JP5164264B2 - アブソリュート型リニアエンコーダとアクチュエータ - Google Patents
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Description
すなわち、上記特許文献1、特許文献2に開示されているアブソリュート型リニアエンコーダの場合には、信頼性の確保が不十分であり、コストが高く、検出ヘッドのコンパクト化が困難であるという問題があった。具体的に説明すると、まず、上記特許文献1に記載されているアブソリュート型リニアエンコーダの場合には、1ビットエラー或いは奇数項のエラーについてはこれを検出することはできるが、2ビットエラー或いは偶数項のエラーについてはこれを検出することができないという問題があった。又、全てのビットのエラー検出を行うためには必要ビット数の約2倍のビット長の検査が必要であり、その為多くのセンサー(受光素子)が必要となってしまい、コンパクト化及び低コスト化が困難になってしまうという問題もあった。
因みに、特許文献2に記載された発明の場合には、コンパクトなセンサー部が開示されているが、その場合には所定のエラー検出に必要なビット数分の受光素子しか搭載されておらず、結局、限定的なエラー検出ができるだけである。
又、特許文献1に記載された発明の場合には、そこに開示されているエラー検出方法によってエラーが検出された場合、装置が停止したままとなってしまうという問題もあった。
又、請求項2によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器上の所定距離が2ビット以上であることを特徴とするものである。
又、請求項3によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1又は請求項2記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器は上記アブソリュート信号1ビットに対して2つ以上の受光素子を対応させたものであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるアクチュエータは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いたことを特徴とするものである。
又、請求項2によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器はCMOSリニアアレイであり、CMOSリニアアレイの場合には時間を掛けることによって(低応答速度)チャージアンプにより出力を増大させることができるため、受光面積を小さくしても出力の確保が容易であり、よって、信頼性を確保することが可能である。又、そのため低コストであってよりコンパクト化させることができるものである。
又、請求項3によるアブソリュート型リニアエンコーダは、アブソリュートリニアスケール用検出器上の所定距離離れた信号を用いて算出した絶対距離の差がアブソリュートリニアスケール用検出器上の上記所定距離に対応する絶対距離の差に等しいか否かでエラーを検出するようにしているので、比較的簡単な処理でエラー検出を行うことができる。
又、請求項4によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項3記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器上の所定距離が2ビット以上であるので、エラーを確実に検出することができると共に、検出に要するアブソリュートリニアスケール用検出器も比較的コンパクトなもので事足りる。
又、請求項5によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項3記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器はCMOSリニアアレイであり、CMOSリニアアレイの場合には時間を掛けることによって(低応答速度)チャージアンプにより出力を増大させることができるため、受光面積を小さくしても出力の確保が容易であり、よって、信頼性を確保することが可能である。又、低コストであってよりコンパクト化させることができるものである。
又、請求項6によるアブソリュート型リニアエンコーダは、エラーが検出された場合に、アブソリュートリニアスケールの長手方向にずらしたアブソリュートリニアスケール用検出器にてアブソリュート信号を取込むようにしたので、信号読込エラーを減少させた検出が可能となる。
又、請求項7によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項6記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュート信号1ビットに対して2つ以上のアブソリュートリニアスケール用検出器が対応する狭ピッチ検出器を持つ構成になっているので、エラー検出された場合に、アブソリュートリニアスケールの長手方向にずれているアブソリュートリニアスケール用検出器を選択することができ、信号読込エラーを除く検出が可能になる。
