JP5169015B2 - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物をマイクロ波で加熱するマイクロ波加熱装置に関する。
代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジは、代表的な被加熱物である食品を直接加熱できるので、鍋や釜を準備する必要がないという簡便さがあり、生活する上で不可欠ともいうべき調理器具になっている。これまでの電子レンジは、マイクロ波が放射される加熱室の食品を収納する空間の大きさが、幅方向および奥行き方向に300〜400mm、高さ方向に凡そ200mm程度のものが一般に普及している。従来、加熱室底面に設けた一つの放射アンテナを回転駆動させることで加熱の均一性を高める電子レンジがあるが、底面が四角形にも関わらず中央でアンテナを回転させるために、四隅に放射されるマイクロ波はダイレクトには負荷に入らず、壁面まで到達して乱反射してから負荷に入ることになる。これを抑制するために、アンテナ周囲の特に四隅に導体からなる反射板を設け、アンテナから放射されたマイクロ波をいち早く反射させて負荷に導くものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−235162号公報
上記従来の構成においては、例えば図13に示す電子レンジのように、回転アンテナ24を加熱室25の中心に配置し、各コーナー部分に加熱室底面と一体化された反射板26をたてている。反射板26は図14に示す通り、本体27と本体27から直角に折り曲げられた接続部28とからなり、接続部28は加熱室底面29とスポットあるいはカシメ加工により一体化されている。図13では導波管30が庫内中央(図13の上下方向のセンター)に配置されているため、導波管30と反射板26の位置がオーバーラップしない。よって加熱室底面29と導波管30の接続位置と、加熱室底面29と反射板26の接続位置とは、互いに干渉することなくそれぞれ容易に接続することができている。しかし他の部品配置との兼ね合いで導波管30を端に寄せないといけないことも想定され、もし導波管30と反射板26がオーバーラップすれば、容易には接続できなくなってしまう。たとえば加熱室底面29、導波管30、反射板26がいずれも導体からなるとき、これら三つの部品を重ねて同時にスポットするとかカシメ加工すると、二つの部品を重ねてスポット等する場合に比べて外れやすいことが考えられる。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、導波管と接続される加熱室壁面の反対面に導体部を接続する必要のあるマイクロ波加熱装置において、導波管と導体部の位置がオーバーラップするときでもこれらを確実に接続することができるマイクロ波加熱装置の提供を目的とする。
本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記マイクロ波発生部から前記加熱室にマイクロ波を伝播すると共に前記加熱室を構成する加熱室壁面と接続される導波管と、前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の回転アンテナと、板体で形成され前記導波管と接続される前記加熱室壁面の反対面に一体化された導体部を有し、前記導体部は、前記複数の回転アンテナ間に配置され、マイクロ波の集中を防ぐ整合板を為す構成とした本体と、前記加熱室壁面に少なくとも二箇所で接続される接続部と、前記接続部の前記少なくとも二箇所で接続される間に構成されると共に前記導波管と前記加熱室壁面の接続位置が位置するように前記板体を切り込むことで形成した回避部とを有する構成としたものである。
この構成により、回避部にて導波管と加熱室壁面とを接続することで、導体部の加熱室
壁面への接続と、導波管と加熱室壁面との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。その結果、加熱室壁面、導波管、導体部の三部品を重ねて同時に接続加工する(スポットするとかカシメ加工する)と二部品をスポット等する場合に比べて外れやすいが、それぞれ二部品づつの加工に分けることができるので外れにくい効果がある。
