JP5167691B2 - 車両用パネル装置 - Google Patents

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本発明は、車両用パネル装置に関するもので、さらに詳述すると、本発明は、パネルが車両のルーフパネルに対して固定または可動である車両用パネル装置に関する。
ンルーフに用いられるガラスパネルとしては、大別すると二枚の積層ガラス間にフィルムを配設して成るいわゆる合わせガラスと一枚のガラスに熱処理を施して成るいわゆる強化ガラスが用いられているが、近年、ガラスパネルの飛散防止として、ガラスパネルの車両室内側となる内面にフィルムを貼着したものも知られている。また、この場合のガラスパネルおよび飛散防止フィルムは、ガラスパネルをルーフパネルに対して支持する支持構造体に対して接着剤や接着用フィルムといった接着手段によって取り付けられている(例えば特許文献1参照)。このような構造の場合、フィルムの外周縁はガラスパネルに対してフリーであり、例えば接着剤中に潜り込んで固定された状態となっている。
また、少なくとも一部が透明なガラスパネルを備え、該ガラスパネルの周縁付近において被覆発泡体によってガラスパネルの車両室内側となる内面に取り付けられた支持構造体を備えているという車両のサンルーフも提案されている(例えば特許文献2参照)。この場合、ガラスパネルの内面に貼られている飛散防止フィルムは、例えばガラスパネルの中央部において接着フィルムにより接着され、外周側においては周縁が被覆発泡体の内部に潜り込んだ構造となっている。
特表2006−517876号公報 特表2005−508787号公報
しかしながら、上述したようなパネル構造の場合、飛散防止フィルムの周縁が接着手段中に潜り込んだ構造となっていることもあり、接着領域が三次元的となり多量の接着剤を要することが多い。
また、接着強度に関していえば、飛散防止フィルムの端部においてその両面が接着剤と確実に接着した状態となっているかどうかの確認をすることは困難であり、接着強度の管理を行い難い。この場合、接着精度のばらつきにより、飛散防止フィルムがパネル側あるいは支持構造体側に押し付けられ、フィルム片面のみしか接着剤と接触しないような状態や、接着剤で充填させるべき領域にボイド(空隙)等が発生しており同様にフィルムが接着剤と確実に接触できていないような状態が内部で起こり得る。
そこで、本発明は、飛散防止用等のフィルムを確実に支持しつつ接着剤の必要量を抑えることが可能な構造の車両用パネル装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明は、車両の開口部に対して支持構造体を介してパネルを支持するパネル装置であって、パネルの車両室内側となる内面にフィルム部材が貼り付けられているとともに、該フィルム部材は、支持構造体上に対称配置された支持箇所において当該フィルム部材の一部を部分的に支持され、フィルム部材の一部に、支持箇所において支持されるように車両外側且つパネルの面方向に向けて突出した被支持片が被支持部として形成され、被支持片に透孔が形成されているとともに、該透孔を通じてパネルと支持構造体とが接着剤により接着され、被支持片は、支持構造体よりも車両外側且つパネルの面方向に向けて突出することを特徴としているものである。
従来のパネル装置におけるようにフィルム部材の周縁付近を全周にわたって支持するとすれば、当該周縁に沿って塗布される接着剤の使用量(必要量)は当然にその分だけ多い。この点、例えばガラス飛散防止用のフィルム部材は、ガラスパネルの破損時にガラス飛散を防止しうる程度の状態を維持していれば機能的に足り、全周にわたって支持されていないとしてもかかる状態を維持することは可能である。かかる観点から想到するに至った本発明によれば、飛散防止用等のフィルム部材を確実に支持しつつ接着剤の必要量を抑えることができるようになる
また、このようなパネル装置におけるフィルム部材は、あらかじめ設定された支持箇所において部分的に支持される構造となっている。この場合、全周にわたってフィルム部材が接着剤と確実に接着している必要はなく、これら支持箇所において当該フィルム部材の一部(例えば周縁付近の一部)が接着剤と確実に接着していれば足りるから、フィルム部材と接着剤とが確実に接触できていないような状態が内部で起こるのを回避しやすい。
しかも、このパネル装置は対称配置された支持箇所においてフィルム部材の一部(例えば周縁付近の一部)を支持する構造であるため、例えばパネルの破損時にもフィルム部材をより均等に支持することが可能である。この場合、支持箇所は当該パネルの車両前後方向に沿う中心線を軸として左右に対称配置されていることが好ましい。
