JP2010129775A - 逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法 - Google Patents

逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の光電変換素子にリーク電流が流れる場合にもリーク欠陥の修復ができて逆バイアス処理が可能な逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法を提供する。
【解決手段】光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部と、M段の光電変換部に共通に接続された電源と、電源に接続された電流計とを備える。M段の光電変換部は、光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、光電変換素子に対する電源からの逆バイアス印加を切り換える光電変換部ごとのスイッチとを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法に関し、特に、光電変換素子の逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法に関する。より特定的には、直並列接続された光電変換素子に逆バイアス電圧を印加して光電変換素子間の短絡箇所を切断するための逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法に関する。
近年、ガスを原料としてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により生成される薄膜太陽電池が注目されている。薄膜太陽電池の例として、シリコン系薄膜太陽電池、CIS(Cu-In-Se)化合物薄膜太陽電池、CIGS(Cu-In-Ga-Se)化合物薄膜太陽電池などが挙げられる。薄膜太陽電池は、開発および生産量の拡大が進められている。
薄膜太陽電池は、プラズマCVD法の他、スパッタ法、真空蒸着法などにより、基板上に半導体膜または電極膜を積層して形成される。薄膜太陽電池は2つの電極に挟まれた半導体層の層厚が薄いため、半導体層中のピンホールによる電極間の短絡が生じ易い。また、薄膜太陽電池では光電変換素子を直列接続するため、半導体膜および電極膜を加工する際に欠陥で素子間に短絡部分が発生する。これらの短絡により、薄膜太陽電池の発電特性が低下する。
上記のような薄膜太陽電池の特性低下を回復する目的として、特許文献1には太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置が開示されている(たとえば下記の図9参照)。当該逆バイアス処理装置は、太陽電池セルの電極間に逆バイアス電圧を印加することにより、電極間の短絡部分を除去する。
図9は、太陽電池モジュールに用いられる従来の逆バイアス処理装置800を示した模式図である。
図9を参照して、従来の逆バイアス処理装置800は、電源802と、光電変換素子803a〜803fと、電極554a〜554gと、プローブ805a〜805gと、切換スイッチ806とを備える。さらに、逆バイアス処理装置800は、複数段のプローブ805a〜805gを一体的に昇降させるための図示しない制御機構を備える。切換スイッチ806は、スイッチ素子816a〜816gを含む。光電変換素子803a〜803f、電極554a〜554gは、それぞれ光電変換素子803、電極554とも総称する。
プローブ805a〜805gは、互いに隣り合う3段以上の光電変換素子803a〜803fの電極554a〜554gにそれぞれ電気的または機械的に接触する。切換スイッチ806は、複数段のプローブ805a〜805gのうち、電極554a〜554gの隣り合う任意の1対間に逆バイアス電圧を印加する1対のプローブを選択する。
逆バイアス処理装置800は、プローブ805a〜805gを下降させて太陽電池セルの電極554に接触させた後でスイッチ素子816a〜816gを切り換えることにより、複数段の太陽電池セルの逆バイアス処理ができる。これにより、最も時間のかかるプローブの下降操作の回数を従来よりも大幅に減少させることができる。その結果、逆バイアス処理全体の効率を向上させることができるとされている。
図10は、複数の光電変換素子が直列接続された従来の光電変換装置803の概略的な構成を示した断面図である。
図10を参照して、従来の光電変換装置803は、複数の光電変換素子803a〜803fを備える。光電変換素子803a〜803fは、ガラス等の透明絶縁基板506上に、SnO2(二酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電膜からなる表面電極507a〜507fと、光電変換層を含む半導体層508a〜508gと、金属および透明電極からなる裏面電極504a〜504gとが順に積層された構造を有する。表面電極507a〜507f、半導体層508a〜508g、裏面電極504a〜504gは、それぞれ表面電極507、半導体層508、裏面電極504とも総称する。
光電変換素子803a〜803fは、表面電極507、半導体層508および裏面電極504の一部が除去されて、隣接する光電変換素子の表面電極507aと裏面電極504b、表面電極507bと裏面電極504c、・・・、および表面電極507fと裏面電極504gが電気的に接続されている。この構造により、光電変換素子803a〜803fは直列接続されている。
図11は、複数の光電変換素子が直列接続された従来の光電変換装置803の等価回路を示した図である。
