JP2009123613A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温条件の起動運転における信頼性の向上を図る。
【解決手段】コントロールユニット30は、システム起動時において、スタック温度Tsと、第1の抵抗値Raに設定されたヒータ4が接続された場合の第1のセル電圧Vaおよび第1の電流Iaと、第2の抵抗値Rbに設定されたヒータ4が接続された場合の第2のセル電圧Vbおよび第2の電流Iaとに基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量のパラメータを演算する。また、コントロールユニット30は、この演算結果に基づいて、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測し、この予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】コントロールユニット30は、システム起動時において、スタック温度Tsと、第1の抵抗値Raに設定されたヒータ4が接続された場合の第1のセル電圧Vaおよび第1の電流Iaと、第2の抵抗値Rbに設定されたヒータ4が接続された場合の第2のセル電圧Vbおよび第2の電流Iaとに基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量のパラメータを演算する。また、コントロールユニット30は、この演算結果に基づいて、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測し、この予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムおよびその制御方法に関する。
従来より、燃料極に供給される燃料ガス(例えば、水素)と、酸化剤極に供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。この類の燃料電池システムにおいて、低温条件、例えば、氷点下でシステムを起動する場合、燃料電池内に残留する生成水が凍結して、反応ガスを十分に電極(燃料極および酸化剤極)に供給できず、発電が正常に行えない場合がある。
例えば、特許文献1には、所定電流を流したときに得られる電圧に基づいて実際の発電に寄与する実効電極面積を算出して、この実効電極面積に基づいて燃料電池の最大電流値を算出し、この最大電流値以下で起動運転を行う手法が開示されている。
特開2006−100094号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、燃料電池の電圧が低下する要因を正確に把握することが困難であり、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることができないという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることである。
かかる課題を解決するために、本発明は、システム起動時において、燃料電池の温度と、第1の抵抗値に設定された抵抗手段が接続された場合の燃料電池の第1の電圧および第1の電流と、第2の抵抗値に設定された抵抗手段が接続された場合の燃料電池の第2のセル電圧および第2の電流とに基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量の少なくとも一つのパラメータが演算される。そして、この演算結果に基づいて、燃料電池の電圧電流特性の経時的な推移を予測し、この予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する。
本発明によれば、燃料電池の電圧が低下する要因を考慮することにより、燃料電池の電圧電流特性の経時的な推移を精度よく予測することができる。そのため、この予測結果に基づいて運転状態を制御することにより、燃料電池が凍結するといった事態が抑制されるので、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
燃料電池システムは、燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、それぞれが発電要素として機能する複数の燃料電池セルを積層して構成されている。個々の燃料電池セルは、固体高分子電解質膜の両面に触媒(例えば、白金)層を設け、この触媒層を介して燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池構造体をセパレータで挟持して構成される。燃料電池スタック1は、個々の燃料電池セルにおいて、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、これらの反応ガスを電気化学的に反応させて発電電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。
燃料電池システムは、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系とをさらに有している。