また、本発明にかかるパネル装置においては、フィルム部材の一部に、支持箇所において支持されるように外側向きに突出した被支持片が被支持部として形成されている。このような被支持片は、あらかじめ支持構造体上に対称配置されている支持箇所において支持される。さらに本発明においては、このような被支持片が、パネルと支持構造体との間に挟持されている。
このようなパネル装置において、被支持片に透孔が形成されているとともに、該透孔を通じてパネルと支持構造体とが接着剤により接着されていることも好ましい。この場合、パネルと支持構造体とが接着剤によって強固に接着されうることに加え、当該接着剤(の固まり)に被支持片を係止させた構造とすることが可能である。
さらには、フィルム部材の一部に、支持箇所においてパネルと支持構造体との間に挟持されて支持される被支持部が形成されているとともに、当該フィルム部材はその外周縁がパネルの周縁に沿って形成されていることも好ましい。
また、パネルの一部にセラミックコーティングが施されていることも好ましい。例えばセラミックコーティングによって形成された層の粗い表面にフィルム部材を貼り付けることとすれば当該フィルム部材の貼付力をさらに向上させることが可能である。
この場合、セラミックコーティングによりパネルの外周寄り部分に不透明層が形成されていることがさらに好ましい。このような不透明層は、例えばパネルの周縁付近を支持している支持構造体が車両外から見えないようにする目隠しとして機能するから、このパネル装置によって構成されるサンルーフ等の外観を向上させうる。しかも、セラミックコーティングによる不透明層は紫外線を遮って低減させうるから、接着剤が劣化するのを抑えて接着力を維持するという機能も発揮しうる。
本発明にかかる車両用パネル装置によれば、飛散防止用等のフィルムを確実に支持しつつ接着剤の必要量を抑えることが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図12に本発明にかかる車両用ガラスパネル装置の実施形態を示す。このガラスパネル装置1は、車両の開口部に対してガラスパネル3を支持する装置であり、例えば本実施形態ではインナフレーム(支持構造体)2によってこのガラスパネル3を支持することとしている。以下においては、本発明にかかるガラスパネル装置1を乗用車のいわゆるサンルーフに適用した場合の形態について説明する。なお、図1、図12等において当該車両の前方方向(進行方向)を符号Fwで示している。
ガラスパネル3は、ルーフの開口部に対してスライド可能に支持される透光板である。本実施形態のガラスパネル3は車両前方側が広がるように緩やかに湾曲した略矩形であり、例えば運転席および助手席の上方に僅かに後席寄りの位置に設けられている(図1、図12参照)。なお、図1と図12においては左右対称形状のガラスパネル3等について車両前後方向(ガラスパネル3のスライド方向)に沿う車両中心線C(ガラスパネル3の中心線C)よりも右側(運転席側)の半分のみを図示している。このガラスパネル3の車両室内側となる内面には飛散防止フィルム4が貼り付けられている。
飛散防止フィルム4はガラスパネル3が破損した場合に飛散するのを防止するためのフィルム部材である。例えば本実施形態では、樹脂フィルム41とこの樹脂フィルム41をガラスパネル3の内面に貼り付けるための接着用フィルム42とからなるフィルム複合体を飛散防止フィルム4として用いている(図2参照)。樹脂フィルム41は、耐引き裂き性と耐引っ張り性を有し、容易には引き裂かれたり引っ張られて破れたりしないものであることが好ましい。このような樹脂フィルム41の材料としては例えばPETフィルムを用いることができる。また、接着用フィルム42はこのような樹脂フィルム41をガラスパネル3の内面に接着するためのフィルムで、当該樹脂フィルム41と同じ大きさまたはこれより小さく形成されている。このような接着用フィルム42の材料としては例えば合わせガラスの中間膜等に利用されるPVB(ポリビニルブチラール)を用いることができる。なお、図1では飛散防止フィルム4の外形を太い破線で示している。
