JP5167636B2 - 光電変換素子および電子機器 - Google Patents

光電変換素子および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子および電子機器に関する。
近年、アモルファスシリコン太陽電池に代わるものとして、色素増感型太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の太陽電池(光電変換素子)は、陽極と陰極との間に、正孔輸送層と、色素層と、電子輸送層とを介挿してなり、色素層で発生した正孔および電子を、それぞれ正孔輸送層および電子輸送層を介して取り出すよう構成されている。
このような太陽電池では、色素層と、正孔輸送層や電子輸送層との間において、キャリアが効率よく受け渡されることが重要となる。すなわち、各層同士間において、キャリアが円滑に受け渡しされることが重要となる。
かかる観点から、現状、太陽電池の特性(例えば、光電変換効率)の向上を図ることを目的として、種々の研究・検討がなされている。
特開2004−235240号公報
本発明の目的は、光電変換効率に優れる光電変換素子、および、かかる光電変換素子を備える電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光電変換素子は、負極および正極と、
前記負極と前記正極との間に設けられ、主として酸化物系無機半導体材料で構成された半導体層を含む光電変換層と、
前記半導体層に接触して設けられ、電子および正孔のうちの少なくとも一方を輸送する機能を有するキャリア輸送層とを有し、
前記光電変換層は、前記半導体層の表面に、下記一般式(1)で表される化合物を化学結合させてなることを特徴とする。
Figure 0005167636
[式中、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立して、水素原子、または末端に水酸基を備える炭素数3〜6の直鎖アルキル基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、Z、Z、ZおよびZのうちの少なくとも1つは、末端に水酸基を備える炭素数3〜6の直鎖アルキル基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
かかる一般式(1)で表される化合物は、置換基Z、置換基Z、置換基Zおよび置換基Zとして、水酸基と反応し得る反応性基を有する置換基を有する。このため、この反応性基が半導体層の表面に露出する水酸基と反応し、これにより、一般式(1)で表される化合物は、半導体層の表面に化学結合する。
また、一般式(1)で表される化合物の主骨格は、共役系の化学構造を有するため、その特有な電子雲の広がりにより、優れたキャリア輸送能を有する。
これらのことから、この一般式(1)で表される化合物は、受光により発生したキャリアをすばやく受け取り、キャリア輸送層に受け渡すことができる。これにより、例えば半導体層等において、正孔と電子との再結合が生じるのを防止または抑制することができ、結果として、光電変換素子の光電変換効率を向上することができる。
本発明の光電変換素子では、前記光電変換層は、前記半導体層としてn型半導体材料で構成される第1の層を有することが好ましい。
これにより、半導体層が電子を負極まで輸送する機能を有するものとなる。
本発明の光電変換素子では、前記第1の層に、色素が担持されていることが好ましい。
これにより、光電変換に可視光を利用することができるようになる。
本発明の光電変換素子では、前記色素は、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最低空軌道のエネルギー順位と、最高被占軌道のエネルギー順位との間に位置するものであることが好ましい。
これにより、色素で発生した正孔を確実に正極側に移動(分離)することができる。
本発明の光電変換素子では、前記色素は、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、銅錯体および白金錯体のうちの少なくとも1種の金属錯体を主成分とするものであることが好ましい。
これらの色素は、その最高被占軌道(HOMO)のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最低空軌道(LUMO)のエネルギー順位と最高被占軌道(HOMO)のエネルギー順位との間に位置するものである。
本発明の光電変換素子では、前記金属錯体は、ピリジン環を含む配位子を有するものであることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物がその主骨格にフェニルアミン構造を有するため、このフェニルアミン構造と、ピリジン環を含む配位子との親和性が高い。したがって、色素として、ピリジン環を含む配位子を有する金属錯体を用いることにより、色素と一般式(1)で表される化合物との密着性(親和性)が向上する。このため、色素で発生した正孔を正孔輸送層に円滑に受け渡すことができる。その結果、光電変換素子の光電変換効率がより向上する。
本発明の光電変換素子では、前記光電変換層は、前記半導体層としてp型半導体材料で構成される第2の層を有することが好ましい。
これにより、半導体層が正孔を正極まで輸送する機能を有するものとなる。
本発明の光電変換素子では、前記第2の層に、色素が担持されていることが好ましい。
これにより、光電変換に可視光を利用することができるようになる。
本発明の光電変換素子では、前記色素は、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最高被占軌道のエネルギー順位より低いものであることが好ましい。
これにより、色素で発生した正孔を確実に正極側に移動(分離)することができる。
本発明の光電変換素子では、前記色素は、クマリン系色素およびメチン系色素のうちの少なくとも一方を主成分とするものであることが好ましい。
これらの色素は、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最高被占軌道のエネルギー順位より低いものである。
本発明の光電変換素子では、前記キャリア輸送層が、下記一般式(2)で表される化合物を含む材料で構成されていることが好ましい。
Figure 0005167636
[式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、炭素数3〜8の置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、その他のものは、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
一般式(2)で表される化合物は、常温で高い粘着性を有する。このため、一般式(2)で表される化合物を含む材料も、常温で粘着性を有する。かかる材料の作用により、得られるキャリア輸送層は、光電変換層および電極(正極または負極)との間に高い密着性が得られる。これにより、光電変換層で発生したキャリアを電極側に円滑に移動させることができる。その結果、光電変換素子は、光電変換効率に優れたものとなる。
また、キャリア輸送層は、実質的に液性成分(溶媒または分散媒)を含まないため、この液性成分の揮発により、光電変換素子に特性の変化(劣化)が生じるのを好適に防止することができる。すなわち、光電変換素子は、耐久性にも優れたものとなる。
本発明の光電変換素子では、前記光電変換層は、前記半導体層としてn型半導体材料で構成される第1の層と、前記半導体層としてp型半導体材料で構成される第2の層とを有し、
前記キャリア輸送層は、前記第1の層と、前記第2の層との間に位置し、
前記一般式(2)で表される化合物は、その最低空軌道のエネルギー順位が、前記第1の層の最低空軌道のエネルギー順位と前記第2の層の最低空軌道のエネルギー順位との間に位置し、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記第1の層の最高被占軌道のエネルギー順位と前記第2の層の最高被占軌道のエネルギー順位との間に位置するものであることが好ましい。
これにより、光の利用効率が高くなることから、光電変換素子の光電変換効率がさらに向上する。
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子を備えることを特徴とする。
これにより、性能に優れる電子機器が得られる。
本発明の電子機器では、前記光電変換素子に生じた起電力により、当該電子機器が備える能動部品の全部または一部が駆動することが好ましい。
これにより、性能に優れる電子機器が得られる。
以下、本発明の光電変換素子について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合を一例に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態を示す部分断面図、図2は、図1に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図、図3は、図1に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図2中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示すように、太陽電池(光電変換素子)1Aは、負極(陰極)3が設けられた下基板2と、正極(陽極)6が設けられた上基板7と、負極3と正極6との間に、負極3側から以下の順で設けられた光電変換層(第1の層)4Aおよび正孔輸送層(キャリア輸送層)5Aと、光電変換層4Aおよび正孔輸送層5Aを封止する封止部8とを有している。また、光電変換層4Aは、本実施形態では、n型半導体層41Aと、一般式(1)で表される化合物と、色素42Aとで構成されている。さらに、太陽電池1Aには、外部回路10が接続されている。