本発明によれば、導波管と接続される加熱室壁面の反対面に一体化される導体部において、加熱室壁面に接続される接続部と、導波管と加熱室壁面の接続位置を回避する回避部とを有する構成としたので、回避部にて導波管と加熱室壁面とを接続することで、導体部の加熱室壁面への接続と、導波管と加熱室壁面との接続を互いに邪魔にならずに別々に行うことができる。その結果、加熱室壁面、導波管、導体部の三部品を重ねて同時に接続加工する(スポットするとかカシメ加工する)と二部品をスポット等する場合に比べて外れやすいが、それぞれ二部品ずつの加工に分けることができるので外れにくい効果がある。
第1の発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記マイクロ波発生部から前記加熱室にマイクロ波を伝播すると共に前記加熱室を構成する加熱室壁面と接続される導波管と、前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の回転アンテナと、板体で形成され前記導波管と接続される前記加熱室壁面の反対面に一体化された導体部を有し、前記導体部は、前記複数の回転アンテナ間に配置され、マイクロ波の集中を防ぐ整合板を為す構成とした本体と、前記加熱室壁面に少なくとも二箇所で接続される接続部と、前記接続部の前記少なくとも二箇所で接続される間に構成されると共に前記導波管と前記加熱室壁面の接続位置が位置するように前記板体を切り込むことで形成した回避部とを有する構成としたものであり、回避部にて導波管と加熱室壁面とを接続することで、導体部の加熱室壁面への接続と、導波管と加熱室壁面との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。その結果、加熱室壁面、導波管、導体部の三部品を重ねて同時に接続加工する(スポットするとかカシメ加工する)と二部品をスポット等する場合に比べて外れやすいが、それぞれ二部品づつの加工に分けることができるので外れにくい効果がある。
また、容易に回避部を実現することができ、二箇所の接続部により導体部と加熱室壁面の接続強度を維持したままで、導波管と加熱室壁面との接続を回避することができる。
さらに、整合板の配置が複数の回転アンテナ間に限定される場合に、整合板と導波管とがオーバーラップする位置になったとしても、整合板の加熱室壁面への接続と、導波管と加熱室壁面との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。
2の発明のマイクロ波加熱装置は、加熱室壁面と導体部を一体化したのちに加熱室壁面と導波管を接続するものも含まれ、このような方法をとることにより、滞りなく導体部の加熱室壁面への接続と、導波管と加熱室壁面との接続を実現できる。もし順番を逆にすると、導波管が邪魔となって導体部が接続できないため、導波管に穴をあけて接続冶具を差し込むなどの工夫が必要になる。
3の発明のマイクロ波加熱装置は、加熱室壁面と導体部を一体化する時のバリ方向を加熱室の内側向きとすることで、導波管の内側にバリを出さないようにしたものも含まれ、これにより、電界強度が常に強い導波管内にバリ発生するのを防ぐことができる。またバリが導波管の壁面に当たるのを防ぐこともできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明に係る実施形態のマイクロ波加熱装置である電子レンジの概略構成を示す図であり、図1は上方から見た平断面図、図2は正面から見た正断面図である。
図1において、本実施形態の電子レンジは、代表的なマイクロ波発生部であるマグネトロン1と、マグネトロン1から放射されるマイクロ波を伝播する導波管2と、導波管2の上部に接続された加熱室3と、加熱室3内に固定されて代表的な被加熱物である食品4を載置する載置台5と、載置台5より下方に形成されたアンテナ空間6と、加熱室3の中心から略等距離の底面に設けた2つの結合孔7、7と、アンテナ空間6内に配されて結合孔7、7を中心に回転可能な回転アンテナ8、8と、嵌合させた駆動軸を介して回転アンテナ8、8を駆動する駆動部としてのモータ9、9と、モータ9、9の回転、停止を制御する制御部10を備える構成である。
