JP5173094B2 - シリカ補強ゴム組成物および、該成分を有する、タイヤを含む物品 - Google Patents

シリカ補強ゴム組成物および、該成分を有する、タイヤを含む物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカ補強ゴム組成物の調製および該組成物からなる少なくとも1種の成分を含有する製造品に関する。該製造品はタイヤであることができる。シリカ補強ゴム組成物は、たとえばアルキルシラン、アルコキシシラン、およびビス−(3−アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド化合物のような、シリカ表面のヒドロキシル基と容易に反応してアルコール類を生成するゴム組成物への補足的添加物を好ましくは除外して、少なくとも1種のエラストマー、シリカ、ならびにオルガノスズ、オルガノチタン、及び/またはオルガノジルコニウム化合物の少くとも1種のオルガノ金属添加物を含む。このようなオルガノ金属化合物は原子価4を、そしてオルガノスズ化合物の場合には原子価4または2、好ましくは4を有することができる。このようなオルガノ金属化合物は、たとえばジブチルスズジラウレート、スズ(II)2−エチルヘキサノエート、ジブトキシチタンビス−2,4−ペンタンジオネート、およびジブトキシジルコニウムビス−2,4−ペンタンジオネートから選ぶことができる。
【0002】
【従来の技術】
大きな強度及び耐摩耗性を要するゴムを利用する種々の用途、特にタイヤ及び種々の工業製品のような用途に対しては、かなりの量の補強充填剤を含有する硫黄加硫ゴムが用いられている。
【0003】
たとえば沈降シリカのような合成無定形シリカ、及びカーボンブラックは、当業者には周知の該目的に対して通常用いられる補強充填剤である。
このようなシリカは、該シリカと1種以上のエラストマー、特に共役ジエン系エラストマーとのカップリングを助けるためにカップリング剤とともに用いられることが多い。該カップリング剤は通常シリカ表面のヒドロキシル基(たとえばシラノール基)とよく反応する部分と補強すべきゴム組成物中の少くとも1種の前記ジエン系エラストマーと相互に作用する別の部分とを有する。
【0004】
通常、シリカ表面のヒドロキシル基と反応させようと思うカップリング剤の部分は、たとえばポリスルフィド橋中に2から約6個(平均約2から2.6個)または3.5から4個の結合硫黄原子を含有するビス(3−エトキシシリルプロピル)ポリスルフィドのようなカップリング剤中に含有されると思われるアルコキシシラン部分のようなシラン系部分である。
【0005】
本質的に、該カップリング剤とシリカ表面のヒドロキシル基との相互作用の副生物はアルコール類(たとえば、エタノール)と水である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の驚くべき発見において、アルコール類が副生物である従来のカップリング剤を用いることなく、ジエン系エラストマーの補強剤中のシリカを助けるように明らかに働く化合物が見出された。
【0007】
本発明の説明において“phr”という用語は、本明細書で使用する場合および通常の習慣により、「ゴムまたはエラストマー100重量部当たりのそれぞれの物質の部数」を指す。
【0008】
本発明の説明において「ゴム」および「エラストマー」という用語は、本明細書で使用する場合には、特に断らなければ交換可能なように用いることができる。「ゴム組成物」、「配合ゴム」、および「ゴムコンパウンド」という用語を本明細書で用いる場合には、種々の成分及び材料とブレンドまたは混合されたゴムを指すために交換可能なように用いられ、該用語はゴム混合またはゴム配合技術分野の熟練者には周知である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(A) 100重量部の少くとも1種のジエン系エラストマー、
(B) 約10から約100、あるいはまた約10から約80phrの、表面にヒドロキシル基(たとえば、シラノール基)を含有する少くとも1種の微粒状合成シリカ系物質および対応して約0から約80、あるいはまた約5から約40phrのゴム補強カーボンブラックからなる約10から約150、あるいはまた約10から約100phrの少くとも1種の微粒状補強充填剤、および
(C) 少くとも1種のオルガノスズ、オルガノチタン及び/またはオルガノジルコニウム化合物の少くとも1種のオルガノ金属添加物
を含むゴム組成物が提供され、該オルガノ金属化合物は原子価4を、そしてオルガノスズ化合物の場合には原子価4または2、好ましくは4を有することができる。該オルガノ金属化合物は、たとえばジブチルスズジラウレート、スズ(II)2−エチルヘキサノエート、ジブトキシチタンビス−2,4−ペンタンジオネート、およびジブトキシジルコニウムビス−2,4−ペンタンジオネートから選ぶことができる。
【0010】
本発明の1つの態様において、原子価4を有する前記オルガノスズ化合物は、たとえばジブチルスズジラウレートであることができる。
とくに、ジブチルスズジラウレートが原子価4を有する好ましいオルガノスズ化合物である限りは、本明細書では、原子価4を有する前記オルガノスズ化合物が下記一般式(I)とともに対応する仕様を有すると考えられ、すなわち
(I) Rz 2Sn[Q(C(Rx))a(C(O))dy2
ここで、
(I−a):Qが酸素、aおよびbがゼロ、dが1に等しく、Ryは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基、Rzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から10個のアルキル基であるか、または
(I−b):Qが酸素、a、b及びdが1に等しく、cがゼロ、RxおよびRyが水素、メチル、CF3、プロピル、ブチルおよび/またはフェニル基、好ましくは水素及びメチル基から選ばれる同一または異なる基、Rzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から10個のアルキル基であるか、または
(I−c):Qが硫黄、aがゼロ、b、およびdが1、Ryは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基、Rzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から10個のアルキル基であるか、または
(I−d):Qが酸素または硫黄、a,bおよびdがゼロ、Ryは炭素原子が1から25、あるいはまた1から10個のアルキル基であり、
さらに、任意に、1種以上のRx、RyおよびRzが、例えばケイ素、窒素、リン、酸素及び硫黄のようなヘテロ原子を含有するアルキル基である。
【0011】
基RxおよびRyとして用いられるアルキル基の代表例は、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルであり、可能ならば飽和若しくは不飽和、環状又は芳香族であることもできる。
