JP3723852B2 - 水底土砂排除装置、及び水底土砂の排除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水底付近の堆積土砂の排除を行う水底土砂排除装置、及び水底土砂の排除方法、特に、海浜のサンドバイパス工法(砂の堆積箇所から侵食箇所へ砂を輸送する工法)や、航路または泊地等における堆積土砂浚渫工法及び装置に適用可能な水底土砂排除装置、及び水底土砂の排除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海底、河底、湖底等の水底付近に土砂が堆積すると、航路や泊地の水深が浅くなり、船舶の利用に支障が生じる。このため、航路や泊地の水深が所定の値よりも浅くなった場合には、水底付近の堆積土砂を掘り取る作業である「浚渫」が行われる。
【0003】
しかし、浚渫を行っても、土砂は周辺部から水流等によって移動してくるため、浚渫後、時間が経過すると再び水底付近に土砂が堆積することになる。このため、浚渫工事は何度も繰り返される場合が多い。浚渫工事は、大規模な工事であり、多大な工事費が必要となる。したがって、浚渫工事を何度も繰り返すことは、費やした労力と費用が生かされないこととなり、非効率的かつ非経済的である、という問題がある。
【0004】
また、従来の浚渫工事は、浚渫船を用いて水底の土砂を機械的に一度浚い、浚った土砂を輸送するため、大規模な装置と多大な労力が必要であり、より小型で簡易な工法が望まれていた。しかも、既存の航路や泊地で浚渫工事を行うと、航行する船舶の大きな障害となるため、船舶航行の支障とならない浚渫工法に対する要請も多かった。その上、浚渫工事は、水底の土砂を撹乱させることが多く、浚渫工事箇所の水の汚濁が環境上の問題となる場合もあった。
【0005】
このような問題を解決するため、土砂流入孔を有する土砂移送管を水底の堆積土砂中に埋設し、水流を利用して堆積土砂を強制排出する工法及び装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−235337号公報(第1−5頁、図1−8)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した工法又は装置においては、複数の土砂流入孔が管壁の長手方向に並設された土砂移送管を水底の堆積土砂中に埋設し、土砂流入孔から水底の堆積土砂を流入させるとともに、土砂移送管中に水を流し、土砂移送管中の土砂を下流側へ移送して排出するようにしている。しかしながら、水底の堆積土砂中に土砂移送管を埋設する作業のために浚渫船等が必要になる場合もあり、その作業中に水底の土砂を撹乱させて、不要な水の汚濁を発生させる、というおそれがあった。
【0008】
また、水底の堆積土砂は、重力による沈降作用によって土砂流入孔の中へ流入するが、径の大きな土砂、あるいは他の異物等の何らかの原因により、土砂流入孔が閉塞され「目詰まり」を起こす場合もあり得る。しかし、このような目詰まりが発生した場合には、上記の装置によって目詰まりの発生を検知することはできないうえ、上記の装置を操作しても土砂流入孔に詰まった異物等を取り除くことはできなかった。したがって、土砂流入孔の目詰まりの進行に伴い、上記装置の水底土砂除去性能が低下していく、という問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、土砂移送管の設置時に水底土砂の攪乱や付近の水の汚濁を防止でき、かつ土砂流入孔の目詰まりを防止することができる水底土砂排除装置、及び水底土砂の排除方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した水底土砂排除装置は、
管状部材であり、複数の土砂流入孔(4)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設されるとともに、水底堆積土砂(2)中に埋設される土砂移送管(3)と、
前記土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させ、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を土砂水流(14)として前記他端(18)側に向けて強制移動させる吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段と、
管状部材であり、複数の流体噴出孔(8)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設され、その下流側端部(11a)が閉塞されるとともに、前記土砂移送管(3)の下部に取り付けられる流体噴出管(11)と、
前記流体噴出管(11)に噴出用水(12)又は圧縮空気若しくは加圧水と圧縮空気の混合流体を含む噴出用流体を供給するとともに前記流体噴出管(11)内の前記噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の周囲に向けて噴出させる加圧ポンプ(7)又は空気圧縮機を含む噴出用流体供給手段を備え、
前記噴出用流体の噴出に伴い前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)の内部への前記流動化した水底堆積土砂(15)の流入を促進し、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(16)を前記他端(18)側に向けて移送し前記土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、前記水底堆積土砂(2)の排除を行うこと
を特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載した水底土砂の排除方法は、
管状部材であり、複数の土砂流入孔(4)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設された土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)中に埋設し、
