JP5171605B2 - 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法 - Google Patents

放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5171605B2
JP5171605B2 JP2008331696A JP2008331696A JP5171605B2 JP 5171605 B2 JP5171605 B2 JP 5171605B2 JP 2008331696 A JP2008331696 A JP 2008331696A JP 2008331696 A JP2008331696 A JP 2008331696A JP 5171605 B2 JP5171605 B2 JP 5171605B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica glass
less
synthetic silica
ppm
discharge lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008331696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010150096A (ja
Inventor
龍弘 佐藤
宜正 吉田
勝英 折笠
智一 熊田
信 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Quartz Products Co Ltd filed Critical Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
Priority to JP2008331696A priority Critical patent/JP5171605B2/ja
Publication of JP2010150096A publication Critical patent/JP2010150096A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5171605B2 publication Critical patent/JP5171605B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1453Thermal after-treatment of the shaped article, e.g. dehydrating, consolidating, sintering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/07Impurity concentration specified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/07Impurity concentration specified
    • C03B2201/075Hydroxyl ion (OH)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/20Doped silica-based glasses doped with non-metals other than boron or fluorine
    • C03B2201/21Doped silica-based glasses doped with non-metals other than boron or fluorine doped with molecular hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/30Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi
    • C03B2201/32Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/30Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi
    • C03B2201/40Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with transition metals other than rare earth metals, e.g. Zr, Nb, Ta or Zn
    • C03B2201/42Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with transition metals other than rare earth metals, e.g. Zr, Nb, Ta or Zn doped with titanium

Description

本発明は、耐失透性に優れ、高温粘度が高く、かつ250nm以下の光線の内部透過率が低い放電灯用合成シリカガラス、特にメタルハライドランプや高圧水銀ランプの発光管として有用な放電用灯合成シリカガラスに関する。