太陽電池1Aでは、図2および図3に示すように、光電変換層4Aに光が入射すると、主に色素42Aにおいて、電子が励起され、電子(e)と正孔(h)とが発生する。そして、電子は、n型半導体層41Aを介して負極3へ移動し、正孔は、一般式(1)で表される化合物および正孔輸送層5Aを介して正極6へ移動することにより、負極3と正極6との間に、電位差(光起電力)が生じる。その結果、外部回路10に、電流(光励起電流)が流れることとなる。
下基板2および上基板7は、それぞれ、負極3および正極6を支持するとともに、太陽電池1A全体を保護し、その形状を維持するものである。
下基板2および上基板7の構成材料としては、それぞれ、例えば、ガラス材料、セラミックス材料、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料、アルミニウムのような金属材料等が挙げられる。
また、下基板2および上基板7の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1Aの用途等により適宜設定される。
なお、本実施形態の太陽電池1Aでは、図1に示すように、上基板7側から、例えば、太陽光等の光(以下、単に「光」と言う。)を入射させて(照射して)使用する。このため、上基板7および正極6は、好ましくは実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされる。
下基板2の上面には、負極3が設けられ、上基板7の下面には、正極6が設けられている。これらの負極3および正極6には、それぞれ、外部回路10の導線11の一端が接続されている。
負極3および正極6の構成材料としては、それぞれ、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素原子を含有する酸化錫(FTO)、酸化インジウム(IO)、酸化錫(SnO)のような金属酸化物材料、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルまたはこれらを含む合金のような金属材料、黒鉛のような炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等として)用いることができる。
また、負極3および正極6の平均厚さは、それぞれ、その構成材料等により適宜設定され、特に限定されない。
負極3上(負極3の下基板2と反対側の面)には、光電変換層4Aが設けられている。
本実施形態では、図2に示すように、光電変換層4Aは、複数の半導体粒子411Aで構成されたn型半導体層41Aと、半導体粒子411A(n型半導体層41A)の表面に化学結合した一般式(1)で表される化合物と、半導体粒子411Aの表面に担持された色素42Aとで構成されている。このように、光電変換層4Aが色素42Aを含有する構成とすることにより、光電変換に可視光を利用することができるようになる。
n型半導体層41Aは、色素42Aで発生した電子を負極3まで輸送する機能を有するものであり、半導体粒子411Aは、電子輸送能に優れた酸化物系無機半導体材料(n型半導体材料)を主材料として構成されている。
この酸化物系無機半導体材料(電子輸送材料)としては、特に限定されないが、例えば、TiO、ZnO、SnO、SrTiO、ZnO、Al等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化物系無機半導体材料を主材料とする半導体粒子411Aは、その表面に水酸基を露出する。このため、一般式(1)で表される化合物(以下、単に「化合物(1)」と言う。)が有する反応性基(例えば、水酸基、カルボン酸基、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基等)が水酸基と反応することにより、半導体粒子411A(n型半導体層41A)の表面に化合物(1)を化学結合させることができる。
また、n型半導体層41Aは、図2(a)に示すように、複数の半導体粒子411Aが互いに接合されて構成され、全体として多孔質状態となっていてもよいし、図2(b)に示すように、複数の半導体粒子411Aが互いに独立して構成されていてもよい。
前者の場合、n型半導体層41Aにおいて、電子の移動がより円滑に行われることとなる。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率(発電効率)を向上させることができる。
一方、後者の場合、n型半導体層41Aを、高温プロセスを経ることなく形成し得る。このため、下基板2の構成材料の選択の幅が広がる。また、負極3の熱による変質(または劣化)を防止することができ、太陽電池1Aの光電変換効率の低下を防止することができる。なお、後述するが、本実施形態において、正孔輸送層5Aを構成する一般式(2)で表される化合物を含む材料は、常温で粘着性を有する。このため、半導体粒子411Aの散逸を防止して、すなわち半導体粒子411Aを固定して、光電変換層4Aの形状を保持することができる。
半導体粒子411Aの平均粒径は、特に限定されないが、1〜250nm程度であるのが好ましく、5〜150nm程度であるのがより好ましい。これにより、n型半導体層41Aの表面積を十分に確保することができ、n型半導体層41Aが担持(結合)する色素42Aや一般式(1)で表される化合物(1)の量を十分に増大させることができる。また、光電変換層4Aと正孔輸送層5Aとの接触面積を十分に確保することもできる。
n型半導体層41Aの空孔率(n型半導体層41Aにおいて、半導体粒子411A同士の間に存在する間隙が占める割合)は、特に限定されないが、5〜90%程度であるのが好ましく、15〜50%程度であるのがより好ましい。n型半導体層41A(光電変換層4A)の空孔率を、前記範囲に設定することにより、n型半導体層41Aに担持される色素42Aや一般式(1)で表される化合物(1)の量を十分に大きくすることができる。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率をより向上させることができる。
また、光電変換層4A(n型半導体層41A)の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜300μm程度であるのが好ましく、0.5〜100μm程度であるのがより好ましい。
このn型半導体層41Aの表面には、下記一般式(1)で表される化合物が化学結合している。
Figure 0005167636
[式中、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立して、水素原子、または水酸基と反応し得る反応性基を有する置換基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、Z、Z、ZおよびZのうちの少なくとも1つは、水酸基と反応し得る反応性基を有する置換基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
かかる一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」言うこともある。)は、置換基Z、置換基Z、置換基Zおよび置換基Z(以下、これらのものを総称して、「置換基Z」と言うこともある。)として、水酸基と反応し得る反応性基を有する置換基を有する。このため、この置換基Zがn型半導体層41Aの表面に露出する水酸基と反応し、これにより、化合物(1)は、n型半導体層41Aの表面に化学結合している。その結果、n型半導体層41Aの表面に担持された色素42Aとの離間距離が適切な距離に保たれることとなる。
また、化合物(1)の主骨格は、共役系の化学構造を有するため、その特有な電子雲の広がりにより、この化合物(1)は、優れた正孔輸送能(正孔輸送性)を有する。
これらのことから、この化合物(1)は、色素42Aで発生した正孔をすばやく受け取り、正孔輸送層5Aに受け渡すことができる。これにより、色素42Aやn型半導体層41A等において、正孔と電子との再結合が生じるのを防止または抑制することができ、結果として、太陽電池1Aの光電変換効率を向上することができる。
ここで、反応性基としては、例えば、水酸基、カルボン酸基、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基等が挙げられる。
また、水酸基と反応し得る反応性基を有する置換基(以下、略して「反応性置換基」と言うこともある。)の反応性基以外の部分、すなわち主骨格と反応性基とを連結する連結部の構造は、例えば、直鎖状または分枝状の炭化水素鎖、炭化水素環、芳香族環および複素環等のうちの1つまたはこれらを組み合わせた構造が挙げられる。
この反応性置換基の好適な例としては、末端に水酸基を備える直鎖アルキル基(水酸化直鎖アルキル基)、好ましくは炭素数3〜6の水酸化直鎖アルキル基、特に、炭素数3または4の水酸化直鎖アルキル基が挙げられる。置換基Zとして、かかる水酸化直鎖アルキル基を有する化合物(1)は、常温で粘着性を有するが、比較的低温で高い流動性を示すようになる。このため、化合物(1)をn型半導体層41Aに付与する際に、化合物(1)を溶媒に溶解する必要がないので、取り扱いが容易である。また、太陽電池1Aの製造コストの削減を図ることができる。さらに、化合物(1)と、色素42Aとの間の離間距離がより適切な大きさに保たれて、これら同士の間における正孔の受け渡しをより円滑に行うことができる。
