JP5169959B2 - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子の製造方法に関し、具体的には、発光素子の発光層での光を外部に取り出すのに好適な表面加工処理を含んだ発光素子の製造方法に関する。
(AlGa1−xIn1−yP混晶(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1;以下、AlGaInP混晶、あるいは単にAlGaInPとも記載する)により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、例えば緑色から赤色までの広い波長域において高輝度の素子を実現できる。
ここで、発光層部への通電は、素子表面に形成された金属電極を介して行われる。金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部の第一主表面の中央部のみを覆う形で形成することが多く、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すようにする。
この場合、金属電極の面積をなるべく小さくしたほうが電極の周囲に形成される光取り出し領域の面積を大きくでき、光取り出し効率を向上させる観点において有利である。
従来、電極形状の工夫により、素子内に効果的に電流を拡げて光取り出し量を増加させる試みがなされているが、この場合も電極面積の増大はいずれにしろ避けがたく、つまり光取り出し領域の面積の減少により却って光取出量が制限されるジレンマに陥っている。
また、クラッド層のドーパントのキャリア濃度、ひいては導電率は、活性層内でのキャリアの発光再結合を最適化するために多少低めに抑えられており、面内方向には電流が広がりにくい傾向がある。これによって、電極被覆領域に電流密度が集中し、光取り出し領域における実質的な光取り出し量が低下してしまうことになる。
そこで、クラッド層と電極との間に、クラッド層よりもドーパント濃度を高めた低抵抗率のGaP等の光取り出し層を形成する方法が採用されている。
このGaP等の光取り出し層は、一定以上に厚みを増加させた層となるように形成すれば、素子面内の電流拡散効果が向上するばかりでなく、層側面からの光取り出し量も増加するので、光取り出し効率をより高めることができるようになる。
光取り出し層は、発光光束を効率よく透過させ、光取り出し効率を高めることができるよう、発光光束の光量子エネルギーよりもバンドギャップエネルギーの大きい化合物半導体で形成する必要がある。特にGaPはバンドギャップエネルギーが大きく、また発光光束の吸収が小さいので、AlGaInP系発光素子の光取り出し層として多用されている。
また、発光層部の成長に用いるGaAs基板は光吸収性基板(つまり不透明基板)なので、発光層部の成長後にGaAs基板を研削やエッチングで取り除き、代わりにGaP透明基板層を、GaP単結晶基板の貼り合わせや気相成長法により形成することも行われている。
同様にAlGaInPの発光ダイオードにおいても、発光層部の第二主表面側の不透明基板がGaP透明基板層で置き換わり、その透明基板の側面からも光が取り出せるようになるし、また該GaP透明基板の第二主表面側で反射層や電極により光を反射させ、その反射光を第一主表面側からの直接光束と合わせて取り出すこともできるので、素子全体の光取り出し効率を高めることができる。
しかしながら、このように透明性の高い結晶を発光層の上下両側または一方に配しても、表面での多重反射などによって光が内部で吸収され、外部に光が出ないことがある。
これを改善するために、特許文献1には、発光素子の表面をI+HNO+HF+CHCOOHからなるエッチング液に浸漬して、表面に凹凸を形成して粗面化することで光取り出し効率を上げる発光素子の製造方法が開示されている。
ところで、通常、発光素子の電極は、素子になってからではなく基板の状態で形成されるため、少なくとも発光素子の側面を粗面化するエッチングは電極が形成された状態で行われることになる。
前述したように光取り出し効率を上げるには、発光素子の光取り出し面である第一主表面を粗面化することが有効であり、第一主表面の凹凸をより大きくすることで更に光取り出し効率を上げることができる。
しかし、表面の凹凸をより大きくすることにより、電極周辺下部がエッチングされて電極が剥がれてしまい、素子面内の電流拡散が不十分となり発光強度が低下する問題がある。
この電極周辺下部のエッチングを防止するため、特許文献2には、レジストにて電極とその周辺を保護することが開示されている。
しかし、レジストで電極を保護しても、エッチング液がフッ酸、硝酸、酢酸、沃素からなる場合、ポジレジストでは耐性がない。
また、OMRレジストで保護した場合は保護可能であるが、ダイシングしてエキスパンドしたチップが樹脂シート上にUV硬化型のアクリルのりで保持されており、レジストを除去するために溶剤を使用すると、レジストを除去することは可能であるが、チップがレジスト除去とともにアクリルのりが溶けて樹脂シートよりチップも同時に剥がれてしまうという問題がある。
また、ポジレジストでも現像後に120℃で60秒程度ポストベイクすることで粗面化用のエッチング液に耐えられるが、粗面化エッチング前のダイシング時にダイサーのブレードにかける水の水圧により保護膜が剥離してしまうという問題もある。
