JP2010049758A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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謙司 永冨
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Abstract

【課題】簡素な構成にて効果的に迷光を除去でき、これにより、トラッキングエラー信号の品質を高め得る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】ディスクによって反射されたレーザ光を光軸の周りに4つの光束領域A〜Dに区分する。光学素子10は、光束領域A,Dの光束を遮光するとともに、光束領域B,Cの光束の進行方向をDb方向,Dc方向に変化させる。光検出器の検出面には、信号光のみが存在する信号光領域が現れる。この領域にセンサPm11、12、Ps11、12、Ps21、22を配置する。これにより、信号光のみをセンサにて受光でき迷光の影響を除去することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、光ピックアップ装置に関するものであり、特に、複数の記録層が積層された記録媒体に対して記録/再生を行う際に用いて好適なものである。
近年、光ディスクの大容量化に伴い、記録層の多層化が進んでいる。一枚のディスク内に複数の記録層を含めることにより、ディスクのデータ容量を顕著に高めることができる。記録層を積層する場合、これまでは片面2層が一般的であったが、最近では、さらに大容量化を進めるために、片面に3層以上の記録層を配することも検討されている。ここで、記録層の積層数を増加させると、ディスクの大容量化を促進できる。しかし、その一方で、記録層間の間隔が狭くなり、層間クロストークによる信号劣化が増大する。
記録層を多層化すると、記録/再生対象とされる記録層(ターゲット記録層)からの反射光が微弱となる。このため、ターゲット記録層の上下にある記録層から、不要な反射光(迷光)が光検出器に入射すると、検出信号が劣化し、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに悪影響を及ぼす惧れがある。したがって、このように記録層が多数配されている場合には、適正に迷光を除去して、光検出器からの信号を安定化させる必要がある。
以下の特許文献1には、ピンホールを用いて迷光を除去する技術が記載されている。また、特許文献2には、1/2波長板と偏光光学素子を組み合わせることにより迷光を除去する技術が記載されている。
特開2006−260669号公報 特開2006−252716号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、ターゲット記録層から反射されたレーザ光(信号光)の収束位置にピンホールを正確に位置づける必要があるため、ピンホールの位置調整作業が困難であるとの課題がある。位置調整作業を容易にするためピンホールのサイズを大きくすると、迷光がピンホールを通過する割合が増加し、迷光による信号劣化を効果的に抑制できなくなる。
また、特許文献2の技術によれば、迷光を除去するために、1/2波長板と偏光光学素子が2つずつ必要である他、さらに、2つのレンズが必要であるため、部品点数とコストが増加し、また、各部材の配置調整が煩雑であるとの課題がある。また、これらの部材を並べて配置するスペースが必要となり、光学系が大型化するとの課題もある。
本発明は、このような課題を解消するためになされたものであり、簡素な構成にて効果的に迷光を除去でき、これにより、トラッキングエラー信号の精度を高め得る光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光ピックアップ装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を記録媒体上に収束させる対物レンズと、前記記録媒体によって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする2つの直線によって前記レーザ光を分割したとき、前記2つの直線によって作られる一組の対頂角が並ぶ方向にある第1の光束領域と第2の光束領域の前記レーザ光を他の光束領域のレーザ光とは別に取り出す光学素子と、前記光学素子によって取り出された前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光を受光して検出信号を出力する光検出器とを備える。ここで、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の並ぶ方向が光学的に前記記録媒体上のトラックを跨ぐ方向となっている。
本発明によれば、記録/再生対象の記録層(ターゲット記録層)にて反射されたレーザ光(信号光)と、当該ターゲット記録層の上および/若しくは下の記録層から反射されたレーザ光(迷光)とが、光検出器の受光面(オンフォーカス時に信号光スポットが最小錯乱円になる面)上において、互いに重なり合わないようにすることができる。したがって、光検出器により信号光のみを受光することができ、よって、迷光による検出信号の劣化を抑制することができる。また、この作用を、光学素子を光路中に配置するのみで実現できる。よって、この態様によれば、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができる。
また、本発明によれば、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の並ぶ方向が光学的に前記記録媒体上のトラックを跨ぐ方向となっているため、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域における前記レーザ光の光量バランスによって、トラッキングエラーを検出することができる。よって、光検出器からの信号によって、トラッキングエラー信号を生成することができる。