また、本実施形態の電子レンジは、設定手段11を備え、使用者が食品や調理内容に応じて調理メニューを選択することができる。そして、この選択結果に基づき、制御部10はマグネトロン1を制御してマイクロ波の発生や停止を行うとともに、モータ9を制御して回転アンテナ8、8の回転や停止を制御する。これにより、載置台5に載置された食品4の加熱、調理を行うことができる。
回転アンテナ8は、略L字型をしたパッチアンテナであり、L字形に沿う長手方向を有する平板状の導電性材料から成る放射部81と、結合孔7を貫通し、放射部81と電気的及び機械的に一体化された円筒状の導電性材料から成る結合部82から構成されている。
図3は、放射部81の具体的な形状を例示する平面図である。
図3において、放射部81の結合部82の中心からL字形に沿う長辺81aの長手方向の端部84までの長さは50mmである。一方、長辺の幅30mmの中心線である一点鎖線(以下、基準線という)に沿って結合部82の中心から35mmの位置で角度83.62°をなしてL字状に曲がり、そこから45mm行ったところの放射部81のL字形に沿う短辺81bの端部83の沿面が、結合部82を中心とする半径60mmからなる円弧の一部をなすように構成されている。
放射部81の平面視全体形状をL字型と把握した場合、長辺81aは、結合部82と結合した第1の部分として定義づけられ、一方、短辺81bは、当該第1の部分と交差した第2の部分として定義づけられる。尚、放射部の各部分(第1の部分、第2の部分)の長手方向の長さは、上述したように、放射部の幅方向の中心に位置した一点鎖線で示した基準線の長手方向の長さによって定義づけることができる。
この形状によると、結合部82を中心とする放射部81の回転直径は120mmとなり、これはマイクロ波の波長(一波長)に相当し、加熱室4の広さからアンテナが回転する際の直径がマイクロ波の一波長以下に制限される場合であっても、使用することが可能な寸法である。
すなわち、本実施形態において、放射部81は、第1の部分(長辺81a)と第2の部分(短辺81b)という互いに交差する二つの部分を有しているため、回転直径で制約された狭い空間でも、単なる回転直径または回転半径よりも、実質的に大きな長さ(基準線に沿った長さ)が確保されている。具体的には図3において、回転半径は60mmだが、半径に対応した実質的な放射部の長さは35+45mm=80mmである。従って狭い空間でも、指向性の強いマイクロ波を放射することが可能となると考えられる。
ただし放射部81はL字型のために、放射部全体としての指向性は長手方向からは少し曲げられて、実矢線85のような向きとなる。
次に整合板12(導体部)の構成について説明する。特に図1の実矢線13の方向から見た図を図4に示すが、図4では右側の回転アンテナ8の放射部81の端部83が最も整合板12に接近している場合を示す。
整合板12(導体部)は、ステンレスや鉄あるいはメッキされた鋼板など導電性材料の板体即ち導体部からなり、加熱室底面31上にスポットあるいはカシメなどによって一体化されている。整合板12(導体部)の配置は、複数の回転アンテナ8、8間に位置するもので、特に図1右側のアンテナ8の外周(すなわち端部83の駆動領域)の軌跡を破線14であらわしたときに、その接線方向に長手方向(30mm)を向けて配置している。
整合板12(導体部)の形状は、図4の通り、加熱室底面31上に一体化される接続部121、鉛直方向の本体122、右側の回転アンテナ8の放射部81側に向けて折り曲げられた先端部123から構成されている。ここで放射部81が加熱室底面31から10mmの距離にあり、本体122の高さが14mm、先端部123の曲げ寸法が5mm、先端部123から放射部81までの水平方向の距離を4mm、また図1に示したように長手方向を30mmとしている。