特開2005−317664号公報 特開2005−116615号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、発光素子表面を異方性エッチング液に浸漬して粗面化する際に、電極周辺のGaP等のエッチングを防止することで、電極剥がれによる発光強度の低下を防止することができ、また安定した電極を歩留りよく製造することのできる発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、光を取り出す第一主表面がGaP、GaAsP、GaAlAsのいずれかからなる発光素子基板に電極を形成する工程と、少なくとも該電極を覆う金属製保護膜を前記第一主表面に形成する工程と、該金属製保護膜形成後に、エッチングによって前記発光素子基板の表面を粗面化する粗面化工程と、該粗面化後に、前記金属製保護膜を除去する工程と、を有することを特徴とする発光素子の製造方法を提供する。
このように、電極を金属製保護膜にて保護し、その後異方性エッチング液等によるエッチングで発光素子の表面を粗面化する。
金属製保護膜は粗面化用のエッチング液に耐性があるため、粗面化エッチングでは脱落することがなく、電極周辺下部のGaP,GaAsP,GaAlAsが過度にエッチングされることによって電極の支えが脱落する水準までエッチングされることを防止することができ、電極剥がれ等による発光強度が低下することを防止することができる。
また、金属製保護膜を除去する際に、アルカリ溶液等を用いることによって除去が可能であるため、アクリルのり等によって樹脂シートに貼られたダイシング後の発光素子チップが樹脂シートから脱落することもなく、発光素子の製造歩留りが低下することを強く抑制することができる。
ここで、前記金属製保護膜を、前記電極および電極周辺部を該電極形状に沿って縁取るように覆う膜とすることが好ましい。
このように、形成する金属製保護膜を、電極および電極周辺部を該電極形状に沿って縁取るように覆う膜とすることで、金属製保護膜の面積を、電極を支えるのに必要かつ十分な面積とすることができる。これによって、粗面化エッチングでの発光素子基板の第一主表面の粗面化される面積をより大きく取ることができ、光取り出し量を更に増加させることができる。
また、前記金属製保護膜形成工程後、前記粗面化工程前に、前記発光素子基板をダイシングすることが好ましい。
このように、金属製保護膜形成工程後、かつ粗面化工程前に、発光素子基板をダイシングすることによって、粗面化エッチング工程において、発光素子チップの第一主表面及び側面を同時に粗面化できるため、光取り出し量の大きな発光素子の製造工程を短縮することができ、生産性を高めることができる。
そして、前記電極形成工程前に、前記電極を形成する領域を保護膜で保護し、その後エッチングして前記第一主表面を粗面化し、その後前記保護膜を除去する前処理工程を行い、前記電極形成工程の後に、前記金属製保護膜を、前記電極が形成された前記第一主表面の全面を覆うような膜とし、前記粗面化工程前に、前記発光素子基板をダイシングすることができる。
電極形成後に第一主表面の粗面化エッチングを行うプロセスでは、粗面化エッチング時にレジスト残渣や電極残渣といった汚れ等により気泡が発生し、均一な粗面化ができないことがある。しかし、電極形成前に発光素子基板の第一主表面に粗面化エッチングを行うことで、ムラなく全面均一に粗面化することができ、電極周りの不良の低減や光取り出し量の向上を図ることができる。
また、仮に電極形成時にパターンズレが生じても電極が形成される発光素子基板の主表面は既に粗面化されているため、電極表面の一部に凹凸が生じることはあっても電極の支えがエッチングされることはなく、電極剥がれ等の不良が発生することを防止することができる。
更に、粗面化した第一主表面全体を覆うような金属製保護膜を形成することによって、ダイシングした発光素子基板の側面を粗面化する際に、既に電極が形成された第一主表面がエッチングされることを抑制でき、電極の剥がれが発生することを防止しながら側面を粗面化でき、光取り出し量を増加することができる。
更に、前記電極を形成する領域の保護膜を、レジスト、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることができる。
このように、電極を形成する領域の保護膜として、レジスト、Al、Ni、Auのいずれかを用いた場合、いずれの保護膜も粗面化エッチング液に耐性があり、レジスト保護膜は、従来プロセスで使用している溶剤を用いて簡便に除去可能である。また、Al保護膜はフッ酸もしくはアルカリ系水溶液で容易に除去可能である。また、Ni保護膜は硝酸、硫酸、塩酸等で容易に除去可能である。また、Au保護膜は沃素沃化カリウム、臭素水及び青化加里(シアン化カリウム)液で除去可能である。従って、電極形成領域に保護膜の成分が残留することを確実に防止でき、電極の品質(密着性等)を更に向上させることができる。
また、前記金属製保護膜を、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることができる。
このように、電極を保護する金属製保護膜をAl、Ni,Auのいずれかとすることで、前述のように粗面化エッチング液に耐性があり、レジストのように有機溶剤を使用しなくても容易に除去できるものとすることができるため、電極の剥がれをより容易に抑制できるとともに、発光素子チップが樹脂シートから脱落することを更に確実に防止することができ、更なる歩留りの向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、発光素子表面を異方性エッチング液に浸漬して粗面化する際に、電極周辺のGaP等のエッチングを防止することで、電極剥がれによる発光強度の低下を防止することができ、また安定した電極を歩留りよく製造することができる発光素子の製造方法を提供することができる。