インナフレーム2は上述したガラスパネル3を支持するための支持構造体であり、特に図示はしていないが、車両のルーフパネルに対してガラスパネル3をスライド可能に支持する。このようなインナフレーム2は、ガラスパネル3の面剛性を補強した状態で支持しうるものであればその具体的構造が特に限定されることはないが、例示すれば本実施形態のインナフレーム2は開口部において前後左右に配置された4本のフレーム2f,2r,2s(,2s)により矩形状に構成されている(図1参照)。これら4本のフレームのうち、車両前方側および後方側に配置される一対のフレーム2f,2rは、下に向かって凸形状の断面チャネル形状に形成されている(図3〜図8参照)。これら断面チャネル形状の上縁は、ガラスパネル3を直接または飛散防止フィルム4を介して支持するためフランジ状に折り曲げられた形状になっている(以下、フランジといい符号21〜24で示す)。また、車両右側(および図示していない左側)に配置されるフレーム2sは断面L字形状のブラケット状に形成されている(図9、図10参照)。上述したガラスパネル3は、このようなインナフレーム2に対して接着剤6で接着され固定されている(図3、図6等参照)。さらに上述した飛散防止フィルム4もその外周部分をインナフレーム2に接着されている。
ここで、本実施形態では、飛散防止フィルム4の外周部を接着剤によりインナフレーム2に接着するにあたり、接着領域の三次元的な広がりを抑えるべく、二次元平面内にて限定した接着領域を設定することとしている。具体的には、インナフレーム2上に対称配置した支持箇所において、飛散防止フィルム4の周縁付近を部分的に支持するようにしている。このような構成の具体例を説明すると以下のとおりである。
すなわち、飛散防止フィルム4は、その周囲に、上述した支持箇所において支持される突出した被支持片4A〜4Eを備えた形状となっている(図1参照)。被支持片4A〜4Eの形状や個数、配置は特に限定されるものではないが、例えば本実施形態の場合には図1に示すように5箇所に設けた略矩形の突出片を被支持片4A〜4Eとしている。5箇所の被支持片4A〜4Eは、車両前方側の2箇所の被支持片4A,4B、車両右側の1箇所の被支持片4C、車両後方側の2箇所の被支持片4D,4Eからなる。なお、図示してはいないが、車両中心線Cを挟んだ反対側(助手席側)にも5箇所の被支持片が上述した被支持片4A〜4Eと対称的に配置されている。
ここで、上述した車両右側の被支持片4Cは飛散防止フィルム4において車両前後方向の中央付近に設けられていてもよいが、本実施形態では中央付近よりも車両前方寄りの位置に設けることとしている(図1参照)。例えば運転席における乗員(ドライバ)の頭部がガラスパネル3の前方右寄りに位置するような構成のガラスパネル装置1においては、車両右側(および左側)の被支持片4Cをこのように車両前方寄りの位置に設けることによってガラス飛散をより有効に抑えることが可能となる。
また、インナフレーム2には、これら被支持片4A〜4Eをそれぞれ支持するための支持箇所2A〜2Eがあらかじめ形成されている(図1等参照)。ここで、これら支持箇所2A〜2Eおよびその他の箇所における支持態様について説明すると以下のとおりである。
まず、車両前方側であって支持箇所2A,2B以外の箇所においては、飛散防止フィルム4はその周縁(前縁)4eがインナフレーム2よりも車両前方側へと突出しないように形成されている(図3参照)。例えば本実施形態の場合、飛散防止フィルム4はインナフレーム2の後側フランジ22と重なっているが前側フランジ21とは重ならない大きさに形成されている。ガラスパネル3は、インナフレーム2の前側フランジ21に対して接着剤6によって直接的に接着されている。
一方、車両前方側の支持箇所2A(2B)においては、飛散防止フィルム4の被支持片4A(4B)がインナフレーム2よりも車両前方側へと突出するように形成されている(図4参照)。この場合、インナフレーム2とガラスパネル3との間には当該被支持片4A(4B)が介在した状態となる。本実施形態においては、インナフレーム2の前側フランジ21と被支持片4A(4B)とを接着剤8で接着している(図4参照)。なお、ガラスパネル3の周縁と車両開口部との間にウレタンリム等のシール材11が設けられる場合もあるが、このような支持構造はシール材11の有無にかかわらず適用することが可能なものである(図4、図5参照)。
ここで、本実施形態では、インナフレーム2の前側フランジ21と被支持片4A(4B)とを接着するための接着剤8として、上述した接着剤6とは異なるものを用いることとしている。すなわち、上述した接着剤6はインナフレーム2に対してガラスパネル3を直接的に接着させているものであり(図4等参照)、このような接着剤6としては例えば熱可塑性であるウレタン接着剤などが用いられる。一方、図3等に示す接着剤8は上述したようにインナフレーム2と飛散防止フィルム4とを接着するために用いられているもので、このような接着剤8としては例えばポリビニルブチラールを含む接着剤などが用いられる。なお、図1や図12においては、ガラスパネル3とインナフレーム2とを接着する接着剤6の塗布領域をハッチングで、飛散防止フィルム4とインナフレーム2とを接着する接着剤8の塗布領域をクロスハッチングで表し、それぞれに符号6,8を付して示している。