また、この化合物(1)において、4つの置換基Zのうちの少なくとも1つ、好ましくは2つが反応性置換基とされる。これにより、化合物(1)をn型半導体層41Aの表面により確実に化学結合させることができる。具体的には、2つの置換基Zを反応性置換基とすることにより、化合物(1)は、その主骨格に平面性が高い構造を有するため、n型半導体層41Aの表面に対して、垂直または若干傾いた状態で化学結合する。このため、n型半導体層41Aの表面へ化合物(1)を必要かつ十分な量で結合させやすくなる。
この場合、2つの置換基Zは、ほぼ同一の炭素数のものであるのが好ましく、同一の炭素数のものであるのがより好ましい。
また、置換基Zは、ベンゼン環の2位から6位のいずれの位置に結合してもよいが、特に、3位、4位または5位のうちのいずれかに結合しているのが好ましい。
なお、化合物(1)のは、n型半導体層41Aの表面の全体を被覆するようにして化学結合していてもよいが、図2に示すように、n型半導体層41Aの表面の一部が露出するように疎な状態で化学結合しているのが好ましい。かかる状態で化合物(1)がn型半導体層41Aの表面に化学結合することにより、色素42Aから正孔輸送層5Aへの正孔の受け渡しがより円滑に行われるようになる。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率がより向上する。
次に、化合物(1)において、正孔(キャリア)の輸送に寄与する主骨格について説明する。
置換基Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、置換基Rは、置換基Zの炭素数に応じて選択するようにすればよい。例えば、置換基Zの炭素数が大きい場合には、置換基Rとしては、水素原子を選択し、置換基Xの炭素数が小さい場合には、置換基Rとしては、メチル基もしくはエチル基を選択するようにすればよい。
基Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含むものであればよいが、特に、炭素原子と水素原子とで構成されているものが好ましい。これにより、化合物(1)同士の間におけるキャリアの受け渡しが確実に行われる。このため、正孔輸送層5Aは、優れた正孔輸送性を発揮するものとなる。
具体的には、芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む構造としては、例えば、下記化4で表されるものが挙げられる。
Figure 0005167636
また、基Yの総炭素数は、6〜30であるのが好ましく、10〜25であるのがより好ましく、10〜20であるのがさらに好ましい。
さらに、基Yにおいて、芳香族炭化水素環の数は、1〜5であるのが好ましく、2〜5であるのがより好ましく、2または3であるのがさらに好ましい。
これらのことを考慮すると、化合物(1)において、基Yとしては、ビフェニレン基またはその誘導体が特に好ましい構造である。
これにより、色素42Aと化合物(1)との間における正孔の受け渡しがより確実に行われるようになる。
また、基Yにおいて、芳香族炭化水素環に置換基を導入する場合、この置換基としては、基Yの平面性を維持し得るものであれば、特に限定されないが、炭素数1〜3の直鎖アルキル基であるのが好ましく、メチル基またはエチル基であるのがより好ましい。
また、n型半導体層41Aの表面には、色素42Aが担持されており、主としてこの色素42Aにおいて、電子が励起され、電子と正孔とが発生する。
色素42Aとしては、特に限定されないが、例えば、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、銅錯体、白金錯体のような金属錯体系色素(金属錯体)、シアニン色素(例えば、下記化5参照)およびメロシアニン色素(例えば、下記化6参照)等のメチン系色素、マーキュロクロム系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、クマリン系色素、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、ラズベリー色素、ザクロ果汁色素、クロロフィル系色素のような有機系色素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0005167636
Figure 0005167636
また、色素42Aは、図3に示すように、その最高被占軌道(HOMO)のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最低空軌道(LUMO)のエネルギー順位と最高被占軌道(HOMO)のエネルギー順位との間に位置するものであるのが好ましい。これにより、色素42Aで発生した正孔を確実に正極6側に移動(分離)することができる。
このため、色素42Aとしては、前述したものの中でも、特に、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、銅錯体および白金錯体のうちの少なくとも1種の金属錯体を主成分とするものが好適に用いられる。これらの色素42Aは、前記条件を満足するものである。
これらの金属錯体が有する配位子としては、例えば、ピリジン系、ビピリジン系、キノリン系、フェナントロリン系、β−ジケトナート系等の配位子、またはこれらの配位子に各種置換基が導入されたものが挙げられる。
これらの中でも、配位子は、ピリジン系、ビピリジン系等のピリジン環を含むものが好ましい。かかる配位子を有する金属錯体は、一般式(1)で表される化合物や、後述する正孔輸送層5Aに用いられる一般式(2)で表される化合物に対して高い親和性を有する。これは、一般式(1)および(2)で表される化合物がその主骨格にフェニルアミン構造を有するが、このフェニルアミン構造と、ピリジン環を含む配位子との親和性が高いことに起因する。したがって、色素42Aとして、ピリジン環を含む配位子を有する金属錯体を用いることにより、色素42Aと一般式(1)で表される化合物や正孔輸送層5A(一般式(2)で表される化合物)との密着性(親和性)が向上する。このため、色素42Aで発生した正孔を、一般式(1)で表される化合物を介して、正孔輸送層5Aに円滑に受け渡すことができる。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率がより向上する。
また、色素42Aに対して、例えば、水酸基、カルボン酸基、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基等を導入すると、色素42Aをn型半導体層41Aの表面に化学結合させることができる。このため、色素42Aで発生した電子をn型半導体層41Aに円滑に受け渡すことができる。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率がより向上する。
さらに、金属錯体は、中心金属に直接配位する各種置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、シアノ基またはチオシアネート基が好適である。シアノ基またはチオシアネート基が中心金属に配位した金属錯体は、その分子構造が安定化する。このため、かかる金属錯体は、経時的に劣化し難くなり、その結果、太陽電池1Aの長寿命化に寄与する。
このような金属錯体としては、例えば、下記化7〜9で表されるものが好適である。
Figure 0005167636
Figure 0005167636
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このような光電変換層4Aの外周部を囲んで、下基板2と上基板7との間には、封止部8が設けられている。この封止部8は、下基板2と上基板7との間隔を規定するスペーサとしても機能する。
この封止部8により、太陽電池1Aの内部への水分等の侵入を防止して、光電変換層4Aおよび正孔輸送層5Aの変質(または劣化)を好適に防止することができる。また、太陽電池1Aの形状および強度を維持することができる。
封止部8は、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等で構成することができる。また、かかる構成材料は、スペーサ部材(スペーサ粒子)を含有してもよい。
封止部8で囲まれる空間内には、正孔輸送層5Aが設けられている。換言すれば、光電変換層4Aの上面(負極3と反対側の面)を覆うように正孔輸送層5Aが設けられている。この正孔輸送層5Aは、一般式(1)で表される化合物を介して注入された正孔を正極6まで輸送する機能を有するものである。
また、本実施形態では、正孔輸送層5Aは、図2(a)および(b)に示すように、n型半導体層41A(光電変換層4A)を構成する半導体粒子411A同士の間隙の一部に充填されて(浸透して)いる。これにより、光電変換層4A(色素42A)と正孔輸送層5Aとの接触面積を十分に確保することができる。その結果、太陽電池1Aは、光電変換効率に優れたものとなる。
この正孔輸送層5Aは、液体状、ゲル状または固体状のいずれであってもよく、例えば、電解質、有機系または無機系の半導体材料(p型半導体材料)等で構成することができる。
