JP5168575B2 - ボールジョイントの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボールジョイントを製造する方法に関する。
ボールジョイントは、カップ状のハウジング内にボールスタッドの球頭部が収容された構成を有している。ボールスタッドは、球頭部を支点として揺動可能にハウジングに支持されている。ハウジングと球頭部との間には、樹脂シートが介在しており、ボールスタッドの揺動の際には、球頭部が樹脂シートに対して摺動する。
ボールジョイントの組付けでは、球頭部および樹脂シートをハウジング内に嵌め入れた後、ハウジングの一端部を小径になるようにかしめ変形させるかしめ工程が行われる。このかしめ工程により、ボールスタッドおよび樹脂シートのハウジングからの抜止めが達成されるとともに、ボールジョイント内に予圧が付与される(特許文献1参照)。
特開2004−116546号公報
かしめ工程後の樹脂シートには、残留応力が残っている。そのため、かしめ工程後の樹脂シートは、時間に経過につれて、球頭部およびハウジングに応じた形状に変形する(なじみ変形)。そのため、かしめ工程終了後からの経過時間に応じて揺動トルクが異なる。したがって、揺動トルクが製品個体間でばらつくおそれがある。
揺動トルクのばらつきをなくすため、通例、かしめ工程の終了直後に、樹脂シートをなじみ変形させるためのならし工程が実施される。このならし工程では、ボールスタッドをスタッド軸の軸線まわりに回転させる。ボールスタッドの球頭部が回転すると、これに伴って球頭部が樹脂シートと摺動する。これによって、樹脂シートは球頭部の回転に従ってなじみ変形するようになる。
しかしながら、球頭部がスタッド軸の軸線まわりにのみ回転するので、球頭部の樹脂シートに対する摺動軌跡が一定になり、ボールスタッドの回転によって球頭部の形状が樹脂シートに転写されるおそれがある。球頭部の真球度が低い場合は、樹脂シートの内周面の真球度が低くなるおそれがある。このため、ボールスタッドの予圧が製品個体間でばらつき、揺動トルクが製品個体間でばらつくおそれがある。
そこで、本発明は、球頭部の真球度によらずに、良好な揺動トルクを得ることができるボールジョイントの製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、球頭部(23)およびこの球頭部から突出するスタッド軸(24)を備えるボールスタッド(18)と、前記球頭部の外表面を覆うための樹脂シート(17)とが挿入された有底筒状のハウジング(16)を、かしめ変形させるかしめ工程を含むボールジョイント(12)の製造方法であって、前記かしめ工程後に、前記ハウジングを当該ハウジングの中心軸線(C1)まわりに回転させる回転工程と、前記回転工程と並行して実行されて、前記ボールスタッドを前記球頭部の中心を支点として揺動させる揺動工程とを含む、ボールジョイントの製造方法である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この方法によれば、かしめ工程後において、ハウジングを当該ハウジングの中心軸線まわりに回転させると同時に、ボールスタッドを球頭部の中心を支点として揺動させる。このハウジングの回転およびボールスタッドの揺動により、球頭部は互いに交差する2軸まわりに回転し、この球頭部の回転に伴って樹脂シートがなじみ変形する。球頭部が2軸まわりに回転するので、球頭部の樹脂シートに対する摺動軌跡が変化する。このため、球頭部の形状が、樹脂シートのなじみ変形後の形状に転写されない。これにより、球頭部の真球度によらずに、良好な揺動トルクを得ることができる。
また、前記の目的を達成するための請求項2記載の発明は、球頭部(23)およびこの球頭部から突出するスタッド軸(24)を備えるボールスタッド(18)と、前記球頭部の外表面を覆うための樹脂シート(17)とが挿入された有底筒状のハウジング(16)を、かしめ変形させるかしめ工程を含むボールジョイント(12)の製造方法であって、前記かしめ工程後に、前記ボールスタッドを当該ボールスタッドの前記スタッド軸の軸線(C3)まわりに回転させる回転工程と、前記回転工程と並行して実行されて、前記ハウジングを前記球頭部の中心まわりに回動させて、前記ボールスタッドを、前記球頭部の中心を支点として、前記ハウジングに対して相対的に揺動させる揺動工程とを含む、ボールジョイントの製造方法である。
この方法によれば、かしめ工程後において、ボールスタッドをスタッド軸の軸線まわりに回転させると同時に、ボールスタッドを、球頭部の中心を支点として、ハウジングに対して相対的に揺動させる。このハウジングの回動およびボールスタッドの回転により、球頭部は互いに交差する2軸まわりに回転し、この球頭部の回転に伴って樹脂シートがなじみ変形する。球頭部が2軸まわりに回転するので、球頭部の樹脂シートに対する摺動軌跡が変化する。このため、球頭部の形状が、樹脂シートのなじみ変形後の形状に転写されない。これにより、球頭部の真球度によらずに、良好な揺動トルクを得ることができる。
