図1は、本発明に係る駆動ユニットの一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図であり、図2は、その組み立て斜視図である。また、図3は、図2の部分拡大斜視図であって、駆動ユニットにおける密嵌合の取り付け構造を示している。さらに、図4は、図2のIV−IV線断面図である。なお、図1〜図4において、X方向を左右方向、Y方向を前後方向といい、特に−Xを左方、+Xを右方、−Yを前方、+Yを後方という。
本発明に係る駆動ユニット20は、それぞれ複数の第1および第2駆動モータ30,39を備えた筐体構造40をベースフレーム90へ取り付け得るように構成されたものであり、詳しくは、図1に示すように、複数の第1駆動モータ30の駆動力を、所定の装置における一対のベースフレーム90(図1には、一対のベースフレーム90の内の後方のベースフレーム90のみを示している)間にそれぞれ配設された複数の回転部材80に伝達するとともに、複数の第2駆動モータ39の駆動力を図略の複数の被駆動部材のそれぞれへ伝達するためのものである。そしてこの際、特に並設された複数の第1駆動モータ30間での不必要な干渉状態をなくして適正に駆動回転し得るようにするとともに、第1駆動モータ30の出力軸32と第2駆動モータ39の駆動軸391との間の適正な位置決め状態を確保するためのものである。
かかる駆動ユニット20は、筐体構造40に、それぞれ出力軸32を有する複数(本実施形態では4台)の第1駆動モータ30と、それぞれ駆動軸391を有する複数(本実施形態では8台)の第2駆動モータ39と、前記出力軸32が貫通される位置決めホルダ50と、ベースフレーム90の嵌挿孔91に装着された出力軸32を支持するベアリング60と、回転部材80の回転軸81と出力軸32との間に同心で介設されるカップリング部材70とを備えた基本構成を有している。
前記各回転部材80は、それぞれ前後方向に延びる回転軸81と、各回転軸81に同心で一体回転可能に固定された被回転体82とを備えている。そして、第1駆動モータ30の駆動により被回転体82が回転軸81と一体回転することで、当該被回転体82が所定の機能を発揮する。回転軸81の先端には、カップリング部材70を介して出力軸32に同心で接続させるための、周面が切り欠かれることによって形成したDカット面811が形成されている。
前記ベースフレーム90は、硬質の合成樹脂材料によって形成され、厚み寸法が前記ベアリング60の孔心方向の厚み寸法の略1/2に設定されている。かかるベースフレーム90には、前記ベアリング60を嵌め込むための嵌挿孔(第1貫通孔)91が穿設されている。この嵌挿孔91の径寸法は、ベアリング60の外径寸法より僅かに小さめに設定されている。そして、ベアリング60は、嵌挿孔91に圧入されることにより、後方の半分を残して前半部分が嵌挿孔91に固定されている。ベアリング60の後方に向けて突出した部分には、位置決めホルダ50の前端が圧入される。
前記各第1駆動モータ30は、内部に回転子を有する円筒状のモータ本体31と、このモータ本体31の前端面から前方に向けて同心で突出した出力軸32とを備えている。モータ本体31の前端面には同心でボス311が突設されている。また、モータ本体31の前端部には、径方向の外方に向かって周方向に等ピッチで突設された複数(図1に示す例では4つ)の突片312が設けられている。これらの突片312には、前後方向へ向けて貫通した装着孔313が穿設され、この装着孔313にボルトBが差し通されて筐体構造40の後述する後板45に螺設されたボルト孔452に螺着締結されることにより各第1駆動モータ30が、図2に示すように、筐体構造40に固定される。
前記装着孔313は、ボルトBの径寸法より若干大径に設定され、これによってボルトBが装着孔313に挿通された状態で遊びが存在するようになされている。こうすることで、筐体構造40の後述の後板45に設けられるボルト孔452の螺設位置の誤差を吸収することができる。
前記出力軸32は、ボス311からの突出量が筐体構造40の前後寸法より若干長めに設定されている。従って、第1駆動モータ30が筐体構造40に装着された状態では、図2〜図4に示すように、出力軸32が筐体構造40の後板45のボス支持孔(第3貫通孔)451およびベースフレーム90の嵌挿孔91を貫通してベースフレーム90の前方へ向けて突出した状態になる。かかる出力軸32の前端部には、周面が切り欠かれることによって形成したDカット面321が形成されている。
そして、各第1駆動モータ30が筐体構造40に装着された状態で、各出力軸32の先端と、各回転部材80の被回転体82から突設された各回転軸81の先端とは、それぞれ断面形状がD字状に形成されたD孔71を有するカップリング部材70を介して互いに連結される。これによって各出力軸32の駆動回転は、各カップリング部材70を介してそれぞれ対応した各回転軸81へ伝達されることになる。