管状部材であり、複数の流体噴出孔(8)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設されるとともにその下流側端部(11a)が閉塞された流体噴出管(11)を前記土砂移送管(3)の下部に取り付けておき、
前記土砂移送管(3)に吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段を設け、前記土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させ、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を土砂水流(14)として前記他端(18)側に向けて強制移動させ、
前記流体噴出管(11)に加圧ポンプ(7)又は空気圧縮機を含む噴出用流体供給手段を設け、前記流体噴出管(11)に噴出用水(12)又は圧縮空気若しくは加圧水と圧縮空気の混合流体を含む噴出用流体を供給するとともに前記流体噴出管(11)内の前記噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の周囲に向けて噴出させ、
前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)の内部への前記流動化した水底堆積土砂(15)の流入を促進し、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(16)を前記他端(18)側に向けて移送し前記土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、前記水底堆積土砂(2)の排除を行うこと
を特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載した水底土砂の排除方法は、
請求項2記載の水底土砂の排除方法において、
前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)中に埋設する際に、前記流体噴出管(11)に前記噴出用流体を供給し前記流体噴出管(11)内の噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の設置箇所付近に向けて噴出させ、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させつつ、前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)に向けて降下させることにより、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)内への埋設作業を支援すること
を特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載した水底土砂の排除方法は、
請求項3記載の水底土砂の排除方法において、
前記土砂移送管(3)に吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段を設け、前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)中に埋設する際に、土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させて前記土砂移送管(3)内部の圧力を前記土砂移送管(3)外部の圧力よりも低くさせ、前記流体噴出管(11)から噴出した噴出用流体により水底から舞い上がった前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を前記土砂移送管(3)内に吸引することにより、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)内への埋設作業をさらに支援すること
を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態である水底土砂排除装置の構成を示したものである。また、図2は、図1の水底土砂排除装置に設けられる流体噴出管の構成及び作用を説明する拡大断面図である。図1及び図2に示すように、この水底土砂排除装置1は、土砂移送管3を備えている。また、土砂移送管3の下部には、ワイヤや棒状部材等の取付部材10(図2参照)により、流体噴出管11が取り付けられている。
【0020】
土砂移送管3は、金属、合成樹脂、又はコンクリート等の材料からなる管状部材であり、海底に堆積した土砂2の内部に設置されている。この土砂移送管3の下部及び下方側部には、複数の土砂流入孔4が土砂移送管3の長手方向(図1における左右方向)に沿って、管壁に複数個並設されている。
【0021】
また、土砂移送管3の内部には、土砂移送管3の上流側の端部(図1の左側外部に位置する端部。図示せず。)から、移送用水5が供給される。移送用水5は、特許請求の範囲における移送用流体に相当している。
【0022】
一方、土砂移送管3の土砂除去領域の下流側(図1における右端付近)には、吸引ポンプ6が設けられて吸引している。これにより、土砂移送管3内の移送用水5は、土砂移送管3の上流側の端部(図1の左側外部に位置する端部。図示せず。)から土砂移送管3の下流側の端部(図1において符号18で示す端部。以下、「土砂排出端」という。)に向けて強制移動され、水流(以下、「移送用水流」という。)となり、土砂移送管3の下流側へ流れるようになっている。移送用水流は、特許請求の範囲における移送用流体流に相当している。
【0023】
なお、この吸引ポンプ6のかわりに、他の加圧ポンプ(図示せず)を土砂移送管3の上流側(図1の左側外部の位置。図示せず。)に設け、水を加圧して土砂移送管3内へ押し込むような構成であってもよい。吸引ポンプ6、あるいは図示しない他の加圧ポンプは、特許請求の範囲における移送用流体駆動手段に相当している。
【0024】