かしめ工程後において、ハウジングを当該ハウジングの中心軸線まわりに回転させると同時に、この中心軸線と交差する軸線まわりにボールスタッドを揺動させる。
これらのボールジョイントは、ステアリング装置のタイロッドの端部に設けられるタイロッドエンド用のボールジョイントであることが好ましい。タイロッドエンド用ボールジョイントでは、タイロッドの左右の動きに伴って、ボールスタッドがハウジングに対して揺動することが多い。この場合、ボールジョイントに実際の使用状況に近い動作を行わせることにより、樹脂シートをなじみ変形させることができる。これにより、ボールジョイントが、より一層良好な揺動トルクを得ることができる。
また、前記回転工程および前記揺動工程は、常温よりも温度の高い高温雰囲気中において実行されることが好ましい(請求項3)。
この方法によれば、高温雰囲気下で回転工程および揺動工程が行われるので、樹脂シートのなじみ変形が促進される。
高温雰囲気の好適温度は、樹脂シートの種類に応じて異なっている。樹脂シートがPOM(ポリアセタール)である場合は、高温雰囲気の温度は、40℃〜80℃程度であることが望ましい。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる製造方法によって製造されたボールジョイント(インナーボールジョイント)12が搭載されたステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。ステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、転舵輪(図示せず)を転舵する転舵機構としてのラックアンドピニオン機構3とを備えている。
ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介して、ラックアンドピニオン機構3に連結されている。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介してラックアンドピニオン機構3に伝達される。
ラックアンドピニオン機構3は、ピニオン軸6およびラック軸7を備えている。ピニオン軸6は、中間軸5に連結された軸部8と、この軸部8の先端に連結されたピニオン9とを含む。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介してピニオン軸6に伝達される。
ラック軸7は、車両の左右方向に沿って延びている。ラック軸7には、ラック10が形成されている。ピニオン9およびラック10は、互いに噛み合わされている。ピニオン軸6の回転は、ラック10およびピニオン9により、ラック軸7の軸方向移動に変換される。
ラック軸7は筒状のラックハウジング11に挿通されている。ラック軸7の両端部は、それぞれラックハウジング11から突出している。ラック軸7の各端部(いわゆるラックエンド)には、インナーボールジョイント12を介して、タイロッド14の一端が連結されている。また、タイロッド14の他端(いわゆるタイロッドエンド)には、アウターボールジョイント(タイロッドエンド用ボールジョイント)13が設けられている。このアウターボールジョイント13は、ナックルアーム41(図2参照)を介して転舵輪に連結されている。
また、ラックハウジング11の各端部には、筒状のラックブーツ15が配置されている。各ラックブーツ15の一端は、ラックハウジング11の端部に外嵌されており、当該端部に固定されている。また、各ラックブーツ15の他端は、タイロッド14に外嵌されており、当該タイロッド14に固定されている。ラックハウジング11の端部およびインナーボールジョイント12は、対応するラックブーツ15により覆われている。このラックブーツ15によって、水や埃などの異物が、ラックハウジング11内やインナーボールジョイント12内に進入することが防止されている。
操舵操作(回転操作)では、前述したように、ステアリングホイール2の回転がステアリングシャフト4および中間軸5によってピニオン軸6に伝達され、ピニオン9の回転がラック10を通じてラック軸7の軸方向移動に変換される。そのときのラック軸7の軸方向移動は、インナーボールジョイント12を介してタイロッド14に伝えられ、さらに、タイロッド14の動きがアウターボールジョイント13を介してナックルアーム41(図2参照)へと伝えられる。
図2は、インナーボールジョイント12およびアウターボールジョイント13を含むステアリング装置1の一部の断面図である。
インナーボールジョイント12は、ラック軸7の端部に連結されるハウジング16と、このハウジング16内に収容されたカップ状の樹脂シート17と、ハウジング16および樹脂シート17によって揺動可能に支持されたボールスタッド18とを備えている。ハウジング16の底部には、ラック軸7の端部に連結される連結部20が設けられている。