具体的には、電解質で構成される液体状の正孔輸送層5Aは、例えば、I/I3系、F/F3系のようなハロゲン系、キノン/ハイドロキノン系等のレドックス電解質の1種または2種以上を組み合わせたものを、例えば各種水、アセトニトリル、ポリエチレングリコール等の溶媒に溶解した電解質溶液で構成することができる。
また、電解質で構成されるゲル状の正孔輸送層5Aは、例えば、前述のような電解質をゲル状の基材(ゲル基材)中に保持させたもので構成することができる。
また、半導体材料で構成される正孔輸送層5Aは、例えば、有機系のものとして、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体またはこれらの誘導体のような有機ポリマーや、アリールアミン、ナフタレン、アントラセン、ジフェニルメタン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体のような有機低分子等のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられ、無機系のものとして、例えば、CuI、AgI、AgBrおよびCuSCN等のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
これらの中でも、本実施形態のように、n型半導体層41Aが半導体粒子411Aで構成され、この半導体粒子411A同士の間隙の一部に正孔輸送層5Aが充填されている場合、正孔輸送層5Aは、下記一般式(2)で表される化合物を含む材料で構成するのが好ましい。
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[式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、炭素数3〜8の置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、その他のものは、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
かかる一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」言うこともある。)は、常温で高い粘着性を有する。このため、化合物(2)を含む材料(以下、「正孔輸送層材料」と言うこともある。)も、常温で粘着性を有する。この正孔輸送層材料の作用により、得られる正孔輸送層5Aは、光電変換層4Aおよび正極6との間に高い密着性が得られる。また、半導体粒子411A同士の固定を強化する機能を発揮する。これにより、色素42A(光電変換層4A)で発生した正孔を正極6側に円滑に移動させることができる。その結果、太陽電池1Aは、光電変換効率に優れたものとなる。
また、化合物(2)は、加熱することにより、高い流動性を示すようになる。このため、後述する太陽電池1Aの製造方法において、正孔輸送層5Aを形成する際に、正孔輸送層材料を加熱して溶融状態とし、光電変換層4Aに供給することにより、その内部(半導体粒子411A同士の間の間隙)にまで、浸透(充填)させることができる。その結果、光電変換層4Aと正孔輸送層5Aとの間に、十分な接触面積を確保することができる。
化合物(2)において、置換基X、置換基X、置換基Xおよび置換基X(以下、これらのものを総称して、「置換基X」と言うこともある。)は、これらのうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ、より好ましくは3つ、さらに好ましくは4つが炭素数3〜8の置換もしくは無置換の直鎖アルキル基(以下、単に「直鎖アルキル基」と言うこともある。)とされる。
かかる直鎖アルキル基を導入すること、また、その数が増加することにより、化合物(1)の融点およびガラス転移点(ガラス転移温度)が低下するようになる。また、置換基X同士の間に相互作用が生じるため、この化合物(2)の結晶化が抑制されるようになり、アモルファス状態となりやすくなる。これにより、正孔輸送層材料は、常温においてより高い粘着性を発揮するようになる。
また、化合物(2)の主骨格(化合物(2)の置換基Xを除く部分)は、共役系の化学構造を有するため、その特有な電子雲の広がりにより、この化合物(2)同士の間において正孔の円滑な受け渡しが行われる。これにより、正孔輸送層5Aは、優れた正孔輸送能(正孔輸送性)を発揮する。
また、直鎖アルキル基の炭素数は、3〜6であるのがより好ましい。直鎖アルキル基の炭素数が小さくなり過ぎると、置換基X同士の相互作用が小さくなり、アモルファス化し難い化合物(2)となるおそれがある。その結果、正孔輸送層材料(正孔輸送層5A)が、粘着性を十分に発揮できなくなるおそれがある。
一方、直鎖アルキル基の炭素数が大きくなり過ぎると、正孔輸送層5A中において、化合物(2)の主骨格同士が接近しづらくなり、十分な正孔輸送能が得られないおそれがある。
換言すれば、直鎖アルキル基の炭素数を上述したような範囲内にすることにより、隣接する置換基X同士の相互作用がより確実に生じるようになるとともに、化合物(2)の主骨格同士の間における正孔の受け渡しがより確実に行われるようになる。その結果、正孔輸送層5Aは、正孔輸送性および粘着性の双方をより好適に発揮するようになる。
また、直鎖アルキル基に置換基が導入されたもの(置換直鎖アルキル基)である場合、その置換基としては、シアノ基またはチオシアネート基であるのが好ましい。すなわち、化合物(2)において、置換基X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、シアノ基またはチオシアネート基で置換された炭素数3〜8の直鎖アルキル基であるのが好ましい。
前述のように、色素42Aには、例えば、前記化7〜9で表されるような金属錯体が好適に用いられるが、これらの金属錯体は、シアノ基またはチオシアネート基を有している。したがって、置換基Xとして、シアノ基またはチオシアネート基で置換された直鎖アルキル基を有する化合物(2)を用いることにより、色素42Aと正孔輸送層5A(化合物(2))との親和性の向上が図られる。その結果、色素42Aと正孔輸送層5Aとの密着性がより向上する。このため、色素42Aで発生した正孔を正孔輸送層5Aにより円滑に受け渡すことができ、太陽電池1Aの光電変換効率がさらに向上する。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率がさらに向上する。
さらに、置換基Xのうちの2つが、直鎖アルキル基である場合、置換基Xと置換基Xとが、直鎖アルキル基であるのが好ましい。これにより、置換基X同士の相互作用がより確実に生じるようになる。このため、正孔輸送層5Aは、より好適に粘着性を発揮するようになる。
また、置換基Xのうちの複数が、直鎖アルキル基である場合、各置換基Xは、ほぼ同一の炭素数のものであるのが好ましく、同一の炭素数のものであるのがより好ましい。これにより、正孔輸送層5A中において、化合物(2)同士、すなわち、その主骨格同士の離間距離にばらつきが生じるのを防止または抑制することができる。その結果、正孔輸送層5Aの各部において正孔輸送性に偏りが生じるのを好適に防止することができる。換言すれば、正孔輸送層5Aの各部において正孔輸送性がより均一となる。
また、置換基Xは、ベンゼン環の2位から6位のいずれの位置に結合してもよいが、特に、3位、4位または5位のうちのいずれかに結合しているのが好ましい。これにより、置換基X同士の相互作用がより確実に生じるようになる。また、化合物(2)同士をより適切な距離に離間させることができる。これにより、正孔輸送層5Aは、より優れた正孔輸送性および粘着性を発揮するようになる。
なお、置換基Xのうち、直鎖アルキル基であるもの以外は、水素原子、メチル基またはエチル基を表すが、いずれの置換基を導入するかは、直鎖アルキル基の炭素数に応じて決定するようにすればよい。例えば、直鎖アルキル基の炭素数が大きい場合には、それ以外の置換基Xは、水素原子と、直鎖アルキル基の炭素数が小さい場合には、それ以外の置換基Xは、メチル基もしくはエチル基とすればよい。
また、化合物(2)は、その融点が60〜150℃程度であるのが好ましく、60〜100℃程度であるのがより好ましい。これにより、正孔輸送層5Aを形成する際に、比較的低温で正孔輸送層材料に流動性を生じさせることができる。このため、正孔輸送層材料の取り扱いが容易である。
また、化合物(2)は、そのガラス転移温度が1〜30℃程度であるのが好ましく、5〜20℃程度であるのがより好ましい。これにより、正孔輸送層材料が低温で固化するのを防止することができる。このため、正孔輸送層材料は、粘着性を有する過冷却状態を維持することができる。その結果、正孔輸送層5Aの形成する際の操作をより容易に行うことができる。
なお、化合物(2)において、正孔(キャリア)の輸送に寄与する主骨格については、化合物(1)の主骨格と同様である。
このような正孔輸送層5Aは、前述したように、正孔輸送層材料が常温で粘着性を有し、かつ比較的低温で流動性を有するものであることから、実質的に液性成分(溶媒または分散媒)を含まない状態とすることができる。そのため、この液性成分の揮発により、太陽電池1Aに特性の変化(劣化)が生じるのを好適に防止することができる。すなわち、太陽電池1Aは、耐久性にも優れたものとなる。
さらに、常温で粘着性を有し、かつ比較的低温で流動性を有する正孔輸送層材料の特性により、光電変換層4Aと正孔輸送層5Aとの間において、それらの熱膨張係数の差により、経時的に界面剥離が生じるのを好適に防止することができる。また、太陽電池1Aの使用時には、素子全体の温度が上昇することから、正孔輸送層材料は流動性を示す。これにより、光電変換層4Aと接触する化合物(2)が入れ替ることとなり、化合物(2)の経時的な変質・劣化を好適に防止または抑制することができる。かかる観点からも、太陽電池1Aは、耐久性に優れたものとなる。