本発明の発光素子の製造方法の一例を示した工程フローである。 本発明の発光素子の製造方法の他の一例を示した工程フローである。 本発明の発光素子の製造方法の製造過程における発光素子基板の概略を示した図である。 本発明の発光素子の製造方法の製造過程において、GaAs基板及びGaAsバッファ層が除去された発光素子基板の概略を示した図である。 本発明の発光素子の製造方法の製造過程において、GaP透明基板層が形成された発光素子基板の概略を示した図である。 本発明の第一の実施形態での発光素子の製造方法の電極形成工程から後の工程における図5の様な発光素子基板のWS部分を拡大した図である。 本発明の第二の実施形態での発光素子の製造方法の電極形成工程から後の工程における図5の様な発光素子基板のWS部分を拡大した図である。 本発明の発光素子の概略の一例を示した図である。 本発明の発光素子の製造方法で形成する第一主表面側に形成する光取り出し領域側の電極の一例を示した図である。 本発明の発光素子の製造方法で形成する金属製保護膜の例を示した図である。 本発明の発光素子の製造方法で形成する電極形成領域保護膜の一例を示した図である。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述したように、発光層で発光した光を素子から外部へ取り出すためには、表面での反射を極力少なくすることが重要である。
このため、表面の凹凸を大きくする必要がある。凹凸を大きくするためには強力なエッチングを行う必要がある。
しかし、強力なエッチングを行うと、電極周辺から下部にかけてのGaP等がエッチングされて電極が剥がれてしまうことがあり、更に、満遍なくチップ前面に電流が拡散するように電極形状を星型にした場合においては星型の手の部分の下がエッチングされて、星型の手の部分がなくなってしまい、電流が面内に十分拡散しないという問題がある。
この対策としてレジストで電極を保護して粗面化エッチングを行うことが従来提案されている。
また、粗面化エッチングを行う場合、第一主表面と側面の両方を粗面化する方が、より発光効率を高めることができるため、有効である。そして第一主表面と側面を同時にエッチングする場合、電極保護膜がエッチング液に耐性があり、かつ有機溶剤を使用せずに除去できることが絶対条件である。
ここで、発光素子の側面をエッチングする場合、ダイシングによりチップ化され樹脂シートに並んで張り付いた状態でエッチングすることになる。しかしこの状態で電極保護膜を除去するために有機溶剤を使用すると、樹脂シートにエキスパンドしてきれいに並んでいる発光素子チップが脱落してしまうことがある。これは歩留りに大きく影響し、従って製造コストに直接跳ね返る。
そこでZPN,AZ,OFPR系のレジストについて、個別工程毎に粗面化用エッチング液(例えば沃素、フッ酸、硝酸、酢酸の混合液)に対する耐性およびレジスト製電極保護膜の除去を行う際にチップの脱落が防止できるかについて検討した。
その結果、レジストを保護パターンに形成してエッチングを行った場合、エッチング液に耐性がない(フロスト(粗面化)中に保護レジストが剥離)レジストがあることが判明した。
また、現像後にポストベイクをしたものは、耐薬品性があり電極保護膜の剥離に使用しても樹脂シートが耐えられる剥離液ZS50(プロピレングリコールモノメチルエーテルと酢酸nブチル)があることが判ったが、この場合、電極を保護したままダイサーにてダイシングすると、ダイサーのブレードにかける水の水圧により電極保護膜が剥離してしまう。
唯一OMRにてレジスト保護をした場合、エッチング液およびダイサー工程に対応できるのであるが、OMRを除去するためにはキシレン系の溶剤が必要であり、樹脂シートがキシレン系の溶剤に対して耐性がないことが判った。
そこで、本発明者は電極保護膜として粗面化用エッチング液に対する耐性の有無、樹脂シートからチップが脱落しない剥離液の有無、ダイシング時の水圧による電極保護膜の剥離の有無といった観点からレジスト以外の材質についてその可能性を検討した。
その結果、金属、特に好ましくはAl、Ni、Au等は、粗面化用エッチング液に耐性があり、電極保護膜の除去の際に発光素子チップが樹脂シートから脱落せず、更にダイシング時の水圧による電極保護膜の剥離もないことが判った。
そして上記知見を基に本発明を完成させた。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
最初に本発明の発光素子の第一の製造方法における工程1〜4について図1および図3〜6、図8を用いて説明する。
図1は、本発明の発光素子の製造方法の一例を示した工程フローである。
また、図3は本発明の発光素子の製造方法の製造過程における発光素子基板の概略を示した図である。
そして、図4は本発明の発光素子の製造方法の製造過程において、GaAs基板及びGaAsバッファ層が除去された発光素子基板の概略を示した図である。
図5は本発明の発光素子の製造方法の製造過程において、GaP透明基板層が形成された発光素子基板の概略を示した図、
図6は本発明の第一の実施形態での発光素子の製造方法の電極形成工程から後の工程における図5の用な発光素子基板のWS部分を拡大した図である。
図8は本発明の発光素子の概略の一例を示した図である。
まず、図1の工程1に示すように、成長用基板として、n型のGaAs単結晶基板を用意する。