図11を参照して、従来の光電変換装置803の等価回路は、裏面電極504a〜504gに接続された複数の光電変換素子803a〜803fを含む。光電変換装置803は、裏面電極504aと裏面電極504bとの間すなわち光電変換素子803aに逆バイアス電圧を印加して逆バイアス処理を行なう。その後、図9の切換スイッチ806により、今度は裏面電極504bと裏面電極504cとの間すなわち光電変換素子803bに逆バイアス電圧を印加して逆バイアス処理を行なう。その後、順次光電変換素子803fまで逆バイアス処理を行なう。
図12は、光電変換素子を直列接続したものを並列配置した従来の太陽電池モジュール100の構成を示した回路図である。
図12を参照して、従来の太陽電池モジュール100は、直列接続された光電変換素子813a〜813fと、直列接続された光電変換素子823a〜823fと、直列接続された光電変換素子833a〜833fとが並列配置されている。光電変換素子813a〜813fは、裏面電極514a〜514gに接続されている。光電変換素子823a〜823fは、裏面電極524a〜524gに接続されている。光電変換素子833a〜833fは、裏面電極534a〜534gに接続されている。
図13は、太陽電池モジュールに用いられる従来の逆バイアス処理装置200を示した回路図である。
図13を参照して、従来の逆バイアス処理装置200は、電源802と、光電変換部810a〜810g、820a〜820g、830a〜830g、840a〜840gと、切換スイッチ806a〜806gとを備える。電源802は、切換スイッチ806a〜806gに接続されている。光電変換部810a〜810g、820a〜820g、830a〜830g、840a〜840gは、M段N列に拡大縮小可能である。
光電変換部810a〜810gは、直列接続された光電変換素子813a〜813fを隣接間で共有する。光電変換部820a〜820gは、直列接続された光電変換素子823a〜823fを隣接間で共有する。光電変換部830a〜830gは、直列接続された光電変換素子833a〜833fを隣接間で共有する。光電変換部840a〜840gは、直列接続された光電変換素子843a〜843fを隣接間で共有する。
切換スイッチ806aは、光電変換部810a,820a,830a,840aに接続されている。切換スイッチ806bは、光電変換部810b,820b,830b,840bに接続されている。・・・切換スイッチ806gは、光電変換部810g,820g,830g,840gに接続されている。
図13の逆バイアス処理装置200は、図12に示すような太陽電池モジュール100において逆バイアス処理を行なう場合に用いられる。逆バイアス処理装置200は、直並列に配列された光電変換素子において、まず、列方向の1つの段に位置する光電変換素子を並列接続して、1つの列に逆バイアスを印加する。逆バイアス処理装置200は、この動作を列の順番に繰り返すことで、上述と同様に逆バイアス処理を行なっている。
逆バイアス処理装置200は、直並列に配列された光電変換素子の列方向の1つの段に位置する光電変換素子を並列接続して、それらを一度に逆バイアス処理する。これにより、光電変換素子を直列接続したストリングを並列配置した太陽光発電モジュールを逆バイアス処理することができる。
特開平11−134069号公報
薄膜太陽電池の大面積化にともない、図12のように光電変換素子を直列接続したストリングを並列配置した太陽電池モジュール100が製造されている。このような太陽光発電モジュールを逆バイアス処理する場合、光電変換素子を1つずつ逆バイアス処理することも可能だが、図13の逆バイアス処理装置200のように逆バイアス処理を行なうことが効率的で生産性も高いため従来から採用されている。逆バイアス処理装置200は、直並列に配列された光電変換素子の列方向の1つの段に位置する光電変換素子を並列処理して、それらを一度に逆バイアス処理する。
しかしながら、図13の逆バイアス処理装置200は、複数の光電変換素子にリーク電流が流れる場合、それらのリーク電流の和が大きいと電源の電流容量が不足してリーク欠陥の修復ができない。また、リーク電流が流れる複数の光電変換素子のうち修復不可能なリーク欠陥が1つでもあれば、他の修復可能なリーク欠陥のある光電変換素子に逆バイアス電流が十分流れず、逆バイアス処理ができないという問題があった。
それゆえに、この発明の目的は、複数の光電変換素子にリーク電流が流れる場合にもリーク欠陥の修復ができて逆バイアス処理が可能な逆バイアス処理装置および逆バイアス処理方法を提供することである。
この発明のある局面によれば、光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部と、M段の光電変換部に共通に接続された電源と、電源に接続された電流計とを備える。M段の光電変換部は、光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、光電変換素子に対する電源からの逆バイアス印加を切り換える光電変換部ごとのスイッチとを含む。
この発明の他の局面によれば、光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、電源と、電源に接続された電流計とを備える。光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部と、電源と光電変換ストリングとの接続を切り換える切換スイッチとを含む。M段の光電変換部は、光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、光電変換素子に対する電源からの逆バイアス印加を切り換える光電変換部ごとのスイッチとを含む。