正孔輸送層5A(正孔輸送層材料)は、化合物(2)以外の化合物を実質的に含まない組成であってもよく、化合物(2)と他の化合物とを含む組成であってもよい。したがって、正孔輸送層5A中の化合物(2)の含有量は、75wt%以上であるのが好ましく、85wt%以上であるのがより好ましい。このような範囲であることにより、正孔輸送層5Aは、前述したような効果をより顕著に発揮する。その結果、太陽電池1Aの光電変換効率がさらに向上する。なお、この含有量の上限値は、100wt%である。
また、正孔輸送層5Aの平均厚さは、特に限定されないが、1〜500μm程度であるのが好ましく、10〜300μm程度であるのがより好ましく、10〜100μm程度であるのがさらに好ましい。
なお、化合物(2)は、図3に示すように、その最高被占軌道のエネルギー順位が、化合物(1)の最高被占軌道のエネルギー順位より高いものが好適に使用される。これにより、光電変換層4Aで発生した正孔を円滑に正極6側に移動させることができるようになる。このため、太陽電池1Aの光電変換効率をさらに向上させることができる。
このような太陽電池1Aは、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、下基板2および上基板7を用意する。
[2] 次に、これらの下基板2および上基板7上に、それぞれ負極3および正極6を形成する。
負極3および正極6は、それぞれ、例えば、蒸着法、スパッタリング法のような気相成膜法、印刷法のような液相成膜法等により形成することができる。
[3] 次に、負極3上に、n型半導体層41Aを形成する。
このn型半導体層41Aは、半導体粒子411Aと分散媒とを含有する半導体層形成用材料を負極4上に供給した後、分散媒を除去(乾燥)し、その後、必要に応じて、焼成することにより形成することができる。
半導体層形成用材料を負極4上に供給する方法としては、例えば、ディッピング法、滴下、ドクターブレード法、スピンコート法、刷毛塗り、スプレーコート法、ロールコート法等の各種塗布法を用いることができる。
分散媒としては、例えば、各種水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、酢酸エチル、エーテル、塩化メチレン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、分散媒を除去する方法としては、例えば、大気圧または減圧下に放置する方法や、空気、窒素ガス等の気体を吹き付ける方法等が挙げられる。
[4] 次に、n型半導体層41A(半導体粒子411A)に、化合物(1)を化学結合させる。
まず、化合物(1)を加熱する。これにより、化合物(1)は、溶融して流動性を有するようになる。
次に、流動性を有する(溶融状態の)化合物(1)をn型半導体層41Aに接触させる。これにより、n型半導体層41Aの内部にまで、化合物(1)が浸透するとともに、そのその表面に化学結合する。
このとき、化合物(1)の溶融状態での粘度は、1〜5cP程度であるのが好ましく、1〜3cP程度であるのがより好ましい。これにより、溶融状態の化合物(1)をn型半導体層41Aの深い部分にまでより確実に到達させることができるようになり、十分な量の化合物(1)をn型半導体層41Aに化学結合させることができる。
なお、流動性を有する化合物(1)をn型半導体層41Aに接触させる方法としては、次工程[5]で説明する色素含有液を接触させる方法と同様のものを用いることができる。
[5] 次に、n型半導体層41A(半導体粒子411A)に、色素42Aを担持させる。
この色素42Aは、n型半導体層41Aに色素42Aを含有する色素含有液を接触させた後、溶媒(または分散媒)を除去することにより形成することができる。
n型半導体層41Aに色素含有液を接触させる方法としては、例えば、色素含有液中にn型半導体層41Aまで形成された下基板2を浸漬する方法(浸漬法)、n型半導体層41Aに色素含有液を塗布する方法(塗布法)、n型半導体層41Aに色素含有液をシャワー状に供給する方法等が挙げられる。
溶媒(または分散媒)およびそれを除去する方法としては、前記工程[3]と同様とすることができる。
[6] 次に、正孔輸送層材料を供給する注入口を残して封止部8を形成する。
まず、光電変換層4Aと正極6とを対向配置し、光電変換層4Aの外周部を囲むように、封止部8を形成する。なお、このとき、注入口を形成しておく。
また、本工程に先立って、外部回路10の導線11の両端を、それぞれ負極3および正極6に接続する。
[7] 次に、封止部8の内側に正孔輸送層5Aを形成する。
まず、正孔輸送層材料(化合物(2))を加熱する。これにより、正孔輸送層材料は、溶融して流動性を有するようになる。
次に、流動性を有する(溶融状態の)正孔輸送層材料を、注入口を介して、封止部8の内側に注入する。これにより、光電変換層4Aの内部、すなわち半導体粒子411A同士の間隙にまで、正孔輸送層材料が浸透して、正孔輸送層5Aが形成される。その結果、光電変換層4A(色素42A)と正孔輸送層5Aとの接触面積が十分に確保され、太陽電池1Aは、光電変換効率に優れたものとなる。
このとき、正孔輸送層材料の溶融状態での粘度は、1〜5cP程度であるのが好ましく、1〜3cP程度であるのがより好ましい。これにより、溶融状態の正孔輸送層材料をn型半導体層41Aの深い部分にまでより確実に到達させることができるようになり、正孔輸送層5Aと光電変換層4Aとの接触面積をより確実に確保することができる。
[8] 次に、封入口を封止する。これにより、太陽電池1Aが得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態を示す部分断面図、図5は、図4に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図、図6は、図6は、図4に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。なお、以下では、説明の都合上、図4および図5中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第2実施形態の光電変換素子について説明するが、前記第1実施形態の光電変換素子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図4に示す太陽電池1Bは、負極3と正極6との間に、負極3側から電子輸送層(キャリア輸送層)5Bおよび光電変換層(第2の層)4Bが、この順で設けられている。
光電変換層4Bの構成は、前記第1実施形態の光電変換層4Aの構成とほぼ同様である。すなわち、図5に示すように、光電変換層4Bは、複数の半導体粒子411Bで構成されたp型半導体層41Bと、半導体粒子411B(p型半導体層41B)の表面に化学結合した化合物(1)(以下、説明の都合上、光電変換層4Bに含まれる化合物(1)を「化合物(1’)」と言う。)と、半導体粒子411Bの表面に担持された色素42Bとで構成されている。
p型半導体層41Bは、色素42Bで発生した正孔を正極6まで輸送する機能を有するものであり、半導体粒子411Bは、正孔輸送能に優れた酸化物系無機半導体材料(p型半導体材料)を主材料として構成されている。
この酸化物系無機半導体材料(正孔輸送材料)としては、特に限定されないが、例えば、Ni、Cu、Al、Ag、Co、In、Fe、Zn、Rh、Ga、Srのうちの少なくとも1種を含む酸化物材料、または、これらの酸化物材料にLiやNを添加した材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの酸化物系無機半導体材料は、特に高い正孔輸送性(正孔輸送能)を有するため、これらに対して相対的に電子輸送性の高い前記化合物(2)を含む材料で電子輸送層5Bを構成することができる。なお、電子輸送層5Bは、電解質、有機または無機の半導体材料(n型半導体材料)で構成することもできる。
また、本実施形態においても、p型半導体層41Bは、図5(a)に示すように、複数の半導体粒子411Bが互いに接合されて構成され、全体として多孔質状態となっていてもよいし、図5(b)に示すように、複数の半導体粒子411Bが互いに独立して構成されていてもよい。
かかる構成の太陽電池1Bにおいて、化合物(1’)は、色素42Bで発生した正孔をすばやく受け取り、p型半導体層41Bに受け渡すことができるものが好適に選択される。これにより、色素42Bや電子輸送層5B等において、正孔と電子との再結合が生じるのを防止または抑制することができ、結果として、太陽電池1Bの光電変換効率を向上することができる。
色素42Bは、図6に示すように、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記化合物(1’)の最高被占軌道のエネルギー順位より低いものであるのが好ましい。これにより、色素42Aで発生した正孔を確実に正極6側に移動(分離)することができる。
このため、色素42Bとしては、前述した色素42Aの中でも、特に、クマリン系色素およびメチン系色素のうちの少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。これらの色素42Bは、前記条件を満足するものである。