前記筐体構造40は、各第1駆動モータ30とベースフレーム90との間に介設されている。かかる筐体構造40には、所定の機能を有する部材(例えば第1駆動モータ30以外のモータやギヤ機構等)が設けられるが、ここではその説明を省略する。そして、筐体構造40には、各出力軸32が貫通された状態の複数の筒状を呈する位置決めホルダ50が内装されている。
かかる筐体構造40は、−Y方向から見た正面視で上下寸法が第1駆動モータ30の直径の略2倍、左右寸法が余裕をもって複数の第1駆動モータ30を並設し得る寸法に設定され、左右方向に長尺の底板41と、上部でこの底板41と対向配置された同一形状の天板42と、これら底板41および天板42の前縁部から互いに反対方向に向かって延設された上下一対のフランジ板43と、底板41および天板42の後縁部間に架設された後板(第1ユニットフレーム板)45と、底板41および天板42の前後方向の略中央位置間に架設された架設板(第2ユニットフレーム板)44とを備えている。
一方、底板41および天板42には、それらの前後方向の略中央位置にそれぞれ突条46が設けられている。これらの突条46は、互いに対応する方向へ向けて所定幅寸法だけ突設された状態で底板41および天板42の左右方向の全長に亘って設けられている。かかる上下の突条46には、等ピッチで複数のネジ孔461が螺設されている。一方、架設板44には、前記各ネジ孔461に対応した位置に駆動軸挿通孔442が穿設されている。そして、架設板44を前方から上下一対の突条46に押し当てた状態で、駆動軸挿通孔442を介してビス47をネジ孔461に螺着し締結することにより、架設板44が底板41および天板42間に架設される。
そして、前記架設板44の中央部には、位置決めホルダ50の前後方向の中央部を支持したり、位置決めホルダ50を挿通させたりするためのホルダ挿通孔(第2貫通孔)441が穿設されているとともに、後板45には、第1駆動モータ30のモータ本体31から前方へ向けて突設されたボス311を支持するためのボス支持孔451が穿設されている。また、後板45には、前記第1駆動モータ30の突片312に穿設された装着孔313と対向する位置にボルト孔452が螺設されている。そして、装着孔313に挿通されたボルトBがボルト孔452に螺着されて締結されることにより、第1駆動モータ30が後板45に固定される。
また、フランジ板43の適所には、所定個数の挿通孔431が穿設されているとともに、ベースフレーム90には、各挿通孔431に対応した位置にネジ孔92がそれぞれ螺設されている。そして、ビス47を挿通孔431を通してネジ孔92に螺着して締結することにより、筐体構造40がベースフレーム90に固定される。ネジ孔92の螺設位置は、嵌挿孔91の孔心とホルダ挿通孔441の孔心とが前後で対向した状態における挿通孔431に対向した位置に設定される。
前記第2駆動モータ39は、本実施形態においては、前記後板45の後面側(すなわち、筐体構造40の外側)において、それぞれ1台の第1駆動モータ30に対して点対称位置である左上の位置と右下の位置とに2台がそれぞれネジ止めで設けられている。筐体構造40に設けられる第1駆動モータ30は4台であるから、第2駆動モータ39は合計で8台が採用されていることになる。各第2駆動モータ39からは後板45を貫通した前方へ向かう駆動軸391がそれぞれ突設されている。
かかる第2駆動モータ39は、図3に示すように、筐体構造40内の架設板44と後板45との間の空間に設けられた所定のギヤ機構392を介してベースフレーム90の前方に設けられた図略の被駆動装置を駆動させるためのものである。従って、駆動軸391と第2駆動モータ39との間にはギヤ機構392が介設されるのであるが、図1〜図3では図示が煩雑になるのを防ぐべくギヤ機構392の図示を省略し、ギヤ機構392が存在しない場合のものを示している。
一方、前記ベースフレーム90には、各駆動軸391に対応した位置に各駆動軸391を挿通するための複数の駆動軸挿通孔443がそれぞれ穿設されている。そして本実施形態においては、これらの駆動軸挿通孔443にそれぞれベアリング444が嵌め込まれている。そして、各駆動軸391は、対応したベアリング444を介して前記対応した駆動軸挿通孔443にそれぞれ挿通され、これによりベースフレーム90の前方へ向けて突出されている。
なお、駆動軸391を、特にベアリング444を介することなく摺接状態で駆動軸挿通孔443に挿通させるように、当該駆動軸挿通孔443の径寸法を設定してもよい。
かかる駆動軸391は、その前端に装着された図略のカップリングを介して前記回転部材80以外の被駆動部材に接続され、当該被駆動部材を駆動させるようになっている。