合成シリカガラスは、赤外線から真空紫外線までの広い波長範囲において透明であるばかりでなく、耐熱性、耐薬品性にも優れ、各種照明ランプ等の発光管として広く使用されている。中でも、耐熱性、耐薬品性の良さから発光管内に希土類金属元素のハロゲン化物を封入し、それを発光時のバルブ温度が900〜1100℃で、内圧が5〜30kgf/cmの高温、高圧で発光させるメタルハライドランプや高温、高圧で水銀ガスを発光させる高圧水銀ランプの発光管として好適に使用されている。しかしながら、シリカガラス発光管は、点灯を続けるうちにその内表面に徐々に黒色失透や白色失透が生じ光の強度が低下し、また、演色も悪化する。特に、メタルハライドランプや高圧水銀ランプは蒸気圧が高い放電用ガスを用いることから管壁負荷が極めて高くなるばかりでなく、紫外線を多く放射することになる。シリカガラスは高い光透過性のため光源で発生した紫外線を良好に透過させ人体に直接悪影響を及ぼすばかりでなく、空気中の酸素に作用してオゾンを発生させ、それが発光管を支える樹脂を劣化したり、或はオゾンによる人体への障害を起す。その上、前記メタルハライドランプや高圧水銀ランプ、特に高圧水銀ランは発光時の温度が1,200℃の高温となるため点灯を続けるうちに、形状変形が起こる問題があった。前記黒色失透や白色失透に加えてメタルハライドランプや高圧水銀ランプは作動電圧の上昇および再点弧スパイク電圧の発生も起こりランプの寿命が短いものとなっていた。黒色失透は、シリカガラス中に存在する水分子またはOH基の分解により発生する酸素と電極部分の金属との酸化反応に基づくものであり、また、再点弧スパイク電圧の発生および作動電圧の上昇はシリカガラス中に溶存する水素分子や前記水分子又はOH基の加熱分解により発生する水素分子に起因する。さらに、白色失透は、シリカガラス中に含まれているアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素等の金属不純物によってシリカガラスが再結晶化する現象であると推定されている。
上述の紫外線の大量放射を抑制する発光管として、シリカガラスに特定の遷移金属元素をドープした合成シリカガラスが特許文献1で提案されている。しかし、この合成シリカガラスは遷移金属元素を含有することから光の吸収や散乱が起こり易く発光効率が低下する上に、遷移金属元素をドープするという余分の工程を必要としコスト高となる問題があった。こうした従来の高温・高圧の放電灯用シリカガラスの有する欠点を解決する合成シリカガラスとして本発明者等は先に特願2008−124653で、OH基濃度が5ppm以下、金属不純物濃度の総和が1ppm以下、250nmでの酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.1〜2/cmで、かつ1100℃での粘度が1014〜1016ポアズ、波長250nm以下の光線の内部透過率が50%/cm以下である放電灯用合成シリカガラスを提案した。この放電灯用合成シリカガラスは耐失透性に優れる上に、紫外線吸収性がよい一方可視光の透過性に優れているが、紫外線の放射線量の多い高圧水銀ランプからの紫外線の放射を十分に抑制できるものでなく、より優れた紫外線放射を抑制する合成シリカガラスの提案が熱望されていた。
特開平7−69671号公報
こうした現状を踏まえて、本発明者等は鋭意研究した結果、前記特願2008−124653として提案した放電灯用合成シリカガラスと同様にOH基濃度、アルカリ金属元素濃度およびアルカリ土類金属元素などの金属不純物濃度を最大限低減する一方、合成シリカガラス中の酸素欠損型欠陥量を特定の範囲に限定した合成シリカガラスにさらにTiを失透や光散乱を起こさない範囲で含有させることで,耐熱性が高く高温におけるランプ形状の変形が少ない上に、黒色失透、化学的エッチングや再結晶化による白色失透が少なく、かつ、作動電圧の上昇および再点弧スパイク電圧の発生が抑制されランプ寿命を長く保持でき、さらに、230nm以下の光線の内部透過率を30%/cm以下にできる放電灯用合成石英シリカガラスが得られることを見出した。さらに、前記合成石英ガラスにAlを適量含有させることで高温粘度が一段と高められ形状変形がより少なくなること、水素濃度を特定の範囲で含有させることで作動電圧の上昇および再点弧スパイク電圧の発生も有効に抑えることができることをも見出して本発明を完成したものである。
本発明は、高温耐熱性、耐白色失透や耐黒色失透に優れ、かつ230nm以下の光線の内部透過率が30%/cm以下の放電灯用合成シリカガラスを提供することを目的とする。
また、本発明は、作動電圧の上昇および再点弧スパイク電圧の発生を抑えることができ、ランプ使用寿命を長く保持できる放電灯用合成シリカガラスを提供することを目的とする。
さらに、上記放電灯用合成石英ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、放電灯用合成シリカガラスであって、そのOH基濃度が5ppm以下、Ti濃度が1ppm〜500ppm、Tiを除く金属不純物濃度の総和が55ppm以下で、かつ1100℃での粘度が1014〜1016ポアズ、波長230nm以下の光線の内部透過率が30%/cm以下の放電灯用合成シリカガラス、さらに、Alを1ppm〜50ppmの範囲で含有し、水素濃度が 1×10分子/cm〜1×1016分子/cmであり、特に250nmでの酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.01〜2/cmである放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法に係る。
