JP5167485B2 - メチルシトシンの簡便検出法 - Google Patents
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Description
(i) メチルシトシンとシトシンとを区別するために、メチルシトシン,又はシトシンに特異的な反応を誘導し、その反応の有無を検出すれば、目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定することができる。しかし、このような反応は、DNA試料中の各ヌクレオチドの塩基に対して等しく引き起こされ、シトシンであるかメチルシトシンであるかが問題となる目的塩基にのみ反応を引き起こすことはできない。
(ii) そこで、目的塩基を有するヌクレオチドを除きそれに隣接する両側の領域と相補的なガイドプローブ(バルジ形成プローブ)とDNA試料とをハイブリダイズさせれば、目的塩基を有するヌクレオチドのみ二重らせんから外部に飛び出したバルジ構造を形成し、DNA試料中のその他のヌクレオチドは二重らせん構造中に埋没するため、目的塩基にのみ反応を引き起こすことができる。
(iii) シトシンよりメチルシトシンの方が、メチル基が結合した炭素原子が酸化を受け易いため、酸化の有無によりシトシンとメチルシトシンとを区別することができる。
(iv) 酸化されたDNAを塩基性物質で処理すると、酸化されたメチルシトシンの塩基と糖との間のN−グリコシド結合が分解されるとともに、その酸化メチルシトシンを有するヌクレオチドと隣接するヌクレオチドとの間のホスホジエステル結合も加水分解される。従って、塩基性物質で処理した後に、DNA断片の大きさをPCRなどで検出することにより、問題となる塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定することができる。
(v) また、目的塩基の酸化反応物を標識することによっても、その塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定することができる。この場合、DNA試料中のプローブとハイブリダイズしない1本鎖部分にメチルシトシンが存在すれば酸化されてアルデヒドが生成し、誤検出の原因となる。これを避けるためには、バルジ形成プローブとDNA試料とをハイブリダイズさせた後、酸化処理前に、ハイブリダイズ産物を1本鎖DNA特異的なエキソヌクレアーゼで処理して1本鎖部分を除去すればよい。
(vi) 標識方法として、上記酸化反応物をさらに酸化してアルデヒドを生成し、このアルデヒドを例えばイミノ基を介して酵素で標識する方法がある。この方法によれば、問題となる塩基がメチルシトシンである場合にだけ酵素標識されることになる。
(vii) DNAを重亜硫酸塩で処理すると、シトシンはウラシルに変化するが、メチルシトシンは変化しない。重亜硫酸塩処理されたDNAをウラシルDNAグリコシダーゼで処理し、次いで塩基性物質処理を行うと、目的塩基がウラシルである場合は、ウラシルと糖との間のN−グリコシド結合が分解されるとともに、ウラシルを有していたヌクレオチドと隣接するヌクレオチドとの間のホスホジエステル結合が加水分解される。従って、生じるDNA断片の大きさをPCRなどで検出することにより、目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを判定することができる。
項1. DNA試料中のシトシンのメチル化を検出する方法であって、
目的とするシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造又はミスマッチを形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる第1工程と、
バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する第2工程とを含むメチルシトシン検出方法。
項2. 第1工程が、目的とするシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造を形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる工程であり、
第2工程が、バルジ構造を形成する前記シトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する工程である項1に記載のメチルシトシン検出方法。
項3. 第2工程においてメチルシトシンに特異的な反応を誘導する項1に記載のメチルシトシン検出方法。
項4. 第2工程が、バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに酸化剤を作用させる第2A工程と、酸化剤による酸化反応物の有無を検出する第2B工程とを含む項3に記載のメチルシトシン検出方法。
項5. 第2B工程が、塩基性物質を作用させる工程を含む項4に記載のメチルシトシン検出方法。