次に、車両後方側であって支持箇所2D,2E以外の箇所においては、飛散防止フィルム4はその後縁がインナフレーム2の前側フランジ23に重なる程度の大きさに形成されている(図6参照)。例えば本実施形態の場合、飛散防止フィルム4はインナフレーム2の前側フランジ23の途中までの長さであり、当該前側フランジ23よりも後方へ突出してはいない。ガラスパネル3は、インナフレーム2の前側フランジ23および後側フランジ24に対して接着剤6により直接的に接着されている(図6参照)。
一方、車両後方側の支持箇所2D(2E)においては、飛散防止フィルム4の被支持片4D(4E)がインナフレーム2の前側フランジ23よりも車両後方側へと突出するように形成されている(図7参照)。この場合、インナフレーム2の前側フランジ23とガラスパネル3との間には当該被支持片4D(4E)が介在した状態となる。本実施形態においては、インナフレーム2の前側フランジ23と被支持片4D(4E)とを接着剤8で接着している。ガラスパネル3は、インナフレーム2の後側フランジ24に対して接着剤6により直接的に接着されている(図7参照)。なお、ガラスパネル3の周縁と車両開口部との間にウレタンリム等のシール材11が設けられる場合があるのは上述したとおりであるが、この支持構造はシール材11の有無にかかわらず適用することが可能なものである(図7、図8参照)。
続いて、車両右側の支持箇所2Cにおいては、飛散防止フィルム4の被支持片4Cがインナフレーム2よりも車両右側へと突出するように形成されている(図10参照)。この場合、インナフレーム2とガラスパネル3との間には当該被支持片4Cが介在した状態となる。本実施形態においては、このインナフレーム2と被支持片4Cとを接着剤8で接着している(図10参照)。
これに対し、車両右側であって支持箇所2C以外の箇所においては、飛散防止フィルム4はその右縁がインナフレーム2のフランジ(符号25で示す)に一部重なる程度の大きさに形成されている(図9参照)。例えば本実施形態の場合、飛散防止フィルム4はインナフレーム2のフランジ25の途中までの長さであり、当該インナフレーム2よりも右側へ突出してはいない。ガラスパネル3は、インナフレーム2に対して接着剤6により直接的に接着されている(図9参照)。
なお、ここまでは被支持片4A〜4Eを単に略矩形に形成している場合について説明したが、これら被支持片4A〜4Eに透孔5を設けることも好ましい(図11参照)。この場合、該透孔5を通じてガラスパネル3とインナフレーム2とが接着剤6によって部分的にかつ直接的に接着されていれば、ガラスパネル3とインナフレーム2とが接着剤6によって強固に接着されることに加え、当該接着剤6(が固化した固まり)に被支持片4A〜4Eを係止させた構造とすることができるから、当該被支持片4A〜4Eを介して飛散防止フィルム4を確実に支持することが可能である。つまり、当該接着剤6の界面接着強度のみならず、接着剤6の材料破断強度をも加えた状態で被支持片4A〜4Eを支持できる点で好適である。
また、飛散防止フィルム4の外周部においては、当該飛散防止フィルム4の周縁4eにインナフレーム2のエッジ部や平面部をあてがう構成とすることも好ましい。こうした場合、飛散防止フィルム4の周縁4eが徐々に剥がれるのを未然に防ぐことが可能となる。
さらに、ガラスパネル3の少なくとも一部にセラミックコーティングが施されていることも好ましい。セラミックコーティングが施された部分の表面は粗くなるから、当該粗い表面に飛散防止フィルム4を貼り付けることとすれば当該飛散防止フィルム4の貼付力をさらに向上させることができる。また、かかるセラミックコーティング層によれば、ガラスパネル3の所定領域に不透明層を形成することもできる。例えば本実施形態では、ガラスパネル3の周縁に沿った外周寄り部分を周回するようにセラミックコーティングを施し、上述したインナフレーム2の上部に不透明層を形成することとしている(図1の符号7参照)。こうした場合のセラミックコーティング7の層は、ガラスパネル3を支持しているインナフレーム2を車外から見えなくする目隠しとして機能するから、上述したようなガラスパネル装置1によって構成される車両のサンルーフ等の外観を向上させうる点で好適である。加えて、当該セラミックコーティング7による不透明層は、外部からの紫外線を遮って入射量を低減させうるから、紫外線の影響を受けて接着剤6,8が劣化するのを抑えて接着力を維持するという機能も発揮しうる。
