JP5164087B2 - 高温作動型燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、高温作動型燃料電池(例えば、固体酸化物形燃料電池SOFCや、溶融炭酸塩型燃料電池MCFC)に関する。
一般に燃料電池システムにおいては、複数のセルを直列に接続しスタック化することで高い電圧を作り出し、一つ毎のセル面積を拡大することで高い電流を作り出している。
システム全体の出力を上げるためには電圧値や電流値を上げる必要があるが、セル自体がセラミックスで構成されているために、大型化には限界があり、機器の対絶縁性等から電圧値の上限をあまり引き上げることは出来ない。そこで、セラミックス製セルを多数並列に繋いで電流値を上げることによって出力上昇を図る手法が採用されている。
電流値を上げる手段としてセル面積の拡大があるが、セル製造上の制約からセル面積の大きさにも限りがある。そのため、出力の向上には複数のセルスタックを並列に接続して電流値の増大を図る必要がある。
図8は、8つのセルスタックC1〜C8を一つの筐体200に収めたシステムを例示しており、係るシステム(図8で示す様なシステム)では、図9のブロック図に示すように各々のセルスタックC1〜C8を並列に接続して構成している。
図9において、符号Lfは燃料供給ライン、Vは燃料調節バルブを示す。
図8の様にセルスタックC1〜C8を一つの筐体200に収容した場合、起動時や運転時において、筐体200の中心や上部のスタックほど温度が上がり、筐体200の下部や、筐体200の外面に近いスタックほど温度が下がり易くなる。
ここで、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の様な高温作動型の燃料電池では、性能が温度に依存する程度が大きい。
すなわち高温作動型の燃料電池では、図10に示すように、温度が高い(図10のI−V線、I−P線の内の実線)ほど電圧及び出力が増加するという特性があるため、これら温度の異なるスタックを並列に接続すると、温度が高いスタックほど多くの電流(I)が流れ、温度の低いスタックほど少ない電流(I)しか流れないと言う現象が生じる。
更に、セルスタックは電流が流れることで発熱するため、特に作動時においては、温度が高く電流値の大きなスタックはより温度が高くなり、逆に温度が低いスタックはより低くなると言う電流値不均衡の助長が生じる。
そのため、起動時においては全てのスタック温度を昇温するのに必要な時間が延びてしまう。その上、高温作動型の燃料電池の運転時においては温度の低いスタックが良い性能を出せないため、係る温度が低いスタックにおける低い性能に引きずられて、システム全体の効率低下を招く。
一方、温度が高いスタックは性能が向上するが、材質の耐久性その他の理由に基き上限温度を越えない様に制御されるので、温度が高いスタックにおける性能向上分には限界がある。それに加えて、性能が向上する結果として、燃料枯れが生じて、スタックが劣化する懸念もある。即ち、温度が高いスタックの性能は温度が上がっても頭打ちとなってしまうので、結局、燃料電池システム全体の性能は、温度が低いスタックに依存して定まってしまうこととなる。
その他の従来技術として、例えば、各構成部材の熱膨張差により生じる応力を小さくすることが出来る固体酸化物型燃料電池セルが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術では、セルを重ねてスタックを形成した場合に、無駄な空間を形成せずに、スタックの省スペース性を向上するものであり、単位容積あたりの出力密度を高くすることを図るものなので、上述したスタック相互の温度差や電流差、及びそれに起因する各種問題を解決するものではない。
特開2005−216652号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、スタック相互の温度差や電流差を許容範囲内まで減少することが出来て、システム全体の効率や起動性能を向上することが出来る高温作動型燃料電池システムの提供を目的としている。
本発明によれば数の燃料電池セルから構成されるスタック(1〜8)とそれらのスタック(1〜8)を流れる電流値を計測する電流計測装置(Mi1〜Mi8)それらのスタック(1〜8)と電気的に接続された各スタック(1〜8)の温度調節装置とを備える系統(G1〜G8)を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統(G1〜G8)を電気的に並列接続すると共に、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)を相互に間隔を空けて配置しておりそして前記各系統(G1〜G8)はそれぞれ前記スタック(1〜8)と前記温度調節装置としての可変抵抗器(11〜18)と前記電流計測装置(Mi1〜Mi8)とが直列に接続されており、前記電流計測装置(Mi1〜Mi8)の計測結果に基づいて前記可変抵抗器(11〜18)を制御する制御装置(10)を設け、前記制御装置(10)は各系統間の電流差が許容範囲(ΔI )を超えた場合に、電流値が小さい前記スタックが接続されている系統の前記可変抵抗器の抵抗値を減少させ、電流値が大きい前記スタックに接続された系統の前記可変抵抗器の抵抗値を増大させる機能を有している
