JP5167626B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ圧を規定圧力以下に保持する外部リリーフ弁を備えたパワーステアリング装置に関するものである。
自動車用パワーステアリング装置には、エンジンによって駆動されるポンプが備えられ、このポンプより吐出された吐出油は、運転者の操舵によって作動されるステアリングギヤのサーボバルブに供給される。そして、サーボバルブが作動されると、ステアリングギヤのシリンダ室にアシスト圧が発生され、操舵をアシストするようになっている。
この種のパワーステアリング装置においては、ステアリングギヤのサーボバルブが閉じられた状態が長く続くと、ポンプ圧が上昇するため、特許文献1に記載されているように、ポンプ圧を予め定められた規定圧力(上限圧力)に保持するリリーフ機構がポンプ内に備えられている。
特開平11−78927(段落0007、図1)
ところで、特許文献1に記載のリリーフ機構(1)は、ポンプの吐出流量を制御する流量制御用のスプール(2)に内蔵されているため、図11に示すように、ポンプ1の圧力の上昇によって流量制御用スプール2に内蔵されたリリーフ弁3が作動され、ポンプ吐出油がポンプ1の吸入側にリリーフされると、これに伴って、流量制御用スプール2が作動され、ポンプ吐出油がバイパス通路4(特許文献1のバイパス路8)を介してポンプの吸入ポート5に還流されることにより、ポンプ圧を規定圧力以下に保持するようになっている。
このように、従来のパワーステアリング装置においては、リリーフ時には、図11の矢印で示すように、ポンプ1より吐出された吐出油の全量をポンプ内部に還流させることで、ポンプ圧を規定圧力に保持する構成であるため、リリーフ作動時には、ポンプ吐出油がステアリングギヤ6とリザーバ7との間に配設されたクーラ配管8を流通せず、ポンプ1の発熱によりポンプ内部を循環される作動油の油温が上昇する。
このため、特に砂地走行時などにおいて、タイヤがスタックした状態でハンドルをきって脱出を試みる場合のようなきわめて過酷な条件下においては、ポンプのリリーフ作用によって作動油の油温が急速に上昇するとともに、エンジンの高回転状態も持続されるため、最悪の場合には、ポンプが焼付く恐れがでてくる。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、リリーフ状態においても、吐出油をポンプ内部で循環させずに、パワーステアリング装置のシステム内を循環させることにより、油温の上昇を抑制することができるパワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の特徴は、作動油を吐出するポンプを含むポンプ装置と、リザーバと、ステアリング操作をパワーアシストするアシストシリンダと、ステアリングホイールの操作により作動されて前記ポンプから前記アシストシリンダに供給される作動油を制御するサーボバルブとを備え、前記ポンプより吐出された吐出油を供給通路を介して前記サーボバルブに供給し、前記サーボバルブより排出通路に排出された排出油をポンプの吸入側にバイパスするようにしたパワーステアリング装置において、前記供給通路と前記排出通路との間に、前記ポンプ装置に内蔵されずに構成され、ポンプ圧を規定圧力以下に保持する外部リリーフ弁を、前記サーボバルブと並列的に配設し、前記外部リリーフ弁は、前記供給通路に接続された入口ポートおよび前記排出通路に接続された還流ポートがそれぞれ形成された弁ハウジングと、該弁ハウジングに形成された弁孔に摺動可能に嵌装され、スプリングによって前記入口ポートと前記還流ポートとの間の連通を遮断する方向に付勢されたメインスプールとを有することである。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1において、前記弁孔の内周に環状溝を設け、該環状溝を前記還流ポートに接続したことである。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1において、前記還流ポートに接続する還流路に、該還流路にバイパスされるバイパス噴流を絞るオリフィスを設けたことである。