーリーである」ことを特徴とする。
本発明では、駆動プーリー42が「可変プーリー」であることから、従動プーリー44およびピニオン56の回転速度、すなわちワイヤー50a,50bの巻取り速度を調整でき、ばね手段52a,52bの特性を加振装置10の振動運動に適するように調整できる。
請求項6に記載した発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載した「加振装置10」において、「前記基台16の振動運動の波形を検出する振動波形検出手段26と、前記モータ20の回転数を制御するモータ制御手段26とをさらに備えており、前記振動波形検出手段26によって検出された振動運動の波形が予め設定された目標振動波形と一致するように前記モータ制御手段26によって前記モータ20の回転数が制御される」ことを特徴とする。
本発明では、振動波形検出手段26によって検出された実際の振動運動の波形が目標振動波形と一致するようにモータ制御手段26によってモータ20の回転数を制御しているので、加振装置10をより正確に振動運動させることができる。
請求項7に記載した発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載した「加振装置10」において、「前記車輪18の回転に伴って回転する回転体62と、前記回転体62に取り付けられた慣性質量体64とを有する慣性力調整装置60をさらに備えており、前記回転体62の回転中心から前記慣性質量体64の重心までの距離が任意に変更可能である」ことを特徴とする。
本発明は、回転慣性力を調整するための慣性力調整装置60をさらに備えるものである。
請求項1〜7に記載した発明によれば、全ての構成要素の質量を加振力の発生に寄与する「加振質量」として用いることができるので、同じ大きさの加振力を得るのであれば、従来の加振装置(特許文献1)に比べて装置全体を大幅に軽量化できる。また、「レール」や「ボールネジ」によって装置全体の小型化が妨げられることはないので、従来の加振装置(特許文献1)に比べて装置全体を大幅に小型化できる。
また、戻りトルク発生手段21によって「戻りトルク」を発生させて、これを「戻り時」の推進力として車輪18に付与することができるので、特に加振装置10の移動方向を切り換えるときのモータ20の負担を軽減でき、消費電力を低減できる。
そして、戻りトルク発生手段21の機能を停止させた状態では、加振装置10を車輪18によって自由に移動させることができるので、搬送時の負担を軽減できる。
さらに、「レール」のような設備を必要としないので、任意の方向において複数台の加振装置10を駆動して加振することが可能であり、モード座標を探りながら最適な加振を行うことができる。このとき、複数台の加振装置10が位相の遅れなく制御されることは勿論である。
請求項3および5に記載した発明によれば、戻りトルク発生手段21を構成するばね手段52a,52bの特性を適宜調整できるので、モータ20の回転数等を変更して加振装置10の振動運動を変化させた場合でも、ばね手段52a,52bの特性を最適に調整することによってモータ20の負担を最大に軽減できる。
図1は、本発明が適用された加振装置10を示す正面図であり、図2は、加振装置10を示す底面図である。
加振装置10は、ビルまたは戸建住宅等のような構造物の「固有振動数」を検出する際に、構造物を所定周期で振動させるものであり、図3および図4に示すように、加振対象となる構造物(以下、「加振対象物」という。)12の水平面12aを振動運動することによって加振対象物12に所定の加振力を付与するものである。
加振装置10は、図1および図2に示すように、加振質量体14、基台16、車輪18、モータ20、第1トルク発生手段22、第2トルク発生手段24、制御装置26、加速度センサー28および電池30等によって構成されている。
なお、第1トルク発生手段22および第2トルク発生手段24については、両者をまとめて「戻りトルク発生手段21」として把握することができ、その場合、「戻りトルク発生手段21」が第1トルク発生手段22および第2トルク発生手段24を有することになる。