次に、図1の工程2及び図3に示すように、そのn型GaAs単結晶基板11の主表面に、n型GaAsバッファ層12を例えば厚さ0.5μmでエピタキシャル成長させ、次いで、GaInPからなるn型接続層13をエピタキシャル成長させる。
その後、発光層17として、各々(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなる、厚さ1μmのn型クラッド層14(n型ドーパントはSi)をエピタキシャル成長させる。次に、厚さ0.6μmの活性層15(ノンドープ)をエピタキシャル成長させ、更に、厚さ1μmのp型クラッド層16(p型ドーパントはMg:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)を、この順序にてエピタキシャル成長させる。
ここで、p型クラッド層16とn型クラッド層14の各々のドーパント濃度は、例えば1×1017/cm以上2×1018/cm以下とすることができる。
さらに、図1の工程3に示すように、p型クラッド層16上に例えばGaPからなるp型接続層18をエピタキシャル成長させる。
上記各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行うことができる。
また、Al、Ga、In(インジウム)、P(リン)の各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用することができる。
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など、
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など、
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など、
・P源ガス:トリメチルリン(TMP)、トリエチルリン(TEP)、ホスフィン(PH)などが挙げられる。
次いで、図1の工程4に進み、p型GaPよりなるp型光取り出し層19を、HVPE法により成長させる。ここで、形成したp型光取出し層19の最表面が第一主表面19aとなる。
この時、気相成長させるp型光取り出し層19の膜厚は10μm以上となるようにすることができる。これはp型光取り出し層が厚さ10μm以上の場合、その側面を粗面化することにより、p型光取り出し層の厚さ増大によって側面の面積が増大していることとも相俟って、素子の光取り出し効率を大幅に高めることができるためである。
このHVPE法は、具体的には、容器内にてIII族元素であるGaを所定の温度に加熱保持しながら、そのGa上に塩化水素を導入することにより、下記(1)式の反応によりGaClを生成させ、キャリアガスであるHガスとともに基板上に供給する。
Ga(液体)+HCl(気体) → GaCl(気体)+1/2H‥‥(1)
成長温度は例えば640℃以上860℃以下に設定する。また、V族元素であるPは、PHをキャリアガスであるHとともに基板上に供給する。さらに、p型ドーパントとしてZnを用いる場合、DMZn(ジメチルZn)の形で供給する。GaClはPHとの反応性に優れ、下記(2)式の反応により、効率よくGaP光取り出し層を成長させることができる。
GaCl(気体)+PH(気体)
→GaP(固体)+HCl(気体)+H(気体)‥‥(2)
この段階で図3に示すウェーハとなる。
p型光取り出し層19の成長が終了したら、図1の工程5に進み、図4に示すようにn型GaAs単結晶基板11およびn型GaAsバッファ層12を、例えばアンモニア/過酸化水素混合液などのエッチング液を用いて化学エッチングすることにより除去する。
そして、図1の工程6に進み、図5に示すように、n型GaAs単結晶基板11およびn型GaAsバッファ層12が除去された発光層17の第二主表面側(n型接続層13の第二主表面側)に、別途用意されたn型GaP単結晶基板を貼り合わせてn型光取り出し層21とする。ここで、このn型光取り出し層21は、HVPE法によるエピタキシャル成長によって形成することもできる。
以上のような工程によって、発光素子基板20を作製する。
以上の工程が終了すれば、図1の工程7及び図6、図8に示すように、スパッタリングや真空蒸着法により、p型光取り出し層19の第一主表面19a及びn型光取り出し層21の第二主表面(n型接続層13とは反対側の表面)に、接合合金化層形成用の金属層をそれぞれ形成し、さらに合金化の熱処理(いわゆるシンター処理)を行うことにより、接合合金化層24a,25aとする。そして、これら接合合金化層24a,25aをそれぞれ覆うように、光取り出し領域側電極24及び裏面電極25を形成し、発光素子用ウェーハとする。
ここで、図6は図5のWS部分を拡大した図であり、図6(a)は光取り出し領域側電極24が形成された状態を示した図である。また、図9は第一主表面側の光取り出し領域側電極24を上から見た様子を示した図である。
次に図1の工程8に進み、図6(b)に示すように、光取り出し領域側の電極24を覆うように、金属製保護膜26をスパッタリングや真空蒸着法により形成する。
ここで、この金属製保護膜26は、電極24の材質とは異なる材質にすることが望ましい。例えば電極がAuからなる場合は、金属製保護膜としてAl、Ni等を使用でき、電極がAlからなる場合には、金属製保護膜としてAu、Ni等を使用することができる。
ここで、この金属製保護膜26を、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることができる。
