JP5170114B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の透明な平行平板の積層および切断を繰り返すことによって、複数の透明媒質の貼り合わせからなる光学素子を製造する光学素子の製造方法に関するものである。
従来から、光ピックアップに用いられるプリズムの製法として、例えば特許文献1に開示された製法がある。この製法について、本発明の製法における製造工程を示す図2(a)〜図2(e)を援用して簡単に説明すると、まず、図2(a)に示すように、ビームスプリット用光学薄膜を施した複数の平行平板11を、光学用接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤)を用いて階段状に積層し、積層体1を形成する。そして、積層体1を45度の角度で切断する。これにより、図2(b)に示すように、複数の積層分割体12が形成される。
続いて、図2(c)に示すように、複数の積層分割体12を再度上方に積み上げて仮接合または補助板等で固定し、これらを垂直方向に切断する。そして、仮接合部を遊離することにより、図2(d)に示すように、2つの透明媒質の貼り合わせからなる複数の棒状体13が形成される。最後に、図2(e)に示すように、各棒状体13を長尺方向に垂直な面で切断することにより、個々のキューブ型のプリズム14を得る。なお、仮接合部の遊離は、他の段階(例えば図2(e)での切断の後)に行われてもよい。
この製法によれば、比較的安価な板状の硝材(平行平板11)を使用することができることに加えて、一連の加工工程で多量のプリズム14を得ることができる。つまり、低いコストでプリズム14を大量生産することができる。
特開2000−143264号公報
ところで、各平行平板11の厚さには、通常、ばらつきがあるが、特許文献1の製法では、図2(a)の工程にて、厚さのばらつきを何ら考慮せずに各平行平板11を積層している。また、図2(c)の工程では、複数の積層分割体12を積み上げたものを例えばワイヤーソーで切断することになるが、ワイヤーソーのワイヤーのピッチは一定であり、容易には変更、調整することができない。このため、図2(a)の複数の平行平板11を積層する時点で各平行平板11の厚さに偏りがあると、図2(c)の工程での切断時に、2つの透明媒質(平行平板11・11)の接合面21の位置が、ワイヤーソーの両端でずれる。
例えば、各平行平板11が厚さの薄いものに偏っていると、最右端の切断位置にワイヤーを合わせて積層分割体12を所定ピッチで切断した場合には、図23(b)に示す最右端のプリズム14と図23(a)に示す最左端のプリズム14とで、各接合面21の位置は図23(a)と図23(b)に示すようにずれる。逆に、各平行平板11が厚さの厚いものに偏っていると、最右端の切断位置にワイヤーを合わせて積層分割体12を所定ピッチで切断した場合には、図23(d)に示す最右端のプリズム14と図23(c)に示す最左端のプリズム14とで、各接合面21の位置は図23(c)と図23(d)に示すようにずれる。その結果、プリズム14を光ピックアップに適用した場合に、図24に示すように、プリズム14によっては、プリズム14の入射面中心に入射した光が接合面21に形成された光学薄膜で反射して出射される際に、出射光の位置が出射面中心からシフトするビームシフトが起こる。
つまり、上述した特許文献1の製法では、厚さのばらつきを考慮せずに各平行平板11を積層して切断するため、厚さの厚いものばかり、または薄いものばかりに厚さが偏って各平行平板11が積層され、切断される可能性がある。その場合、最終的に得られる各プリズム14において接合面の位置ズレが生じ、各プリズム14においてビームシフト精度を確保することが困難になる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、厚さにばらつきのある各平行平板の積層の仕方を工夫することにより、最終的に得られる光学素子の接合面の位置ズレを抑えて、各光学素子におけるビームシフト精度を容易に確保することができる光学素子の製造方法を提供することにある。
本発明の光学素子の製造方法は、mを2以上の自然数、nをm未満の自然数とすると、m枚の透明媒質からなる平行平板を接着剤を介して積層することにより、積層体を形成する第1の工程と、所定の傾斜角度で、かつ、所定のピッチで積層体を切断することにより、複数の積層分割体を形成する第2の工程と、複数の前記積層分割体を積み上げて前記第2の工程での切断面に垂直で、かつ前記平行平板が積層されている方向に所定のピッチで切断することにより、透明媒質の貼り合わせからなる複数の光学素子を形成する第3の工程とを有する光学素子の製造方法であって、前記第3の工程では、前記第3の工程におけるいずれかの切断面が前記平行平板の境界である接合面に対して所定の位置関係を満たすように決められた切断基準位置を基準に、複数の接合面を含む所定のピッチで前記積層分割体を切断し、複数の前記平行平板を前記平行平板の厚さと厚さの基準値との差に応じて複数のランクに区分けする前工程の後、前記第1の工程では、nが採り得るどの値をとっても、前記第3の工程での積層分割体の切断面に対して垂直な方向における、前記切断基準位置から前記複数の接合面を含んだ状態の平行平板としてn枚分の長さと、前記切断基準位置からn番目の切断位置までの距離との差が所定範囲内に収まるように、厚さが前記基準値以上または前記基準値よりも大きいランクに属する前記平行平板と厚さが前記基準値未満または前記基準値以下のランクに属する前記平行平板とを選択して積層することを特徴としている。
本発明の光学素子の製造方法において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板が属するランクと、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板が属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、上記第1の工程では、積層される各平行平板に対応する整数値の累積値が、どの平行平板までの累積値をとっても所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板を選択して積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板が属するランクと、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板が属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、上記第1の工程では、連続して積層される所定枚数の平行平板が属する各ランクに対応する整数値の平均値が、連続して積層される所定枚数の平行平板の異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板を選択して積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板が属する複数のランクの中で、許容される平行平板の厚さの最小値が最も小さいランクは、第1の整数値(例えば1)に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する平行平板の厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値(例えば2、3、・・・)に対応付けられており、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板が属する複数のランクの中で、許容される平行平板の厚さの最小値が最も大きいランクは、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値(例えば−1)に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する平行平板の厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値(例えば−2、−3、・・・)に対応付けられていてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値から所定範囲内に収まる平行平板が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板が属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板が属