加振質量体14は、所定の加振力を発生させるための錘であり、鉄または鉛等の金属によって平面視略四角形の板状に形成されている。そして、加振質量体14の所定箇所には、脱落防止ピン32が挿通される複数(本実施例では2つ)の貫通孔14aが形成されている。
加振質量体14の総重量は、所定の加振力を発生させるのに適した重量に設定されるが、1枚の加振質量体14の重量が大き過ぎると、人の手で持ち運ぶ負担が大きくなり、また、重量の調整に不便である。そこで、本実施例では、人の手で容易に持ち運ぶことのできる程度に軽量の加振質量体14を複数枚積層して用いている。
基台16は、加振質量体14が積載される平面視略四角形の板状部材であり、基台16の上面には、複数(本実施例では2本)の脱落防止ピン32が立設されている。そして、基台16の下面には、図2に示すように、車輪18の車軸18aを支持する左右一対の2組の車軸受部34が、前後方向に間隔を隔てて設けられており、また、後述する回転軸36を支持する軸受部38が前後方向中央部に設けられている。さらに、基台16の下面における後端部には、後述するばね手段52aの一端を支持するばね支持部40aが設けられており、前端部には、後述するばね手段52bの一端を支持するばね支持部40bが設けられている。
なお、本実施例の説明で用いる「前後」の方向は、説明の便宜上定めた方向であり、図1および図2に示した「前後」の方向に対応している。
車輪18は、加振装置10の全体を前後方向へ直線的に移動させるものであり、車輪18の外周面は、加振対象物12の水平面12aを滑ることなく転動可能なように「ゴム」によって形成されている。そして、この車輪18が車軸受部34を介して基台16に取り付けられている。つまり、基台16には、左右一対の2組の車軸受部34に対応して、左右一対の2組の車輪18が前後方向に間隔を隔てて取り付けられており、後側の車輪18がモータ20によって回転駆動される「駆動輪」となっている。
モータ20は、回転方向を所定のタイミングで切り換えながら車輪18を回転駆動することによって、「基準位置P0」を含む所定範囲内において基台16を前後方向へ振動運動させるものであり、「サーボモータ」または「ステッピングモータ」がモータ20として用いられる。
モータ20によって基台16が振動運動されるとき、基台16は、図3および図4に示すように、「基準位置P0」を挟んだ「第1位置P1」と「第2位置P2」との間を移動することになる。ここで、「基準位置P0」とは、図4(A)または図4(C)に示すように、第1トルク発生手段22および第2トルク発生手段24が平衡状態にある位置を意味し、モータ20を停止したときには、基台16が「基準位置P0」に位置決めされる。「第1位置P1」とは、図4(B)に示すように、前進後退を繰り返す基台16の前進方向における「最大変位点」を意味し、「第1位置P1」においてモータ20の回転方向が切り換えられる。「第2位置P2」とは、図4(D)に示すように、前進後退を繰り返す基台16の後退方向における「最大変位点」を意味し、「第2位置P2」においてモータ20の回転方向が切り換えられる。
なお、モータ20の回転軸(図示省略)と車輪18の車軸18aとの間には、減速装置(図示省略)を介在させ、この減速装置でトルクを増大させるようにしてもよい。また、後側の車輪18だけでなく、前側の車輪18をも、同じモータ20または異なるモータ20によって回転駆動してもよい。この場合には、「四輪駆動」となるため、「二輪駆動」に比べて加振対象物12に対する加振力の伝達効率を高めることができる。
第1トルク発生手段22は、基台16を「基準位置P0」から「第1位置P1」へ移動させるときに、車輪18の回転回数に比例する「戻りトルク」を発生させてこれを「戻り時」の推進力として当該車輪18に付与するものであり、駆動プーリー42と、従動プーリー44と、動力伝達ベルト46と、巻取りプーリー48と、第1ワイヤー50aと、第1ばね手段52aとによって構成されている。
駆動プーリー42は、「駆動輪」となる車輪18の車軸18aに取り付けられて、車軸18aと一体となって回転するものであり、駆動プーリー42の外周には、動力伝達ベルト46が掛けられている。