この発明の他の局面によれば、光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、電源を備え、光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部を含み、光電変換部の列方向ごとに、電源と光電変換部のストリングとの接続を切り換える切換スイッチを含む。M段の光電変換部は、光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、光電変換素子に対する電源からの逆バイアス印加を切り換える光電変換部ごとのスイッチと、光電変換部ごとに設けられた電流計とを含む。
好ましくは、逆バイアス処理装置は、光電変換素子に逆バイアスより小さな電圧を印加することで電流計に流れるリーク電流を計測することにより、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定する。
この発明の他の局面によれば、光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、電源を備え、光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部とを含む。光電変換部の列方向ごとに、電源と光電変換部のストリングとの接続を切り換える切換スイッチを含む。M段の光電変換部は、光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、光電変換素子に対する電源からの逆バイアス印加を切り換える光電変換部ごとのスイッチと、光電変換部ごとの誘導コイルと、光電変換ストリングごとの誘導起電力計とを含む。
好ましくは、誘導コイルは、段方向の隣接間においてコイルの巻き方が互いに逆向きに直列接続され、その直列接続の両端に誘導起電力計が接続されている。
好ましくは、誘導起電力計は、光電変換素子に逆バイアス電圧を印加して流れるリーク電流によって誘導コイルに生じる誘導起電力を計測する。
好ましくは、誘導起電力計は、誘導コイルに誘起される電流を測定し、逆バイアス処理後にリークしている光電変換素子を特定する。
好ましくは、逆バイアス処理装置は、誘導起電力計において計測されるリーク電流および誘導起電力により、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定する。
好ましくは、誘導コイルおよび誘導起電力計は、磁気検出素子を使用した磁気測定系に置き換えることが可能である。
好ましくは、光電変換部は、光電変換素子の電極に電気的または機械的に接触するプローブと、プローブの接触を制御する制御機構とをさらに含む。
この発明の他の局面によれば、光電変換素子がM段N列(M、Nは自然数)に配列された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理方法であって、1つの段に位置する光電変換素子のスイッチをすべて閉じて逆バイアス処理を行なうステップと、逆バイアス処理の電圧より小さな印加電圧でリーク電流を測定し、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定するステップと、リークがある光電変換素子のスイッチを1つずつ閉じて、個別に逆バイアス処理を行なうステップとを備える。
好ましくは、個別に逆バイアス処理を行なうステップは、逆バイアス処理後に光電変換素子に対する電圧印加を継続し、逆バイアス処理後にリークしている光電変換素子を特定するステップと、リーク抵抗から修復不能な光電変換素子を判定するステップと、修復不能な光電変換素子を除いて、修復可能な光電変換素子に個別に逆バイアス処理電流が流れるようにスイッチを開閉するステップとを含む。
好ましくは、逆バイアス処理の電圧は、光電変換素子の耐圧を超えない電圧範囲で、時間的に単調増加または単調減少する電圧波形を有する。
好ましくは、逆バイアス処理後の電圧は、逆バイアス処理の電圧より低い電圧範囲で、時間的に単調増加または単調減少する電圧波形を有する。
この発明の実施の形態によれば、複数の光電変換素子にリーク電流が流れて、電源の電流供給処理能力を超える場合にも、リーク欠陥の修復を確実にできる逆バイアス処理が可能となる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Aを示した回路図である。
図1を参照して、実施の形態1の逆バイアス処理装置1Aは、電源10,20,30,40と、電流計11,21,31,41と、光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gとを備える。光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gは、スイッチ13a〜13g、23a〜23g、33a〜33g、43a〜43gをそれぞれ含む。光電変換部15a〜45gは、M段N列(M、Nは自然数)に拡大縮小可能である。
光電変換部15a〜15gは、直列接続された光電変換素子12a〜12fを隣接間で共有する。光電変換部25a〜25gは、直列接続された光電変換素子22a〜22fを隣接間で共有する。光電変換部35a〜35gは、直列接続された光電変換素子32a〜32fを隣接間で共有する。光電変換部45a〜45gは、直列接続された光電変換素子42a〜42fを隣接間で共有する。