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、上記第1の工程では、積層される各平行平板に対応する整数値の累積値が、どの平行平板までの累積値をとっても所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板を選択して積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値から所定範囲内に収まる平行平板が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板が属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板が属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、上記第1の工程では、連続して積層される所定枚数の平行平板が属する各ランクに対応する整数値の平均値が、連続して積層される所定枚数の平行平板の異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板を選択して積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、整数値0のランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板が属する複数のランクの中で、許容される平行平板の厚さの最小値が最も小さいランクは、第1の整数値(例えば1)に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する平行平板の厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値(例えば2、3、・・・)に対応付けられており、整数値0のランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも小さい平行平板が属する複数のランクの中で、許容される平行平板の厚さの最小値が最も大きいランクは、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値(例えば−1)に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する平行平板の厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値(例えば−2、−3、・・・)に対応付けられていてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、上記第1の工程では、整数値の符号が異なるランクに属する平行平板を交互に積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、上記第1の工程では、整数値の絶対値が同じランクに属する平行平板を交互に積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記第1の工程で積層する平行平板の枚数が偶数である場合、上記第1の工程では、整数値の符号が正のランクに属する平行平板と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板とを同じ枚数ずつ積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記第1の工程で積層する平行平板の枚数が奇数である場合、上記第1の工程では、整数値の符号が正のランクに属する平行平板と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板とを同じ枚数ずつ積層するとともに、整数値が0のランクに属する平行平板を奇数枚積層するようにしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法において、上記第3の工程にて複数の積層分割体を所定のピッチで切断する際の切断基準位置は、各積層分割体における切断ピッチをとる方向の中央または略中央の位置であることが望ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、各平行平板の表面に光学薄膜を形成する第4の工程をさらに有していてもよい。ただし、上記第4の工程は、上記第1の工程の前に行われる。
本発明の光学素子の製造方法は、各積層分割体において、第2の工程での切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨する第5の工程をさらに有していてもよい。ただし、上記第5の工程は、上記第3の工程の前に行われる。
本発明の光学素子の製造方法において、上記第3の工程では、複数の積層分割体を積み上げて所定のピッチで切断した後、その切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨するようにしてもよい。
本発明によれば、第1の工程では、前記第3の工程での各切断面に対する前記接合面の位置ズレが、いずれの切断位置においても所定範囲内(例えば接合面の位置ズレ規格内)に収まるように、厚さが基準値以上または基準値よりも大きいランクに属する平行平板と、厚さが基準値未満または基準値以下のランクに属する平行平板を複数のランクに区分けされた平行平板の中から選択して積層する。このような積層の仕方としては、例えば、前者の平行平板と後者の平行平板とを交互に積層したり、あるいは前者の平行平板を連続して所定枚数積層し、その上に後者の平行平板を所定枚数積層する、などがある。
このように大きく分けて2種類の平行平板を複数ランクの中から選択して積層することにより、第3の工程では、各積層分割体の切断すべき部位を、所定ピッチの各切断位置のそれぞれに近づけた状態で、各積層分割体を切断することができる。その結果、所定ピッチで切断されて得られる光学素子ごとに、接合面の位置ズレを抑えることが可能となる。
このとき、本発明の製法によって製造された光学素子を例えば光ピックアップに適用する場合には、一方の透明媒質の接合面に光学薄膜(例えば偏光分離膜)が形成されるが、接合面の位置精度は、光学素子に入射して光学薄膜で反射された光がその進行方向(光軸方向)に対して垂直方向にシフトするビームシフトの精度に直接影響を与える。したがって、接合面の位置ズレを抑えることができる上述した本発明の製法によれば、得られる光学素子ごとにビームシフト精度を容易に確保できることになる。
本発明の実施の一形態に係る光学素子の製造方法における各工程の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、上記製造方法における製造工程を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けの一例を示す説明図である。 2つの透明媒質の接合面の位置とワイヤーによる切断位置との関係を示す説明図である。 実施例1のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例2のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例3のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例4のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例5のシミュレーション結果を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けの他の例を示す説明図である。 実施例6のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例7のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例8のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例9のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例10のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例11のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例12のシミュレーション結果を示す説明図である。 実施例13のシミュレーション結果を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けのさらに他の例を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けのさらに他の例を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けのさらに他の例を示す説明図である。 複数の平行平板のランク分けおよび各ランクへの整数値の対応付けのさらに他の例を示す説明図である。 (a)、(b)および(c)、(d)は、プリズムにおける接合面の位置ズレの例をそれぞれ示す説明図である。 接合面の位置ズレによりビームシフトが起こる様子を模式的に示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1.製造方法の流れ)