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料タンク10(例えば、高圧水素ボンベ)に貯蔵されており、この燃料タンク10から水素供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク10の下流には燃料タンク元バルブ(図示せず)が設けられており、この燃料タンク元バルブが開状態となると、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧バルブ(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素ガスは、減圧バルブよりも下流に設けられた水素調圧バルブ11によってさらに減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。燃料電池スタック1に供給される水素圧力は、水素調圧バルブ11の開度を制御することによって調整することができる。
燃料極からの排出ガス(未使用の水素を含むガス)は、燃料電池スタック1から水素循環流路L2に排出される。この水素循環流路L2は、他方の端部が水素調圧バルブ11よりも下流側の水素供給流路L1に接続されており、水素循環流路L2には、例えば、水素循環ポンプ12といったガス循環手段が設けられている。この水素循環ポンプ12を駆動することにより、燃料極からの排出ガスが、水素循環流路L2を介して燃料電池スタック1の供給側へと循環させられる。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いるケースでは、空気中の不純物が酸化剤極から燃料極に透過するため、燃料極を含む水素循環流路L2内での不純物が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。ここで、不純物は、燃料ガスである水素以外の非燃料ガス成分であり、代表的には窒素を挙げることができる。窒素量が多くなりすぎると、燃料電池スタック1からの出力が低下するといった不都合が生じるため、燃料極を含む水素循環流路L2内の窒素量を管理する必要がある。そこで、水素循環流路L2には、循環ガスを外部に排出するパージ流路L3が設けられている。パージ流路L3には、パージバルブ13が設けられており、このパージバルブ13の開き量を調整することにより、パージ流路L3を介して外部に排出される窒素量を調整することができる。これにより、燃料極および水素循環流路L2内に存在する窒素量が、発電性能を維持できるように管理される。また、パージ流路L3には、パージバルブ13よりも下流に水素燃焼器14が設けられており、この水素燃焼器14により、ガス中に含まれる水素が燃焼処理される。
空気系において、酸化剤ガスである空気は、例えば、コンプレッサ20によって取り込まれるとこれが加圧され、空気供給流路L4を介して燃料電池スタック1に供給される。酸化剤極からの排出ガス(酸素が消費された空気)は、空気排出流路L5を介して外部に排出される。また、空気排出流路L5には、燃料電池スタック1へ供給される空気の圧力を調整する空気調圧バルブ21が設けられている。
燃料電池スタック1には、電力取出装置2が接続されている。この電力取出装置2は、後述するコントロールユニット30によって制御され、燃料電池スタック1から電流を取り出すことにより、燃料電池スタック1において発電された電力を、外部に、具体的には、車両を駆動する電動モータ3やコンプレッサ20などの補機に供給する。また、この電力取出装置2には、抵抗値を可変に設定することができるヒータ(抵抗手段)4が接続されており、電力取出装置2は、電動モータ3などの外部系と、ヒータ4との間で選択的に接続を切り替えることができる。
コントロールユニット30は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、燃料電池スタック1の運転状態を制御する。コントロールユニット30としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。このコントロールユニット30は、システムの状態に基づいて、各種の演算を行い、この演算結果を制御信号として各種のアクチュエータ(図示せず)に出力し、水素調圧バルブ11、水素循環ポンプ12、パージバルブ13、コンプレッサ20、空気調圧バルブ21、電力取出装置2といった種々の要素を制御する。
コントロールユニット30には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。温度センサ(温度検出手段)31は、燃料電池スタック1の温度(以下「スタック温度」という)を検出する。電圧センサ(電圧検出手段)32は、燃料電池スタック1の電圧、本実施形態では、燃料電池セルの電圧(以下「セル電圧」という)を検出する。また、燃料電池スタック1の電流、すなわち、燃料電池スタック1から取り出される電流が電力取出装置2によって計測されており、この情報が電力取出装置2からコントロールユニット30に入力されている。換言すれば、電力取出装置2は、燃料電池スタック1の電流を検出する電流検出手段としての機能を担っている。なお、本実施形態において、電圧センサ32は、単一の燃料電池セルの電圧を検出するが、これに限定されない。例えば、電圧センサ32は、複数の燃料電池セルの電圧をそれぞれ検出し、セル電圧を平均的に算出してもよい。同様に、温度センサ31は、一箇所の温度を検出するが、これに限定されない。例えば、温度センサ31は、燃料電池スタック1における複数箇所の温度をそれぞれ検出し、燃料電池スタック1における温度分布を考慮してもよい。