また、本発明によれば、複数の燃料電池セルから構成されるスタック(1〜8)とそれらのスタック(1〜8)の温度を計測する温度計測装置(St1〜St8)とそれらのスタック(1〜8)と電気的に接続された各スタック(1〜8)の温度調節装置とを備える系統(G1〜G8)を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統(G1〜G8)を電気的に並列接続すると共に、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)を相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統(G1〜G8)はそれぞれ前記スタック(1〜8)と前記温度調節装置としての可変抵抗器(11〜18)が直列に接続されており、前記温度計測装置(St1〜St8)の計測結果に基づいて前記可変抵抗器(11〜18)を制御する制御装置(10)を設け、前記制御装置(10)は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記可変抵抗器の抵抗値を減少させ、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記可変抵抗器の抵抗値を増大させる機能を有している。
ここで、スタック(1〜8)には、複数の燃料電池セルを積層して構成するタイプと、単独の燃料電池セル或いは積層された燃料電池セルを並列に接続して構成するタイプとが存在する。
本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の様な高温作動型の燃料電池に適用されるのが好ましい。固体酸化物形燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の様な高温作動型の燃料電池では、性能が温度に依存する程度が大きいからである。
そして、本発明によれば、複数の燃料電池セルから構成されるスタック(1〜8)とそれらのスタック(1〜8)の温度を計測する温度計測装置(St1〜St8)とそれらのスタック(1〜8)と電気的に接続された各スタック(1〜8)の温度調節装置とを備える系統(G1〜G8)を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統(G1〜G8)を電気的に並列接続すると共に、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)を相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統(G1〜G8)はそれぞれ前記スタック(1〜8)と前記温度調節装置としての直流電圧変換機(21〜28)とが直列に接続されており、前記直流電圧変換機(21〜28)は電流値と電圧値とを計測できるものであり、前記直流電圧変換機(21〜28)を制御する制御装置(10)を設け、前記制御装置(10)は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記直流電圧変換機の電流が多くなるように制御し、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記直流電圧変換機の電流値が小さくなるように制御する機能を有している。
かつ、本発明によれば、複数の燃料電池セルから構成されるスタック(1〜8)とそれらのスタック(1〜8)を流れる電流値を計測する電流計測装置(Mi1〜Mi8)と、それらのスタック(1〜8)と電気的に接続された各スタック(1〜8)の温度調節装置とを備える系統(G1〜G8)を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統(G1〜G8)を電気的に並列接続すると共に、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)を相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統(G1〜G8)はそれぞれ前記スタック(1〜8)と前記温度調節装置としての定電圧ドロッパ(31〜38)と前記電流計測装置(Mi1〜Mi8)とが直列に接続されており、前記電流計測装置(Mi1〜Mi8)の計測結果に基づいて前記定電圧ドロッパ(31〜38)の前記電圧降下を制御する制御装置(10)を設け、前記制御装置(10)は各系統間の電流差が許容範囲(ΔI )を超えた場合に、電流値が小さい前記スタックが接続されている系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を減少させ、電流値が大きい前記スタックに接続された系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を増大させる機能を有している。
さらに、本発明によれば、複数の燃料電池セルから構成されるスタック(1〜8)とそれらのスタック(1〜8)の温度を計測する温度計測装置(St1〜St8)とそれらのスタック(1〜8)と電気的に接続された各スタック(1〜8)の温度調節装置とを備える系統(G1〜G8)を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統(G1〜G8)を電気的に並列接続すると共に、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)を相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統(G1〜G8)はそれぞれ前記スタック(1〜8)と前記温度調節装置としての定電圧ドロッパ(31〜38)とが直列に接続されており、前記温度計測装置(St1〜St8)の計測結果に基づいて前記定電圧ドロッパ(31〜38)の電圧降下を制御する制御装置(10)を設け、前記制御装置(10)は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を減少させ、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を増大させる機能を有している。
上述する構成を具備する本発明によれば、各系統(G1〜G8)のスタック(1〜8)の温度が同じになる様に電流値を調整することにより、上述の不都合を以下の理由によって解消することが出来る。