【0012】
zとして用いられるアルキル基の代表例は、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシルであり、可能ならば飽和若しくは不飽和、環状または芳香族であることもできる。
【0013】
x、RyおよびRzとして用いられるヘテロ原子含有アルキル基の代表例は、たとえばビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、および1−エトキシビニルである。
【0014】
式Iの物質の代表例は一般式(I−A)、(I−B)、(I−C)及び(I−D)を有し、すなわち
(I−A): R2Sn(OC(0)R)2
(I−B): RO2Sn(OC(R)CHC(O)R)2
(I−C): R2Sn(SCH2C(0)R)2
(I−D): R2Sn(OR)2
式中、Rは代表例がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニルを含むことができるアルキル基である。
【0015】
オルガノ金属化合物、すなわち式Iのオルガノスズ化合物の代表例は、たとえばジブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−n−ブチルジアクリレートスズ、ジ−n−ブチルジメタクリレートスズ、ジメチルジネオデカノエートスズ、ジオクチルジラウリルスズ、ジオクチルジネオデカノエートスズである。
【0016】
本発明の1つの態様において、原子価2を有する前記スズ化合物は、たとえばスズ(II)2−エチルヘキサノエートであることができる。
とくに、スズ(II)2−エチルヘキサノエートが原子価2を有する好ましいスズ化合物である限りは、本明細書では、原子価2を有するスズ化合物は下記一般式(II)とともに対応する仕様(II−a)、(II−b)、(II−c)及び(II−d)を有すると考えられ、すなわち
(II) Sn[Q(C(Rx))a(C(H)cH)b(C(0))dy2
ここで
(II−a):Qが酸素、aおよびbがゼロ、dが1に等しく、そしてRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であるか、または(II−b):Qが酸素、a、bおよびdが1に等しく、cがゼロ、RxおよびRyが水素、メチル、CF3、プロピル、ブチルおよび/またはフェニル基、好ましくは水素及びメチル基から選ばれる同一または異なる基であるか、または
(II−c):Qが硫黄、aがゼロ、b、cおよびdが1、そしてRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であるか、または
(II−d):Qが酸素又は硫黄、a、bおよびdがゼロ、そしてRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であり、
さらに、任意に、1個以上のRxおよびRyが、例えばケイ素、窒素、リン、酸素、及び硫黄のようなヘテロ原子を含有するアルキル基である。
【0017】
基RxおよびRyとして用いられるアルキル基の代表例は、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシルであり、可能ならば飽和若しくは不飽和、環状、または芳香族であることもできる。
【0018】
x及びRyとして用いられるヘテロ原子含有アルキル基の代表例は、たとえばビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニルである。
【0019】
式IIの物質の代表例は一般式(II−A)、(II−B)、(II−C)、および(II−D)を有し、すなわち
(II−A): Sn(OC(0)R)2
(II−B): Sn(OC(R)CHC(O)R)2
(II−C): Sn(SCH2C(O)R)2
(II−D): Sn(OR)2
式中、Rは代表例がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニル基のアルキル基である。
【0020】
式IIの物質の代表例は、たとえばスズ(II)2−エチルヘキサノエート、ビス(ネオデカノエート)スズ、ジアセトキシスズ、酢酸第一スズ、スズ(II)ヘキサフルオロペンタンジオネート、およびスズ(II)2,4−ペンタンジオネートである。
【0021】
本発明の1つの態様においては、補足的オルガノ金属化合物(前記オルガノスズ化合物以外の)、とくに原子価4を有するオルガノチタンまたはオルガノジルコニウム化合物を本発明に用いるつもりである。
【0022】
とくに、該補足的オルガノ金属化合物は好ましくは原子価4を有するオルガノチタンまたはオルガノジルコニウム化合物であるので、本明細書では最高原子価状態にある他の金属(前記オルガノスズ化合物以外の)を含有するオルガノ金属化合物は、たとえば下記一般式(III)とともに対応する仕様(III−a)、(III−b)、(III−c)、および(III−d)を有することができると考えられ、すなわち
(III) Rzj-nM[Q(C(Rx))a(C(H)cH)b(C(O))dyn
ここで
(III−a):Chemical and Engineering News,Volume63(5),page27(1985)に記載されているように、Mがスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウムおよびバナジウム、好ましくはチタンおよびジルコニウムを包含する元素周期表第III、IVまたはV族から選ばれる金属、jが前記の好ましいチタンおよびジルコニウムに対して4という値が考えられるMの最高原子価状態、Qが酸素、aおよびbがゼロ、dが1に等しく、nが1からj、Ryは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基、そしてRzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であるか、または
(III−b):Chemical and Engineering News,Voiume63(5),page27(1985)に記載されているように、Mがスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウムおよびバラジウム、好ましくはチタンおよびジルコニウムを包含する元素周期表第III、IVまたはV族から選ばれる金属、jが前記の好ましいチタン及びジルコニウムに対して4という値が考えられるMの最高原子価状態、Qが酸素、a、bおよびdが1に等しく、cがゼロ、nが1からj、RxおよびRyが水素、メチル、CF3、プロピル、ブチルおよび/またはフェニル基、好ましくは水素およびメチル基から選ばれる同一または異なる基、Rzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であるか、または
