JP5165128B1 - 土運船の船倉排水装置 - Google Patents

土運船の船倉排水装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5165128B1
JP5165128B1 JP2012034746A JP2012034746A JP5165128B1 JP 5165128 B1 JP5165128 B1 JP 5165128B1 JP 2012034746 A JP2012034746 A JP 2012034746A JP 2012034746 A JP2012034746 A JP 2012034746A JP 5165128 B1 JP5165128 B1 JP 5165128B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ship
drain pipe
hold
earth
sand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012034746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013169880A (ja
Inventor
世志史 上野
Original Assignee
株式会社白海
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社白海 filed Critical 株式会社白海
Priority to JP2012034746A priority Critical patent/JP5165128B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5165128B1 publication Critical patent/JP5165128B1/ja
Publication of JP2013169880A publication Critical patent/JP2013169880A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

【課題】土運船の航行前に、船倉に溜まった濁水を容易に排出でき、これにより航行中に船倉から漏出した濁水による海洋汚染も防止でき、かつ土運船への土砂の積載量が増大し、浚渫作業の作業効率が高まる土運船の船倉排水装置を提供する。
【解決手段】船倉12に積まれた土砂の高さが、ドレン管15の周壁のろ過孔18の高さを越えた時、土砂中の濁水がろ過孔を通してドレン管に流れ込む。こうして管内に溜まった濁水は、その後、排水手段の排水ポンプ23を作動することで排水ホース22を通して吸い上げられ、船外に排水される。これにより、土運船11の航行前に、船倉に溜まった濁水を容易に船外に排水できる。その結果、土砂を積んだ土運船の航行中、高波などの影響で船倉から漏出した濁水による海洋汚染を防止できるとともに、土運船への土砂の積載量が増大し、浚渫作業の作業効率が高まる。
【選択図】図1

Description

この発明は土運船の船倉排水装置、詳しくは浚渫船で浚渫した土砂を積込んで運搬する土運船の船倉に溜まった濁水を船外へ排出する土運船の船倉排水装置に関する。
港や水路の浚渫工事では、浚渫船の一種であるグラブ浚渫船が用いられる場合がある。グラブ浚渫船による浚渫工事は、船体に装備された揚重機を運転し、グラブバケットを昇降して海底の土砂を掬い上げ、そのまま旋回して、例えば特許文献1に開示された土運船の船倉へ土砂を積み込む。土砂を積んだ土運船は、押し船により土砂廃棄場まで曳航され、そこで船倉の土砂が廃棄される。
特開2006−131175号公報
しかしながら、グラブバケットが掬い上げた土砂には、多量の濁水も含まれている。そのため、船倉内の土砂の上には、広範囲にわたり濁水が溜まっていた。しかも、土砂の積み下ろし口となる船倉の開口は、常に開放している。その結果、押し船によるグラブ浚渫船の曳航時、波の影響によって土運船が揺れるたび、船倉に溜まった濁水が、船倉の開口の周囲に形成された堰を乗り越えて船外へ漏出し、これが海洋汚染の原因の1つとなっていた。