燃料電池セルスタックが接続された各系統(G1〜G8)には可変抵抗器(11〜18)が接続され、特定の系統(温度が高いか或いは電流値が大きいスタックが接続された系統)における可変抵抗器を増大させることで、他のスタックが接続された系統(温度が低いか或いは電流値が小さいスタックが接続された系統)に電流が回り、当該特定の系統(温度が高いか或いは電流値が大きいスタックが接続された系統)におけるスタックの温度が抑制される。
すなわち、抵抗の大きいスタックには、電流が流れ難い。そこで可変抵抗器(11〜18)を直列に配置することにより、可変抵抗器(11〜18)とスタック(1〜8)との合計の抵抗を調節し、スタック(1〜8)に流れる電流値を制御しスタックの温度を均一とすることが出来る。
ここで、システム全体の発電出力の制御は出力制御器(20)で行い、可変抵抗器(11〜18)は全体の出力を変えるものではなく、各スタック(1〜8)を流れる電流の配分を変えるものである。なお、可変抵抗器(11〜18)は電圧降下として作用する。従って、可能であれば、抵抗値は0Ωであることが高出力を得る上で望ましい。
また、本発明によれば、直流電圧変換機(21〜28)において、それぞれのスタック(1〜8)に流れる電流値を制御し、複数のスタックの温度を均一化することができる。
また、本発明によれば、複数の系統について各々接続されたスタック同士の温度分布(各系統のスタック間の温度差)の解消があるが、この「温度分布の解消」は、通常の運転時のみならず、起動時においても必要である。
すなわち、温度の低いスタックは発電可能な温度領域まで昇温するのに時間が掛かる(なかなか起動しない)。特に、上述した様な温度の低いスタックにおいては、運転可能な程度まで昇温するのに長時間を費やしてしまう。ここで、全てのスタックが発電可能な温度領域まで昇温するのが起動の条件なので、上述した様な温度の低いスタックが存在すると、燃料電池システムの起動時間が長時間となってしまう。その様な場合に、当該温度の低いスタックに対して優先的に電流を流すことにより、当該温度の低いスタックの昇温時間が短縮化され、システム全体の起動時間を短縮することが可能となり、起動が容易となる。
また、負荷追従性の面でも、負荷を増大させる際に各々のスタック温度が均一になるよう電流値を調整しながら増やすことで、温度が低く高出力を得難いスタックが現れることを回避でき、全体の出力を高めるまでの時間を短縮可能である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図3を参照して第1実施形態を説明する。
図1において、第1実施形態の高温作動型燃料電池システム100は、8つの系統G1〜G8が並列に配列(接続)されてシステム全体が構成されており、該8つの系統G1〜G8の各々においては、スタック1〜8と可変抵抗器11〜18と電流計Mi1〜Mi8が導線Eにより直列に接続されている。
具体的には、例えば、系統G1はスタック1と可変抵抗器11と電流計Mi1とが順に直列に接続されて構成されており、スタック1には温度検出手段である熱電対(温度センサ)St1が取り付けられている。以下、系統G2〜系統G8まで、各可変抵抗器12〜18、電流計Mi2〜Mi8及び温度センサSt2〜St8を識別する符号は、符号の末尾の数値が当該の系統のスタックの符合に一致させてある。
8つの系統G1〜G8と並列に接続された導線Eには電圧計9が接続され、システム全体の電圧値を計測するように構成されている。また、系統G1〜G8全体に対して出力制御器20が接続され、システム全体の出力を制御するように構成されている。
各系統のスタックには燃料調節バルブ19を接続した燃料供給ラインLfから燃料が供給される様に構成されている。
ここでシステム100は、制御手段であるコントロールユニット10を装備している。
各系統G1〜G8の温度センサSt1〜St8は入力信号ラインLitによって、各系統G1〜G8の電流計Mi1〜Mi8は入力信号ラインLiaによって、さらに、各系統G1〜G8の可変抵抗器11〜18は制御信号ラインLorによって、コントロールユニット10と情報的に接続されており、種々の信号をやり取りしている。
そして、コントロールユニット10は、検出された各系統G1〜G8のスタック1〜8の温度と、各スタック1〜8に流れる電流値とに基づいて、可変抵抗器11〜18を制御している。
ただし、スタック1〜8の温度のみに基づいて可変抵抗器を制御しても良いし、或いは、各スタック1〜8に流れる電流値のみに基づいて可変抵抗器11〜18を制御しても良い。
ここで、可変抵抗器11〜18の抵抗値を大きくすれば、抵抗値の大きい系統のスタックには電流が流れ難くなるので、その分だけ他のスタック(を接続した系統)に電流が流れる。そして、可変抵抗器の抵抗値を大きくした系統におけるスタックの温度上昇が抑制される。
可変抵抗器11〜18を各系統G1〜G8に接続することによって、各系統G1〜G8それぞれにおいて可変抵抗器11〜18とスタック1〜8における抵抗の合成抵抗値を調節し、以って、スタック1〜8に流れる電流値を制御する。
その結果、各スタック1〜8の温度は均一となり、温度分布(温度差)が解消する。
ここで、システム全体の発電出力は出力制御器20によって調整され、可変抵抗器11〜18はスタック1〜8が接続された系統G1〜G8に流れる電流の配分を変えるものである。
可変抵抗器は電圧降下として作用するので、その抵抗値は可能であれば、即ち、発電効率を考慮すれば、0(Ω)であることが望ましく、本実施形態ではその様に制御可能となっている。
通常の運転時のみならず、起動時(燃料電池の予熱の段階で温度差が出てしまう)も想定して対処しなくてはならない。