(III−c):Chemical and Engineering News,Volume63(5),page27(1985)に記載されているように、Mがスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウムおよびバナジウム、好ましくはチタンおよびジルコニウムを包含する元素周期表第III、IVまたはV族から選ばれる金属、jが前記の好ましいチタンおよびジルコニウムに対して4という値が考えられるMの最高原子価状態、Qが硫黄、aがゼロ、b、cおよびdが1、nが1からj、Ryは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基、Rzは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であるか、または
(III−d):Chemical and Engineering News,Volume63(5),page27(1985)に記載されているように、Mがスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウムおよびバナジウム、好ましくはチタンおよびキルコニウムを包含する元素周期表第III、IVまたはV族から選ばれる金属、jが前記の好ましいチタン及びジルコニウムに対して4という値が考えられるMの最高原子価状態、Qが酸素、nが1からj、a、bおよびdがゼロ、RxおよびRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個の同一又は異なるアルキル基、Rzは炭素原子が1から25、或いはまた1から18個のアルキル基であり、
この場合に、任意に、1個以上のRx、RyおよびRzが、例えばケイ素、窒素、リン、酸素及び硫黄のようなヘテロ電子を含有するアルキル基である。
【0023】
基Rx、Ry及びRzとして用いられるアルキル基の代表例は、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルであり、可能ならば飽和若しくは不飽和または環状または芳香族であることもできる。
【0024】
基Rx、RyおよびRzとして用いられるヘテロ含有アルキル基の代表例は、たとえばビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニルである。
【0025】
式IIIの物質の代表例は一般式(III−A)、(III−B)および(III−C)を有し、すなわち
(III−A): RO2M(OC(O)R)2
(III−B): RO2M(0C(R)CHC(O)R)2
(III−C): M(OR)4
式中、Rは、代表例がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、および1−エトキシビニルのアルキル基である。
【0026】
式IIIの物質の代表例は、たとえばチタンn−ブトキシド、ジブトキシチタンビス−2,4−ペンタンジオネート、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンエトキシド、チタン2−エチルヘキソキシド、チタンイソブトキシド、チタンメトキシド、チタンn−ノニロキシド、チタンn−プロポキシド、チタンステアリロキシド、チタントリイソステアロイルイソプロポキシド、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、ジブトキシジルコニウムビス−2,4−ペンタンジオネート、トリネオデカノイルジルコネート、ネオペニル(ジアリリ)オキシトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリリ)オキシトリメチルアクリルジルコネート、ネオペンチル(ジアリリ)オキシトリアクリルジルコネート、ジネオペニル(ジアリリ)オキシジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシジ(3−メルカプト)プロピオン酸ジルコニウム、イットリウムアセテート、バナジウム(III)2,4−ペンタンジオネート、およびタンタル(V)テトラエトキシドペンタインジオネートである。
【0027】
本発明の1つの態様において、原子価4を有する前記オルガノスズ化合物は、たとえば下記一般式(IV)とともに対応する仕様(IV−a)および(IV−b)を有することができ、すなわち
(IV) RxSnRy 3
ここで
(IV−a):RxおよびRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個の同一または異なるアルキル基である。
(IV−b):Rxは重量平均分子量(Mw)が1,000から300,000、好ましくは1,000から150,000のブタジエンまたはイソプレンのような少くとも1種の共役ジエンモノマーからなるポリマー鎖であり、そしてRyは炭素原子が1から25、あるいはまた1から18個のアルキル基であり、
さらに、任意に、1個以上のRxおよびRyが、たとえばケイ素、窒素、リン、酸素および硫黄のようなヘテロ原子を含有するアルキル基である。
【0028】
基RxおよびRyとして用いられるアルキル基の代表例は、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルであり、可能な場合には飽和若しくは不飽和、環状、または芳香族であることもできる。
【0029】
xおよびRyとして用いられるヘテロ原子含有アルキル基の代表例は、たとえばビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニルである。
【0030】
xとして用いられるポリマー鎖の代表例は、たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ−スチレン−ブタジエン、ポリ−スチレン−イソプレン、ポリ−スチレン−ブタジエン−イソプレン等である。
【0031】
式IVの物質の代表例は一般式(IV−A)及び(IV−B)を有し、すなわち
(IV−A): SnR4
(IV−B): R1SnR3
式中、Rは代表例がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルを含むことができ、可能な場合には飽和若しくは不飽和、環状、または芳香族であって、ビス(トリメチルシリル)ホスフェート、メチルプロパノエート、2−エチルヘキシルマレエート、1−チオグリセロール、及び1−エトキシビニルであることもできるアルキル基である。
【0032】
式IVの物質の代表例は、たとえばアリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、ジビニルジ−n−ブチルスズ、1−エトキシビニルトリ−n−ブチルスズ、エチニルトリ−n−ブチルスズ、フェニルエチニルトリ−n−ブチルスズ、フェニルトリ−n−ブチルスズ、テトラアリルスズ、テトラ−n−ブチルスズ、テトラエチルスズ、テトラ−n−オクチルスズ、テトラ−n−ペンチルスズ、テトラフェニルスズ、テトラ−p−トリルスズ、及び2−チオフェニルトリ−n−ブチルスズである。
【0033】