Alは、粗面化用のエッチング液に耐性があり、かつ、HFやアルカリ溶液で容易に除去できる。またNiについても、粗面化用エッチング液に耐性があり、酸及びアルカリには強いが、硝酸(濃度N/5)に弱く、硫酸・塩酸(濃度N/5)でも除去できる。更にAuについても、粗面化用エッチング液に耐性があり、剥離液として沃素沃化カリウム、臭素水及びシアン化カリウム液で除去できる。
このように、電極を保護する金属製保護膜が、Al、Ni,Auのいずれかであれば、レジストのように有機溶剤を使用しなくても容易に除去することができ、発光素子チップが樹脂シートから脱落することを更に確実に防止することができ、歩留りの向上を図ることができる。
また、金属製保護膜の形状は、電極部をカバーできれば特に限定されないが、例えば図10(a)に示すように、電極24の形状に倣って縁取るような形状の金属製保護膜26’とすることができる。
このような形状とすることで、第一主表面の電極以外の広い領域を後に行う粗面化エッチングにより粗面化できるため、光取り出し効率を更に上げることができる。また、電極外周部の少し外側までカバーされるため、エッチング液が電極下に侵入するのを防止することができ、電極の剥がれが発生することも確実に防止することができる。
更に、電極の中央部を露出させるのは、ハーフダイシング後にプローブによる電気特性の検査を行うためであるが、図10(b)に示すように、電極24が金属製保護膜26’’で完全に覆われるようにしても良い。
次に、図1の工程9および図6(c)に示すように、発光素子チップサイズに合わせてダイシングを行って、発光素子チップとすることができる。
このように、この金属製保護膜形成工程である工程8の後、且つ後の粗面化工程である工程11の前に、発光素子基板をダイシングすることができる。これによって、後の粗面化工程において、発光素子チップの第一主表面及び側面を同時に粗面化できるため、一度の粗面化エッチングで光取り出し量を向上させる処理を行うことができる。従って、製造工程の短縮による生産性の向上と、品質の向上を同時に達成することができる。
そして、このダイシング工程は、例えばハーフダイシングした後、プローブで電気特性を検査し、その後、フルダイシングしてシート上にチップを保持するようにすることができる。
なお、ハーフダイシング後にフルダイシングしない方法もある。しかし、フルダイシングすることによって、後の粗面化エッチングで発光素子のp型光取り出し層の側面部だけでなくn型光取り出し層の側面も粗面化することができ、ハーフダイシングする場合に比べて発光効率を上昇させることができるため、フルダイシングがより望ましい。
またこのダイシング時には、結晶欠陥密度の比較的高い加工ダメージ層がダイシングによって露出した側面部に形成される。
この加工ダメージ層に含まれる多数の結晶欠陥は、発光通電時において電流リークや散乱の原因となるため、図1の工程10に示すように、加工ダメージ層を、ダメージ層除去用エッチング液を用いた化学エッチングにより除去することが望ましい。
このダメージ層除去用エッチング液としては、例えば硫酸−過酸化水素水溶液を使用することができる。またこのダメージ層除去用エッチング液としては、例えば硫酸:過酸化水素:水の質量配合比率が3:1:1のものを使用でき、液温は40℃以上60℃以下に調整され、6分程度のエッチングとするものとすることができる。
その後、図1の工程11や図6(d)に示すように、加工ダメージ層を除去した発光素子チップの表面及び側面に、粗面化用のエッチング液を接触させ、p型光取り出し層の第一主表面やその側面及びn型光取り出し層の側面を粗面化する粗面化エッチングを行う。
ここで、この粗面化用のエッチング液は、酢酸と弗酸と硝酸とヨウ素とを含有する水溶液とすることができ、具体的には
酢酸(CHCOOH換算):37.4質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.4質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.3質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.12質量%以上0.84質量%以下、
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上45質量%以下のものを用いることが望ましい。より望ましくは、
酢酸(CHCOOH換算):45.8質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.5質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.6質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.15質量%以上0.84質量%以下、
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上32.7質量%以下のものを採用することがより望ましい。液温は40℃以上60℃以下が適当である。
次に、工程12に示すように金属製保護膜26を除去する。
例えば金属製保護膜としてAlを用いた場合、その除去には、HFやアルカリ性のKOH,NaOH、アンモニア過水、キララクリーン(登録商標(日化精工社製))、セミコクリーン(フルウチ化学社製)などを使用することができる。