本実施形態との関係において、コントロールユニット30は、以下に示す機能を担っている。具体的には、コントロールユニット30は、ヒータ4の抵抗値を制御するとともに、温度センサ31と電圧センサ32と電力取出装置2との検出結果に基づいて、後述するように、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量を演算する(処理手段)。具体的には、コントロールユニット30は、燃料電池システムの起動時において、スタック温度と、第1の抵抗値に設定されたヒータ4が燃料電池スタック1に接続された場合における第1のセル電圧および第1の電流と、第2の抵抗値に設定されたヒータ4が燃料電池スタック1に接続された場合における第2のセル電圧および第2の電流とに基づいて、この演算を行う。また、コントロールユニット30は、先の演算結果に基づいて、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測する(予測手段)。さらに、コントロールユニット30は、先の予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する(制御手段)。
図2は、本発明の第1の実施形態における燃料電池システムの制御方法、具体的には、システムの起動制御における処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、システムの起動信号の入力とともに呼び出され、コントロールユニット30によって実行される。まず、ステップ1(S1)において、温度センサ31からスタック温度Tsが読み込まれる。
ステップ2(S2)において、スタック温度Tsが、判定温度Tth以下であるか否かが判断される。この判定温度Tthは、システムの起動時、燃料電池スタック1の内部に存在する生成水が凍結するような温度であるか、それとも凍結しないような温度であるかを切り分けるための判定温度であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値(例えば、凍結可能性があるスタック温度の上限値)が予め設定されている。このステップ2において肯定判定された場合、すなわち、スタック温度Tsが判定温度Tth以下の場合には(Ts≦Tth)、ステップ3(S3)に進む。このステップ2において否定判定された場合、すなわち、スタック温度Tsが判定温度Tthよりも大きい場合には(Ts>Tth)、後述するステップ16(S16)に進む。
ステップ3(S3)において、可変抵抗であるヒータ4の抵抗値が第1の抵抗値Raに設定されるとともに、燃料電池スタック1とヒータ4とが電気的に接続される。この第1の抵抗値Raは、後述する必要なパラメータを精度よく演算するという観点から、燃料電池スタック1の電流が、水素が燃料電池スタック1の電解質膜を透過するために流れる内部電流よりも大きく、かつ、燃料電池スタック1の酸化剤極に残留する酸素の消費による電圧低下の影響が小さい範囲となるように、例えば、10〜100mA/cm2の範囲となるように予め設定されている。
ステップ4(S4)において、燃料電池スタック1の燃料極に対して水素が供給される。なお、ステップ4では、酸化剤極に対する空気の供給はまだ行われない。
ステップ5(S5)において、電圧センサ32において検出されるセル電圧が第1のセル電圧Vとしてa、および、電力取出装置2において検出される電流が第1の電流Iaとして読み込まれ、この一対の値が記録される。なお、ステップ4の処理において水素を供給した直後、セル電圧が不安定な状態となっている場合には、セル電圧が安定したこと、例えば、セル電圧の時間変化が一定の範囲内に収まることを条件として、第1のセル電圧Vaおよび第1の電流Iaの記録を行う。
ステップ6(S6)において、可変抵抗であるヒータ4の抵抗値が第2の抵抗値Rbに設定される。この第2の抵抗値Rbは、第1の抵抗値Raと同様に、燃料電池スタック1の電流が10〜100mA/cm2の範囲となるように設定されており、また、第1の抵抗値よりも相対的に小さな値となるように設定されている。
ステップ7(S7)において、電圧センサ32において検出されるセル電圧が第2のセル電圧Vbとして、および、電力取出装置2において検出される電流が第2の電流Ibとしてそれぞれ読み込まれ、この一対の値が記録される。
ステップ8(S8)において、燃料電池スタック1の電圧電流特性を予測する上で必要となるパラメータが演算される。このステップ8において演算されるパラメータとしては、活性化分極、抵抗分極および可能発電生成水量が挙げられる。活性化分極は、触媒層においてイオン解離反応および水生成反応が起きる際の抵抗に伴う電圧の低下である。抵抗分極は、反応で生じた電子やイオンの流れに対する抵抗によって生じる電圧の低下である。可能発電生成水量は、発電時に燃料電池スタック1として許容可能な生成水の量、すなわち、上限値までのマージンを示す生成水量である。