まず、本発明の光学素子の製造方法の大まかな流れについて、図1および図2(a)〜図2(e)に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示す、透明媒質(例えばガラス)からなる平行平板11の表面に、光学薄膜を形成する(S1:薄膜形成工程、第4の工程)。この光学薄膜は、例えば入射光をその偏光状態に応じて透過または反射させる偏光分離膜とすることができる。次に、透光性を有する第1の接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤)を介して、複数の平行平板11を階段状に積層し、積層体1を形成する(S2:積層工程、第1の工程)。なお、S2の積層工程の詳細については後述する。
次に、この積層体1を、平行平板11における光学薄膜を形成した面または接着剤を塗布した面に対して所定の傾斜角度(例えば45度)で、かつ、所定のピッチで切断することにより、図2(b)に示す複数の積層分割体12を形成する(S3:切断工程、第2の工程)。そして、各積層分割体12において、S3での切断時に切断面となった面の少なくとも1つ(表裏面の少なくとも一方)を研磨する(S4:研磨工程、第5の工程)。
続いて、図2(c)に示すように、複数の積層分割体12を再度上方に積み上げ(S5:積層工程、第3の工程)、これらを所定のピッチで垂直方向に切断する(S6:切断工程、第3の工程)。なお、S5では、複数の積層分割体12を第2の接着剤で仮接合するか、補助板等に固定しておく。また、S6での切断ピッチは、最終的に得られる光学素子1個につき、透明媒質の貼り合わせ部分(接合面21)が1つとなるような切断ピッチであってもよいし、複数となるような切断ピッチであってもよい。その後、S6での切断時に切断面となった面の少なくとも1つ(表裏面の少なくとも一方)を研磨する(S7:研磨工程、第3の工程)。
次に、仮接合部を遊離し(第2の接着剤の溶解や補助板等による固定の解除を行い)、図2(d)に示すように、透明媒質の貼り合わせからなる複数の棒状体13を形成する(S8:仮接合部遊離工程、第3の工程)。なお、仮接合部の遊離は、次のS9の後に行ってもよい。そして、最後に、図2(e)に示すように、各棒状体13を長尺方向に垂直な面で所定のピッチで切断することにより、複数の透明媒質の貼り合わせからなる複数の光学素子としてのキューブ型のプリズム14を得る(S9:切断工程、第3の工程)。
以上の製法によれば、積層、切断、研磨等の各工程を繰り返す一連の加工工程で多量のプリズム14を得ることができる。また、S2の積層工程の前に、各平行平板11の表面に光学薄膜を形成しておくことにより、上述した各工程を経て最終的に得られる光学素子として、上記光学薄膜の光学性能を持つプリズム14を得ることができる。特に、上記光学薄膜を偏光分離膜とすることにより、最終的に得られるプリズム14を、光ピックアップの偏光分離素子として用いることが可能となる。なお、上記の光学薄膜は、入射光をその波長に応じて選択的に透過または反射させる薄膜であってもよく、また、透過光量と反射光量との比が1対1となるような光学薄膜であってもよい。
また、S4の研磨工程では、各積層分割体12において、第3の切断工程での切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨している。同様に、S7の研磨工程においても、複数の積層分割体12を積み上げて所定のピッチで切断した後、その切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨している。なお、切断面であっても光学素子における光学面として使用されない面については、研磨することを必ずしも要しない。
(2.S2の詳細について)
次に、上述したS2の積層工程の詳細について説明する。なお、ここでは、mを2以上の自然数、nをm以下の自然数とし、S2ではm枚の平行平板を積層して積層体1を形成するものとする。
S2では、nが所定区間内でどの値をとっても、S6での積層分割体12の切断面に対して垂直な方向における、切断基準位置からの平行平板11のn枚分の長さと、上記切断基準位置からn番目の切断位置までの距離との差が所定範囲内に収まるように、厚さと基準値との差に応じて区分けされた複数のランクの中から、厚さが基準値以上の平行平板11と、厚さが基準値未満の平行平板11とを選択して積層する。このような積層の仕方の具体例を、具体例1および2として以下に説明する。
なお、以下での説明の便宜上、厚さが基準値以上の平行平板11を平行平板11aとも称し、厚さが基準値未満の平行平板11を平行平板11bとも称する。なお、この定義では、厚さが基準値に等しい平行平板11は、平行平板11aとなるが、平行平板11bに入れてもよい。つまり、厚さが基準値よりも大きい平行平板11を平行平板11aとし、厚さが基準値以下の平行平板11を平行平板11bとしてもよい。
(2−1.具体例1)
まず、具体例1では、厚さと基準値との差に応じて平行平板11を区分けする際の区分数(ランクの数)を4つとし、この4つのランクの中から平行平板11a・11bを選択して積層する場合について説明する。
なお、具体例1では、図3に示すように、外形サイズが4mm角の完成品(プリズム14)を製造する場合に、用いる平行平板11の厚さの基準値を2.828mmとし、この基準値を境界にして各平行平板11を4つのランクに区分けした。また、各ランクの寸法区分(各ランクが許容する平行平板11の厚さの最大値と最小値との差)を0.01mmとし、要求される接合面21の位置ズレ規格(精度)を0.05mmとした。なお、接合面21の位置ズレ規格は、光ピックアップにおけるビームシフト精度(プリズム14の入射面中心に入射した光が接合面21に形成された光学薄膜で反射して出射される際に、出射光の位置が出射面中心からどれだけシフトしているかを示す値(絶対値))に対応している。
したがって、具体例1では、複数の平行平板11は、各厚さに応じて、厚さと基準値との差が−0.02以上−0.01未満、−0.01以上0.00未満、0.00以上+0.01未満、+0.01以上+0.02未満、の4つのランクのいずれかに区分けされていることになる。なお、各ランクにおける厚さと基準値との差の最小値をとる平行平板11は、1つ下のランクに入れてもよい。つまり、複数の平行平板11は、各厚さに応じて、厚さと基準値との差が−0.02よりも大きく−0.01以下、−0.01よりも大きく0.00以下、0.00よりも大きく+0.01以下、+0.01よりも大きく+0.02以下、の4つのランクのいずれかに区分けされていてもよい。なお、上記した厚さと基準値との差を示す数値の単位は、全てmmである。このことは以下でも同様である。
また、具体例1では、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、2、1、−1、−2という整数値が対応付けられている。つまり、各ランクには、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、単調に減少する整数値であって、平行平板11aと平行平板11bとで互いに逆符号となる整数値が対応付けられている。
なお、具体例1では、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、−2、−1、1、2という整数値が対応付けられていてもよい。つまり、各ランクには、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、単調に増加する整数値であって、平行平板11aと平行平板11bとで互いに逆符号となる整数値が対応付けられていてもよい。
