JP5173868B2 - 光ピックアップ装置および光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置および光ディスク装置に関するものであり、特に、複数の記録層が積層された記録媒体に対して記録/再生を行う際に用いて好適なものである。
近年、光ディスクの大容量化に伴い、記録層の多層化が進んでいる。一枚のディスク内に複数の記録層を含めることにより、ディスクのデータ容量を顕著に高めることができる。記録層を積層する場合、これまでは片面2層が一般的であったが、最近では、さらに大容量化を進めるために、片面に3層以上の記録層を配することも検討されている。ここで、記録層の積層数を増加させると、ディスクの大容量化を促進できる。しかし、その一方で、記録層間の間隔が狭くなり、層間クロストークによる信号劣化が増大する。
記録層を多層化すると、記録/再生対象とされる記録層(ターゲット記録層)からの反射光が微弱となる。このため、ターゲット記録層の上下にある記録層から、不要な反射光(迷光)が光検出器に入射すると、検出信号が劣化し、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに悪影響を及ぼす惧れがある。したがって、このように記録層が多数配されている場合には、適正に迷光を除去して、光検出器からの信号を安定化させる必要がある。
以下の特許文献1には、ピンホールを用いて迷光を除去する技術が記載されている。また、特許文献2には、1/2波長板と偏光光学素子を組み合わせることにより迷光を除去する技術が記載されている。
なお、特許文献3には、フォーカスエラー信号に生じるトラック横断時の乱れを抑制する手法が記載されている。
特開2006−260669号公報 特開2006−252716号公報 特開2001−101681号公報
上記特許文献1の技術によれば、ターゲット記録層から反射されたレーザ光(信号光)の収束位置にピンホールを正確に位置づける必要があるため、ピンホールの位置調整作業が困難であるとの課題がある。位置調整作業を容易にするためピンホールのサイズを大きくすると、迷光がピンホールを通過する割合が増加し、迷光による信号劣化を効果的に抑制できなくなる。
また、特許文献2の技術によれば、迷光を除去するために、1/2波長板と偏光光学素子が2つずつ必要である他、さらに、2つのレンズが必要であるため、部品点数とコストが増加し、また、各部材の配置調整が煩雑であるとの課題がある。また、これらの部材を並べて配置するスペースが必要となり、光学系が大型化するとの課題もある。
なお、光ディスク装置においては、光ピックアップ装置から出射されるレーザ光を記録層上に適正に収束させる必要がある。この場合、非点収差法に基づいてフォーカスエラー信号を生成すると、収束スポットがディスク上のトラックを横断する際に、フォーカスエラー信号に乱れが生じる(いわゆる溝外乱の発生)。よって、光ディスク装置では、かかる溝外乱を円滑に抑制するための構成が必要となる。
本発明は、このような課題を解消するためになされたものであり、簡素な構成にて円滑に迷光を除去でき、且つ、トラック横断時にフォーカスエラー信号に生じる溝外乱を効果的に抑制できる光ピックアップ装置および光ディスク装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る光ピックアップ装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を記録媒体上に収束させる対物レンズと、前記記録媒体によって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、前記記録媒体により反射された前記レーザ光の光束領域を前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする第1の直線と第2の直線によって4分割した各分割領域内の光束の進行方向を互いに異ならせる角度調整素子と、前記4つの分割領域内の光束を前記第1の直線と前記第2の直線に対してそれぞれ45度回転した第3の直線と第4の直線でさらに2分割した8つの光束をそれぞれ受光する8つのセンサを有する光検出器と、前記センサからの信号に基づいて非点収差法によるフォーカスエラー信号を生成する演算回路と、を備え、前記角度調整素子は、前記4つの分割領域内の光束が前記光検出器の受光面上において直方形の異なる4つの頂角の位置にそれぞれ導かれるよう、これら4つの光束の進行方向を変化させ、前記非点収差素子は、前記記録媒体上のトラックの方向が前記第1の方向と前記第2の方向に対しそれぞれ45度傾くように配置され、前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号を用いてフォーカスエラー信号を生成することを特徴とする。
第1の態様に係る光ピックアップ装置によれば、ターゲット記録層にて反射されたレーザ光(信号光)と、当該ターゲット記録層の上および/若しくは下の記録層から反射されたレーザ光(迷光)とが、光検出器の受光面(オンフォーカス時に信号光スポットが最小錯乱円になる面)上において、互いに重なり合わないようにすることができる。したがって、光検出器により信号光のみを受光することができ、よって、迷光による検出信号の劣化を抑制することができる。また、この作用を、角度調整素子を光路中に配置するのみで実現できる。よって、この態様によれば、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができる。さらに、前記センサパターンを構成する各センサを配置し易くなり、また、センサの配置領域をコンパクトにすることができる。