同数式において、Vcellはセル電圧、ηAは活性化分極、ηRは抵抗分極、ηdiffは拡散分極、Wは可能発電生成水量である。また、Iは電流、Tsはスタック温度、λは膜含水率である。ここで、c1,c2,R2は定数であり、これらの値は予め定められている。b[Ts]はスタック温度の関数、f1[Ts,I]はスタック温度と電流との関数、f2[Ts,I,λ]はスタック温度と電流と膜含水率との関数であり、これらの値は予め定められている。
まず、読み込まれたスタック温度Tsと、第1のセル電圧および電流のペアVa,Iaと、第2のセル電圧および電流のペアVb,Ibとに基づいて、上記数式の性質より、(2)式における関数a[T]に対応する値と、(3)式における関数R1[T,λ]に対応する値とをそれぞれ特定することができる。これにより、活性化分極ηAおよび抵抗分極ηRを算出することができる。
また、スタック温度Tsと、関数R1[T,λ]に対応する値とに基づいて、この関数R1[T,λ]を構成するパラメータである膜含水率λが算出される。また、膜含水率λの算出にともない、この膜含水率λ、スタック温度Tsおよび電流Iに基づいて、可能発電生成水量Wが算出される。
ここで、セル電圧および電流の検出において、第1の抵抗値Raによる第1の電流Iaは、抵抗分極ηRが極力小さい値となる10〜20mA/cm2程度が望ましい。この場合、この電流に対応するセル電圧Vaに基づいて、活性化分極ηAの電流感度を見積もることができる。一方、第2の抵抗値Rbによる第2の電流Ibおよび第2の電圧Vbから、活性化分極ηA以外の電圧低下を見積もることにより、抵抗分極ηRを見積もることができ、この場合、第2の抵抗値Rbによる電流Ibは、拡散分極ηdiffが極力小さい20〜100mA/cm2程度であることが望ましい。
そして、ステップ9(S9)において、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移が予測される。電圧電流特性は、図3に示すように、活性化分極、抵抗分極および拡散分極による電圧の低下を見積もることで予測することができる。ここで、所定の電流および膜含水率におけるセル電圧(活性化分極、抵抗分極および拡散分極)は、起動開始時の低温状態から上昇するスタック温度に対して、図4に示すような傾向を有している。一方、所定の電流および温度におけるセル電圧(活性化分極、抵抗分極および拡散分極)は、起動開始時から増加する膜含水率に対して、図5に示すような傾向を有している。このようなセル電圧に関する温度感度(図4)、および、セル電圧に関する膜含水率感度(図5)は、実験やシミュレーションを通じて予め取得することができる。そのため、ステップ8において演算される活性化分極ηA、抵抗分極ηRおよび拡散分極ηdiffから、起動開始時におけるそれらの値が定まるので、セル電圧の温度感度および膜含水率感度を参照することにより、起動してからの活性化分極、抵抗分極および拡散分極の経時的な推移、具体的には、温度に対応する推移を予測することができる。また、燃料電池スタック1の熱容量と発電による生成熱から、スタック温度の上昇する時間率を見積もることができる。このようにして、活性化分極、抵抗分極および拡散分極による電圧の低下を経時的に見積もることで、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測することができる。
また、所定の電流および膜含水率における可能発電生成水量は、起動開始時の低温状態から上昇するスタック温度に対して、図6に示すような傾向を有している。可能発電生成水量に関する温度感度(図6)は、実験やシミュレーションを通じて予め取得することができる。そのため、ステップ8において演算される可能性発電生成水量Wから、起動開始時におけるその値が定まるので、可能発電生成水量の温度感度を参照することにより、起動してからの可能発電生成水量の推移を予測することができる。
ステップ10において、発電計画が立案される。本実施形態では、活性化分極と抵抗分極との大小により、以下に示すような発電計画が立案される。現在の活性化分極が、現在のスタック温度に対して予想される活性化分極よりも大きい場合は、触媒(白金)表面の酸化等により電圧が低下していると判断して、可変抵抗であるヒータ4の抵抗値を第3の抵抗値に切り替える。第3の抵抗値は、上述した第2の抵抗値Rbよりも小さく設定されており、具体的には、酸化剤極の残留酸素を消費し、セル電圧が容易に低下する程度の値に設定されていることが望ましい。電圧が十分に低下したことを条件として、電力取出装置2によりヒータ4から電動モータ3側へと接続が切り替えられ、これにより、第3の抵抗値に設定されている期間が終了する。一方、現在の活性化分極が、予想される活性化分極よりも小さい場合は、電力取出装置2によりヒータ4から電動モータ3側へと接続が切り替えられる。
つぎに、現在の抵抗分極が、現在のスタック温度に対して予想される抵抗分極よりも小さい場合は、燃料電池構造体が湿潤していると判断する。このケースでは、可能発電生成水量が小さいので、不用意に電流を上げた場合には発電停止に至る可能性がある。そこで、燃料電池スタック1から取り出す電流に上限値を設置し、この上限値の範囲において電流を設定する。一方、現在の抵抗分極が、予想される抵抗分極よりも大きい場合は、燃料電池構造体が乾燥していると判断する。このケースでは、電流を一気に取り出すとセル電圧が低下して発電できないので、電流を経時的に増加させていき、燃料電池構造体に生成水を吸収させながら発電を行うと計画する。