駆動プーリー42における動力伝達ベルト46が掛けられる部分の直径は、不変であってもよいが、当該部分の直径を任意に変更できれば、従動プーリー44および巻取りプーリー48の回転速度、すなわち第1ワイヤー50a(または第2ワイヤー50b)の巻取り速度を調整でき、加振装置10の振動運動に応じて第1ばね手段52a(または第2ばね手段52b)の特性を最適に調整できる。そこで、本実施例では、動力伝達ベルト46が掛けられる部分の直径を任意に変更できる「可変プーリー」を駆動プーリー42として用いている。
従動プーリー44および巻取りプーリー48は、回転軸36に固定されて、互いに一体となって回転するものであり、従動プーリー44の外周には、動力伝達ベルト46が掛けられている。したがって、駆動プーリー42の回転力が動力伝達ベルト46を介して従動プーリー44に伝達され、この回転力によって巻取りプーリー48が回転される。
第1ワイヤー50aは、加振装置10を前進させるときの巻取りプーリー48の回転力を、第1ばね手段52aを引き伸ばす力に変換するものであり、巻取りプーリー48に後方から巻き掛けられている。そして、第1ワイヤー50aの一端は、巻取りプーリー48に固定されており、他端は、第1ばね手段52aに連結されている。
第1ばね手段52aは、巻取りプーリー48の回転力によって引き伸ばされる「コイルばね」であり、第1ばね手段52aの一端は、ばね支持部40aを介して基台16に固定されており、他端は、第1ワイヤー50aに連結されている。
したがって、加振装置10を「基準位置P0」から「第1位置P1」へ移動(前進)させるときには、車輪18の回転に伴って巻取りプーリー48が回転され、第1ワイヤー50aが巻き取られて第1ばね手段52aが引き伸ばされる。なお、第1ばね手段52aは、引き伸ばされた長さに応じた反力を生じるものであればよく、本実施例の「コイルばね」に限定されるものではない。
加振装置10が「基準位置P0」にあるときには、第1ばね手段52aは引き伸ばされた状態にあり、加振装置10を「基準位置P0」から「第1位置P1」へ移動させるときには、車輪18の回転回数に比例して第1ばね手段52aがさらに引き伸ばされ、ばね力が増しながら「戻りトルク」が発生する。一方、加振装置10を「基準位置P0」から「第2位置P2」へ移動させるときには、車輪18の回転回数に比例して第1ばね手段52aが収縮され、ばね力が減じながら「戻りトルク」が発生する。「戻りトルク」は、それぞれ「戻り時」の推進力として車輪18に付与される。
第2トルク発生手段24は、基台16を「基準位置P0」から「第2位置P2」へ移動させるときに、車輪18の回転回数に比例する「戻りトルク」を発生させてこれを「戻り時」の推進力として当該車輪18に付与するものであり、駆動プーリー42と、従動プーリー44と、動力伝達ベルト46と、巻取りプーリー48と、第2ワイヤー50bと、第2ばね手段52bとによって構成されている。
これらの構成要素のうち、駆動プーリー42、従動プーリー44、動力伝達ベルト46および巻取りプーリー48については、第1トルク発生手段22と共有されており、第2ワイヤー50bおよび第2ばね手段52bについては、第2トルク発生手段24に専用のものが用いられている。
第2ワイヤー50bは、加振装置10を後退させるときの巻取りプーリー48の回転力を、第2ばね手段52bを引き伸ばす力に変換するものであり、巻取りプーリー48に第1ワイヤー50aとは反対の方向(前方)から巻き掛けられている。そして、第2ワイヤー50bの一端は、巻取りプーリー48に固定されており、他端は、第2ばね手段52bに連結されている。
第2ばね手段52bは、巻取りプーリー48の回転力によって引き伸ばされる「コイルばね」であり、第2ばね手段52bの一端は、ばね支持部40bを介して基台16に固定されており、他端は、第2ワイヤー50bに連結されている。
したがって、加振装置10を「基準位置P0」から「第2位置P2」へ移動(後退)させるときには、車輪18の回転に伴って巻取りプーリー48が回転され、第2ワイヤー50bが巻き取られて第2ばね手段52bが引き伸ばされる。なお、第2ばね手段52bは、引き伸ばされた長さに応じた反力を生じるものであればよく、本実施例の「コイルばね」に限定されるものではない。