従来、これを解消するため、土砂の積載量を減らす方法がとられている。しかしながら、この方法では、1回の土運船の曳航によって処分される土砂の量が少なくなり、浚渫作業の作業効率が低下していた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、土運船の船倉の全ての側板の立ち上がり部分に沿って、土砂の中から濁水を濾し取る多数のろ過孔が周壁の上部に形成されたドレン管を環状に設け、ろ過孔を通してドレン管に溜まった濁水を、ドレン管に連通したホース投入用縦管を通して、排水手段によって船外に排水するように構成すれば、上述した問題は全て解消されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、土運船の航行前に、船倉に溜まった濁水を容易に排出することができ、これにより航行中に船倉から漏出した濁水による海洋汚染を防止することができるとともに、土運船の土砂の積載量も減らす必要がなくなり、浚渫作業の作業効率も高めることができる土運船の船倉排水装置を提供することを目的としている。
この発明は、土運船に設けた船倉の内部空間の底部に、該船倉の底板の外周縁から立ち上がる全ての側板の立ち上がり部分に沿って環状に配管したドレン管と、排水ポンプを有し、かつ前記ドレン管に溜まった濁水を前記排水ポンプの負圧力により排水ホースを通して吸い上げる排水手段とを備え、前記ドレン管の周壁のうち、該ドレン管の長さ方向に直交する断面の上部のみには、該ドレン管の長さ方向に所定間隔をあけて、土砂の中から濁水を濾し取るろ過孔が多数形成された土運船の船倉排水装置である。
この発明によれば、例えばグラブ浚渫船によって船倉に積み込まれた土砂の高さが、ドレン管の周壁のろ過孔の高さを越えた時、土砂中の濁水がろ過孔を通してドレン管に流れ込む。その後、ドレン管に溜まった濁水を、排水ポンプの負圧力により排水ホースを通して吸い上げて、船外に排水する。
そのため、土運船の航行前(押し船による曳航の前)に、船倉に溜まった濁水を容易に船外へ排水することができる。その結果、土砂を積んだ土運船の航行中、高波などの影響で船倉から漏出した濁水による海洋汚染を防止することができる。しかも、土運船への土砂の積載量も減らす必要がなくなり、浚渫作業の作業効率も高めることができる。
また、この濁水の排水作業後、土運船は所定の土砂廃棄場まで航行される。そこで待機する例えば揚土船のバックホーを運転し、回動アームおよびバケットを動かして船倉の土砂を掬い上げ、土砂が廃棄される(特に、密閉式の土運船の場合)。このとき、ドレン管が船倉の底部の外周部に環状に配管されているため、例えばドレン管を船倉の中央部に配置したり、船倉の上部に配置した場合に比べて、バックホーのバケットを動かして船倉の土砂を掬い上げるときにドレン管が邪魔になり難い。
土運船の種類は限定されない。例えば、船倉の底板が開閉する底開方式の土運船でも、船倉の底板が開閉しない密閉方式の土運船でもよい。また、土運船は押し船による曳航方式のものでも、自走式のものでもよい。
船倉の形状は限定されないが、一般的には平面視して矩形状である。
「船倉の底板の外周縁から立ち上がる全ての側板の立ち上がり部分に沿って、ドレン管を環状に配管する」とは、船倉の内部空間のうち、その底部の外周部分(底板と全ての側板との連結部の近く)に、環状(船倉が平面視して矩形状の場合には平面視して矩形枠状)のドレン管を、船倉の底部に設けることをいう。
排水手段としては、例えば、濁水を吸引可能な各種の排水ポンプ(例えばスラリーポンプ)を負圧力発生源とし、排水ホースの管内を負圧化してドレン管の濁水を船倉の外まで吸い上げる。
ドレン管の平面視した形状(環形状)は、船倉の平面視した形状に応じて適宜変更される。
ドレン管および排水ホースの直径や長さは、船倉の大きさ(最大積載量)などにより適宜変更される。例えば、ドレン管の直径としては、100〜1500mmである。
排水ホースは、船倉の上面の開口(土砂投入口)から船倉の底部に配置されたドレン管に向かって吊下される。
ドレン管および排水ホースの素材としては、例えば各種の合成樹脂、各種の金属、これらの複合素材などを採用することができる。
ドレン管および排水ホースの使用本数は1本でも2本以上でもよい。
排水ホースのドレン管における連通位置は限定されない。例えば、ドレン管の長さ方向の端部でも、その長さ方向の中間部でもよい。