ステップ11(S11)において、燃料電池スタック1の酸化剤極に対して空気が供給される。そして、ステップ12(S12)において、立案された発電計画に従って発電が開始される。ステップ13(S13)において、発電中のセル電圧および電流をモニタリングし、実際の値に即するように発電計画の微修正を行う。ステップ14(S14)において、温度センサ31からスタック温度Tsが読み込まれる。
ステップ15(S15)において、スタック温度Tsが、判定温度Tthよりも大きいか否かが判断される。このステップ15において肯定判定された場合、すなわち、スタック温度Tsが判定温度Tthよりも大きい場合には(Ts>Tth)、ステップ16(S16)に進む。一方、ステップ15において否定判定された場合、すなわち、スタック温度Tsが判定温度Tth以下の場合には(Ts≦Tth)、ステップ13に戻る。
ステップ16(S16)において、通常の発電モードにより発電が実行される。
図7は、本実施形態にかかる燃料電池システムの起動時におけるタイミングチャートである。このように本実施形態によれば、コントロールユニット30は、燃料電池スタック1に接続可能なヒータ4の抵抗値を制御することができる。そして、コントロールユニット30は、システム起動時において、スタック温度Tsと、第1の抵抗値Raに設定されたヒータ4が接続された場合の第1のセル電圧Vaおよび第1の電流Iaと、第2の抵抗値Rbに設定されたヒータ4が接続された場合の第2のセル電圧Vbおよび第2の電流Iaとに基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量のパラメータを演算する。また、コントロールユニット30は、この演算結果に基づいて、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測し、この予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する。
かかる構成によれば、セル電圧が低下する要因を考慮することにより、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を精度よく予測することができる。そのため、この予測結果に基づいて運転状態を制御することにより、燃料電池スタック1が凍結するといった事態が抑制されるので、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量という3つのパラメータから、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移が予測される。具体的には、第1および第2の抵抗値Ra,Rbによるセル電圧と電流とにより、抵抗分極および活性化分極を見積もることができる。また、抵抗分極から電解質膜と触媒層内の乾燥度合いを判断することで、可能発電生成水量を見積もることができる。これら見積もり値からそれぞれの温度感度を見積もることにより、起動過程における燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を精度よく予測することができる。これにより、起動に失敗しないような発電計画(例えば、電流の取り出し方の経時的な推移など)を立てることができる。よって、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることができる。
ここで、活性化分極および抵抗分極は、温度に対する感度が異なる。また、抵抗分極は、膜含水率にも感度があり、発電中に生成した水が吸収されることにより変化する。燃料電池スタック1における可能発電生成水量が十分でなく、発電中に生成した水が電解質膜等に吸収しきれずに触媒層内にあふれ出ると凍結し、酸素の触媒への到達を妨げて電力が取り出せなくなり発電停止に至ると考えられる。このため、起動時、燃料電池スタック1の電圧電流特性の経時的な推移を予測し、発電停止に至ることなく電流を制御して電力を取り出すためには、活性化分極、抵抗分極、可能発電生成水量をそれぞれ予測する必要がある。
また、本実施形態において、第1の抵抗値Raおよび第2の抵抗値Rbは、第1の電流Iaまたは第2の電流Ibが、水素が燃料電池スタック1の電解質膜を透過するために流れる内部電流よりも大きく、かつ、燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素の消費によるセル電圧低下の影響が小さい範囲となるように設定されている。
かかる構成によれば、電解質膜を透過する水素による内部電流の影響や、酸素不足による拡散分極の影響といった検出誤差を抑えることができる。そのため、必要なパラメータを正確に演算することが可能となり、低温条件の起動運転における信頼性の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、第2の抵抗値Rbは、第1の抵抗値Rbよりも相対的に小さな値に設定されている。そして、コントロールユニット30は、ヒータ4を第1の抵抗値Raに設定して第1のセル電圧および第1の電流Iaを検出し、その後に、ヒータ4を第2の抵抗値Rbに設定して第2のセル電圧Vbおよび第2の電流Iaを検出する。