上述した様に、温度の低いスタックは発電可能な温度領域まで昇温するのに時間が掛かる(なかなか起動しない)。そして、全てのスタックが発電可能な温度領域まで昇温するのが起動の条件なので、上述した様な温度の低いスタックが存在すると、燃料電池システムの起動時間が長時間となってしまう。
上述した第1実施形態によれば、温度の低いスタックに対して優先的に電流を流すことが出来るので、温度の低いスタックが運転可能な温度領域まで昇温する時間が短縮化される。その結果、システム全体の起動時間を短縮することが可能となり、起動が容易となる。
負荷増加に追従するためには、全てのスタック1〜8における発電出力を増加する必要がある。第1実施形態では、発電出力が増加し難いスタックに流れる電流値を増加させ温度上昇を促進するので、当該スタックの出力が増加し易くなる。その結果、トータルとして、負荷追従性が向上する。
次に、図2のフローチャートを参照して、第1実施形態における通常運転時の制御例について、説明する。
先ず、運転制御の説明に入る前に、図2のフローチャートで用いる符号について説明する。
Rは、任意の可変抵抗器を示す。
minは電圧値の下限値であり、これ以下に電圧を下げると、そのスタックを構成するセルが破損等の不都合を起こす可能性が有る。
maxは全スタックの内、最も電流値が多いスタックの電流値を示し、Iminは最も電流値が少ないスタックの電流値を示し、ΔIはImaxとIminの差における所定値(閾値)である。
maxは全スタック代表温度の内、最も温度が高い物を示し、Tminは最も温度が低い物を示し、ΔTはTmaxとTminの差における所定値(閾値)である。
Tmaxは、最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器を示す。
Imaxは、最も電流値が多いスタックに繋がっている可変抵抗器を示す。
は、可変抵抗の許容最大値を示す。
図2において、ステップS1では、当初、全ての可変抵抗器11〜18は0Ωにセットする。次のステップS2では、コントロールユニット10は電流が取り出せる様になるまで待機しており(ステップS2のループ)、電力取出しが可能であれば(ステップS2がYES)、ステップS3に進む。
ステップS3では、出力指令部によって燃料流量及び電流値が設定される。出力指令部とは、本システム全体から供給する出力の情報を外部から受け、その値からシステム全体の燃料流量及び電流値を演算指示するものである。システム全体において必要な電流値の総量は出力指令部で制御し、ステップ4以降はシステム内における系統毎の電流値配分の制御を行う。
また、ここで記す燃料流量とは、システム全体に供給される燃料流量であって、スタック毎に供給される燃料流量ではない。
ステップS4では、コントロールユニット10はシステム100の電圧値が下限値を上回っているか否かを判断する。電圧値が下限値を上回っていれば(ステップS4がYES)ステップS5に進み、下限値以下であれば(ステップS4がNO)、ステップS9に進む。
ステップS5では、コントロールユニット10は最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値ΔTを上回っているか否かを判断する。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値ΔTを上回っている場合(ステップS5がYES)は、ステップS6に進む。
一方、最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値ΔT以下の場合(ステップS5がNO)は、ステップS12に進む。
ステップS6では、最も温度が高いスタック以外のスタック(最も温度が高いスタックを除く全てのスタック)の可変抵抗器の抵抗値を減少させ、温度が低いスタックの昇温を図る。
全ての可変抵抗器が0Ωであれば、ステップS6のステップは素通りする。
ステップS7において、コントロールユニット10は、最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器の抵抗値が許容最大値未満であるか否かを判断する。最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器の抵抗値が許容最大値未満である場合(ステップS7がYES)は、ステップS8で最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器の抵抗値を増大させるように制御した後、ステップS3まで戻り、再びステップS3以降を繰り返す。
一方、最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器の抵抗値が許容最大値未満でない場合(ステップS7がNO)は、ステップS8を経由すること無く(ステップS8をスルーして)ステップS3まで戻り、ステップS3以降を繰り返す。
システム100の電圧値が下限値以下であれば(ステップS4がNO)、全ての可変抵抗器11〜18の抵抗値を同時に減少させる(ステップS9)。
可変抵抗器の抵抗値が少ない程、可変抵抗器における出力損失を減らすことができ、スタックに対する負荷が減り電圧値を上昇させることができるため、ステップS9では全ての可変抵抗器の抵抗値を減少させて行くのである。そして、ステップS10において、コントロールユニット10は、再度、システム全体の電圧値が下限値を上回っているか否かを判断する。
その後電圧値が下限値を上回れば(ステップS10がYES)、ステップS5に進み、上述した制御を行う。それでも電圧値が下限値以下であれば(ステップS10がNO)、ステップS11で電圧値が下限値を下回った情報を出力指令部に伝達した後、ステップS3まで戻り、再びステップS3以降を繰り返す。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値ΔT以下の場合(ステップS5がNO)には、ステップS12以降において、各スタックの電流値を均一にする方向の制御をする。
