JP6331921B2 - 支持治具及び構造部材の衝突試験方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、試作車は高価であることから、試験の実施は容易ではなく、評価機会は限られている。また、試験の実施までに長い時間を必要とするため、問題が発生した際は開発工程の遅延につながることも多い。そのため、新しい材料や新しい構造を試作車に搭載することは容易ではない。また、仮に搭載されたとしても、限られた数の中で多くの材料や構造を評価することはできない。
また、自動車メーカー以外では、費用対効果や設備面から車体の衝突性能の評価を実施することは困難で、鉄鋼メーカーや部品メーカー等が自社製品の衝突性能の評価をすることは困難であった。
この特許文献1では、フライホイールを用いて変形抵抗による構造部材の捩じり強度を模擬し、実車試験と同様の挙動を再現している。そして、回転固定(フライホイールが全く回転しないように固定された状態)の場合は、衝突後の変位が低く見積もられ、回転自由(フライホイールの受け軸周りの回転モーメントが0)の場合は、衝突後の変位が過剰に算出されることが示されている。
また、本発明の支持治具の他の特徴とするところは、前記弾性部材は、コイルスプリングである点、前記変換機構は、前記軸に設けられたピニオンと、前記移動体に設けられたラックとにより構成される点にある。
本発明の構造部材の衝突試験方法は、衝突試験の評価対象となる構造部材を、本発明の支持治具で支持するとともに、前記支持治具を前記取付部を介して剛体壁に取り付けて、前記構造部材に衝撃を加えて変形挙動を評価することを特徴とする。
また、本発明の構造部材の衝突試験方法の他の特徴とするところは、前記構造部材は、センターピラーと、前記センターピラーの天井側に設けられたルーフレールの一部と、前記センターピラーの床側に設けられたサイドシルの一部とからなる部分モデルであり、前記ルーフレールの両端及び前記サイドシルの両端を前記支持治具でそれぞれ支持する点にある。
図2は、自動車の側面衝突試験の概要を説明するための図である。評価対象とする構造部材Wは、センターピラー1と、センターピラー1の天井側に設けられたルーフレール3の一部と、センターピラー1の床側に設けられたサイドシル2の一部とからなる部分モデルである。側面衝突試験では、構造部材Wに対して、インパクタ4によりセンターピラー1に対して側面衝突を模擬した衝突荷重を加えて変形挙動を評価する。
そこで、図2に示すように、ルーフレール3の両端及びサイドシル2の両端を支持治具でそれぞれ支持する。この場合に、特許文献1にもあるように、構造部材Wの支持構造として回転固定では衝突後の変位が低く見積もられ、回転自由では衝突後の変位が過剰に算出される。
図1A、図1Bに、実施形態に係る支持治具10を示す。
支持治具10は、剛体壁に取り付けるための取付部である取付板11を備える。側面衝突試験に際しては、支持治具10を取付板11を介して剛体壁に取り付け、固定する。
取付板11にはロードセル12が載設され、ロードセル12の上に台座13が設けられる。
また、ラック22の移動量又は歯車16の回転角を計測することで、構造部材Wに付与したトルクの変化を時系列で容易に把握することができ、正確な衝突性能の評価を行うことができる。
以上より、構造部材の衝突性能を精度良く評価することが可能になる。
ケース1は、ルーフレール3の両端及びサイドシル2の両端を固定した場合(回転固定)の特性である。
ケース2は、ルーフレール3の両端及びサイドシル2の両端を、本発明を適用した支持治具でそれぞれ支持した場合の特性である。
ケース3は、ルーフレール3の両端及びサイドシル2の両端を支持しない場合(回転自由)の特性である。
図3に示すように、ケース1及びケース3では、インパクタ4の変位に対して荷重が過剰になったり、不足したりする。それに対して、ケース2では、インパクタ4の変位とインパクタ4が受ける荷重との関係を適正なもの、即ち実車試験と同様の挙動を再現することができる。
Claims (5)
- 衝突試験の評価対象となる構造部材を支持する支持治具であって、
回転可能に支持される軸と、
前記軸の端部に設けられ、前記構造部材に連結する連結部と、
前記軸の回転に応じたトルクを付与するトルク付与機構と、
該支持治具を剛体壁に取り付けるための取付部とを備え、
前記トルク付与機構は、前記軸の回転を移動体の直線運動に変換する変換機構と、前記変換機構により直線運動する前記移動体に弾性力により、前記構造部材に対して回転に線形なトルクを付与する弾性部材とにより構成されることを特徴とする支持治具。 - 前記弾性部材は、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の支持治具。
- 前記変換機構は、前記軸に設けられたピニオンと、前記移動体に設けられたラックとにより構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持治具。
- 衝突試験の評価対象となる構造部材を、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の支持治具で支持するとともに、前記支持治具を前記取付部を介して剛体壁に取り付けて、前記構造部材に衝撃を加えて変形挙動を評価することを特徴とする構造部材の衝突試験方法。
- 前記構造部材は、センターピラーと、前記センターピラーの天井側に設けられたルーフレールの一部と、前記センターピラーの床側に設けられたサイドシルの一部とからなる部分モデルであり、
前記ルーフレールの両端及び前記サイドシルの両端を前記支持治具でそれぞれ支持することを特徴とする請求項4に記載の構造部材の衝突試験方法。
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