本発明の1つの態様において、用いられる前記オルガノスズ、オルガノチタン、またはオルガノジルコニウム化合物の量は約0.01から約30、あるいはまた約0.05から約20、あるいはまた約0.08から約10phrの量であることができる。
【0034】
本発明の1つの態様においては、前記オルガノスズ、オルガノチタン及びオルガノジルコニウム化合物を単独または一緒に用いることが出来ると考えられる。
実際に、加工中ならびにタイヤ及び工業製品を含む種々の物品製造中にゴム組成物からのアルコール類の発生が望ましくない場合には、表面にヒドロキシル基(たとえば、シラノール基)を含有し、そのヒドロキシル基と容易に反応してアルコール類を生成する、例えば合成無定形シリカ及びシリカ変性カーボンブラックの凝集体のようなシリカ系物質で補強することを目的とする補助的添加物をゴム組成物に加えない方が好ましい。「容易に反応する」という用語は温度が200℃未満の高剪断混合条件下で、20分以内にアルコール類を生成させることを意味する。
【0035】
したがって、本発明のゴム組成物は、例えば無定形シリカの凝集体のような合成シリカ系物質の表面に含有されるヒドロキシル基と容易に反応してアルコール類を生成する補助的添加物を除外することが好ましい。このような除外は、本発明で用いられる前記オルガノ金属化合物が、例えばジブチルスズジラウレート及びスズ(II)2−エチルヘキサノエートのような原子価が2また4のスズ化合物である場合にとくに好ましい。
【0036】
実際に、ゴム組成物を高剪断及び高温条件で混合する場合に、ゴム母体内の部位のシリカ系物質表面のヒドロキシル基と容易に反応し、それによって該シリカ系物質を変性させるように意図する種々の添加物をゴム組成物に添加するように意図したかまたは意図することが多い。場合によっては該添加物が、シリカ系物質のゴム自体へのカップリングを助けるためのカップリング剤となるように意図されることもある。
【0037】
該添加物の代表例は、たとえばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド及びテトラスルフィド物質のみならずアルコキシシランおよびアルキルシランのようなポリスルフィド橋中に平均少くとも2個、通常2から約4個の結合硫黄原子を有するビス−(3−アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであり、そしてこの場合には該物質のアルコキシおよび/またはシラン部分がシリカ系物質表面のヒドロキシル基と容易に反応ないしは相互作用することが意図される。
【0038】
種々のシリカ含有ゴム組成物への該添加物の添加は当業者には周知である。
たとえば合成無定形沈降シリカ、ヒュームドシリカ、及びシリカ処理カーボンブラックの凝集体のようなシリカ系物質の表面に含有させることができるヒドロキシル基(たとえば、シラノール基)と該物質との反応または相互作用によって種々のアルコールを生成させ得ることは容易に分かる。
【0039】
したがって、エラストマー母体内の部位に該アルコールが生成しないことを望む場合には、本発明の実施において、本発明のゴム組成物が、エラストマー母体内の部位の該合成シリカ系物質表面のヒドロキシル基(たとえばシラノール基)と容易に反応する補助的添加物、とくにビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド、アルコキシシランおよびアルキルシラン添加物を除外することが好ましい。
【0040】
本発明の実施において、微粒状シリカ系補強剤を単独またはカーボンブラックと共に用いることが出来る。
該シリカ系充填剤は、たとえば無定形シリカ及びシリカ処理カーボンブラックから選ぶことが出来る。
【0041】
該無定形シリカは、たとえば沈降シリカまたはヒュームドシリカの凝集体、通常好ましくは沈降シリカ凝集体の形をなすことができる。
該沈降シリカは、本明細書では、沈降シリカの凝集体のみならず、たとえばケイ酸ナトリウムと少量のアルミン酸塩を共沈殿させることによるような、シリカと少量のアルミニウムとの共沈殿による凝集体をも含むつもりである。
【0042】
「凝集体」という用語は通常の、すなわち当業者には理解出来ると思われるような多数の元素状一次粒子の凝集体意味という意味で用いられる。
前記シリカ処理すなわち変性カーボンブラックは、カーボンブラックが主成分で、シリカすなわちシリコン系部分は少量部分であるが、それにもかかわらず本明細書ではシリカ系物質と呼ぶ。
【0043】
該シリカ処理すなわち変性カーボンブラックは、たとえばカーボンブラックをアルコキシシランで化学的に処理するかまたは高温でシリカとカーボンブラックとを共蒸発させることによって達成させることができる。
【0044】
本発明のなお一層の実施において、前記オルガノ金属化合物、とくにジブチルスズジラウレートのような原子価が4のスズ化合物、スズ(II)2−エチルヘキサノエートのような原子価が2のオルガノスズ化合物、またはジブトキシチタンビス−2,4−ペンタンジオネート若しくはジブトキシジルコニウムビス−2,4−ペンタンジオネートのような原子価が4のオルガノチタン若しくはオルガノジルコニウム化合物を前記オルガノ金属化合物と微粒状カーボンブラックまたはシリカ、好ましくはシリカとの複合体として用いることが出来る。この実施において、場合によってはカーボンブラックまたはシリカが、オルガノ金属化合物のキャリヤーとして作用することができる。これは、2種以上の配合成分(たとえば、オルガノ金属化合物ならびに、シリカおよび/またはカーボンブラックのようなゴム補強顔料の部分)を同時にゴム組成物に添加することができるという点で有利であろう。さらに、オルガノ金属化合物が液体かまたは粘稠物質である場合には、オルガノ金属化合物を微粒状キャリヤーと共に、たとえば粉末、または他の粒形もしくはさらに押出ペレットのような易流動状態で添加できるという点で有利であろう。
【0045】
実際に、前記シリカ系物質、とくに沈降シリカ凝集体と前記オルガノ金属化合物、すなわちオルガノスズ、オルガノチタン、またはオルガノジルコニウム化合物との重量比は約1/1から約8/1、あるいはまた約1/1から約3/1の範囲にあることができる。
【0046】
ゴム組成物がシリカおよびカーボンブラック補強顔料のいずれをも含む場合には、シリカまたはカーボンブラックが補強顔料の大部分を占めることが出来、そして用途によっては補強顔料として主にシリカでゴム組成物を補強することが望ましと思われる。このような場合には、シリカとカーボンブラックとの重量比は少くとも0.5/1、あるいはまた少くとも3/1、さらに少くとも10/1、したがってたとえば約0.5/1から約30/1の範囲にあるのが好ましいであろう。
【0047】