先ず、ステップS12において、コントロールユニット10は電流値最大のスタックと、電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔIを超えているか否かを判断する。
所定値ΔIを超えていれば(ステップS12がYES)、ステップS13に進み、所定値以下なら(ステップS12がNO)、ステップS17に進む。
ステップS13では、電流値が最大のスタックを有する系統以外の可変抵抗器の抵抗値を減じた後、ステップS14で再び、電流値最大のスタックと、電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔIを超えているか否かを判断する。
電流値最大のスタックと、電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔIを超えていれば(ステップS14がYES)、ステップS15に進む。一方、電流値最大のスタックと、電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔI以下ならば(ステップS14がNO)、ステップS3まで戻り、再びステップS3以降を繰り返す。
ステップS15では、コントロールユニット10は電流値最大スタックの可変抵抗器の抵抗値が最大許容抵抗未満か否かを判断する。電流値最大スタックの可変抵抗器の抵抗値が最大許容抵抗未満であれば(ステップS15がYES)、ステップS16で当該スタックの可変抵抗器の抵抗値を増加させた後、ステップS3まで戻り、再びステップS3以降を繰り返す。
一方、電流値最大スタックの可変抵抗器の抵抗値が最大許容抵抗未満でなければ(ステップS15がNO)、ステップS18に進む。
ここで、ステップS18に進んだということは、スタックの温度差が無く、且つ、電流値最大スタックの可変抵抗器の抵抗値が最大許容抵抗以上であるにも拘らず、電流値最大のスタックと電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔIだけついていることを意味しており、スタックが破損している可能性がある。そのため、ステップS18においては、スタックが故障していると判断して、ステップS19で燃料電池への燃料供給を停止すると共に電流を停止する。
電流値最大のスタックと電流値最小のスタックとの電流値の差が所定値ΔI以下で(ステップS12がNO)あり、ステップS17に進んだならば、全ての可変抵抗器の抵抗値を同時に減少させた後、ステップS3まで戻り、再びステップS3以降を繰り返す。発電効率を上げるためには、可変抵抗器の抵抗値は少ない方が望ましい。従って、ステップS17では全ての可変抵抗器の抵抗値を同時に減少させるのである。
次に、図3を参照して、第1実施形態における起動時の運転制御について、説明する。図3の起動時の制御では、温度が低いスタックの昇温を促進し、起動時間を短縮することが目的である。
先ず、ステップS21において、全ての可変抵抗器11〜18の抵抗値を0Ωにセットする。次のステップS22では、コントロールユニット10は電流が取り出せる状態になるまで待機して(ステップS22のループ)、電力取出しが可能であれば(ステップS22がYES)ステップS23に進む。
ステップS23では、出力指令部によって燃料流量及び電流値が設定され、ステップS24に進み、コントロールユニット10はシステム100の電圧値が下限値を上回っているか否かを判断する。
電圧値が下限値を上回っていれば(ステップS24がYES)、ステップS25に進み、下限値以下であれば(ステップS24がNO)、ステップS29に進む。
ステップS25では、コントロールユニット10は最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値ΔTを上回っているか否かを判断する。ここで、温度差の所定値(閾値)ΔTは、運転時(図2参照)における温度差の所定値ΔTと同一とは限らない。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値を上回っている場合(ステップS25がYES)は、ステップS26に進む。
一方、最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度の差が所定値を上回っていない場合(ステップS25がNO)は、ステップS32に進む。
ステップS26では、温度最高スタック以外のスタック(温度が最高のスタックを除く全てのスタック)の可変抵抗器の抵抗値を減少させる。
ステップS27に至り、コントロールユニット10は、最も温度が高いスタックに繋がっている可変抵抗器の抵抗値が許容最大値未満であるか否かを判断して、許容最大値未満である場合(ステップS27がYES)は、ステップS28で温度最高スタックの可変抵抗器の抵抗値を増大させるように制御する。温度最高スタックの可変抵抗器の抵抗値が許容最大値以上の場合(ステップS27がNO)は、ステップS28を経由すること無く(ステップS28をスルーして)ステップS23まで戻り、ステップS23以降を繰り返す。
システム100の電圧値が下限値以下であれば(ステップS24がNO)、全ての可変抵抗器の抵抗値を同時に減少させる(ステップS29)。
可変抵抗器の抵抗値が少ない程、可変抵抗器における出力損失を減らすことができ、スタックに対する負荷が減り電圧を上昇させることができるため、ステップS29では全ての可変抵抗器の抵抗値を減少させるのである。そして、ステップS30において、コントロールユニット10は、再度、システム全体の電圧値が下限値を上回っているか否かを判断する。
