JP5162683B2 - 逆バイアス処理装置およびそれを用いた逆バイアス処理方法 - Google Patents

逆バイアス処理装置およびそれを用いた逆バイアス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜光電変換モジュールの光電変換セルに逆バイアス処理を行う逆バイアス処理装置およびそれを用いた逆バイアス処理方法に関する。
近年、ガスを原料としてプラズマCVD法により形成される薄膜太陽電池が注目されている。この薄膜太陽電池の例として、シリコン系薄膜からなるシリコン系薄膜太陽電池やCISあるいはCIGS化合物薄膜太陽電池等が挙げられ、開発および生産量の拡大が進められている。
これらの薄膜太陽電池は、プラズマCVD法、スパッタ法または真空蒸着法等により、基板上に透明電極、光電変換層および裏面電極を順次積層して形成される。薄膜太陽電池は、2つの電極に挟まれた光電変換層の層厚が薄いため、光電変換層中にピンホールが発生すると容易に電極間に短絡が生じ、これによって発電特性が低下する。
また、薄膜光電変電池は、直列接続されたセルの一部が射影により発電できなくなると、発電できなくなったセルのpn接合に対して逆バイアス方向に、他のセルで発生した電圧が印加される。そのとき、電圧印加されたセル中に短絡部が存在すると、そこに大電流が集中して流れ、大きなジュール熱が発生し局所的に高温となる部位「ホットスポット」が発生する。その結果、短絡部を起点として電極と光電変換層の間で膜の剥離が発生したり、基板が破損する、いわゆる「ホットスポット現象」によって欠陥が発生する。
このような薄膜太陽電池の特性回復およびホットスポット現象による欠陥の抑制を目的として、太陽電池セルの電極間にホットスポット現象による欠陥が発生しない範囲の電圧値で逆バイアス電圧を印加することにより、その際に発生したジュール熱により短絡部(ピンホール部分)を飛散させて除去するあるいは酸化して絶縁する逆バイアス処理方法および装置が提案されている。
従来技術1として、絶縁基板上に第1電極層、光電変換層、第2電極層が順次積層されてなる光電変換セルが複数個互いに直列接続されたストリングを備えた薄膜光電変換モジュールにおいて、光電変換セルの第1電極層及び第2電極層に対し、逆方向に耐電圧以下の電圧を印加し、短絡部を除去する短絡部除去方法および短絡部除去装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、一方の光電変換セルの第2電極層は、他方の光電変換セルの第1電極層と接続されているため、他方の光電変換セルに逆方向の耐電圧以下の電圧が印加されることとなる。
従来技術1の短絡部除去方法および装置では、隣接する2つの光電変換セルの第2電極層に、複数の点状、もしくは1または複数の線状、もしくは1または複数の面状の接触部を有する印加部材を接触させる。これにより、印加部材から短絡部までの距離が短くなり、第1および第2電極層における電圧降下が少なくなるため、印加電圧の設定と制御が容易かつ安定したものとなり、短絡部の除去を確実に行うことができるとされている。
また、従来技術2として、絶縁基板の表面上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる光電変換セルが複数個互いに電気的に直列接続されたストリングを、第1電極層と第2電極層を電気的に絶縁分離する直列接続方向に延びる分割溝によって複数に分割して、互いに並列に接続される複数の分割ストリングを形成する工程と、分割ストリングにおける各光電変換セルに逆バイアス電圧を印加して逆バイアス処理する工程とを備えた薄膜光電変換モジュールの製造方法および製造装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
従来技術1および従来技術2に開示された薄膜光電変換モジュールのストリングは、上述のように複数個の光電変換セルが直列接続されてなる。薄膜光電変換モジュールの出力電圧は、互いに直列接続された光電変換セルの数(直列接続数)に比例する。
産業用、家庭用など用途によって要求される出力電圧は異なるため、前記直列接続数を適宜変更することによって、様々な需要に対応する複数機種の薄膜光電変換モジュールを製造することができる。ここで、薄膜光電変換モジュールの製造ラインにおいては、製造装置の稼働率向上、設備投資抑制、需給変動へ対応する柔軟性などの観点から、一つの製造ラインで異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを製造できることが好ましい。
従って、薄膜太陽電池の製造ラインに含まれる各製造装置において、1つの製造装置で直列接続数の異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを処理可能であることが好ましい。
また、従来技術2に開示された薄膜光電変換モジュールは、並列した複数のストリングを有しているため、光電変換セルの一つ当たりの面積が小さくなっている。それによって、短絡部と逆バイアス電圧を印加する印可部材との距離が短くなるため、逆バイアス処理による短絡部の除去効果が向上し、より高い品質の薄膜光電変換モジュールを製造することができる。但し、ストリングの数を増やすと、薄膜光電変換モジュール全体としての光電変換領域が減少するため、発電性能は低下する。
産業用、家庭用など用途によって要求される品質は異なる。よって、薄膜光電変換モジュールの製造ラインにおいては、要求される品質に応じてストリング数を適宜変更できることが好ましい。
従って、上述した光電変換セル数の増減の場合と同様に、薄膜太陽電池の製造ラインに含まれる各製造装置において、1つの製造装置でストリング数の異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを処理可能であることが好ましい。
特開平10−4202号公報 WO2009/020073号公報
一つの製造ラインで製造できる薄膜光電変換モジュールの基板サイズは、処理装置および搬送装置の仕様によって概ね定まっている。したがって、直列接続数が異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを同じ製造ラインで製造する場合は、概ね同じサイズの基板を用いた光電変換モジュールにおけるストリングの直列接続方向の分割数、すなわち直列接続数を変更することで対応される。それに伴い、直列接続数の変動によって各光電変換セルの直列接続方向の幅が変動する。具体的には、薄膜光電変換モジュールのストリングの直列接続方向の分割数が増えるほど、各光電変換セルの直列接続方向の幅が狭くなる。
したがって、薄膜光電変換モジュールの製造ラインに含まれる逆バイアス処理装置は、光電変換セルの直列接続方向の幅が異なる複数機種の光電変換モジュールを処理することになる。このとき、特許文献2に開示されている従来の逆バイアス処理装置のように、直列接続方向に隣接する2つの光電変換セルに逆バイアス電圧を印加する一対の印加部材の間隔が、一の薄膜光電変換モジュールの隣接する各光電変換セルの概中央部に当接するように一定間隔に固定されていると、次のような問題が発生する。
すなわち、上記の逆バイアス処理装置の印加部材が、一の薄膜光電変換モジュールの各光電変換セルの幅とは異なる幅を持つ、他の薄膜光電変換モジュールを逆バイアス処理するとき、他の薄膜光電変換モジュールの隣接する各光電変換セルの中央位置から離れた位置に当接することになる。印加部材の当接位置より短絡部が離れるほど、電圧降下によって逆バイアス処理による短絡部の除去効率が低下する。1回の逆バイアス処理にかかる時間は、印加部材の当接部より最も離れた位置に存在する短絡部に律速されるので、印加部材の当接位置が各光電変換セルの中央位置から離れるほど、光電変換モジュールでの逆バイアス処理にかかる時間が長くなる。
さらに、当接部から離れた位置への短絡部に対する逆バイアス処理が不完全となり短絡部が残ることで、逆バイアス処理による特性回復が十分でなかったり、ホットスポットとなりうる短絡部が残留する恐れがある。
また、従来処理していた一の薄膜光電変換モジュールに対して、他の薄膜光電変換モジュールの光電変換セルの直列接続方向の幅が1/2より小さくなった場合は、一対の印加部材は、隣接する2つの光電変換セルそれぞれに対して当接できなくなり、逆バイアス処理ができなくなる。
また、光電変換モジュールのストリング数が異なる場合も、上述した光電変換セル数が異なる場合と同様の問題が発生する。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、光電変換セルの直列接続方向の幅、さらには直列接続方向と直交する方向の幅が異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールに対応して処理できる、逆バイアス処理装置およびそれを用いた逆バイアス処理方法を提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、絶縁基板上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層された光電変換セルが複数互いに電気的に直列接続されてなるストリングを有する薄膜光電変換モジュールに対して、前記直列接続の方向である第1方向に隣接する前記光電変換セル間に逆バイアス電圧を印加して、逆バイアス処理を行う逆バイアス処理装置であって、
前記第1方向に並んだ3つ以上の端子着脱部を有する端子固定部と、前記端子着脱部から選択された2箇所に着脱可能に固定される一対の端子部と、前記一対の端子部間に逆バイアス電圧を印加する電源部と、前記電源部と前記端子部を電気的に接続する電気接続部とを備える逆バイアス処理装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記逆バイアス処理装置を用いた前記薄膜光電変換モジュールの逆バイアス処理方法であって、
前記光電変換セルの前記第1方向の幅に応じて、前記各列の3つ以上の端子着脱部から、前記一対の端子部における一の端子部を隣接する前記光電変換セルの一方に当接したとき前記一対の端子部における他の端子部を隣接する前記光電変換セルの他方に当接できるように、2つの端子着脱部を選択して前記一対の端子部を固定した後、