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1において、前記還流ポートに接続する還流路に、該還流路と前記排出通路とを常時連通するオリフィス開口面積の小さな第1のオリフィスと、該第1のオリフィスに並列に接続されバイパス噴流が多くなった場合に前記還流路と前記排出通路とを連通する、前記第1のオリフィスよりもオリフィス開口面積の大きな第2のオリフィスを接続したことである。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1ないし請求項4の何れか1項において、前記排出通路には、オイル冷却用のクーラ配管が接続されていることである。
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項1ないし請求項5の何れか1項において、前記外部リリーフ弁は、前記アシストシリンダおよび前記サーボバルブを備えたステアリングギヤに取付けられた弁ハウジングに内蔵されていることである。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項1ないし請求項6の何れか1項において、前記外部リリーフ弁は、前記弁ハウジングに摺動可能に嵌装されたメインスプールと、該メインスプール内に内蔵されたパイロットリリーフ弁とによって構成されていることである。
請求項1に係る発明によれば、ポンプより吐出油が吐出される供給通路と、サーボバルブより排出油が排出される排出通路との間に、ポンプ装置に内蔵されずに構成され、ポンプ圧を規定圧力以下に保持する外部リリーフ弁を、サーボバルブと並列的に配設したので、リリーフ時においても、ポンプの吐出油は、ポンプ内部を循環することなく、リザーバを含むパワーステアリング装置のシステム内を循環させることができ、ポンプ内部の急激な油温上昇を抑制できるようになる。これによって、高回転でリリーフさせる過酷な条件下においても、ポンプの焼付きを防止できるようになる。
しかも、請求項1に係る発明によれば、外部リリーフ弁は、供給通路に接続された入口ポートおよび排出通路に接続された還流ポートがそれぞれ形成された弁ハウジングと、弁ハウジングに形成された弁孔に摺動可能に嵌装され、スプリングによって入口ポートと還流ポートとの間の連通を遮断する方向に付勢されたメインスプールとを有しているので、リリーフ時においては、メインスプールをスプリングの付勢力に抗して摺動させることにより、ポンプの吐出油を入口ポートより還流ポートにバイパスさせることができ、ポンプ内部の急激な油温上昇を抑制できるようになる。
請求項2に係る発明によれば、弁孔の内周に環状溝を設け、環状溝を還流ポートに接続したので、還流ポートにバイパスされるバイパス噴流の量が多くなっても、バイパス噴流を弁孔の円周方向に分散させることができ、これによって、流速を均一にでき、流体音の発生を効果的に抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、還流ポートに接続する還流路に、還流路にバイパスされるバイパス噴流を絞るオリフィスを設けたので、リリーフ設定圧が高い外部リリーフ弁に適用した場合においても、オリフィスによって還流路を昇圧させることができ、これによって、バイパスされた瞬間の急激な圧力変化を抑制でき、急激な圧力変化に伴う油撃音が低減することができる。
請求項4に係る発明によれば、還流ポートに接続する還流路に、還流路と排出通路とを常時連通するオリフィス開口面積の小さな第1のオリフィスと、第1のオリフィスに並列に接続されバイパス噴流が多くなった場合に還流路と排出通路とを連通する、第1のオリフィスよりもオリフィス開口面積の大きな第2のオリフィスを接続したので、リリーフ設定圧が高い外部リリーフ弁に適用した場合においても、第1のオリフィスによってバイパスされた瞬間の急激な圧力変化を抑制でき、油撃音の発生を低減することができる。しかも、バイパスが継続されてバイパス噴流が増加することによって開口される第2のオリフィスにより、バイパス噴流の増加に伴う不要なリリーフ圧の増大を抑制できるようになる。