項6. 第2B工程が、塩基性物質を作用させる工程の後、DNA試料の断片を検出する工程を含む項5に記載のメチルシトシン検出方法。
項7. バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンを含む領域を増幅することにより、DNA試料の断片を検出する項6に記載のメチルシトシン検出方法。
項8. 塩基性物質として、窒素含有物質を用いる項5に記載のメチルシトシン検出方法。
項9. 第1工程の後、エキソヌクレアーゼ処理によりハイブリダイズ産物の1本鎖部分を除去する工程を有する項3に記載のメチルシトシン検出方法。
項10. 第2B工程が、第2A工程で生成する酸化反応物を標識する工程と、標識物質を検出する工程とを含む項9に記載のメチルシトシン検出方法。
項11. 前記第2B工程が、酸化剤による酸化反応物に対してさらに第2の酸化処理を行なう工程を含む項10に記載のメチルシトシン検出方法。
項12. 標識酵素を用いて標識する項10に記載のメチルシトシン検出方法。
項13. 第2B工程における、目的塩基の酸化反応物がピリミジン環の5位炭素原子の酸化反応物である項4に記載のメチルシトシン検出方法。
項14. 第2A工程が、バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに酸化剤を作用させて、メチルシトシン部分に式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を形成させる工程であり、
第2B工程が、前記オスミウム含有複素環基の有無を検出する工程である、項4に記載のメチルシトシン検出方法。
項15. 第2B工程が、標識物質により式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を標識する工程と、標識化された当該オスミウム含有複素環基を検出する工程とを含む項14に記載のメチルシトシン検出方法。
項16. 第1工程で使用されるガイドプローブが、蛍光物質が結合されたガイドプローブであり、且つ
第2B工程が、前記蛍光物質に対して蛍光共鳴エネルギー移動を生じさせる蛍光物質を用いて、式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を標識する工程と、蛍光共鳴エネルギー移動の有無を測定する工程とを含む、
項14に記載のメチルシトシン検出方法。
項17. 第1工程で使用されるガイドプローブが、式(5)で示されるオスミウム含有複素環基の存在によって消光する蛍光物質を結合させたガイドプローブであり、且つ
第2B工程が、前記蛍光物質の消光の有無を測定する工程である、
項14に記載のメチルシトシン検出方法。
項18. 第2工程における目的塩基に特異的な反応がシトシンに特異的な反応である請求項1に記載のメチルシトシン検出方法。
項19. 第2工程が、目的塩基を重亜硫酸塩処理する第2C工程と、第2C工程で生成するウラシルを検出する第2D工程とを含む項18に記載のメチルシトシン検出方法。
項20. 第2工程が、第1工程で得られたハイブリダイズ産物において、前記ガイドプローブとDNA試料中のメチルシトシンとをクロスリンクさせる第2E工程と、前記ガイドプローブとDNA試料とのクロスリンクの有無を検出する第2F工程とを含む項3に記載のメチルシトシン検出方法。
項21. ガイドプローブの長さが20〜100塩基の長さである項1に記載のメチルシトシン検出方法。
項22. ガイドプローブの長さが40〜100塩基である項5に記載のメチルシトシン検出方法。
項23. ガイドプローブが固相担体に結合されたものである項1に記載のメチルシトシン検出方法。
項24. DNA試料のシトシンであるかメチルシトシンであるかを検出するべき目的塩基を有するヌクレオチドを除く領域と相補的なメチルシトシン検出用プローブ。
項25. DNA試料とハイブリダイズするメチルシトシン検出用プローブであって、DNA試料のシトシンであるかメチルシトシンであるかを検出するべき目的塩基との間でのみミスマッチするメチルシトシン検出用プローブ。
項26. 項24又は25に記載のプローブとDNA試料とのハイブリダイズ産物。
項27. 項24又は25に記載のプローブと、メチルシトシンを酸化可能な試薬とを備えるメチルシトシン検出用キット。
項28. 酸化されたメチルシトシンを有するヌクレオチドとそれに隣接するヌクレオチドとの間の結合を切断可能な塩基性物質を備える項27に記載のメチルシトシン検出用キット。
項29. 1本鎖DNAを特異的に分解するエキソヌクレアーゼと、末端にNH2NH−基、又はNH2O−基を有するビオチン又はアビジンと、アビジン又はビオチンと結合した標識酵素と、標識酵素の発色基質とを備える項27に記載のメチルシトシン検出用キット。
項30. 1本鎖DNAを特異的に分解するエキソヌクレアーゼと、下記式(1)又は(2)の標識物質とを備える項27に記載のメチルシトシン検出用キット。
項31. メチルシトシンを酸化可能な試薬として、オスミウム酸塩とビピリジンとを備える項27に記載のメチルシトシン検出用キット。
項32.