このように、本発明によれば、簡素な構成により、迷光の影響が抑制された高品質のトラッキングエラー信号を生成することができる。
本発明に係る光ピックアップ装置は、前記レーザ光源から出射されたレーザ光をメインビームとサブビームに分割する分割素子をさらに備える構成とすることができる。このとき、前記光学素子は、前記メインビームと前記サブビームにおける前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光を取り出す構成とされ、また、前記光検出器は、前記光学素子によって取り出された前記メインビームと前記サブビームにおける前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光をそれぞれ受光するセンサパターンを有する構成とされ得る。こうすると、3ビーム法によるトラッキングエラー信号が精度良く生成され得る。
また、本発明において、前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域以外の領域のレーザ光を遮光する構成とされ得る。このとき、前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光の進行方向を相反する方向に変化させる構成とすることができ、より限定的には、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光の進行方向を、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に垂直な方向に変化させる構成とすることができる。
また、本発明において、前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域以外の領域のレーザ光を透過させるとともに、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部を分離させる構成とすることができる。このとき、前記光検出器は、前記光学素子によって分離された前記レーザ光の一部を受光する第1の受光部と、前記光学素子を透過した前記レーザ光を受光する第2の受光部とを備える構成とされ得る。こうすると、第1の受光部からの信号によって、上記のようにトラッキングエラー信号を生成できる他、第2の受光部からの信号によってフォーカスエラー信号や再生RF信号を生成することができる。
なお、このように光学素子と光検出器を構成する場合、光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部の進行方向を前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に平行な方向から前記レーザ光の光軸周りの相反する周方向に傾いた方向に変化させるよう構成され得る。
あるいは、光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部の進行方向を前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に平行な同一方向に同じ角度だけ変化させるよう構成され得る。
以上のとおり、本発明によれば、簡素な構成にて効果的に迷光を除去することができ、これにより、トラッキングエラー信号の品質を高め得る光ピックアップ装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
<技術的原理>
まず、図1ないし図10を参照して、本実施の形態に適用される技術的原理について説明する。
図1(a)は、ターゲット記録層によって反射されたレーザ光(信号光)が、平行光の状態でアナモレンズ等の非点収差素子に入射されたときの信号光と迷光の収束状態を示す図である。なお、“迷光1”は、レーザ光入射面側から見てターゲット記録層よりも一つ奥側にある記録層にて反射されたレーザ光であり、“迷光2”は、ターゲット記録層よりも一つ手前にある記録層にて反射されたレーザ光である。また、同図は、信号光がターゲット記録層にフォーカス合わせされたときの状態を示している。
図示の如く、アナモレンズの作用により、図中の“曲面方向”に信号光が収束することによって面S1に焦線が生じ、さらに、この曲面方向に垂直な図中の“平面方向”に信号光が収束することによって面S2に焦線が生じる。そして、面S1と面S2の間の面S0において、信号光のスポットが最小(最小錯乱円)となる。非点収差法に基づくフォーカス調整では、面S0に光検出器の受光面が置かれる。なお、ここではアナモレンズにおける非点収差作用を簡単に説明するために、便宜上、”曲面方向”と”平面方向”と表現しているが、実際には、互いに異なる位置に焦線を結ぶ作用がアナモレンズによって生じれば良く、図1中の“平面方向”におけるアナモレンズの形状を平面に限定するものではない。
なお、同図(a)に示す如く、迷光1の焦線位置(同図では、非点収差素子による2つの焦線位置の間の範囲を“収束範囲”と示す)は、信号光の焦線位置よりも非点収差素子に接近しており、また、迷光2の焦線位置は、信号光の焦線位置よりも非点収差素子から離れている。
図1(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における信号光のビーム形状を示す図である。真円で非点収差素子に入射した信号光は、面S1上で楕円となり、面S0上で略真円となった後、面S2上にて再び楕円となる。ここで、面S1上のビーム形状と面S2上のビーム形状は、それぞれの長軸が互いに垂直の関係となっている。
ここで、同図(a)および(b)のように、平行光部分におけるビームの外周に、反時計方向に8つの位置(位置1〜8:同図では丸囲み数字で表記)を設定すると、位置1〜8を通る光線は、非点収差素子によってそれぞれ収束作用を受ける。なお、位置4と位置8は、曲面方向に平行な直線にて平行光部分のビーム断面を2分割する場合の分割線上に位置しており、位置2と位置6は、平面方向に平行な直線にて平行光部分のビーム断面を2分割する場合の分割線上に位置している。位置1、3、5、7はそれぞれ、位置2、4、6、8によって区分される外周円弧の中間にある。