一般に、シリカガラス中に含まれる水分子またはOH基は熱的に不安定であり、例えばランプの発光管等、高温にさらされる条件で使用した場合、加熱分解して水素と酸素を放出し、それらが電極部分の金属や封入金属ガスと反応し、黒色失透を起こしたり、再点弧スパイク電圧の発生および作動電圧を上昇させ、さらに、シリカガラス骨格構造ともOH基が反応し耐熱性を低下させることが起こる。また、金属不純物、特にアルカリ金属不純物及びアルカリ土類金属不純物を多く含むとシリカガラスのクリストバライトへの相転移が容易となり誘起白色失透が発生する。そのためシリカガラス中の水分子またはOH基濃度並びに金属不純物濃度をできるだけ少なくすることが肝要である。OH基濃度については、5ppm以下、好ましくは1ppm以下がよい。OH基濃度が5ppmを超えるとOH基のシリカガラス骨格構造との反応によりガラスの耐熱性が低下し、特に高圧水銀ランプのように高温で使用するランプの場合その寿命が短くなる。また、白色失透の原因となるTiを除く金属不純物濃度の総和は55ppm以下とする。特にTi及びAl以外の金属不純物濃度は1ppm以下がよい。アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素によるシリカガラスのクリストバライトへの相転移が抑えられ、白色失透の発生を少なくし可視光線の透過率の低下及びシリカガラスの耐熱性の低下を防ぐ。前記Tiを除く金属不純物としては、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素が、具体的にはLi、Na、K、Ca、Mg、Alなどが挙げられる。
Alは上述のとおりシリカガラスの失透を促進する金属不純物として一般的に理解されているが、それを1ppm〜50ppmの範囲で含有させても失透が促進されることがなく、むしろ耐熱性が向上する。そこで、本発明にあっては、Alを1ppm〜50ppmの範囲で含有するのがよい。また、水素濃度を1×10分子/cm〜1×1016分子/cmの範囲で含有させ再点弧スパイク電圧の発生および作動電圧の上昇を抑えるのがよい。水素濃度が1×10分子/cm未満では、白色失透が起こり、1×1016分子/cmを越えると再点弧スパイク電圧の発生および作動電圧の上昇を抑える効果に欠ける。
本発明の放電灯用合成シリカガラスは、形状変形、白色失透や黒色失透の発生が低い上に、作動電圧の上昇および再点弧スパイク電圧の発生がなくランプ寿命を長く保持でき、しかも波長230nm以下の光線の内部透過率が30%/cm以下と紫外線の放射量を少なく抑制でき紫外線によるランプ部品の劣化や人体への悪影響を低減できる。特に、高圧水銀ランプ用発光管として有用である。
本発明の放電灯用合成シリカガラスの製造方法をスート法を例にして説明するが、本発明の製造方法はこのスート法に限定されるものではなく、シリカゲル法等合成シリカガラスの製造方法も採用できる。すなわち、多重管構造の石英ガラス製バーナーの中心からSiCl4などの原料ガスを供給し、その外側の管から水素やメタン及び酸素を供給し、前記原料を火炎加水分解してシリカ粒子を得、それをターゲット上に堆積させて多孔質合成シリカガラス体(スート体)とし、それにTi化合物とAl化合物を含有する気体中において50℃から500℃、好ましくは、100℃から300℃で加熱処理する、又は、Ti化合物とAl化合物を含有する液体中に浸漬した後、20℃から500℃で好ましくは、80℃から200℃で乾燥し、透明シリカガラス中のTiとAlが上記範囲となるように調製し、それを還元性雰囲気中で、200〜1200℃、好ましくは400〜1000℃に加熱し、さらに、水素ドープ処理で600〜1600℃、好ましくは800〜1400℃に加熱する。水素ドープ処理を1300℃未満で行った場合、1300〜1800℃、好ましくは1300〜1600℃で焼成して緻密なシリカガラス体とするのがよい。得られた緻密なシリカガラス体を真空中又は不活性ガス中で、1300〜2200℃、好ましくは1500〜2000℃の温度で加熱成型して放電灯用合成シリカガラスとする。前記水素ドープ処理を1300〜1600℃で行った場合、多孔質合成シリカガラス体が水素ドープと同時に緻密化されるので焼成による緻密化処理を行う必要がない。
上記製造方法で使用するTi化合物としては、チタンチタニウムテトライソプロポキシド、塩化チタンなどが挙げられ、また、Al化合物としては、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどが挙げられる。
また、上記製造方法で採られる還元性雰囲気とは、水素、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、エタノール(COH)、一酸化炭素(CO)、塩素(Cl)、四塩化ケイ素(SiCl)及び揮発性有機珪素化合物またはこれらの化合物の混合物を含む雰囲気をいう。前記化合物の併用においては水素と他の化合物との併用が良い。中でも好ましい還元性雰囲気は揮発性有機珪素化合物を含む雰囲気である。揮発性有機珪素化合物としてはヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)、トリクロロメチルシラン((CHCl)SiH)、ヘキサメチルジシロキサン[(CHSi]O等が挙げられる。