電源10は、電流計11を介して、スイッチ13a〜13gに接続されている。スイッチ13a〜13gは、光電変換素子12a〜12fへの逆バイアス印加を切り換える。電源20は、電流計21を介して、スイッチ23a〜23gに接続されている。スイッチ23a〜23gは、光電変換素子22a〜22fへの逆バイアス印加を切り換える。電源30は、電流計31を介して、スイッチ33a〜33gに接続されている。スイッチ33a〜33gは、光電変換素子32a〜32fへの逆バイアス印加を切り換える。電源40は、電流計41を介して、スイッチ43a〜43gに接続されている。スイッチ43a〜43gは、光電変換素子42a〜42fへの逆バイアス印加を切り換える。
図12に示すような太陽電池モジュール100において逆バイアス処理を行なう場合、従来は図13の逆バイアス処理装置200が用いられていた。逆バイアス処理装置200は、直列接続ストリングを構成する光電変換素子と、光電変換素子の直列接続ストリング毎に設けられた逆バイアス処理用電源と、光電変換素子への電源の正負の出力を切り換える切換スイッチとを備えている。逆バイアス処理装置200は、光電変換素子ごとに順番に切換スイッチの接続を切り換えることで、逆バイアス処理を並列的に行なう。しかしながら、逆バイアス処理装置200は、同一の段において複数の光電変換素子でリーク欠陥がある場合、電源の供給能力を超える電流が流れる状態になる。その場合、逆バイアス処理電圧が十分にかからず、リーク欠陥修復が不完全な状態になる。
上記に対し、図1に示した実施の形態1の逆バイアス処理装置1Aは、直並列接続された光電変換素子の直列接続ストリング(光電変換ストリング)すべてに、逆バイアス処理用の電源および電流計を備えている。さらに、逆バイアス処理装置1Aは、光電変換素子ごとに逆バイアス電圧印加用のスイッチを設けている。このような素子配列により、逆バイアス処理装置1Aは、スイッチを切り換えることで、電源には1つの光電変換素子しか接続されないように制御できる。よって、複数の光電変換素子のリークのために、電源の電流供給能力が不足して逆バイアス処理が不十分になることはない。
逆バイアス処理装置1Aは、電源ごとに電流計を設けることによって、逆バイアス処理時の電流を同時に測定することができる。また、逆バイアス処理装置1Aは、逆バイアス処理後に逆バイアスより小さな電圧を印加し、リーク電流を計測することで、逆バイアス処理後のリーク抵抗を同時に測定することができる。これらの測定により、特別な抵抗測定の工程を追加することなく、太陽電池モジュールのリーク欠陥のデータを収集することができる。当該測定データは、太陽光発電モジュールの製造工程における異常の原因究明および品質改善のために利用することができる。
以上のように、実施の形態1の逆バイアス処理装置は、光電変換素子を直列接続したストリング毎の逆バイアス処理用の電源と、逆バイアス処理を行なう光電変換素子を選択する配線およびスイッチとを設けている。これにより、光電変換素子を直列接続したストリングを並列配置した太陽光発電モジュールを逆バイアス処理する際に、電源の電流供給能力の制限によって修復できなかった欠陥を確実に修復することができる。
また、実施の形態1の逆バイアス処理装置は、比較的簡単な構造の装置で、処理時間、測定時間の増大を招くこともなく、逆バイアス処理をすると同時にリーク電流がある光電変換素子のリーク抵抗を測定することができる。その結果、逆バイアス処理を行なう光電変換素子を選択して逆バイアス処理を行なうことができる。
[実施の形態2]
図2は、この発明の実施の形態2による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Bを示した回路図である。
図2を参照して、実施の形態2の逆バイアス処理装置1Bは、電源50と、電流計51と、光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gと、切換スイッチ16,17,26,27,36,37,46,47とを備える。光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gは、スイッチ13a〜13g、23a〜23g、33a〜33g、43a〜43gをそれぞれ含む。光電変換部15a〜45gは、M段N列に拡大縮小可能である。
電源50は、切換スイッチ16,26,36,46に接続されるとともに、電流計51を介して切換スイッチ17,27,37,47に接続されている。切換スイッチ16,17は、光電変換部15a〜15gに接続されている。切換スイッチ26,27は、光電変換部25a〜25gに接続されている。切換スイッチ36,37は、光電変換部35a〜35gに接続されている。切換スイッチ46,47は、光電変換部45a〜45gに接続されている。
光電変換部15a〜15gは、直列接続された光電変換素子12a〜12fを隣接間で共有する。光電変換部25a〜25gは、直列接続された光電変換素子22a〜22fを隣接間で共有する。光電変換部35a〜35gは、直列接続された光電変換素子32a〜32fを隣接間で共有する。光電変換部45a〜45gは、直列接続された光電変換素子42a〜42fを隣接間で共有する。
スイッチ13a〜13gは、光電変換素子12a〜12fへの逆バイアス印加を切り換える。スイッチ23a〜23gは、光電変換素子22a〜22fへの逆バイアス印加を切り換える。スイッチ33a〜33gは、光電変換素子32a〜32fへの逆バイアス印加を切り換える。スイッチ43a〜43gは、光電変換素子42a〜42fへの逆バイアス印加を切り換える。
図1に示した実施の形態1の逆バイアス処理装置1Aは、光電変換素子の直列ストリングの並列配置の数だけ逆バイアス処理用の電源が必要となる。最近の太陽光発電モジュールの大型化にともない、光電変換素子の直列ストリングの並列配置の数が増加し、装置が巨大化してコストアップにつながるという問題があった。