ボールスタッド18は、鋼等の金属製の部材であり、球面状の外表面を有する球頭部23と、この球頭部23から突出するスタッド軸24とが一体的に形成されている。球頭部23は、樹脂シート17に覆われた状態でハウジング16に収容されている。
樹脂シート17は、たとえば、ポリアセタール(POM)を用いて形成されている。ハウジング16内に収容された状態で、球頭部23の外表面およびハウジング16の内面に沿う形状に変形している。樹脂シート17と球頭部23との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。
樹脂シート17には、中心軸線Cと同心の通孔61(図2には図示せず。図3参照)が形成されている。通孔61が形成されているために、球頭部23から樹脂シート17に力が作用したときに、樹脂シート17が弾性的に変形し、その衝撃を緩和させるようになる。通孔61には、グリースなどの潤滑剤が充填されている。
スタッド軸24は、ハウジング16から突出している。このスタッド軸24と、このスタッド軸24に連結されるアウターボールジョイント13に連結されたロッド25とによって、タイロッド14が構成されている。
スタッド軸24の先端部(図2では右端部)には、雄ねじ部26が形成されている。雄ねじ部26は、ロッド25に形成された雌ねじ孔27に螺合されている。雄ねじ部26が雌ねじ孔27に螺合されることにより、ロッド25がボールスタッド18に同軸的に連結されている。
また、雄ねじ部26にはロックナット28が螺合されている。ボールスタッド18およびロッド25は、ロックナット28によって互いに固定されている。また、雌ねじ孔27に対する雄ねじ部26のねじ込み量は、スタッド軸24を回転させ調節し、ロックナット28によって固定されている。雌ねじ孔27に対する雄ねじ部26のねじ込み量を調節することにより、転舵輪のトーイン角を調節することができる。
ボールスタッド18は、球頭部23を支点として、ハウジング16に対して揺動可能となっている。したがって、ラック軸7(図1参照)の軸方向への動きは、軸方向へ直線的にタイロッド14に伝達されるのではなく、インナーボールジョイント12によって揺動する角度方向へ伝達される。
一方、アウターボールジョイント13は、カップ状のハウジング29と、このハウジング29内に収容された樹脂シート30と、ハウジング29および樹脂シート30によって揺動可能に支持されたボールスタッド31とを備えている。
ハウジング29は、樹脂シート30がその内側に配置された円筒32と、この円筒32の一端(図2では下端)を塞ぐように当該一端に固定された閉鎖板33とを含む。円筒32は、例えばロッド25の先端部に一体的に形成されている。
ハウジング29の開放側端部、すなわち、円筒32の他端部(図2で示す上端部)には、その内面が半径方向内方に突出した突出部38が形成されている。そのため、円筒32の他端部(図2では上端部)は、円筒32の他の部分に比べてその内径が小径にされている。突出部38の内面は、球頭部39の外表面に沿う球面状に形成されている。
樹脂シート30は、突出部38と閉鎖板33との間で保持されている。樹脂シート30はカップ状をなしており、ハウジング29内に収容された状態で、球頭部39の外表面に沿う形状に変形している。
ボールスタッド31は、鋼等の金属製の部材であり、球面状の外表面を有する球頭部39と、この球頭部39から突出するスタッド軸40とが一体的に形成されている。球頭部39は、樹脂シート30に覆われた状態でハウジング29に収容されている。樹脂シート30と球頭部39との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。スタッド軸40は、ハウジング32から突出している。
球頭部39は、樹脂シート30に対して摺動可能となっている。また、ボールスタッド31は、ハウジング29の中心軸線まわりに回転可能となっている。アウターボールジョイント13により、タイロッド14の動きをその揺動する角度方向へ向けてナックルアーム41に伝達する。
ハウジング29およびボールスタッド31には、筒状のカバー42が取り付けられている。カバー42の一端は、ハウジング29の開放側端部に外嵌されて、この開放側端部に固定されている。また、カバー42の他端は、ボールスタッド31のスタッド軸40に外嵌されて、このスタッド軸40に固定されている。ハウジング29の開放側端部およびスタッド軸40の一部は、カバー42によって覆われている。このカバー42によって、水や埃などの異物が、アウターボールジョイント13内に進入することが防止されている。
図3は、インナーボールジョイント12の製造方法の一部を示す模式的な断面図である。この製造方法は、嵌入工程(図3(a)参照)と、かしめ工程(図3(b)参照)と、ならし工程とを備えている。
嵌入工程では、一端部16aに開口部44を有する有底円筒状のハウジング16(の製造中間体)内に樹脂シート17および球頭部23が、この順で嵌め入れられる。