また、流体噴出管11は、金属、合成樹脂、又はコンクリート等の材料からなる管状部材である。この流体噴出管11の下部には、複数の流体噴出孔8が流体噴出管11の長手方向(図1における左右方向)に沿って、管壁に複数個並設されている。
【0025】
また、流体噴出管11の内部には、流体噴出管11の上流側の端部(図1の左側外部に位置する端部。図示せず。)から、水(以下、「噴出用水」という。)12が供給される。噴出用水12は、特許請求の範囲における噴出用流体に相当している。
【0026】
一方、流体噴出管11の土砂除去領域の上流側(図1における左端付近)には、加圧ポンプ7が設けられ、噴出用水12に圧力を加えて流体噴出管11の内部へ送り込んでいる。また、流体噴出管11の下流側端部(図1における右端部)は、符号11aで示すように、板状部材又は蓋状部材等により閉塞されている。
【0027】
これにより、図2に示すように、流体噴出管11へ送り込まれた噴出用水12は、流体噴出管11の下部の流体噴出孔8から噴出し、下方の海底堆積土砂2に向けて噴射される。これに伴い、土砂移送管3の設置箇所付近の海底堆積土砂2が流動化され、図2において符号15で示すように水中で舞い上がり、流体噴出管11の上方に位置する土砂移送管3の下方に達する。
【0028】
一方、土砂移送管3の内部には移送用水5が下流側へ流れており、ベルヌーイの定理から、土砂移送管3の内部の圧力は、土砂移送管3の外部の圧力よりも低くなっている。このため、噴出用水12の噴射を受けて流動化し海底から舞い上がり土砂移送管3の下方へ到達した土砂粒子15は、土砂移送管3の下部に開設された土砂流入孔4から、圧力が周囲よりも低い土砂移送管3の内部空間へ流入する。
【0029】
その後、土砂移送管3の内部へ流入した土砂16は、移送用水5の水流である移送用水流に乗り、移送用水5と混合された状態の流れ(土砂水流)となって土砂移送管3の内部を流動する。このため、図1において左方から右方へ向かう矢印で示すように、土砂移送管3に流入した土砂16は、土砂移送管3の土砂排出端18(図1における右端)へ向けて移送される。そして、移送用水5とともに移送された土砂は、土砂移送管3の土砂排出端18から土砂水流14(図1参照)のように排出される。
【0030】
土砂移送管3の土砂排出端18は、土砂が堆積しても支障のない水域(対象水域外)に設置されている。これにより、土砂移送管3の設置されている対象水域の海底堆積土砂2の排除が行われる。
【0031】
なお、噴出用流体としては、水だけでなく、圧縮空気も利用可能である。噴出用流体として圧縮空気を用いる場合には、上記の加圧ポンプ7のかわりに、空気圧縮機(エアー・コンプレッサー。図示せず。)と開閉弁(図示せず)を設けてもよい。あるいは、これらのかわりに、流体噴出管11の上流側に、あらかじめ空気圧縮機により生成された圧縮空気を収容するボンベ等の圧縮空気容器と開閉弁(図示せず)を配置してもよい。加圧ポンプ7、あるいは図示しない空気圧縮機、圧縮空気容器、開閉弁等は、特許請求の範囲における噴出用流体供給手段に相当している。さらに、噴出用流体としては、加圧水と圧縮空気を混合した流体も利用可能である。
【0032】
上記した水底土砂排除装置1による水底土砂排除方法によれば、以下のような利点がある。
【0033】
(a)海底堆積土砂2中の土砂移送管3の内部には、海底堆積土砂2が連続的に流入するため、土砂除去効果が継続的に発揮される。
【0034】
(b)最初に土砂移送管3を海底堆積土砂2中に設置した後は、船舶航行への支障はない。また、海底面上の設置物がないため、底引き網漁業への障害や、船舶のアンカー(錨)による破損のおそれも少ない。
【0035】
(c)海底面の下方の土砂移送管3の内部を土砂が流動するため、水の汚濁の発生は最小限に抑えられる。
【0036】
(d)噴出用水12の噴射により、土砂移送管3の下方となる位置の海底堆積土砂2が流動化して舞い上がり土砂流入孔4付近へ強制的に移動させられるため、従来のような重力作用に基づく土砂粒子の自然落下・沈降による土砂流入孔への流入に比べて、堆積土砂の取り込みをより促進することができる。
【0037】
(e)噴出用水12の噴射により、土砂移送管3の土砂流入孔4付近の水が乱されるため、土砂流入孔4の目詰まりを防止することができる。
【0038】
上記した水底土砂排除装置1は、他の使用方法も可能である。図2を、土砂移送管3を海底堆積土砂2の中に埋設する作業の状態を示したものとして見るものとする。
【0039】
この土砂移送管3の埋設作業の場合には、流体噴出管11に、上記と同様の加圧ポンプ7等の噴出用流体供給手段を取り付けて、流体噴出管11内に噴出用水12等の噴出用流体を供給し、流体噴出管11内の噴出用流体を、流体噴出管11の下部の流体噴出孔4から噴出させる。これにより、噴出用流体(例えば噴出用水12等)は、土砂移送管3の設置箇所付近の海底に向けて噴出される。これに伴い、土砂移送管3の設置箇所付近の海底堆積土砂2は流動化され、非常に軟弱な状態となる。この状態で土砂移送管3と流体噴出管11の結合体を、クレーン船等の作業機械(図示せず)を用いて海上から吊り込みワイヤー等(図示せず)により吊り込み、海底堆積土砂2に向けて降下させれば、土砂移送管3を、その設置箇所付近の海底堆積土砂2の中へ容易に埋設させることができる。
【0040】
このように、土砂移送管3の埋設作業時に、流体噴出管11からの流体噴射を併用すれば、上記した(a)〜(e)の利点に加え、以下のような利点がある。
【0041】
(f)この方法によれば、土砂移送管3を、設置箇所付近の水底堆積土砂内へ埋設する作業を積極的に支援することができる。
【0042】
(g)土砂移送管3を海底堆積土砂2の中に埋設する作業中に、水底の土砂を撹乱させて水の汚濁を発生させることが最小限に抑えられる。この場合には、噴出用流体の圧力を低い値となるように設定すれば、さらに水質汚濁の程度を低減できる。
【0043】
さらに、上記した土砂移送管3の埋設作業において、土砂移送管3に吸引ポンプ6等を接続して土砂移送管3内の水の吸引を行えば、図2に示す状態と全く同様の状態となり、噴出用水12の噴出により海底から舞い上がった堆積土砂の粒子は、符号15で示すように、圧力が相対的に低い土砂移送管3の内部へ流入する。このため、上記した(g)の効果がさらに高められる。
【0044】
なお、本発明は、上記した実施形態や各例に限定されるものではない。上記した実施形態や例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
例えば、上記各実施形態においては、海底の堆積土砂中に設置される水底土砂排除装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、海底以外の他の箇所、例えば、湖、池、沼等の内水部の水底の堆積土砂中に配置された場合でも、堆積土砂を移送して排除することが可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る水底土砂排除方法、及び水底土砂排除装置によれば、管状部材であり、複数の土砂流入孔(4)が管状部材の下部の管壁の長手方向に並設されるとともに、水底堆積土砂(2)中に埋設される土砂移送管(3)と、土砂移送管(3)内の移送用水(5)を土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させ、土砂流入孔(4)から土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を土砂水流(14)として他端(18)側に向けて強制移動させる吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段と、管状部材であり、複数の流体噴出孔(8)が管状部材の下部の管壁の長手方向に並設され、その下流側端部(11a)が閉塞されるとともに、土砂移送管(3)の下部に取り付けられる流体噴出管(11)と、流体噴出管(11)に噴出用水(12)又は圧縮空気若しくは加圧水と圧縮空気の混合流体を含む噴出用流体を供給するとともに流体噴出管(11)内の噴出用流体を流体噴出孔(8)から土砂移送管(3)の周囲に向けて噴出させる加圧ポンプ(7)又は空気圧縮機を含む噴出用流体供給手段を備え、噴出用流体の噴出に伴い土砂移送管(3)の設置箇所付近の水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、土砂流入孔(4)から土砂移送管(3)の内部への流動化した水底堆積土砂(15)の流入を促進し、土砂流入孔(4)から土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(16)を他端(18)側に向けて移送し土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、水底堆積土砂(2)の排除を行うように構成したので、土砂移送管(3)の設置箇所付近の水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、土砂流入孔(4)から土砂移送管(3)の内部への水底堆積土砂(2)の流入を促進し、土砂流入孔(4)から土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を他端(18)側に向けて強制移動させ土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、水底堆積土砂(2)の排除を行うことができる、という利点がある。また、水底堆積土砂(2)中の土砂移送管(3)の内部には、水底堆積土砂(2)が連続的に流入するため、土砂除去効果が継続的に発揮される、という利点がある。また、最初に土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)中に設置した後は、船舶航行への支障はなく、水底面上の設置物がないため、底引き網漁業への障害や、船舶のアンカー(錨)による破損のおそれも少ない、という利点がある。また、水底面の下方の土砂移送管(3)の内部を土砂が流動するため、水の汚濁の発生は最小限に抑えられる、という利点がある。また、噴出用流体の噴出により、土砂移送管(3)の下方となる位置の水底堆積土砂(2)が流動化して舞い上がり土砂流入孔(4)付近へ強制的に移動させられるため、従来のような重力作用に基づく土砂粒子の自然落下・沈降による土砂流入孔(4)への流入に比べて、堆積土砂(2)の取り込みをより促進することができる、という利点がある。また、噴出用流体の噴出により、土砂移送管(3)の土砂流入孔(4)付近の水が乱されるため、土砂流入孔(4)の目詰まりを防止することができる、という利点も有している。
【0047】
また、土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)中に埋設する際に、流体噴出管(11)に噴出用流体を供給し流体噴出管(11)内の噴出用流体を流体噴出孔(8)から土砂移送管(3)の設置箇所付近に向けて噴出させ、土砂移送管(3)の設置箇所付近の水底堆積土砂(2)を流動化させつつ、土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)に向けて降下させることにより、土砂移送管(3)の設置箇所付近の水底堆積土砂(2)内への埋設作業を支援することができる、という利点も有している。また、土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)の中に埋設する作業中に、水底の土砂を撹乱させて水の汚濁を発生させることが最小限に抑えられ、されに、噴出用流体の圧力を低い値となるように設定すれば、水質汚濁の程度をより低減できる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である水底土砂排除装置の構成を示す図である。
【図2】図1の水底土砂排除装置に設けられる流体噴出管の構成及び作用を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
1 水底土砂排除装置
2 水底堆積土砂
3 土砂移送管
4 土砂流入孔
5 移送用水
6 吸引ポンプ
7 加圧ポンプ
8 流体噴出孔
9 水面
10 取付部材
11 流体噴出管
11a 端部
12 噴出用水
14 土砂水流
15 流動化した土砂
16 流入した土砂
18 土砂排出端
Claims (4)
- 管状部材であり、複数の土砂流入孔(4)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設されるとともに、水底堆積土砂(2)中に埋設される土砂移送管(3)と、
前記土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させ、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を土砂水流(14)として前記他端(18)側に向けて強制移動させる吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段と、
管状部材であり、複数の流体噴出孔(8)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設され、その下流側端部(11a)が閉塞されるとともに、前記土砂移送管(3)の下部に取り付けられる流体噴出管(11)と、
前記流体噴出管(11)に噴出用水(12)又は圧縮空気若しくは加圧水と圧縮空気の混合流体を含む噴出用流体を供給するとともに前記流体噴出管(11)内の前記噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の周囲に向けて噴出させる加圧ポンプ(7)又は空気圧縮機を含む噴出用流体供給手段を備え、
前記噴出用流体の噴出に伴い前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)の内部への前記流動化した水底堆積土砂(15)の流入を促進し、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(16)を前記他端(18)側に向けて移送し前記土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、前記水底堆積土砂(2)の排除を行うこと
を特徴とする水底土砂排除装置。 - 管状部材であり、複数の土砂流入孔(4)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設された土砂移送管(3)を水底堆積土砂(2)中に埋設し、
管状部材であり、複数の流体噴出孔(8)が前記管状部材の下部の管壁の長手方向に並設されるとともにその下流側端部(11a)が閉塞された流体噴出管(11)を前記土砂移送管(3)の下部に取り付けておき、
前記土砂移送管(3)に吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段を設け、前記土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させ、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(2)を土砂水流(14)として前記他端(18)側に向けて強制移動させ、
前記流体噴出管(11)に加圧ポンプ(7)又は空気圧縮機を含む噴出用流体供給手段を設け、前記流体噴出管(11)に噴出用水(12)又は圧縮空気若しくは加圧水と圧縮空気の混合流体を含む噴出用流体を供給するとともに前記流体噴出管(11)内の前記噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の周囲に向けて噴出させ、
前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させることにより、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)の内部への前記流動化した水底堆積土砂(15)の流入を促進し、前記土砂流入孔(4)から前記土砂移送管(3)内に流入した水底堆積土砂(16)を前記他端(18)側に向けて移送し前記土砂移送管(3)の他端(18)から排出することにより、前記水底堆積土砂(2)の排除を行うこと
を特徴とする水底土砂の排除方法。 - 請求項2記載の水底土砂の排除方法において、
前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)中に埋設する際に、前記流体噴出管(11)に前記噴出用流体を供給し前記流体噴出管(11)内の噴出用流体を前記流体噴出孔(8)から前記土砂移送管(3)の設置箇所付近に向けて噴出させ、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を流動化させつつ、前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)に向けて降下させることにより、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)内への埋設作業を支援すること
を特徴とする水底土砂の排除方法。 - 請求項3記載の水底土砂の排除方法において、
前記土砂移送管(3)に吸引ポンプ(6)を含む移送用流体駆動手段を設け、前記土砂移送管(3)を前記水底堆積土砂(2)中に埋設する際に、土砂移送管(3)内の移送用水(5)を前記土砂移送管(3)の一端側から他端(18)側に向けて強制移動させて移送用水流を発生させて前記土砂移送管(3)内部の圧力を前記土砂移送管(3)外部の圧力よりも低くさせ、前記流体噴出管(11)から噴出した噴出用流体により水底から舞い上がった前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)を前記土砂移送管(3)内に吸引することにより、前記土砂移送管(3)の設置箇所付近の前記水底堆積土砂(2)内への埋設作業をさらに支援すること
を特徴とする水底土砂の排除方法。
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