メチルシトシン検出用プローブが、蛍光物質が結合されてなるものである、請求項31に記載のメチルシトシン検出用キット。
項33. メチルシトシン検出用プローブが、式(5)で示されるオスミウム含有複素環基の存在によって消光する蛍光物質が結合されてなるものである、項31に記載のメチルシトシン検出用キット。
項34. 項24又は25に記載のプローブと、重亜硫酸塩とを備えるメチルシトシン検出用キット。
項35. メチルシトシンと特異的に結合可能な基を結合させた項24又は25に記載のプローブを備えるメチルシトシン検出用キット。
項36. 項24又は25に記載のプローブの1種以上が、基体上に固定された核酸チップ。
項37. 項36に記載の核酸チップと、チップ上の発色パターンを検出できる装置とを備えるメチルシトシン検出装置。
(I)メチルシトシン検出方法
DNA試料中のシトシンのメチル化を検出する方法であって、目的とする塩基であるシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造又はミスマッチを形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる第1工程と、バルジ構造又はミスマッチを形成する目的塩基に特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する第2工程とを含む方法である。
DNA試料
DNA試料は、血液、尿、痰、精液、髪、皮膚などの生体サンプルそのものであってもよく、生体サンプルから単離されたものであってもよいが、単離されたDNAを用いることが好ましい。
ハイブリダイゼーション
前述したように、DNA試料中の目的塩基に特異的な反応を誘導するためには、酸化剤などが目的塩基に接近する必要があるが、通常各ヌクレオチドは2本鎖DNAのらせん構造中に埋没していて、酸化剤が接近できない。
<第1の方法・第2の方法>
酸化処理
第1、第2の方法では、第2工程において目的塩基を含むハイブリダイズ産物を酸化剤で処理し、目的塩基がメチルシトシンである場合は、メチル基を有する炭素原子を酸化する(第2A工程)。メチルシトシンとしては5−メチルシトシンが代表的である。5−メチルシトシンは、シトシンに比べて、ピリミジン環の5位炭素原子が酸化され易いため、酸化処理物を比較して、酸化反応物の有無を検出すること(第2B工程)により両者を識別できる。
第1の方法
第1の方法を図1を参照しながら説明する。
第2の方法では、ハイブリダイズ産物に含まれる目的塩基の酸化処理物を特異的に検出することにより、目的塩基の酸化の有無を判定する。
第2-1の方法
第2-1の方法では、前述したようにして、酸化処理を行う(第2B工程)。第2-1の方法では、上記例示した炭素原子を酸化できる酸化剤を制限なく使用できる。中でも、反応速度が大きい点で、過マンガン酸カリウムのような炭素−炭素2重結合を酸化できる酸化剤が好ましい。
第2-2の方法
第2-2の方法では、まず、ハイブリダイズ産物に対して、オスミウム酸カリウムのようなオスミウム酸塩と共に式(A)で示されるビピリジン化合物を作用させて処理を行い、酸化反応物である式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を形成させる。
(検出方法1)
検出方法1は、標識物質により式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を標識する工程と、標識化された当該オスミウム含有複素環基を検出する工程とを行う。式(5)で示されるオスミウム含有複素環基の標識は、酵素標識、蛍光標識、電気化学的標識、又は放射標識のいずれであってもよい。中でも、アントラキノンによる標識は、電気化学的に検出可能であり、簡便な検出ができる点で利点がある。式(5)で示されるオスミウム含有複素環基の標識は、ポスト修飾法等の公知の方法に従って実施される。例えば、式(5)で示されるオスミウム含有複素環基が形成された酸化処理物と、アントラキノンに−NHSを結合させたアントラキノン誘導体とを反応させることにより、アントラキノン標識オスミウム含有複素環基を得ることができる。当該アントラキノン標識オスミウム含有複素環基としては、具体的には、式(6)で示される基が例示される。
標識化された当該オスミウム含有複素環基の検出は、標識物質の種類に応じた公知の方法で実施される。例えば、標識物質がアントラキノンの場合であれば、矩形波ボルタンメトリー(Square wave voltammetry)測定等の電気化学的な手法を用いて検出することができる。
検出方法2では、蛍光物質を結合させたガイドプローブを使用して第1工程を実施した上で、以下の工程:
当該蛍光物質に対してFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を生じさせる蛍光物質を用いて式(5)で示されるオスミウム含有複素環基を標識する工程と、
FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)の有無を測定する工程と、
を行う。
検出方法3では、式(5)で示されるオスミウム含有複素環基の存在によって消光する蛍光物質を結合させたガイドプローブを使用して第1工程を実施した上で、当該蛍光物質の消光の有無を測定する。当該検出方法3では、オスミウム含有複素環基が存在する場合には、ガイドプローブに結合させた蛍光物質の消光が認められる。