次に整合板12(導体部)の効果について説明する。図5は冷凍しゅうまい15個を800W出力で3分間加熱したときの温度データを示し、図5(a)は整合板12が無い状態、図5(b)は整合板12が有る状態での結果を示している。図に示した数値は加熱終了後の各しゅうまいの中心部分の温度であり、15個の最高から最低までの温度差が、図5(a)では31K、図5(b)では22Kとなり、整合板12によって温度むらが改善した。さらに図5(a)の整合板12無しの時は右奥のしゅうまい二つがオーバークックでくっついて斜線部15の部位が少し硬くなったが、図5(b)の整合板12有りの時はそういうことは起こらなかった。つまり整合板12によってしゅうまいの局部的なオーバークックが解消された。ちなみにしゅうまい、回転アンテナ8、8、回転アンテナの外周14、整合板12の位置関係を重ねて記載してみると図6のようになり、図5(a)で示したオーバークックの斜線部15はまさに回転アンテナの外周14上となり右側の回転アンテナ8の端部83が通る場所であるとわかる。よってこの近傍に整合板12を配置することでマイクロ波の少なくとも一部を反射させ、電界集中を回避することにより、局部的なオーバークックを防止することができたと考えられる。ちなみに回転アンテナ8の端部83の外周14はほかのしゅうまいの近傍も通るし、さらに左側のアンテナの外周でオーバークックが起こっても不思議ではない。それなのに斜線部15だけがオーバークックになった理由を考察すると、これは回転アンテナだけで決まるのではなく、電子レンジの加熱室がマイクロ波が閉じ込められる空洞共振器であり、定在波も起こるので、定在波が強い場所でかつアンテナ先端も通過するような場所が最もオーバークックになりやすいと考えられる。
以上まとめると、本実施の形態において、複数の回転アンテナ8、8間に整合板12(導体部)を配置したので、回転アンテナ8、8が向き合う時のマイクロ波の少なくとも一部を反射させることができ、結果として回転アンテナ8、8の端部83近傍の電界集中を分散させて、しゅうまいの局部的なオーバークックを防止することができる。
特に、整合板12(導体部)は右側の回転アンテナ8の外周14に対して接線方向に配置したので、整合板12が右側の回転アンテナ8に対向することになり、右側の回転アンテナ8から放射されるマイクロ波を効果的に反射させることができ、右側の回転アンテナ
8の端部83近傍の電界集中を分散させて、しゅうまい右奥の局部的なオーバークックを防止することができる。
また、整合板12は右側の回転アンテナ8側を向く先端部123を有する構成により、より一層整合板12の効果を高めることができる。これは回転アンテナ8の端部83から放射されたマイクロ波が整合板12の本体(立壁部)122で反射されてそのまま上に向かう反射波を抑制、及び回転アンテナ8の端部83から直接斜め上方に向けて放射されるマイクロ波の一部を抑制するためと推察される。
さらに、制御部が、右側の回転アンテナ8の指向性の強い向きを整合板12に向けて停止させるよう制御する構成により、最も整合板12の効果を高めることができる。
なお、整合板12を複数の回転アンテナ8、8間に配置する、という意味は、図1の配置を含むもので、整合板12が一方のアンテナから見て他方のアンテナ側にあれば、ある程度効果があると考えられる。
また、回転アンテナ8、8が向き合う、という意味は、たとえば図1のような向きに代表されるが、アンテナの指向性は実矢線85の向きに強いとは言うもののある程度幅を持ってマイクロ波を放射することになるので、図1の向きだけに限定されるものではなく、直角方向(実矢線85が図1の上向きまたは下向き)よりも他のアンテナ側を向いていれば向き合っているものとし、ある程度効果があると考えられる。特にパッチアンテナの場合、長手方向に指向性が強くなるので、おおむね長手方向が直角よりも他のアンテナ側を向けば効果があると考えられる。
次に整合板12の加熱室壁面への接続について説明する。図7は図1の要部拡大構成図で、整合板12と導波管2の一部(加熱室底面31の下側にあるので破線で示す)を記載している。図8は図7の実矢線16から見た断面図である。
導波管2と接続される加熱室壁面31の反対面に一体化された整合板12(導体部)は、本体122と、加熱室壁面31に接続される接続部121と、導波管2と加熱室壁面31の接続位置を回避する回避部124とを有している。接続部121には加熱室底面31との二箇所の接続ポイントとしてカシメ部125、125があり、回避部124は接続部121の中央部分でカシメ部125、125間に位置しており、接続部121を形成する板体を切り込むことによって構成している。なお前述の通り、整合板12(導体部)は、複数の回転アンテナ間に配置され、整合板12(導体部)の本体122および先端部123は、マイクロ波の集中を防ぐためのものである。
また、整合板12(導体部)や導波管2を加熱室壁面31に一体化する際の製造方法としては、加熱室壁面31と整合板12(導体部)をカシメ部125、125を介してカシメ加工で一体化したのちに、加熱室壁面31と導波管2を多数のスポットポイント17にてスポット溶接で接続する方法としている。ちなみに導波管2のスポットポイント17間の距離は、距離が大きくなるとその間に隙間が生じてマイクロ波が漏れやすくなるので、理想的には小さいほど良いわけだが、できるだけ15〜20mm程度のピッチ、広くても30mm程度のピッチでスポットされる。また導波管2に関して付け加えると、正確には、導電性を有する板体18と加熱室壁面31とをスポットすることで両者の間で構成される閉空間が導波管2として作用することになる。さらに、加熱室壁面31と整合板12(導体部)をカシメ加工により一体化する時のカシメ部125、125のバリ方向(突出方向)を加熱室の内側向き(図8の上向き)とすることで、導波管2の内側にバリを出さないようにしている。
以上、整合板12(導体部)の加熱室壁面への接続について説明したので、その効果について説明を加える。回避部124にて導波管2を形成する板体18と加熱室壁面31とを接続することで、整合板12(導体部)の加熱室壁面31への接続と、導波管2を形成する板体18と加熱室壁面との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。その結果、加熱室壁面31、導波管2、整合板12(導体部)がいずれも導体からなるので、三部品を重ねて同時に接続加工する(スポットするとかカシメ加工する)と二部品をスポット等する場合に比べて外れやすいが、本実施の形態ではそれぞれ二部品ずつの加工に分けることができるので外れにくい効果がある。
また、二箇所の接続ポイントとしてのカシメ部125、125で接続することにより整合板12(導体部)と加熱室壁面31の接続強度を維持したままで、導波管2を形成する板体18と加熱室壁面との接続ポイントを回避することができる。
また、接続部121を形成する板体を切り込むことによって回避部124を構成するので、容易に回避部124を実現することができる。
また、整合板12の配置が複数の回転アンテナ間に限定されることが多く、整合板12と導波管2とが図7のようにオーバーラップする(図8では左右方向に重なる)位置になったとしても、整合板12の加熱室壁面31への接続と、導波管2を形成する板体18と加熱室壁面31との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。
また、加熱室壁面31と整合板12(導体部)をカシメ部125、125を介してカシメ加工で一体化したのちに、加熱室壁面31と導波管2を多数のスポットポイント17にてスポット溶接で接続する製造方法により、滞りなく整合板12(導体部)の加熱室壁面31への接続と、導波管2を形成する板体18と加熱室壁面31との接続を実現できる。もし順番を逆にすると、導波管2が形成されたあとに整合板12と加熱室壁面31のカシメ加工をしなければならず、導波管2が邪魔となって図8の右側のカシメ部125をカシメ加工で接続することができないため、導波管2に穴をあけて接続冶具を差し込むなどの工夫が必要になる。
また、カシメ部125、125のバリ方向(突出方向)を加熱室の内側向き(図8の上向き)とすることで、特に右側のカシメ部125によっても導波管2の内側にバリ(突出部)を出さない製造方法により、電界強度が常に強い導波管2内にバリを出させず、バリ先端と導波管壁面間のスパークが起こりやすくなるのを防ぐことができる。さらに、もし図8で右側のカシメ部125のバリ方向(突出方向)が下向きなら、導波管2を形成する板体18と当たって導波管2を接続できない可能性があるが、これを防ぐこともできる。
図9は、回転アンテナの放射部の変形例を示す平面図であり、(a)は鎌状に形成した短辺を有することにより、短辺端部の沿面長さを大きくして、端部先端側から放射されるマイクロ波の指向性を強くしたものである。また、(b)はT字形に沿う短辺を形成することで、短辺端部の沿面長さを更に大きくし、端部先端側から放射されるマイクロ波の指向性を強くしたものである。(c)は短辺をピッケル状に形成することにより、短辺端部の沿面長さを大きくするとともに、短辺の幅を細身にしてマイクロ波の電界を集中させ、放射指向性を高めようとするものである。
(実施の形態2)
図10は、本発明に係る実施形態のマイクロ波加熱装置である電子レンジの概略構成を示す図であり、上方から見た平断面図である。
図10は一つの回転アンテナ19を加熱室底面31の中心に配置し、各コーナー部分に
加熱室底面31と一体化した反射板20、21を構成している。反射板20、21は、本体201、211と本体201、211から直角に折り曲げられた接続部202、212とからなり、接続部202、212は加熱室底面31とスポットあるいはカシメ加工により一体化されている。図10では導波管2が庫内中央から図10の右下方向に配置されているため、導波管2と反射板のひとつ21(導体部)の位置がオーバーラップしている。そこでこの反射板21(導体部)は、図11に示すように他の反射板20とは異なり、導波管2と加熱室壁面31の接続位置を回避する回避部213を有する構成としている。接続部212、212は二箇所あり、回避部213を接続部212、212の間に形成した。また回避部213は、接続部212から本体211にかけて板体を切り込んで構成した。また、前述の通り、反射板21(導体部)は、回転アンテナ19の周囲で加熱室3のコーナー部に配置され、本体211でマイクロ波を反射する構成である。
また、反射板21(導体部)や導波管2を加熱室壁面31に一体化する際の製造方法としては、加熱室壁面31と反射板21(導体部)をスポットポイント22を介してスポット溶接で一体化したのちに、加熱室壁面31と導波管2を多数のスポットポイント(図示せず)にてスポット溶接で接続する方法としている。
さらに、加熱室壁面31と反射板21(導体部)をスポット加工により一体化する時のバリ方向(突出方向)を加熱室の内側向き(図11の上向き)とすることで、導波管2の内側にバリを出さないようにしている。
以上、反射板21(導体部)の加熱室壁面への接続について説明したので、その効果について説明を加える。反射板21(導体部)は、他の反射板20とは異なり、導波管2と加熱室壁面31の接続位置を回避する回避部213を有する構成としたので、回避部213にて導波管2と加熱室壁面31とを接続することで、反射板21(導体部)の加熱室壁面31への接続と、導波管2と加熱室壁面31との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。その結果、加熱室壁面31、導波管2、反射板21(導体部)の三部品を重ねて同時に接続加工する(スポットするとかカシメ加工する)と二部品をスポット等する場合に比べて外れやすいが、それぞれ二部品ずつの加工に分けることができるので外れにくい効果がある。
また、回避部213を接続部212、212の間に形成したので、二箇所の接続部212、212により、反射板21(導体部)と加熱室壁面31の接続強度を維持したままで、導波管2と加熱室壁面31との接続を回避することができる。
また回避部213は、接続部212から本体211にかけて板体を切り込んで構成したので、容易に回避部213を実現することができる。
また、反射板21(導体部)は、回転アンテナ19の周囲で加熱室3のコーナー部に配置され、本体211でマイクロ波を反射する構成であるが、反射板21(導体部)と導波管2とがオーバーラップする位置になったとしても、反射板21(導体部)の加熱室壁面31への接続と、導波管2と加熱室壁面31との接続を互いに邪魔にならずに別々に接続することができる。
また、反射板21(導体部)や導波管2を加熱室壁面31に一体化する際の製造方法として、加熱室壁面31と反射板21(導体部)をスポットポイント22を介してスポット溶接で一体化したのちに、加熱室壁面31と導波管2を多数のスポットポイントにてスポット溶接で接続する方法としたので、滞りなく反射板21(導体部)の加熱室壁面31への接続と、導波管2と加熱室壁面31との接続を実現できる。もし順番を逆にすると、導波管が邪魔となって導体部が接続できないため、導波管に穴をあけて接続冶具を差し込む
などの工夫が必要になる。
さらに、加熱室壁面31と反射板21(導体部)をスポット加工により一体化する時のバリ方向(突出方向)を加熱室の内側向き(図11の上向き)とすることで、導波管2の内側にバリを出さないようにした製造方法により、電界強度が常に強い導波管2内にバリ発生するのを防ぐことができる。またバリが導波管2の壁面に当たるのを防ぐこともできる。
なお他の実施の形態として、導体部の強度に問題が無ければ、図12のように導体部23には本体231と接続部232を一つだけ構成して、接続ポイント232にて接続し、回避部233を構成することも考えられる。
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
特に、アンテナについて、複数のアンテナが異なる構成でも良いし、回転導波管で構成しても良い。また整合板を複数個配置することなども容易に考えられる。
また、整合板や反射板以外でも何らかの導体部を加熱室内に構成することがあるかもしれないし、導波管以外の何らかの部品を加熱室外で導体部とオーバーラップする位置に構成することがあるかもしれない。本発明はこのような場合に応用可能である。
本発明のマイクロ波加熱装置は、複数の回転アンテナの向きにより加熱分布を制御する場合に局部的なオーバークックを防ぐ効果を有し、マイクロ波を使用する調理器具としての電子レンジ、オーブンレンジ、各種誘電体の加熱、解凍装置であるとか、マイクロ波を使用する半導体装置、乾燥装置などの工業分野での加熱装置、陶芸加熱、焼結あるいは生体化学反応等の用途等に有用である。
本発明の実施形態1におけるマイクロ波加熱装置の概略構成を示す平断面図 同、マイクロ波加熱装置の概略構成を示す正断面図 同、マイクロ波加熱装置の回転アンテナの形状を示す平面図 同、マイクロ波加熱装置の整合板の形状を示す正面図 (a)は従来のマイクロ波加熱装置のしゅうまいの温度分布を示す特性図、(b)は本発明の実施形態におけるマイクロ波加熱装置のしゅうまいの温度分布を示す特性図 回転アンテナ、整合板、しゅうまいの配置を示す平面図 本発明の実施形態1におけるマイクロ波加熱装置の整合板近傍の平面図 同、マイクロ波加熱装置の整合板近傍の正断面図 (a)(b)(c)は本発明の他の実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の回転アンテナ構成を示す平面図 本発明の実施形態2におけるマイクロ波加熱装置の概略構成を示す平断面図 同、マイクロ波加熱装置の整合板の斜視図 本発明の他の実施の形態におけるマイクロ波加熱装置の整合板の斜視図 従来のマイクロ波加熱装置の概略構成を示す平断面図 同、マイクロ波加熱装置の整合板の斜視図
1 マグネトロン(マイクロ波発生部)
2 導波管
3 加熱室
8、19 回転アンテナ
12 整合板(導体部)
21 反射板(導体部)
23 導体部
31 加熱室壁面
121、212、232 接続部
122、211、231 本体
124、213、233 回避部

Claims (3)

  1. マイクロ波を発生するマイクロ波発生部と、
    前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、
    前記マイクロ波発生部から前記加熱室にマイクロ波を伝播すると共に前記加熱室を構成する加熱室壁面と接続される導波管と、
    前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の回転アンテナと、
    板体で形成され前記導波管と接続される前記加熱室壁面の反対面に一体化された導体部を有し、
    前記導体部は、
    前記複数の回転アンテナ間に配置され、
    マイクロ波の集中を防ぐ整合板を為す構成とした本体と、
    前記加熱室壁面に少なくとも二箇所で接続される接続部と、
    前記接続部の前記少なくとも二箇所で接続される間に構成されると共に前記導波管と前記加熱室壁面の接続位置が位置するように前記板体を切り込むことで形成した回避部とを有する構成としたマイクロ波加熱装置。
  2. 加熱室壁面と導体部を一体化したのちに加熱室壁面と導波管を接続する請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 加熱室壁面と導体部を一体化する時のバリ方向を加熱室の内側向きとすることで、導波管の内側にバリを出さないようにした請求項2記載のマイクロ波加熱装置。
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