平行光部分において位置4と位置8を通る光線は、面S1で曲面方向の焦線へと収束された後に面S0へと入射する。このため、これら位置4、8を通る光線は、面S0上において、同図(d)に示す位置4、8を通る。同様に、平行光部分において位置1、3、5、7を通る光線も、面S1にて曲面方向の焦線へと収束された後に面S0へと入射するため、面S0上では、同図(d)に示す位置1、3、5、7を通る。これに対し、平行光部分において位置2、6を通る光線は、面S1で曲面方向の焦線へと収束されずに面S0へと入射する。このため、これら位置2、6を通る光線は、面S0上において、同図(d)に示す位置2、6を通る。
図2(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における迷光1のビーム形状と光線通過位置を示す図である。同図(b)に示すように、迷光1の外周にも、上記信号光の場合と同様に8つの位置1〜8を設定すると、これら8つの位置1〜8を通る光線は、曲面方向の焦線および平面方向の焦線の何れかに収束された後に面S0へと入射する。このため、平行光部分において位置1〜8を通る光線は、面S0上において、それぞれ、同図(d)に示す位置1〜8を通る。
図3(b)〜(e)は、それぞれ、平行光部分および面S1、S0、S2上における迷光2のビーム形状と光線通過位置を示す図である。同図(b)に示すように、迷光2の外周にも、上記信号光の場合と同様に8つの位置1〜8を設定すると、これら8つの位置1〜8を通る光線は、曲面方向の焦線と平面方向の焦線の何れへも収束されることなく面S0へと入射する。このため、平行光部分において位置1〜8を通る光線は、面S0上において、それぞれ、同図(d)に示す位置1〜8を通る。
図4は、以上に説明した平行光部分および面S1、S0、S2上におけるビーム形状と光線の通過位置を、信号光、迷光1および迷光2を対比して示す図である。同図中の(c)の段を対比して分かるとおり、平行光部分において位置1を通過した信号光、迷光1および迷光2の光束は、それぞれ、面S0上において、互いに異なる外周位置を通過する。同様に、平行光部分において位置3,4,5,7,8を通過した信号光、迷光1および迷光2の光束も、面S0において、互いに異なる外周位置を通過する。平行光部分において位置2,6を通過した信号光と迷光2の光束は、面S0において、同じ外周位置を通過する。この場合も、平行光部分において位置2,6を通過した信号光と迷光1の光束は、面S0において、互いに異なる外周位置を通過し、また、平行光部分において位置2、6を通過した迷光1と迷光2の光束は、面S0において、互いに異なる外周位置を通過する。
次に、以上の現象を考慮して、平行光部分における信号光および迷光1、2の領域分割パターンと、面S0上における信号光および迷光1、2の照射領域との関係について検討する。
まず、図5(a)に示すように、平行光部分における信号光および迷光1、2を、平面方向と曲面方向に対して45°傾いた2つの直線で分割し、4つの光束領域A〜Dに区分したとする。なお、この分割パターンは、従来の非点収差法に基づく領域分割に対応するものである。
この場合、上述の現象により、光束領域A〜Dの信号光は、面S0上において、同図(b)のように分布する。また、光束領域A〜Dの迷光1および迷光2は、上述の現象により、それぞれ、同図(c)および(d)のように分布する。
ここで、面S0上における信号光と迷光1、2を光束領域毎に取り出すと、各光の分布は、図6(a)ないし(d)のようになる。この場合、各光束領域の信号光には、同じ光束領域の迷光1および迷光2の何れか一方が必ず重なる。このため、各光束領域の信号光を光検出器上のセンサパターンで受光すると、少なくとも、同じ光束領域における迷光1または迷光2が対応するセンサパターンに同時に入射し、これにより検出信号に劣化が生じる。
これに対し、図7(a)に示すように、平行光部分における信号光および迷光1、2を、平面方向と曲面方向に平行な2つの直線で分割し、4つの光束領域A〜Dに区分したとする。この場合、上述の現象から、光束領域A〜Dの信号光は、面S0上において、同図(b)のように分布する。また、光束領域A〜Dの迷光1および迷光2は、上述の現象により、それぞれ、同図(c)および(d)のように分布する。
ここで、面S0上における信号光と迷光1、2を光束領域毎に取り出すと、各光の分布は、図8(a)ないし(d)のようになる。この場合、各光束領域の信号光には、同じ光束領域の迷光1および迷光2の何れも重ならない。このため、各光束領域内の光束(信号光、迷光1、2)を個別に取り出して対応するセンサパターンで受光すると、センサパターンに信号光のみを入射させることができる。これにより、迷光による検出信号の劣化を回避することができる。
以上のように、信号光および迷光1、2を平面方向と曲面方向に平行な2つの直線で4つの光束領域A〜Dに分割し、これら光束領域A〜Dを通る光を個別に取り出して面S0上において受光することにより、信号光のみに基づく検出信号を得ることができる。本実施の形態は、この原理を基盤とするものである。
図9は、図7(a)に示す4つの光束領域A〜Dのうち、光束領域A、Dを遮光領域とするとともに、光束領域B,Cを通る光束(信号光、迷光1、2)の進行方向を、それぞれ、異なる方向に、同じ角度だけ変化させたときの、面S0上における信号光と迷光1、2の分布状態を示す図である。ここでは、同図(a)に示すように、光束領域B,Cを通る光束(信号光、迷光1、2)の進行方向が、それぞれ、方向Db、Dcに、同じ角度量α(図示せず)だけ変化している。なお、方向Db、Dcは、平面方向と曲面方向に対して、それぞれ、45°の傾きを持っている。
この場合、方向Db、Dcにおける角度量αを調節することにより、S0平面上において、同図(b)に示すように光束領域B,Cの信号光と迷光1、2を分布させることができる。その結果、図示の如く、信号光のみが存在する信号光領域をS0平面上に設定することができる。この信号光領域に光検出器のセンサパターンを設定することにより、光束領域B,Cの信号光のみを、対応するセンサにて受光することができる。