請求項5に係る発明によれば、排出通路には、オイル冷却用のクーラ配管が接続されているので、リリーフ時には、ポンプの吐出油をクーラ配管を介して循環できるようになり、ポンプ吐出油の冷却効果を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、外部リリーフ弁は、アシストシリンダおよびサーボバルブを備えたステアリングギヤに取付けられた弁ハウジングに内蔵されているので、外部リリーフ弁をステアリングギヤに接続される供給通路と排出通路との間に容易に配設することができる。
請求項7に係る発明によれば、外部リリーフ弁は、弁ハウジングに摺動可能に嵌装されたメインスプールと、メインスプール内に内蔵されたパイロットリリーフ弁とによって構成されているので、パイロットリリーフ弁の作動に基づくメインスプールの摺動によって多量の吐出油を排出通路に還流でき、リリーフのオーバライド特性を向上することができる。

以下本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、パワーステアリング装置の全体を示す油圧系統図で、パワーステアリング装置は、自動車エンジンによって駆動されるポンプ10と、リザーバ11と、ステアリング操作をパワーアシストするアシストシリンダ12と、ステアリングホイールの操作により作動されてポンプ10からアシストシリンダ12に供給される作動油を絞り制御するサーボバルブ13とによって構成されている。アシストシリンダ12とサーボバルブ13は、自動車のサスペンションメンバに取付けられるステアリングギヤ15内に設けられている。
ポンプ10は、吐出ポート17と吸入ポート18とを有しており、吐出ポート17には、サーボバルブ13の供給ポート19が供給通路20を介して接続され、また、吸入ポート18には、リザーバ11の流出ポート21が吸入通路22を介して接続されている。
供給通路20中には、メータリングオリフィス23が設けられ、このメータリングオリフィス23の前後の差圧を一定に維持するようにバイパスポート24を開閉制御する流量制御用スプール25を備えた流量制御装置26が設けられている。メータリングオリフィス23の上流側と吸入通路22との間には、低温サージ圧に応動する直動リリーフ弁27が配設され、この直動リリーフ弁27は流量制御用スプール25に内蔵されている。これらポンプ10、流量制御装置26および直動リリーフ弁27等は、ポンプハウジング内に組み込まれ、ポンプ装置30を構成している。ただし、直動リリーフ弁27は必ずしも必要ではない。
サーボバルブ13の排出ポート33は、排出通路34を介してオイル冷却用のクーラ配管35の一端に接続され、クーラ配管35の他端は、サクション通路36を介してリザーバ11の流入ポート37に接続されている。
供給通路20と排出通路34は、サーボバルブ13の供給ポート19と排出ポート33との間を短絡するように設けられたリリーフ通路39によって互いに接続され、リリーフ通路39中に、入口側が供給通路20に接続され、出口側が排出通路34に接続された、パイロットリリーフからなる外部リリーフ弁40がサーボバルブ13と並列的に配設されている。外部リリーフ弁40は、図2に詳細に示すように、ステアリングギヤ15に固定される取付け部41aを有する弁ハウジング41を備え、この弁ハウジング41に形成された有底の弁孔42にメインスプール43が摺動可能に嵌装され、メインスプール43内にボールタイプのパイロットリリーフ弁44が内蔵されている。弁ハウジング41には、弁孔42の一端に対応して入口ポート45を形成したプラグ46が取付けられ、入口ポート45は供給通路20に接続されている。弁孔42の底部とメインスプール43との間にはパイロット室47が形成され、パイロット室47は弁ハウジング41に形成した連絡通路48を介して入口ポート45に接続されている。連絡通路48の一部には小径のオリフィス49が形成されている。パイロット室47にはメインスプール43をプラグ46に向けて押圧するスプリング50が設けられている。
パイロットリリーフ弁44は、メインスプール43内に形成された弁室51に内蔵され、この弁室51は圧力導入路53を介してパイロット室47に連通されている。弁室51には、規定圧力(上限圧力)設定用のスプリング54が内挿され、このスプリング54のばね力によってパイロットリリーフ弁44を通常圧力導入路53の一端に形成した弁座に当接させ、圧力導入路53を閉止している。そして、パイロット室47内の圧力が所定以上になると、パイロットリリーフ弁44をスプリング54のばね力に抗して押動し、パイロット室47と弁室51とを圧力導入路53を介して連通するようになっている。