本発明の補足的実施において、本明細書では合成無定形シリカ、またはシリカ変性カーボンブラック、特に合成シリカの凝集体を、(1)前記オルガノ金属化合物、すなわち前記オルガノスズ、オルガノチタン、および/またはオルガノジルコニウム化合物で前処理するか、あるいはまた(2)アルキルシラン、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、及びビス(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの少くとも1種、たとえばポリスルフィド橋中に平均2から2.6または3.5から4個の結合硫黄原子を有するビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドで前処理することが出来ると思われる。
【0048】
本発明のゴム組成物は硫黄加硫させるように提供出来ることを理解すべきである。硫黄加硫は通常の方法、すなわち適当時間の間、高温及び高圧の条件下で加硫することによって達成される。
【0049】
したがって、本発明のゴム組成物からなる少くとも1種の成分を有する製造品が提供される。
該製造品は、たとえば本発明のゴム組成物からなる少くとも1種の成分を有するタイヤまたは工業製品であることができる。
【0050】
該工業製品は、たとえば流体輸送ホースのようなホース類のみならず、たとえば伝動ベルトおよびコンベアベルトのようなベルト類から選ぶことが出来る。
ゴムタイヤは本発明のゴム組成物からなる種々の部品を有することができる。たとえば、該部品はトレッドキャップ/ベースコンストラクション(treadcap/base construction)のトレッドキャップ、トレッドキャップ/ベースコンストラクションのトレッドベース、サイドウオール(sidewall)、たとえばアペックス(apex)のようなサイドウオールスチフナーインサート(sidewall stiffener insert)であることができるが、ただしこれらに限定するつもりはない。
【0051】
本発明を実施する場合に、ゴム組成物に用いるための共役ジエン系ゴムは種々のエラストマーであることができる。たとえば、該ゴムは、イソプレンおよび1.3−ブタジエンから選ばれる少くとも1種のホモポリマーおよびコポリマー、ならびにイソプレン及び1,3−ブタジエンのような少くとも1種の共役ジエンと、スチレン及びアルファメチルスチレン、好ましくはスチレンから選ばれるビニル芳香族化合物とのコポリマーから選ぶことが出来る。
【0052】
代表的な該エラストマーは、たとえばシス1,4−ポリイソプレンゴム(天然および/または合成、好ましくは天然ゴム)、3,4−ポリイソプレンゴム、スチレン/ブタジエンコポリマーゴム(水性乳化重合により調製されるゴム及び有機溶剤重合により調製されるゴムを含む)、イソプレン/ブタジエンコポリマーゴム、スチレン/イソプレンコポリマーゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーゴム、シス1,4−ポリブタジエンゴム、約12から約90、あるいはまた約30から約90パーセントのビニル1,2−含量、及びシンジオタクチックポリブタジエンを有する高ビニルポリブタジエンゴムである。
【0053】
実際に、前記ジエン系ゴム組成物は、1,3−ブタジエン及びイソプレンジエンモンマーの少くとも1種または1,3−ブタジエン及びイソプレンジエンモノマーの少くとも1種とスチレンモノマーから選ばれるモノマーの有機溶剤溶液重合によって調製されるスズカップルドエラストマー(tin coupled elastomers)を含有することができる。前記スズカップルドエラストマーは、たとえばスチレン/ブタジエンコポリマー、イソプレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレンコポリマー及びスチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーの少くとも1種から選ばれるスズカップルドエラストマーであることができる。有機溶剤溶液重合によるスズカップルドエラストマーの調製法は当業者には周知である。
【0054】
本発明の1つの態様において、ジエン系ゴム組成物は好ましくは少くとも2種のジエン系ゴムを含有することができる。たとえば、シス1,4−ポリイソプレンゴム(天然または合成、ただし天然が好ましい)、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、乳化及び溶液重合により誘導されるスチレン/ブタジエンゴム、シス1,4−ポリブタジエンゴムのような2種以上のゴムの組合せが好ましい。
【0055】
ゴム組成物は少量のトランス1,4−ポリブタジエンゴム(70−95パーセントがトランス)および/または3,4−ポリイソプレンゴムを含有することもできる。
【0056】
本発明の1つの態様において、結合スチレンが約20から約28パーセントの比較的通常のスチレン含量を有する乳化重合により誘導されるスチレン/ブタジエン(E−SBR)または、用途によっては中度から比較的高度の結合スチレン含量、すなわち約30から約45パーセントの結合スチレン含量を有するE−SBRを用いることが出来るかもしれない。
【0057】
E−SBRの場合には、約30から約45という比較的高スチレン含量がタイヤトレッド(tire tread)のトラクション(traction)、すなわちスキッド(skid)抵抗を増すために有効と考えられるかもしれない。E−SBRの存在自体が、とくに溶液重合により調製されるSBR(S−SBR)の利用に比較して、未加硫エラストマー組成混合物の加工性を向上させるために有利と考えられる。
【0058】
乳化重合により調製されるE−SBRとは、スチレンと1,3−ブタジエンとを水性エマルションとして共重合させることを意味する。このようなことは当業者には周知である。結合スチレン含量は、たとえば約5から約50%にわたることが出来る。1つの態様において、E−SBRは、ターポリマー中にE−SBRとして、結合アクリロニトリルが、たとえば約2から約30重量パーセントの量のアクリロニトリルを含有してターポリマーゴムを形成させることもできる。
【0059】
コポリマー中に約2から約40重量パーセントの量の結合アクリロニトリルを含有する乳化重合により調製されるスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリマーゴムも本発明に用いるためのジエン系ゴムとして考えられる。
【0060】
溶液重合により調製されるSBR(S−SBR)は典型的に約5から約50、好ましくは約9から約36パーセントの範囲の結合スチレン含量を有する。S−SBRは、たとえば有機炭化水素溶剤の存在下でオルガノリチウム触媒作用によって好都合に調製することができる。
【0061】
タイヤトレッドにS−SBRを用いる目的は、ゴム組成物自体の低ヒステレシスの結果としてタイヤのローリング抵抗(rolling resistance)の減少を助長させるためかもしれない。
【0062】
タイヤトレッド組成物に3,4−ポリイソプレンゴム(3,4−PI)を用いる場合にはタイヤのトラクションを高めるために有利であるかもしれない。
3,4−PIおよびその使用は米国特許第5,087,668号にさらに詳細に記載されており、該特許は参照として本明細書に組み入れてある。Tgは示差走査熱量計により毎分10℃の加熱速度で好都合に測定できるガラス転移温度を示す。