ここで、同図(a)に示すように、ターゲット記録層上におけるトラック方向が光学的に光束領域A,Dの配列方向に平行となるよう光学系を調整すると、光束領域B,Cの並ぶ方向が光学的にトラックを跨ぐ方向となるため、光束領域B,Cにおけるレーザ光の光量バランスによって、トラッキングエラーを検出することができる。よって、上記のようにセンサパターンを設定すると、各センサから出力される信号によって、トラッキングエラー信号を生成することができる。
図10は、3ビーム法に基づくトラッキングエラー検出方法に上記原理を適用した場合の具体的構成例を示す図である。
同図(a)は、光学素子10の構成を示す図である。3ビーム法では、レーザ光源から出射されたレーザ光が、回折格子等によって、メインビームと2つのサブビームに分離される。光学素子10は、ターゲット記録層によって反射されたメインビームと2つのサブビームが互いに略重なり合う位置に配される。
光学素子10は、上記と同様、レーザ光(メインビームと2つのサブビーム)の4つの光束領域A〜Dのうち、光束領域A、Dを遮光するとともに、光束領域B,Cを透過するレーザ光の進行方向をDb、Dc方向に変化させるよう構成されている。すなわち、光学素子10には、光束領域A,Dに対応する領域に遮光領域10a、10dが配され、光束領域B,Cに対応する領域に回折領域10b、10cが配されている。
回折領域10b、10cの作用により、光束領域B,Cを通る光束(メインビームと2つのサブビームの信号光と迷光1、2)の進行方向が、それぞれ、方向Db、Dcに、同じ角度量α(図示せず)だけ変化する。この場合、方向Db、Dcにおける角度量αを調節することにより、S0平面上において、同図(b)に示すように光束領域B,Cの信号光と迷光1、2(メインビームと2つのサブビーム)を分布させることができる。その結果、図示の如く、信号光のみが存在する信号光領域をS0平面上に設定することができ、この信号光領域に光検出器上のセンサPm11,12、Ps11,12、Ps21、22を配置することにより、光束領域B,Cの信号光(メインビームと2つのサブビーム)のみを、対応するセンサにて、それぞれ受光することができる。よって、各センサから出力される信号に基づき、3ビーム法によるトラッキングエラー信号を生成することができる。
<実施例1>
以下、上記原理に基づく実施例について説明する。
図11に、本実施例に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。なお、同図中のディスクには、複数の記録層が積層して配置されている。
図示の如く、光ピックアップ装置の光学系は、半導体レーザ101と、回折格子102と、1/2波長板103と、偏光ビームスプリッタ104と、コリメートレンズ105と、レンズアクチュエータ106と、立ち上げミラー107と、1/4波長板108と、対物レンズ109と、ホルダ110と、対物レンズアクチュエータ111と、ビームスプリッタ112と、検出レンズ113と、光学素子114と、光検出器115と、検出レンズ116と、光検出器117とを備えている。
半導体レーザ101は、所定波長のレーザ光を出射する。回折格子102は、半導体レーザ101から出射されたレーザ光をメインビームと2つのサブビームに分離する。1/2波長板103は、回折格子102側から入射されたレーザ光の偏光方向が偏光ビームスプリッタ104に対してS偏光となるようレーザ光の偏光方向を調整する。偏光ビームスプリッタ104は、1/2波長板103側から入射されるレーザ光(S偏光)を略全反射するとともに、コリメートレンズ105側から入射されるレーザ光(P偏光)を略全透過する。コリメートレンズ105は、偏光ビームスプリッタ104側から入射されるレーザ光を平行光に変換する。
レンズアクチュエータ106は、サーボ信号に応じてコリメートレンズ105を光軸方向に変位させる。これにより、レーザ光に生じる球面収差が補正される。立ち上げミラー107は、コリメートレンズ105側から入射されたレーザ光を対物レンズ109に向かう方向に反射する。
1/4波長板108は、ディスクへと向かうレーザ光を円偏光に変換するとともに、ディスクによって反射されたレーザ光をディスクへ向かう際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクによって反射されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ104を透過する。
対物レンズ109は、レーザ光をディスク内のターゲット記録層に適正に収束できるよう設計されている。ホルダ110は、1/4波長板108と対物レンズ109を一体的に保持する。対物レンズアクチュエータ111は、従来周知の電磁駆動回路によって構成され、当該回路のうち、フォーカスコイル等のコイル部がホルダ110に装着されている。なお、対物レンズアクチュエータ111は、対物レンズ109を、フォーカス方向とトラッキング方向の他、チルト方向にも駆動できるよう構成されている。
ビームスプリッタ112は、偏光ビームスプリッタ104を透過したレーザ光を所定の比率にて透過および反射する。検出レンズ113は、ビームスプリッタ112を透過したレーザ光に非点収差を導入する。すなわち、検出レンズ113は、図1の非点収差素子に相当する。
光学素子114は、図10(a)に示す光学素子10と同様の構成を有する。すなわち、面内方向に4つの領域に分割され、このうち2つが遮光領域10a、10d、残り2つが回折領域10b、10cとなっている。光学素子114は、入射されたレーザ光のうち、図9(a)の光束領域A、Dを遮光するとともに、光束領域B,C通過する光束の進行方向を、それぞれ、方向Db、Dcに、同じ角度量αだけ変化させる。ここで、角度量αは、面S0上における信号光と迷光1、2(メインビーム、サブビーム1,2)の分布状態が、図10(b)の分布状態となるように設定されている。