そして、本発明においては、架設板44に穿設された複数のホルダ挿通孔441の内の一方の端(本実施形態では右端)のものが密着状態で位置決めホルダ50に外嵌される密嵌合孔441aとされ、他方の端(本実施形態では左端)のものが左右方向に長尺の長孔441bとされ、残りのホルダ挿通孔441が位置決めホルダ50を遊嵌し得る馬鹿孔441cとされている。
前記各位置決めホルダ50は、前方へ向かって僅かに先細りに形成された円筒状ホルダ本体51と、この円筒状ホルダ本体51の後端側に形成された角形のフランジ52とを備えている。円筒状ホルダ本体51には、図4に示すように、その外周面における前記筐体構造40の架設板44に穿設された密嵌合孔441aに対応する位置に中央等円部513が形成されているとともに、円筒状ホルダ本体51の内周面における前記第1駆動モータ30のボス311に対応した位置に後方等円部514が形成されている。
前記中央等円部513は、前後幅寸法が架設板44の厚み寸法と等しく、かつ、外径寸法が一定で密嵌合孔441aの内径寸法より僅かに小さめに設定されている。前記後方等円部514は、前後幅寸法がボス311前後の厚み寸法から後板45の厚み寸法分を差し引いた値で、かつ、内径寸法が一定でボス311の外径寸法より僅かに大きめに設定されている。
このように中央等円部513の外径寸法を前後方向で一定とすることにより、架設板44のホルダ挿通孔441の内の密嵌合孔441aについては、内周面が面接触で中央等円部513に外嵌されるため、架設板44の中央等円部513に対する支持状態が安定する。これについては後方等円部514についても同様であり、後方等円部514による第1駆動モータ30のボス311の支持状態が安定する。すなわち、複数の位置決めホルダ50の内の右端のものについては、架設板44において密嵌合孔441aにより確実な位置決めが行われる。
これに対し、位置決めホルダ50の内の左端のものについては、外嵌される相手方のホルダ挿通孔441が周方向に長尺の長孔441bであるため、当該位置決めホルダ50は、架設板44において上下方向の位置決めは行われるが、左右方向については移動が可能になっている。また、位置決めホルダ50の内の両端以外の2つについては、外嵌される相手方のホルダ挿通孔441が、円筒状ホルダ本体51より径寸法の大きい馬鹿孔441cとされているため、位置決めホルダ50は四方に向けて移動が可能になっている。
このように、ホルダ挿通孔441として右端の密嵌合孔441a、左端の長孔441bおよび中央部の馬鹿孔441cの3種類を採用したのは、駆動ユニット20をベースフレーム90に取り付けるに際し、地獄締め状態になるのを防止するためである。
前記フランジ52は、本実施形態においては、−Y方向から見た正面視で正方形状を呈し、円筒状ホルダ本体51の筒心延びる方向と直交する方向に延びるように方向設定されている。かかるフランジ52の後面の適所には、回り止め突起521が後方に向かって突設されている一方、後板45には回り止め突起521に対応した回り止め孔453が穿設されている。回り止め突起521がこの回り止め孔453に嵌入されることによって位置決めホルダ50は、筒心回りに回動するのが阻止される。
かかる各位置決めホルダ50は、フランジ52の後面と円筒状ホルダ本体51の前面との間の距離が、筐体構造40をベースフレーム90に固定した状態におけるベースフレーム90の後面と筐体構造40の後板45の前面との間の距離(すなわち両者間の内寸法)と等しくなるように長さ設定されている。
また、円筒状ホルダ本体51の前端の前面円孔511は、孔径寸法がベアリング60の外径寸法と同一か僅かに大きめに設定されているとともに、同後端の後面円孔512は、孔径寸法が第1駆動モータ30のボス311の外径寸法と同一か、それより僅かに大きめに設定されている。
従って、ベアリング60の前半部分がベースフレーム90の嵌挿孔91に圧入された状態で、後方から架設板44のホルダ挿通孔441に差し通した円筒状ホルダ本体51の前面円孔511をベアリング60の後半部分に外嵌し、この状態で筐体構造40をビス47によってベースフレーム90に取り付けた後、第1駆動モータ30の出力軸32をベアリング60に貫通させ、さらに第1駆動モータ30のボス311を円筒状ホルダ本体51の後面円孔512へ嵌め込み、しかる後にボルトBでモータ本体31を後板45に固定するとともに、カップリング部材70を介して出力軸32を回転部材80の回転軸81に接続することにより、第1駆動モータ30は、図駆動ユニットとして組み立てられた後にベースフレーム90に取り付けられる。