以下、具体例1の実施例を、実施例1〜5として以下に説明する。実施例1〜5(実施例2を除く)では、各ランクから合計で11枚の平行平板11を選択して積層した場合の接合面21の位置ズレをシミュレーションによって評価した。なお、実施例2では、積層する平行平板11の枚数を10枚として同様にシミュレーションを行った。
なお、図4に示すように、各ランクから選択した平行平板11の厚さをt1、t2、・・・とすると、本実施形態では、積層体1を45度の角度で切断して複数の積層分割体12を形成し、それを積み上げたものを今度は垂直に切断しているので、積層分割体12の切断面に対して垂直方向における各光学素子の長さは、T1=√2・t1、T2=√2・t2、・・・となる。よって、ワイヤー間距離(ワイヤーのピッチ)をLとすると、ワイヤーの切断位置ごとに、差分D1=T1−L、差分D2=(T1+T2)−2L、・・・を計算することにより、光学素子の接合面21の位置ズレを評価することができる。
なお、ここでは、計算を簡単にするために、例えば、第1の接着剤の厚さ、ワイヤーの厚さ(太さ)、ワイヤーによる切断しろ、研磨しろについては、考慮しないものとした。その代わり、上記差分D1、D2、・・・の絶対値が接合面21の位置ズレ規格(0.05mm)の80%以内(絶対値で0.04mm以内)に収まっていれば問題ないものとして評価した。
図5〜図9は、それぞれ実施例1〜5のシミュレーション結果を示している。なお、図中の整数値累積ΣAは、各平行平板11が属するランクに対応する整数値Aの切断基準位置(ワイヤー入れ基準位置)からの累積値を示す。また、移動平均は、連続して積層される所定枚数(ここでは例として自身とその前後の3枚)の平行平板11が属する各ランクに対応する整数値Aの平均値を指す。また、平行平板11の厚さを示す板厚tは、そのランクの中で全くのランダムな値となるように、ランダム関数を用いて得られた値とした。
また、図中の長さTは、S6での積層分割体12の切断面に対して垂直な方向における、切断基準位置からの各平行平板11の長さ(上記のT1、T2、・・・)を示し、積算ΣTは、切断基準位置からの平行平板11のn枚分の長さ(積算値)を示す。また、積算ワイヤー距離ΣLは、切断基準位置からn番目の切断位置までの距離(n・L)を示す。なお、実施例1〜5では、切断基準位置は、ワイヤーを入れる複数の切断位置の中で最も端の位置としている。また、差分Dは、各切断位置における積算ΣTと積算ΣLとの差を示すが、ABS−MAXは、差分Dの最大値(D−MAX)と差分Dの最小値(D−MIN)とのうちで絶対値の大きいほうの値を指す。
実施例1では、図5に示すように、整数値が「−1」と「1」とで交互となるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例1では、ABS−MAXは0.011(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標を余裕を持ってクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、100%に近い確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例1のような平行平板11の積層の仕方は、実際には(各積層分割体12をワイヤーで切断して最終的に1個の光学素子を得た場合には)、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例2では、図6に示すように、整数値が「−2」と「2」とで交互となるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例2では、ABS−MAXは0.022(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、93%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例2のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が高いと言える。
実施例3では、図7に示すように、整数値「−1」が5つ連続し、続けて整数値「1」が6つ連続するように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例3では、ABS−MAXは0.026(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標クリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、91%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例3のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が高いと言える。
実施例4では、図8に示すように、整数値「2」、「−1」、「−1」が交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例4では、ABS−MAXは0.019(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標を余裕を持ってクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、89%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例4のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が高いと言える。
実施例5では、図9に示すように、整数値「−1」、「2」、「−2」、「1」が交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例5では、ABS−MAXは0.029(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、90%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例5のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が高いと言える。
(2−2.具体例2)
具体例2では、厚さと基準値との差に応じて平行平板11を区分けする際の区分数(ランクの数)を5つとし、この5つのランクの中から平行平板11a・11bを選択して積層する場合について説明する。
なお、具体例2では、図10に示すように、外形サイズが4mm角の完成品を製造する場合に、用いる平行平板11の厚さの基準値を2.828mmとし、この基準値が中心値となるランクが存在するように各平行平板11を5つのランクに区分けした。また、各ランクの寸法区分を0.008mmとし、要求される接合面21の位置ズレ規格(精度)を0.05mmとした。
したがって、具体例2では、複数の平行平板11は、各厚さに応じて、厚さと基準値との差が−0.02以上−0.012未満、−0.012以上−0.004未満、−0.004以上+0.004未満、+0.004以上+0.012未満、+0.012以上+0.02未満、の5つのランクのいずれかに区分けされていることになる。なお、各ランクにおける厚さと基準値との差の最小値をとる平行平板11は、1つ下のランクに入れてもよい。つまり、複数の平行平板11は、各厚さに応じて、厚さと基準値との差が−0.02よりも大きく−0.012以下、−0.012よりも大きく−0.004以下、−0.004よりも大きく+0.004以下、+0.004よりも大きく+0.012以下、+0.012よりも大きく+0.02以下、の5つのランクのいずれかに区分けされていてもよい。
また、具体例2では、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、2、1、0、−1、−2という整数値が対応付けられている。つまり、各ランクには、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、単調に減少する整数値が対応付けられている。しかも、上記整数値は、厚さが基準値から所定範囲内(ここでは±0.004以内)に収まる平行平板11が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている。