かかる構成によれば、電流が小さいほど燃料電池セル内で生成する生成水量、ガスの消費量が小さい。そのため、セル電圧および電流の検出を行う場合には、より大きな抵抗(第1の抵抗値Ra)で待機して検出を開始するほうが望ましい。なお、本実施形態では、ヒータ4に対して2つの抵抗値Ra,Rbを設定してセル電圧および電流を検出しているが、これに限定されず、より多くのセル電圧および電流を検出し、平均的に個々の値を求めることにより、精度の向上を図ってもよい。
また、本実施形態において、燃料電池スタック1は、ヒータ4が電気的に接続されている期間、燃料極の水素のみが供給されている。また、コントロールユニット30は、第2のセル電圧Vbおよび第2の電流Ibを検出した後に、ヒータ4を第2の抵抗値Rbよりも小さい第3の抵抗値に設定し、燃料電池スタック1のセル電圧をさらに低下させている。
かかる構成によれば、燃料極に水素を流し、酸化剤極に空気を流さない状態では、水素が電解質膜を透過して酸化剤極側にしみだす。このとき、酸化剤極電位を下げる(例えば、0.6〜0.8V以下)ことにより、触媒層の表面における酸化物等が除去できる。これにより、放置時や、起動時に生じる触媒層表面の酸化物や不純物を取り除き、活性化分極の低減を図ることができる。これにより、発電効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、活性化分極が、スタック温度から予想される活性化分極よりも大きいと判断した場合に、かかる処理を実施するため、不純物等の影響が大きいシーンのみに実行される。これより、起動処理を効率的に実行することができる。なお、上述した電圧の低下による不純物等の除去手法は、このような起動時のみならず、これを目的として種々のタイミングで実施することができる。
また、本実施形態において、ヒータ4を第3の抵抗値に設定している期間の終了が、セル電圧に基づいて判断される。
かかる構成によれば、不純物等の除去処理を最適な時間で終了させることができ、処理の長時間化を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、コントロールユニット30は、電圧電流特性の予測結果に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流値の経時的な推移を設定し、この設定された電流値の推移に応じてシステムの運転状態を制御する。
かかる構成によれば、発電不能に陥らないように、かつ、必要とされる電流を継続して取り出すことができるので、起動における信頼性を確保したまま、多くの電力を供給しつつ、起動時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態において、コントロールユニット30は、演算された抵抗分極ηRが、スタック温度に対して予想される抵抗分極よりも小さい場合には、燃料電池スタック1から取り出す電流値に上限を設定する。
かかる構成によれば、触媒層に生成水が溢れないように電流を制限することができるので、起動運転における急激な電圧低下を抑制することができる。
また、本実施形態おいて、コントロールユニット30は、演算された抵抗分極ηRが、スタック温度に対して予想される抵抗分極よりも大きい場合には、燃料電池スタック1から取り出す電流値を経時的に増加させていく。かかる構成によれば、燃料電池スタック1の電解質膜を湿らせながら徐々に電流を上げることができるので、起動運転における急激な電圧低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。第2の実施形態の燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、燃料電池スタック1における中央のセル郡と、端部のセル群とで独立して電流を取り出す構成を備えることである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順について、重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
図8は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。第2の実施形態の燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、燃料電池スタック1における中央のセル郡と、端部のセル群とで独立して電流を取り出す構成を備えることである。なお、第1の実施形態と共通する構成・制御手順について、重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
図8に示すように、燃料電池スタック1は、中央部に位置するセル群(以下「中央セル群」という)の電流と、端部に位置するセル群(以下「端部セル群」という)とから電流を取り出すことができるように設定されている。本実施形態において、上述した温度センサ31は、中央セル群と、端部セル群とにおけるスタック温度をそれぞれ検出し、また、電圧センサ32は、中央セル群と、端部セル群とを対象としたセル電圧をそれぞれ検出する。また、電流センサ33は、中央セル群と、端部セル群とを対象とした電流をそれぞれ検出する。