光検出器115は、図10(b)に示すセンサパターン(センサPm11、12/センサPs11、12/センサPs21,22)を有する。センサPm11、12、センサPs11、12、センサPs21,22は、それぞれ、図10(b)に示すメインビームおよびサブビーム1,2の信号光を受光する。これらセンサから出力される信号に対し3ビーム法に基づく演算処理(DPP:Differential Push Pull、等)を適用してトラッキングエラー信号が生成される。
図11に戻り、検出レンズ116は、ビームスプリッタ112により反射されたレーザ光に非点収差を導入する。光検出器117は、検出レンズ116を透過したレーザ光を受光する。ここで、光検出器117には、非点収差法に基づいてフォーカスエラー信号を生成するためのセンサパターンが配されている。また、光検出器117に配された各センサからの出力を加算して再生RF信号が生成される。なお、光検出器117上の各センサには信号光の他、迷光1、2が同時に入射する。よって、フォーカスエラー信号と再生RF信号には、かかる迷光1、2によるノイズが重畳されることとなる。
図11の構成において、光学素子114の回折領域10b、10c(図10(a)参照)には、回折パターンがホログラムにより形成されている。この場合、回折領域10b、10cの回折効率は互いに同じとなっている。回折領域10b、10cに形成される回折パターンがステップ型である場合、回折効率は、回折パターンのステップ数と1ステップあたりの高さによって調整され、回折角は、回折パターンのピッチによって調整される。よって、この場合には、予め決められた回折次数の回折効率が所期の値となるように、回折パターンのステップ数と1ステップあたりの高さが設定され、さらに、当該回折次数における回折角が図10(b)の分布を与え得るように、回折パターンのピッチが調整される。
なお、回折領域10b、10cに形成される回折パターンをブレーズ型とすることも可能である。この場合、ステップ型の回折パターンよりも回折効率を高めることができる。
なお、ここでは、回折作用によって光束領域B,Cの光束の進行方向を変化させるようにしたが、プリズムによる屈折作用によって光束領域B、Cの光束の進行方向を変化させることもできる。この場合、図10(b)の回折領域10b、10cに対応する領域には、ここを透過する光束の進行方向を方向Db、Dcに変化させる形状のプリズム面が形成される。
以上、本実施例によれば、ディスク内に配された記録層のうちターゲット記録層から反射された信号光と、当該ターゲット記録層の上および下の記録層から反射された迷光1、2とが、光検出器115の受光面(オンフォーカス時に信号光スポットが最小錯乱円になる面S0)上において、互いに重なり合わないようにすることができる。具体的には、受光面(面S0)上における信号光と迷光1、2の分布を、図10(b)の状態にすることができる。したがって、図10(b)の信号光領域に、上記のようにセンサパターンを配置することにより、各センサによって、対応する信号光のみを受光することができる。このため、迷光による検出信号の劣化を抑制することができ、3ビーム法によるトラッキングエラー信号を高精度に生成することができる。
また、この効果を、ディスクによって反射されたレーザ光の光路中、すなわち、図11の構成では検出レンズ113と光検出器115の間に、光学素子114を配置するのみで達成することができる。したがって、本実施例によれば、簡素な構成にて効果的に迷光による影響を除去することができる。
なお、本実施例では、回折領域10b、10cに、レーザ光の進行方向を一定角度だけ変化させる角度付与の回折作用のみを持たせるようにしたが、かかる角度付与の他、検出レンズ113による非点収差作用をも同時に発揮する回折パターンを光学素子114に配しても良い。たとえば、光学素子114の光入射面に上記角度付与のための回折パターンを形成し、非点収差作用を持たせるための回折パターンを光学素子114の光出射面に配するようにしても良い。
同様に、回折パターン10b、10cに替えて上記のようにプリズム面を形成する場合には、たとえば、光学素子114の光入射面にプリズム面を配し、光出射面に、非点収差を導入するためのレンズ面や回折パターンを形成するようにしても良い。こうすると、検出レンズ113を省略することができ、部品点数とコストの削減を図ることができる。
なお、上記原理による効果は、迷光1の平面方向の焦線位置が面S0(信号光のスポットが最小錯乱円となる面)よりも非点収差素子に接近した位置にあり、且つ、迷光2の曲面方向の焦線位置が面S0よりも非点収差素子から離れた位置にあるときに奏され得るものである。すなわち、この関係が満たされていれば、信号光と迷光1、2の分布は上記図9(b)または図10(b)に示す状態となり、面S0において、信号光と迷光1、2が重なり合わないようにすることができる。換言すれば、この関係が満たされる限り、たとえ、信号光の曲面方向の焦線位置よりも迷光1の平面方向の焦線位置が面S0に接近し、あるいは、信号光の平面方向の焦線位置よりも迷光2の曲面方向の焦線位置が面S0に接近したとしても、上記原理に基づく本発明ないし実施例の効果は奏され得る。
なお、上記実施例では、3ビーム法に基づく光学系の構成例を示したが、1ビームプッシュプル法に基づく光学系に本発明を適用することもできる。この場合、図11の光学系中、回折格子102が省略され、また、光検出器115上のセンサパターンが、図9(b)に示す信号光のみを受光するセンサパターンに変更される。
<実施例2>
上記実施例1では、光学素子10上の回折領域10b、10cに回折パターンを形成し、光束領域B、Cの光束の進行方向をそれぞれ方向Db、Dcに変化させるようにしたが、光束領域B,Cの進行方向を変化させずとも、光束領域B,Cの信号光のみを取り出すことができる。
図12(a)は、光学素子11の変更例を示す図である。光学素子11は、レーザ光(メインビームと2つのサブビーム)の4つの光束領域A〜Dのうち、光束領域A、Dを遮光するとともに、光束領域B,Cを透過してそのまま直進させるよう構成されている。すなわち、光学素子11には、光束領域A,Dに対応する領域に遮光領域11a、11dが配され、光束領域B,Cに対応する領域に透明領域11b、11cが配されている。