なお、具体例2では、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、−2、−1、0、1、2という整数値が対応付けられていてもよい。つまり、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最小値(または最大値)の大きいほうから順に、単調に増加する整数値が対応付けられていてもよい。ただし、上記整数値は、厚さが基準値から所定範囲内に収まる平行平板11が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号の整数値である。
以下、具体例2の実施例を、実施例6〜13として以下に説明する。実施例6〜13(実施例8を除く)では、各ランクから合計で11枚の平行平板11を選択して積層し、接合面21の位置ズレをシミュレーションによって評価した。なお、実施例8では、積層する平行平板11の枚数を10枚として同様にシミュレーションを行った。図11〜図18は、それぞれ実施例6〜13のシミュレーション結果を示している。
実施例6では、図11に示すように、整数値が「0」が連続するように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。ただし、この場合でも(同じランクに属する平行平板11が選択されていても)、結果として、厚さが基準値(2.828mm)以上の平行平板11aとそれよりも小さい平行平板11bとが選択されている点は、他の実施例と同じである。実施例6では、ABS−MAXは0.017(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標を余裕を持ってクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、100%に近い確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例6のような平行平板11の積層の仕方は、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例7では、図12に示すように、整数値が「−1」と「1」とで交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例7では、ABS−MAXは0.026(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、99%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例7のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例8では、図13に示すように、整数値が「−2」と「2」とで交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例8では、ABS−MAXは0.034(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、95%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例8のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例9では、図14に示すように、整数値「2」、「−1」、「−1」が交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例9では、ABS−MAXは0.022(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、99%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例9のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例10では、図15に示すように、整数値「−1」、「2」、「−2」、「1」が交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例10では、ABS−MAXは0.021(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、98%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例10のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例11では、図16に示すように、整数値「−2」、「2」、「−1」、「1」が交互になるように、対応するランクに属する平行平板11を積層し、かつ、最も外側に整数値「0」に対応するランクに属する平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例11では、ABS−MAXは0.029(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、88%の確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例11のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が高いと言える。
実施例12では、図17に示すように、整数値「−1」、「1」、「−1」、「1」、「−1」のランクの平行平板11が整数値「0」のランクの平行平板11に対して対称となって積層されるように、各平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例12では、ABS−MAXは0.014(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、100%に近い確率で、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%以内に収まる結果が得られた。したがって、実施例11のような平行平板11の積層の仕方についても、実際には、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果が極めて高いと言える。
実施例13では、図18に示すように、整数値「2」、「−2」、「2」、「−1」、「−1」のランクの平行平板11が整数値「0」のランクの平行平板11に対して対称となって積層されるように、各平行平板11を積層した場合のABS−MAXをシミュレーションで求めた。実施例13では、ABS−MAXは0.031(mm)であり、接合面21の位置ズレ規格の80%以内の目標をクリアしている。なお、平行平板11の厚さtのランダム値を変えて同様のシミュレーションを行ったところ、ABS−MAXが接合面21の位置ズレ規格の80%を越える場合が、上記した各実施例に比べると多いことがわかった。しかし、実施例13のような積層の仕方でも、平行平板11の板厚tを適切に選択することによって、各光学素子ごとに接合面21の位置ズレを規格内に抑える効果はあると言える。
なお、以上では、複数の平行平板11のその厚さに応じた区分け(ランク分け)や、各ランクへの整数値の対応付けがS2の積層工程の時点で既に行われているものとして説明したが、これらの区分けや対応付けが行われていない場合には、そのような区分け工程や対応付け工程をS2(積層工程)の前またはS1(薄膜形成工程)の前に行うようにしてもよい。
(3.効果)
上述した具体例1・2の積層方法では、積算ΣT(平行平板11のn枚分の長さ)と積算ワイヤー距離ΣL(切断基準位置からn番目の切断位置までの距離)との差分Dが、nがどの値をとっても所定範囲内に収まるように、複数のランクの中から平行平板11a・11bを選択して積層している。つまり、11枚の平行平板11を積層する場合はnが1〜10の中でどの値をとっても、10枚の平行平板11を積層する場合はnが1〜9の中でどの値をとっても、接合面21の位置ズレ規格である0.05mm以内に差分Dが収まるように、平行平板11a・11bを選択して積層している。なお、11枚の平行平板11を積層する場合は、nが採り得る値の範囲を2〜9とし、両端の光学素子を廃棄するようにしてもよい。また、11枚の平行平板11を積層する場合であって、S6での切断基準位置を、後述するように切断ピッチをとる方向の真ん中に位置させる場合は、nの採り得る値の範囲は、1〜5であってもよい。
このような積層方法により、S6の切断工程では、各積層分割体12の切断すべき部位を、所定ピッチの各切断位置のそれぞれに近づけた状態で、各積層分割体12を切断することができる。したがって、所定ピッチで切断されて得られる光学素子ごとに、接合面21の位置ズレを抑えることが可能となる。その結果、本発明の製法によって製造された光学素子を光ピックアップに適用した場合に、得られる光学素子ごとにビームシフト精度を容易に確保することができる。