前記一対の端子部を前記光電変換セルに当接させて前記一対の端子部間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス処理方法が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記逆バイアス処理方法を行う薄膜光電変換モジュールの製造方法が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記逆バイアス処理装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された生産制御装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された警告装置とを備え、
前記生産制御装置は、逆バイアス処理される前の薄膜光電変換モジュールについて、前記ストリングにおける光電変換セルの第1方向の幅を含む機種情報を前記逆バイアス処理装置に送信するよう構成され、
前記逆バイアス処理装置は、前記機種情報を受信した逆バイアス処理装置における一対の端子部の固定位置が、
送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と同じときは稼働状態を維持して逆バイアス処理を行い、
送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と異なるときは一時停止すると共に、前記機種情報に対応した位置への端子部の差し替えを要求する信号を前記警告装置に送信し、
前記警告装置は前記端子部の差し替えを指示する指示情報をオペレータに伝達するように構成されている薄膜光電変換モジュールの製造装置が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記逆バイアス処理方法によって、前記逆バイアス処理装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された生産制御装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された警告装置とを備えた薄膜光電変換モジュールの製造装置を用いて逆バイアス処理を行う薄膜光電変換モジュールの製造方法であって、
前記生産制御装置が、薄膜光電変換モジュールの前記ストリングにおける光電変換セルの前記第1方向の幅を含む機種情報を前記逆バイアス処理装置に送信し、
前記機種情報を受信した逆バイアス処理装置におけるストリングに対応する一対の端子部の固定位置が、
送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と同じときは逆バイアス処理装置の稼働状態を維持して逆バイアス処理を行い、
送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と異なるときは逆バイアス処理装置を一時停止すると共に、前記機種情報に対応した位置への端子部の差し替えを要求する信号を前記警告装置に送信し、
前記警告装置が前記端子部の差し替えを指示する指示情報をオペレータに伝達することによって、オペレータが端子部の差し替えを行う薄膜光電変換モジュールの製造方法が提供される
本発明によれば、ストリングの直列接続方向の分割数が異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを処理するとき、簡単な作業で異なる機種に対応できる逆バイアス処理装置が提供され、それによって同一製造ラインで効率よく逆バイアス処理を行うことができ、薄膜光電変換モジュールの生産性を向上させることができる。
本発明の薄膜光電変換モジュールの製造装置によれば、逆バイアス処理前に薄膜太陽電池モジュールの機種に逆バイアス処理装置を対応させる作業の有無を事前に警告することができ、円滑な作業対応を実現することで製造装置の稼働率を向上することができる。また、対応していない機種の薄膜太陽電池モジュールが誤って逆バイアス処理装置で処理されることを防止でき、それによって製造装置トラブルや薄膜太陽電池モジュール不良を低減することができる。
図1は本発明の実施形態1の逆バイアス処理装置によって逆バイアス処理される薄膜光電変換モジュールを示す概略斜視図である。 図2は図1の薄膜光電変換モジュールを矢印X方向に切断した概略断面図である。 図3は実施形態1の逆バイアス処理装置および逆バイアス処理工程を示す斜視図である。 図4は実施形態1の逆バイアス処理装置における端子固定部付近を示す部分拡大図である。 図5は実施形態1の逆バイアス処理装置における端子固定部および端子部の構造を説明する部分断面図である。 図6(A)は6直列の薄膜光電変換モジュールM1の平面図であり、図6(B)は12直列の薄膜光電変換モジュールM11の平面図である。 図7(A)は実施形態2の逆バイアス処理装置における変形例1としての端子固定部を示す平面図であり、図7(B)は変形例2としての端子固定部を示す平面図である。 図8は本発明の実施形態3の逆バイアス処理装置によって逆バイアス処理される薄膜光電変換モジュールを示す概略斜視図である。 図9は図8の薄膜光電変換モジュールを矢印Y方向に切断した概略断面図である。 図10は実施形態3の逆バイアス処理装置を示す斜視図である。 図11は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部に固定された4本の棒状端子が4つのセルに対応することを説明する部分斜視図である。 図12は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部および端子部の構造を説明する部分断面図である。 図13は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部を示す平面図である。 図14は実施形態3の逆バイアス処理装置における電圧印加ユニットの配置図である。 図15は実施形態3の逆バイアス処理装置における電源を示す概念図である。 図16は実施形態3における逆バイアス処理手段の移動機構の第1例を示す概略構成図である。 図17は実施形態3における逆バイアス処理手段の移動機構の第2例を示す概略構成図である。 図18は実施形態3における逆バイアス処理手段の移動機構の第3例を示す概略構成図である。 図19は実施形態3における逆バイアス処理手段の移動機構の第4例を示す概略構成図である。 図20(A)は6列の分割ストリングを有する6直列の薄膜光電変換モジュールの平面図であり、図20(B)は6列の分割ストリングを有する12直列の薄膜光電変換モジュールの平面図である。 図21は実施形態4の逆バイアス処理装置における端子固定部を示す平面図である。 図22は実施形態4の逆バイアス処理装置における変形例1としての端子固定部を示す平面図である。 図23は実施形態4の逆バイアス処理装置における変形例2としての端子固定部を示す平面図である。 図24は実施形態1〜4のいずれか1つの逆バイアス処理装置を備えた本発明の実施形態5としての薄膜光電変換モジュールの製造装置を説明するブロック図である。
本発明の逆バイアス処理装置の実施形態は、絶縁基板上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層された光電変換セルが複数互いに電気的に直列接続されてなるストリングを有する薄膜光電変換モジュールに対して、前記直列接続の方向である第1方向に隣接する前記光電変換セル間に逆バイアス電圧を印加して、逆バイアス処理を行う逆バイアス処理装置であって、前記第1方向に並んだ3つ以上の端子着脱部を有する端子固定部と、前記端子着脱部から選択された2箇所に着脱可能に固定される一対の端子部と、前記一対の端子部間に逆バイアス電圧を印加する電源部と、前記電源部と前記端子部を電気的に接続する電気接続部とを備える。
ここで、逆バイアス処理について説明する。
光電変換セルを逆バイアス処理をすることによって、その部分に短絡部が存在するか否か、短絡部がどの程度のものであるかを判断することができる。
逆バイアス電圧を印加した場合において、短絡部が存在しないときは電流がほとんど流れないが、短絡部が存在するときは電流が流れて短絡部が除去される。しかし、短絡部の抵抗値が非常に小さい場合には、電流が流れても発熱が十分でなく、その短絡部を除去できない。
逆バイアス電圧を印加したときに流れる電流値の経時変化を測定することにより、以下のように被処理部である光電変換セルに存在する短絡部を分類したり、修復状況を判断することができる。
(I)一定値(例えば5V)の逆バイアス電圧印加時に流れる電流値が規定値以下であれば短絡部が存在しない。
(II)一定値(例えば5V)の逆バイアス電圧印加開始時には、規定値より大きな電流が流れたが徐々に電流が減少し最終的には規定値以下となったときは、短絡部が除去されたと判断できる。また、逆バイアス電圧印加開始時に流れる電流値によって、短絡部の抵抗値を算出することができ、短絡の程度を分類することができる。
(III)一定値(例えば5V)の逆バイアス電圧を所定時間(例えば数秒程度)印加しても電流値が規定値以下にならない場合には、短絡部の抵抗値が小さく除去不可能なものと判断することができる。
本発明の実施形態は、以上のような測定結果をストリングにおける光電変換セル毎に取得することができ、薄膜光電変換モジュールの不良解析が容易となる。
本発明に適用される薄膜光電変換モジュールの実施形態は、絶縁基板上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる光電変換セルが複数集積された構造のものであれば特に限定されず、光電変換層としてはpn接合型、pin接合型、ヘテロ接合型、pnまたはpin接合が複数重ねられたタンデム構造型等が挙げられる。また、本発明の実施形態は、絶縁基板として透明基板を使用したスーパーストレート型の薄膜光電変換モジュールと、不透明基板を使用したサブストレート型の薄膜光電変換モジュールの両方に適用可能である。
また、本発明に適用される薄膜光電変換モジュールの実施形態は、複数個の光電変換セルが互いに電気的に直列接続されてなるストリングを1つ以上有する薄膜光電変換モジュールである。
本発明の逆バイアス処理装置の実施形態は、次のように構成されていてもよい。
(1)前記端子部は、前記端子着脱部に着脱可能に固定される取付部と、前記光電変換セルに複数個所で当接できる複数の接触部を有する。
薄膜光電変換モジュールのストリング数が1つの場合、各光電変換セルは、絶縁基板の外周部付近まで第2方向に延びた長い形に形成される。前記(1)の構成によれば、このような長い形の光電変換セルを逆バイアス処理する場合、一対の端子部の各接触部は、隣接する2つの光電変換セルの長手方向の複数箇所と接触し、一対の端子部の各接触部が対向する。それによって、各光電変換セルの間の短絡部と端子部の各接触部との距離が短くなるため、短絡部の除去効率を高くすることができ逆バイアス処理を短時間で行うことができる。なお、光電変換セルに複数個所で当接できる端子部としては、例えば、櫛形の端子部を例示することができる。あるいは、1つの光電変換セルに対して1列に並んだ複数の端子部を接触させるようにしてもよい。
(2)前記薄膜光電変換モジュールは、前記ストリングが、少なくとも前記光電変換層および前記第2電極層を部分的に除去して形成された前記第1方向に延びる分割溝により、前記第1方向に直交する第2方向に並んで形成された複数本の分割ストリングからなり、
前記端子固定部は、前記端子着脱部の列を前記第2方向に並列して複数列有する。
このようにすれば、第2方向に並ぶ複数のストリングを有する複数機種の薄膜光電変換モジュールに逆バイアス処理を行うことができる。また、この際、1回の逆バイアス処理につき、各端子部を2つ以上のストリングにおける4つ以上の光電変換セルに当接させることができる。
(3)前記(2)の場合、特に、前記端子固定部は、前記端子着脱部の列を前記第2方向に並列して3列以上有するときは、光電変換セルの第2方向の幅が異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールに対応することができる。
(4)前記(2)および(3)のとき、前記端子着脱部の一の列と、前記一の列に隣接する前記端子着脱部の他の列との前記第2方向の間隔が、前記ストリングの前記第2方向の幅と同じであるようにすることができる。
このようにすれば、逆バイアス処理毎に、各端子部を各光電変換セルの第2方向の幅の中間位置に当接させることができ、逆バイアス処理で除去できる光電変換セルに存在する短絡部に対して、各端子部の第2方向での当接位置が概ね均等とすることで、短絡部の除去効率を低下させることなく逆バイアス処理を行うことができる。
(5)前記端子固定部が、各端子部間を電気的に絶縁する絶縁部を有する。
例えば、端子固定部全体を絶縁材料にて形成することで、端子部相互を容易に絶縁することができる。あるいは、端子挿通孔の内面付近のみを絶縁部としてもよい。
(6)前記端子着脱部が、前記端子部を挿通できる端子挿通孔と、該端子挿通孔に形成された雌ねじ部とを有し、
前記端子部が、前記端子挿通孔の雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有する。
このようにすれば、端子挿通孔に挿通した端子部を簡単な構成で端子固定部に固定することができる。
(7)前記端子部と前記光電変換セルとを当接または離間させる昇降部をさらに備えている。
この場合、昇降部によって、一対の端子部を昇降させてもよく、あるいは光電変換モジュールを昇降させてもよい。昇降部を小型化できる観点から、昇降部によって一対の端子部を昇降させることが好ましい。
また、端子固定部を移動させる移動機構部を備えてもよい。具体的な移動機構部としては、ロボットアーム、ボールねじ機構、ベルト車機構等を用いることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の各種実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1において、後述する図3の逆バイアス処理装置によって逆バイアス処理される薄膜光電変換モジュールM1を示す概略斜視図であり、図2は図1の薄膜光電変換モジュールM1を矢印X方向に切断した概略断面図である。
まず、薄膜光電変換モジュールM1について説明し、その後で逆バイアス処理装置について説明する。
〈薄膜光電変換モジュール〉
薄膜光電変換モジュールM1は、透明絶縁基板101上に、透明電極層としての第1電極層102、光電変換層103、および裏面電極層としての第2電極層104がこの順序で積層された帯状の光電変換セルS1が複数並列し、かつ複数の光電変換セルS1が電気的に直列接続して構成されている。すなわち、複数の光電変換セルS1が電気的に直列接続することによりストリング100が形成されている。
以下、「光電変換セルS1」を単に「セルS1」と称する。実施形態1の薄膜光電変換モジュールM1は1つのストリング100を有している。
このストリング100は、次のように構成されている。
透明電極層102は光電変換層103で埋められた第1分離溝107によって分離されており、光電変換層103および裏面電極層105は第2分離溝108によって分離されている。そして、レーザスクライブ法などを用いた加工装置によって光電変換層103が除去されて形成されたコンタクトライン109を通って、一のセルS1の第2電極層104が隣接する他のセルS1の第1電極層102に接続されることにより、複数のセルS1が電気的に直列に接続されている。なお、図1において、符号111は隣接する2つのセルS1の間の集積部を表している。
透明絶縁基板101としては、透光性を有しかつ基板上に積層される導電膜、半導体膜および金属膜を形成するときにかかる熱に対する耐熱性を有するガラス基板、ポリイミド等の樹脂基板等が使用可能である。また、第1電極層102は、透明導電膜からなり、例えば、SnO2、ITO、ZnOなどを用いることができる。
p型半導体層には、ボロン、アルミニウム等のp型不純物原子がドープされており、n型半導体層にはリン等のn型不純物原子がドープされている。i型半導体層は、完全にノンドープである半導体層であってもよく、微量のp型またはn型の不純物を含む半導体層であってもよい。なお、本明細書において、「非晶質層」及び「微結晶層」は、それぞれ、非晶質及び微結晶の半導体層を意味する。
光電変換層を構成する各半導体層の材料は、特に限定されず、例えば、シリコン系半導体、CIS(CuInSe2)化合物半導体、CIGS(Cu(In,Ga)Se2)化合物半導体等からなる。以下、本発明の実施形態においては、各半導体層がシリコン系半導体からなる場合を例にとって説明を進める。「シリコン系半導体」とは、非晶質もしくは微結晶シリコン、又は非晶質もしくは微結晶シリコンに炭素やゲルマニウム等の不純物が添加された半導体(シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム等)を意味する。また、「微結晶シリコン」とは、結晶粒径が小さい(数十から千Å程度)結晶シリコンと、非晶質シリコンとの混合相の状態のシリコンを意味する。微結晶シリコンは、例えば、結晶シリコン薄膜をプラズマCVD法などの非平衡プロセスを用いて低温で作製した場合に形成される。
第2電極層104の構成や材料は、特に限定されないが、一例では、第2電極104は、透明導電膜と金属膜とが光電変換層上に積層した積層構造を有する。透明導電膜は、SnO2、ITO、ZnOなどからなる。また、金属膜は、銀、アルミニウム等の電気伝導性および反射特性に優れた金属またはそれらの合金からなることが特に好ましい。透明導電膜と金属膜は、CVD、スパッタ、蒸着等の方法により形成することができる。
本実施形態の薄膜光電変換モジュールM1は以下のようにして形成することができる。
透明絶縁基板101上に第1電極層102が膜厚500〜1000nm程度で事前に積層されているか、熱CVD法やスパッタ法等を用いた成膜装置により積層する。次に、レーザスクライブ装置によって、第1電極層102の一部を所定間隔(7〜18mm程度)で除去して複数の第1分離溝107を形成する。
続いて、プラズマCVD法等により、第1分離溝107で分離された第1電極層102上に光電変換層103を膜厚300〜3000nm程度で積層する。光電変換層103は、p型シリコン半導体層、i型シリコン半導体層およびn型シリコン半導体層を順次第1電極102上に積層して形成される。
その後、レーザスクライブ装置により、光電変換層103の一部を所定間隔(7〜18mm程度)で除去することによって、複数のコンタクトライン109を形成する。
続いて、スパッタ法や蒸着法等を用いた成膜装置により、光電変換層103上に透明導電層と金属層をこの順で積層して第2電極層104を形成する。これにより、コンタクトライン109が第2電極層104で埋められる。
次に、レーザスクライブ装置によって、光電変換層103および第2電極層104の一部を所定間隔(7〜18mm程度)で除去することによって、複数の第2分離溝108を形成する。
なお、第1分離溝107、コンタクトライン109および第2分離溝108を形成するレーザスクライブ装置は、各溝を形成する際に除去すべき層に吸収される波長に調整したYAGレーザやYVO4レーザを用いることが好ましい。
以上により、透明絶縁基板101上に複数のセルS1が互いに直列接続されたストリング100が形成される(図1参照)。このストリング100が、後述する逆バイアス処理の対象物となる。本発明の実施形態1である、図1と図2、および後述する図3と図4では、6個のセルS1が直列接続された6直列の薄膜光電変換モジュールM1が例示されている。
なお、図2に示すように、各ストリングのX方向の一端側のセルS1は、他のセルS1よりもX方向の寸法が短く形成されており、このセルS1は光電変換素子としてではなく、後述の逆バイアス処理時の電極として使用される。
〈逆バイアス処理装置〉
図3は実施形態1の逆バイアス処理装置を示す斜視図であり、図4は実施形態1の逆バイアス処理装置における端子固定部付近を示す部分拡大図であり、図5は実施形態1の逆バイアス処理装置における端子固定部および端子部の構造を説明する部分断面図である。
この逆バイアス処理装置P1は、光電変換セルS1の直列接続の方向である第1方向(以下、X方向という)にて、隣接する2つの光電変換セルS1に、逆バイアス電圧が印加される一対の端子部20を当接して、前記薄膜光電変換モジュールM1に逆バイアス処理を行う逆バイアス処理装置である。
具体的に説明すると、図4に示すように、逆バイアス処理装置P1は、X方向に並んだ4つの端子挿通孔11aの列をX方向と直交するY方向に1列有する端子固定部10と、この列における4つの端子挿通孔11aから選択された2つの端子挿通孔11aに差し替え可能に挿通されて端子固定部10に固定される前記一対の端子部20とを備えている。
さらに、図3に示すように、逆バイアス処理装置P1は、端子固定部10を昇降させる昇降機構部30と、昇降機構部30と共に端子固定部10をX方向に移動させる移動機構部40と、一定電圧を出力する出力端子を有する図示しない電源とを備え、電源の出力端子と一対の端子部10とは図示しない配線にて電気的に接続されている。
端子固定部10は、前記4つの端子挿通孔11aを有する長方形の絶縁性板部11と、絶縁性板部11における4つの端子挿通孔11の中間位置に一体状に設けられて昇降機構部30のロッド先端を挿入させて連結するための筒部12と、2つの端子挿通孔11に挿通させた一対の端子部20の後述する棒状取付部21を固定するための固定金具13とを有してなる。固定金具13は、例えば、ワッシャ13aと、蝶ねじ13bとからなる。
端子部20は、前記蝶ねじ13bと螺合する雄ねじ21aを有する前記棒状取付部21と、棒状取付部21と連設された複数の接触部22aを有する櫛形部22とを有してなる。棒状取付部21は、櫛形部22の上縁の長手方向中間位置から上方へ突出している。
図5に示すように、絶縁性板部11は、筒部12を通る中心線Cに対して線対称的に形成されている。そして、中心線Cの片側において、外側の端子挿通孔11aの中心位置と内側の端子挿通孔11aの中心位置との間隔L1と、内側の端子挿通孔11aの中心位置と中心線Cとの間隔L1とは等しく設定されている。
したがって、両端2つの端子挿通孔11aの間隔(L1×4)は、内側2つの端子挿通孔11aの間隔(L1×2)の2倍となっている。
昇降機構部30は、例えば伸縮可能なエアーシリンダからなり、エアーシリンダのロッド部31がボックス42の下方開口部側へ上下方向に移動可能なように、エアーシリンダの本体部がボックス42の内面に固定されている。そして、ロッド部31の下端に、端子固定部10の絶縁性板部11が水平状に固定されている。
このように、昇降機構部30と共に端子固定部10がボックス42内に収容されて電圧印加ユニットU1が構成されている。
なお、後述する移動機構部40のカバー41内には、図示しないエアー供給源とエアーシリンダとを接続して各エアーシリンダに圧縮エアーを供給する可撓性エアーチューブが収納されている。
移動機構部40は、電圧印加ユニットU1のボックス42をX方向に移動可能に構成されており、具体的な構成は特に限定されず、例えば、ボールネジ機構(図16と図17参照)、ベルト車機構(プーリー機構)(図18と図19参照)、チェーン・スプロケット機構等を採用することができる。なお、これらの機構について詳しくは後述する。
〈逆バイアス処理方法〉
この移動機構部40を備えた逆バイアス処理装置P1によれば、図3と図4に示すように、例えば、一対の端子部20の棒状取付部21を、両端2つの端子挿通孔11aに挿通して固定し、一対の端子部20に所定電圧を印加できる状態に準備する。
次に、図3に示すように、電圧印加ユニットU1の一対の端子部20をストリング100の逆バイアス処理すべきセルS1上に移動させたところで、昇降機構部30にて端子固定部10と共に一対の端子部20を降下させて2つのセルS1の第2電極層に接触させ、逆バイアス処理を行う。
例えば、図2に示すように、一方端のセルS1から順に逆バイアス処理を行う場合、まず、一対の端子部20を隣接する2つのセルS1、S1の第2電極層104f1、104f2に接触させる。一方のセルS1の第2電極層104f1は、光電変換層103のn型半導体層側の裏面電極である。また、他方のセルS1の第2電極層104f2は、一方のセルS1における光電変換層103のp型半導体層側の第1電極層102f1と接続されている。したがって、一方の第2電極層104f1に正電位を付与し、他方の第2電極層104f2に0Vを付与すれば、一方のセルS1の光電変換層103に逆方向電圧が印加され、逆バイアス処理が行われる。
例えば、電源の一方の出力端子に+3Vの電位、他方の出力端子に0Vの電位を出力し、第2電極層104f1、104f2間に3Vの電圧を1秒間印加する。これにより、光電変換層103に3Vの逆方向電圧(逆バイアス電圧)が1秒間印加される。
この電圧印加により電流がほとんど流れない場合には、そのセルS1には短絡部が存在しないと判断して逆バイアス処理を終了し、一対の端子部20を一つずれた位置の第2電極層104f2と104f3に接触させて次のセルS1の逆バイアス処理を行う。
一方、電圧印加時に所定値以上の電流が流れ、電圧印加期間1秒内に電流が減少しない場合には、一方の出力端子の電位を5Vに変更し、さらに1秒間逆バイアス電圧を印加する。それでも電流が減少しない場合には、逆バイアス処理できないと判断して処理を終了し、次のセルS1の逆バイアス処理を行う。ここで、一方の出力端子に出力する電位が大きすぎると、セルS1のpin接合が破壊されるため、セルS1に印加される電圧は耐電圧以下とする必要がある。
上記手順により、ストリング100の全てのセルS1を順次逆バイアス処理する。なお、第2電極104f6の部分のセルS1は光電変換素子として使用はしないので、このセルS1の逆バイアス処理は省略される。
そして、ストリング100の全てのセルS1についての逆バイアス処理が終了した後、各セルS1の逆バイアス処理時に取得したデータにより、上述のように短絡の程度を分類し、どの部分に短絡部が発生し易いかを容易に解析することができる。この解析結果をフィードバックすることにより、光電変換層の成膜工程などの工程改善に利用することができる。
本発明の実施形態1の逆バイアス処理のように、各端子部20の接触部22aを複数設け、セルS1に対し複数の当接点にて逆バイアス電圧を印加する構成によれば、隣接する2つのセルS1間に複数存在する短絡部に対して、均等に逆バイアス処理することができ、それによって短絡部を効率良く除去することが可能であるため、逆バイアス処理にかかる時間を短縮でき、ホットスポットとなりうる短絡部の残留を低減することができる。
ところで、薄膜光電変換モジュールの出力電圧は、互いに直列接続されたセルの数(直列接続数)に比例する。市場の需要として要求される薄膜光電変換モジュールの出力電圧の値は様々であり、それに応じて、一つの薄膜光電変換モジュールの製造ラインで様々な出力電圧値の薄膜光電変換モジュールを作り分けられるようにすることが、製造ラインの稼働率の維持および需要変動に対する柔軟性の面より好ましい。
本実施形態ではその一例として、図6(A)に示す前記6直列の薄膜光電変換モジュールM1や、それよりも出力電圧を2倍程度増加させた図6(B)に示す12直列の薄膜光電変換モジュールM11がそれぞれ異なる機種の薄膜光電変換モジュールとして、一つの製造ラインにて製造される。この場合、基板サイズは製造ラインを構成する処理装置や搬送装置等の仕様から制限される為、異なる機種においても同じサイズの基板を用いることが好ましく、したがって、図6において薄膜光電変換モジュールM1と薄膜光電変換モジュールM11の基板サイズは同じである。ここで、12直列の薄膜光電変換モジュールM11のセルS11のX方向の幅W11は、6直列の薄膜光電変換モジュールM1のセルS1のX方向の幅W1の約1/2となっている。なお、図6(A)は6直列の薄膜光電変換モジュールM1の平面図であり、図6(B)は12直列の薄膜光電変換モジュールM11の平面図である。
このように異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールを同一の製造ラインで製造する場合、本発明の実施形態1による逆バイアス処理装置P1によれば異なる機種に対応して処理することができる。
例えば、6直列の薄膜光電変換モジュールM1に対応した逆バイアス処理から、12直列の薄膜光電変換モジュールM11に対応した逆バイアス処理に切り替える際は、図5に示すように、両端2つの端子挿通孔11aから内側2つの端子挿通孔11aに一対の端子部20を差し替える。つまり、一対の端子部20の間隔をL1×4からL1×2に変更させることを端子部を差し替える簡単な作業で実現し、異なる機種の処理に対応させることができる。
なお、実施形態1の端子固定部10における4つの端子挿通孔11aの配置および間隔は、製造される薄膜光電変換モジュールに対応できるよう設定されており、一対の端子部20の間隔L1×4は6直列の薄膜光電変換モジュールM1のセルS1のX方向の幅W1と同等であり、一対の端子部20の間隔L1×2は12直列の薄膜光電変換モジュールM11のセルS11のX方向の幅W11と同等である。したがって、一対の端子部20の各接触部22aは、セルS1のX方向の幅の中間位置またはセルS11のX方向の幅の中間位置に当接する。
また、本発明は上記形態に限定されず、端子挿通孔の間隔や数は適宜変更できる。端子挿通孔の間隔をより小さくし、端子挿通孔をより多く設けることによって、一対の端子部の間隔をより細かく調整することが可能となり、さらに多くの異なる機種の薄膜光電変換モジュールに対して適した逆バイアス処理を実施することができる。
例えば、光電変換セルの第2方向の幅が異なる2機種の薄膜光電変換モジュールに対して、端子挿通孔の数を3個とする。この場合、一方端の端子挿通孔に対しては一方の端子部を常時固定し、残り2個の端子挿通孔に選択的に他方の端子部を固定することにより、幅の広い光電変換セルに対しては一対の端子部の間隔を広げ、幅の狭い光電変換セルに対しては一対の端子部の間隔を狭め、一対の端子部を第1方向に隣接する2つの光電変換セルの適切な箇所(第1方向の幅の中間位置)に当接させることができる。
また、端子固定部の各列の端子挿通孔の数を4個以上とすることにより、前記のように一方端の端子挿通孔に対しては一方の端子部を常時固定し、残り3個の端子挿通孔に選択的に他方の端子部を固定することにより、光電変換セルの幅に応じて一対の端子部の間隔を3段階に調整して、一対の端子部を第1方向に隣接する2つの光電変換セルの適切な箇所に当接させることができる。あるいは、光電変換セルの幅に応じて、4個以上の端子挿通孔から2個の端子挿通孔を選択することによっても、一対の端子部を第1方向に隣接する2つの光電変換セルの適切な箇所に当接させることができる。
さらに、後述の実施形態3のようにストリングの数が複数の場合も、端子固定部は、第1方向に並んだ3個以上の端子挿通孔の列を第2方向に複数列設けられていてもよいため、2列目以降の端子部も同様に3個以上の端子挿通孔のうちの2個の端子挿通孔に適切に固定することにより、ストリングの数が異なる複数機種の薄膜光電変換モジュールにも対応できる。
(実施形態2)
図7(A)は実施形態2の逆バイアス処理装置における変形例1としての端子固定部を示す平面図であり、図7(B)は変形例2としての端子固定部を示す平面図である。
実施形態1では、端子固定部の端子挿通孔が4つであり、両端2つの端子挿通孔と内側2つの端子挿通孔に一対の端子部を差し替えることにより、異なる2機種の逆バイアス処理への対応を切り替える場合を例示した。
実施形態2は、異なる2機種の逆バイアス処理への対応の切り替えが実施形態1とは異なる。なお、実施形態1と共通の事項については説明を省略する場合がある。
図7(A)の場合、端子固定部110は、一列に並んだ3つの端子挿通孔111aを有する凸形の絶縁性板部111と、絶縁性板部111の凸部に設けられた筒部112とを有してなる。各端子挿通孔111aの相互間隔L2は等しく、図5で説明した間隔L1の2倍(L2=L1×2)に設定されている。
この場合、3つのうちの一方端の端子挿通孔111aに一方の端子部を常時固定し、残り2つの端子挿通孔111aに他方の端子部を差し替えることにより、図6(A)に示す6直列の薄膜光電変換モジュールM1の逆バイアス処理と、図6(B)に示す12直列の薄膜光電変換モジュールM1の逆バイアス処理とに対応することができる。
図7(B)の場合、端子固定部210は、一列に並んだ4つの端子挿通孔211aを有する凸形の絶縁性板部211と、絶縁性板部211の凸部に設けられた筒部212とを有してなる。各端子挿通孔211aの相互間隔L2は等しく、図5で説明した間隔L1の2倍(L2=L1×2)に設定されている。
この場合、4つのうちの一方端の端子挿通孔111aに一方の端子部を常時固定し、残り3つの端子挿通孔111aに他方の端子部を差し替えることにより、図6(B)に示す12直列の薄膜光電変換モジュールM11の逆バイアス処理(L2×1)と、図6(A)に示す6直列の薄膜光電変換モジュールM1の逆バイアス処理(L2×2)とに対応することができ、さらに、図示しない4直列の薄膜光電変換モジュール(L2×3)に対応することも可能となる。
つまり、図7(A)および(B)の場合、1つの製造ラインで複数機種の薄膜光電変換モジュールが製造される場合に、端子挿通孔の相互間隔L2は、直列接続数の最も多い機種のセル間隔と同じに設定することができる。
(実施形態3)
図8は本発明の実施形態3の逆バイアス処理装置によって逆バイアス処理される薄膜光電変換モジュールを示す概略斜視図であり、図9は図8の薄膜光電変換モジュールを矢印Y方向に切断した概略断面図である。
まず、薄膜光電変換モジュールM3について説明し、その後で逆バイアス処理装置について説明する。なお、実施形態3において、実施形態1または実施形態2と共通する事項については説明を省略する場合がある。
〈薄膜光電変換モジュール〉
図8および図9に示す薄膜光電変換モジュールM3は、図1に示した薄膜光電変換モジュールM1のストリング100を、X方向に延びる分割溝105によって同じY方向の幅W2で複数に分割することにより形成できる。つまり、薄膜光電変換モジュールM3は、複数のセルS3がX方向に電気的に直列接続された分割ストリング106a〜106fを複数並列して、かつ相互に絶縁分離して有する。
図8において、点線で囲まれた複数の細長い長方形領域が各分割ストリングを表しており、この場合、X方向に長い分割ストリングが、Y方向に6列並んでいる。また、各分割ストリングは、6個のセルS3が直列接続されてなる。
分割溝105は、Y方向の幅が広い第1分割溝105aと幅が狭い第2分割溝105bからなる。分割溝105の形成時には、まず、透明絶縁基板101側からレーザ光を照射しながらX方向に移動させるレーザスクライブ法によって、図1に示すセルS1の光電変換層103および第2電極層104の一部を所定間隔(75〜250mm程度)で除去して第1分割溝105aを形成する。照射するレーザ光は、第1電極層(透明電極層)102でほとんど吸収されないYAGレーザ第2高調波(波長532nm)を用いることができる。
次に、第1分割溝105aの中央部付近に、透明絶縁基板101側からレーザ光を照射しながらX方向に移動させて、第1分割溝105a領域内の第1電極層102を除去し、第2分割溝105bを形成する。照射するレーザ光は、第1電極層102で吸収されるYAGレーザ基本波(波長1.06μm)を用いることができる。
ところで、図8では、複数の分割ストリング106a〜106fが分割溝105によって電気的に絶縁されて並列してなる薄膜光電変換モジュールM3を図示しているが、複数の分割ストリング106a〜106fを電気的に並列接続してもよい(図示省略)。この場合、透明絶縁基板1側からレーザ光を照射する前に、図1に示すストリング100のX方向の両端側の2つのセルS1に対応する透明絶縁基板101の外面に、メタルマスクを配置する。そして、メタルマスクを配置した状態で、上述のように透明絶縁基板1側からレーザ光を照射して第1分割溝105aおよび第2分割溝105bを形成して分割溝105を形成する。メタルマスクはレーザ光を透過させないため、メタルマスクにて覆われた部分の第1電極102、光電変換層103および第2電極104は残存する。このメタルマスクとしては、厚さ1〜3mm程度のアルミニウム、ステンレス等からなる金属シートを用いることができる。
これにより、複数の分割ストリング106a〜106fの直列接続方向(X方向)の両端側の各セルはそれぞれ共通電極によって並列接続される。
〈逆バイアス処理装置〉
図10は実施形態3の逆バイアス処理装置を示す斜視図であり、図11は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部に固定された4本の棒状端子が4つのセルに対応することを説明する部分斜視図であり、図12は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部および端子部の構造を説明する部分断面図であり、図13は実施形態3の逆バイアス処理装置における端子固定部を示す平面図であり、図14は実施形態3の逆バイアス処理装置における電圧印加ユニットの配置図であり、図15は実施形態3の逆バイアス処理装置における電源を示す概念図である。
図10に示された逆バイアス処理装置P3は、3つの電圧印加ユニットU3と、各電圧印加ユニットU3をX方向に移動させる移動機構部340とを備える。各電圧印加ユニットU3は、昇降機構部(例えば、エアシリンダ)330と、昇降機構部330によって昇降する1つの端子固定部310と、端子固定部310に固定される4つの端子部320とを備え、隣接する2つの分割ストリングに対応する。
端子固定部310は、8個の端子挿通孔311aを有する四角形板状の絶縁性板部311と、絶縁性板部311の上面の中心位置に設けられた筒部312とを有してなる。
また、8個の端子挿通孔311aは、絶縁性板部311上に並ぶ一点鎖線で示した2本の平行線A1、A2上に4個ずつ配置されている。つまり、絶縁性板部310には、X方向に並ぶ4個の端子挿通孔311aの列が2列設けられている。そして、各列の4個の端子挿通孔311aは、実施形態1の端子固定部(図5参照)と同様の間隔L1で、筒部312を二分するY方向の中心線C1に対して対称的に配置されている。
また、平行線A1、A2の間隔、すなわち、X方向に並ぶ4個の端子挿通孔311aの一列と、この列と隣接する4個の端子挿通孔311aの他列との間隔L3は、ストリングの前記第2方向の幅W3と同じである。このようにすることにより、各列の端子挿通孔311aに挿通し固定した端子部320を、各列に対応する分割ストリングのセルS3のY方向の幅の中間位置に当接させることができる。
また、図12に示すように、各端子挿通孔311aは、孔上部に雌ねじ部311a1を有すると共に、孔下部に雌ねじ部311a1より小径の小径部311a2とを有する。
端子部320は、端子挿通孔311aに上方から挿通されて絶縁性板部311の下面側に突出する接触部321aと、接触部321aの上部に連設された前記雌ねじ部311a1と螺合する雄ねじ部321bと、雄ねじ部321bの上部に連設されて図示しない電源からの配線と電気的に接続される接続部321cとを有する棒状端子321からなる。
この棒状端子321の雄ねじ部321bは、絶縁性板部311の端子挿通孔311aの小径部311a2よりも外径が大きいため、雄ねじ部321bが雌ねじ部311a1を螺進して小径部311a2に突き当たる。これにより、各棒状端子321において、接触部321aが絶縁性板部311の下面側に突出する突出寸法が同じに揃えられる。
図14および図15に示すように、実施形態3の逆バイアス処理装置の場合、1つの電圧印加ユニットU3には4本の棒状端子321が設けられており、1つの電圧印加ユニットU3が隣接する2列の分割ストリングに対応し、1つの電源が1つの電圧印加ユニットU3に対応している。
例えば、図14中の分割ストリング106a、106bに対応する電圧印加ユニットU3は、分割ストリング106aの2つのセルS3に当接する2本の棒状端子321a1、321a2と、分割ストリング106bの2つのセルS3に当接する2本の棒状端子321b1、321b2を備え、Y方向に隣接する棒状端子321a1、321b1同士は配線503にて電気的に並列接続されかつ電源502の出力端子501aと接続され、Y方向に隣接する棒状端子321a2、321b2同士は配線503にて電気的に並列接続されかつ電源502の出力端子501bと接続されている。他の電圧印加ユニットU3についても同様である。
移動機構部340は、3つの電圧印加ユニットU3のボックス342と連結されて、各ボックス342を連動してまたは独立してX方向に移動可能に構成されており、具体的な構成は特に限定されず、例えば、ボールネジ機構、ベルト車機構(プーリー機構)、チェーン・スプロケット機構等を採用することができる。
ボールネジ機構としては図16および図17が例示され、ベルト車機構としては図18および図19が例示される。
[移動機構の第1例]
図16はボールネジ機構を採用して複数の電圧印加ユニットU3を連動させる移動機構T1を示している。
この移動機構T1は、カバー341(図10参照)と、カバー(基盤)341の下面のX方向の両側に固定された平行な一対の固定片702と、一対の固定片702に回転可能に枢着された3本のスクリューシャフト703と、各スクリューシャフト703に螺着されたナット部704と、各スクリューシャフト703の後端に取り付けられた第1かさ歯車705と、一対の固定片702に固定された3本のガイドシャフト706と、各スクリューシャフト703の後端側に配置されてカバー701の下面に回転可能に取り付けられたメインスクリューシャフト707と、メインスクリューシャフト707を回転させるモータMと、メインスクリューシャフト707に取り付けられて各第1かさ歯車705と噛合する複数の第2かさ歯車708とを備えている。
3本のスクリューシャフト703と3本のガイドシャフト706は交互にかつ平行に配置されており、1本のスクリューシャフト703と1本のガイドシャフト706との1組が1つの電圧印加ユニットU3に対応している。
電圧印加ユニットU3は、その保持部であるボックス342の上壁が、図示しない取付部材を介して移動機構T1のナット部704に固定されかつガイドシャフト706にスライド可能に取り付けられている。
このように構成された移動機構T1に、上述のように各電圧印加ユニットU3が取り付けられているため、移動機構T1のモータMによってメインスクリューシャフト707と共に各第2かさ歯車708が回転すると、各第1かさ歯車705と共に各スクリューシャフト703が回転し、それによって各ナット部と共に各電圧印加ユニットU3が同時にX方向に移動する。
この移動機構T1を備えた逆バイアス処理手段によれば、電圧印加ユニットU3の4本の棒状端子321を分割ストリングのセルS3上に移動させたところで、昇降駆動部330にて4本の棒状端子321を降下させ、X方向に並ぶ一対の棒状端子321を2つのセルS3の第2電極層に接触させ、実施形態1で説明した逆バイアス処理を行う。処理後、4本の棒状端子321を上昇させ、同様に移動、降下、逆バイアス処理、上昇を繰り返して、全てのセルS3の逆バイアス処理を行う。
この逆バイアス処理装置によれば、このような逆バイアス処理を複数の分割ストリング106a〜106fについて並行して行うことができる。なお、各電圧印加ユニットU3に対応する複数の電源502a〜502fを独立してON/OFF制御することができ、かつ各電圧印加ユニットU3を独立して昇降させることができるため、各分割ストリング106a〜106fのセルS3によって逆バイアス処理の時間に差がある場合は、処理が済んだセルS3に対応する電源から順次OFFし、かつ電圧印加ユニットU3を上昇させてもよい。このようにすれば、電力の省エネルギー化を図り、かつ次のセルS3を逆バイアス処理するために待機させておくことができる。
[移動機構の第2例]
図17はボールネジ機構を採用して複数の電圧印加ユニットU3を独立して移動可能な移動機構T2を示している。なお、図17において、図16中の部材と同様の部材には同一の符号を付している。
この移動機構T2は、上述の移動機構T1における複数の第2かさ歯車708を有するメインスクリューシャフト707およびこれを回転させるモータMが省略される代りに、各スクリューシャフト703を個別に回転させる複数のモータMが備えられる。移動機構T2におけるその他の構成および各電圧印加ユニットU3との取り付け構造は、移動機構T1と同様である。
この移動機構T2を備えた逆バイアス処理手段によれば、各電圧印加ユニットU3に対応するモータMをそれぞれ独立して駆動制御することができるため、各電圧印加ユニットU3を独立して移動させることができる。
[移動機構の第3例]
図18はベルト車機構を採用して複数の電圧印加ユニットU3を連動させる移動機構T3を示している。
この移動機構T3は、前記カバー341(図10参照)と、カバー341の下面の所定位置に上下方向の軸心P廻りに回転可能に取り付けられた複数の第1〜第3プーリー801a、801b、801cと、複数の第1〜第3プーリー801a、801b、801cに掛け巻かれた無端状のワイヤベルト802と、1つの第3プーリー801cを回転させるモータMと、ワイヤベルト802の所定箇所と複数の電圧印加ユニットU3のボックス342(図10参照)とを連結する複数の連結部材803と、3つの電圧印加ユニットU3をX方向にスライド可能に吊り持ちする図示しないガイドシャフトとを備えている。
第1プーリー801aは、カバー341のX方向の逆バイアス処理開始側の端部であって、各電圧印加ユニットU3に対応する位置に3個並列している。第2プーリー801bは、カバー341のX方向の逆バイアス処理終了側であって、各電圧印加ユニットU3に対応する位置の間に2個並列している。第3プーリー801cは、カバー341のX方向の第2プーリー801bよりも逆バイアス処理終了側の端部であって、両側の第1プーリー801aと対向する位置に2個配置されている。そして、一方の第3プーリー801cがその回転軸を介してモータMにて回転する。
このように配置された複数の第1〜第3プーリー801a、801b、801cにワイヤベルト802が図18のように掛け巻かれることにより、各電圧印加ユニットU3に対応する位置にワイヤベルト802の直線部802a、802bが対となって平行に形成される。一対の直線部802a、802bは、第3プーリー801cが一方向に回転することにより相互に逆方向に移動する。
各対の直線部802a、802bのうち、同方向に移動する各直線部(図18では直線部802a)に前記連結部材803がX方向の同じ位置に固定されている。
図示しない複数のガイドシャフトは、図16で説明したカバー341の下面に固定された一対の平行な固定片702に両端が取り付けられ、1つの電圧印加ユニットU3に対して2本平行にかつX方向に延びて配置されている。そして、各電圧印加ユニットU3のボックス342の上壁が図示しない取付部材を介して各対のガイドシャフトにスライド可能に吊り下げられている。なお、この取付部材と前記連結部材803とは一体化された部材であってもよい。
この移動機構T3によれば、モータMにて第3プーリー801cが一方向または逆方向に回転することにより、ワイヤベルト802の各直線部802aが一斉に同方向に移動するため、各電圧印加ユニットU3をX方向に同時に移動させることができる。したがって、この移動機構T3を備えた逆バイアス処理手段によれば、移動機構T1を備えた逆バイアス処理手段と同様に、複数の分割ストリング106a〜106fについて並行して逆バイアス処理を行うことができる。また、処理が済んだセルS3に対応する電源から順次OFFし、かつ電圧印加ユニットU3を上昇させ、電力の省エネルギー化を図り、かつ次のセルS3を逆バイアス処理するために待機させておくことができる。
なお、この移動機構T3における各プーリーをスプロケットに代え、無端状のワイヤベルト802を無端状チェーンに代えてもよい。
[移動機構の第4例]
図19はベルト車機構を採用して複数の電圧印加ユニットU3を独立して移動可能な移動機構T4を示している。なお、図19において、図18中の部材と同様の部材には同一の符号を付している。
この移動機構T4は、上述の移動機構T3と同様の3個の第1プーリー801aと、カバー341のX方向の逆バイアス処理終了側であって、各第1プーリー801aと対向する位置に配置された3個の第2プーリー801dと、各対の第1プーリー801aと第2プーリー801bに掛け巻かれた無端状のワイヤベルト804と、各第2プーリー801bを個別に回転させる複数のモータMとを備える。
そして、各ワイヤベルト804における一対の直線部804a、804bのうちの一方(図19では直線部804a)に、移動機構T1と同様の連結部材803が固定されている。なお、移動機構T4におけるその他の構成および各電圧印加ユニットU3との取り付け構造は、移動機構T3と同様である。
この移動機構T4を備えた逆バイアス処理装置によれば、移動機構T2と同様に、各電圧印加ユニットU3に対応するモータMをそれぞれ独立して駆動制御することができるため、個別に各電圧印加ユニットU3を移動させることができる。
〈逆バイアス処理方法〉
次に、図10〜図15を参照しながら実施形態3の逆バイアス処理装置P3を用いた逆バイアス処理について説明する。なお、以下では1つの電圧印加ユニットU3による逆バイアス処理について説明するが、他の電圧印加ユニットU3も同様である。
まず、例えば、電圧印加ユニットU3における各棒状端子321を、各列の両端2つの端子挿通孔311aに挿通して固定し、各棒状端子321に所定電圧を印加できる状態に準備する。
次に、電圧印加ユニットU3の各棒状端子321を、隣接する2列の分割ストリングの逆バイアス処理すべきセルS3上に移動させたところで、昇降機構部330にて端子固定部310と共に4本の棒状端子321を降下させて4つのセルS3の第2電極層に接触させ、実施形態1と同様に逆バイアス処理を行い、この手順により、分割ストリングの全てのセルS3(最後のセルS3を除く)を順次逆バイアス処理する。
この場合も、実施形態1と同様に、短絡部を効率良く除去することが可能であるため、「ホットスポット現象」の発生率を低減することができる。また、各セルS3の逆バイアス処理時に取得したデータにより、上述のように短絡の程度を分類し、どの部分に短絡部が発生し易いかを容易に解析することができる。この解析結果をフィードバックすることにより、光電変換層の成膜工程などの工程改善に利用することができる。
ここまでは、6列の分割ストリング106a〜106fを有する6直列の薄膜光電変換モジュールM3の逆バイアス処理について説明したが、この逆バイアス処理装置P3は6列の分割ストリング1106a〜1106fを有する12直列の薄膜光電変換モジュールM3の逆バイアス処理にも対応できる。
図20(A)は6列の分割ストリング106a〜106fを有する6直列の薄膜光電変換モジュールM3の平面図であり、図20(B)は6列の分割ストリング1106a〜1106fを有する12直列の薄膜光電変換モジュールM33の平面図である。なお、これらの薄膜光電変換モジュールM3、M33のサイズは同じである。
12直列の薄膜光電変換モジュールM33のセルS33のX方向の幅W22は、6直列の薄膜光電変換モジュールM3のセルS3のX方向の幅W2の約1/2となっている。
例えば、6直列の薄膜光電変換モジュールM3の逆バイアス処理から、12直列の薄膜光電変換モジュールM33の逆バイアス処理に切り替える際は、各列の両端2つの端子挿通孔311aから内側2つの端子挿通孔311aに一対の棒状端子321を差し替える。つまり、一対の棒状端子321の間隔をL1×4からL1×2に変更する。
なお、端子固定部310におけ8つの端子挿通孔311aの配置および間隔は、製造される薄膜光電変換モジュールに対応できるよう設定されており、一対の棒状端子321の間隔L1×4は6直列の薄膜光電変換モジュールM3のセルS3のX方向の幅W2と同等であり、一対の棒状端子321の間隔L1×2は12直列の薄膜光電変換モジュールM33のセルS33のX方向の幅W11と同等である。したがって、各列の一対の棒状端子321は、セルS3のX方向の幅の中間位置にまたはセルS33のX方向の幅の中間位置に当接する。さらに、4本の棒状端子321は、4つのセル3またはセル33のY方向の幅中間位置に当接する。
(実施形態4)
図21は実施形態4の逆バイアス処理装置における端子固定部を示す平面図であり、図22は実施形態4の逆バイアス処理装置における変形例1としての端子固定部を示す平面図であり、図23は実施形態4の逆バイアス処理装置における変形例2としての端子固定部を示す平面図である。
実施形態3では、端子固定部が、4つの端子挿通孔を2列で有し、各列の両端2つの端子挿通孔と内側2つの端子挿通孔に一対の棒状端子を差し替えることにより、異なる2機種の逆バイアス処理への対応を切り替える場合を例示した。
実施形態4は、異なる2機種の逆バイアス処理への対応の切り替えが実施形態3とは異なる。
図21の場合、端子固定部410は、3つの端子挿通孔411aを2列で並んで有する絶縁性板部411と、絶縁性板部411の上面中心位置に設けられた筒部412とを有してなる。各列において、隣接する2つの端子挿通孔411aの相互間隔L2は等しく、図13で説明した間隔L1の2倍(L2=L1×2)に設定されている。
この場合、各列において、3つのうちの一方端の端子挿通孔411aに一方の棒状端子を常時固定し、残り2つの端子挿通孔411aに他方の棒状端子を差し替えることにより、図20(A)に示す6直列の薄膜光電変換モジュールM3の逆バイアス処理と、図20(B)に示す12直列の薄膜光電変換モジュールM33の逆バイアス処理とに対応することができる。
図22の場合、端子固定部510は、4つの端子挿通孔511aを2列で並んで有する絶縁性板部511と、絶縁性板部511の上面中心位置に設けられた筒部512とを有してなる。各列において、隣接する2つの端子挿通孔511aの相互間隔L2は等しく、図13で説明した間隔L1の2倍(L2=L1×2)に設定されている。
この場合、各列において、4つのうちの一方端の端子挿通孔511aに一方の棒状端子を常時固定し、残り3つの端子挿通孔511aに他方の棒状端子を差し替えることにより、図20(B)に示す12直列の薄膜光電変換モジュールM33の逆バイアス処理(L2×1)と、図20(A)に示す6直列の薄膜光電変換モジュールM3の逆バイアス処理(L2×2)とに対応することができ、さらに、図示しない4直列の薄膜光電変換モジュール(L2×3)に対応することも可能となる。
なお、実施形態4において、その他は実施形態3と同様である。
図23の場合、端子固定部610は、4つの端子挿通孔611aを4列で並んで有する絶縁性板部611と、絶縁性板部611の上面の中心位置に設けられた筒部612とを有してなる。
また、端子挿通孔611aは、絶縁性板部611上に並ぶ一点鎖線で示した4本の平行線B1、B2、B3、B4上に4個ずつ配置されている。つまり、絶縁性板部611には、X方向に並ぶ4個の端子挿通孔611aの列が、Y方向に4列並んで設けられている。そして、合計16個の端子挿通孔611aは、筒部312を二分するY方向の中心線C1に対して対称的に配置されている。
端子挿通孔611aの各列において、X方向に隣接する2つの端子挿通孔611aの間隔は、図22と図23と同様の間隔L2に設定されている。
この実施形態4における変形例2によれば、4本の棒状端子の間隔をX方向に加えてY方向にも調整することができるため、ストリング数が異なる機種の薄膜光電変換モジュールに対しても、簡単な作業で対応することができる。
なお、図21〜図23の場合も、1つの製造ラインで複数機種の薄膜光電変換モジュールが製造される場合に、端子挿通孔の相互間隔L2は、直列接続数の最も多い機種のセル間隔と同じに設定することができる。さらに、図23の場合、各列の間隔L3は、ストリング数の最も多い機種のストリング間隔と同じに設定することができると共に、端子挿通孔のX方向およびY方向の数を5個以上としてもよい。
(実施形態5)
図24は実施形態1〜4のいずれか1つの逆バイアス処理装置を備えた本発明の実施形態5としての薄膜光電変換モジュールの製造装置を説明するブロック図である。
この薄膜光電変換モジュールの製造装置は、実施形態1〜4のいずれか1つの逆バイアス処理装置Pと、逆バイアス処理装置Pと電気的に接続された生産制御装置Aと、逆バイアス処理装置Pと電気的に接続された警告装置5とを備えている。
生産制御装置Aは、逆バイアス処理直前の薄膜光電変換モジュールについて、各列のストリングにおけるセルのX方向(直列接続方向)の幅を含む機種情報を逆バイアス処理装置Pに送信するよう構成されている。
逆バイアス処理装置Pは、前記機種情報を受信した逆バイアス処理装置Pにおける各列のストリングに対応する一対の端子部の固定位置が、
(a)前記機種情報に含まれる各列のストリングにおけるセルのX方向の幅と対応した位置である場合は、稼働状態を維持し、
(b)前記機種情報に含まれる各列のストリングにおけるセルのX方向の幅と対応した位置でない場合は、停止すると共に、前記機種情報に基づいて、各列のストリングにおけるセルのX方向の幅に対応する1つまたは2つの端子部の差し替えをオペレータに指示する指示情報を警告装置5に送信するように構成されている。
実施形態5の場合、逆バイアス処理装置P、生産制御装置Aおよび警告装置5は、その他の処理装置と共に同一の製造ラインに組み込まれており、これら全体が薄膜光電変換モジュールの製造装置を構成している。図24において、符号1は搬入装置、2は洗浄装置、3はレーザトリミング装置、6は絶縁検査装置を示し、これらの装置の間の搬送装置は矢印で示している。
なお、各処理装置は図24に示した配置に限定されず、また、複数の成膜装置や搬出装置等が点線の位置等に配置されてもよい。
生産制御装置Aは、基板を搬送する各搬送装置の状態、各処理装置による基板の処理状況などの製造装置全体の状況を監視し、各装置からの情報を受信し、その情報に基づいて各装置を制御する。これにより、薄膜光電変換モジュールを円滑に自動製造することができる。
詳しく説明すると、本実施形態の場合、逆バイアス処理装置Pの直前の処理工程は、レーザトリミング装置3によって基板周縁部の絶縁領域を形成するトリミング工程となっている。
生産制御装置Aは、各装置と送受信する通信部と、通信部と送受信する記憶部とを備えている。
記憶部は、薄膜光電変換モジュールの各機種のプロセスフロー、各装置の製造条件、各装置から送信された処理履歴、検査工程にて測定された特性データなどの様々な生産データが保管される。
例えば、逆バイアス処理装置Pによって図6(A)に示す6直列の薄膜光電変換モジュールM1が逆バイアス処理されているとする。
生産制御装置Aは、通信部を通じて、逆バイアス処理装置Pによる逆バイアス処理およびレーザトリミング装置3によるトリミング処理が行われていることを管理している。
このとき、逆バイアス処理装置Pにおいて、一対の端子部20(図3参照)は、図6(A)に示す薄膜光電変換モジュールM1のセルS1の直列接続方向(X方向)の幅W1に対応した両側の端子挿通孔11aに固定されている。また、一対の端子部20の固定位置もしくはそれを特定できる情報は、逆バイアス処理装置Pの記憶部に記憶されている。
次に、薄膜光電変換モジュールM1の逆バイアス処理が完了し、逆バイアス処理装置Pの通信部から生産制御装置Aの通信部へ処理完了基板についての搬出信号が送信される。搬出信号を受けた生産制御装置Aは、逆バイアス処理装置Pから処理完了した薄膜光電変換モジュールM1を次工程の絶縁検査装置6へ送るよう、これらの間の搬送装置を制御する。
逆バイアス処理装置Pからの薄膜光電変換モジュールM1の搬出後、搬送完了信号が逆バイアス処理装置Pから生産制御装置Aに送信され、生産制御装置Aはレーザトリミング装置3で処理中または処理完了した薄膜光電変換モジュールの機種情報を逆バイアス処理装置Pに送信する。
前記機種情報が、図6(A)のモジュールM1の情報である場合、逆バイアス処理装置Pの記憶部に記憶された端子部固定位置情報と照らし合わせて、端子部20の差し替えは必要ないと判定してその機種情報を生産制御装置Aに通信し、逆バイアス処理装置Pは稼働を継続する。
また、前記機種情報が、図6(B)のモジュールM11の情報である場合には、逆バイアス処理装置Pの記憶部に記憶された端子部固定位置情報と照らし合わせることで、逆バイアス処理装置Pの端子部20の差し替えが必要と判定される。その場合、端子部の差し替えが必要であるという信号が、逆バイアス処理装置Pの通信部から、生産制御装置Aと独立した警告装置5に送信される。そして、その信号を受けた生産制御装置Aは、レーザトリミング装置3から逆バイアス処理装置Pに基板を搬送する搬送装置を停止させ、逆バイアス処理装置Pを停止状態に制御する。
これと並行して、逆バイアス処理装置Pから警告装置5へ指示情報が送信さる。つまり、逆バイアス処理装置Pは、機種情報に基づく前記指示情報である端子部20の差し替え位置を警告装置5に送信する。そして、指示情報を受けた警告装置5に基づいて、オペレータが逆バイアス処理装置Pの端子部20の差し替えを行う。
警告装置5としては、サイレン、ランプ、アラームメッセージや端子部の差し替え位置等を表示する管理用端末、これらの組み合わせ等を採用することができる。なお、端子固定部材上に個々の端子挿通孔を示すマークを表記しておき、差し替え位置をマークで表示してもよい。
実施形態5によれば、薄膜太陽電池モジュールに対応していない端子部間隔で誤って逆バイアス処理が開始されてしまうトラブルを未然に防止することができる。また、端子部の差し替えが必要な際に、オペレータが短時間で気付くように指示することができるため、差し替え待ちに伴う逆バイアス処理装置の非稼働時間を低減できる。さらに、警告装置5によって差し替え位置を明示することで、間違った位置に端子部を差し替えることを防止することができる。
なお、本実施形態において、警告装置5は、生産制御装置Aから独立して逆バイアス処理装置Pと通信可能に接続されているが、逆バイアス処理装置P自体に含まれていてもよく、あるいは生産制御装置Aに接続され、生産制御装置Aによって警告装置5が制御されてもよい。
(他の実施形態)
1.実施形態3では、1つの電圧印加ユニットU3によって、隣接する2列の分割ストリングのセルを逆バイアス処理するように構成された場合を例示したが、1つの電圧印加ユニットによって、隣接する3列〜全列の分割ストリングのセルを逆バイアス処理するように構成されてもよい。この場合、例えば、1つの端子固定部に、3つ以上の端子挿通孔の列を3列〜全ストリング数と同じ複数列を形成する。
あるいは、1つの電圧印加ユニットによって、1列の分割ストリングのセルを逆バイアス処理するように構成してもよい。この場合、1つの端子固定部に、3つ以上の端子挿通孔の列を1列形成する。このようにすれば、各電圧印加ユニットに対応する複数の電源fを独立してON/OFF制御することができ、かつ各電圧印加ユニットを独立して昇降させることができるため、各分割ストリングのセルによって逆バイアス処理の時間に差がある場合は、処理が済んだセルに対応する電源から順次OFFし、または電圧印加ユニットを上昇させてもよい。このようにすれば、電力の省エネルギー化を図り、かつ次のセルを逆バイアス処理するために待機させておくことができる。
2.実施形態1および3では、逆バイアス処理装置が移動機構部を備えた場合を例示したが、移動機構部を省略してもよい。この場合、薄膜光電変換モジュールを逆バイアス処理装置に対してX方向に移動させればよい。
また、実施形態1および3では、逆バイアス処理装置が昇降機構部を備えた場合を例示したが、昇降機構部を省略してもよい。この場合、薄膜光電変換モジュールを逆バイアス処理装置に対して昇降させればよい。
あるいは、移動機構部と昇降機構部の両方を省略し、安全に配慮しながらオペレータが端子固定部を持ってX方向に移動させるようにしてもよい。
3.実施形態1では、端子固定部の絶縁性板部に4つの端子挿通孔の列を2列形成した場合を例示したが、この変形例として、各列の4つの端子挿通孔のうちの両端2つの端子挿通孔の両側に間隔L1で2つの端子挿通孔をさらに設けてもよい。このようにすれば、一対の端子部の固定位置が、2つの端子挿通孔の間隔L1×2のときに12直列の薄膜光電変換モジュールに対応し、間隔L1×4のときに6直列のモジュールに対応し、間隔L1×6のときに4直列のモジュールに対応できる。
5 警告装置
10、110、210、310、410、510、610 端子固定部
11a、111a、211a、311a、411a、511a、611a 端子挿通孔(端子着脱部)
20、320 端子部
101 絶縁基板(透明絶縁基板)
102 第1電極層(透明電極層)
103 光電変換層
104 第2電極層(裏面電極層)
100 ストリング
105、107、108 分割溝
106a、106b、106c、106d、106e、106f 分割ストリング
501a、501b 出力端子
502 電源
503 配線
30、330 昇降機構部
A 生産制御装置
P1、P3 逆バイアス処理装置
S1、S11、S3、S33 セル(光電変換セル)
T1、T2、T3、T4 移動機構
U1、U3 電圧印加ユニット

Claims (13)

  1. 絶縁基板上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層された光電変換セルが複数互いに電気的に直列接続されてなるストリングを有する薄膜光電変換モジュールに対して、前記直列接続の方向である第1方向に隣接する前記光電変換セル間に逆バイアス電圧を印加して、逆バイアス処理を行う逆バイアス処理装置であって、
    前記第1方向に並んだ3つ以上の端子着脱部を有する端子固定部と、前記端子着脱部から選択された2箇所に着脱可能に固定される一対の端子部と、前記一対の端子部間に逆バイアス電圧を印加する電源部と、前記電源部と前記端子部を電気的に接続する電気接続部とを備えることを特徴とする逆バイアス処理装置。
  2. 前記端子部は、前記端子着脱部に着脱可能に固定される取付部と、前記光電変換セルに複数個所で当接できる複数の接触部を有する請求項1に記載の逆バイアス処理装置。
  3. 前記ストリングが、少なくとも前記光電変換層および前記第2電極層を部分的に除去して形成された前記第1方向に延びる分割溝により、前記第1方向に直交する第2方向に並んで形成された複数本の分割ストリングからなり、
    前記端子固定部は、前記端子着脱部の列を前記第2方向に並列して複数列有する請求項1に記載の逆バイアス処理装置。
  4. 前記端子固定部は、前記端子着脱部の列を前記第2方向に並列して3列以上有する請求項3に記載の逆バイアス処理装置。
  5. 前記端子着脱部の一の列と、前記一の列に隣接する前記端子着脱部の他の列との前記第2方向の間隔が、前記ストリングの前記第2方向の幅と同じである請求項3または4に記載の逆バイアス処理装置。
  6. 前記端子固定部が、前記各端子部間を電気的に絶縁する絶縁部を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の逆バイアス処理装置。
  7. 前記端子着脱部が、前記端子部を挿通できる端子挿通孔と、該端子挿通孔に形成された雌ねじ部とを有し、
    前記端子部が、前記端子挿通孔の雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の逆バイアス処理装置。
  8. 前記端子部と前記光電変換セルとを当接または離間させる昇降部をさらに備えた請求項1〜7のいずれか1つに記載の逆バイアス処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の逆バイアス処理装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された生産制御装置と、前記逆バイアス処理装置と通信可能に接続された警告装置とを備え、
    前記生産制御装置は、逆バイアス処理される前の薄膜光電変換モジュールについて、前記ストリングにおける光電変換セルの第1方向の幅を含む機種情報を前記逆バイアス処理装置に送信するよう構成され、
    前記逆バイアス処理装置は、前記機種情報を受信した逆バイアス処理装置における一対の端子部の固定位置が、
    送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と同じときは稼働状態を維持して逆バイアス処理を行い、
    送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と異なるときは一時停止すると共に、前記機種情報に対応した位置への端子部の差し替えを
    要求する信号を前記警告装置に送信し、
    前記警告装置は前記端子部の差し替えを指示する指示情報をオペレータに伝達するように構成されている薄膜光電変換モジュールの製造装置。
  10. 請求項1に記載の逆バイアス処理装置を用いた前記薄膜光電変換モジュールの逆バイアス処理方法であって、
    前記光電変換セルの前記第1方向の幅に応じて、前記各列の3つ以上の端子着脱部から、前記一対の端子部における一の端子部を隣接する前記光電変換セルの一方に当接したとき前記一対の端子部における他の端子部を隣接する前記光電変換セルの他方に当接できるように、2つの端子着脱部を選択して前記一対の端子部を固定した後、
    前記一対の端子部を前記光電変換セルに当接させて前記一対の端子部間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス処理方法。
  11. 前記光電変換セルの前記第1方向に並ぶ2つの光電変換セルにおける各セルの第1方向の幅の中間位置に前記一対の端子部が当接するように、前記各列の3つ以上の端子着脱部から2箇所を選択する請求項10に記載の逆バイアス処理方法。
  12. 請求項10または11に記載の逆バイアス処理方法を行う薄膜光電変換モジュールの製造方法。
  13. 請求項9に記載の薄膜光電変換モジュールの製造装置を用いた薄膜光電変換モジュールの製造方法であって、
    前記生産制御装置が、薄膜光電変換モジュールの前記ストリングにおける光電変換セルの前記第1方向の幅を含む機種情報を前記逆バイアス処理装置に送信し、
    前記機種情報を受信した逆バイアス処理装置におけるストリングに対応する一対の端子部の固定位置が、
    送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と同じときは逆バイアス処理装置の稼働状態を維持して逆バイアス処理を行い、
    送信された前記機種情報に含まれる前記光電変換セルの第1方向の幅と対応した位置と異なるときは逆バイアス処理装置を一時停止すると共に、前記機種情報に対応した位置への端子部の差し替えを要求する信号を前記警告装置に送信し、
    前記警告装置が前記端子部の差し替えを指示する指示情報をオペレータに伝達することによって、オペレータが端子部の差し替えを行う薄膜光電変換モジュールの製造方法。
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