上記放電灯用合成シリカガラスの製造方法において、還元性雰囲気中での加熱処理は省略してもよいが、その場合、酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.01〜1.5/cm、1100℃での粘度が1014〜1015.7ポアズとなり耐熱性が少し劣ることになる。
さらに、上記放電灯用合成シリカガラスの製造方法において、還元性雰囲気中での加熱処理とともに水素ドープ処理を省略することも可能である。 その場合、Si-Si結合が減少して波長250nmでの酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0〜0.01/cmとなり、1100℃での粘度が1014〜1015.5ポアズとなり耐熱性がさらに劣る。また、波長230nm以下の光線の内部透過率は30%/cm以下に低減される一方で、波長250nmの光線の内部吸収が低減し、波長230nmでの内部透過率が40%/cm以上に高くなる。
本発明は、上述のとおりOH基濃度が5ppm以下、Ti濃度が1ppm〜500ppm、Al濃度が1ppm〜50ppm、TiとAl以外の金属不純物濃度の総和がppm以下、1100℃での粘度が1014〜1016ポアズで、かつ250nmでの酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.01〜2/cmの放電灯用合成シリカガラスであり、さらに、水素濃度を1×10分子/cm3〜1×1016分子/cm3の範囲とする放電灯用合成シリカガラスであるが、前記酸素欠損型欠陥は、シリカガラスの構造欠陥の1つである酸素原子の欠損に基づく欠陥であるが、この酸素欠損型欠陥が存在すると耐熱性が向上するとともに、クリストバライトの生成、即ちシリカガラスのクリストバライトへの相転移が抑制される。その上、シリカガラスから放出される酸素原子量が減少し白色失透や黒色失透が低減する。さらに、Si-Si結合が増大し、その吸収性により波長250nm以下の光線の透過率が低減する。吸収係数が0.01未満では酸素欠損型欠陥による、クリストバライトの生成の抑制効果や波長230nm以下の光線の透過率の低減効果がなく、また、2/cmを越えると可視光線の透過率が抑えられランプの発光効率が低下する。
また、含有するTi濃度は1ppm〜500ppmの範囲であることを必須とする。この範囲のTi濃度では失透や光散乱を起こすことがない。この範囲のTi濃度と酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.01〜2/cmとが相まって本発明の合成シリカガラスの波長230nm以下の光線の内部透過率を30%/cm以下とする。Ti濃度が1ppm未満では、波長250nm以下の光線の吸収作用が小さく、500ppmを超えると、失透が促進され、かつ光散乱が顕著となり使用に適さない発光管となる。
上記の酸素欠損型欠陥の吸収係数は、酸素欠損型欠陥が約250nm(5.0eV)の吸収帯としてあらわれる(H.Imai et.al.(1988) Two types of oxygen−deficient centers in synthetic silica glass.physical Review B. Vol.38,No.17,pp12772〜12775)。この250nmの吸収係数を測定し式(1)に当て嵌めることにより内部透過率が算出できる。
(上記式において、Tは内部透過率(%)、dは測定試料の厚さ(cm)である。)
本発明の放電灯用合成シリカガラスは高温高圧で放電するランプ用として使用するため1100℃における高温粘度が1014〜1016ポアズであることが重要である。高温粘度が1100℃で1014未満では、耐熱性に劣りランプ寿命、特に高圧水銀ランプのような高温・高圧で使用するランプの寿命を短いものにする。その一方、1100℃での粘度が1016を越える高粘度を有する合成シリカガラスはその製造が困難である。
上記に加えて本発明の放電灯用合成シリカガラスはAlを1ppm〜50ppmの範囲で含有するとともに、水素分子濃度を1×10分子/cm〜1×1016分子/cmの範囲で含有する。Alがこの範囲であることでシリカガラスの高温粘度が上昇する。また、水素濃度が前記範囲であることでランプ作動電圧の上昇や再点弧スパイク電圧の発生が良好に抑えられる。水素分子濃度の測定は、V,S.
Khotimchenko,et al.(1987)Determining the Content of Hydrogen Dissolved in Quartz Glass Using the Method of Raman
Scattering and Mass Spectrometry,J.Appl.Spectrosc., Vol.46,No.6,pp632〜635に記載の方法に従う。
以下に実施例でさらに具体的に説明する。なお、以下の例に示す物性値は次の測定方法に従った。
(i) 水放出量の測定;ガスマス分析法(那須昭一、他(1990)石英ガラスのガス放出、照明学会誌、第74巻、第9号、595〜600頁参照)
(ii) OH基濃度の測定;赤外線吸収法(D.M.Dodd,etal.,J.
Appl.Phys.Vol.37(1966),pp3911参照).
(iii) アルミニウム,アルカリ金属、およびアルカリ土類金属元素各含有量の測定;原子吸光光度法。
(iv) 粘度テスト;ビームベンヂング法(ASTM,C−598−72(1983)参照)
(v) 吸収係数の測定;紫外線分光光度法。
(vi)内部透過率(2面鏡面10t)の測定法;紫外線分光光度法。
(vii) 水素分子濃度測定;ラマン散乱分光高度法(V.S.
Khotimchenko,et al.(1987))
(viii) 失透テスト;大気中、1200℃、1hr.の熱処理を行った後、シリカガラスサンプルの白色失透部分を割り、失透深さを観察測定する。
(ix) メタルハライドランプ点灯実験;東忠利(1981)希土類ハロゲン化物入りメタルハライドランプの発光特性、照明学会誌、第65巻、第10号、487〜492頁の第4節に記載する高輝度光源用短ア−クランプの作成法を参照にしてランプを作成した。初期の光出力を100%として、500時間点灯後の出力を測定すると共に、目視にて白色化と黒色化の程度を観察した。なお、ランプバルブの厚さは2mmとした。
実施例1
テトラクロロシランの火炎加水分解によって得た、外径100mm×内径60mm×長さ300mmの円筒状で密度が0.7g/cmの多孔質合成シリカガラス体(OH基約300ppm含有)約1kgを、チタニウムテトライソプロポキシドの2-プロハ゜ノール溶液中に漬けた後、窒素中にて200℃に設置して、溶媒分を揮発させた後、硝酸アルミニウムの水溶液中に漬けて、窒素中にて200℃に設置して、水分を蒸発させた後、電気炉内に装着されたシリカガラス製の炉心管(直径200mm)内にセットし、次いで、炉心管内を排気した後、500℃に加熱し、この温度で約60分間予熱した。その後、ヘキサメチルジシラザン蒸気をNガスで希釈しながら供給し、ヘキサメチルジシラザンと多孔質合成シリカガラス体中のOH基とを反応させた。
還元処理終了後、多孔質合成シリカガラス体を加熱炉内に移し、炉内温度を800℃に昇温し、Hガスを1mol/hr掛け流しながら、1時間保持した。この多孔質合成シリカガラス体を1300℃で焼成して緻密なシリカガラス体とした。次いで、炉内を1×10−3mmHg以下に減圧するとともに、1600℃に昇温し、1時間保持した。それを室温まで冷却して外径100mm×内径90mm×長さ300mmの透明なシリンダー状シリカガラスを得た。
上記透明シリンダー状シリカガラスについてその物性値を測定し、それを表1に示した。また、このシリンダー状シリカガラスについて波長230nm以下の光線の内部透過率をも調べた。その結果を図1に示す。
実施例2
実施例1において、チタニウムテトライソプロポキシドの2-プロハ゜ノール溶液と硝酸アルミニウム水溶液のかわりに、塩化チタンと塩化アルミニウムを用い、スート体をガラス炉心管内において、窒素中、700℃に加熱した後、取り出し、その後、ヘキサメチルジシラザンの代わりにトリクロロメチルシラン((CHCl)SiH)を用いた以外、実施例1と同様にして透明なシリンダー状シリカガラスを得た。得られた透明なシリンダー状シリカガラスについてその物性値を測定し、それを表1に示した。また、このシリカガラスについても波長230nm以下の光線の内部透過率を調べた。その結果を図1に示す。
実施例3
実施例1において、ヘキサメチルジシラザンによる還元処理を行なわず、水素を含む雰囲気中、800℃で加熱処理を行い、次いで、1300℃で焼成して緻密なシリカガラス体とした以外は、実施例1と同様にしてシリンダー状シリカガラスを得た。得られたシリンダー状シリカガラスについてその物性値を測定し、それを表1に示した。また、このシリカガラスについても波長230nm以下の光線の内部透過率を調べた。その結果を図1に示す。
比較例1
テトラクロロシランの火炎加水分解によって得た、外径100mm×内径60mm×長さ300mmの円筒状で密度が0.7g/cmの多孔質合成シリカガラス体(OH基約300ppm含有)約1kgを電気炉内に装着されたシリカガラス製の炉心管(直径200mm)内にセットした。次いで、炉心管内を排気した後、500℃に加熱し、この温度で60分間予熱した。その後、多孔質合成シリカガラス体を加熱炉内に移し、炉内温度を800℃に昇温し、Nガスを1mol/hr掛け流しながら、1時間保持した。炉内を1×10−3mmHg以下に減圧するとともに、1600℃に昇温し、1時間保持した。室温まで冷却し、緻密化され外径100mm×内径90mm×長さ300mmの透明なシリンダー状シリカガラスを得た。
シリンダー状シリカガラスについて物性値を測定し、それを表1に示した。また、このチュ−ブ状シリカガラスについて波長230nm以下の光線の内部透過率を調べた。その結果を図1に示す。
比較例2
テトラクロロシランの火炎加水分解によって得た、外径100mm×内径60mm×長さ300mmの円筒状で密度が0.7g/cmの多孔質合成シリカガラス体(OH基約300ppm含有)約1kgを、チタニウムテトライソプロポキシドの2-プロハ゜ノール溶液中に漬けた後、窒素中にて200℃に設置して、溶媒分を揮発させ処理を5回繰り返した後、硝酸アルミニウムの水溶液中に漬けて、窒素中にて200℃に設置して、水分を蒸発させた後、電気炉内に装着されたシリカガラス製の炉心管(直径200mm)内にセットし、次いで、炉心管内を排気した後、500℃に加熱し、この温度で60分間予熱した。この多孔質合成シリカガラス体を1300℃で焼成して緻密化なシリカガラス体とした。次いで、炉内を1×10−3mmHg以下に減圧するとともに、1600℃に昇温し、1時間保持した。それを室温まで冷却して外径100mm×内径90mm×長さ300mmの透明なシリンダー状シリカガラスを得た。
シリンダー状シリカガラスについて物性値を測定し、それを表1に示した。また、このチュ−ブ状シリカガラスについて波長230nm以下の光線の内部透過率を調べた。その結果を図1に示す。
(評価)
上記表1にみるように本発明のシリカガラスは黒色及び白色失透が低減し、ランプの出力の低下が少ない上に、波長230nm以下の光線の内部透過率も低く抑えられている。
本発明は、白色失透および黒色失透が起こり難くランプ寿命が長い上に、波長250nm以下の光線の内部透過率が低く、該光線による不都合がなく放電灯用シリカガラスとして有用である。
は放電灯用シリカガラスの紫外線透過率(2面鏡面)を示す曲線である。
符号の説明

Claims (7)

  1. 放電灯用合成シリカガラスであって、そのOH基濃度が5ppm以下、Ti濃度が1ppm〜500ppm、Al濃度が1ppm〜50ppm、Ti及びAl以外の金属不純物濃度の総和が55ppm以下、1100℃での粘度が1014〜1016ポアズで、かつ、250nmでの酸素欠損型欠陥量が吸収係数で0.01〜2/cmであることを特徴とする放電灯用合成シリカガラス。
  2. TiとAl以外の金属不純物濃度の総和が1ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の放電灯用合成シリカガラス。
  3. OH基濃度が1ppm以下、水素分子濃度が1×10 分子/cm 〜1×1016分子/cmであることを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯用合成シリカガラス。
  4. 波長230nm以下の光線の内部透過率が30%/cm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の放電灯用合成シリカガラス。
  5. 多孔質合成シリカガラス体にTi化合物とAl化合物を含有させた後、水素ドープ処理し、真空中又は不活性ガス中、1300〜2200℃で加熱成形することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の放電灯用合成シリカガラスの製造方法。
  6. 多孔質合成シリカガラス体に水素ドープ処理する前に還元性雰囲気中で加熱処理することを特徴とする請求項5記載の放電灯用合成シリカガラスの製造方法。
  7. 還元性雰囲気が揮発性有機珪素化合物を含有する雰囲気であることを特徴とする請求項5記載の放電灯用合成シリカガラスの製造方法。
JP2008331696A 2008-12-26 2008-12-26 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法 Active JP5171605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331696A JP5171605B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008331696A JP5171605B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010150096A JP2010150096A (ja) 2010-07-08
JP5171605B2 true JP5171605B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=42569613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008331696A Active JP5171605B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5171605B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2508491B1 (en) * 2011-04-05 2017-01-11 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG A synthetic silica glass, especially for the cladding of an optical fiber
WO2017103121A2 (de) 2015-12-18 2017-06-22 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Herstellung eines opaken quarzglaskörpers
US10730780B2 (en) 2015-12-18 2020-08-04 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Preparation of a quartz glass body in a multi-chamber oven
KR20180095879A (ko) 2015-12-18 2018-08-28 헤래우스 크바르츠글라스 게엠베하 & 컴파니 케이지 상승된 온도에서 탄소-도핑된 실리카 과립을 처리하여 실리카 과립의 알칼리 토금속 함량의 감소