次いで、ハウジング16の一端部16a(図3に示す上端部)にかしめ工程が施される。かしめ工程では、次に述べるかしめ装置45を用いた冷間プレス成形(かしめ変形)によって、円筒状のハウジング16の一端部16aが小径にされる。このかしめ工程では、ハウジング16の一端部16aが環状の金型46のかしめ曲面60に押し付けられる。かしめ曲面60は、被加工材(ハウジング16)側から離反する方向に向かうに従って小径になるように湾曲しており、予め定める曲率を有している。ハウジング16の一端部16aの押付けにより、ハウジング16の一端部16aがかしめ曲面60と同じ形状にかしめ変形される。
かしめ工程後は、ならし工程が実施される。これにより、樹脂シート17のなじみ変形が促進される。これにより、製造直後のボールジョイントであっても、良好な揺動トルクを得ることができる。このならし工程は、次に述べるならし装置45を用いて行われる。
図4は、ならし装置45の模式的な断面図である。図5は、図4の矢印Aから見た図である。
ならし装置45は、ならし工程が行われる処理室47を備えている。処理室47は、隔壁で取り囲まれている。処理室47における天面付近の側壁には、高温のエアを処理室47内に流入させるためのエア流入口48が形成されている。また、処理室47における底面付近の側壁には、処理室47内の雰囲気を処理室47外に流出させるためのエア流出口49が形成されている。
エア流出口49には、高温エア供給源からの高温エアが供給される高温エア供給管50が接続されている。高温エア供給管50の途中部には、高温エア供給管50を開閉するためのバルブ51が介装されている。バルブ51が開かれることにより、高温エア供給管50からの高温エアがエア流入口48を介して処理室47内に供給される。処理室47内には、インナーボールジョイント12を保持するための保持部材としてのハウジング保持具52およびボールスタッド保持具53が収容されている。
ハウジング保持具52は有底円筒形状をなしており、その開口部を上方に向けて配置されている。ハウジング保持具52の底面には、第1モータ54の出力軸が固定されている。開口部44を上方に向けた状態で、ハウジング保持具52にハウジング16が内嵌されることにより、ハウジング16がハウジング保持具52に固定的に保持される。このハウジング16の保持状態で、第1モータ54の出力軸は、ハウジング16の中心軸線と同軸である。第1モータ54が回転駆動されると、ハウジング保持具52が回転し、これにともなって、ハウジング16がその中心軸線(回転軸線C1)まわりに回転する。
ボールスタッド保持具53は、長尺形状の本体部55と、本体部55の一端からこの本体部55と直交する水平方向に延びるスタッド軸クランプ56とを備えている。スタッド軸クランプ56は、スタッド軸24のロックナット28をクランプしてボールスタッド18を固定的に保持する。本体部55の他端部には、第2モータ57の出力軸が水平方向に延びる所定の揺動軸線C2に同軸に固定されている。この揺動軸線C2は、ハウジング保持具52に保持された球頭部23の中心を通過する軸線であり、回転軸線C1と直交している。第2モータ57が回転駆動されると、ボールスタッド保持具53およびボールスタッド18(スタッド軸24)が、球頭部23の中心を支点として、揺動軸線C2まわりに揺動する。すなわち、このボールスタッド18は、水平面と直交する所定の面内を移動するようになる。
ならし装置45は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置43を備えている。この制御装置43には、制御対象として、バルブ51、第1モータ54および第2モータ57などが接続されている。
このならし装置45を用いたならし工程について説明する。
ならし工程の前に、バルブ51が開かれて処理室47内に高温雰囲気が流入する。バルブ51の開放は、処理室47内の雰囲気が予め定める温度(たとえば40〜80℃)に到達するまで続行される。
その後、かしめ工程後のインナーボールジョイント12が処理室47内に搬入される。そして、そのインナーボールジョイント12が、スタッド軸24を上向きにして、ハウジング保持具52およびボールスタッド保持具53に保持される。
次に、第1モータ54が回転駆動されて、ハウジング保持具52が予め定める一方向に向けて回転し、これに伴って、ハウジング16が回転軸線C1まわりに回転する。このハウジング16の回転速度は、100〜1000rpmである。
また、第2モータ57が回転駆動されて、ボールスタッド保持具53が所定の揺動軸線C2まわりに揺動されて、ボールスタッド18が、揺動軸線C2まわりに往復揺動する。このボールスタッド18の揺動は、鉛直姿勢から所定角度(たとえば25°)傾斜した第1位置P1と、この第1揺動位置から鉛直姿勢に対して反対側に同じ角度だけ傾斜した第2位置P2との間で行われる。ボールスタッド18の揺動速度は、1回/秒である。