これに対し、図2に示した実施の形態2の逆バイアス処理装置1Bは、電源1台で光電変換素子の直列接続ストリングを一列づつ選択することができる。そのため、直列接続ストリングごとに逆バイアス処理および逆バイアス処理後の抵抗測定を行なうことが可能となる。
[実施の形態3]
図3は、この発明の実施の形態3による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Cを示した回路図である。
図3を参照して、実施の形態3の逆バイアス処理装置1Cは、電源50と、光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gと、切換スイッチ52a〜52gとを備える。光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gは、電流計11a〜11g,21a〜21g,31a〜31g,41a〜41gと、スイッチ14a〜14g、24a〜24g、34a〜34g、44a〜44gとをそれぞれ含む。光電変換部15a〜45gは、M段N列に拡大縮小可能である。
電源50は、切換スイッチ52a〜52gに接続されている。切換スイッチ52aは、光電変換部15a,25a,35a,45aに接続されている。切換スイッチ52bは、光電変換部15b,25b,35b,45bに接続されている。・・・切換スイッチ52gは、光電変換部15g,25g,35g,45gに接続されている。
光電変換部15a〜15gは、直列接続された光電変換素子12a〜12fを隣接間で共有する。光電変換部25a〜25gは、直列接続された光電変換素子22a〜22fを隣接間で共有する。光電変換部35a〜35gは、直列接続された光電変換素子32a〜32fを隣接間で共有する。光電変換部45a〜45gは、直列接続された光電変換素子42a〜42fを隣接間で共有する。
図2に示した実施の形態2の逆バイアス処理装置1Bは、直列接続ストリングの数だけ逆バイアス処理を繰り返す。そのため、逆バイアス処理の時間が増大し、装置の処理能力が低下するという問題があった。
これに対し、図3に示した実施の形態3の逆バイアス処理装置1Cは、直並列接続した光電変換素子の1つの段に位置する光電変換素子の逆バイアス処理を行なうとき、いったん逆バイアス処理をした後に逆バイアス処理電圧より低い電圧を印加してリーク電流を測定する。リーク電流が検出された光電変換素子が複数ある場合は、リークのある光電変換素子の直列ストリングを一つずつ選択し、個別に逆バイアス処理を行なう。
具体的には、図3の逆バイアス処理装置1Cに示すように、直並列接続された光電変換素子のすべてに電流計およびスイッチを設ける。逆バイアス処理装置1Cは、最初に1つの段に位置する光電変換素子のスイッチをすべて閉じて逆バイアス処理を行なう。その後、逆バイアスより小さな印加電圧でリーク電流を測定する。その後、リークがある光電変換素子のスイッチを1つずつ閉じて、個別に逆バイアス処理を行なう。これにより、逆バイアス処理時間の増大を抑えることができる。
[実施の形態4]
図4は、この発明の実施の形態4による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Dを示した回路図である。
図4を参照して、実施の形態4の逆バイアス処理装置1Dは、電源50と、光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gと、切換スイッチ52a〜52gと、誘導起電力計19,29,39,49とを備える。光電変換部15a〜15g、25a〜25g、35a〜35g、45a〜45gは、スイッチ14a〜14g、24a〜24g、34a〜34g、44a〜44gと、誘導コイル18a〜18g,28a〜28g,38a〜38g,48a〜48gとをそれぞれ含む。光電変換部15a〜45gは、M段N列に拡大縮小可能である。
電源50は、切換スイッチ52a〜52gに接続されている。切換スイッチ52aは、光電変換部15a,25a,35a,45aに接続されている。切換スイッチ52bは、光電変換部15b,25b,35b,45bに接続されている。・・・切換スイッチ52gは、光電変換部15g,25g,35g,45gに接続されている。
光電変換部15a〜15gは、直列接続された光電変換素子12a〜12fを隣接間で共有する。光電変換部25a〜25gは、直列接続された光電変換素子22a〜22fを隣接間で共有する。光電変換部35a〜35gは、直列接続された光電変換素子32a〜32fを隣接間で共有する。光電変換部45a〜45gは、直列接続された光電変換素子42a〜42fを隣接間で共有する。
誘導起電力計19は、直列接続された誘導コイル18a〜18gの両端に対して接続されている。誘導起電力計29は、直列接続された誘導コイル28a〜28gの両端に対して接続されている。誘導起電力計39は、直列接続された誘導コイル38a〜38gの両端に対して接続されている。誘導起電力計49は、直列接続された誘導コイル48a〜48gの両端に対して接続されている。
図3に示した実施の形態3の逆バイアス処理装置1Cは、光電変換素子ごとに電流計を設けなければならない。大面積の太陽電池モジュールでは、光電変換素子の直列数および並列数が増大するため、非常に多くの電流計を設置しなければならない。この場合、逆バイアス処理装置1Cは非常に複雑となり、装置のコストが非常に高くなる。
上記に対し、図4に示した実施の形態4の逆バイアス処理装置1Dは、図13に示す逆バイアス処理装置200において特定の部材を追加することにより、比較的簡単な構造で実施の形態1〜3と同様の機能を実現することができる。具体的には、光電変換素子ごとに切換スイッチを設け、さらに光電変換素子の逆バイアス電流が流れる配線ごとに誘導コイルを設けている。