なお、化合物(2)は、図6に示すように、その最低空軌道のエネルギー順位が、化合物(1’)の最低空軌道のエネルギー順位より低いものが好適に使用される。これにより、光電変換層4Bで発生した電子を円滑に負極3側に移動させることができるようになる。このため、太陽電池1Bの光電変換効率をさらに向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第3実施形態を示す部分断面図、図8は、図7に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。なお、以下では、説明の都合上、図7中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
以下、第3実施形態の光電変換素子について説明するが、前記第1および第2実施形態の光電変換素子との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示す太陽電池1Cは、負極3と正極6との間に、負極3側に光電変換層(第1の層)4Aが、正極6側に光電変換層(第2の層)4Bが設けられ、さらに、これら光電変換層4A、4B同士の間にキャリア輸送層5Cが設けられている。すなわち、図7に示す太陽電池1Cは、図1に示す太陽電池1Aと、図4に示す太陽電池1Bとの双方の構成を組み合わせたものである。
このような本実施形態の太陽電池1Cでは、化合物(2)は、図8に示すように、その最低空軌道のエネルギー順位が、光電変換層4A(化合物(1))の最低空軌道のエネルギー順位と、光電変換層4B(色素42B)の最低空軌道のエネルギー順位との間に位置し、その最高被占軌道のエネルギー順位が、光電変換層4A(化合物(1))の最高被占軌道のエネルギー順位と、光電変換層4B(色素42B)の最高被占軌道のエネルギー順位との間に位置するものが好適に使用される。これにより、色素42Bで発生した電子をキャリア輸送層5Cを介して光電変換層4Aに受け渡すことができるようになるとともに、色素42Aで発生した正孔をキャリア輸送層5Cを介して光電変換層4Bに受け渡すことができるようになる。その結果、太陽電池1Cの光電変換効率がさらに向上する。
また、太陽電池1Cでは、色素42Aで光電変換に利用できない波長の光を、色素42Bにおける光電変換に利用することができる。すなわち、太陽電池1Cは、光の利用効率が高い。
このようなことから、太陽電池1Cは、極めて高い光電変換効率が得られる。
本発明の電子機器は、このような太陽電池1A(または1B、1C)を備えるものである。
以下、図9および図10に基づいて、本発明の電子機器について説明する。
図9は、本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図、図9は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
図9に示す電卓100は、本体部101と、本体部101の上面(前面)に設けられた表示部102、複数の操作ボタン103および太陽電池設置部104とを備えている。
図9に示す構成では、太陽電池設置部104には、太陽電池1A(または1B、1C)が5つ直列に接続されて配置されている。これらの太陽電池1A(または1B、1C)に生じた起電力より、電卓100の全部に電気が供給されて、操作ボタン103に入力された数値に応じた計算結果が、表示部102に表示される。
図10に示す携帯電話機200は、本体部201と、本体部201の前面に設けられた表示部202、複数の操作ボタン203、受話口204、送話口205および太陽電池設置部206とを備えている。
図10に示す構成では、太陽電池設置部206が、表示部202の周囲を囲むようにして、太陽電池1A(または1B、1C)が複数、直列に接続されて配置されている。これらの太陽電池1A(または1B、1C)に生じた起電力より、例えば、携帯電話機200の使用時に、表示部202および操作ボタン203に設けられたライト(図示せず)に電気が供給されることにより点灯して、暗所においても操作ボタン203および表示部102の視認が可能となる。
なお、本発明の電子機器は、図9の電卓、図10の携帯電話機の他にも、例えば、車載用レーダ探知機や、携帯テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、プロジェクター等の投射型表示装置等が備える電源の全部または一部として適用することができる。
以上、本発明の光電変換素子および電子機器を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、光電変換素子および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、本発明の光電変換素子では、光電変換層は、色素を含んでいなくてもよい。この場合、半導体層において、正孔と電子とが発生する。さらに、光電変換層は、半導体粒子で構成されるもの、すなわち多孔体で構成されるものに限らず、緻密体であってもよい。
また、本発明の光電変換素子は、太陽電池のみならず、例えば、光センサー、光スイッチのような、光を受光して電気エネルギーに変換する各種素子(受光素子)に適用することができるものである。
また、本発明の光電変換素子では、光の入射方向は、図示のものとは異なり、逆方向からであってもよい。すなわち、光の入射方向は、任意である。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.化合物1A〜1Cの合成
(化合物1A)
3−(p−アミノフェニル)プロパノールを無水ジメチルホルムアミド中で、4−メトキシベンジルブロミドと水素化ナトリウムで処理し、ヒドロキシル基をベンジルエーテル基に変換し保護した。
次に、その得られた化合物1molを酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥した。
次に、その得られた物質0.37mol、1−ブロモ−4−メチルベンゼン0.66mol、炭酸カリウム1.1mol、銅粉、ヨウ素を混合し、200℃で加熱した。放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥した。
さらに、そこで得られた化合物130mmol、4,4’−ジヨードビフェニル62mmol、酢酸パラジウム1.3mmol、t−ブチルホスフィン5.2mmol、t−ブトキシナトリム260mmol、キシレン700mLを混合して、120℃で撹拌した。
その後、放冷し、結晶化した。
その得られた化合物を、Pd−C触媒下水素ガスで還元し、ベンジルエーテル基からヒドロキシル基へ変換し脱保護した後、放冷し結晶化して化合物を得た。
そして、質量スペクトル(MS)法、1H−核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル法、13C−核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル法、およびフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトル法により、得られた化合物が下記化合物1Aであることを確認した。
Figure 0005167636
(化合物1B)
3−(p−アミノフェニル)プロパノールに代えて5−(p−アミノフェニル)ペンタノールを用いた以外は、前記化合物1Aと同様にして、下記化合物1Bを得た。
Figure 0005167636
(化合物1C)
3−(p−アミノフェニル)プロパノールを無水ジメチルホルムアミド中で、4−メトキシベンジルブロミドと水素化ナトリウムで処理し、ヒドロキシル基をベンジルエーテル基に変換し保護した。
次に、その得られた化合物1molを酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥した。
次に、3−(p−アミノフェニル)プロパノールに施したのと同様の処理により、3−(p−ブロモフェニル)プロパノールから、ヒドロキシル基をベンジルエーテル基に変換し保護した乾燥物(ベンジルエーテル誘導体)を得た。
次に、3−(p−アミノフェニル)プロパノールから得られたベンジルエーテル誘導体0.37mol、3−(p−ブロモフェニル)プロパノールから得られたベンジルエーテル誘導体0.66mol、炭酸カリウム1.1mol、銅粉、ヨウ素を混合し、200℃で加熱した。放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥した。
さらに、そこで得られた化合物130mmol、4,4’−ジヨードビフェニル62mmol、酢酸パラジウム1.3mmol、t−ブチルホスフィン5.2mmol、t−ブトキシナトリム260mmol、キシレン700mLを混合して、120℃で撹拌した。その後、放冷し、結晶化した。
その得られた化合物を、Pd−C触媒下水素ガスで還元し、ベンジルエーテル基からヒドロキシル基へ変換し脱保護した後、放冷し結晶化して化合物を得た。
そして、質量スペクトル(MS)法、1H−核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル法、13C−核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル法、およびフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトル法により、得られた化合物が下記化合物1Cであることを確認した。
Figure 0005167636
2.化合物2A〜2Cの合成
(化合物2A)