この場合、光束領域B,Cの信号光と迷光1、2(メインビームと2つのサブビーム)は、S0平面上において、同図(b)に示すように分布する。図示の如く、S0平面上には、信号光のみが存在する領域が設定され、この領域に光検出器上のセンサPm11,12、Ps11,12、Ps21、22を配置することにより、光束領域B,Cの信号光(メインビームと2つのサブビーム)のみを、対応するセンサにて、それぞれ受光することができる。よって、各センサから出力される信号に基づき、3ビーム法(DPP法、等)によるトラッキングエラー信号を生成することができる。
本実施例では、図11の光学系における光学素子114が、図12(a)に示す光学素子11と同様の構成とされる。また、光検出器115上におけるセンサパターンが、図12(b)に示すセンサPm11、12、Ps11、12、Ps21、22からなるセンサパターンとされる。光学素子114と光検出器115以外の光学系の構成は、図11と同様である。
本実施例によれば、光束領域B,Cに対応する領域(透明領域11b、11c)に回折パターンを形成する必要がないため、光学素子11の構成を簡素化することができる。ただし、図12(b)に示すように、信号光どうしが互いに接近するため、一方の信号光が他方の信号光を受光するセンサに漏れ込む惧れがある。また、信号光の近接領域において迷光1と迷光2が重なり合うため、迷光1と迷光2が干渉・増幅して、信号光を受光するセンサに漏れ込む惧れもある。したがって、信号光に対するノイズの影響をより徹底して抑制するためには、上記実施例1のように、光束領域B,Cに対応する領域に回折パターン10b、10cを形成し、図10(b)のように、信号光と迷光1、2を、受光面上において、なるべく離間させるようにするのが望ましい。
なお、本実施例においても、上記実施例1と同様、光学系を1ビームプッシュプル法に基づく光学系に変更することができる。この場合、図11の光学系中、回折格子102が省略され、また、光検出器115上のセンサパターンが、図12(b)のセンサPm11、12のみを有するセンサパターンに変更される。
<実施例3>
上記実施例1では、光学素子10上の光束領域A,Dに対応する領域を遮光領域10a、10dとしたが、本実施例では、図13(a)に示すように、光学素子12上の光束領域A,Dに対応する領域が透明領域12a、12dとされている。回折領域12b、12cに入射した光束領域B,Cの光束のうち、一部は方向Db、Dcに回折され、残り(0次回折光)は回折されずに回折領域12b、12cを透過して直進する。回折領域12b、12cにより方向Db、Dcに回折された光束(以下、「回折光束B,C」という)は、受光面上の第1のセンサパターンへと導かれる。回折領域12b、12cによって回折されなかった光束領域B,Cの光束(以下、「非回折光束B,C」という)と、透明領域12a、12dを透過した光束領域A,Dの光束(以下、「透過光束A,D」という)は、第1のセンサパターンと同一面上に配された第2のセンサパターンへと導かれる。
なお、図13(a)の構成では、回折領域12b、12cにおける回折方向(図中の方向Db,Dc)がトラック方向に垂直な直線L1からそれぞれ時計方向と反時計方向に同じ角度だけ傾いた方向となっている。なお、回折領域12b、12cの回折効率は、回折光束B,Cの光量が全光量に対して所定の比率となるように調整されている。
図14は、本実施例に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図である。図示の如く、本実施例では、図11の光学系におけるビームスプリッタ112と、検出レンズ116と、光検出器117が省略されている。
図14の構成において、検出レンズ120は、偏光ビームスプリッタ104を透過したレーザ光に非点収差を導入する。光学素子121は、図13(a)に示す光学素子12と同様の構成を有する。光検出器115は、回折光束B,Cを受光する第1のセンサパターンと、非回折光束B,Cおよび透過光束A,Dを受光する第2のセンサパターンとを備えている。
図15は、光学素子121として図13(a)の光学素子12を用いた場合の、光検出器122受光面上における信号光と迷光1、2(メインビームとサブビーム1、2)の分布状態を模式的に示す図である。図15の左半分は、回折光束B,Cの分布状態であり、図15の右半分は、非回折光束B,Cと透過光束A、Dの分布状態である。
図示の如く、回折光束B、Cは、非回折光束B,Cと透過光束A,Dに対して進行方向が曲げられているため、光検出器122受光面上では、非回折光束B,Cと透過光束A,Dが照射される領域から離れた領域に照射される。すなわち、図13(a)の構成では、上記のように回折領域12b、12cにおける回折方向が方向Db、Dcとなっており、これら方向Db、Dcには図13(a)の左方向に向かう成分と上下に離れる方向の成分が含まれる。このうち左方向に向かう成分のために、回折光束B,Cは、非回折光束B,Cと透過光束A,Dの照射位置から左方向に離れた位置に照射される。また、上下に離れる方向の成分のために、回折光束B,C(信号光、迷光1、2)は、図10(b)の場合と同様、図15の左半分に示すような分布状態となる。
一方、非回折光束B,Cと透過光束A,Dは、回折領域12b、12cによる回折を受けないため、図15の右半分に示すように、信号光と迷光1、2とが重なり合った状態で分布する。図15の右半分に示す非回折光束B,Cと透過光束A,Dの分布状態は、光学素子121(図13(a)の光学素子12)が配されていない場合の分布状態と同じである。
ただし、メインビームとサブビーム1、2の信号光の照射領域のうち非回折光束B,Cの照射領域における光強度は、回折光束B、Cが分岐されて図15の左半分へと導かれた分だけ、透過領域A,Dの照射領域における光強度よりも減少している。図15の右半分には、かかる光強度の差異がグレー濃度によって示されている。すなわち、信号光の照射領域は黒に近いほど光強度が高くなっている。