加振装置10が「基準位置P0」にあるときには、第2ばね手段52bは引き伸ばされた状態にあり、加振装置10を「基準位置P0」から「第2位置P2」へ移動させるときには、車輪18の回転回数に比例して第2ばね手段52bがさらに引き伸ばされ、ばね力が増しながら「戻りトルク」が発生する。一方、加振装置10を「基準位置P0」から「第1位置P1」へ移動させるときには、車輪18の回転回数に比例して第2ばね手段52bが収縮され、ばね力が減じながら「戻りトルク」が発生する。「戻りトルク」は、それぞれ「戻り時」の推進力として車輪18に付与される。
第1トルク発生手段22の第1ばね手段52aと、第2トルク発生手段24の第2ばね手段52bとは、「基準位置P0」においてバランスしている。したがって、加振装置10は、「基準位置P0」を中心として振動運動することになる。
制御装置26は、モータ20の回転数や回転方向を制御する「モータ制御手段」として、また、基台16の振動運動の波形を検出する「振動波形検出手段」として機能するものであり、各種の演算を行う「中央処理装置」と各種の情報を記憶する「記憶装置」とを有している。加速度センサー28は、制御装置26と協働して「振動波形検出手段」を構成するものであり、基台16の加速度を検出する機能を有している。そして、制御装置26が、基台16の底面におけるモータ20の近くに取り付けられており、加速度センサー28が、基台16の前端面に取り付けられており、制御装置26にモータ20および加速度センサー28が電気的に接続されている。
電池30は、モータ20および制御装置26を駆動する電源であり、基台16の底面に取り付けられている。電池30の種類は、特に限定されるものではないが、本実施例では、繰り返し充電可能なものが用いられている。
加振装置10を周期運動させて加振対象物12の「固有振動数」を検出する際には、まず、所定の「目標周期」を制御装置26に設定し、加振装置10が「目標周期」で振動するようにモータ20によって車輪18を回転駆動する。すると、図4に示すように、「基準位置P0」を挟んだ「第1位置P1」と「第2位置P2」との間で加振装置10が往復運動され、「第1位置P1」および「第2位置P2」において車輪18から加振対象物12へ加振力が付与され、この加振力によって加振対象物12が振動される。そして、加振対象物12の「振幅」は、加振対象物12に設置された振幅センサー54(図3)で検出され、「目標周期」と当該「振幅」とが関連付けて記録される。
このような加振装置10の周期運動においては、特に「第1位置P1」および「第2位置P2」で折り返す際にモータ20の負担が大きくなるが、本実施例では、戻りトルク発生手段21、すなわち第1トルク発生手段22および第2トルク発生手段24によって車輪18に「戻りトルク」を付与するようにしているので、モータ20の負担を軽減できる。特に、加振装置10の「ばね力」と「質量(回転慣性力を含む。)」とで決まる走行モードの固有振動数が加振周期と同じ場合には、モーター動力を大幅に小さくすることができる。
つまり、加振装置10が「基準位置P0」から「第1位置P1」へ移動(前進)するときには、巻取りプーリー48によって第1ワイヤー50aが巻き取られ、それに伴って第1ばね手段52aが徐々に引き伸ばされ、「第1位置P1」において第1ばね手段52aの反力が最大となる。この反力は「戻りトルク」として車輪18に付与されるので、加振装置10が後退するとき、すなわち「戻り時」には、モータ20の負担が軽減されることになる。
一方、加振装置10が「基準位置P0」から「第2位置P2」へ移動(後退)するときには、巻取りプーリー48によって第2ワイヤー50bが巻き取られ、それに伴って第2ばね手段52bが徐々に引き伸ばされ、「第2位置P2」において第2ばね手段52bの反力が最大となる。この反力は「戻りトルク」として車輪18に付与されるので、加振装置10が前進するとき、すなわち「戻り時」には、モータ20の負担が軽減されることになる。