ドレン管および排水ホースの船倉への取り付け方法は限定されない。例えば、ワイヤやロープによる締結方法、U字形状などの連結ブラケットを船倉の底板にボルト連結する方法などを採用することができる。
排水ポンプの種類は限定されない。例えば、排水ホースの先端部に取り付けられ、使用時にはドレン管内に配置される水中ポンプでも、甲板などに据え付けられる固定式ポンプでもよい。
ドレン管は、それぞれの波部が独立した合成樹脂(高密度ポリエチレンなど)からなるリング状波管(独立山形状の波管)とした方が望ましい。このようにすれば、新造される土運船だけでなく既成の土運船に対しても、本発明の船倉排水装置を簡単に配備することができる。
「ドレン管の周壁のうち、ドレン管の長さ方向に直交する断面の上部」とは、ドレン管を、その長さ方向に直交する断面で切断した際、その断面の半分より上部をいう。ろ過孔の形成領域が、ドレン管の周壁のうち、ドレン管の長さ方向に直交する断面の上部より下方まで広がった場合には、ドレン管に濁水が少量溜まっただけで、濁水がろ過孔から船倉に漏れるおそれがある。
ろ過孔の直径は、13〜20mmである。13mm未満では通水性が悪く、濁水のドレン管への流入時間が長くなり、濁水の排水作業効率が低下する。しかも、土砂によりろ過孔が目詰まりし易くなる。また、20mmを超えれば、土砂がドレン管に流れ込むおそれがある。
ろ過孔の形成間隔は限定されない。例えば、それぞれ10〜250mmである。
また、ドレン管のろ過孔を、織布、不織布、編布などの布帛により内側または外側から覆って、ろ過孔の目詰まりを防止したり、ドレン管への土砂の流入防止効果をさらに高めるようにしてもよい。
この発明では、船倉は平面視して矩形状で、ドレン管は、船倉の底部に平面視して矩形枠状に配管され、ドレン管の各コーナーには、排水ホースをドレン管に投入するホース投入用縦管を連通した方が望ましい。
このように、ドレン管を平面視して矩形枠状としたため、平面視して矩形状の船倉を有する一般的な土運船に、本発明の土運船の船倉排水装置を適用することができる。また、ドレン管の各コーナーにホース投入用縦管を連通したため、仮に波の影響などにより土運船が前後左右に揺れる状況での排水作業であっても、各ホース投入用縦管に排水ホースを挿入して各排水ポンプを作動することにより、ドレン管内を前後左右に流動する濁水を、ドレン管の各コーナーから支障なく吸い上げることができる。
ホース投入用縦管は、ドレン管に下端部が連通され、かつ上端の開口が船倉の上部に配置されるとともに、軸線方向(長さ方向)が縦方向の管体(傾斜してもよい)である。ホース投入用縦管の素材は、各種の合成樹脂、各種の金属である。ホース投入用縦管の内径は、排水ホースの外径(排水ホースの先端に水中ポンプを設けた場合には、水中ポンプの外径)より大径である。
ホース投入用縦管の使用本数は4本である。全てのホース投入用縦管に排水ホースを投入してドレン管の濁水を吸い上げてもよい。また、任意に選択した1本〜3本のホース投入用縦管に排水ホースを投入して、ドレン管の濁水の排水を行ってもよい。
なお、ドレン管には、管内の濁水が排水手段を作動する水位まで上昇した(溜まった)ことを検知する液面センサを設けてもよい。これにより、排水手段を常時作動させる必要がなくなり、省エネが図れる。
また、ホース投入用縦管の周壁の全域には、ドレン管より上方に堆積した土砂の中から濁水を濾し取る別のろ過孔を、所定間隔をあけて多数形成した方が望ましい。このようにすれば、船倉に積載した土砂によってドレン管が完全に埋もれ、ろ過孔が全て目詰まりした場合でも、船倉内の土砂に含まれる濁水は、多数の別のろ過孔を通してホース投入用縦管からドレン管に流れ込む。これにより、仮にドレン管のろ過孔が目詰まりした場合でも、排水手段を利用して支障なく濁水を船外に排水することができる。
別のろ過孔の直径は、それぞれ13〜20mmである。13mm未満では通水性が悪く、濁水のホース投入用縦管への流入時間が長くなり、濁水の排水作業効率が低下する。しかも、土砂により別のろ過孔が目詰まりし易くなる。また、20mmを超えれば、土砂がドレン管やホース投入用縦管に流れ込むおそれがある。
ろ過孔の形成間隔は限定されない。例えば、10〜250mmである。