加えて、本態様に係る光ピックアップ装置によれば、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号を用いてフォーカスエラー信号が生成されるため、フォーカスエラー信号に生じる溝外乱を円滑かつ効果的に抑制することができる。
また、第1の態様に係る光ピックアップ装置において、前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第1のフォーカスエラー信号を生成する第1の演算部と、前記トラックの方向に並ばない2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第2のフォーカスエラー信号を生成する第2の演算部と、前記第1のフォーカスエラー信号と前記第2のフォーカスエラー信号を加算する加算部とを備える構成とされ得る。ここで、前記第1の演算部は、前記第2のフォーカスエラー信号に対して前記第1のフォーカスエラー信号を増幅させる信号増幅部を有する構成とされ得る。
こうすると、第1のフォーカスエラー信号に第2のフォーカスエラー信号を加算してフォーカスエラー信号が生成されるため、第1のフォーカスエラー信号のみを用いてフォーカスエラー信号を生成する場合に比べ、フォーカスエラー信号を大きくすることができる。また、このとき、前記第2のフォーカスエラー信号に対して前記第1のフォーカスエラー信号が増幅されるため、第2のフォーカスエラー信号上に生じる溝外乱を相対的に弱めることができ、全体として、溝外乱の影響を抑制することができる。
本発明の第2の態様に係る光ディスク装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光をディスク上に収束させる対物レンズと、前記ディスクによって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、前記ディスクにより反射された前記レーザ光の光束領域を前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする第1の直線と第2の直線によって4分割した各分割領域内の光束の進行方向を互いに異ならせる角度調整素子と、前記4つの分割領域内の光束を前記第1の直線と前記第2の直線に対してそれぞれ45度回転した第3の直線と第4の直線でさらに2分割した8つの光束をそれぞれ受光する8つのセンサを有する光検出器と、前記センサからの信号に基づいて非点収差法によるフォーカスエラー信号を生成する演算回路と、を備え、前記角度調整素子は、前記4つの分割領域内の光束が前記光検出器の受光面上において直方形の異なる4つの頂角の位置にそれぞれ導かれるよう、これら4つの光束の進行方向を変化させ、前記非点収差素子は、前記ディスク上のトラックの方向が前記第1の方向と前記第2の方向に対しそれぞれ45度傾くように配置され、前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号を用いてフォーカスエラー信号を生成することを特徴とする。
第2の態様に係る光ディスク装置によれば、上記第1の態様に係る光ピックアップ装置と同様、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができ、また、フォーカスエラー信号に生じる溝外乱を円滑かつ効果的に抑制することができる。
また、第2の態様に係る光ディスク装置において、前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第1のフォーカスエラー信号を生成する第1の演算部と、前記トラックの方向に並ばない2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第2のフォーカスエラー信号を生成する第2の演算部と、前記第1のフォーカスエラー信号と前記第2のフォーカスエラー信号を加算する加算部とを備える構成とされ得る。ここで、前記第1の演算部は、前記第2のフォーカスエラー信号に対して前記第1のフォーカスエラー信号を増幅させる信号増幅部を有する構成とされ得る。
以上のとおり、本発明によれば、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができ、且つ、トラック横断時にフォーカスエラー信号に生じる溝外乱を効果的に抑制できる光ピックアップ装置および光ディスク装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
<技術的原理>
まず、図1ないし図11を参照して、本実施の形態に適用される技術的原理について説明する。
図1(a)は、ターゲット記録層によって反射されたレーザ光(信号光)が、平行光の状態でアナモレンズ等の非点収差素子に入射されたときの信号光と迷光の収束状態を示す図である。なお、“迷光1”は、レーザ光入射面側から見てターゲット記録層よりも一つ奥側にある記録層にて反射されたレーザ光であり、“迷光2”は、ターゲット記録層よりも一つ手前にある記録層にて反射されたレーザ光である。また、同図は、信号光がターゲット記録層にフォーカス合わせされたときの状態を示している。
図示の如く、アナモレンズの作用により、図中の“曲面方向”に信号光が収束することによって面S1に焦線が生じ、さらに、この曲面方向に垂直な図中の“平面方向”に信号光が収束することによって面S2に焦線が生じる。そして、面S1と面S2の間の面S0において、信号光のスポットが最小(最小錯乱円)となる。非点収差法に基づくフォーカス調整では、面S0に光検出器の受光面が置かれる。なお、ここではアナモレンズにおける非点収差作用を簡単に説明するために、便宜上、”曲面方向”と”平面方向”と表現しているが、実際には、互いに異なる位置に焦線を結ぶ作用がアナモレンズによって生じれば良く、図1中の“平面方向”におけるアナモレンズの形状を平面に限定するものではない。