光検出器122上の第1のセンサパターンは、図15の左半分に示す回折光束B、Cの信号光照射領域に配される。すなわち、第1のセンサパターンは、同図に示すPm11、12、Ps11、12およびPs21、22からなる。また、光検出器122上の第2のセンサパターンは、図15の右半分に示す非回折光束B、Cと透過光束A、Dの信号光照射領域に配される。すなわち、第2のセンサパターンは、3つの4分割センサPm1、Ps1およびPs2からなっている。
本実施例によれば、上記実施例1と同様、第1のセンサパターンによって信号光のみを受光することができる。このため、迷光による検出信号の劣化を抑制することができ、結果、3ビーム法によるトラッキングエラー信号の品質を高めることができる。また、本実施例によれば、光検出器122上に第2のセンサパターンが配されるため、上記実施例1における図11の光学系に比べ、ビームスプリッタ112と、検出レンズ116と、光検出器117を省略することができ、光学系の簡素化とコストの低減を図ることができる。
なお、本実施例では、上記の如く、非回折光束B,C(信号光)の照射強度が透過光束A,D(信号光)の照射強度よりも低くなる。つまり、本実施例では、第2のセンサパターン上における信号光の照射強度が周方向に不均一となる。しかし、かかる信号光の強度分布は、非点収差法に基づくフォーカスエラー信号の生成には、むしろ好ましい影響を与える。
非回折光束B,Cの光束には、記録層上のトラック溝による回折像が投影される。この場合、光ピックアップ装置をディスク径方向に移送し、レーザ光(メインビーム、サブビーム1,2)が記録層上のトラック溝を横切ると、トラック溝による回折像が信号光内を非回折光束B,Cの並び方向に移動する。かかる回折像の移動によって、フォーカスエラー信号に外乱信号(いわゆる“横断溝信号”)が混入する。これに起因して、フォーカスエラー信号が劣化する。
これに対し、本実施例のように、非回折光束B,Cの照射強度が低下すると、回折像の移動による外乱信号が低下するため、フォーカスエラー信号に対する回折像の影響が抑制される。したがって、本実施例のように非回折光束B,C(信号光)の照射強度が透過光束A,D(信号光)の照射強度よりも低くなると、溝横断信号によるフォーカスエラー信号の劣化が抑制され、フォーカスエラー信号の品質を高めることができる。
なお、図14には3ビーム法に基づく光学系を例示したが、本実施例においても、上記実施例1と同様、光学系を1ビームプッシュプル法に基づく光学系に変更することができる。この場合、図14の光学系中、回折格子102が省略され、また、光検出器122上の第1のセンサパターンと第2のセンサパターンが、それぞれ、図15のセンサPm11、12と4分割センサPm1のみを有するセンサパターンに変更される。
また、本実施例では、光学素子121として、図13(a)に示す光学素子12を用いたが、これに替えて、図13(b)に示す光学素子13を用いることもできる。図13(b)に示す光学素子13は、同図(a)の光学素子12に比べ、回折領域13b、13cの回折方向が相違している。すなわち、光学素子13の回折領域13b、13cは、光束領域B,Cに入射した光束を直線L1に平行な同じ方向に同じ角度だけ回折させる。
図16は、光学素子121として図13(b)の光学素子13を用いた場合の、光検出器122受光面上における信号光と迷光1、2(メインビームとサブビーム1、2)の分布状態を模式的に示す図である。図16の左半分は、回折領域13b、13cによって回折された光束領域B,Cの光束(以下、上記と同じく「回折光束B,C」という)の分布状態であり、図15の右半分は、図15と同様、非回折光束B,Cと透過光束A、Dの分布状態である。
図示の如く、光学素子121として図13(b)の光学素子13を用いた場合の回折光束B,Cの分布状態は、図12(b)(実施例2)の場合と同様となる。これは、光学素子13の回折領域13b、13cの回折方向が、上記のように直線L1に平行な方向(図13(b)の左方向)に設定されており、図12(a)の場合のように、上下に離れる方向の成分を持たないためである。すなわち、回折領域13b、13cは、回折光束B、Cの進行方向を左方向に曲げて、回折光束B,Cを非回折光束B,Cと透過光束A,Dから分離する作用のみを発揮する。
この場合、光検出器122上の第1のセンサパターンは、図16のセンサPm11、12、Ps11,12およびPs21、22から構成される。
このように光学素子121として図13(b)の光学素子13を用いた場合にも、第1のセンサパターンによって信号光のみを受光することができる。ただし、図16に示すように、信号光どうしが互いに接近するため、上記実施例2で述べたと同様、一方の信号光が他方の信号光を受光するセンサに漏れ込む惧れがあり、また、迷光1と迷光2が干渉・増幅して、信号光を受光するセンサに漏れ込む惧れもある。
なお、図13(b)の光学素子13を用いる場合も、光学系を1ビームプッシュプル法に基づく光学系に変更することができる。この場合、図14の光学系中、回折格子102が省略され、また、光検出器122上の第1のセンサパターンと第2のセンサパターンが、それぞれ、図16のセンサPm11、12と4分割センサPm1のみを有するセンサパターンに変更される。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。本発明は、片面に2つの記録層を有するディスクや片面に4層以上の記録層を有するディスクに適合する光ピックアップ装置にも適用可能である。また、光学系の構成も適宜変更可能である。
本発明の実施例は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(光線の進み方)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(分割パターンと光束の分布)を説明する図 実施形態に係る技術原理(角度付与と光束の分布)を説明する図 実施の形態に係るセンサパターンの配置方法を示す図 実施例1に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図 実施例2に係る光学素子の構成と光束の分布状態を説明する図 実施例3に係る光学素子の構成を説明する図 実施例3に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図 実施例3に係る光束の分布状態を説明する図 実施例3に係る光束の分布状態を説明する図
