JP5166294B2 - 果実の日焼け防止剤及び果実の日焼け防止方法 - Google Patents

果実の日焼け防止剤及び果実の日焼け防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、温州ミカンやリンゴ等の果実の日焼け防止の技術分野に属する。
温州ミカンの日焼け果の発生は、直射日光によって果皮が部分的に高温になり蒸散が異常に促進されて乾燥状態になった結果、油胞が破壊されることが原因といわれている。
日焼け果になると商品価値が無くなるという問題がある。その対策としては、寒冷紗等による網掛けや袋掛けによる遮光が有効であることは知られている。
日焼け果対策としての網掛けや袋掛けによる遮光は作業が容易ではなく、また長期にわたる遮光は着色不良や糖度低下のおそれがある。そうした事情から、果実に散布して日焼け果の発生を抑制し得る資材が求められていた。
請求項1記載の果実の日焼け防止剤は、
水溶性のカルシウム塩(但し、リグニンスルホン酸カルシウムは除く)とリグニンスルホン酸塩とを必須成分とし、水溶性のカルシウム塩とリグニンスルホン酸塩との配合比が、重量比で水溶性のカルシウム塩90:リグニスルホン酸塩10〜水溶性のカルシウム塩50:リグニスルホン酸塩50の範囲にあり、
前記水溶性のカルシウム塩は第1リン酸カルシウム及び硫酸カルシウム半水塩である
ことを特徴とする。
請求項2記載の果実の日焼け防止剤は、前記リグニンスルホン酸塩はリグニンスルホン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の果実の日焼け防止剤である。
請求項記載の果実の日焼け防止剤は、請求項1、又は載の果実の日焼け防止剤を水で希釈して、前記リグニンスルホン酸塩の濃度を0.01%〜0.1%の範囲に調製したことを特徴とする果実の日焼け防止剤である。
請求項記載の果実の日焼け防止方法は、請求項1〜のいずれか記載の果実の日焼け防止剤を7月〜9月に果樹に散布することを特徴とする果実の日焼け防止方法である。
本発明に使用される水溶性のカルシウム塩(リグニンスルホン酸カルシウムは除く)は、第1リン酸カルシウム及び硫酸カルシウム半水塩である
リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウム、リグニンスルホン酸マグネシウム等が知られており、いずれも農薬の物性改善や展着剤として周知であり広汎に使用されている。特に請求項2のリグニンスルホン酸カルシウムは、カルシウム源ともなるので、本発明に好適と言える。なお、複数種類のリグニンスルホン酸塩を混用することもできる。
本発明では、リグニンスルホン酸塩の濡れ性、拡展性、付着性と乾燥速度が速い点を利用する。
すなわち、水溶性のカルシウム塩(但し、リグニンスルホン酸カルシウムは除く)とリグニンスルホン酸塩とを必須成分とする果実の日焼け防止剤を、主に7〜9月の高温期に、適宜濃度の溶液として果樹に(実際のところは当該果樹に実っている果実の表面に)に散布する。
ミカン、リンゴといった果実の種類、同じ温州ミカンであっても普通温州、早生温州等の品種差や散布時期、水溶性のカルシウム塩とリグニンスルホン酸塩との配合比率等により一律ではないが、散布する溶液は、請求項記載のようにリグニンスルホン酸塩の濃度を0.01%〜0.1%の範囲に調製するのが好ましい。
本発明の果実の日焼け防止剤は、リグニスルホン酸塩の働きにより果実表面への付着性が良く、また高い分散効果を有する。
これもリグニスルホン酸塩を配合した効果であるが、散布された薬液の乾燥速度が速いので、例えば果面や葉面から滴下する薬液を少なくでき、散布効率が高まる。
散布された薬液の乾燥速度は、主にリグニスルホン酸塩の配合比(濃度)に左右され、配合比(濃度)が高いほど(溶液として散布するので自ずと上限はある)乾燥速度が速くなる。
そして、果面に残留した薬剤はコーティングとして機能して果面からの蒸散を抑制するから、日焼け果の発生を抑制できる。
また、果面に残留したカルシウム塩は果面から吸収される。カルシウムは、植物体内に吸収されるとペクチンと結合し、細胞壁の組織の維持、強化に重要な役割を果しており、カルシウムが十分に供給されることによって細胞は強化され、植物体は硬くなる。すなわち、植物体内に吸収されたカルシウムが果皮の油胞を強化するので、これによって日焼け果の発生を抑制できる。
請求項記載のように、請求項1〜のいずれか記載の果実の日焼け防止剤を7月〜9月に散布するのが各種果実の日焼け果の抑制に効果的である。なお、幼果のときから果実の日焼け防止剤を散布しておけば、幼果のころから果皮の細胞が強化されるから、日焼け果の発生を抑制するのに有効である。