なお、同図(a)に示す如く、迷光1の焦線位置(同図では、非点収差素子による2つの焦線位置の間の範囲を“収束範囲”と示す)は、信号光の焦線位置よりも非点収差素子に接近しており、また、迷光2の焦線位置は、信号光の焦線位置よりも非点収差素子から離れている。
図1(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における信号光のビーム形状を示す図である。真円で非点収差素子に入射した信号光は、面S1上で楕円となり、面S0上で略真円となった後、面S2上にて再び楕円となる。ここで、面S1上のビーム形状と面S2上のビーム形状は、それぞれの長軸が互いに垂直の関係となっている。
ここで、同図(a)および(b)のように、平行光部分におけるビームの外周に、反時計方向に8つの位置(位置1〜8:同図では丸囲み数字で表記)を設定すると、位置1〜8を通る光線は、非点収差素子によってそれぞれ収束作用を受ける。なお、位置4と位置8は、曲面方向に平行な直線にて平行光部分のビーム断面を2分割する場合の分割線上に位置しており、位置2と位置6は、平面方向に平行な直線にて平行光部分のビーム断面を2分割する場合の分割線上に位置している。位置1、3、5、7はそれぞれ、位置2、4、6、8によって区分される外周円弧の中間にある。
平行光部分において位置4と位置8を通る光線は、面S1で曲面方向の焦線へと収束された後に面S0へと入射する。このため、これら位置4、8を通る光線は、面S0上において、同図(d)に示す位置4、8を通る。同様に、平行光部分において位置1、3、5、7を通る光線も、面S1にて曲面方向の焦線へと収束された後に面S0へと入射するため、面S0上では、同図(d)に示す位置1、3、5、7を通る。これに対し、平行光部分において位置2、6を通る光線は、面S1で曲面方向の焦線へと収束されずに面S0へと入射する。このため、これら位置2、6を通る光線は、面S0上において、同図(d)に示す位置2、6を通る。
図2(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における迷光1のビーム形状と光線通過位置を示す図である。同図(b)に示すように、迷光1の外周にも、上記信号光の場合と同様に8つの位置1〜8を設定すると、これら8つの位置1〜8を通る光線は、曲面方向の焦線および平面方向の焦線の何れかに収束された後に面S0へと入射する。このため、平行光部分において位置1〜8を通る光線は、面S0上において、それぞれ、同図(d)に示す位置1〜8を通る。
図3(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における迷光2のビーム形状と光線通過位置を示す図である。同図(b)に示すように、迷光2の外周にも、上記信号光の場合と同様に8つの位置1〜8を設定すると、これら8つの位置1〜8を通る光線は、曲面方向の焦線と平面方向の焦線の何れへも収束されることなく面S0へと入射する。このため、平行光部分において位置1〜8を通る光線は、面S0上において、それぞれ、同図(d)に示す位置1〜8を通る。
図4は、以上に説明した平行光部分および面S1、S0、S2上におけるビーム形状と光線の通過位置を、信号光、迷光1および迷光2を対比して示す図である。同図中の(c)の段を対比して分かるとおり、平行光部分において位置1を通過した信号光、迷光1および迷光2の光束は、それぞれ、面S0上において、互いに異なる外周位置を通過する。同様に、平行光部分において位置3,4,5,7,8を通過した信号光、迷光1および迷光2の光束も、面S0において、互いに異なる外周位置を通過する。平行光部分において位置2,6を通過した信号光と迷光2の光束は、面S0において、同じ外周位置を通過する。この場合も、平行光部分において位置2,6を通過した信号光と迷光1の光束は、面S0において、互いに異なる外周位置を通過し、また、平行光部分において位置2、6を通過した迷光1と迷光2の光束は、面S0において、互いに異なる外周位置を通過する。
次に、以上の現象を考慮して、平行光部分における信号光および迷光1、2の領域分割パターンと、面S0上における信号光および迷光1、2の照射領域との関係について検討する。
まず、図5(a)に示すように、平行光部分における信号光および迷光1、2を、平面方向と曲面方向に対して45°傾いた2つの直線で分割し、4つの光束領域A〜Dに区分したとする。なお、この分割パターンは、従来の非点収差法に基づく領域分割に対応するものである。
この場合、上述の現象により、光束領域A〜Dの信号光は、面S0上において、同図(b)のように分布する。また、光束領域A〜Dの迷光1および迷光2は、上述の現象により、それぞれ、同図(c)および(d)のように分布する。
ここで、面S0上における信号光と迷光1、2を光束領域毎に取り出すと、各光の分布は、図6(a)ないし(d)のようになる。この場合、各光束領域の信号光には、同じ光束領域の迷光1および迷光2の何れか一方が必ず重なる。このため、各光束領域の信号光を光検出器上のセンサパターンで受光すると、少なくとも、同じ光束領域における迷光1または迷光2が対応するセンサパターンに同時に入射し、これにより検出信号に劣化が生じる。
これに対し、図7(a)に示すように、平行光部分における信号光および迷光1、2を、平面方向と曲面方向に平行な2つの直線で分割し、4つの光束領域A〜Dに区分したとする。この場合、上述の現象から、光束領域A〜Dの信号光は、面S0上において、同図(b)のように分布する。また、光束領域A〜Dの迷光1および迷光2は、上述の現象により、それぞれ、同図(c)および(d)のように分布する。