逆バイアス処理装置1Dは、光電変換素子を直列接続したストリングを並列配置した太陽光発電モジュールに対して、直並列に配列された光電変換部が列方向に直列接続されている。このとき、その1つの段に位置する光電変換素子をすべて並列接続して、それらを1つの電源に接続し、1つの段の光電変換素子を一度に逆バイアス処理する。
上記の一度の逆バイアス処理に際し、並列接続配線から光電変換素子に接続する配線ごとに誘導コイルを設けている。1つの直列接続ストリングで隣接する誘導コイルの巻き方は、互いに逆方向となるようにされている。それらの誘導コイルは直列に接続され、その直列接続の両端に誘導起電力を測定する計測器が接続されている。
逆バイアス処理時に直列接続された光電変換素子のいずれかにリーク電流が流れれば、その直列接続ストリングに設けられた誘導コイルに誘導起電力が発生する。これにより、逆バイアス処理装置1Dは、逆バイアス処理電圧の変化率および誘導コイルに誘起する電流を測定することができる。
逆バイアス処理装置1Dは、直並列配置された光電変換素子のすべての直列接続ストリングに上記の誘導コイルおよび誘導起電力計を設けて誘導起電力を測定している。これにより、逆バイアス処理時にどの直列接続ストリングに電流が流れたかを同時に検出することができる。また、逆バイアス処理後に電圧印加して誘導コイルの誘導起電力を測定することによって、リーク抵抗を同時に測定することができる。
複数の光電変換素子にリーク電流が流れる場合、逆バイアス処理で修復できなかった光電変換素子に対し、逆バイアス処理後に印加電圧を変化させてリーク抵抗を測定する。逆バイアス処理装置1Dは、リーク抵抗値によって逆バイアス処理での修復可否を判断し、修復不可能な光電変換素子のみ個別にスイッチを閉じて逆バイアス処理を行なうことによって、これまで修復できなかったリーク欠陥を修復することができる。
図5は、図4の逆バイアス処理装置1D中の光電変換素子12a〜12fの直列接続ストリングを取り出したものを示した図である。
図5を参照して、逆バイアス処理装置1Dは、逆バイアス処理の際、光電変換素子12bのN層側に正電位+を印加し、P層側に負電位−を印加する。その結果、リーク欠陥に電流Icが流れた場合、正負の電位が印加された配線には互いに逆方向の電流が流れる。したがって、逆バイアス処理装置1Dにおいて、逆バイアス電圧が印加される2つの配線には互いに逆方向の電流が流れる。
図6は、図4の逆バイアス処理装置1Dの中の誘導コイル18a,18bに流れる誘導電流の様子を示した図である。
図6を参照して、直列接続された隣接する光電変換素子に設けられる誘導コイルの巻き方は、互いに逆方向となる。図6の(I)に示す誘導コイル18aは、電流Idに対して右ネジ方向に誘導電流Ic1が流れるようにコイルが巻かれている。図6の(II)に示す誘導コイル18bは、電流Idに対して左ネジ方向に誘導電流Ic2が流れるようにコイルが巻かれている。このような誘導コイル18a,18bを図5のI,II,I,II,I,・・・のように直列接続ストリングに対して交互に配置する。
図5に示すように、逆バイアス処理装置1Dでは、直列接続ストリングに設けられた誘導コイル18a〜18gが直列に接続され、その両端には誘導起電力を測定する誘導起電力計19が接続されている。逆バイアス処理時に直列接続された光電変換素子12a〜12fのいずれかの配線にリーク電流が流れれば、その配線に設けられた誘導コイル18a〜18gのいずれかに誘導起電力が発生する。誘導起電力計19は、光電変換素子12a〜12fのいずれかで発生した誘導起電力を検出する。
逆バイアス処理装置1Dは、逆バイアス処理電圧の変化率および誘導コイルに誘起する誘導起電力からリーク抵抗を測定することができる。逆バイアス処理時に逆バイアス処理電圧Vが印加され、光電変換素子のリーク抵抗RLにリーク電流Iが流れたとき、逆バイアス処理電圧Vは以下の式(1)で表わされる。
V=RL・I (1)
誘導コイルの相互インダクタンスをL1とすると、誘導起電力を測定する誘導起電力計19に誘起される電圧U1は以下の式(2)で表わされる。
U1=−2・L1(dI/dt) (2)
式(1)および式(2)から、リーク抵抗RLと逆バイアス処理電圧の変化率dV/dtとの関係を求めると、以下の式(3)のようになる。
RL=−(2・L1/U1)dV/dt (3)
図5の逆バイアス処理装置1Dでは、直並列配列された光電変換素子からなる太陽電池モジュールにおいて、上記の誘導コイル18a〜18gと誘導起電力計19とが並列に接続されている。逆バイアス処理装置1Dは、並列接続された光電変換素子12a〜12fに同時に逆バイアス処理をして、誘導コイル18a〜18gに誘起する誘導起電力U1を測定する。逆バイアス処理装置1Dは、式(2)により、逆バイアス処理された複数の列のうちどの列でリーク電流が発生したかを同時に検出することができる。
逆バイアス処理装置1Dは、各々の列の誘導起電力U1を測定し、式(3)によってリーク抵抗RLを同時に測定する。また、逆バイアス処理装置1Dは、逆バイアス処理後に光電変換素子12a〜12fの印加電圧を時間的に変化させて、直列接続ストリング毎に誘導コイルに誘起する起電力を測定する。その後、式(3)によって、光電変換素子ごとに逆バイアス処理後のリーク抵抗RLを測定する。
逆バイアス処理でリーク欠陥がある光電変換素子が1つの列に複数ある場合、電源の電流容量が不足し、光電変換素子のリーク電流が特定の光電変換素子に偏ってしまう。この場合、リーク欠陥のある他の光電変換素子に十分な電流が流れず、リーク電流が生じる光電変換素子の十分な修復ができない場合がある。