また、モータ20の回転数は、加振装置10の実際の振動運動によってフィードバック制御されるので、各種の外部要因の影響を受けることなく、加振装置10を「目標振動波形」で正確に振動運動させることができる。
つまり、加振装置10が振動運動している際には、加速度センサー28によって基台16の「加速度信号」が検出されており、「振動波形検出手段」としての制御装置26では、「加速度信号」に基づいて実際の振動運動の波形が検出される。そして、「モータ制御手段」としての制御装置26では、実際の振動運動の波形が「目標振動波形」となるようにモータ20の回転数が制御される。加振装置10の振動運動では、正弦波振動を生じさせることが重要であるが、周波数を掃引して加振したり、ランダムに加振したりしてもよい。
加振対象物12の「振幅」は、加振装置10の「加振振動数」が加振対象物12の「固有振動数」と同じであるときに最大となる。したがって、当該「振幅」が最大となる「加振振動数」が分かればその値を「固有振動数」と認定できる。そこで、「目標周期」を繰り返し変更しながら当該「振幅」を検出し、当該「振幅」が最大となるときの「目標周期」を探し出し、その「目標周期」に基づいて「加振振動数」を算出することによって「固有振動数」を求める。このとき、加振波形と応答との位相を読む必要があることは勿論である。
戻りトルク発生手段21を構成するばね手段52a,52bの特性は、加振装置10の運動周期に応じて最適に設定することが望ましく、「目標周期」を繰り返し変更する際には、それに応じてばね手段52a,52bの特性を調整することが望ましい。そこで、本実施例では、駆動プーリー42における動力伝達ベルト46が掛けられる部分の直径を変更し、ばね手段52a,52bを引き伸ばす速度を変更することによってばね手段52a,52bの特性を調整している。
なお、上述の実施例における戻りトルク発生手段21では、巻取りプーリー48およびワイヤー50a,50bを用いてばね手段52a,52bを引き伸ばすようにしているが、図5に示すように、巻取りプーリー48に代えてピニオン56を使用し、かつ、ワイヤー50a,50bに代えてラック58を使用してもよい。この場合には、ピニオン56の回転に伴ってラック58が直線運動され、ラック58の移動量に応じてばね手段52a,52bが伸長または収縮される。
また、図6に示すように、ばね手段(圧縮ばね)52c,52dを圧縮することによって反力を生じさせ、この反力を「戻りトルク」として車輪18に付与してもよい。また、図7に示すように、一方のトルク発生手段22については、ばね手段(引張ばね)52eを引き伸ばすことによって反力を生じさせ、かつ、他方のトルク発生手段24については、ばね手段(圧縮ばね)52fを圧縮することによって反力を生じさせるようにしてもよい。
そして、上述の実施例では、駆動プーリー42として「可変プーリー」を用いることによって、ばね手段52a,52bの特性を調整しているが、駆動プーリー42、従動プーリー44、巻取りプーリー48またはピニオン56をサイズの異なるものに手動で交換することによって、ばね手段52a,52bの特性を調整してもよい。また、従動プーリー44として「可変プーリー」を用いることによって、ばね手段52a,52bの特性を任意に調整できるようにしてもよい。
さらに、回転軸36には、図8に示すように、回転慣性力を調整可能な慣性力調整装置60を取り付けてもよい。慣性力調整装置60は、回転軸36に対して放射状に取り付けられた複数の棒状の回転体62と、回転慣性力を発生させるブロック状の慣性質量体64とを有しており、慣性質量体64に形成された貫通孔(図示省略)に回転体62が挿入されている。そして、慣性質量体64に形成されたネジ孔(図示省略)に固定ネジ66が螺合されており、この固定ネジ66によって慣性質量体64が回転体62に固定されている。したがって、回転体62の回転中心から慣性質量体64の重心までの距離は、固定ネジ66を緩めることによって任意に変更可能であり、当該距離を変更することによって回転慣性力を調整できる。
また、慣性力調整装置60においては、重さが異なる複数種類の慣性質量体64を準備しておき、これを適宜交換することによって回転慣性力を調整するようにしてもよい。