また、弁ハウジング41には、弁孔42に開口する還流ポート55が形成され、この還流ポート55は排出通路34に接続されている。メインスプール43には、還流ポート55に常時連通する環状溝56が形成され、環状溝56は半径方向通路57を介して弁室51に連通されている。
還流ポート55は、通常メインスプール43によって閉塞されており、メインスプール43がスプリング50のばね力に抗して所定量摺動されると、メインスプール43によって還流ポート55が開口され、還流ポート55を入口ポート45に連通させるようになっている。
上記した構成の外部リリーフ弁40は、弁ハウジング41の取付け部41aを介してステアリングギヤ15に固定され、その入口ポート45にサーボバルブ13の供給ポート19に接続される供給通路20が接続され、その還流ポート55にサーボバルブ13の排出ポート33に接続される排出通路34が接続される。
次に、上記した第1の実施の形態における動作について説明する。ポンプ10の吐出ポート17より吐出された吐出油は、サーボバルブ13の供給ポート19に供給され、サーボバルブ13の排出ポート33より排出された排出油は、クーラ配管35を通ってリザーバ11に戻される。運転者のハンドル操舵によってサーボバルブ13が作動されると、アシストシリンダ12の一方のシリンダ室がポンプ10側に連通され、他方のシリンダ室がリザーバ11側に連通されて差圧が発生し、この差圧によるアシストシリンダ12の油圧推力によってハンドル操舵がアシストされる。
ポンプ圧は、外部リリーフ弁40の入口ポート45より、オリフィス49、連絡通路48およびパイロット室47を介してパイロットリリーフ弁44に作用されるが、通常は、パイロットリリーフ弁44がスプリング54のばね力により圧力導入路53の弁座に当接して、圧力導入路53を閉鎖しているため、メインスプール43の両端には同圧が作用し、メインスプール43はスプリング50のばね力によって還流ポート55を閉止する位置に保持されている。
運転者がハンドルをいっぱいに切った据切り時などにおいては、ポンプ圧が上昇し、パイロットリリーフ弁44に作用するポンプ圧がスプリング54のばね力に打ち勝つと、パイロットリリーフ弁44がスプリング54のばね力に抗して押動され、圧力導入路53の弁座より離間されて圧力導入路53を開口する。これにより、パイロット室47に導入された作動油が、圧力導入路53より弁室51、半径方向通路57、環状溝56を介して還流ポート55に還流され、排出通路34に排出される。
これにより、オリフィス49を通過する作動油に圧力降下がもたらされ、メインスプール43の両端に作用する圧力に差が生ずる。この圧力差により、メインスプール43がスプリング50のばね力に抗して摺動され、還流ポート55を開口する。従って、ポンプ10より吐出された吐出油が外部リリーフ弁40の入口ポート45および還流ポート55を介して排出通路34に排出され、ポンプ圧を規定圧力以下に保つ。
このように、上記した第1の実施の形態によれば、リリーフ時においても、ポンプ10の吐出油をクーラ配管35およびリザーバ11を介して循環させることができるので、ポンプ内部の急激な油温上昇を抑制でき、高回転でリリーフさせるような過酷な条件下においても、ポンプ10の焼付きを確実に防止することができる。
また、ポンプ内部の急激な油温上昇を抑制できることにより、ポンプ10のカムリングおよびロータとサイドプレートとの間のサイドクリアランスを小さくしなくても、圧油のリークの発生を防止できるので、ポンプ10の焼付きに対して有効となる。
図3は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、外部リリーフ弁140を、高圧高流量型ポンプを備えたパワーステアリング装置に適用することによって、リリーフ時におけるバイパス噴流が多くなっても、流体音(シュー音)を低減できるようにしたことである。従って、以下においては、第1の実施の形態と異なる点を主に説明し、同一構成部分については同一部品に同一の参照番号を付し、説明を省略する。