以上詳述したように、本発明に係る駆動ユニット20によれば、筐体構造40内に配設され、かつ、複数の第1駆動モータ30の各出力軸32がそれぞれ貫通される各位置決めホルダ50は、一方の端部がベアリング60に外嵌されているとともに、他方の端部に出力軸32が内嵌されているため、出力軸32に対して高精度で位置決めされた状態になっている。従って、かかる複数の位置決めホルダ50を内包した筐体構造40は、当該位置決めホルダ50を介して出力軸32に対し高精度で位置決めされた状態なるため(すなわち、出力軸32は、筐体構造40に内装された各種の部材に対し、常に高精度で芯出しされた状態になっているため)、駆動ユニット40に内装されている各種の部材の出力軸32に対する位置関係を常に適正なものにすることができる。
そして、筐体構造40には、所定の駆動部材が内装され、各第1駆動モータ30とベースフレーム90との間に介設されるとともに、位置決めホルダ50に一部が当接することで位置決めされた、当該駆動ユニット20の筐体構造40を形成するための架設板(第2ユニットフレーム板)44が設けられている。
この架設板44には、左右方向の一方の端部(図1に示す例では右端部)に、位置決めホルダ50に対して密着状態で嵌合する密嵌合孔441aが設けられ、同他方の端部(図1に示す例では左端部)に、位置決めホルダ50の上下方向への移動を規制した上で左右方向への移動を許容する長孔441bが設けられ、密嵌合孔441aと長孔441bとの間には、他の位置決めホルダ50を挿通するための当該位置決めホルダ50より大径の馬鹿孔441cが設けられているため、当該架設板44の右側は、最右端の位置決めホルダ50に密嵌合している密嵌合孔441aを介して上下左右で位置決めされているとともに、左端は位置決めホルダ50が長孔441bにより左右方向に逃げることができ、さらにその他の位置決めホルダ50は、馬鹿孔441cによって上下左右に逃げることが可能になっている。
従って、駆動ユニット20の筐体構造40内において、架設板44に互いに連携し合いながら設けられる各種の駆動手段やギヤ機構がたとえ互いに干渉し合い、これによって位置決めホルダ50にギヤ機構等の寸法誤差や組み付け誤差に起因した予定外の余分な力が作用したとしても、中央部の2つの位置決めホルダ50は、馬鹿孔441c内を上下左右のいずれの方向にも移動することと、最左端の位置決めホルダ50が左右方向へ移動することによって前記余分な力が吸収され、これによって筐体構造40内のギヤ機構等が互いに干渉し合って動かなくなる、いわゆる地獄締め状態が解消され、これによって駆動ユニット20を適正に機能させることができる。
そして、このように架設板44に設けるホルダ挿通孔441として一端側に密嵌合孔441aを穿設するとともに、他端側に長孔441bを穿設し、さらにこれら密嵌合孔441aおよび長孔441bに挟まれた部分に馬鹿孔441cを穿設するという簡単な構成を採用することで、筐体構造40内に設けられる各種の駆動手段やギヤ機構等の寸法精度や組み付け精度を不必要なまでに高精度にする必要がなくなり、その分、駆動ユニット20の本来の機能を確保しつつ部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献することができる。
また、本実施形態においては、第1駆動モータ30は、出力軸32が貫通されるボス311を有し、位置決めホルダ50は、ボス311を介して出力軸32に外嵌されているため、結果として位置決めホルダ50が回転している出力軸32に直接当接することがなく、出力軸32の円滑な回転を確保することができる。
因みに、密嵌合孔441a、長孔441bおよび馬鹿孔441cをベースフレーム90や筐体構造40の後板45に設けずに架設板44に設けられる理由は、以下のとおりである。すなわち、筐体構造40には、第1駆動モータ30の出力軸32が位置決めホルダ50を介して前後方向に貫通され、この貫通した出力軸32との相対的な位置関係を維持しつつ筐体構造40内に各種の駆動手段やギヤ機構が設けられるのであるが、これらギヤ機構等は、筐体構造40における前後方向の中間位置に設けられた架設板44に装着される場合が多い。従って、ギヤ機構等の組み付け誤差等による影響は、架設板44を介して出力軸32へ及ぼされることが多い。従って、駆動手段やギヤ機構等を支持はするが、その影響が位置決めホルダ50を介して出力軸32に及ばなくするべく、架設板44に設けられるホルダ挿通孔441として密嵌合孔441a、長孔441bおよび馬鹿孔441cの3種類を採用している。