ここで、面S0上における信号光と迷光1、2を光束領域毎に取り出すと、各光の分布は、図8(a)ないし(d)のようになる。この場合、各光束領域の信号光には、同じ光束領域の迷光1および迷光2の何れも重ならない。このため、各光束領域内の光束(信号光、迷光1、2)を異なる方向に離散させた後に、信号光のみをセンサパターンにて受光するように構成すると、対応するセンサパターンには信号光のみが入射し、迷光の入射を抑止することができる。これにより、迷光による検出信号の劣化を回避することができる。
以上のように、信号光および迷光1、2を平面方向と曲面方向に平行な2つの直線で4つの光束領域A〜Dに分割し、これら光束領域A〜Dを通る光を分散させて面S0上において離間させることにより、信号光のみを取り出すことができる。本実施の形態は、この原理を基盤とするものである。
図9は、図7(a)に示す4つの光束領域A〜Dを通る光束(信号光、迷光1、2)の進行方向を、それぞれ、異なる方向に、同じ角度だけ変化させたときの、面S0上における信号光と迷光1、2の分布状態を示す図である。ここでは、同図(a)に示すように、光束領域A〜Dを通る光束(信号光、迷光1、2)の進行方向が、それぞれ、方向Da、Db、Dc、Ddに、同じ角度量α(図示せず)だけ変化している。なお、方向Da、Db、Dc、Ddは、平面方向と曲面方向に対して、それぞれ、45°の傾きを持っている。
この場合、方向Da、Db、Dc、Ddにおける角度量αを調節することにより、S0平面上において、同図(b)に示すように各光束領域の信号光と迷光1、2を分布させることができる。その結果、図示の如く、信号光のみが存在する信号光領域をS0平面上に設定することができる。この信号光領域に光検出器のセンサパターンを設定することにより、各領域の信号光のみを、対応するセンサパターンにて受光することができる。
図10は、センサパターンの配置方法を説明する図である。同図(a)および(b)は、従来の非点収差法に基づく光束の分割方法とセンサパターンを示す図であり、同図(c)および(d)は、上述の原理に基づく光束の分割方法とセンサパターンを示す図である。ここで、トラック方向は、平面方向および曲面方向に対して45°の傾きを持っている。なお、同図(a)および(b)には、説明の便宜上、光束が8つの光束領域a〜hに区分されている。また、トラック溝による回折の像(トラック像)が実線で示され、オフフォーカス時のビーム形状が点線によって示されている。
従来の非点収差法では、光検出器のセンサパターンP1〜P4(4分割センサ)が同図(b)のように設定される。この場合、光束領域a〜hの光強度に基づく検出信号成分をA〜Hで表すと、フォーカスエラー信号FEは、FE=(A+B+E+F)−(C+D+G+H)の演算により求まり、プッシュプル信号PPは、PP=(A+B+G+H)−(C+D+E+F)の演算により求まる。
これに対し、上記図9(b)の分布状態では、上述の如く、信号光領域内に、図10(c)の状態で信号光が分布している。この場合、図10(a)に示す光束領域a〜hを通る信号光の分布を同図(c)の分布に重ねると、同図(d)のようになる。すなわち、同図(a)の光束領域a〜hを通る信号光は、光検出器のセンサパターンが置かれる面S0上では、同図(d)に示す光束領域a〜hへと導かれる。
したがって、同図(d)に示す光束領域a〜hの位置に、同図(d)に重ねて示す如くセンサパターンP11〜P18を設定すれば、同図(b)の場合と同様の演算処理によって、フォーカスエラー信号とプッシュプル信号を生成することができる。すなわち、この場合も、光束領域a〜hの光束を受光するセンサパターンからの検出信号をA〜Hで表すと、同図(b)の場合と同様、フォーカスエラー信号FEは、
FE=(A+B+E+F)−(C+D+G+H) ・・・(1)
の演算により取得でき、また、プッシュプル信号PPは、
PP=(A+B+G+H)−(C+D+E+F) ・・・(2)
の演算により取得することができる。
以上のように、本原理によれば、平行光部分における信号光および迷光1、2を、図1の平面方向と曲面方向に平行な2つの直線で4つの光束領域A〜Dに分割し、これら光束領域A〜Dを通る光を分散させ、さらに、分散させた後の各光束領域A〜Dにおける信号光を、2分割された受光部(2分割センサ)によって個別に受光することにより、従来の非点収差法に基づく場合と同様の演算処理にて、フォーカスエラー信号とプッシュプル信号(トラッキングエラー信号)を生成することができる。
ところで、本原理によれば、上記の如く、図10(d)に示すセンサパターンを用いて、フォーカスエラー信号FEが、上記式(1)の演算により取得されるが、この場合、フォーカスエラー信号には、図10(b)に示す従前のセンサパターンを用いる場合と同様、トラック横断時に溝外乱が生じる。かかる溝外乱は、センサパターン上に投影されるトラック像の影響により生じる。
図11(a)は、図10(d)のセンサパターンを用いる場合の、センサパターンとトラック像の関係を模式的に示す図である。図示の如く、上記原理を用いる場合、トラック像は、主に、センサP11、P12上と、センサP17、P18上に投影される。なお、同図(b)、(c)は、フォーカス位置がターゲット層に対して前方および奥方にずれた場合の信号光の状態を模式的に示す図である。
したがって、本原理を用いる場合には、トラック像の影響の少ないセンサ群(センサP13、P14、P15、P16)が生じるようになる。また、このセンサ群を用いてフォーカスエラー信号を生成することができる。すなわち、