4−プロピルアニリン1molを酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥した。
次に、得られた物質0.37mol、1−ブロモ−4−メチルベンゼン0.66mol、炭酸カリウム1.1mol、銅粉、ヨウ素を混合し、200℃で加熱した。放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥した。
さらに、そこで得られた化合物130mmol、4,4’−ジヨードビフェニル62mmol、酢酸パラジウム1.3mmol、t−ブチルホスフィン5.2mmol、t−ブトキシナトリム260mmol、キシレン700mLを混合して、120℃で撹拌した。その後、放冷し、結晶化して化合物を得た。
そして、質量スペクトル(MS)法、1H-核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル法、13C−核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル法、およびフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトル法により、得られた化合物が下記化合物2Aであることを確認した。
なお、化合物Aの融点は63.2℃、ガラス転移点は7.3℃であった。
Figure 0005167636
(化合物2B)
4−プロピルアニリンに代えて4−ヘプチルアニリンを用い、1−ブロモ−4−メチルベンゼンに代えて1−ブロモベンゼンを用いた以外は、前記化合物2Aと同様にして、下記化合物2Bを得た。
Figure 0005167636
(化合物2C)
3−(p−アミノフェニル)プロパノールを無水ジメチルホルムアミド中で、4−メトキシベンジルブロミドと水素化ナトリウムで処理し、水酸基をベンジルエーテル基に変換し保護した。
次に、その得られた化合物1molを酢酸150mLに溶解し、室温で無水酢酸を滴下後、撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ過し、水洗後、乾燥した。
次に、その得られた物質0.37mol、1−ブロモ−4−メチルベンゼン0.66mol、炭酸カリウム1.1mol、銅粉、ヨウ素を混合し、200℃で加熱した。放冷後、イソアミルアルコール130mL、純水50mL、水酸化カリウム0.73molを加え撹拌後、乾燥した。
さらに、そこで得られた化合物130mmol、4,4’−ジヨードビフェニル62mmol、酢酸パラジウム1.3mmol、t−ブチルホスフィン5.2mmol、t−ブトキシドナトリウム260mmol、キシレン700mLを混合して、120℃で撹拌した。
その後、放冷し、結晶化した。
その得られた化合物を、Pd−C触媒下水素ガスで還元し、ベンジルエーテル基から水酸基へ変換し脱保護した。
次に、得られた化合物を、塩化チオニルで処理することにより、水酸基をクロロ基に変換した。その後、シアン化ナトリウムで処理することにより、クロロ基をシアノ基に変換した。
そして、質量スペクトル(MS)法、1H−核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトル法、13C−核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル法、およびフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトル法により、得られた化合物が下記化合物2Cであることを確認した。
Figure 0005167636
3.太陽電池の製造
(実施例1)
<1> まず、ガラス基板上に、真空蒸着法により、フッ素ドープした酸化スズを蒸着して負極を形成した。なお、負極の平均厚さは、1μmであった。
<2> 次に、平均粒径20nmのアナターゼ型のTiO粉末(触媒化成工業社製)を含有するペーストを用意した。このペーストを負極上にスキージ法で塗布した後、450℃×60分間で熱処理を行った。これにより、図2(a)に示すような平均厚さ10μmの多孔質のn型半導体層を得た。なお、得られたn型半導体層の空孔率をアルキメデス法により測定した結果、約50%であった。
<3> 次に、前記化合物1Aを70℃に加熱して溶融状態とした。この溶融状態の化合物1Aをn型半導体層に供給した後、120℃×1時間で熱処理を行った。これにより、n型半導体層の表面(空孔の内面を含む)に化学結合させた。なお、化合物1Aが、n型半導体層の表面の一部を露出した状態で化学結合していることが確認された。
<4> 次に、シス−ビス(チオシアナト)−N,N−ビス(2,2’−ジピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−ルテニウム(II)二水和物を乾燥エタノールに、4×10−4Mとなるように溶解した色素含有液を調製した。
この色素含有液を80℃に調製し、n型半導体層を4時間浸漬した。その後、N気流中に半導体層を引き上げた。これにより、n型半導体層にルテニウム錯体(色素)を担持させた。これにより、平均厚さ11μmの光電変換層を得た。
<5> 一方、ガラス基板上に、真空蒸着法により、フッ素ドープ酸化錫および白金を順次蒸着して正極を形成した。なお、正極の平均厚さは、30μmであった。
<6> 次に、2枚のガラス基板を、光電変換層と正極とが対向するように配置した。そして、光電変換層を囲むように、平均粒径25μmのスペーサ粒子を含有するエポキシ系樹脂でガラス基板同士を固定して、封止部を形成した。なお、封止部は、注入口が残るように形成した。
<7> 次に、前記化合物2Aを70℃に加熱して溶融状態とした。この溶融状態の化合物2Aを注入口を介して、封止部の内側に注入した。
<8> 次に、注入口をエポキシ系樹脂により封止した。これにより、図1に示す太陽電池を得た。
(実施例2)
前記工程<3>において、前記化合物1Aに代えて化合物1Bを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
なお、化合物1Bの融点に応じて、化合物1Bが溶融状態となるように加熱温度を変更した。
(実施例3)
前記工程<3>において、前記化合物1Aに代えて化合物1Cを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
なお、化合物1Bの融点に応じて、化合物1Bが溶融状態となるように加熱温度を変更した。
(実施例4)
前記工程<7>において、前記化合物2Aに代えて、化合物2Bを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
なお、化合物2Bの融点に応じて、化合物2Bが溶融状態となるように加熱温度を変更した。
(実施例5)
前記工程<7>において、前記化合物2Aに代えて、化合物2Cを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
なお、化合物2Bの融点に応じて、化合物2Cが溶融状態となるように加熱温度を変更した。
(実施例6)
前記工程<3>において、前記化合物1Aに代えて化合物1Bを用い、前記工程<7>において、前記化合物2Aに代えて、化合物2Bを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
なお、化合物1Bおよび化合物2Bの融点に応じて、それぞれ、化合物1Bおよび化合物2Bが溶融状態となるように加熱温度を変更した。
(実施例7)
前記工程<4>を省略して、n型半導体層に色素が担持していない光電変換層を形成した以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
(実施例8)
前記工程<7>において、前記化合物2Aに代えて、ヨウ素およびヨウ化リチウムをアセトニトリルに溶解した溶液であるIodolyte AN−50(Solaronix社製)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
(実施例9)
光電変換層の構成を変更した以外は、前記実施例8と同様にして、図4に示す太陽電池を製造した。
具体的には、前記工程<2>において、前記TiO粉末に代えてNiO粉末を用いてp型半導体層を形成し、前記工程<4>において、前記シス−ビス(チオシアナト)−N,N−ビス(2,2’−ジピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−ルテニウム(II)二水和物に代えてメロシアニン誘導体(林原生物化学研究所製)を用いた。
なお、本実施例9においては、前記実施例8の正極および負極が、それぞれ負極および正極として機能する。
(実施例10)
光電変換層および電解質層の構成を変更した以外、すなわち、前記実施例1の光電変換層と前記実施例9の光電変換層との間に、Iodolyte AN−50で構成される電解質層が位置するようにした以外は、前記実施例1と同様にして、図7に示す太陽電池を製造した。
(実施例11)
電解質層をIodolyte AN−50に代えて、前記化合物2Aで構成した以外は、前記実施例10と同様にして、図7に示す太陽電池を製造した。
(比較例)
前記工程<3>を省略した以外は、前記実施例3と同様にして、図1に示す太陽電池を製造した。
3.評価
各実施例およぶ比較例で製造された太陽電池について、それぞれ、光電変換効率[%]、開放電圧[Voc/V]、短絡電流[Isc/mA・cm−2]を測定した。
なお、光電変換効率は、擬似太陽光を100mW/cmの強度で照射することにより測定した。
また、開放電圧および短絡電流は、ソーラーシュミレーターを用いてAM1.5(100mW/cm)の条件で測定した。