上記のような場合、逆バイアス処理装置1Dは、予め、逆バイアス処理を繰り返して修復できないリーク抵抗値のデータを取得しておき、修復可能なリーク抵抗値の下限を定めておく。逆バイアス処理装置1Dは、下限を割るリーク抵抗値の光電変換素子がある列の光電変換素子のスイッチをすべて開放し、それ以外の修復可能なリーク抵抗値の光電変換素子がある列のスイッチを閉じて電源に接続する。下限を割るリーク抵抗値の光電変換素子が複数ある場合は、個別に一つずつ逆バイアス処理を行なう。
逆バイアス処理を行なうための電圧波形および逆バイアス処理後にリーク抵抗を測定するための電圧波形は、時間的に電圧が変化するならば任意の波形でよい。具体的には、たとえば図7の上部および図8の上部に示されるような逆バイアス処理電圧が光電変換素子に印加される。光電変換素子にリーク欠陥がなければリーク電流は流れず、誘導コイルに誘導起電力は発生しない。
図7は、リーク欠陥が逆バイアス処理で修復された場合の逆バイアス処理電圧および誘導起電力の時間変化を示した図である。
図7に示すように、逆バイアス処理で修復可能なリーク欠陥があった場合、リーク電流Irが流れ、逆バイアス処理電圧を昇圧している間は誘導コイルに誘導起電力Ua1が発生する。時刻t11において、逆バイアス処理電圧の昇圧が光電変換素子の耐圧前のVbに達して完了するとリーク電流Irの変化はなくなり、誘導起電力はゼロとなる。時刻t12において、ジュール熱でリーク欠陥が焼き切れた瞬間に急激にリーク電流Irが減少するため、誘導起電力Ua2が発生する。
しかし、時刻t13において、逆バイアス処理完了までにはリーク電流Irはなくなり、誘導起電力も再びゼロとなる。図7において、時刻t14までが逆バイアス処理P1であり、時刻t14〜t15がリーク欠陥の修復有無判定期間P2であり、時刻t15〜t16がリーク抵抗測定期間P3である。
図8は、リーク欠陥が逆バイアス処理で修復されなかった場合の逆バイアス処理電圧および誘導起電力の時間変化を示した図である。
図8に示すように、逆バイアス処理で修復できないリーク欠陥があった場合、時刻t22において逆バイアス処理P1が完了しても、リーク電流Irが流れる状態となる。そのため、逆バイアス処理後の降圧にともなうリーク電流Irの変化から、リーク欠陥の修復可否判断P2およびリーク抵抗測定P3が可能となる。
修復可否判断P2の期間は、複数の光電変換素子でリーク電流Irが発生して、電源の電流供給能力が不足する可能性がある逆バイアス処理の電圧範囲で設定される。その期間でも逆バイアス処理電圧の減少にともなってリーク電流Irも減少するので、時刻t22において誘導起電力Ub1が発生する。逆バイアス処理電圧の減少にともない、電源の電流供給能力に余裕が生じる。
複数の光電変換素子でリーク電流が発生しても電源の電流供給能力不足が発生しない電圧Vrになると、リーク抵抗に応じたリーク電流が流れる。そのため、時刻t23において、そのリーク電流の変化から誘導起電力Ub2が発生し、これ以降の期間でリーク抵抗測定P3が行なわれる。
以上のように、実施の形態4の逆バイアス処理装置1Dは、逆バイアス処理期間中に発生した誘導起電力Ua2の大きさから、修復されたリーク欠陥の大きさを相対的に測定することができる。また、逆バイアス処理完了後の修復可否判定期間中に誘導起電力を測定することによって、逆バイアス処理での修復有無を判断することができる。さらに、リーク抵抗測定期間において誘導起電力Ub2を測定し、式(3)によってリーク抵抗RLを測定することができる。
逆バイアス処理後のリーク抵抗がたとえば2Ω以下と低い場合、リーク欠陥が大きいため逆バイアス処理のジュール熱では欠陥を修復することができない。また、並列に接続された複数の光電変換素子でリーク電流が流れた場合も、逆バイアス処理用電源の電流供給能力が不足して、十分にリーク欠陥の修復ができない場合がある。
上記のような場合にも、逆バイアス処理装置1Dにおいて、確実に逆バイアス処理を行なうことができる。具体的には、逆バイアス処理で修復が不可能なリーク抵抗のある光電変換素子を除いて、修復可能なリーク抵抗の光電変換素子について、該当する光電変換素子に接続するスイッチを閉じて個別に1つずつ逆バイアス処理を行なうことにより、確実に逆バイアス処理を行なうことができる。
また、逆バイアス処理にともなう光電変換素子のリーク電流およびリーク抵抗を測定したデータを管理することによって処理工程を管理でき、製品の品質および歩留まりを改善することができる。
上述した実施の形態1〜4では、光電変換素子のリーク電流を検出するのに電流計または誘導コイルを使用している。しかしながら、ホール素子等の磁気検出素子を使用して光電変換素子のリーク電流を検出することによっても、実施の形態3および4と同様な効果を得ることが可能である。
光電変換素子のリーク電流の検出に通常の電流計を使う代わりに、誘導コイルやホール素子等の磁気検出素子を使用することによって、光電変換素子ごとに電流検出手段を設けることが容易になる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Aを示した回路図である。 この発明の実施の形態2による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Bを示した回路図である。 この発明の実施の形態3による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Cを示した回路図である。 この発明の実施の形態4による太陽電池モジュールの逆バイアス処理装置1Dを示した回路図である。 