FE=(B+F)−(C+G) ・・・(3)
の演算によりフォーカスエラー信号を生成することができる。こうしてフォーカスエラー信号を生成すれば、フォーカスエラー信号に対するトラック像の影響が抑制できる。すなわち、フォーカスエラー信号に生じる溝外乱を抑制することができる。
図12は、かかる場合のフォーカスエラー信号の生成回路を示す図である。図示の如く、フォーカスエラー信号を生成するための演算回路は、2つの加算回路21、22と、減算回路23を備える。かかる回路構成により、上記式(3)の演算が行われ、フォーカスエラー信号FEが生成される。こうして生成されたフォーカスエラー信号は、上述の如く、溝外乱が抑制されたものとなる。
なお、図12の回路構成では、信号光を受光する8つのセンサのうち4つのセンサからの信号のみを用いてフォーカスエラー信号が生成されるため、フォーカスエラー信号の生成における信号光の利用効率が低下する。
図13は、かかる不都合を抑制するための回路構成を示す図である。ここでは、図12の構成において演算に用いなかった4つのセンサP11、P12、P17、P18からの信号を用いて非点収差法に基づくフォーカスエラー信号FE2を生成するための回路部(加算回路26、27および減算回路28)が追加されている。また、図12に示す構成にて生成されるフォーカスエラー信号を増幅してフォーカスエラー信号FE1を生成するための2つの増幅回路24、25が追加されている。さらに、フォーカスエラー信号FE1、FE2を加算してフォーカスエラー信号を生成する加算回路29が追加されている。
図13に示す回路構成では、次式の演算により、フォーカスエラー信号FEが生成される。
FE=M{(B+F)−(C+G)}+{(A+E)−(D+H)} ・・・(4)
図13に示す回路構成によれば、フォーカスエラー信号FE1にフォーカスエラー信号FE2を加算してフォーカスエラー信号FEが生成されるため、図12の場合に比べ、フォーカスエラー信号FEを大きくすることができる。
なお、図13の回路構成では、フォーカスエラー信号の生成に、トラック像が投影されるセンサP11、P12、P17、P18からの信号が用いられるため、図12の構成に比べて、フォーカスエラー信号に溝外乱が生じ易い。ただし、図13の構成では、フォーカスエラー信号FE2に対してフォーカスエラー信号FE1がM倍(M>1)だけ増幅されるため、フォーカスエラー信号FE2に生じる溝外乱を相対的に弱めることができ、全体として、溝外乱の影響を抑制することができる。
なお、図12または図13に示す信号演算回路は、光ピックアップ装置側に配されていても良く、あるいは、光ピックアップ装置を搭載する光ディスク装置側にあっても良い。また、信号演算回路を構成する回路部の一部が光ピックアップ装置側にあってもよい。たとえば、図13に示す演算回路の全てが、光ピックアップ装置側にあっても、光ディスク装置側にあっても良く、あるいは、信号FE1、FE2を生成する回路部までは光ピックアップ装置側にあり、それより後段側の回路は光ディスク装置側にある等、演算回路が光ピックアップ装置と光ディスク装置に分かれて配置されていても良い。
<実施例>
以下、上記原理に基づく実施例について説明する。
図14に、本実施例に係る光ピックアップ装置の光学系と光ディスク装置の要部回路を示す。同図中のディスクには、複数の記録層が積層して配置されている。
図示の如く、光ピックアップ装置の光学系は、半導体レーザ101と、偏光ビームスプリッタ102と、コリメートレンズ103と、レンズアクチュエータ104と、立ち上げミラー105と、1/4波長板106と、アパーチャ107と、対物レンズ108と、ホルダ109と、対物レンズアクチュエータ110と、検出レンズ111と、角度調整素子112と、光検出器113を備えている。
半導体レーザ101は、所定波長のレーザ光を出射する。偏光ビームスプリッタ102は、半導体レーザ101から入射されるレーザ光(S偏光)を略全反射するとともに、コリメートレンズ103側から入射されるレーザ光(P偏光)を略全透過する。コリメートレンズ103は、偏光ビームスプリッタ102側から入射されるレーザ光を平行光に変換する。
レンズアクチュエータ104は、サーボ回路203から入力されるサーボ信号に応じてコリメートレンズ103を光軸方向に変位させる。これにより、レーザ光に生じる収差が補正される。立ち上げミラー105は、コリメートレンズ103側から入射されたレーザ光を対物レンズ108に向かう方向に反射する。
1/4波長板106は、ディスクへと向かうレーザ光を円偏光に変換するとともに、ディスクからの反射光をディスクへ向かう際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクによって反射されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ102を透過する。
アパーチャ107は、対物レンズ108に対するレーザ光の有効径が適正となるように、レーザ光のビーム形状を円形形状に調整する。対物レンズ108は、レーザ光をディスク内のターゲット記録層に適正に収束できるよう設計されている。ホルダ109は、1/4波長板106と対物レンズ108を一体的に保持する。対物レンズアクチュエータ110は、従来周知の電磁駆動回路によって構成され、当該回路のうち、フォーカスコイル等のコイル部がホルダ109に装着されている。
検出レンズ111は、ディスクからの反射光に非点収差を導入する。すなわち、検出レンズ111は、図1の非点収差素子に相当する。検出レンズ111は、平面方向と曲面方向が、ディスクからのトラック像に対してそれぞれ45°の傾きとなるよう配置される。