特に、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板11aと、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板11bとを複数のランクの中から選択して積層するので、これらの平行平板11a・11bの積層によって、接合面21の位置ズレのプラス方向またはマイナス方向の増大を確実に減少させることが可能となり、接合面21の位置ズレを抑える上記の効果を確実なものとすることができる。
また、本発明によれば、各平行平板11の厚さのばらつきを利用して接合面21の位置ズレを抑えることができるので、調達する平行平板11の単品の公差を広げて、光学素子の製造コストを低減することも可能となる。
また、上述した具体例1において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値Aが対応付けられており、かつ、整数値Aが、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、積層される各平行平板11に対応する整数値Aのnが採り得る値の範囲(例えば1〜10)における累積値(整数値累積ΣA)が、どの平行平板11までの累積値をとっても所定範囲内(例えば−5以上5以下の範囲内)に収まるように、各ランクから平行平板11を選択して積層している。なお、上記の所定範囲は、例えば、要求される接合面21の位置ズレ規格や、各ランクの幅(寸法区分)などに応じて適宜設定されればよい。
また、上述した具体例2において、各ランクには、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値Aが対応付けられており、かつ、整数値Aが、厚さが基準値から所定範囲内に収まる平行平板11が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、積層される各平行平板11に対応する整数値Aのnが採り得る値の範囲(例えば1〜10)における累積値(整数値累積ΣA)が、どの平行平板11までの累積値をとっても所定範囲内(例えば−2以上2以下の範囲内)に収まるように、各ランクから平行平板11を選択して積層している。
このような具体例1または2の積層方法を採用することにより、S6の切断工程では、各積層分割体12の切断すべき部位を、所定ピッチの各切断位置のそれぞれに確実に近づけた状態で、各積層分割体12を切断することができる。その結果、所定ピッチで切断されて得られる光学素子ごとに、接合面21の位置ズレを確実に抑えることができ、得られる光学素子ごとにビームシフト精度を容易にかつ確実に確保することができる。
また、上述した具体例1においては、整数値Aの移動平均が所定範囲内(例えば−1以上1以下の範囲内)で推移していることから、具体例1の積層方法は、以下のように表現することもできる。すなわち、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値Aが対応付けられており、かつ、整数値Aが、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値未満または基準値以下の平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、S2の積層工程では、連続して積層される所定枚数(例えば3枚)の平行平板11が属する各ランクに対応する整数値Aの平均値が、連続して積層される所定枚数の平行平板11のnが採り得る値の範囲(例えば1〜10)での異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板11を選択して積層する。
また、上述した具体例2においては、整数値Aの移動平均が所定範囲内(例えば−1以上1以下の範囲内)で推移していることから、具体例2の積層方法は、以下のように表現することもできる。すなわち、各ランクに、各ランクが許容する平行平板11の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値Aが対応付けられており、かつ、整数値Aが、厚さが基準値から所定範囲内に収まる平行平板11が属するランクについては0であり、このランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板11aが属するランクと、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、S2の積層工程では、連続して積層される所定枚数(例えば3枚)の平行平板11が属する各ランクに対応する整数値Aの平均値が、連続して積層される所定枚数の平行平板11のnが採り得る値の範囲(例えば1〜10)での異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、各ランクから平行平板11を選択して積層する。
このような具体例1または2の積層の仕方であっても、各積層分割体12の切断すべき部位を、所定ピッチの各切断位置のそれぞれに確実に近づけた状態で、各積層分割体12を切断することができると言えるので、接合面21の位置ズレを確実に抑えて、ビームシフト精度を容易にかつ確実に確保することができると言える。
また、具体例1では、厚さが基準値以上の平行平板11aが属する2つランクの中で、許容される平行平板11aの厚さの最小値が最も小さいランク(厚さと基準値との差が0.00以上+0.01未満のランク)は、第1の整数値(例えば1)に対応付けられている。そして、他のランク(厚さと基準値との差が+0.01以上+0.02未満のランク)は、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値(例えば1)だけ増大した整数値(例えば2)に対応付けられている。なお、区分数が4以上で上記他のランクが複数存在する場合には、他のランクは、各ランクが許容する平行平板11aの厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていればよい。
同様に、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属する2つのランクの中で、許容される平行平板11bの厚さの最小値が最も大きいランク(厚さと基準値との差が−0.01以上+0.00未満のランク)は、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値(例えば−1)に対応付けられている。そして、他のランク(厚さと基準値との差が−0.02以上−0.01未満のランク)は、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値(例えば1)だけ増大した整数値(例えば−2)に対応付けられている。なお、区分数が4以上で上記他のランクが複数存在する場合には、他のランクは、各ランクが許容する平行平板11bの厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていればよい。
また、具体例2では、整数値0のランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも大きい平行平板11aが属する複数のランクの中で、許容される平行平板11aの厚さの最小値が最も小さいランク(厚さと基準値との差が+0.004以上+0.012未満のランク)は、第1の整数値(例えば1)に対応付けられており、他のランク(厚さと基準値との差が+0.012以上+0.02未満のランク)は、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値(例えば1)だけ増大した整数値(例えば2)に対応付けられている。なお、区分数が5以上で上記他のランクが複数存在する場合には、他のランクは、各ランクが許容する平行平板11aの厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていればよい。