請求項1に記載の発明によれば、例えばグラブ浚渫船による浚渫工事において、船体に装備された揚重機を運転し、グラブバケットを昇降して水底の土砂を水とともに掬い上げ、それを土運船の船倉に、順次、積み込む。船倉に積まれた土砂の高さが、ドレン管の周壁のろ過孔の高さを越えた時、土砂中の濁水がろ過孔を通してドレン管に流れ込む。こうして管内に溜まった濁水は、その後、ドレン管内に挿入された排水ホースを通して、排水手段の排水ポンプを作動することで吸い上げられ、船外に排水される。
これにより、土運船の航行前に、船倉に溜まった濁水を容易に船外に排水することができる。その結果、土砂を積んだ土運船の航行中、高波などの影響で船倉から漏出した濁水による海洋汚染を防止することができる。しかも、従来は船倉から濁水が漏出しないように土運船への土砂の積載量を減らしていたが、その必要がなくなる。その結果、土運船に積載される土砂の量が増大し、浚渫作業の作業効率を高めることができる。
また、この濁水の排水作業後、土運船は所定の土砂廃棄場まで航行される。そこで待機する例えば揚土船のバックホーを運転し、回動アームおよびバケットを動かして船倉の土砂を掬い上げ、土砂が廃棄される(特に、密閉式の土運船の場合)。このとき、ドレン管が船倉の底部の外周部に環状に配管されているため、例えばドレン管を船倉の中央部に配置したり、船倉の上部に配置した場合に比べて、バックホーのバケットを動かして船倉の土砂を掬い上げるときにドレン管が邪魔になり難い。
請求項2に記載の発明によれば、ドレン管を、船倉の形状に合わせて平面視して矩形枠状としたため、平面視して矩形状の船倉を有する一般的な土運船に本発明の土運船の船倉排水装置を適用することができる。
また、ドレン管の各コーナーにホース投入用縦管を連通したため、仮に波の影響などにより土運船が前後左右に揺れる状況で排水作業を行っても、各ホース投入用縦管に排水ホースを挿入して各排水ポンプを作動することで、ドレン管内を前後左右に流動する濁水を、ドレン管の各コーナーから支障なく吸い上げることができる。
この発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置の使用状態を示す斜視図である。 この発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置の平面図である。 この発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置の側面図である。 この発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置のドレン管の使用状態を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置のホース投入用縦管の使用状態を示す斜視図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1〜図3において、10はこの発明の実施例1に係る土運船の船倉排水装置(以下、船倉排水装置)で、この船倉排水装置10は、土運船11に設けた船倉12の内部空間の底部に、船倉12の底板13の外周縁から立ち上がる全ての側板14の立ち上がり部分14aに沿って環状に配管したドレン管15と、ドレン管15に下端部が連通され、かつ上端の開口が船倉12の上部に配置された4本のホース投入用縦管16と、各ホース投入用縦管16を通して、ドレン管15に溜まった濁水を吸い上げて船外に排水する4つの排水手段17とを備えている。
以下、これらの構成体を詳細に説明する。
図2および図3に示す土運船11は、平面視して矩形状の船倉12の底板13が開閉しない密閉方式のもので、図示しない押し船により曳航される。船倉12のサイズは縦25m、横10m、深さ4mで、最大積載量は1000mである。
図1〜図4に示すドレン管15としては、高密度ポリエチレンからなる鳥居化成株式会社製の独立山シングルプレスト管(直径50cm)を採用し、これを船倉12の底板13の各辺に沿うように、平面視して矩形枠状(縦25m×横10m)に、底板13の上面に接触状態で配置している。ドレン管15は、船倉12の底板13に逆U字形状の連結ブラケットを介してボルト連結されている。