又、請求項8によるアブソリュート型リニアエンコーダは、請求項6記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、上記アブソリュートリニアスケール用検出器はCMOSリニアアレイであり、CMOSリニアアレイの場合には時間を掛けた(低応答速度)チャージアンプにより出力を増大させることができるため、受光面積を小さくしても出力の確保が容易であり、よって、信頼性を確保することが可能である。又、低コストであってよりコンパクト化させることができるものである。
又、請求項9によるアクチュエータは、請求項1〜請求項求項8の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いているので、装置のコンパクト化が容易であって信頼性が高く、且つ、低コスト化できる。
図1は本実施の形態によるアクチュエータの全体の構成を示す平面図である。まず、ハウジング1があり、このハウジング1にはスライダ3が図1中左右方向(矢印a方向)に移動可能な状態で取り付けられている。上記ハウジング1内にはボールねじ5が内装されているとともに駆動モータ7が設置されている。上記ボールねじ5は上記駆動モータ7の出力軸に連結されていて、駆動モータ7によって回転駆動されるように構成されている。
尚、ボールねじ5と駆動モータ7の出力軸が一体化されたものもある。
尚、このLFSRについては追って詳細に説明する。
又、図4及び図5中符号39は光源としてのLEDであり、このLED光源39よりインクリメンタルリニアスケール31に対してLED光を投光し、インクリメンタルリニアスケール31にて反射した光を上記インクリメンタルリニアスケール用光学検出器35によって受光するものである。
これは、上記アブソリュートリニアスケール用光学検出器37の場合も同様である。すなわち、LED光源39よりアブソリュートリニアスケール33に対してLED光を投光し、アブソリュートリニアスケール33にて反射した光を上記アブソリュートリニアスケール用光学検出器37によって受光するものである。
又、この実施の形態の場合には、上記したように、絶対位置データ演算・エラー検出器41を設けており、つまり、検出ヘッド23側の絶対位置データ演算器にエラー検出機能を持たせているものである。
以上が本実施の形態によるアクチュエータ及びそこに使用されているアブソリュート型リニアエンコーダの概略の構成である。以下、各部の構成をその作用・効果を交えながら説明する。
尚、受光素子は1/2ビット相当より狭ければ良いが、あまり狭いと受光面積が減じて出力が低下してしまうので、略1/2ビットが最も望ましい。
但し、出力さえ確保できればよりさらに狭ピッチでも良い。
因みに、この実施の形態では64分割することにより分解能を1.25μmまで向上させるようにしている。
L=2m−1―――(I)
但し、
L:PN符号系列長
m:ビット数(検出連続信号数)
である。
PN符号系列は二値(0/1、ここでは白黒)の擬似ランダム系列の一つであって、比較的短い連続したm個の信号によって長大な信号周期(L)を得ることができる信号系列である。例えば、m=15個であればPN符号系列長(L)は、既に説明した式(I)によれば、次の式(II)に示すようなものとなる。
L =215−1=32767―――(II)
又、本実施の形態における上記LFSRの場合には、前述したように、0ビットと1ビットの信号がXORゲート50を介して14ビットへフィードバックされるように構成されている。
S=80μm×32767=約2.6m―――(III)
尚、式(I)、(II)から明らかなように、アブソリュートリニアスケール部側のPN符号系列の上記検出連続信号数mを増加させることにより長いストロークが実現できる。
まず、装置起動直後にはアブソリュートリニアスケール用光学検出器37から得られた15ビットの信号データより、絶対位置データ演算・エラー検出器41によって、PN符号系列に対応する80um単位の絶対位置を算出する。
尚、上記絶対位置データ演算・エラー検出器41ではLFSRを介して合致する絶対位置を検出しているが、予め作成されている信号データと絶対位置の対応表より求めてもよい。
尚、本実施の形態ではこのようなエラー検出を検出ヘッド23側に設けられた絶対位置データ演算・エラー検出器41によって行うようにしている。
まず、図4及び図5に示すように、LED光源39から出た光はアブソリュートリニアスケール33にて反射され、アブソリュートリニアスケール用光学検出器37によって受光される。アブソリュートリニアスケール33の反射率に応じてアブソリュートリニアスケール用光学検出器37によって受光される光の強度が異なり、これによってアブソリュートリニアスケール33の信号を読むことができる。
因みに、アブソリュートリニアスケール33の信号「1」の領域は低反射率領域33bであり、そこで反射された光強度は低く、よって、アブソリュートリニアスケール用光学検出器37では低強度と検出された信号「1」を検出することができる。
尚、離間させる距離は2ビットに限定されるものではないが、より大きな離間が望ましいが離間させる距離が大きくなればなる程必要なアブソリュートリニアスケール用光学検出器37が長大になってしまうことになる。