符号の説明
10 … 光学素子
10a、10d … 遮光領域
10b、10c … 回折領域
11 … 光学素子
11a、11d … 遮光領域
11b、11c … 透明領域
12 … 光学素子
12a、12d … 透明領域
12b、12c … 回折領域
13 … 光学素子
13a、13d … 透明領域
13b、13c … 回折領域
101 … 半導体レーザ
102 … 回折格子
109 … 対物レンズ
113 … 検出レンズ
114 … 光学素子
115 … 光検出器
120 … 検出レンズ
121 … 光学素子
122 … 光検出器
Pm11、12、Ps11、12、Ps21、22 … センサ
Pm1、Ps1、Ps2 … センサ

Claims (8)

  1. レーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を記録媒体上に収束させる対物レンズと、
    前記記録媒体によって反射された前記レーザ光に非点収差を導入し、これにより、第1の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第1の焦線位置と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記レーザ光が収束することによって生じる第2の焦線位置とを前記レーザ光の進行方向に互いに離間させる非点収差素子と、
    前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ平行で且つ互いにクロスする2つの直線によって前記レーザ光を分割したとき、前記2つの直線によって作られる一組の対頂角が並ぶ方向にある第1の光束領域と第2の光束領域の前記レーザ光を他の光束領域のレーザ光とは別に取り出す光学素子と、
    前記光学素子によって取り出された前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光を受光して検出信号を出力する光検出器と、
    を備え、
    前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の並ぶ方向が光学的に前記記録媒体上のトラックを跨ぐ方向となっている、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 請求項1において、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光をメインビームとサブビームに分割する分割素子をさらに備え、
    前記光学素子は、前記メインビームと前記サブビームにおける前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光を取り出し、
    前記光検出器は、前記光学素子によって取り出された前記メインビームと前記サブビームにおける前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光をそれぞれ受光するセンサパターンを有する、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域以外の領域のレーザ光を遮光する、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求項3において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光の進行方向を相反する方向に変化させる、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項4において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域のレーザ光の進行方向を、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に垂直な方向に変化させる、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 請求項1または2において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域以外の領域のレーザ光を透過させるとともに、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部を分離させ、
    前記光検出器は、前記光学素子によって分離された前記レーザ光の一部を受光する第1の受光部と、前記光学素子を透過した前記レーザ光を受光する第2の受光部とを備える、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項6において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部の進行方向を前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に平行な方向から前記レーザ光の光軸周りの相反する周方向に傾いた方向に変化させる、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 請求項6において、
    前記光学素子は、前記第1の光束領域と前記第2の光束領域の前記レーザ光の一部の進行方向を前記第1の光束領域と前記第2の光束領域が並ぶ方向に平行な同一方向に同じ角度だけ変化させる、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
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