水溶性のカルシウム塩とリグニスルホン酸塩との配合比は、重量比で水溶性のカルシウム塩90:リグニスルホン酸塩10〜水溶性のカルシウム塩50:リグニスルホン酸塩50程度が望ましい。これは、リグニスルホン酸塩の配合比が小さくなると付着性く、分散効果、乾燥速度などが低下したり十分でなくなったりするからであり、水溶性のカルシウム塩の配合比が小さくなると果実へのカルシウム供給効果が低下したり十分でなくなったりするからである。
水溶性のカルシウム塩とリグニスルホン酸塩とは、粉末同士を混合してもよいし溶液同士で混合してもよい。散布時の希釈率は、散布時期、散布頻度等により一律に決まらないが、一般的には500倍〜2000倍である。
次に、いくつかの実施例に従って本発明をより具体的に説明する。なお、実施例中に示す成分や数値等は例示であり、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
ともに粉末のギ酸カルシウム80重量部とリグニスルホン酸カルシウム20重量部とを混合し、これを水で500倍に希釈して、温州ミカン(三保早生)3樹に7月27日、8月6日、8月16日の計3回散布した。また、無散布の3樹を対照区とした。
11月8日に、果実の日焼け防止剤の散布区及び不散布区の全果を収穫し(散布区は1,523個、不散布区は1,152個)、日焼け果の個数を全果調査した。日焼け果数は散布区が94個(日焼け果率6.3%)、不散布区が99個(日焼け果率9.0%)であった。
ともに粉末のギ酸カルシウム80重量部とリグニスルホン酸カルシウム20重量部とを混合し、これを水で500倍と1,000倍に希釈して、各1樹の温州ミカン(日南1号)に7月28日、8月9日、8月22日、9月9日、9月22日の計5回散布した。また、無散布の1樹を対照区とした。
収穫後に調査した日焼け果率は、500倍散布区が0.7%、1,000倍区が3.9%、不散布区が4.1%であった。
ともに粉末のギ酸カルシウム80重量部とリグニスルホン酸カルシウム20重量部とを混合し、これを水で1,000倍に希釈して、3区(各2樹)の温州ミカン(日南1号)に、1区は1回散布(7月8日)、2区は2回散布(7月8日、8月9日)、3区は3回散布(7月8日、8月9日、9月7日)。また、無散布の2樹を対照区とした。日焼け果の調査結果は下記表1の通り。
Figure 0005166294
第1リン酸カルシウム35重量部、塩化カリウム5重量部、硫酸カルシウム半水塩40重量部、リグニンスルホン酸カルシウム10重量部、リンゴ酸10重量部を混合して果実の日焼け防止剤を調製した(実施例4−1)。また、これとは別にギ酸カルシウム80重量部とリグニスルホン酸カルシウム20重量部とを混合して果実の日焼け防止剤を調製した(実施例4−2)。
これら実施例4−1、4−2の果実の日焼け防止剤を1,000倍及び2,000倍の水溶液として、各1樹の温州ミカン(日南1号)に7月30日、8月25日、9月8日、9月23日、10月8日の計5回散布した。また、無散布の1樹を対照区とした。10月24日に各区の全果を収穫して日焼け果を調査した。その調査結果は下記表2の通りである。
Figure 0005166294
第1リン酸カルシウム35重量部、塩化カリウム5重量部、硫酸カルシウム半水塩40重量部、リグニンスルホン酸カルシウム10重量部、リンゴ酸10重量部を混合して果実の日焼け防止剤を調製した。この果実の日焼け防止剤を1,000倍の水溶液として、1樹のリンゴ(つがる)に7月21日、8月5日の計2回散布した。また、無散布の1樹を対照区とした。9月12日に各区の全果を収穫して日焼け果を調査した。日焼け果の調査結果は下記表3の通りである。
Figure 0005166294

Claims (4)

  1. 水溶性のカルシウム塩(但し、リグニンスルホン酸カルシウムは除く)とリグニンスルホン酸塩とを必須成分とし、水溶性のカルシウム塩とリグニンスルホン酸塩との配合比が、重量比で水溶性のカルシウム塩90:リグニスルホン酸塩10〜水溶性のカルシウム塩50:リグニスルホン酸塩50の範囲にあり、
    前記水溶性のカルシウム塩は第1リン酸カルシウム及び硫酸カルシウム半水塩である
    ことを特徴とする
    果実の日焼け防止剤。
  2. 前記リグニンスルホン酸塩はリグニンスルホン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の果実の日焼け防止剤。
  3. 請求項1、又は載の果実の日焼け防止剤を水で希釈して、前記リグニンスルホン酸塩の濃度を0.01%〜0.1%の範囲に調製したことを特徴とする果実の日焼け防止剤。
  4. 請求項1〜のいずれか記載の果実の日焼け防止剤を7月〜9月に散布することを特徴とする果実の日焼け防止方法。
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