その後電圧値が下限値を上回れば(ステップS30がYES)、ステップS25に進み、上述した制御を行う。それでも電圧値が下限値以下であれば(ステップS30がNO)、ステップS31で電圧値が下限値を下回った情報を出力指令部に伝達した後、ステップS23まで戻り、再びステップS23以降を繰り返す。
なお、起動時における制御は温度分布の解消が主要な目的であるため、図3の制御では、スタック毎の電流値を均一にする制御は取り入れていない。
上述した構成及び制御の第1実施形態の高温作動型燃料電池によれば、各系統G1〜G8のスタック1〜8の温度が同じになる様に電流値を調整することが出来る。
具体的には、燃料電池セルスタック1〜8を接続した各系統G1〜G8に可変抵抗器11〜18が接続され、特定の系統(温度が高いスタックが接続されている系統)の可変抵抗器の抵抗値を増大させることで、その系統に流れる電流値を減らし他のスタックが接続されている系統(温度が低いスタックが接続されている系統)に流れる電流値を増やすことができる。その結果、当該特定の系統に接続されている温度の高いスタックの昇温が抑制され、他の温度が低いスタックの昇温が促進される。つまり、スタック1〜8へ直列に配置された可変抵抗器11〜18を調節し、スタック1〜8に流れる電流値を制御して、スタック1〜8の温度を均一とすることが出来る。
可変抵抗器11〜18は、全体の出力を制御するものではなく、各スタック1〜8を流れる電流の配分を変えるものである。そして、可変抵抗器11〜18は電圧降下として作用する。従って、可能であれば、図2、図3で説明した制御においては、抵抗値が0Ωとなる様に制御している。
また、上述した第1実施形態によれば、スタック1〜8における温度分布(温度の不均一)が解消される。なお、温度分布の解消は、通常の運転時のみならず、起動時においても必要(予熱の段階で温度差が出てしまう)である。
スタック1〜8の全てが発電可能な温度レベルまで昇温することが起動の条件であり、第1実施形態によれば、起動時において温度の低いスタックに電流が流れるようにするため、全体として起動時間が短縮出来る。
また、負荷追従性の面でも、負荷を増大させる際に各々のスタック温度が均一になるよう電流値を調整しながら増やすことで、温度が低く高出力を得難いスタックが現れることを回避でき、全体の出力を高めるまでの時間を短縮可能である。
次に、図4と図5を参照して第2実施形態の高温型燃料電池システム101を説明する。
図4と図5の第2実施形態は、第1実施形態における可変抵抗器11〜18に代えて、直流電圧変換機(DC―DCコンバータ:以後、本明細書において、直流電圧変換機を「DDコンバータ」と記載する)21〜28を(第1実施形態の可変抵抗器11〜18と同様に、)スタック1〜8と直列に接続した実施形態である。また、各々のスタックにおける電流値と電圧値はDDコンバータにおいて計測できるので、電流計と電圧計は設置していない。
図4で示す第2実施形態のように構成すれば、DDコンバータ21〜28を接続した箇所(スタックの系統)における電流値を制御出来る。
すなわち、温度を均一化させるために、それぞれの(スタックを接続した)系統に流れる電流値を制御するのである。
次に、図5のフローチャートに基づいて第2実施形態における運転時の制御を説明する。
先ず、説明に入る前に、図5のフローチャートで用いる符号について説明する。
nはスタックの番号を表し、図4のような8本スタックによる構成であれば、1〜8の任意の数である。
はn番スタックにおける電圧値を、Iはn番スタックにおける電流値の指令値を、Tはn番スタックにおける代表温度を示す。
minは電圧値の下限値であり、これ以下に電圧を下げると、そのスタックを構成するセルが破損等の不都合を起こす可能性が有る。
はスタック電流指令値Iの内、要求出力により決まる項であり、ΔIはスタック温度により決まる項である。
ΔIはΔIの限界値であり、スタック温度均一化のための電流最大調整値を示し、正数である。
maxは全スタック代表温度の内、最も温度が高い物を、Tminは最も温度が低い物を示し、ΔTは、TmaxとTminの差における所定値(閾値)である。
aveは全スタック代表温度の平均値であり、図4のような8スタックで構成されている場合は、TからTまでの平均値となる。
KはTave−TからIを決定する際の感度となる乗数であり、必ずしも定数と限らず、温度や電流値の関数であっても良い。
図5において、ステップS41では、コントロールユニット10は電流が取り出せる様になるまで待機しており(ステップS41のループ)、電力取出しが可能であれば(ステップS41がYES)、ステップS42に進む。
ステップS42では、出力指令部によって燃料流量及び電流値が設定される。電流値の設定例として、下式(1)のようにn番スタックの電流値Iを決定するものとする。
=I+ΔI (1)
は要求出力から決定される値であり、全スタック同値である。ΔIはスタック毎の温度から設定される値であり、スタック毎の温度差を低減するよう各々の電流値の補正を行うものである。
その後ステップS43に進み、コントロールユニット10は任意のスタック或いはn番スタックの電圧値Vが下限値Vminを上回っているか否かを判断する。
電圧値Vが下限値Vminを上回っていれば(ステップS43がYES)、ステップS44に進む。電圧値Vが下限値Vmin以下であれば(ステップS43がNO)、ステップS47に進む。
ステップS44では、コントロールユニット10は最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度との温度差が、所定値ΔTを上回っているか否かを判断する。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度との温度差が所定値ΔTを上回っている場合(ステップS44がYES)は、ステップS45に進む。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度との温度差が所定値ΔTを上回っていない場合(ステップS44がNO)は、ステップS48に進む。