ドレン管15の周壁のうち、ドレン管15の長さ方向に直交する断面の上部のみには、ドレン管15の長さ方向および周方向にそれぞれ10cmピッチで、土砂の中から濁水を濾し取る多数のろ過孔18が形成されている(図4)。ろ過孔(後述の別のろ過孔18Aも同じ)18の直径は、通水性が良好でかつ土砂が管内に流れ込まない15mmである。ドレン管15に形成された最下段のろ過孔18の高さは、船倉12の底板13から30cmである。また、ドレン管15の外周面は、全てのろ過孔18の目詰まりおよび土砂のドレン管15への流入を防止するため、不織布からなるシート状のフィルタ20により覆われている。なお、ドレン管15には、管内の濁水が排水手段17を作動する水位まで達したことを検知する液面センサ19を設けてもよい。
図1〜図3および図5に示す4本のホース投入用縦管16は、高密度ポリエチレンからなる鳥居化成株式会社製の独立山シングルプレスト管(直径50cm、長さ3.3m)で、ドレン管15の四隅の上端部に略垂直状態で立設されている。ホース投入用縦管16の内径は、後述の水中ポンプ23の外径より大径である。また、図1および図5に2点鎖線(想像線)で示すように、ホース投入用縦管16の周壁には、その全域(周方向および長さ方向の全域)にわたってホース投入用縦管16の長さ方向および周方向にそれぞれ10cmピッチで、土砂の中から濁水を濾し取る直径15mmの多数の別のろ過孔18Aを形成してもよい。この場合、ホース投入用縦管16の外周面も不織布からなるシート状のフィルタ20により覆うようにすれば、別のろ過孔18Aの目詰まりおよび土砂のホース投入用縦管16への流入が防止される。
図1および図5に示す4つの排水手段17としては、負圧力発生源である水中ポンプ(排水ポンプ)23が、長尺な排水ホース22の先端部に連通されたものを採用している。なお、排水手段17は、水中ポンプ23に代わる固定ポンプが甲板に据え付けられ、かつ固定ポンプが排水ポンプの途中部に設けられたものでもよい。
次に、図1〜図5を参照して、この発明の実施例1に係る船倉排水装置10による船倉12内に溜まった濁水の排水方法を説明する。
図1、図4および図5に示すように、浚渫工事に先立ち、4本のホース投入用縦管16にそれぞれ水中ポンプ23が先端に装着された排水ホース22を挿入し、水中ポンプ23の下端の吸引口を、ドレン管15の管内の例えば底板13から20cmの高さに配置し、水中ポンプ23を作動させる。
次に、図示しないグラブ浚渫船による浚渫工事において、グラブ浚渫船の船体に装備された揚重機を運転し、グラブバケットを昇降して海底の土砂を掬い上げ、そのまま旋回して、土運船11の船倉12へ土砂を順次積み込む。
図4に示すように、船倉12に積まれた土砂の高さが、ドレン管15の最下段のろ過孔18の底板13からの高さ30cmを越えた時、土砂中の濁水がろ過孔18を通してドレン管15に流れ込む。その後、ドレン管15内での濁水の水位が底板13から20cmの高さに達した時、吸引口から水中ポンプ23、排水ホース22へと順次濁水が吸引され、船外に排水される。具体的な濁水の排水場所としては、海面から吊り下げられて浚渫作業領域を確保する汚濁防止カーテンの内側空間などが挙げられる。これにより、濁水の船外廃棄による海洋汚染の度合いが、汚濁防止カーテンをフィルタ代わりに利用する分だけ低減する。なお、吸い上げられた濁水は、汚泥廃棄用タンカーに投入し、陸地から離れた海域まで航行して濁水を廃棄してもよい。また、液面センサ19を用いる場合には、この高さに濁水の水位が達したことを液面センサ19が検知し、この検知信号に基づき、はじめて排水手段17を作動させるようにしてもよい。
その後も、船倉12に所定高さまで積み上げられて行く土砂中の濁水は、多数のろ過孔18を通してドレン管15に流入して行き、最終的には、船倉12に積み込まれた土砂に含まれるほとんどの濁水が、ドレン管15を通して排水処理される。なお、図1および図5に2点鎖線で示すように、ドレン管15の四隅に立設した多孔質の4本のホース投入用縦管16を利用すれば、ドレン管15より高く積まれた土砂中からの濁水の排水を、さらに短時間でスムーズに行うことができる。すなわち、ドレン管15より高い土砂中からの濁水は、各ホース投入用縦管16のそれぞれ対応する高さに配置した別のろ過孔18Aを通して、対応するホース投入用縦管16の管内に流れ込む。仮に、特定の別のろ過孔18Aが目詰まりしても、順次、それより上段のろ過孔18Aから濁水の排水が継続される。その後、濁水は各ホース投入用縦管16からドレン管15の四隅に落下して貯留され、上述した排水手段17による濁水の船外排水が行われる。