同様に、整数値0のランクよりも外側のランクであって、厚さが基準値よりも小さい平行平板11bが属する複数のランクの中で、許容される平行平板11bの厚さの最小値が最も大きいランク(厚さと基準値との差が−0.012以上−0.004未満のランク)は、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値(例えば−1)に対応付けられており、他のランク(厚さと基準値との差が−0.02以上−0.012未満のランク)は、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値(例えば1)だけ増大した整数値(例えば−2)に対応付けられている。なお、区分数が5以上で上記他のランクが複数存在する場合には、他のランクは、各ランクが許容する平行平板11bの厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていればよい。
このように各ランクに整数値が対応付けられていることにより、平行平板11a・11bの積層状態を、整数値が並ぶ順序、整数値の符号および絶対値を見るだけで容易に把握することが可能となる。また、上記のような整数値の対応付けにより、整数値累積ΣAや整数値の移動平均に基づく上述した接合面21の位置ズレ評価を容易に行うことが可能となる。
また、具体例1では、平行平板11aが属するランクが正の整数値に対応付けられており、平行平板11bが属するランクが負の整数値に対応付けられているので、正負の整数値があるかどうかで、平行平板11a・11bの両者を用いて積層しているかどうかを即座にかつ容易に判断することができる。一方、具体例2では、例えば奇数枚の平行平板11を用いて光学素子を得る場合に、奇数枚のうちの1枚を整数値0のランクに属する平行平板11とすることで、整数値が正のランクに属する平行平板11の枚数と、整数値が負のランクに属する平行平板11の枚数とを揃えて、接合面21の位置ズレをバランスよく抑えることができる。
また、実施例1、2、5、7、8、10では、整数値の符号が異なるランクに属する平行平板11を交互に積層している。このような積層の仕方は、接合面21の位置ズレをキャンセルする方向に働くので、最終的に得られる光学素子ごとに、接合面21の位置ズレを確実に抑えることができる。特に、実施例1、2、7、8のように、整数値の絶対値が同じランクに属する平行平板11を交互に積層することにより、その効果を確実に得ることができる。
また、実施例2、8では、平行平板11を積層する枚数を10枚の偶数枚とし、整数値の符号が正のランクに属する平行平板11と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板11とを同じ枚数ずつ積層している。これにより、積層する平行平板11の枚数が偶数枚のときは、接合面21の位置ズレの平均を極力小さい値にすることができる。また、例えば、整数値の符号が正のランクに属する平行平板11と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板11とを交互に積層すれば、最終的に得られる光学素子ごとに接合面21の位置ズレをバランスよく抑えることが可能となる。
また、実施例11、12では、平行平板11を積層する枚数を11枚の奇数枚とし、整数値の符号が正のランクに属する平行平板と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板とを同じ枚数ずつ積層するとともに、整数値が0のランクに属する平行平板を1枚積層している。これにより、積層する平行平板11の枚数が奇数枚のときは、接合面21の位置ズレの平均を極力小さい値にすることができる。また、奇数枚のうちの1枚を整数値が0のランクに属する平行平板11とすることで、整数値の符号が正のランクに属する平行平板11の枚数と、整数値の符号が負のランクに属する平行平板11の枚数とを揃えることができ、例えばこれらを交互に積層することで、接合面21の位置ズレをバランスよく抑えることが可能となる。なお、平行平板11を積層する枚数が奇数枚のとき、整数値が0のランクに属する平行平板11の枚数は1枚には限定されず、3枚以上の奇数枚であってもよい。
(4.切断基準位置の他の例について)
以上の各実施例1〜13では、S6の切断工程における、複数の積層分割体12を所定のピッチで切断する際の切断基準位置を、複数の切断位置の中で、各積層分割体12における切断ピッチをとる方向(切断面に垂直方向)の最も端の位置としているが、例えば端から2番目の位置であってもよく、真ん中の位置であってもよい。
特に、積層する平行平板11の枚数mが奇数の場合は、上記方向における中央の位置であることが望ましく、積層する平行平板11の枚数mが偶数の場合は、上記方向における略中央の位置であることが望ましい。各積層分割体12における上記方向の長さを一定とすれば、上記方向の中央位置または略中央位置に切断基準位置をとった場合は、上記方向の一端部に切断基準位置をとった場合に比べて、切断基準位置から最も離れた端部における誤差(接合面21の位置ズレ量)の累積を半分(枚数mが奇数の場合)または略半分(枚数mが偶数の場合)に抑えることができる。これにより、最終的に得られる光学素子ごとに接合面21の位置ズレを抑えられる効果が高くなる。
(5.区分けの他の例について)
ところで、複数の平行平板11をその厚さに応じて複数の区分に区分けする際、接合面21の位置ズレ量やビームシフト精度の顧客要求規格の例えば±1/5の値を、厚さと基準値との差の最大値(上限値)または最小値(下限値)とし、その最大値と最小値との間を複数の区分に区分けしてもよい。
例えば、図19は、顧客要求規格が0.05mmであり、区分数を4つとした場合、図20は、顧客要求規格が0.05mmであり、区分数を5つとした場合の複数の平行平板11の区分けの例をそれぞれ示している。図19および図20では、顧客要求規格が0.05mmであるので、その±1/5の値である±0.010(mm)を、厚さと基準値との差の上限値および下限値とし、その間を複数の区分に区分けしている。
また、図21は、顧客要求規格が0.10mmであり、区分数を4つとした場合、図22は、顧客要求規格が0.10mmであり、区分数を5つとした場合の複数の平行平板11の区分けの例をそれぞれ示している。図21および図22では、顧客要求規格が0.10mmであるので、その±1/5の値である±0.020(mm)を、厚さと基準値との差の上限値および下限値とし、その間を複数の区分に区分けしている。
このように区分けされた各ランクから平行平板11を選択して積層することで、ワイヤーソーの切断位置に対する接合面21の位置ズレ量が、顧客要求規格の60%程度またはそれ以下に収まり、顧客要求規格を超えることが非常に少なくなることが、上記各実施例1〜13と同様のシミュレーションからわかった。
なお、区分数は、4区分から6区分程度が妥当であるが、特に限定されることはない。また、区分数は、奇数個でも複数個であってもよいが、奇数個のほうが、平行平板11の積層枚数が奇数枚のときでも複数枚のときでも容易に対応できる点で便利である。つまり、区分数が奇数個の場合、上述した具体例2で示したように真ん中の区分(整数値0のランク)の平行平板11を1つ入れるか入れないかで、平行平板11の積層枚数が奇数枚のとき、複数枚のときの両者に柔軟に対応することができる。
1 積層体
11 平行平板
12 積層分割体
14 プリズム(光学素子)

Claims (15)

  1. mを2以上の自然数、nをm未満の自然数とすると、
    枚の透明媒質からなる平行平板を接着剤を介して積層することにより、積層体を形成する第1の工程と、
    所定の傾斜角度で、かつ、所定のピッチで積層体を切断することにより、複数の積層分割体を形成する第2の工程と、
    複数の前記積層分割体を積み上げて前記第2の工程での切断面に垂直で、かつ前記平行平板が積層されている方向に所定のピッチで切断することにより、透明媒質の貼り合わせからなる複数の光学素子を形成する第3の工程とを有する光学素子の製造方法であって、
    前記第3の工程では、前記第3の工程におけるいずれかの切断面が前記平行平板の境界である接合面に対して所定の位置関係を満たすように決められた切断基準位置を基準に、複数の接合面を含む所定のピッチで前記積層分割体を切断し、
    複数の前記平行平板を前記平行平板の厚さと厚さの基準値との差に応じて複数のランクに区分けする前工程の後、