図3において、140は、外部リリーフ弁を示し、この外部リリーフ弁140は、上記した第1の実施の形態の図1で示したと同様にパワーステアリング装置に組み込まれ、リリーフ時にポンプの吐出油をクーラ配管35およびリザーバ11を介して循環させることにより、ポンプ内部の急激な油温上昇を抑制できるようにしている。
ところで、ポンプ100として、高圧高流量型ポンプが使用されると、リリーフ時にメインスプール43の摺動により、還流ポート55が開口されると、高流量の流体のすべてが弁孔42に開口する還流路61に局所的にバイパスされるが、このような局所的なバイパスにより、バイパスされる流体の速度に不均一が生ずるとともに、低圧側へのバイパスによる急激な圧力変化に伴って発生した気泡を含むバイパス噴流の局所的な部位への衝突等によって、流体音が発生する。
そこで、第2の実施の形態においては、メインスプール43の摺動によって開口される弁孔42の内周面に環状溝62を形成することにより、還流路61を介して還流ポート55にバイパスされるバイパス噴流を弁孔42の円周方向に分散させ、これによって、バイパス噴流の流速を均一化させるとともに、衝突音を抑制することにより、流体音が低減できるようになる。
従って、高圧高流量型ポンプの使用によって、還流路61にバイパスされるバイパス噴流の量が多くなっても、バイパス噴流を弁孔42の円周方向に分散させることによって、流体音の発生を効果的に抑制できるようになる。
図4から図6は、本発明の第3の実施の形態を示すもので、特にリリーフ設定圧が高い外部リリーフ弁240に適用した場合に、バイパスされた瞬間の急激な圧力変化に伴って油撃音(衝撃音)が発生し、この油撃音によってハンドル振動を引き起こして運手者に不快感を与える恐れがあるため、油撃音を低減できるようにしたものである。
図4および図5において、弁孔42に開口する還流ポート55と排出通路34とを接続する還流路61には、オリフィス63が配設されている。これによって、還流路61を昇圧してバイパス部における発生差圧が低下され、急激な圧力変化に伴う油撃音が低減できるようになる。
なお、バイパス部における発生差圧を低下させるためには、還流路61に設置したオリフィス63の径、すなわち、オリフィス63の開口面積は比較的小さいほうが望ましいが、反面、オリフィス63の設置により、リリーフ圧を増大させることになり、定流量時における圧力特性は図6の実線で示すようになり、オリフィス63を設置しない場合(図6の破線)の特性に比べて、圧力がΔPだけ増大する。このため、オリフィス63のオリフィス開口面積(径)は、バイパス流量、リリーフ設定圧に応じて、できるだけ大きくすることが望ましく、油撃音を低減できる最大径に設定することが最適である。
また、上記したオリフィス63を設けたことにより、バイパス直後の還流路61の圧力を若干高めて正圧にすることで、バイパス噴流による気泡の発生が抑制され、流体音の低減にも効果的である。従って、第2の実施の形態で述べた弁孔42に形成した環状溝62と併用すれば、流体音をより一層低減することが可能となるが、オリフィス63単独でも流体音の低減が可能であるため、第2の実施の形態で述べた環状溝62をなくすることもできる。
なお、オリフィス63は、チョーク絞りであっても、油撃音および流体音に対して上記したと同様な効果が得られるものであり、また、オリフィス63を多段の絞りにすることで、より高い流体音低減効果が期待できるようになる。
図7から図10は、本発明の第4の実施の形態を示すもので、第3の実施の形態において述べたような、オリフィス63の設置による不要なリリーフ圧の増大をできるだけ抑えることができるようにしたもので、油撃音の発生を抑制する機能と、リリーフ圧の増大を抑制する機能との両立を図ったものである。
第4の実施の形態における外部リリーフ弁340は、図7および図8に示すように、互いに並列に接続された開口面積の小さな第1のオリフィス65と、この第1のオリフィス65よりも開口面積の大きな第2のオリフィス66が設けられ、通常は第2のオリフィス66を閉塞するポペット弁67を備えた構成からなっている。具体的には、還流路61を形成したユニオン68に嵌着された絞り体69の外周を、図9(A)および図10に示すように、二面取りすることにより、絞り体69の外周とユニオン68の内周との間に、還流路61と排出通路34とを常時連通するオリフィス開口面積の小さな第1のオリフィス65を形成している。絞り体69の中心部には還流路61に開口するオリフィス開口面積の大きな第2のオリフィス66が貫通され、この第2のオリフィス66にポペット弁67がスプリング70の付勢力によって当接され、通常は、ポペット弁67によって第2のオリフィス66は閉塞され、還流路61と排出通路34との連通を遮断している。
上記した第4の実施の形態によれば、運転者がハンドルをいっぱいに切った据切り時などにおいて、高圧高流量型のポンプ100の圧力が上昇し、ポンプ圧がパイロットリリーフ弁44のスプリング54のばね力に打ち勝つと、パイロットリリーフ弁44がスプリング54のばね力に抗して押動され、圧力導入路53を開口する。これにより、パイロット室47に導入された作動油が、圧力導入路53より弁室51、半径方向通路57、環状溝56を介して還流ポート55にバイパスされ、排出通路34に排出される。
これにより、オリフィス49を通過する作動油に圧力降下がもたらされ、メインスプール43の両端に圧力差が発生する。この圧力差により、メインスプール43がスプリング50のばね力に抗して摺動され、還流路61を開口する。これにより、ポンプ100より吐出された吐出油が外部リリーフ弁340の入口ポート45より還流路61にバイパスされ、還流路61にバイパスされたバイパス噴流は、絞り体69の外周とユニオン68の内周との間に形成された第1のオリフィス65を介して還流ポート55より排出通路34に排出される。
この際、第1のオリフィス65の開口面積を小さく設定してあるので、バイパスされた瞬間の比較的少ないバイパス噴流によっても、還流路61を昇圧してバイパス部における発生差圧を低下することができ、バイパスされた瞬間の急激な圧力変化を緩和できるようになる。従って、リリーフ設定圧が高く設定されている場合においても、バイパスされた瞬間の急激な圧力変化を低減できるようになり、これによって、油撃音(衝撃音)の発生を抑制でき、油撃音によるハンドル振動を防止することができるようになる。
ところで、バイパスが継続されて還流路61にバイパスされるバイパス噴流が増加するのに伴い、第3の実施の形態で述べたように、リリーフ圧の増大を招くようになるが、第4の実施の形態においては、還流路61にバイパスされるバイパス噴流が増加してバイパス部における差圧が増大すると、図9(B)に示すように、ポペット弁67がスプリング70のばね力に抗して作動され、絞り体69の中心に形成した比較的大きな開口面積の第2のオリフィス66が開口され、第2のオリフィス66を介して還流路51と排出通路34とが連通されるようになる。これにより、図6の二点鎖線で示すように、還流路61にバイパスされるバイパス噴流の増加に伴うリリーフ圧の増大を抑制できるようになる。
すなわち、第4の実施の形態においては、油撃音の低減が必要なバイパスされた瞬間においては、油撃音を有効に低減できるに必要な小さな開口面積の第1のオリフィス65によって、バイパス部における発生差圧を低下し、その後は、不要なリリーフ圧の上昇を抑制するために、オリフィス開口面積の大きな第2のオリフィス66に切り替えるようにしたものである。
これによって、外部リリーフ弁340の作動直後においては、油撃音の低減に最適な小さなオリフィス開口面積の第1のオリフィス65によって油撃音を効果的に低減することができ、バイパス噴流が多くと、オリフィス開口面積の大きな第2のオリフィス66が開口されることにより、不要なリリーフ圧の増加も抑えることができるようになる。しかも、第2のオリフィス66による昇圧効果によって、流体音を低減することもできる。
上記した実施の形態によれば、外部リリーフ弁40、140、240、340を内蔵した弁ハウジング41が、ステアリングギヤ15に取付けられているので、ステアリングギヤ15に接続される供給通路20と排出通路34との間に、外部リリーフ弁40を容易に配設できる利点があるが、本発明は、外部リリーフ弁40の取付け位置を、ステアリングギヤ15に限定するものではなく、また、外部リリーフ弁も、必ずしもパイロット形リリーフに限定されるものではない。
本発明の第1の実施の形態を示すパワーステアリング装置の油圧系統図である。 図1の外部リリーフ弁の詳細を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示す外部リリーフ弁の詳細図である。 本発明の第3の実施の形態を示すパワーステアリング装置の油圧系統図である。 図4の外部リリーフ弁の詳細を示す図である。 第3の実施の形態における外部リリーフ弁の圧力特性を示す図である。 本発明の第4の実施の形態を示すパワーステアリング装置の油圧系統図である。 図7の外部リリーフ弁の詳細を示す図である。 図8の要部拡大図で、(A)は原位置状態を、(B)は作動状態を示している。 図9の10−10線に沿って切断した断面図である。 従来のパワーステアリング装置を示す油圧系統図である。
符号の説明
10、100…ポンプ、11…リザーバ、12…アシストシリンダ、13…サーボバルブ、15…ステアリングギヤ、19…供給ポート、20…供給通路、22…吸入通路、23…メータリングオリフィス、25…流量制御用スプール、33…排出ポート、34…排出通路、35…クーラ配管、39…リリーフ通路、40、140、240、340…外部リリーフ弁、41…弁ハウジング、43…メインスプール、44…パイロットリリーフ弁、45…入口ポート、47…パイロット室、49…オリフィス、50、54…スプリング、55…還流ポート、61…還流路、62…環状溝、63、65、66…オリフィス、67…ポペット弁。

Claims (7)

  1. 作動油を吐出するポンプを含むポンプ装置と、リザーバと、ステアリング操作をパワーアシストするアシストシリンダと、ステアリングホイールの操作により作動されて前記ポンプから前記アシストシリンダに供給される作動油を制御するサーボバルブとを備え、前記ポンプより吐出された吐出油を供給通路を介して前記サーボバルブに供給し、前記サーボバルブより排出通路に排出された排出油をポンプの吸入側に還流するようにしたパワーステアリング装置において、
    前記供給通路と前記排出通路との間に、前記ポンプ装置に内蔵されずに構成され、ポンプ圧を規定圧力以下に保持する外部リリーフ弁を、前記サーボバルブと並列的に配設し、
    前記外部リリーフ弁は、前記供給通路に接続された入口ポートおよび前記排出通路に接続された還流ポートがそれぞれ形成された弁ハウジングと、該弁ハウジングに形成された弁孔に摺動可能に嵌装され、スプリングによって前記入口ポートと前記還流ポートとの間の連通を遮断する方向に付勢されたメインスプールとを有する、
    ことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記弁孔の内周に環状溝を設け、該環状溝を前記還流ポートに接続したパワーステアリング装置。
  3. 請求項1において、前記還流ポートに接続する還流路に、該還流路にバイパスされるバイパス噴流を絞るオリフィスを設けたパワーステアリング装置。
  4. 請求項1において、前記還流ポートに接続する還流路に、該還流路と前記排出通路とを常時連通するオリフィス開口面積の小さな第1のオリフィスと、該第1のオリフィスに並列に接続されバイパス噴流が多くなった場合に前記還流路と前記排出通路とを連通する、前記第1のオリフィスよりもオリフィス開口面積の大きな第2のオリフィスを接続したパワーステアリング装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項において、前記排出通路には、オイル冷却用のクーラ配管が接続されているパワーステアリング装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項において、前記外部リリーフ弁は、前記アシストシリンダおよび前記サーボバルブを備えたステアリングギヤに取付けられた弁ハウジングに内蔵されているパワーステアリング装置。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項において、前記外部リリーフ弁は、前記弁ハウジングに摺動可能に嵌装されたメインスプールと、該メインスプール内に内蔵されたパイロットリリーフ弁とによって構成されているパワーステアリング装置。
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