濁水の排水作業の完了後は、排水ホース22を引っ張ることにより、各ホース投入縦管16を通して各水中ポンプ23をドレン管15から引き上げる。このように、各ホース投入縦管16をドレン管15に立設することで、土砂の中から各水中ポンプ23を簡単に引き上げることができる。
その後、土運船11は、図示しない押し船により所定の土砂廃棄場まで曳航される。この土砂廃棄場では、待機中の揚土船の船体に装備されたバックホーを運転し、バケットにより船倉12の土砂を掬い上げ、その後、一般的な方法によってバケット内の土砂の廃棄が行われる。このとき、ドレン管15は、船倉12の底部の外周部に環状に配管されているため、バックホーのバケットを動かして船倉12の土砂を掬い上げる際、例えばドレン管15を船倉12の中央部に配置したり、船倉12の上部に配置した場合に比べて、ドレン管15が邪魔になり難い。
このように、船倉排水装置10を作動すれば、土運船11の曳航前に、船倉12に溜まった濁水を容易に船外に排水することができる。その結果、土砂を積んだ土運船11の曳航中、高波などの影響で船倉12から漏出した濁水による海洋汚染を防止することができる。また、従来は曳航中に船倉12から濁水が漏出しないように土砂の積載量を減らしていたが、船倉排水装置10の搭載によりその必要がなくなる。その結果、土運船11への土砂の積載量が増大し、浚渫作業の作業効率を高めることができる。
また、ドレン管15を、船倉12の形状に合わせて平面視して矩形枠状としたため、平面視して矩形状の船倉12を有する一般的な土運船11にドレン管15を配管することができる。
また、ドレン管15の各コーナーにホース投入用縦管16を連通したため、仮に波の影響などにより土運船11が前後左右に揺れる状況で排水作業を行っても、各ホース投入用縦管16にそれぞれ排水ホース22を挿入してこれらの水中ポンプ23を作動することで、ドレン管15内を前後左右に流動する濁水を、ドレン管15の各コーナーから支障なく吸い上げることができる。
さらに、ドレン管15として合成樹脂からなるリング状波管を採用したため、新造される土運船11だけでなく既成の土運船11に対しても、船倉排水装置10を簡単に配備することができる。
この発明は、土砂を積んだ土運船の船倉からの濁水の漏出による海洋汚染を防止する等の技術として有用である。
10 土運船の船倉排水装置、
11 土運船、
12 船倉、
13 底板、
14 側板、
14a 立ち上がり部分、
15 ドレン管、
16 ホース投入用縦管、
17 排水手段、
18 ろ過孔、
22 排水ホース、
23 水中ポンプ(排水ポンプ)。

Claims (2)

  1. 土運船に設けた船倉の内部空間の底部に、該船倉の底板の外周縁から立ち上がる全ての側板の立ち上がり部分に沿って環状に配管したドレン管と、
    排水ポンプを有し、かつ前記ドレン管に溜まった濁水を前記排水ポンプの負圧力により排水ホースを通して吸い上げる排水手段とを備え、
    前記ドレン管の周壁のうち、該ドレン管の長さ方向に直交する断面の上部のみには、該ドレン管の長さ方向に所定間隔をあけて、土砂の中から濁水を濾し取るろ過孔が多数形成された土運船の船倉排水装置。
  2. 前記船倉は平面視して矩形状で、
    前記ドレン管は、前記船倉の底部に平面視して矩形枠状に配管され、
    前記ドレン管の各コーナーには、前記排水ホースを前記ドレン管に投入するホース投入用縦管が連通された請求項1に記載の土運船の船倉排水装置。
JP2012034746A 2012-02-21 2012-02-21 土運船の船倉排水装置 Expired - Fee Related JP5165128B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034746A JP5165128B1 (ja) 2012-02-21 2012-02-21 土運船の船倉排水装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012034746A JP5165128B1 (ja) 2012-02-21 2012-02-21 土運船の船倉排水装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5165128B1 true JP5165128B1 (ja) 2013-03-21