尚、受光素子は1/2ビット相当より狭ければ良いが、あまり狭いと受光面積が減じて出力が低下してしまうので、略1/2ビットが最も望ましい。
但し、出力さえ確保できればよりさらに狭ピッチでも良い。
又、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であるのでその説明は省略する。
尚、図7との違いは受光素子のピッチが1/2となっている点である。
この図8に示す場合も図7に示す場合と同様に不安定な受光素子信号が多く、上記エラー検出方法で全てエラーとなる可能性が高い。そこで、全てエラーとなった場合には、図9に示すように、アブソリュートリニアスケール用光学検出器37の位置をアブソリュート信号1ビットの略1/2相当だけスケール長手方向にずらすようにしており、それによってより安定した信号を得ることができるようになる。すなわち、図8ではアブソリュートリニアスケール用光学検出器37の受光素子が受ける光はスケールの「0」と「1」と半々であり、受光素子の出力は「0」でも「1」でもない不安定なものであった。これに対して、図9に示すアブソリュートリニアスケール用光学検出器37の場合には、その位置を略1/2ビットずらすことと等価になるよう略1/2ビットずれた位置にある受光素子を選択するようにしたものであり、それによって、受光素子は安定した出力を得ることができるものである。
但し、不安定な受光素子の出力を安定化させる必要条件は、略1/2ビットずらすことが最良であるが、必ずしも略1/2ビットずらす必要はない。少しでも動かして不安定な状態を脱することができればよい。
例えば、前記第1、第2の実施の形態では、検出連続信号数「m」を「15」とした場合について説明したが、アブソリュートリニアエンコーダの必要な分解能及びストロークによって最適な「m」の値は変わる。例えば、より長いストロークの場合には「m=17〜18」が適している場合もある。
又、前記第1、第2の実施の形態では、インクリメンタルニアスケール、アブソリュートリニアスケール及びインクリメンタルリニアスケール用検出器、アブソリュートリニアスケール用検出器として光学式のものを用いたが、磁気式、静電式等の他の方式でもよい。
又、前記第1、第2の実施の形態では、検出ヘッド23側の絶対位置データ演算器にエラー検出機能を設けたが、コントローラ55側において同様の機能を設けることも可能である。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
3 スライダ
5 ボールネジ
7 駆動モータ
9 ガイド
11 ガイド
21 リニアスケール部
23 検出ヘッド部
25 コントローラ部
31 インクリメンタルリニアスケール
33 アブソリュートリニアスケール
35 インクリメンタルリニアスケール用光学検出器
37 アブソリュートリニアスケール用光学検出器
41 絶対位置データ演算・エラー検出器
43 絶対位置データ構成・出力器
45 分割器
47 位相検出器
49 マルチプレクサ
50 XORゲート
51 ラインドライバ
53 ラインレシーバ
55 コントローラ
Claims (4)
- インクリメンタルリニアスケールとインクリメンタルリニアスケール用検出器を主構成とするインクリメンタルリニアスケール部と、
PN符号系列アブソリュートリニアスケールと、アブソリュートリニアスケール用検出器を主構成とするアブソリュートリニアスケール部と、
を具備し、
上記アブソリュートリニアスケール部は装置起動時又はリセット時にのみ機能するものであり、
上記アブソリュートリニアスケール用検出器はCMOSリニアアレイであり、
上記アブソリュートリニアスケール用検出器上の所定距離離れた信号を用いて算出した絶対距離の差が上記アブソリュートリニアスケール用検出器上の上記所定距離に対応する絶対距離の差に等しいか否かでエラーを検出するようにし、
エラーが検出された場合に、上記アブソリュートリニアスケール用検出器上のアブソリュートリニアスケールの長手方向にずらした位置でアブソリュート信号を取込むことを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。 - 請求項1記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
上記アブソリュートリニアスケール用検出器上の所定距離が2ビット以上であることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。 - 請求項1又は請求項2記載のアブソリュート型リニアエンコーダにおいて、
上記アブソリュートリニアスケール用検出器は上記アブソリュート信号1ビットに対して2つ以上の受光素子を対応させたものであることを特徴とするアブソリュート型リニアエンコーダ。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載のアブソリュート型リニアエンコーダを用いたことを特徴とするアクチュエータ。
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