ステップS45では、各セルスタックの温度差を軽減するためにスタック毎の電流値補正を行う前段階として、電流補正量が補正限度値を上回っているか否か判断する。
すなわち、全スタック代表温度の平均値Taveとn番スタック代表温度Tの温度差に感度Kを乗じたものの絶対値(|(Tave−T)K|)が、所定値ΔIを下回っている場合(ステップS45がYES)は、ステップS46に進み、下回っていない場合(ステップS45がNO)は、ステップS49に進む。
ステップS46では、各セルスタックの温度差を軽減するために、温度差に応じたスタック毎の電流値補正を行う。補正量ΔIの一例として下式(2)のように行うものとする。
ΔI=(Tave−T)K (2)
式(2)においてKを正数に設定すると、温度が高いスタックに対しては電流値が減じられ、温度が低いスタックに対しては電流値が増加される補正が、温度差に応じて働く。それにより、温度が高いスタックにおける発熱は軽減し、温度が低いスタックにおける発熱は増加するため、全スタックにおける温度分布が軽減される。
温度差に応じたスタック毎の電流値補正を行った後、ステップS42に戻り、再びステップS42以降を繰り返す。
n番スタックの電圧値Vが下限値を下回っていれば(ステップS43がNO)、ステップS47に進む。ステップS47では、n番スタックが下限電圧値を下回っている情報を出力指令部に送り、出力を低減するよう指令部において制御する。その後ステップS42に戻り、再びステップS42以降を繰り返す。
最高温度のスタック温度と最低温度のスタック温度との温度差が所定値ΔTを上回っていない場合(ステップS44がNO)、ステップS48に進む。ステップS48では、スタック毎の温度差が規定値より少ないため、温度差に応じたスタック毎の電流補正量ΔIを0と設定し、全てのスタックに対する電流値(I〜I)が同値Iとなるようにした後、ステップS42に戻り、再びステップS42以降を繰り返す。
全スタック代表温度の平均値とn番スタック代表温度の差に感度Kを乗じたものの絶対値(|(Tave−T)K|)が、所定値ΔIを下回っていない場合(ステップS45がNO)、ステップS49に進む。ステップ49ではn番スタックの代表温度が、全スタック代表温度の平均値よりも低い(ステップS49がYES)のか、高い(ステップS49がNO)のか判断する。
n番スタックの代表温度が、全スタック代表温度の平均値よりも低い(ステップS49がYES)場合、n番スタックの温度が電流値による調整範囲を逸脱して低いと判断し、ステップ50において電流補正量ΔIを補正範囲上限のΔIとする。その後ステップS42に戻り、再びステップS42以降を繰り返す。
n番スタックの代表温度が、全スタック代表温度の平均値よりも高い(ステップS49がNO)場合、n番スタックの温度が電流値による調整範囲を逸脱して高いと判断し、ステップ51において電流補正量ΔIを補正範囲下限の−ΔIとする。その後ステップS42に戻り、再びステップS42以降を繰り返す。
図5を参照して上述した制御を1番スタック〜8番スタックそれぞれのスタックに対して行い、各スタックにおける電流値に補正をかけていくことで、全スタックの温度を均一化する。
また図4、図5の第2実施形態における制御は、通常の運転時のみならず、起動時においてもまったく同様に適用可能である。
次に、図6と図7を参照して第3実施形態の高温型燃料電池システム102を説明する。
図6と図7の第3実施形態は、第1実施形態における可変抵抗器11〜18に代えて、シリコンダイオード(以下SiD)等を用いた定電圧ドロッパ31〜38を(第1実施形態の可変抵抗器11〜18と同様に、)スタック1〜8と直列に接続した実施形態である。
図6で示す第3実施形態のように構成すれば、定電圧ドロッパ31〜38による電圧降下を制御することにより、定電圧ドロッパを接続した箇所(スタックの系統)における電流値を制御出来る。
すなわち、温度を均一化させるために、それぞれの(スタックを接続した)系統に流れる電流値を制御するのである。
次に図7で示す定電圧ドロッパの構成例を説明する。
図7において、符号39で示すSiDは順方向の電圧降下が0.7V程度ある。図7で示す定電圧ドロッパでは、SiDの直列数(直列に接続するSiD39の数)を各スタックの起電力差を補正する値に応じて決定し、これと並列設置するスイッチSW1〜3を短絡し或いは開放させることにより、スタックに電圧降下要素を挿入し或いは電圧降下要素をバイパスさせるのである。
図7において、各電圧ドロッパ(各スイッチSW1〜SW3と並列に接続されている)は、SiD39を直列に3個接続して構成されており、電圧降下は0.7V×3=2.1Vである。そして、符号39で示す様な定電圧ドロッパが、直列に3個接続されたもの(直列接続数が3のもの)が例示されている。
図6と図7の第3実施形態におけるその他の構成や作用効果は、上述した各実施形態と同様である。そして、運転時の制御については、図2、図3、図5を参照して説明したのと同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の第1実施形態に係る高温作動型燃料電池システムの全体構成を示したブロック図。 第1実施形態における運転時の制御方法を説明するフローチャート。 第1実施形態における起動時の制御方法を説明するフローチャート。 第2実施形態に係る高温作動型燃料電池システムの全体構成を示したブロック図。 第2実施形態における運転時の制御方法を説明するフローチャート。 第3実施形態に係る高温作動型燃料電池システムの全体構成を示したブロック図。 定電圧ドロッパの構成例 従来技術に係る燃料電池のセルスタックの集合体の斜視図。 従来技術に係る燃料電池システムの構成ブロック図。 従来技術において高温時と低温時の高温作動型燃料電池の特性を比較した特性図。