さらに、各太陽電池を25℃で3ヶ月間貯蔵した後、再度、前記と同様にして、光電変換効率を測定し、貯蔵前後の値を比較することにより低下率を求めた。
これらの結果を、表1に示す。なお、表1に示す光電変換効率、短絡電流および低下効率は、比較例で測定された数値を「1」とした場合の相対値を示し、開放電圧は、比較例で測定された数値分を引いた差を(mV)示す。
Figure 0005167636
表1に示すように、各実施例の太陽電池は、いずれも、比較例と比較して、光電変換効率、開放電圧、短絡電流および低下効率ともに向上しており、特性に優れるものであった。さらに、一般式(1)で表される化合物が備える置換基Zの位置および炭素数を適宜設定することにより、太陽電池の特性の向上を図ることができた。
これにより、本発明の光電変換素子(太陽電池)では、一般式(1)で表される化合物が色素(光電変換層)で発生したキャリア(正孔または電子)をすばやく受け取り、キャリア輸送層に受け渡ししているものと推察された。
また、このような太陽電池の特性の向上は、実施例10および11(図7、8に示す構成)の太陽電池において、特に、顕著に認められた。これにより、n型半導体層およびp型半導体層の双方を半導体層(光電変換層)として備え、これらの層同士の間にキャリア輸送層が位置する構成とすることにより、光の利用効率がより向上することが明らかとなった。
さらに、一般式(2)で表される化合物が備える置換基Xの炭素数を適宜設定することにより、特性の向上を図ることができた。これにより、本実施例のように半導体層を半導体粒子で構成した場合、一般式(2)で表される化合物が粘着性を有することに起因して、キャリア輸送層が半導体粒子同士の間隙に充填され、その結果、半導体層とキャリア輸送層との接触面積が十分に確保されているものと推察された。
また、置換基Xにシアネート基を導入することにより、太陽電池の特性の向上を図ることができた。なお、シアネート基に代えてチオシアネート基を挿入した場合も同様の結果であった。これにより、金属錯体系の色素とキャリア輸送層との密着性が向上して、色素で発生したキャリアがキャリア輸送層に円滑に受け渡しされているものと推察された。
さらに、半導体粒子同士を結合させることなく、独立した状態の半導体層を有する太陽電池を、前記各実施例および各比較例と同様にして、それぞれ製造した。その結果、各実施例に対応する太陽電池では、特性にそれほど変化が認められなかった。これに対して、比較例に対応する太陽電池では、特性の明らかな低下が観察された。
本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態を示す部分断面図である。 図1に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図である。 図1に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。 本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態を示す部分断面図である。 図4に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図である。 図4に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。 本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第3実施形態を示す部分断面図である。 図7に示す太陽電池における電子および正孔の移動の概念図である。 本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
符号の説明
1A、1B、1C……太陽電池 2……下基板 3……負極 4A、4B……光電変換層 41A……n型半導体層 41B……p型半導体層 411A、411B……半導体粒子 42A、42B……色素 5A……正孔輸送層 5B……電子輸送層 5C……キャリア輸送層 6……正極 7……上基板 8……封止部 10……外部回路 11……導線 100……電卓 101……本体部 102……表示部 103……操作ボタン 104……太陽電池設置部 200……携帯電話機 201……本体部 202……表示部 203……操作ボタン 204……受話口 205……送話口 206……太陽電池設置部

Claims (14)

  1. 負極および正極と、
    前記負極と前記正極との間に設けられ、主として酸化物系無機半導体材料で構成された半導体層を含む光電変換層と、
    前記半導体層に接触して設けられ、電子および正孔のうちの少なくとも一方を輸送する機能を有するキャリア輸送層とを有し、
    前記光電変換層は、前記半導体層の表面に、下記一般式(1)で表される化合物を化学結合させてなることを特徴とする光電変換素子。
    Figure 0005167636
    [式中、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立して、水素原子、または末端に水酸基を備える炭素数3〜6の直鎖アルキル基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、Z、Z、ZおよびZのうちの少なくとも1つは、末端に水酸基を備える炭素数3〜6の直鎖アルキル基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
  2. 前記光電変換層は、前記半導体層としてn型半導体材料で構成される第1の層を有する請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1の層に、色素が担持されている請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記色素は、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最低空軌道のエネルギー順位と、最高被占軌道のエネルギー順位との間に位置するものである請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記色素は、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、銅錯体および白金錯体のうちの少なくとも1種の金属錯体を主成分とするものである請求項4に記載の光電変換素子。
  6. 前記金属錯体は、ピリジン環を含む配位子を有するものである請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記光電変換層は、前記半導体層としてp型半導体材料で構成される第2の層を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記第2の層に、色素が担持されている請求項7に記載の光電変換素子。
  9. 前記色素は、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記一般式(1)で表される化合物の最高被占軌道のエネルギー順位より低いものである請求項8に記載の光電変換素子。
  10. 前記色素は、クマリン系色素およびメチン系色素のうちの少なくとも一方を主成分とするものである請求項9に記載の光電変換素子。
  11. 前記キャリア輸送層が、下記一般式(2)で表される化合物を含む材料で構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の光電変換素子。
    Figure 0005167636
    [式中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、同一であっても、異なっていてもよい。ただし、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、炭素数3〜8の置換もしくは無置換の直鎖アルキル基を表し、その他のものは、水素原子、メチル基またはエチル基を表す。また、8つのRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、同一であっても、異なっていてもよく、Yは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を少なくとも1つ含む基を表す。]
  12. 前記光電変換層は、前記半導体層としてn型半導体材料で構成される第1の層と、前記半導体層としてp型半導体材料で構成される第2の層とを有し、
    前記キャリア輸送層は、前記第1の層と、前記第2の層との間に位置し、
    前記一般式(2)で表される化合物は、その最低空軌道のエネルギー順位が、前記第1の層の最低空軌道のエネルギー順位と前記第2の層の最低空軌道のエネルギー順位との間に位置し、その最高被占軌道のエネルギー順位が、前記第1の層の最高被占軌道のエネルギー順位と前記第2の層の最高被占軌道のエネルギー順位との間に位置するものである請求項11に記載の光電変換素子。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の光電変換素子を備えることを特徴とする電子機器。
  14. 前記光電変換素子に生じた起電力により、当該電子機器が備える能動部品の全部または一部が駆動する請求項13に記載の電子機器。
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