ここまで説明したように、本実施形態のガラスパネル装置1においては、飛散防止フィルム4を被支持片4A〜4Eを有するいわば凹凸形状に形成するとともに、凹部(被支持片4A〜4Eが形成されていない部分)においては接着剤6を用いてガラスパネル3をインナフレーム2に直接的に接着し、凸部(被支持片4A〜4Eが形成されている部分)においてはこれとは異なる接着剤8を用いてこれら被支持片4A〜4Eをインナフレーム2に接着するようにしている。例えば従来構造におけるように飛散防止フィルム4の周縁付近に全周にわたって塗布するとすれば、当該飛散防止フィルム4を支持するために要する接着剤の量がその分だけ多くなる。この点、本実施形態では、ガラスパネル3の破損時におけるガラス飛散を防止しうる程度の状態は維持しつつ、飛散防止フィルム4の周囲を部分的に支持する構造としていることから、当該飛散防止フィルム4の支持に必要な接着剤の使用量を抑えることが可能である。当然ながら、これによればガラスパネル装置1の台数あたりの接着剤使用量を低減させることも可能である。さらには、接着剤の塗布に要する工程や時間をも抑えることが可能となる。
また、上述のような構造のガラスパネル装置1においては、接着剤6,8による接着強度の管理が容易になるという利点もある。すなわち、ガラスパネル3とインナフレーム2との接着範囲、飛散防止フィルム4とインナフレーム2との接着範囲を明確に分離することにより(図1、図12参照)、それぞれの接着範囲において必要な接着強度を個別に管理することができ、尚かつ管理しやすい。例えば従来においてはガラスパネル3とインナフレーム2とを接着平面の管理(例えば接着領域の幅管理)により接着強度を一律的に確保する場合もあり得たが、本実施形態においてはこのように接着強度を接着範囲ごとに管理することにより、必要な強度を確保しつつ接着剤の使用量をさらに抑えることも可能である。
さらに、上述したガラスパネル装置1によれば採光面積が減少するのを抑えることができるという点でも好適である。すなわち、従来構造であれば、ガラスパネル3に必要な接着範囲を設定したうえで飛散防止フィルム4の接着に必要な範囲をさらに設定している場合があり、この結果、インナフレーム2における接着範囲が増大し、ガラスパネル3の不透明部分(セラミックコーティングを施して目隠しする範囲)が広がって採光面積が減少することがあり得る。この点、本実施形態のガラスパネル装置1によれば、飛散防止フィルム4の外形をいわば凹凸形状とし、凸部(被支持片4A〜4E)では飛散防止フィルム4とインナフレーム2のみを接着し、一方で凹部(被支持片4A〜4E以外の部分)ではガラスパネル3とインナフレーム2のみを接着し、両接着範囲を直列に配置することが可能となっている。つまり、こうした場合には従前のように接着範囲を二列重ねて配置する必要がなく、ガラスパネル3の透明部分(具体的には、セラミックコーティング7の内周縁よりも内側の部分)の範囲を確保しやすい。
しかも、本実施形態では対称的に配置された支持箇所において飛散防止フィルム4の周縁付近を支持することとしているため(図1参照)、ガラスパネル3の破損が生じた際にも飛散防止フィルム4をより均等に支持することが可能である。つまり、飛散防止フィルム4の周縁付近を部分的に支持しながらも、破損したガラスパネル3が飛散するのを従前と同様に抑えることが可能な構造となっている。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、飛散防止フィルム4は、インナフレーム2の外側からガラスパネル3の周縁3eまでの範囲に延長し、ガラスパネル3の下面全体を大きく覆う構造であってもよい(図13、図14参照)。例えば、飛散防止フィルム4の周縁4eが外部リム等のシール材11の内部に挿入されている構造とすることも可能で、これによりガラスパネル3の全面に対して破損時の飛散を防止することが可能となる。また、当該飛散防止フィルム4の周縁4eをシール材11の内部に潜り込ませた構造とすれば、飛散防止フィルム4が周縁4eから徐々に剥がれるのを未然に防ぐこともできる。例えば図13と図14に示すガラスパネル装置1においては、飛散防止フィルム4の一部に、支持箇所2A〜2Eにおいてガラスパネル3とインナフレーム2との間に挟持されて支持される被支持部4A〜4Eが形成されており、尚かつ飛散防止フィルム4はその外周縁4eがガラスパネルの周縁3eに沿って形成されている。換言すれば、この飛散防止フィルム4はガラスパネル3と同等の外形をもち、尚かつ接着剤6によってインナフレーム2とガラスパネル3とが直接的に接着される部位においてはインナフレーム2の形状に沿った孔が設けられた形状となっている(図13参照)。