また、Niからなる金属製保護膜であれば、硝酸、硫酸、塩酸で除去可能であり、Auからなる金属製保護膜については、沃素沃化カリウム、臭素水及びシアン化カリウム液で除去可能である。
その後、分離後の発光素子チップに対して、第二主表面側(裏面電極25の表面)をAgペースト層を介して金属ステージに接着し、更に、光取り出し領域側電極にボンディングワイヤ28を接続し、さらにエポキシ樹脂からなる図示しないモールド部を形成すれば、図8に示すような発光素子10が完成する。
以上説明したような本発明の発光素子の製造方法では、電極を形成した領域の周辺は金属製保護膜で保護されているため粗面化エッチングされず、電極の剥がれ等の不良の発生を抑制することができる。そのため、電流を面内に十分に広く拡散させることができ、発光強度を高いものとすることができる。
また、保護膜は金属製であるため、有機溶剤でなくてもアルカリ溶液等で容易に除去することができ、エキスパンドされたチップがシートから脱落する等の工程上の問題が発生することがなく、発光素子の製造歩留りの低下を強く抑制することができる。
次に、本発明の第二の実施形態における発光素子の製造方法について説明する。
図2は、本発明の発光素子の製造方法の他の一例を示した工程フローである。また図7は本発明の第二の実施形態での発光素子の製造方法の電極形成工程から後の工程における図5のような発光素子基板のWS部分を拡大した図である。
図2に示す工程1〜6によって、図5に示すような発光素子基板20が得られる。
なお、図2の工程1〜6の製造工程は第一の実施形態である図1と基本的に同じであるため、ここでは説明を省略する。
第二の実施形態においては、この後、図2の工程7や図7(a)、図11に示すように、発光素子基板20の第一主表面19aに、後に電極を形成する領域に電極形成領域保護膜27を形成する。ここで図11は、第一主表面の電極形成領域の保護膜の一例を示した図である。
ここでこの電極形成領域の保護膜27を、粗面化用エッチング液に耐性のあるレジスト、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることができる。
上述の材質からなる保護膜は、いずれも粗面化用のエッチング液に対して耐性があるため、粗面化エッチングの際に電極形成領域が粗面化されることを防止することができ、後に安定した電極を形成することができる。
またAlは、フッ酸もしくはアルカリ系水溶液で容易に除去することができる。そしてNiは、硝酸、硫酸、塩酸等で容易に除去することができる。更にAuは、沃素沃化カリウム、臭素水及び青化加里(シアン化カリウム)液で除去することができる。そして、レジスト保護膜は、従来プロセスで使用している溶剤を用いて簡便に除去することができる。よって、電極形成領域の保護膜は容易に完全に除去することができる。
その後、図2の工程8および図7(b)に示すように、発光素子基板20の第一主表面のみを対象とした粗面化のエッチングを行う。これによって、電極形成領域保護膜27で覆われた部分を除いた発光素子基板の第一主表面が粗面化される。
この、粗面化エッチングに関しては、第一実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
その後、図2の工程9および図7(c)に示すように、電極形成領域保護膜27を除去する。以上の工程7〜9が終了することによって、電極形成工程前の前処理工程が終了する。
ここで、前述の電極形成領域保護膜として、Al、Ni、Au等の金属製の保護膜を形成した場合、その除去については第一の実施形態の金属製保護膜の除去と同様の方法で除去することができる。また、レジストを形成した場合、その除去には従来から一般的に用いられている各種溶剤が使用できる。
次に、図2の工程10および図7(d)に示すように、電極形成領域保護膜27で覆われていたために粗面化されていない部分(電極形成領域)に、光取り出し領域側電極24を形成する。この電極形成についても、前述したような第一の実施形態と同様な方法で形成することができる。
次に、図2の工程11および図7(e)に示すように、発光素子基板の第一主表面の全面にスパッタリングや真空蒸着法により金属製保護膜26’’’を形成する。
金属としては第一実施形態と同様にAl、Au、Ni等とすることができる。
次に、図2の工程12に示すように、金属製保護膜が形成された状態で発光素子基板を発光素子チップサイズに合わせてダイシングする。
ここでも第一の実施形態同様、ハーフダイシング後にプローブにて電気特性を検査した後、フルダイシングすることが望ましいが、必ずしもフルダイシングする必要はない。
その後、図2の工程13に示すように、加工ダメージ層を、ダメージ層除去用エッチング液を用いた化学エッチングにより除去することが望ましい。この工程も第一の実施形態と同様にできる。
次に、図2の工程14および図7(f)に示すように、発光素子チップの側面に対して粗面化エッチングを行う。
ここでの粗面化エッチングも、前述した第一の実施形態と同様の処理を行うことができる。
次に、図2の工程15および図7(g)に示すように、金属製保護膜26’’’を除去する。ここでの金属製保護膜の除去に関しても、第一の実施形態と同様に行うことができる。
この後は第一の実施形態と同様な工程を経て、図8に示すような発光素子10を製造することができる。