第3の方法では、第2C工程において、目的塩基を重亜硫酸塩で処理する。この処理により、目的塩基がシトシンであればそれがウラシルに変化する。従って、第2D工程では、ウラシルになっているか否かを検出する。ウラシルになっている場合は目的塩基がシトシンであると判定することができる。
第4の方法は、第1工程において、メチルシトシンと特異的に結合可能な基が結合したガイドプローブを使用してハイブリダイゼーションを行った上で、以下の工程:
第1工程で得られたハイブリダイズ産物において、前記ガイドプローブとDNA試料中のメチルシトシンとをクロスリンクさせる第2E工程と、
前記ガイドプローブとDNA試料とのクロスリンクの有無を検出する第2F工程と、
を実施する。
また、第4の方法を採用する場合に使用されるガイドプローブにおいて、「メチルシトシンに対して特異的に結合可能な基」の結合位置については特に限定されないが、バルジ生成プローブの場合であれば、DNA試料の目的塩基に隣接する塩基に対して、塩基対を形成する塩基に「メチルシトシンに対して特異的に結合可能な基」が結合されていることが好ましい。また、ミスマッチ生成プローブの場合であれば、目的塩基に対してミスマッチする塩基に「メチルシトシンに対して特異的に結合可能な基」が結合されていることが好ましい。
本発明の第1のキットは、上記説明した本発明のメチルシトシン検出方法の内、第1又は第2の方法に供するキットである。このキットは、上記説明したガイドプローブとメチルシトシンを酸化できる試薬とを備える。メチルシトシンを酸化できる試薬は、代表的には前述した炭素原子を酸化できる酸化剤であるが、このような酸化剤に変化する前駆体もメチルシトシンを酸化できる試薬に含まれる。
基体上に、1種以上のガイドプローブが固定された核酸チップを用いれば、様々な遺伝子について様々な位置のシトシンのメチル化の有無を、一度に検出することができる。
本発明のメチルシトシン検出装置は、上記説明した核酸チップと、チップ上の発色パターンを検出できる装置とを備える装置である。発色パターンの検出装置としては、蛍光、吸収、蛍光偏光、蛍光寿命などを測定できるマイクロプレートリーダー、マイクロチップリーダー、蛍光顕微鏡、蛍光イメージャーなどが挙げられる。
実施例1(第1の方法)
ここでは、PCRを行わずにDNA断片の大きさを電気泳動により検出するために、先ず、標的DNAを放射標識した。即ち、T4 polynucleotide kinase 2μL及び[γ-32P]ATP 4μLを、標的DNA断片の100 μM水溶液の4μLと混合させ、水を加えてtotal 20μLにした。メチルシトシンを含むDNA試料は、13mer DNA(5'-GCGTTGCGTTGCG)(配列番号1)であり、メチルシトシンを含むDNA試料は13merDNA(5'-GCGTTGnGTTGCG;nはmCを示す)(配列番号2)である。配列番号1のDNAは塩基番号7のヌクレオチドの塩基がシトシンであり、配列番号2のDNAは塩基番号7のヌクレオチドの塩基がメチルシトシンである。
実施例1において、プローブとして、13merのDNA (5'-CGCAACGCAACGC)(配列番号4)を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。
DNA試料として、15mer DNA(5'-AAAAAAGnGAAAAAA-3';nはmCを示す)(配列番号5)を用い、実施例1と同様にして、これらの5'末端を放射標識し、精製した。
DNA試料として、15mer DNA(5'-AAAAAAGnGAAAAAA-3';nはmCを示す)(配列番号5)、及び15mer DNA(5'-AAAAAAGCGAAAAAA-3')(配列番号7)を用い、プローブとして、14merのバルジ形成DNA (5'-TTTTTTCCTTTTTT-3')(配列番号6)、及びフルマッチDNA(5'-TTTTTTCGCTTTTTT-3')(配列番号8)を用いた。
DNA試料として、15mer DNA(5'-AAAAAAGnGAAAAAA-3';nはmCを示す)(配列番号5)、及び15mer DNA(5'-AAAAAAGCGAAAAAA-3')(配列番号7)を用い、プローブとして、14merのバルジ形成DNA (5'-TTTTTTCCTTTTTT-3')(配列番号6)を用いた。
実施例5(酸化処理時の酸化剤の配位子の検討)
DNA試料として、15mer DNA(5'-AAAAAAGnGAAAAAA-3';nはmCを示す)(配列番号5)、及び15mer DNA(5'-AAAAAAGCGAAAAAA-3')(配列番号7)を用い、プローブとして、14merのバルジ形成DNA (5'-TTTTTTCCTTTTTT-3')(配列番号6)を用いた。
実在する遺伝子では、メチルシトシンが近接して存在する場合が多い。このような場合でも、本発明方法により特定のメチルシトシンを検出できることを示すために、DNA試料としてp53の部分配列を用いて、メチルシトシンの検出を試みた。
DNA試料として、5'-GCTATCTGAGCAGCGCTCATGGTGGGGGCAGCGCCTCACAACCTCCGTCATGTGCTGTGA-3'(配列番号16)、5'-GCTATCTGAGCAGCGCTCATGGTGGGGGCAGnGCCTCACAACCTCCGTCATGTGCTGTGA-3'(nは mCを示す;配列番号17)を用いた。これらの配列はp53の部分配列である。本実施例では、PCRで切断断片を検出するため、DNA試料は放射標識しなかった。