JP2013169880A JP2013169880A (ja) 2013-09-02

Family

ID=48134612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012034746A Expired - Fee Related JP5165128B1 (ja) 2012-02-21 2012-02-21 土運船の船倉排水装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5165128B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7202221B2 (ja) * 2019-03-07 2023-01-11 五洋建設株式会社 土運船の排水装置及び排水方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578552Y2 (ja) * 1977-11-11 1982-02-18
JPS54115094U (ja) * 1978-02-01 1979-08-13
JP2000355953A (ja) * 1999-06-17 2000-12-26 Norimasa Ozaki ポンプ浚渫装置およびポンプ浚渫方法
JP5309747B2 (ja) * 2008-07-15 2013-10-09 株式会社大林組 運搬船

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013169880A (ja) 2013-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5129167A (en) Method of and apparatus for preventing diffusion of muddy water in sand gathering equipment
CN103717835B (zh) 用于海底堆存的设备及方法
CN204279886U (zh) 一种垃圾筛分清污船
WO1998020208A1 (fr) Procede de dragage et appareil de dragage
CN110629823A (zh) 一种深水清淤作业系统
EP4019700A1 (en) High viscosity oil recovery device for sea spill and method thereof
JP7041939B2 (ja) 浚渫装置
JP5165128B1 (ja) 土運船の船倉排水装置
JP2007063934A (ja) 土砂輸送システム
JP7445757B2 (ja) 浚渫方法及び装置
JP2007217991A (ja) 浚渫装置および浚渫方法
JP2003138598A (ja) 屈曲部に開口部を有するパイプを用いた浚渫方法とその装置
JP3723852B2 (ja) 水底土砂排除装置、及び水底土砂の排除方法
JP5703110B2 (ja) 埋設型有孔管による固定式浚渫装置と浚渫工法
JP4610292B2 (ja) 貯水池内の土砂輸送方法およびその装置
JPH11293698A (ja) 浚渫装置及び浚渫方法
JP4114512B2 (ja) 貯水池の排砂方法及び排砂装置
JP7202221B2 (ja) 土運船の排水装置及び排水方法
JPS6073920A (ja) 沈澱泥土浚渫船
JP3040944U (ja) 可搬型浮き水槽
CN216515814U (zh) 一种水利工程用环保清淤装置
CN214940580U (zh) 一种绞吸挖泥船吹填土筛分装驳平台
JP4356472B2 (ja) 貯水池の排砂方法及び排砂装置
JP2004324355A (ja) 貯水池の排砂方法及び排砂装置
US20150159336A1 (en) Container for collecting pollution

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5165128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees