JP5164407B2 - 末梢循環改善薬 - Google Patents

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本発明は新規組成を有する医薬組成物、特に末梢循環改善薬に関する。より詳細には、深部体温、特に手足などの末梢部の体温を上昇させる作用を有することにより、冷え症の改善に有効な末梢循環改善薬に関する。
手足などの末梢部の冷えは、外気温の低下や体内的な原因(器質的、機能的障害)により起こる症状である。「冷え症」の主な原因は、血行の悪さ、すなわち身体の末端にまで血液がうまく行き渡らないことによるものである。このため「冷え」は、単なる「手足の冷え」だけにとどまらず、手足の痺れ、肩、首筋および腰などの痛みやこり、月経不順、風邪をはじめとする気管支炎や膀胱炎などの感染症の原因にもなる。
「冷え症」を改善するには、何よりも「血行をよくする」ことや、「身体を中から温める」ことが効果的である。このための方法として、靴下を着用したりカイロや足温器などを使用するなどといった物理的な方法に加えて、ビタミンE製剤やニコチン酸製剤などを用いた末梢循環改善薬、または血行をよくする作用を有する漢方薬(例えば、温経湯、当帰芍薬散など)などを服用する方法などがある(例えば、特許文献1および2など)。
特開2005−289942号公報 特開2006−28144号公報
本発明は、体温低下を抑制する効果に加えて体温回復効果に優れ、冷え症を効果的に改善し、解消することができる医薬組成物、とりわけ末梢循環改善薬を提供することを目的とする。特に、本発明は、服用すると速やかにその効果を実感することのできる冷え症改善薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決、特に冷え症改善効果の実感度が高い医薬品の開発を目指して検討を重ねていたところ、イノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンを特定の割合で組み合わせて用いることにより、寒冷条件下でも末梢および深部体温の低下が抑制でき、しかも末梢部の冷えを速やかに改善し、体温を上昇させる効果に優れた医薬品が得られることを見出した。本発明は係る知見に基づいて完成されたものであり、下記の態様を包含するものである:
項1.イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンEを3〜15重量部、およびナイアシンを1〜3重量部の割合で組み合わせてなる医薬組成物。
項2.体重50kgのヒトのイノシトールヘキサニコチネートの一回摂取量が200mg以上になるように、イノシトールヘキサニコチネートが組み合わされてなる、項1記載の医薬組成物。
項3.イノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンの配合剤である項1または2に記載する医薬組成物。
項4.末梢循環改善薬である、項1乃至3のいずれかに記載する医薬組成物。
項5.冷え症改善薬である、項1乃至4のいずれかに記載する医薬組成物。
項6.経口用の固形製剤である、項1乃至5のいずれかに記載する医薬組成物。
本発明の医薬組成物は、後述する実験例に示すように、深部体温や手足などの末梢部の体温を上昇させる作用を有することにより、冷え症の改善に有効に用いることができる。特に本発明の医薬組成物は、体温の低下を抑制するだけでなく、とりわけ手足などの末梢部の冷えを、即効的にかつ持続的に改善し解消する効果に優れているため、服用者において効き目を強く実感することのできる薬剤である。
本発明の医薬組成物は、このように末梢血行障害による冷えの改善効果に優れているため、冷えから生じる肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけ、または月経不順などの諸症状の緩和や改善に有効に使用することができる。
本発明の医薬組成物は、イノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンを特定の割合で組み合わせてなることを特徴とする。
イノシトールヘキサニコチネートは、ビタミン様作用物質と呼ばれるイノシトールに存在する6つの水酸基がニコチン酸でエステル化された化合物であり、ニコチン酸系の末梢血管拡張薬として広く使用されている。
本発明が対象とするビタミンEには、医薬上許容される塩(例えば、カルシウム塩)および医薬上許容される酸(例えば、コハク酸や酢酸などの有機酸)とのエステルが含まれる。またその立体構造の別は問わず、ラセミ体でもよく、例えばd体およびdl体のいずれであってもよい。ビタミンEとして、具体的には、例えばコハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、およびdl-α-トコフェロールなどを挙げることができる。本発明において、これらのビタミンEを1種単独で使用することもできるが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましいビタミンEは、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウムである。
ナイアシンは、上記ビタミンEと同様に血行促進作用を有するとともに、エネルギー代謝を促進してエネルギーを産生する作用を有するニコチン酸とニコチン酸アミドの総称である。ナイアシンとして、ニコチン酸とニコチン酸アミドの別は特に問わないが、好ましくはニコチン酸である。
本発明の医薬組成物で使用される上記各成分の割合は、イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンE3〜15重量部、ナイアシン1〜3重量部の範囲を挙げることができる。好ましくはイノシトールヘキサニコチネート10重量部に対してビタミンE5〜15重量部およびナイアシン1〜3重量部の範囲である。
なお、本発明が対象とするイノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンを「組み合わせてなる」医薬組成物には、これらの3成分が予め混合されてなる配合剤;イノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンが、上記の割合になるように、2または3の容器に必要に応じて薬学的に許容される担体や添加剤とともに個別に包装されてセットとなっている製剤(セット製剤);2または3つの容器に個別に包装されたイノシトールヘキサニコチネート製剤、ビタミンE製剤およびナイアシン製剤であって、使用時に各成分が上記の割合になるように処方されて用いられる製剤が含まれる。簡便性の観点から好ましくはイノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンが上記の割合で予め混合されてなる配合剤である。
本発明の医薬組成物の単回投与形態中に含まれるイノシトールヘキサニコチネート、ビタミンEおよびナイアシンの量は、例えば、体重50kgの成人を例とすれば、イノシトールヘキサニコチネートが少なくとも200mgになるような量であればよく、上記各成分の割合(イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンE3〜15重量部、ナイアシン1〜3重量部)に従って設定することができる。
本発明の医薬組成物は、経口投与形態を有するものであることが好ましい。
経口投与形態は、特に制限されるものではなく、慣用の固形製剤の形態であっても、また液状製剤の形態であってもよい。なお、これらの形態を有する製剤は公知の手法(混和、混練、造粒、スプレードライ、打錠、コーティング、滅菌処理など)にて調製することができる。
医薬組成物の製剤化には、その形態に応じて慣用の担体を用いることができる。例えば、固形製剤の調製には、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ショ糖、乳糖、粉末
還元麦芽糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラック、ポリエチレングリコール、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、カルメロース、カンテン、グリセリン、サラシミツロウ、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、セタノール、ソルビタン脂肪酸エステル、パラフィン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メタリン酸ナトリウム、メチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、グァーガムなど)、滑沢剤(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコール、デンプン類、カルメロース、ケイ酸マグネシウム、アラビアゴム、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ステアリルアルコール、ステアリン酸、セタノール、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ミツロウ、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、結晶セルロース、炭酸マグネシウム、乳糖、白糖、流動パラフィン、炭酸カルシウム、無水ケイ酸など)、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉などのデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、アルギン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、デキストリン、トラガント、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、グァーガムなど)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、流動パラフィン、カルメロース、ソルビット、マンニトール、デンプン類、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖、乳糖、グリセリン、水アメ、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、モノステアリン酸ステアリン、ラウロマクロゴール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベートなど)、固結防止剤(例えばシリカなど)等を用いることができる。
また、液状製剤の調製には、溶剤(水、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、流動パラフィンなど)、溶解補助剤(エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリセリン、カルメロースナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酸化マグネシウム、白糖など)、界面活性剤(ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など)、懸濁化剤(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルメロースなどの親水性高分子;ソルビット、マンニトール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、無水ケイ酸、結晶セルロース、キサンタンガムなど)、緩衝剤(リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、クエン酸塩、アスコルビン酸、安息香酸塩など)、そのほかブドウ糖やアミノ酸等を用いることができる。
これらの製剤には、必要に応じて、香料、矯味矯臭剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などの添加剤を用いることもできる。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の性別、体重、年齢、症状などの種々の条件に応じて適宜決定することができる。例えば、体重50kgの成人を例とすれば、本発明の医薬組成物の1回投与あたりのイノシトールヘキサニコチネートの量が少なくとも200mgとなるような量を挙げることができる。本発明の医薬組成物は、イノシトールヘキサニコチネートの一日摂取量の上限が400mgとなる割合を限度として、1日1回または2回にわけて投与することができる。
本発明の医薬組成物は、その薬理作用(薬効)から、末梢循環改善薬として、とくに冷え症の改善薬として有効に用いることができる。特に本発明の医薬組成物は、末梢血行障害から生じる各種の疾患や症状(肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけ)の緩和や改善;ホルモンバランスの乱れによる不定愁訴、特に更年期における各種の症状(肩・首すじのこり、冷え、手足のしびれ、のぼせ)の緩和や改善;月経不順に効果が期待される。
以下、実験例および実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実験例などに限定されるものではない。
実験例1
表1に記載する各成分を混合して、粉末形態の医薬製剤(実施例1および2、比較例1〜4)を調製した。
Figure 0005164407
これを湯(40℃)に混合してラットに経口投与し、各医薬製剤の体温低下抑制効果と体温回復効果を評価した。なお、実験は、論文「トウキ、センキュウ、シャクヤク、ジオウなどからなる漢方生薬3製剤のラット冷え性に対する薬効確認試験」(応用薬理、63(3/4), pp.35-42 (2002年))に記載されている方法に従って行った。
具体的な試験方法を下記に示す。
(1) 15時間絶食させたラット(7群、各群6匹)を、室温20±0.5℃に設定した室内で、30分以上静置し、直腸温をデジタル温度計(BAT−10デジタル温度計バイオリサーチセンター(株))を用いて測定し、これを「水浸前温」とした。なお、ラットは、体重の平均値、初期の直腸温が各群均一になるように群分けを行った。
(2)「水浸前温」を測定した後、各群のラットに、おのおの各種の医薬製剤(実施例1および2、比較例1〜4)を湯に混合して経口投与し、投与30分後にステンレス製水浸拘束用ストレスケージを用いて、15℃の水中に首より下部を15分間浸した。また、残りの1群については医薬製剤を投与せずに同様の実験を行うコントロール群とした。
(3) 水浸終了後、直ちに体表についた水をふき取り、直腸温を、上記デジタル温度計を用いて測定した。また、水浸終了から120分後に再度直腸温を測定した。なお、この作業はずっと室温20±0.5℃に設定した室内でおこなった。
水浸終了直後の直腸温と「水浸前温」の差温度を「体温低下温度」とした。また、水浸終了120分後の直腸温と水浸終了直後の直腸温との差温度を「体温回復温度」とした。
各医薬製剤の体温低下抑制効果を図1に、体温回復効果を図2に、おのおの示す。