そして、本発明に係る画像形成装置10には、以上のように構成された駆動ユニット20が適用されている。以下、かかる画像形成装置10について、図5および図6を基に説明する。図5は、本実施形態に係る駆動ユニット20が適用された画像形成装置10の内部構造の概要の一実施形態を示す正面断面視の説明図である。また、図6は、その外観視の一部切り欠き斜視図であり、画像形成装置10内における本発明に係る駆動ユニット20の設置位置を理解し易くするために示している。なお、図5および図6におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方、−Y:前方、+Y:後方)である。
まず、図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー印刷用の複写機として使用されるものであり、箱形を呈した装置本体11と、この装置本体11の上部に設けられた、原稿画像を読み取る画像読取部16とを備えた基本構成を有している。
前記装置本体11には、画像読取部16によって読み取られた原稿の画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部14とが内装されている。
前記画像読取部16は、装置本体11の上面に開閉可能に設けられた原稿押えカバー161と、装置本体11の上部の筐体内でコンタクトガラス163を介して原稿押えカバー161と対向配置された光学系ユニット162とを備えている。前記コンタクトガラス163は、載置された原稿の原稿面を読み取るために原稿押えカバー161より若干小さい平面形状に寸法設定されている。前記原稿押えカバー161は、画像読取部16の筐体の上面の一側辺に設けられた所定の軸回りに正逆回動することで開閉する。
かかる画像読取部16の適所には、原稿読み取りや複写処理等に関する処理条件を入力操作するための操作パネル17(図2参照)が設けられている。この操作パネル17には、図2に示すように、電源スイッチ171やテンキー172、さらにはスタートボタン173、LCD(Liquid crystal display)174、図略のモード切換えキー等が設けられている。
前記光学系ユニット162は、図略の光源や複数のミラー、レンズユニット、さらにはCCD(charge coupled device)等を有している。そして、光源からの光が原稿面で反射され、この反射光がこれらミラーおよびレンズユニットを介して原稿情報としてCCDに入力されるようになっている。CCDに入力されたアナログ量としての原稿情報は、デジタル信号に変換されて所定の記憶装置に記憶される。
前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙にトナー画像を形成させるものであり、本実施形態では、当該画像形成部12に上流側(図1の紙面の左側)から下流側へ向けて順次配設されたマゼンタ用ユニット12Mと、シアン用ユニット12Cと、イエロー用ユニット12Yと、ブラック用ユニット12Kとが備えられている。
各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム(像担持体)121および現像装置122がそれぞれ備えられている。各感光体ドラム121は、図1において反時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置122からトナーの供給を受ける。各現像装置122には、装置本体11の前面側(図1の紙面の表側)および図1の右側面側において、当該現像装置122にそれぞれ対応するように配設されたトナーコンテナ15から中間ホッパ19を介してトナーがそれぞれ補給される。
本実施形態においては、マゼンタ〜イエローユニット12M,12C,12Yの各現像装置122に各色のトナーを補給するためのトナーコンテナ15(マゼンタトナー用コンテナ15M、シアントナー用コンテナ15Cおよびイエロートナー用コンテナ15Y)は、装置本体11における前面上角部であって、光学系ユニット162の前方位置に着脱可能に設けられている。これに対し、ブラック用ユニット12Kの現像装置122にブラックトナーを供給するためのトナーコンテナ15(ブラックトナー用コンテナ15K)は、前後方向に長尺で、かつ、他のコンテナより大容量に設定されている。かかるブラックトナー用コンテナ15Kは、装置本体11の上部であって、光学系ユニット162の右側の空いた空間に着脱可能に設けられている。
そして、トナーコンテナ15と現像装置122との間に介設された前記中間ホッパ19は、マゼンタ用現像装置、シアン用現像装置、イエロー用現像装置およびブラック用現像装置に対応したものがそれぞれ設けられている。
かかる各中間ホッパ19は、図1に示すように、各現像装置122へトナーを補給するための補給口を基準とした並設ピッチが各現像装置122の並設ピッチと同一に設定されている。そして、マゼンタトナー用〜イエロートナー用の中間ホッパ19については、同一に寸法設定されている。これに対し、ブラック用の中間ホッパ19については、装置本体11内の右端上部に装着されたブラックトナー用コンテナ15Kに対応させるべく、左右方向に長尺に設定されている。