角度調整素子112は、検出レンズ111側から入射されたレーザ光の進行方向を、図9を参照して述べた如く変化させる。すなわち、角度調整素子112は、入射されたレーザ光のうち、図9の光束領域A〜Dを通過する光束の進行方向を、それぞれ、方向Da〜Ddに、同じ角度量αだけ変化させる。なお、角度量αは、面S0上における信号光と迷光1、2の分布状態が、図9(b)の分布状態となるように設定されている。
光検出器113は、図10(d)に示すセンサパターンを有する。光検出器113は、このセンサパターンが図1の面S0の位置に位置づけられるように配置される。光検出器113には、図10(d)に示す8個のセンサP11〜P18が配されており、これらが、各々、図10(d)の光束領域a〜hを通る光束を受光する。
信号演算回路201は、図12または図13の演算回路を備え、光検出器113の8個のセンサから出力された検出信号を、上記式(3)または式(4)に従って演算処理し、フォーカスエラー信号を生成する。また、信号演算回路201は、これら8個のセンサから出力された検出信号を加算して再生RF信号を生成する。さらに、信号演算回路201は、光検出器113の8個のセンサから出力された検出信号を、上記式(2)に従って演算処理し、プッシュプル信号(トラッキングエラー信号)を生成する。生成されたフォーカスエラー信号とプッシュプル信号はサーボ回路203に送られ、再生RF信号は再生回路202とサーボ回路203に送られる。
再生回路202は、信号演算回路201から入力された再生RF信号を復調して再生データを生成する。サーボ回路203は、信号演算回路201から入力されたプッシュプル信号とフォーカスエラー信号からトラッキングサーボ信号とフォーカスサーボ信号を生成し、これらを対物レンズアクチュエータ110に出力する。また、サーボ回路203は、信号演算回路201から入力された再生RF信号の品質が最良になるよう、レンズアクチュータ104にサーボ信号を出力する。コントローラ204は、内蔵メモリに格納されたプログラムに従って各部を制御する。
図15は、角度調整素子112の構成例を示す図である。同図(a)は、回折パターンを有するホログラム素子によって角度調整素子112を構成する場合の構成例を示し、同図(b)および(c)は、多面プリズムによって角度調整素子112を構成する場合の構成例を示している。
まず、同図(a)の構成例において、角度調整素子112は、正方形形状の透明板にて形成され、光入射面にホログラムパターンが形成されている。光入射面は、図示の如く、4つのホログラム領域112a〜112dに区分されている。これらホログラム領域112a〜112dに、それぞれ、図9(a)の光束領域A〜Dを通過したレーザ光(信号光、迷光1、2)が入射するよう、角度調整素子112が検出レンズ111の後段に配置される。
ホログラム領域112a〜112dは、入射されたレーザ光(信号光、迷光1、2)を、それぞれ、方向Va〜Vdに回折させる。方向Va〜Vdは、図9(a)の方向Da〜Ddに一致している。よって、ホログラム領域112a〜112dは、回折により、検出レンズ111から入射されたレーザ光(信号光、迷光1、2)の進行方向を、それぞれ、図9(a)のDa〜Ddの方向に変化させる。各領域における回折角は同じとなっている。
ここで、回折角は、ホログラム領域112a〜112dを通過したレーザ光(信号光、迷光1、2)が、図1の面S0において、図9(b)のように分布するよう調整されている。よって、上記の如く、図10(d)のセンサパターンを有する光検出器113の受光面を面S0に配置することにより、上記8個のセンサによって、対応する信号光を適正に受光することができる。
なお、上記ホログラム領域112a〜112dの回折効率は互いに同じとなっている。ホログラム領域112a〜112dに形成されるホログラムがステップ型である場合、回折効率は、ホログラムパターンのステップ数と1ステップあたりの高さによって調整され、回折角は、ホログラムパターンのピッチによって調整される。よって、この場合には、予め決められた回折次数の回折効率が所期の値となるように、ホログラムパターンのステップ数と1ステップあたりの高さが設定され、さらに、当該回折次数における回折角が図9(b)の分布を与え得るように、ホログラムパターンのピッチが調整される。
なお、ホログラム領域112a〜112dに形成されるホログラムをブレーズ型とすることも可能である。この場合、ステップ型のホログラムよりも回折効率を高めることができる。
図15(b)の構成例において、角度調整素子112は、光出射面が平坦で、且つ、光入射面が4つの領域において異なる方向に個別に傾斜する透明体によって形成されている。同図(c)は同図(b)を光入射面側から見た図である。図示の如く、角度調整素子112の光入射面には、4つの傾斜面112e〜112hが形成されている。これら傾斜面に入射面側から光線がX軸に平行に入射すると、傾斜面112e〜112hに入射する際の屈折作用によって、光の進行方向が、それぞれ、同図(c)のVe〜Vhの方向に変化する。ここで、傾斜面112e〜112hにおける屈折角は、同じである。
同図(b)の角度調整素子112は、傾斜面112e〜112hに、それぞれ、図9(a)の光束領域A〜Dを通過したレーザ光(信号光、迷光1、2)が入射するよう、検出レンズ111の後段に配置される。こうして角度調整素子112が配置されると、傾斜面112e〜112hにおける屈折方向Ve〜Vhが、図9(a)の方向Da〜Ddに一致することとなる。よって、傾斜面112e〜112hは、屈折により、検出レンズ111から入射されたレーザ光(信号光、迷光1、2)の進行方向を、一定角度だけ、それぞれ、図9(a)のDa〜Ddの方向に変化させる。