【0063】
シス1,4−ポリブタジエンゴム(BR)はタイヤトレッドの摩耗、すなわトレッドウエア(treadwear)の減少を助長するために有利と考えられる。
【0064】
該BRは、たとえば1,3−ブタジエンの有機溶液重合によって調製することができる。
BRは、たとえば少くとも90%のシス1,4−含量を有することを特徴としても差し支えないであろう。
【0065】
シス1,4−ポリイソプレン天然および合成ゴムはゴム業界における熟練者には周知である。
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン含有ポリマーは、たとえば他のポリマー中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエ樹脂を機械的にブレンドするかまたは母体として役立つ既存ポリマー中の重合によって調製することができる。シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン自体は、たとえば当業者には周知と思われる乳化、溶液、または懸濁重合法によって調製することができる。たとえば、米国特許第4,742,137号、同第4,429,085号及び同第5,021,381号を参照されたい。
【0066】
タイヤトレッド用の加硫ゴム組成物は通常、かなり大きなモジュラス及び高引き裂き抵抗をもたらすのに十分な量のシリカ、およびカーボンブラック(使用する場合)、補強充填剤を含有する必要がある。シリカ及びカーボンブラックの合計重量は、さきに言及したようにゴム100部当たりわずか約30部であってもよいが、約45から約90重量部が好ましい。
【0067】
ゴム配合用に通常使用される、前記ヒュ−ムドシリカ及び沈降シリカを含むシリカ質顔料を本発明中にシリカとして使用することが出来るが、沈降シリカが好ましい。
【0068】
本発明に用いるのが好ましいシリカ質顔料は、たとえばシリケートと少量のアルミネートとの共沈殿を含む、可溶性シリケート、例えばケイ酸ナトリウムの酸性化によって得られるような沈降シリカである。
【0069】
該シリカは、例えば窒素ガスを用いて測定したBET表面積が好ましくは1グラムあたり約40から約600平方メートル、より一般的には約50から約300平方メートルの範囲にあることが特徴とされるかもしれない。表面積を測定するBET法はJournal of the American Chemical Society,Volume60,Page304(1930)に記載されている。
【0070】
またシリカは典型的に、約100から約400、より一般的には約150から約300の範囲のジブチルフタレート(DBP)値を有すると特徴づけることもできる。
【0071】
Hi−Silという商標および210、243等という名称でPPG Industrisから市販されるシリカ、例えばZeosil 1165MPおよびZeosil 165GRという名称でRhodia Inc.から市販されるシリカ、たとえばVN2、VN3、BV330GR等という名称でDegussa AGから市販されるシリカ、およびHuber Sil 8745という名称でHuberから市販されるシリカのような種々の市販のシリカが本発明に用いられると考えられるが、前記は単に例としてここに挙げただけで、それによって限定されるものではない。
【0072】
種々の硫黄加硫性成分ゴムを、たとえば硫黄のような加硫助剤、活性化剤、遅延剤および促進剤、油のような加工添加剤、粘着付与樹脂を含む樹脂、シリカ、及び可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、ならびに例えばカーボンブラックのような補強剤のような通常用いられる種々の添加剤と混合するような、ゴム配合技術分野で通常公知の方法によってゴム組成物を配合できるであろうことは当業者には容易に理解されることである。当業者には公知のように、硫黄加硫性物質及び硫黄加硫物質(ゴム)の意図される使用により、前記添加物が選択されて通常一般的な量で用いられる。
【0073】
本発明に使用する場合の補強型カーボンブラックの典型的な量についてはさきに述べた。シリカカップラーを、カーボンブラックとともに、すなわちゴム組成物に添加する前にカーボンブラックとプレミックスして使用することが出来、ゴム組成配合物に対して該カーボンブラックを前記の量で包含させ得ることは理解されよう。粘着付与樹脂を使用する場合の典型的な量は約0.5から約10phr、通常約1から約5phrを含む。加工助剤の典型的な量は約1から約50phrを含む。該加工助剤は、たとえば芳香族、ナフテン系、および/またはパラフィン系加工油を包含することができる。酸化防止剤の典型的な量は約1から約5phrを含む。代表的な酸化防止剤は、たとえばジフェニル−p−フェニレンジアミンおよび、たとえばVanderbilt Rubber Handbook(1978),pages344−346に開示されているような他のものであることができる。オゾン劣化防止剤の典型的な量は約1から約5phrを含む。脂肪酸を使用する場合には、ステアリン酸を包含することができ、その典型的な量は約0.5から約3phrを含む。酸化亜鉛の典型的な量は約2から約5phrを含む。ワックスの典型的な量は約1から約5phrを含む。ミクロワックスを使用する場合が多い。素練り促進剤の典型的な量は約0.1から約1phrを含む。典型的な素練り促進剤は、たとえばペンタクロロチオフェニルおよびジベンザミドジフェニルジスルフィドであることができる。
【0074】
加硫は硫黄加硫剤の存在下で行われる。適当な硫黄加硫剤の例には元素状硫黄(遊離硫黄)または硫黄供与性加硫剤、たとえばアミンジスルフィド、高分子ポリスルフィドまたは硫黄オレフィン付加物がある。硫黄加硫剤は元素状硫黄が好ましい。当業者には公知のように、硫黄加硫剤は約0.5から約4phr、またはさらに、場合によっては最大約8phrの量で用いられ、約1.5から約2.5、ときには2から2.5phrの範囲が好ましい。
【0075】
促進剤は加硫に必要な時間および/または温度を制御し、かつ加硫物の性質を改善するために用いられる。1つの態様では、単一促進剤系、すなわち主促進剤を用いることが出来る。主促進剤は、通常及び好ましくは、約0.5から約4phr、好ましくは約0.8から約1.5phrにわたる総量で用いられる。他の態様では、活性化させ、かつ加硫物の性質を改良するために副促進剤を約0.05から約3phrという少量で使用する主及び副促進剤の混合物が使用出来るかもしれない。これら促進剤混合物は最終性質に相乗効果を生じるように期待されるかもしれず、そしていずれかの促進剤を単独で使用する場合に得られる性質よりも幾分すぐれている。さらに、正常の加工温度では影響を受けないで、通常の加硫温度で満足すべき加硫を生じる遅延作用促進剤が使用できるであろう。加硫遅延剤も使用できるかもしれない。本発明において使用できる適当な種類の促進剤はアミン、ジスルフィド、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメートおよびキサントゲン酸塩である。好ましくは、主促進剤がスルフェンアミドである。副促進剤を使用する場合には、副促進剤はグアニジン、ジチオカルバメートまたはチウラム化合物が好ましい。硫黄加硫剤及び促進剤の存在及び相対量は、カップリング剤としてのジチオジカプロラクタムと組合わせた補強充填剤としてのシリカの使用に主として関する本発明の態様とは見なされない。