そして、かかる中間ホッパ19には、その天板の右側位置にトナー受入口が設けられている。一方、トナーコンテナ15を装着する装着空間の底板には、各トナー受入口に対応した位置にそれぞれ連絡開口が穿設され、トナーがこの連絡開口を介して現像装置122へ補給される。
前記各感光体ドラム121の直上位置には帯電器123がそれぞれ設けられている。また、帯電器123および現像装置122の上方位置には露光装置124が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電器123によって周面が一様に帯電され、画像読取部16で入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記各露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射されることにより、各感光体ドラム121の周面にそれぞれ各色に対応した静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置122からそれぞれの色のトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像がそれぞれ形成される。
感光体ドラム121の下方位置には、当該各感光体ドラム121の周面に当接するように駆動ローラ125a、従動ローラ125bおよび押さえローラ125c並びにその他の必要なローラ間に張設された転写ベルト125が設けられている。この転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた1次転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
従って、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアンのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエローのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
そして、各感光体ドラム121の図1における左方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置127がそれぞれ設けられている。クリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電器123へ向かうことになる。クリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収される。
前記用紙貯留部14の右方位置から画像形成部12の下部にかけて用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14からの用紙がこの搬送ローラ対112の駆動で転写ベルト125の下方位置へ向けて搬送されるようになっている。かかる用紙搬送路111には、前記押さえローラ125cと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接する2次転写ローラ113が設けられている。そして、用紙搬送路111を搬送されつつある用紙Pが転写ベルト125と2次転写ローラ113とに押圧挟持されることによって転写ベルト125上のトナー像が当該用紙Pに転写される。
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものである。かかる定着部13は、内部に加熱源であるハロゲンランプ等の通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、この加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および前記加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、この定着ベルト133と前記定着ローラ132を介して対向配置された加圧ローラ134とを備えている。
定着処理の完了したカラー画像付の用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11の左側壁に設けられた排紙トレイ115へ向けて排出される。
前記用紙貯留部14は、装置本体11における露光装置124の下方位置に挿脱可能に装着された、用紙Pの束を貯留するための用紙トレイ141を有している。図5および図6に示す例では、用紙トレイ141が2段で設けられているが、3段以上であってもよいし、1段であってもよい。