このように、電極形成工程前に、電極形成領域を保護膜で保護し、その後エッチングして第一主表面を粗面化し、更にその保護膜を除去する前処理工程を行うことによって、電極形成後に粗面化エッチングを行った場合に発生する粗面化エッチング時のレジスト残渣や電極残渣といった汚れ等による気泡によって均一な粗面化ができないとの問題が発生することを防止することができる。従って第一主表面全面(保護領域を除く)を均一に粗面化することができ、電極の剥がれが発生することなく、光取り出し量を増加させることができる。
そしてもし電極形成時にパターンズレが生じても、電極は端が粗面化部分に若干懸かることになって表面に凹凸が生じることはあっても、電極の支えがエッチングされることはなく、電極剥がれ等の不良が発生することは抑制される。
更に、金属製保護膜を粗面化した第一主表面全体を覆うように形成することによって、ダイシングした発光素子基板の側面を粗面化する際に、第一主表面がエッチングされることを抑制することができる。そのため、既に電極が形成された第一主表面がエッチングされることを防止することができ、より確実に電極の剥がれを防止できる。また、側面を粗面化することができ、光取り出し量を増加することができる。
以上、第一主表面側の光取出し層としてp型GaP層を形成する場合を説明したが、この第一主表面側の光取出し層はGaAsPやGaAlAsとすることもできる。
この場合、GaP層を形成する工程を、GaAsP層やGaAlAs層を形成する工程とすればよい。
また、発光層の構成や組成(用いる元素や、ドーパントの種類・濃度等)も上記例示に限定されず、得たい発光素子の特性に合わせて適宜選択することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような工程によって発光素子を製造した。
具体的には、図5に示すような発光素子基板を準備し、その第二主表面側(n型光取り出し層21の表面)にメッシュのオーミック電極を形成するためにレジストZPN1150にてパターンを形成し、AuGeNiを0.2μm蒸着して、リフトオフによって電極パターンを形成した。
さらに、第一主表面側にオーミック電極形成のためにレジストAZ5214Eを用いて星型形状の電極パターンをフォトリソにて形成し、Au→AuBe→Auを蒸着し、リフトオフにて厚さ0.2μmの電極を形成した。
次に、星型の中心の円の部分のパッドが形成される部分に、レジストZPN1150を用いて星型形状の中心円より小さな円をフォトリソにて形成し、Au→Ti→Auを蒸着し、リフトオフにて厚さ2.0μmの電極(先のオーミック電極厚0.2μm含む)を形成した。そして、p型光取り出し層と電極とのオーミック接触を取るために、450℃、35分の熱処理を窒素雰囲気中にて行った。
このオーミック熱処理後、基板の状態にて、星型形状の電極に倣うように保護するためのパターンをレジストZPN1150を用いてフォトリソにて形成し、0.2μmより厚くAlを蒸着し、リフトオフによってAl製の金属製保護膜を形成した。ここでは電極中心部は露出させた。
次に、電極がAl製金属製保護膜で保護された発光素子基板をハーフダイシングした状態にて、プローバーに掛けて電気特性マップを取得した。更に、フルダイシングし、エキスパンドした状態にてUE10シート上に発光素子チップを保持した。
この後、酢酸81.7質量%、フッ酸5質量%、硝酸5質量%、沃素0.3質量%、水8質量%の粗面化エッチング液で液温50℃、エッチング時間120秒の条件で粗面化エッチングを行った。
そして、Al製金属製保護膜を、5%HFに6分接触させて除去した。
(実施例2)
実施例1において、第一主表面に形成する電極の最表面層をAuではなくAlとし、また金属製保護膜をAlではなくAuとし、そして金属製保護膜の除去を沃素沃化カリウムで行った以外は実施例1と同様の条件で発光素子を製造した。
(実施例3)
図2に示すような工程によって発光素子を製造した。
具体的には、図5に示すような発光素子基板を準備し、その第二主表面側(n型光取り出し層21の表面)にメッシュのオーミック電極を形成するためにレジストZPN1150にてパターンを形成し、AuGeNiを0.2μm蒸着してリフトオフによって電極パターンを形成した。
その後、第一主表面側のオーミック電極形成前に、電極より大きな保護パターンを形成して、リフトオフによりAl製電極形成領域保護膜を形成した。
その後、酢酸81.7質量%、フッ酸5質量%、硝酸5質量%、沃素0.3質量%、水8質量%の粗面化エッチング液で液温50℃、エッチング時間120秒の条件で粗面化エッチングを行った後に、Al製電極形成領域保護膜をHFにより除去した。
さらに、Al製電極形成領域保護膜を除去した領域に、オーミック電極形成のためにレジストAZ5214Eを用いて星型形状の電極パターンをフォトリソにて形成し、Au→AuBe→Auを蒸着し、リフトオフにて厚さ0.2μmの電極を形成した。
次に、星型の中心の円の部分のパッドが形成される部分に、レジストZPN1150を用いて星型形状の中心円より小さな円をフォトリソにて形成し、Au→Ti→Auを蒸着し、リフトオフにて厚さ2.0μmの電極(先のオーミック電極厚0.2μm含む)を形成した。
そして、p型光取り出し層と電極とのオーミック接触を取るために、450℃35分の熱処理を窒素雰囲気中にて行った。
このオーミック熱処理後、発光素子基板の第一主表面の全面を覆うようなAl製の金属製保護膜を形成した。
次に、第一主表面全面がAl製金属製保護膜で保護された発光素子基板をハーフダイシングした状態にて、プローバーに掛けて電気特性マップを取得した。更に、フルダイシングし、エキスパンドした状態にてUE10シート上に発光素子チップを保持し、この後、酢酸81.7質量%、フッ酸5質量%、硝酸5質量%、沃素0.3質量%、水8質量%の粗面化エッチング液で液温50℃、エッチング時間120秒の条件で粗面化エッチングを行った。