    前記第1の工程では、nが採り得るどの値をとっても、前記第3の工程での積層分割体の切断面に対して垂直な方向における、前記切断基準位置から前記複数の接合面を含んだ状態の平行平板としてn枚分の長さと、前記切断基準位置からn番目の切断位置までの距離との差が所定範囲内に収まるように、厚さが前記基準値以上または前記基準値よりも大きいランクに属する前記平行平板と厚さが前記基準値未満または前記基準値以下のランクに属する前記平行平板とを選択して積層することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 各ランクには、各ランクが許容する前記平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが前記基準値以上または前記基準値よりも大きい前記平行平板が属するランクと、厚さが前記基準値未満または前記基準値以下の前記平行平板が属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、
    前記第1の工程では、積層されるそれぞれの前記平行平板に対応する整数値の累積値が、どの前記平行平板までの累積値をとっても所定範囲内に収まるように、前記複数のランクから前記平行平板を選択して積層することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記複数のランクには、それぞれのランクが許容する前記平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値がそれぞれ対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値以上または基準値よりも大きい前記平行平板が属するランクと、厚さが基準値未満または基準値以下の前記平行平板が属するランクとで互いに逆符号となっている場合に、
    前記第1の工程では、連続して積層される所定枚数の前記平行平板が属する各ランクに対応する整数値の平均値が、連続して積層される所定枚数の前記平行平板の異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、前記複数のランクから前記平行平板を選択して積層することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  4. 厚さが前記基準値以上または前記基準値よりも大きい前記平行平板が属する複数のランクの中で、許容される前記平行平板の厚さの最小値が最も小さいランクは、第1の整数値に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する前記平行平板の厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられており、
    厚さが前記基準値未満または前記基準値以下の前記平行平板が属する複数のランクの中で、許容される前記平行平板の厚さの最小値が最も大きいランクは、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する前記平行平板の厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記複数のランクには、それぞれのランクが許容する前記平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値から所定範囲内に収まる前記平行平板が属するランクについては0であり、このランク以外のランクであって、厚さが基準値よりも大きい前記平行平板が属するランクと、厚さが基準値よりも小さい前記平行平板が属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、
    前記第1の工程では、積層されるそれぞれの前記平行平板に対応する整数値の累積値が、どの前記平行平板までの累積値をとっても所定範囲内に収まるように、前記複数のランクから前記平行平板を選択して積層することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記複数のランクには、それぞれのランクが許容する前記平行平板の厚さの最大値または最小値の大きいほうから順に、単調に減少または増加する整数値が対応付けられており、かつ、上記整数値が、厚さが基準値から所定範囲内に収まる前記平行平板が属するランクについては0であり、このランク以外のランクであって、厚さが基準値よりも大きい前記平行平板が属するランクと、厚さが基準値よりも小さい前記平行平板が属するランクとで互いに逆符号の整数値となっている場合に、
    前記第1の工程では、連続して積層される所定枚数の前記平行平板が属するそれぞれのランクに対応する整数値の平均値が、連続して積層される所定枚数の前記平行平板の異なる組み合わせごとに所定範囲内に収まるように、前記複数のランクから前記平行平板を選択して積層することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  7. 整数値0のランク以外のランクであって、厚さが前記基準値よりも大きい平行平板が属する複数のランクの中で、許容される前記平行平板の厚さの最小値が最も小さいランクは、第1の整数値に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する前記平行平板の厚さの最小値の小さいほうから順に、第1の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第1の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられており、
    整数値0のランク以外のランクであって、厚さが基準値よりも小さい前記平行平板が属する複数のランクの中で、許容される前記平行平板の厚さの最小値が最も大きいランクは、第1の整数値と絶対値が異なる第2の整数値に対応付けられている一方、他のランクのそれぞれは、各ランクが許容する前記平行平板の厚さの最小値の大きいほうから順に、第2の整数値と同符号で、かつ、その絶対値が第2の整数値の絶対値から所定値ずつ増大するような整数値に対応付けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記第1の工程では、整数値の符号が異なるランクに属する前記平行平板を交互に積層することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記第1の工程では、整数値の絶対値が同じランクに属する前記平行平板を交互に積層することを特徴とする請求項8に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記第1の工程で積層する平行平板の枚数が偶数である場合、
    前記第1の工程では、整数値の符号が正のランクに属する前記平行平板と、整数値の符号が負のランクに属する前記平行平板とを同じ枚数ずつ積層することを特徴とする請求項2から9のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記第1の工程で積層する平行平板の枚数が奇数である場合、
    前記第1の工程では、整数値の符号が正のランクに属する前記平行平板と、整数値の符号が負のランクに属する前記平行平板とを同じ枚数ずつ積層するとともに、整数値が0のランクに属する前記平行平板を奇数枚積層することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  12. 前記第3の工程にて複数の前記積層分割体を所定のピッチで切断する際の切断基準位置は、それぞれの前記積層分割体における切断ピッチをとる方向の中央または略中央の位置であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  13. それぞれの前記平行平板の表面に光学薄膜を形成する第4の工程をさらに有しており、 前記第4の工程は、前記第1の工程の前に行われることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  14. それぞれの前記積層分割体において、前記第2の工程での切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨する第5の工程をさらに有しており、
    前記第5の工程は、前記第3の工程の前に行われることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  15. 前記第3の工程では、複数の前記積層分割体を積み上げて所定のピッチで切断した後、その切断時に切断面となった面の少なくとも1つを研磨することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
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