このような構成を備える燃料電池システムにおいて、以下、その起動手順について説明する。第2の実施形態における起動手順は、第1の実施形態のそれと基本的に同じであるが、ステップ10における発電計画の立案処理において、以下に示す要素を考慮する点において相違する。
具体的には、図9に示すように、コントロールユニット30は、燃料電池スタック1の暖機電力と、燃料電池スタック1の暖機以外の外部への電力とに対する電力配分の推移を設定する。例えば、スタック温度が−30℃と低い場合や、発電可能生成水量Wが小さい場合には、なるべく短い時間でスタック温度を上昇させるため、燃料電池スタック1の暖機電力に対するウエイトを大きくする。
また、図10に示すように、中央セル群と、端部セル群とから取り出す電流配分の推移が設定される。例えば、高い電流値が計画された場合、燃料電池スタック1の中央部と端部とでは温度差が生じ、中央セル群のセル温度の方が判定温度Tthへと早く到達する傾向がある。そのあと、端部セル群の電流値は据え置き、中央セル群の電流値をさらに高い値に設定することが考えられる。
このように本実施形態において、コントロールユニット30は、燃料電池スタック1の暖気用に供給する電力と、外部へ供給する電力との電力配分の推移を設定し、この設定された電力配分の推移に応じてシステムの運転状態を制御することができる。
かかる構成によれば、燃料電池スタック1の暖機電力と、外部への供給電力のバランスを取ることができるので、効率のよい起動運転を行うことができる。また、可能発電生成水量が小さいと判断したときでも、燃料電池スタック1の暖機電力に多くを配分するように調整することにより、起動信頼性を確保することができる。
また、本実施形態において、コントロールユニット30は、中央セル群と、端部セル群とから取り出す電流配分の推移を設定し、この設定された電流配分の推移に応じてシステムの運転状態を制御することができる。
かかる構成によれば、温度が早く昇温する中央に位置するセル群からより多くの電流を取り出すといった調整が可能となる。そのため、より多くの電力が取り出し可能となり、起動運転における信頼性の向上をはかることができる。
以上、本発明の実施形態にかかる燃料電池システムおよびその制御方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量のすべてを演算して、燃料電池スタック1の電圧電流特性を予測しているが、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量の少なくとも一つのパラメータを用いて予測を行ってもよい。また、ステップ4の処理と、ステップ5の処理との順序を入れ替えて、起動を行ってもよい。
1 燃料電池スタック
2 電力取出装置
3 電動モータ
4 ヒータ
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
12 水素循環ポンプ
13 パージバルブ
14 水素燃焼器
20 コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
30 コントロールユニット
31 温度センサ
32 電圧センサ
33 電流センサ
2 電力取出装置
3 電動モータ
4 ヒータ
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
12 水素循環ポンプ
13 パージバルブ
14 水素燃焼器
20 コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
30 コントロールユニット
31 温度センサ
32 電圧センサ
33 電流センサ
Claims (11)
- 燃料電池システムにおいて、
燃料極に燃料ガスが供給されるともに酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に接続可能であり、抵抗値が可変な抵抗手段と、
前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
前記燃料電池の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記燃料電池の電流を検出する電流検出手段と、
前記抵抗手段の抵抗値を制御するとともに、前記温度検出手段と前記電圧検出手段と前記電流検出手段との検出結果に基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量の少なくとも一つのパラメータを演算する処理手段と、
前記処理手段による演算結果に基づいて、前記燃料電池の電圧電流特性の経時的な推移を予測する予測手段と、
前記予測手段の予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する制御手段とを有し、
前記処理手段は、システム起動時において、前記燃料電池の温度と、第1の抵抗値に設定された前記抵抗手段が接続された場合の前記燃料電池の第1の電圧および第1の電流と、第2の抵抗値に設定された前記抵抗手段が接続された場合の前記燃料電池の第2の電圧および第2の電流とに基づいて、前記パラメータを演算することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記第1の抵抗値および前記第2の抵抗値は、前記第1の電流または前記第2の電流が、燃料ガスが前記燃料電池の電解質膜を透過するために流れる内部電流よりも大きく、かつ、前記燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスの消費による電圧低下の影響が小さい範囲となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