DNA試料として、5’-GGGGCAGnGCCTCAC-3’(nはmCを示す;配列番号21)、5’- GGGGCAGCGCCTCAC-3’(配列番号22)を用いた。これらの配列はp53の部分配列である。
DNA試料として、5’-AAAAAAGnGAAAAAA-3’(nはmCを示す;配列番号24)、5’-AAAAAAGCGAAAAAA-3’(配列番号25)を用いた。
DNA試料として、5’-AAAAAAGnGAAAAAA-3’(nは mCを示す;配列番号27)、5’-AAAAAAGCGAAAAAA-3’(配列番号28)を用いた。
DNA試料として、5'-GGTGGGGGCAGnGCCTCACA-3'(nはmCを示す;配列番号30)、5'-GGTGGGGGCAGCGCCTCACA-3'(配列番号31)を用いた。本DNA試料の5'は32Pにより放射標識されている。
Claims (18)
- DNA試料中の目的塩基がシトシンであるかメチルシトシンであるかを検出する方法であって、
目的塩基のみ塩基対を形成せず、目的塩基を有するバルジ構造を形成するよう;又は目的塩基のみミスマッチを形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる第1工程と、
バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する第2工程とを含むメチルシトシン検出方法。 - 第1工程が、目的とするシトシン又はメチルシトシンがバルジ構造を形成するようDNA試料とガイドプローブとをハイブリダイズさせる工程であり、
第2工程が、バルジ構造を形成する前記シトシン又はメチルシトシンに特異的な反応を誘導し、この反応の有無によりメチル化を検出する工程である請求項1に記載のメチルシトシン検出方法。 - 第2工程においてメチルシトシンに特異的な反応を誘導する請求項1または2に記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2工程が、バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンに酸化剤を作用させる第2A工程と、酸化剤による酸化反応物の有無を検出する第2B工程とを含む請求項3に記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2A工程が、酸化剤として核酸塩基の炭素原子を酸化できる酸化剤を用いるものであり、かつ
第2B工程が、塩基性物質を作用させる工程、および少なくとも1つのホスホジエステル結合が分解されたか否かを判定する工程を順次含む請求項4に記載のメチルシトシン検出方法。 - 上記ホスホジエステル結合が分解されたか否かを判定する工程が、DNA試料の断片を検出する工程を含む請求項5に記載のメチルシトシン検出方法。
- バルジ構造又はミスマッチを形成するシトシン又はメチルシトシンを含む領域を増幅することにより、DNA試料の断片を検出する請求項6に記載のメチルシトシン検出方法。
- 塩基性物質として、窒素含有物質を用いる請求項5〜7のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- 第1工程の後、エキソヌクレアーゼ処理によりハイブリダイズ産物の1本鎖部分を除去する工程を有する請求項3〜8のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2B工程が、第2A工程で生成する酸化反応物を標識する工程と、標識物質を検出する工程とを含む請求項4に記載のメチルシトシン検出方法。
- 前記第2B工程が、酸化剤による酸化反応物に対してさらに第2の酸化処理を行なってアルデヒドを生成し、このアルデヒドをイミノ基を介して酵素で標識する工程、を含む請求項10に記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2B工程における、目的塩基の酸化反応物がピリミジン環の5位炭素原子の酸化反応物である請求項4〜11のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2工程における目的塩基に特異的な反応がシトシンに特異的な反応である請求項1または2に記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2工程が、目的塩基を重亜硫酸塩処理する第2C工程と、第2C工程で生成するウラシルを検出する第2D工程とを含む請求項13に記載のメチルシトシン検出方法。
- 第2工程が、第1工程で得られたハイブリダイズ産物において、前記ガイドプローブとDNA試料中のメチルシトシンとをクロスリンクさせる第2E工程と、前記ガイドプローブとDNA試料とのクロスリンクの有無を検出する第2F工程とを含む請求項1〜3のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- ガイドプローブの長さが20〜100塩基の長さである請求項1〜15のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- ガイドプローブの長さが40〜100塩基である請求項5〜9のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
- ガイドプローブが固相担体に結合されたものである請求項1〜17のいずれかに記載のメチルシトシン検出方法。
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