符号の説明
1〜8・・・セルスタック
9・・・電圧計
10・・・制御装置/コントロールユニット
11〜18・・・可変抵抗器
19・・・燃料供給バルブ
20・・・出力制御器
21〜28・・・直流電圧変換機/DDコンバータ
31〜38・・・定電圧ドロッパ
39・・・シリコンダイオード
SW1〜SW3・・・スイッチ
Lf・・・燃料供給ライン
Lit・・・入力信号ライン
Lia・・・入力信号ライン
Lor・・・制御信号ライン
St1〜St8・・・温度計測装置
Mi1〜Mi8・・・電流計測装置

Claims (5)

  1. 複数の燃料電池セルから構成されるスタックとそれらのスタックを流れる電流値を計測する電流計測装置とそれらのスタックと電気的に接続された各スタックの温度調節装置とを備える系統を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統はそれぞれ前記スタックと前記温度調節装置としての可変抵抗器と前記電流計測装置とが直列に接続されており、前記電流計測装置の計測結果に基づいて前記可変抵抗器を制御する制御装置を設け、前記制御装置は各系統間の電流差が許容範囲(ΔI)を超えた場合に、電流値が小さい前記スタックが接続されている系統の前記可変抵抗器の抵抗値を減少させ、電流値が大きい前記スタックに接続された系統の前記可変抵抗器の抵抗値を増大させる機能を有することを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
  2. 複数の燃料電池セルから構成されるスタックとそれらのスタックの温度を計測する温度計測装置とそれらのスタックと電気的に接続された各スタックの温度調節装置とを備える系統を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統はそれぞれ前記スタックと前記温度調節装置としての可変抵抗器が直列に接続されており、前記温度計測装置の計測結果に基づいて前記可変抵抗器を制御する制御装置を設け、前記制御装置は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記可変抵抗器の抵抗値を減少させ、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記可変抵抗器の抵抗値を増大させる機能を有することを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
  3. 複数の燃料電池セルから構成されるスタックとそれらのスタックの温度を計測する温度計測装置とそれらのスタックと電気的に接続された各スタックの温度調節装置とを備える系統を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統はそれぞれ前記スタックと前記温度調節装置としての直流電圧変換機とが直列に接続されており、前記直流電圧変換機は電流値と電圧値とを計測できるものであり、前記直流電圧変換機を制御する制御装置を設け、前記制御装置は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記直流電圧変換機の電流が多くなるように制御し、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記直流電圧変換機の電流値が小さくなるように制御する機能を有することを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
  4. 複数の燃料電池セルから構成されるスタックとそれらのスタックを流れる電流値を計測する電流計測装置と、それらのスタックと電気的に接続された各スタックの温度調節装置とを備える系統を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統はそれぞれ前記スタックと前記温度調節装置としての定電圧ドロッパと前記電流計測装置とが直列に接続されており、前記電流計測装置の計測結果に基づいて前記定電圧ドロッパの前記電圧降下を制御する制御装置を設け、前記制御装置は各系統間の電流差が許容範囲(ΔI)を超えた場合に、電流値が小さい前記スタックが接続されている系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を減少させ、電流値が大きい前記スタックに接続された系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を増大させる機能を有することを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
  5. 複数の燃料電池セルから構成されるスタックとそれらのスタックの温度を計測する温度計測装置とそれらのスタックと電気的に接続された各スタックの温度調節装置とを備える系統を複数設定した高温作動型燃料電池システムにおいて、各系統を電気的に並列接続すると共に、各系統のスタックを相互に間隔を空けて配置しており、そして前記各系統はそれぞれ前記スタックと前記温度調節装置としての定電圧ドロッパとが直列に接続されており、前記温度計測装置の計測結果に基づいて前記定電圧ドロッパの電圧降下を制御する制御装置を設け、前記制御装置は各系統間の温度差が許容範囲(ΔT)を超えた場合に、温度が低い前記スタックが接続されている系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を減少させ、温度が高い前記スタックに接続された系統の前記定電圧ドロッパの直列接続段数を増大させる機能を有することを特徴とする高温作動型燃料電池システム。
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