そして、用紙トレイ141に貯留された用紙束からピックアップローラ142の駆動で用紙Pが1枚ずつ繰り出される。繰り出された用紙Pは、用紙搬送路111を通って画像形成部12の2次転写ローラ113と転写ベルト125との間のニップ部へ向けて送り込まれ、転写ベルト125の表面に形成されているカラーのトナー画像が転写される。転写処理後の用紙Pの動きは、前述のとおりである。
そして、このように構成された画像形成装置10に、本発明に係る駆動ユニット20が適用されている。図6は、かかる画像形成装置10の外観視の一部切り欠き斜視図であり、画像形成装置10において駆動ユニット20が全体的な位置関係においてどの位置に設けられているかを容易に理解し得るようにするためのものである。また、図7は、駆動ユニット20が感光体ドラム121の駆動回転並びに現像装置122およびクリーニング装置127の駆動に適用された例を示す斜視図である。なお、図7におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様(−X:左方、+X:右方、−Y:前方、+Y:後方)である。
まず図6に示すように、駆動ユニット20は、画像形成装置10の装置本体11内における4つの感光体ドラム121(図6では最右側のものを点線で示している)の後方位置に、出力軸32を前方へ向けた状態で配設されている。そして、各感光体ドラム121がそれぞれ対応した第1駆動モータ30によって駆動回転される。
感光体ドラム121は、図7に示すように、そのドラム心位置に同心で一体回転可能に設けられたドラム軸121aを有している。そして、このドラム軸121aが画像形成装置10の装置本体11に設けられた前後方向一対のフレームプレート116間に軸心回りに回転可能に架設されている。これにより、感光体ドラム121は、ドラム軸121a回りに一体回転可能に装置本体11内の所定の位置に装着されている。なお、感光体ドラム121は、前記被回転体82に対応し、ドラム軸121aは、前記回転軸81に対応し、フレームプレート116は、前記ベースフレーム90に対応する。
そして、前記駆動ユニット20が後方のフレームプレート116に装着されている。一対のフレームプレート116の内の後方側のフレームプレート116と、この後方側のフレームプレート116に設けられた筐体構造40と、この筐体構造40の後方側に設けられた第1および第2駆動モータ30,39と、筐体構造40内に設けられた位置決めホルダ50と、当該位置決めホルダ50の前端およびフレームプレート116の双方に内嵌されたベアリング60とを備えて本発明に係る駆動ユニット20が形成されている。
そして、各ユニット12M,12C,12Y,12Kにおける第1駆動モータ30の左上に設けられた第2駆動モータ39は、当該ユニットの現像装置122を駆動させるためのものであり、同第1駆動モータ30の右下に設けられた第2駆動モータ39は、当該ユニットのクリーニング装置127を駆動させるためのものである。また、筐体構造40の架設板44と後板45との間には、第2駆動モータ39の回転速度を変更させたりするギヤ機構が設けられている。
感光体ドラム121を駆動回転させるために画像形成装置10に本発明に係る駆動ユニット20を適用することにより、位置決めホルダ50を介してドラム軸121aの高精度な芯出しが実現するとともに、特に架設板44に穿設されるホルダ挿通孔441を密嵌合孔441a、長孔441bおよび馬鹿孔441cとしたことにより、位置決めホルダ50を介してドラム軸121aと筐体構造40に設けられた第1駆動モータ30以外の複数組の第2駆動モータ39やギヤ機構間の強い干渉状態(いわゆる地獄締めなど)が解消されるため、感光体ドラム121の駆動回転に連携した現像装置122、1次転写ローラ126およびクリーニング装置127の駆動が適正に行われ、結果として画像不良のない適正な画像形成処理に貢献することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、本発明に係る駆動ユニット20を画像形成装置10に適用する例について説明したが、画像形成装置10に代えて駆動モータの駆動力を所定の被回転体に伝達するように構成された各種の装置に適用することができる。
(2)上記の実施形態においては、駆動ユニット20が適用される画像形成装置10として複写機を例に挙げて説明したが、複写機以外のプリンタやファクシミリ装置等の画像形成装置にも駆動ユニット20を適用することができる。
(3)上記の実施形態においては、駆動ユニット20に4台の第1駆動モータ30が装着されているが、4台に限定されるものではなく、3台以下であってもよいし5台以上であってもよい。