ここで、各傾斜面における屈折角は、傾斜面112e〜112hを通過したレーザ光(信号光、迷光1、2)が、図1の面S0において、図9(b)のように分布するよう調整されている。よって、面S0に、図10(d)のセンサパターンを有する光検出器113を配置することにより、上記8個のセンサによって、対応する信号光を適正に受光することができる。
なお、図15(a)の構成例では、ホログラム領域112a〜112dに、レーザ光の進行方向を一定角度だけ変化させる角度付与の回折作用のみを持たせるようにしたが、角度付与の他、検出レンズ111による非点収差作用をも同時に発揮するホログラムパターンを、ホログラム領域112a〜112dに設定しても良い。また、角度調整素子112の光入射面に上記角度付与のためのホログラムパターンを形成し、非点収差作用を持たせるためのホログラムパターンを角度調整素子112の光出射面に持たせるようにしても良い。
同様に、図15(b)の角度調整素子112においても、光出射面に、非点収差を導入するためのレンズ面を形成するようにしても良く、あるいは、傾斜面112e〜112hを曲面形状として、傾斜面112e〜112hに非点収差のレンズ作用を持たせるようにしても良い。こうすると、検出レンズ111を省略することができ、部品点数とコストの削減を図ることができる。
以上、本実施例によれば、ディスク内に配された記録層のうちターゲット記録層から反射された信号光と、当該ターゲット記録層の上および下の記録層から反射された迷光1、2とが、光検出器113の受光面(オンフォーカス時に信号光スポットが最小錯乱円になる面S0)上において、互いに重なり合わないようにすることができる。具体的には、受光面(面S0)上における信号光と迷光1、2の分布を、図9(b)の状態にすることができる。したがって、図9(b)の信号光領域に、図10(d)に示すセンサパターンを配置することにより、センサP11〜P18によって、対応する信号光のみを受光することができる。このため、迷光による検出信号の劣化を抑制することができる。
加えて、本実施例によれば、図12または図13の回路構成によりフォーカスエラー信号が生成されるため、上記に説明した如く、フォーカスエラー信号に生じる溝外乱を効果的に抑制することができる。
また、これらの効果を、ディスクによって反射されたレーザ光の光路中、すなわち、図14の構成では検出レンズ111と光検出器113の間に、角度調整素子112を配置するのみで達成することができる。したがって、本実施例によれば、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができ、かつ、フォーカスエラー信号に生じる溝外乱を抑制することができる。
なお、上記原理による迷光除去効果は、図16に示すように、迷光1の平面方向の焦線位置が面S0(信号光のスポットが最小錯乱円となる面)よりも非点収差素子に接近した位置にあり、且つ、迷光2の曲面方向の焦線位置が面S0よりも非点収差素子から離れた位置にあるときに奏され得るものである。すなわち、この関係が満たされていれば、信号光と迷光1、2の分布は上記図8に示す状態となり、面S0において、信号光と迷光1、2が重なり合わないようすることができる。換言すれば、この関係が満たされる限り、たとえ、信号光の曲面方向の焦線位置よりも迷光1の平面方向の焦線位置が面S0に接近し、あるいは、信号光の平面方向の焦線位置よりも迷光2の曲面方向の焦線位置が面S0に接近したとしても、上記原理に基づく本発明ないし実施例の効果は奏され得る。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、図13の演算回路では、加算回路21、22の直後に増幅回路24、25を配したが、これに替えて、減算回路23の直後に一つの増幅回路を配しても良く、あるいは、センサP13、P14、P15、P16と加算回路21、22の入力端子との間にそれぞれ個別に増幅回路を配置しても良い。
また、図15に示す角度調整素子112は、4つの分割領域A〜D内の全光束についてそれぞれ進行方向を変化させる構成としたが、4つの分割領域A〜D内の光束の一部について進行方向を変化させ、信号光領域に導くようにしても良い。この場合、少なくとも、センサP14、P16に導かれる信号光と、センサP13、P15に導かれる信号光とは、互いに光量が等しくなっている必要があり、また、センサP11、P12に導かれる信号光と、センサP17、P18に導かれる信号光とは、互いに光量が等しくなっている必要がある。
また、上記実施の形態では、トラック方向が、平面方向および曲面方向に対して45°の傾きを持つよう、検出レンズ111(非点収差素子)を配したが、トラック方向が、平面方向および曲面方向に対して45°傾く方向からややずれた場合にも、フォーカスエラー信号に対する溝外乱の影響を抑制することができる。本発明は、このような場合も広く含むものである。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(角度付与と光束の分布)を説明する図 実施の形態に係るセンサパターンの配置方法を示す図 実施の形態に係るセンサパターンとトラック像の関係を模式的に示す図 実施の形態に係るフォーカスエラー信号生成回路の構成を示す図 実施の形態に係るフォーカスエラー信号生成回路の他の構成を示す図 実施例に係る光ピックアップ装置の光学系と光ディスク装置の要部構成を示す図 実施例に係る角度調整素子の構成例を示す図 実施例および本発明の技術原理の好ましい適用範囲を示す図
101 … 半導体レーザ
108 … 対物レンズ
111 … 検出レンズ(非点収差素子)
112 … 角度調整素子
113 … 光検出器
P11〜P18 … センサ