本発明の一実施形態を示す車両用ガラスパネル装置の平面図である。 図1のII-II線(車両中心線)におけるガラスパネルの構造を示す断面図である。 図1のIII-III線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 図1のIV-IV線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 図4に示したガラスパネルの周縁と車両開口部との間にシール材が設けられている場合の構造を示す図である。 図1のVI-VI線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 図1のVII-VII線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 図7に示したガラスパネルの周縁と車両開口部との間にシール材が設けられている場合の構造を示す図である。 図1のIX-IX線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 図1のX-X線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。 飛散防止フィルムの被支持片に透孔を設ける場合の一形態を拡大して示す部分平面図である。 本実施形態のガラスパネル装置の構造を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態を示すガラスパネル装置の平面図である。 図13のXIV-XIV線におけるインナフレーム、ガラスパネル、飛散防止フィルム等の構造を示す断面図である。
符号の説明
1…ガラスパネル装置、2…インナフレーム(支持構造体)、2A〜2E…支持箇所、3…ガラスパネル、3e…ガラスパネルの周縁、4…飛散防止フィルム(フィルム部材)、4e…飛散防止フィルム(フィルム部材)の周縁、4A〜4E…被支持片(被支持部)、5…透孔、6…接着剤、7…セラミックコーティング、8…接着剤、C…車両中心線

Claims (7)

  1. 車両の開口部に対して支持構造体を介してパネルを支持するパネル装置であって、
    前記パネルの車両室内側となる内面にフィルム部材が貼り付けられているとともに、該フィルム部材は、前記支持構造体上に対称配置された支持箇所において当該フィルム部材の一部を部分的に支持され、
    前記フィルム部材の一部に、前記支持箇所において支持されるように前記車両外側且つ前記パネルの面方向に向けて突出した被支持片が被支持部として形成され、
    前記被支持片に透孔が形成されているとともに、該透孔を通じて前記パネルと前記支持構造体とが接着剤により接着され、
    前記被支持片は、前記支持構造体よりも車両外側且つ前記パネルの面方向に向けて突出することを特徴とする車両用パネル装置。
  2. 前記支持箇所は前記パネルの車両前後方向に沿う中心線を軸として左右に対称配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用パネル装置。
  3. 前記被支持片が、前記パネルと前記支持構造体との間に挟持されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用パネル装置。
  4. 前記フィルム部材はその外周縁が前記パネルの周縁に沿って形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用パネル装置。
  5. 前記パネルの一部にセラミックコーティングが施されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用パネル装置。
  6. 前記セラミックコーティングにより前記パネルの外周寄り部分に不透明層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用パネル装置。
  7. 前記フィルム部材は、前記パネルが破損時に飛散するのを防止する部材であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用パネル装置。
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