【0076】
前記添加物の存在および相対量は、とくに断らない限り、シリカと、たとえばジブチルスズジラウレートのような、たとえばオルガノスズ、オルガノチタン、またはオルガノジルコニウム化合物のようなオルガノ金属化合物との組合せまたは、たとえば該オルガノ金属化合物とシリカのみならず、任意にゴム補強剤としてのカーボンブラックとのブレンドにおけるゴム組成物中の特定ゴムブレンドの利用に主として関する本発明の態様とは見なされない。
【0077】
ゴム組成物の混合はゴム混合技術分野の熟練者にとっては公知の方法によって達成することができる。たとえば、諸成分を典型的に少くとも2工程、すなわち少くとも1つの非生産的工程に続く1つの生産的工程において混合する。最終加硫剤は典型的に通常「生産的」混合工程と呼ぶ最終工程で混合され、その中における混合は先行の非生産的混合工程の混合温度よりも低い温度(すなわち最終温度)で行われる。ゴム、シリカ及びシリカカップラー、ならびにカーボンブラック(使用する場合)を1個以上の非生産混合工程で混合する。「非生産的」及び「生産的」混合工程という用語はゴム混合技術分野の熟練者にとっては周知である。
【0078】
本発明のゴム組成物は種々の目的に用いることができる。たとえば、種々のタイヤコンパウンドに用いることが出来る。該タイヤは、公知であり、かつ当業者には容易に明らかと思われる種々の方法によって組合せ、造形し、成形し、そして加硫することができる。
【0079】
本発明は下記実施例を参照すればさらによく理解されよう。とくに断らなければ、実施例中の部及び百分率は重量単位である。
【0080】
【実施例】
【0081】
【実施例I】
本実施例では、シリカ補強ゴム組成物において比較的一般に用いられるシリカカップリング剤(ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)の代替としてジブチルスズジラウレ−トを評価した。
【0082】
下表1は本実施例の7つの試料において用いられた基本ゴムコンパウンドを示す。密閉式小型バンバリ−ミキサー(Haake Rheocord 9000)を用いて、これら各試料を、ローター速度55rpmで混合した。混合実験は密閉混合温度を170から180℃の範囲に保つように行った。
【0083】
この実施例に用いたエラストマーはヘキサン有機溶剤重合により調製した25パーセントのスチレン及び50パーセントのビニル1,2基を含有するスチレン−ブタジエンゴムであった。この実施例に用いたシリカはRhodia Inc.からZeosil 1165MPとして得られた。この実施例に用いたカップリング剤はDegussa Ag.からSi266として得たビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドであった。この実施例に用いたジブチルスズジラウレートはAldrichから純粋の粘稠液体として得てそれを使用した。
【0084】
すべての試料にについて同一基本混合方法を採用した。まず時間ゼロにおいて密閉式ミキサーにエラストマーを加えた。使用時、混合約3分後に密閉式ミキサーにシリカを加えた。使用時、混合時間約5分後に密閉式ミキサーにビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを加えた。使用時、混合時間約6分後に密閉式ミキサーにジブチルスズジラウレートを加えた。密閉式ミキサー内の全混合時間は10分を超えなかった。混合時間が約10分間に達すると、混合成分を密閉式ミキサーから取出して大気圧条件下で50℃未満の温度に冷却し、開放式ロールミルでロール練りして開放式ロールミルから約0.6cm(0.25インチ)の厚さに分出しした。
【0085】
基本ゴムコンパウンドを表1に前記試料1ないし7として示し、この中試料1、2及び3は比較試料を意味する。
【0086】
【表1】
Figure 0005173094
【0087】
Rubber Process Analyzer(RPA)を用いて表1記載のロール練り試料を試験した。試料は100℃における周波数掃引を用いて試験した。周波数掃引のひずみ度は0.5°であった。試験した設定周波数(単位サイクル/分または“cpm”)は2.0、5.0、10.0、20.0、50.0、100.0、200.0、500.0、1000.0、2000.0であった。
【0088】
試験結果を100℃における周波数対タンデルタによって次表2に、試料1ないし7として示す。
【0089】
【表2】
Figure 0005173094
【0090】
表2から、SBRのみを含有する対照試料1とSBRおよび30phrシリカを含有する対照試料2を比較することによって、低周波数(100cpm未満の周波数)ではシリカの添加がタンデルタ値の適度の減少をもたらすことが容易に分かる。しかし、SBR、シリカ、および0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4および5を、SBR及びシリカのみを含有する対照試料2と比較すると、タンデルタ値のさらに著しい減少が得られる。さらに、SBR、シリカ、および0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレ−トを含有する試料4及び試料5は、SBR、シリカ、および7.38phrカップリング剤を含有する試料3と同等またはそれを下回るタンデルタ値を示す。さらに、SBR及び0.062phrまたは0.62phrジブチルスズジラウレートのみを含有する試料6及び試料7を、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5と比較すると、低周波数(100cpm未満の周波数)では、シリカとジブチルスズジラウレートとの組合せがタンデルタ値を著しく減少させることがわかる。
【0091】
これらの結果を組合わせると、SBRへのシリカならびに0.08phr及び0.8phrジブチルスズジラウレートの両者の添加は、カップリング剤(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)を用いて得られるとほゞ同等またはそれを下回るようなタンデルタ値の減少をもたらすことを示すので、これらの結果は本明細書では重要と考えられる。
【0092】
試験結果を100℃における周波数対貯蔵モジュラス(G’)によって次表3に試料1ないし7として示す。
【0093】
【表3】
Figure 0005173094
【0094】