21、22 … 加算回路(演算回路、第1の演算部)
23 … 減算回路(演算回路、第1の演算部)
24、25 … 増幅回路(演算回路、第1の演算部、信号増幅部)
26、27 … 加算回路(演算回路、第2の演算部)
28 … 減算回路(演算回路、第2の演算部)
29 … 加算回路(演算回路、加算部)

Claims (4)

  1. レーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を記録媒体上に収束させる対物レンズと、
    前記記録媒体によって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、
    前記記録媒体により反射された前記レーザ光の光束領域を前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする第1の直線と第2の直線によって4分割した各分割領域内の光束の進行方向を互いに異ならせる角度調整素子と、
    前記4つの分割領域内の光束を前記第1の直線と前記第2の直線に対してそれぞれ45度回転した第3の直線と第4の直線でさらに2分割した8つの光束をそれぞれ受光する8つのセンサを有する光検出器と、
    前記センサからの信号に基づいて非点収差法によるフォーカスエラー信号を生成する演算回路と、を備え、
    前記角度調整素子は、前記4つの分割領域内の光束が前記光検出器の受光面上において直方形の異なる4つの頂角の位置にそれぞれ導かれるよう、これら4つの光束の進行方向を変化させ、
    前記非点収差素子は、前記記録媒体上のトラックの方向が前記第1の方向と前記第2の方向に対しそれぞれ45度傾くように配置され、
    前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号を用いてフォーカスエラー信号を生成する、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 請求項に記載の光ピックアップ装置において、
    前記演算回路は;
    前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第1のフォーカスエラー信号を生成する第1の演
    算部と、
    前記トラックの方向に並ばない2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第2のフォーカスエラー信号を生成する第2の演算部と、
    前記第1のフォーカスエラー信号と前記第2のフォーカスエラー信号を加算する加算部とを備え、
    前記第1の演算部は、前記第2のフォーカスエラー信号に対して前記第1のフォーカスエラー信号を増幅させる信号増幅部を有する、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. レーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光をディスク上に収束させる対物レンズと、
    前記ディスクによって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、
    前記ディスクにより反射された前記レーザ光の光束領域を前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする第1の直線と第2の直線によって4分割した各分割領域内の光束の進行方向を互いに異ならせる角度調整素子と、
    前記4つの分割領域内の光束を前記第1の直線と前記第2の直線に対してそれぞれ45度回転した第3の直線と第4の直線でさらに2分割した8つの光束をそれぞれ受光する8つのセンサを有する光検出器と、
    前記センサからの信号に基づいて非点収差法によるフォーカスエラー信号を生成する演算回路と、を備え、
    前記角度調整素子は、前記4つの分割領域内の光束が前記光検出器の受光面上において直方形の異なる4つの頂角の位置にそれぞれ導かれるよう、これら4つの光束の進行方向を変化させ、
    前記非点収差素子は、前記ディスク上のトラックの方向が前記第1の方向と前記第2の方向に対しそれぞれ45度傾くように配置され、
    前記演算回路は、前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号を用いてフォーカスエラー信号を生成する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項に記載の光ディスク装置において、
    前記演算回路は;
    前記第1の直線と前記第2の直線によって分割される4つの前記分割領域のうち、前記トラックの方向に並ぶ2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第1のフォーカスエラー信号を生成する第1の演算部と、
    前記トラックの方向に並ばない2つの分割領域の光束に対応する4つの前記センサからの信号に基づいて前記非点収差法による演算により第2のフォーカスエラー信号を生成する第2の演算部と、
    前記第1のフォーカスエラー信号と前記第2のフォーカスエラー信号を加算する加算部とを備え、
    前記第1の演算部は、前記第2のフォーカスエラー信号に対して前記第1のフォーカスエラー信号を増幅させる信号増幅部を有する、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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