そして、Al製金属製保護膜を5%HFに6分接触させて除去した。
(実施例4)
実施例3において、電極形成領域保護膜をAuとして、Au製電極形成領域保護膜の除去を沃素沃化カリウムで行った以外は実施例3と同様の方法で発光素子を製造した。
(実施例5)
実施例3において、電極形成領域保護膜を電極より大きなレジスト保護パターンをフォトリソによって形成する工程とし、またこのレジスト保護膜を溶剤によって除去することとした以外は実施例3と同様の方法で発光素子を製造した。
(実施例6)
実施例5において、電極の最表面をAuではなくAlとし、また金属製保護膜をAuとし、更にAu製金属製保護膜を沃素沃化カリウムにて除去することとした以外は実施例5と同様の方法で発光素子を製造した。
(比較例1)
実施例1において、Al製金属製保護膜を形成しない以外は実施例1と同様な条件で発光素子を製造した。
(比較例2)
実施例1において、金属製保護膜を金属(Al)ではなく、レジスト保護膜とすることを除き、実施例1と同様な条件で発光素子を製造した。
以上実施例1〜6、比較例1〜2の製造方法によって製造された各10個の発光素子をTO−18にマウントして、素子特性の評価をLED TESTER CMF3000にて行った。この時、実施例1の発光素子10個の発光強度の平均値を100とした。
また、電極の剥がれ状況および保護膜除去時のシートからのチップの脱落状況を評価し、その結果を表1に示した。
Figure 0005169959
表1に示すように、実施例1〜6の発光素子の製造方法で製造した発光素子は発光強度は十分に高いものとなっていることが判った。また電極の剥がれや、シートからのチップの脱落は発生しておらず、電極品質は良好で、製造工程にも問題ないことが判った。
これに対し、比較例1の発光素子は、発光強度が実施例1〜6の発光素子に比べて悪化しており、更に星型電極の手の部分で一部剥がれが観察された。この電極の剥がれにより、電流が面内に十分拡散させず発光効率が低下したと考えられる。
また、比較例2の発光素子は、発光強度については実施例1〜6との差はさほど見られず、電極の剥がれも観察されなかった。しかし、レジスト製の電極保護膜を剥離する際、溶剤によりシートとチップを接着しているのりが溶けてチップが脱落してしまい、歩留りが非常に悪いことが判った。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…発光素子、
11…成長用基板(n型GaAs単結晶基板)、 12…n型GaAsバッファ層、 13…n型接続層、 14…n型クラッド層、 15…活性層、 16…p型クラッド層、 17…発光層、 18…p型接続層、
19…p型光取り出し層(p型GaP層)、 19a…第一主表面、 20…発光素子基板、 21…n型光取り出し層(n型GaP層)、
24…(光取り出し領域側)電極、 24a…接合合金化層、
25…裏面電極、 25a…接合合金化層、
26,26’,26’’ ,26’’’…金属製保護膜、
27…電極形成領域保護膜、
28…ボンディングワイヤ。

Claims (5)

  1. 少なくとも、
    光を取り出す第一主表面がGaP、GaAsP、GaAlAsのいずれかからなる発光素子基板に電極を形成する工程と、
    少なくとも該電極および電極周辺部を該電極形状に沿って縁取るように覆う金属製保護膜を前記第一主表面に形成する工程と、
    該金属製保護膜形成後に、エッチングによって前記発光素子基板の表面を粗面化する粗面化工程と、
    該粗面化後に、前記金属製保護膜を除去する工程と、を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記金属製保護膜形成工程後、前記粗面化工程前に、前記発光素子基板をダイシングすることを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  3. 少なくとも、
    光を取り出す第一主表面がGaP、GaAsP、GaAlAsのいずれかからなる発光素子基板に電極を形成する工程と、
    少なくとも該電極を覆う金属製保護膜を前記第一主表面に形成する工程と、
    該金属製保護膜形成後に、エッチングによって前記発光素子基板の表面を粗面化する粗面化工程と、
    該粗面化後に、前記金属製保護膜を除去する工程と、を有し、前記電極形成工程前に、前記電極を形成する領域を保護膜で保護し、その後エッチングして前記第一主表面を粗面化し、その後前記保護膜を除去する前処理工程を行い、
    前記電極形成工程の後、前記金属製保護膜を、前記電極が形成された前記第一主表面の全面を覆うような膜とし、
    前記粗面化工程前に、前記発光素子基板をダイシングすることを特徴とする発光素子の製造方法。
  4. 前記電極を形成する領域の保護膜を、レジスト、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることを特徴とする請求項3に記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記金属製保護膜を、Al、Ni、Auのいずれかからなるものとすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法。
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