表2から、SBRのみを含有する対照試料1を、SBR及び30phrシリカを含有する対照試料2と比較することによって、低周波数(100cpm未満の周波数)では、シリカの添加がG’の増大をもたらすことが容易に分かる。しかし、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5を、SBR及びシリカのみを含有する対照試料2と比較するとG’の適度の増大が達成される。さらに、SBR、シリカ及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5は、SBR、シリカ、及び7.38phrカップリング剤を含有する試料3よりも大きいG’値を示す。さらに、SBRおよび0.062phrまたは0.62phrジブチルスズジラウレートのみを含有する試料6及び試料7を、SBR、シリカ、および0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4および試料5と比較すると、低周波(100cpm未満の周波数)では、シリカとジブチルスズジラウレートとの組合せがG’を著しく増大させることが分かる。
【0095】
これらの結果を組み合わせると、SBRへのシリカならびに0.08phr及び0.8phrジブチルスズジラウレートの両者の添加は、カップリング剤(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)を用いて得られる場合よりも大きいようなG’の増大をもたらすことを示すので、これらの結果は本明細書において重要と考えられる。
【0096】
試験結果を100℃における設定ひずみ対タンデルタによって下表4に試料1ないし7として示す。
【0097】
【表4】
Figure 0005173094
【0098】
表4から、SBRのみを含有する対照試料1と、SBRおよび30phrシリカを含有する対照試料2とを比較することによって、低ひずみ(2°未満の設定ひずみ角度)ではシリカの添加がタンデルタ値をほとんどまったく減少させないことが容易に分かる。しかし、SBR、シリカ、および0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5を、SBRとシリカのみを含有する対照試料2と比較すると、タンデルタ値のさらに著しい減少が達成される。さらに、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5は、SBR、シリカ、及び7.38phrカップリング剤を含有する試料3と同等またはそれ以下のタンデルタ値を示す。さらに、SBR及び0.062phrまたは0.62phrジブチルスズジラウレートのみを含有する試料6及び試料7を、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5と比較すると、低ひずみ(2°未満の設定ひずみ角度)では、シリカとジブチルスズジラウレートとの組合せがタンデルタ値を著しく減少させることが分かる。
【0099】
これらの結果を組み合わせると、SBRへのシリカならびにジブチルスズジラウレート(0.08phrおよび0.8phr)の両者の添加は、カップリング剤(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)を用いて得られる場合とほゞ同等またはそれ以下のようなタンデルタ値の減少をもたらすので、これらの結果は本明細書では重要と考えられる。
【0100】
試験結果を100℃における設定ひずみ対貯蔵モジュラス(G’)によって、下表5に試料1ないし7として示す。
【0101】
【表5】
Figure 0005173094
【0102】
表5から、SBRのみを含有する対照試料1を、SBR及び30phrシリカを含有する対照試料2と比較することによって、低ひずみ(10度未満の設定ひずみ角度)ではシリカの添加がG’の増大をもたらすことが容易に分かる。しかし、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5を、SBR及びシリカのみを含有する対照試料2と比較すると、G’の増大が達成される。さらに、SBR、シリカ、および0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5は、SBR、シリカ、及び7.38phrカップリング剤を含有する試料3の場合と同等またはそれ以下のG’値を示す。さらに、SBR及び0.062phrまたは0.62phrジブチルスズジラウレートのみを含有する試料6及び試料7を、SBR、シリカ、及び0.08phrまたは0.8phrジブチルスズジラウレートを含有する試料4及び試料5と比較すると、低ひずみ(10度未満の設定ひずみ角度)では、シリカとジブチルスズジラウレートとの組合せがG’を著しく増大させることが分かる。
【0103】
これらの結果を組み合わせると、SBRへの、シリカならびにジブチルスズジラウレート(0.08phr及び0.8phr)の両者の添加は、カップリング剤(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)を用いて得られるよりも大きいようなG’の増大をもたらすので、これらの結果は本明細書において重要と考えられる。
【0104】
本発明を説明するために、ある代表的態様及び細目を示したけれども、本明細書において、本発明の精神および範囲を逸脱せずに種々の変更及び修正を行い得ることは当業者には明らかであろう。

Claims (5)

  1. (A)イソプレン及び1,3−ブタジエンから選ばれる少くとも1種のホモポリマー及びコポリマー、ならびにイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも1種とスチレンとのコポリマーよりなる群から選択される、100重量部の少なくとも1種のジエン系エラストマー、
    (B)表面にヒドロキシル基を有する10から100phrの少なくとも1種の微粒状合成シリカ系物質および対応してゼロから80phrのゴム補強カーボンブラックからなる10から150phrの少なくとも1種の微粒状補強充填剤、この場合に前記微粒状合成シリカ系物質は、合成無定形沈降シリカの凝集体からなる、および
    (C)0.01〜30phrのジブチルスズジラウレートを含むことを特徴とするゴム組成物であって、
    該合成無定形沈降シリカの表面のヒドロキシル基と容易に反応してアルコールを生成するシリカカップリング剤を含まない、ゴム組成物。
  2. アルコキシシラン及びアルキルシランを含まない、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ジブチルスズジラウレートが沈降シリカとの複合体としてゴム組成物に配合されている、請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1つの項記載のゴム組成物であることを特徴とする少なくとも1種の部品を含有するタイヤ。
  5. 請求項1〜3の何れか1つの項記載のゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤ。
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