TWI808933B (zh) 2015-12-18 2023-07-21 德商何瑞斯廓格拉斯公司 石英玻璃體、二氧化矽顆粒、光導、施照體、及成型體及其製備方法
JP2019502633A (ja) 2015-12-18 2019-01-31 ヘレウス クワルツグラス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 均質な石英ガラス製のガラス繊維および母材
US10618833B2 (en) 2015-12-18 2020-04-14 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Preparation of a synthetic quartz glass grain
TWI812586B (zh) 2015-12-18 2023-08-21 德商何瑞斯廓格拉斯公司 石英玻璃體、其製備方法與應用、及用於控制烘箱出口處之露點
TW201736291A (zh) 2015-12-18 2017-10-16 何瑞斯廓格拉斯公司 石英玻璃製備中矽含量之提升
JP6940236B2 (ja) 2015-12-18 2021-09-22 ヘレウス クワルツグラス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 溶融炉内での露点監視による石英ガラス体の調製
JP6981710B2 (ja) 2015-12-18 2021-12-17 ヘレウス クワルツグラス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー 二酸化ケイ素造粒体からの石英ガラス体の調製
JP7122997B2 (ja) * 2019-04-05 2022-08-22 信越石英株式会社 紫外線吸収性に優れたチタン含有石英ガラス及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2931735B2 (ja) * 1993-04-26 1999-08-09 信越石英株式会社 耐失透性放電灯用シリカガラス
JP4392204B2 (ja) * 2003-08-26 2009-12-24 東ソー株式会社 石英ガラス及びその製造方法
JP4929457B2 (ja) * 2006-07-28 2012-05-09 独立行政法人国立高等専門学校機構 シリカガラス材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010150096A (ja) 2010-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5171605B2 (ja) 放電灯用合成シリカガラス及びその製造方法
JP5706623B2 (ja) 合成シリカガラス及びその製造方法
JP5366303B2 (ja) 放電灯用合成シリカガラス、それで作成した放電灯ランプ及び該放電灯ランプを備えた放電灯装置、並びに前記放電灯用合成シリカガラスの製造方法
KR20010072355A (ko) 합성석영유리와 그의 제조방법
JPH07215731A (ja) 紫外線ランプ用高純度シリカガラスおよびその製造方法
US20070272685A1 (en) Quartz Glass Component For A Uv Radiation Source And Method For Producing And Testing The Aptitude Of Such A Quartz Glass Component
JP2005067913A (ja) 合成石英ガラス及びその製造方法
JP2005170706A (ja) 紫外線吸収合成石英ガラス及びその製造方法
JP2008030988A (ja) シリカガラス材料
JP2931735B2 (ja) 耐失透性放電灯用シリカガラス
JP4946960B2 (ja) 合成石英ガラスおよびその製造方法
JP5270862B2 (ja) 銅含有シリカガラス及びその製造方法、並びにそれを用いたキセノンフラッシュランプ
JP5252730B2 (ja) 放電灯用合成シリカガラス製バルブ及びその製造方法
JP2005310455A (ja) 紫外線ランプ
JP4392204B2 (ja) 石英ガラス及びその製造方法
JP2933298B2 (ja) 耐失透性ランプ用シリカガラス
JP5365826B2 (ja) 放電ランプ
JP4475171B2 (ja) フラッシュランプ
JP2003201125A (ja) 合成石英ガラスおよびその製造方法
JP2000026125A (ja) 透明石英ガラスとその製造方法
JP4294533B2 (ja) エキシマランプ用ガラス、エキシマランプ用放電容器及びエキシマランプ
JPH07267674A (ja) 短波長紫外線ランプ用高純度シリカガラス
JP5181729B2 (ja) 放電ランプおよび光放射装置
JPH06287022A (ja) 光学用合成石英ガラス
TW200532741A (en) Excimer lamp

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5171605

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250