加振装置を示す正面図である。 加振装置を示す底面図である。 加振装置の使用状態を示す概念図である。 加振装置の動作を示す行程図である。 他の加振装置(ラック・ピニオン)を示す正面図である。 他の加振装置(圧縮ばね/圧縮ばね)を示す底面図である。 他の加振装置(引張ばね/圧縮ばね)を示す底面図である。 他の加振装置(慣性力調整装置)を示す正面図である。
符号の説明
10… 加振装置
12… 加振対象物
12a… 水平面
14… 加振質量体
16… 基台
18… 車輪
20… モータ
21… 戻りトルク発生手段
22… 第1トルク発生手段
24… 第2トルク発生手段
26… 制御装置
28… 加速度センサー
36… 回転軸
40a,40b… ばね支持部
42… 駆動プーリー
44… 従動プーリー
46… 動力伝達ベルト
48… 巻取りプーリー
50a… 第1ワイヤー
50b… 第2ワイヤー
52a… 第1ばね手段
52b… 第2ばね手段
56… ピニオン
58… ラック
60… 慣性力調整装置
62… 回転体
64… 慣性質量体

Claims (7)

  1. 加振対象物の水平面を振動運動することによって前記加振対象物に所定の加振力を付与する、加振装置であって、
    加振質量体、
    前記加振質量体が積載される基台、
    前記基台に取り付けられ、前記水平面を滑ることなく転動する車輪、
    回転方向を切り換えながら前記車輪を回転駆動することによって、基準位置を含む所定範囲内において前記基台を前後方向へ振動運動させるモータ、および
    前記基台を前記基準位置から前方または後方へ移動させるとき、前記車輪の回転回数に比例する戻りトルクを発生させてこれを前記車輪に付与する戻りトルク発生手段を備える、加振装置。
  2. 前記戻りトルク発生手段は、前記車輪の回転に伴って回転する巻取りプーリーと、前記巻取りプーリーに巻き掛けられた第1ワイヤーと、一端が前記基台に固定され、かつ、他端が前記第1ワイヤーに連結された第1ばね手段と、前記巻取りプーリーに前記第1ワイヤーとは反対の方向から巻き掛けられた第2ワイヤーと、一端が前記基台に固定され、かつ、他端が前記第2ワイヤーに連結された第2ばね手段とを有しており、
    前記第1ばね手段と前記第2ばね手段とが前記基準位置においてバランスする、請求項1に記載の加振装置。
  3. 前記戻りトルク発生手段は、前記車輪の回転と共に回転する駆動プーリーと、前記巻取りプーリーと一体となって回転する従動プーリーと、前記駆動プーリーの回転力を前記従動プーリーに伝達する動力伝達ベルトとをさらに有しており、前記駆動プーリーは、前記動力伝達ベルトが掛けられる部分の直径が任意に変更可能な可変プーリーである、請求項2に記載の加振装置。
  4. 前記戻りトルク発生手段は、前記車輪の回転に伴って回転するピニオンと、前記ピニオンの回転運動を直線運動に変換するラックと、一端が前記基台に固定され、かつ、他端が前記ラックに連結されたばね手段とを有する、請求項1に記載の加振装置。
  5. 前記戻りトルク発生手段は、前記車輪の回転と共に回転する駆動プーリーと、前記ピニオンと一体となって回転する従動プーリーと、前記駆動プーリーの回転力を前記従動プーリーに伝達する動力伝達ベルトとをさらに有しており、前記駆動プーリーは、前記動力伝達ベルトが掛けられる部分の直径が任意に変更可能な可変プーリーである、請求項4に記載の加振装置。
  6. 前記基台の振動運動の波形を検出する振動波形検出手段と、前記モータの回転数を制御するモータ制御手段とをさらに備えており、前記振動波形検出手段によって検出された振動運動の波形が予め設定された目標振動波形と一致するように前記モータ制御手段によって前記モータの回転数が制御される、請求項1ないし5のいずれかに記載の加振装置。
  7. 前記車輪の回転に伴って回転する回転体と、前記回転体に取り付けられた慣性質量体とを有する慣性調整装置をさらに備えており、前記回転体の回転中心から前記慣性質量体の重心までの距離が任意に変更可能である、請求項1ないし5のいずれかに記載の加振装置。
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