- 前記第2の抵抗値は、前記第1の抵抗値よりも相対的に小さな値に設定されており、
前記処理手段は、前記抵抗手段を前記第1の抵抗値に設定して前記第1の電圧および前記第1の電流を検出し、その後に、前記抵抗手段を前記第2の抵抗値に設定して前記第2の電圧および前記第2の電流を検出することを特徴とする請求項2に記載された燃料電池システム。 - 前記燃料電池は、前記抵抗手段が接続されている期間、燃料極に燃料ガスのみが供給されており、
前記処理手段は、前記第2の電圧および前記第2の電流を検出した後に、前記抵抗手段を前記第2の抵抗値よりも小さい第3の抵抗値に設定し、前記燃料電池の電圧をさらに低下させることを特徴とする請求項3に記載された燃料電池システム。 - 前記処理手段は、前記抵抗手段を前記第3の抵抗値に設定している期間の終了を、前記燃料電池の電圧に基づいて判断することを特徴とする請求項4に記載された燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記予測手段の予測結果に基づいて、前記燃料電池から取り出す電流値の経時的な推移を設定し、当該設定された電流値の推移に応じてシステムの運転状態を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
- 前記処理手段は、前記パラメータとして抵抗分極を演算しており、
前記制御手段は、前記処理手段において演算された抵抗分極が、前記燃料電池の温度に対して予想される抵抗分極よりも小さい場合には、前記燃料電池から取り出す電流値に上限を設定することを特徴とする請求項6に記載された燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記処理手段において演算された抵抗分極が、前記燃料電池の温度に対して予想される抵抗分極よりも大きい場合には、前記燃料電池から取り出す電流値を経時的に増加させていくことを特徴とする請求項6または7に記載された燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池の暖気用に供給する電力と、外部へ供給する電力との電力配分の推移を設定し、当該設定された電力配分の推移に応じてシステムの運転状態を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
- 前記燃料電池は、それぞれが発電要素となる複数のセルを積層したスタック構造を有しており、中央のセル郡と端部のセル群とで独立して電流を取り出すことが可能であり、
前記制御手段は、前記燃料電池における中央のセル群と、前記燃料電池における端部のセル群とから取り出す電流配分の推移を設定し、当該設定された電流配分の推移に応じてシステムの運転状態を制御することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載された燃料電池システム。 - 燃料極に燃料ガスが供給されるともに酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法において、
前記燃料電池の温度を検出する第1のステップと、
第1の抵抗値に設定された抵抗手段が前記燃料電池に接続された状態において、前記燃料電池の電圧および電流を第1の電圧および第1の電流として検出する第2のステップと、
第2の抵抗値に設定された抵抗手段が前記燃料電池に接続された状態において、前記燃料電池の電圧および電流を第2の電圧および第2の電流として検出する第3のステップと、
前記第1ステップから第3のステップにおける検出結果に基づいて、活性化分極、抵抗分極および発電可能生成水量の少なくとも一つのパラメータを演算する第4のステップと、
前記第4のステップにおける演算結果に基づいて、前記燃料電池の電圧電流特性の経時的な推移を予測する第5のステップと、
前記第5のステップにおける予測結果に基づいて、システム起動後における運転状態を制御する第6のステップと
を有することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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JP2007298334A JP2009123613A (ja) | 2007-11-16 | 2007-11-16 | 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 |
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-
2007
- 2007-11-16 JP JP2007298334A patent/JP2009123613A/ja active Pending
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