この結果を、下記の基準に従って評価した結果(◎、○、△、×)を表2に示す。表2には、各医薬製剤について、イノシトールヘキサニコチネートを10重量部とした場合の各成分の重量比を示す。また、各群ラットの起立率(%)も併せて示す。「起立率(%)」とは、ラット各群について、水浸終了後から10分以内に起きあがったラットの割合を意味する。なお、図1および2で示す「体温低下温度」および「体温回復温度」は、起立したラットについての平均値である。
<体温低下抑制効果>
◎:体温低下温度が18.5℃未満
○:体温低下温度が18.5以上〜19℃未満
△:体温低下温度が19以上〜19.5℃未満
×:体温低下温度が19.5℃以上。
<体温回復効果>
◎:体温回復温度が9.5℃以上
○:体温回復温度が9以上〜9.5℃未満
△:体温回復温度が8.5以上〜9℃未満
×:体温回復温度が8.5℃未満。
Figure 0005164407
この結果からわかるように、イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンE(コハク酸トコフェロールCa)を5〜15重量部、ナイアシン(ニコチン酸)1.5〜3重量部の割合で含む本発明の医薬製剤(実施例1および2)は、体温低下抑制効果および体温回復効果のいずれにおいても優れていた。また、本発明の医薬製剤(実施例1および2)を投与したラットは、水浸終了後も冷えによる硬直が全く認められず、すぐに起立する様子が観察できるほどに大変元気であった。
実験例2
表3に記載する各成分を混合して、粉末形態の医薬製剤(実施例1〜5、比較例1〜4)を調製した。
Figure 0005164407
これを健常な成人男性4名(平均体重:63kg±5kg)に、服用時に湯に混合して経口的に服用してもらい、服用後に左手中指(末梢部)の体表温度を測定して、その上昇の度合いを評価した。なお、実験は、論文「サーモグラフィーを用いた冷え性の病態生理学的検討」(環境病態研究報告、62, (1991年))に記載されている方法に従って行った。
具体的な実験方法を下記に示す。
(1) 健常な男性4名に、食後1時間以上経過してから、室温25〜27℃、湿度50〜60%に設定した恒温室内に入ってもらい、60分間馴化させた。その後、サーモトレーサー(NEC三栄(株)製)を用いて、左手中指(末梢部)の体表温度を測定した。
(2) 左手中指(末梢部)の体表温度を測定した後、被験者に湯(約40℃)に混合した各種の医薬製剤(実施例1〜5、比較例1〜4)を経口投与し、投与後10分毎に40分間にわたって体表温度を測定した。また、対照試験として、被験者に医薬製剤を投与せず、それ以外は上記と同様にして体表温度を測定した(コントロール)。
なお、これらの実験は一貫して上記の恒温室内(温度25-27℃、湿度50-60%)で行った。
薬製剤を経口投与する前の体表温度(初期値)を0として、毎時点における初期値からの体温変化を算出しグラフに纏めた。投与10分後の手表面温度の変化を図3に、投与後40分間にわたる手表面温度の変動を図4に示す。
また、この結果から、下記表4に示す基準に従って各医薬製剤の即効性、持続性および総合効果を算出した。結果を表5に示す。なお、表5には、各医薬製剤について、イノシトールヘキサニコチネートを10重量部とした場合の各成分の重量比を示す。
Figure 0005164407
Figure 0005164407
この結果からわかるように、イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンE(コハク酸dl-α-トコフェロールCa)を3〜15重量部、ナイアシン(ニコチン
酸)1〜3重量部の割合で含む本発明の医薬製剤(実施例1〜5)は、とりわけ末梢体温の回復において、即効性および持続性に優れていた。また、アンケートによる官能評価においても、各被験者とも60分の馴化直後は指先・足先が冷えた感覚を訴えていたが、本発明の医薬製剤(実施例1〜5)を投与した後は、体のすみずみがぽかぽかしたという結果が得られた。
各医薬製剤(実施例1〜2,比較例1〜4)をラットに経口投与した場合の体温低下抑制効果を示す図である(実験例1)。 各医薬製剤(実施例1〜2,比較例1〜4)をラットに経口投与した場合の体温回復効果を示す図である(実験例1)。 各医薬製剤(実施例1〜5,比較例1〜4)をヒト男性に経口投与した場合の、手表面温度の上昇温度(℃)を示す図である(実験例2)。 各医薬製剤(実施例1〜5,比較例1〜4)をヒト男性に経口投与した場合の、手表面温度の上昇温度(℃)の持続時間を示す図である(実験例2)。

Claims (4)

  1. イノシトールヘキサニコチネート10重量部に対して、ビタミンEを3〜15重量部、並びにニコチン酸およびニコチン酸アミドからなる群から選択される少なくとも1のナイアシンを1〜3重量部の割合で組み合わせてなる医薬組成物。
  2. 末梢循環改善薬である、請求項1に記載する医薬組成物。
  3. 冷え症改善薬である、請求項1または2に記載する医薬組成物。
  4. 経口用の固形製剤である、請求項1乃至3のいずれかに記載する医薬組成物。
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