すなわち、ハウジング16が回転軸線C1まわりに回転すると同時に、ボールスタッドを、球頭部23の中心を支点として、回転軸線C1と直交する揺動軸線C2まわりに揺動させる。このハウジング16の回転およびボールスタッド18の揺動により、球頭部23は互いに直交する2軸まわりに回転し、この球頭部23の回転に伴って樹脂シート17がなじみ変形する。球頭部23が2軸まわりに回転するので、球頭部23の樹脂シート17に対する摺動軌跡は一定でなく、常に変化する。したがって、球頭部23の形状が、樹脂17シートのなじみ変形後の形状に転写されない。これにより、球頭部23の真球度によらずに、良好な揺動トルクを得ることができる。
ハウジング保持具52の回転開始から予め定める時間が経過すると、第1および第2モータ54,57がそれぞれ停止されて、ハウジング保持具52の回転およびボールスタッド保持具53の揺動が停止される。
図6は、この発明の他の実施形態にかかるインナーボールジョイント12の製造方法におけるならし工程を説明するための図である。この図6に示すならし工程が、図1〜図5に示す実施形態のならし工程と相違する点は、ボールスタッド18をスタッド軸24の軸線(回転軸線C3)まわりに回転させるとともに、ハウジング16を球頭部23の中心を支点として、回動軸線C4まわりに回動させたことである。この回動軸線C4は、球頭部23の中心を通過する軸線であり、回転軸線C3と直交している。すなわち、ハウジング16の回動により、ボールスタッド18は、球頭部23の中心を支点として、水平面と直交する所定の面内を揺動するようになる。このハウジング16の回動(揺動)およびボールスタッド18の回転により、球頭部23は互いに直交する2軸まわりに回転し、この球頭部23の回転に伴って樹脂シート17がなじみ変形する。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、処理室47を高温雰囲気で充満させることにより、高温雰囲気下でならし工程を行ったが、インナーボールジョイント12の周囲にコイル等の熱源を配置して、この熱源によりインナーボールジョイント12の周囲の雰囲気(処理室47内の雰囲気)を高温にすることもできる。
また、前述の説明では樹脂シート17はポリアセタール製であるとして説明したが、PEEKなどの材料や、ポリウレタンやポリエステルなどのゴム状の材料(エラストマー)を用いて形成されていてもよい。この場合は、処理室47内の雰囲気温度は、樹脂シート17の種類に応じた温度に保たれることが望ましい。
さらにまた、本発明は、アウターボールジョイント13の製造方法にも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態にかかる製造方法によって製造されたボールジョイントが搭載されたステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 インナーボールジョイントおよびアウターボールジョイントを含むステアリング装置の一部の断面図である。 インナーボールジョイントの製造方法の一部を示す模式的な断面図である。 ならし装置の模式的な断面図である。 図4の矢印Aから見た図である。 この発明の他の実施形態にかかるボールジョイントの製造方法におけるならし工程を説明するための図である。
符号の説明
12…インナーボールジョイント(ボールジョイント)、16…ハウジング、17…樹脂シート、18…ボールスタッド、23…球頭部、24…スタッド軸、C1…回転軸線(中心軸線)、C3…回転軸線(軸線)

Claims (3)

  1. 球頭部およびこの球頭部から突出するスタッド軸を備えるボールスタッドと、前記球頭部の外表面を覆うための樹脂シートとが挿入された有底筒状のハウジングを、かしめ変形させるかしめ工程を含むボールジョイントの製造方法であって、
    前記かしめ工程後に、前記ハウジングを当該ハウジングの中心軸線まわりに回転させる回転工程と、
    前記回転工程と並行して実行されて、前記ボールスタッドを前記球頭部の中心を支点として揺動させる揺動工程とを含む、ボールジョイントの製造方法。
  2. 球頭部およびこの球頭部から突出するスタッド軸を備えるボールスタッドと、前記球頭部の外表面を覆うための樹脂シートとが挿入された有底筒状のハウジングを、かしめ変形させるかしめ工程を含むボールジョイントの製造方法であって、
    前記かしめ工程後に、前記ボールスタッドを当該ボールスタッドの前記スタッド軸の軸線まわりに回転させる回転工程と、
    前記回転工程と並行して実行されて、前記ハウジングを前記球頭部の中心まわりに回動させて、前記ボールスタッドを前記ハウジングに対して相対的に、前記球頭部の中心を支点として揺動させる揺動工程とを含む、ボールジョイントの製造方法。
  3. 前記回転工程および前記揺動工程は、高温雰囲気中において実行される、請求項1または請求項2に記載のボールジョイントの製造方法。
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