図4の逆バイアス処理装置1D中の光電変換素子12a〜12fの直列接続ストリングを取り出したものを示した図である。 図4の逆バイアス処理装置1Dの中の誘導コイル18a,18bに流れる誘導電流の様子を示した図である。 リーク欠陥が逆バイアス処理で修復された場合の逆バイアス処理電圧および誘導起電力の時間変化を示した図である。 リーク欠陥が逆バイアス処理で修復されなかった場合の逆バイアス処理電圧および誘導起電力の時間変化を示した図である。 太陽電池モジュールに用いられる従来の逆バイアス処理装置800を示した模式図である。 複数の光電変換素子が直列接続された従来の光電変換装置803の概略的な構成を示した断面図である。 複数の光電変換素子が直列接続された従来の光電変換装置803の等価回路を示した図である。 光電変換素子を直列接続したものを並列配置した従来の太陽電池モジュール100の構成を示した回路図である。 太陽電池モジュールに用いられる従来の逆バイアス処理装置200を示した回路図である。
符号の説明
1A〜1D,200,800 逆バイアス処理装置、10,20,30,40,50,802 電源、11,11a〜11g,21a〜21g,31a〜31g,41a〜41g,21,31,41,51 電流計、12a〜12f,22a〜22f,32a〜32f,42a〜42f,803,803a〜803f,813a〜813f,823a〜823f,833a〜833f 光電変換素子、13a〜13g,14a〜14g,23a〜23g,24a〜24g,33a〜33g,34a〜34g,43a〜43g,44a〜44g スイッチ、15a〜15g,25a〜25g,35a〜35g,45a〜45g,810a〜810g,820a〜820g,830a〜830g,840a〜840g 光電変換部、16,17,26,27,36,37,46,47,52a〜52g,806 切換スイッチ、18a〜18g,28a〜28g,38a〜38g,48a〜48g 誘導コイル、19,29,39,49 誘導起電力計、100 太陽電池モジュール、504,504a〜504g,514a〜514g,524a〜524g,534a〜534g 裏面電極、506 透明絶縁基板、507,507a〜507f 表面電極、508,508a〜508g 半導体層、554,554a〜554g 電極、805a〜805g プローブ、816a〜816g スイッチ素子。

Claims (15)

  1. 光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、
    前記光電変換ストリングの各々は、
    M段(Mは自然数)の光電変換部と、
    前記M段の光電変換部に共通に接続された電源と、
    前記電源に接続された電流計とを備え、
    前記M段の光電変換部は、
    前記光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、
    前記光電変換素子に対する前記電源からの逆バイアス印加を切り換える前記光電変換部ごとのスイッチとを含む、逆バイアス処理装置。
  2. 光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、
    電源と、
    前記電源に接続された電流計とを備え、
    前記光電変換ストリングの各々は、
    M段(Mは自然数)の光電変換部と、
    前記電源と前記光電変換ストリングとの接続を切り換える切換スイッチとを含み、
    前記M段の光電変換部は、
    前記光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、
    前記光電変換素子に対する前記電源からの逆バイアス印加を切り換える前記光電変換部ごとのスイッチとを含む、逆バイアス処理装置。
  3. 光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、電源を備え、
    前記光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部を含み、
    前記光電変換部の列方向ごとに、前記電源と前記光電変換部のストリングとの接続を切り換える切換スイッチを含み、
    前記M段の光電変換部は、
    前記光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、
    前記光電変換素子に対する前記電源からの逆バイアス印加を切り換える前記光電変換部ごとのスイッチと、
    前記光電変換部ごとに設けられた電流計とを含む、逆バイアス処理装置。
  4. 前記逆バイアス処理装置は、前記光電変換素子に前記逆バイアスより小さな電圧を印加することで前記電流計に流れるリーク電流を計測することにより、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定する、請求項1〜3のいずれかに記載の逆バイアス処理装置。
  5. 光電変換ストリングがN列(Nは自然数)並列配置された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理装置であって、電源を備え、
    前記光電変換ストリングの各々は、M段(Mは自然数)の光電変換部を含み、
    前記光電変換部の列方向ごとに、前記電源と前記光電変換部のストリングとの接続を切り換える切換スイッチを含み、
    前記M段の光電変換部は、
    前記光電変換部の段方向の隣接間に(M−1)個の光電変換素子と、
    前記光電変換素子に対する前記電源からの逆バイアス印加を切り換える前記光電変換部ごとのスイッチと、
    前記光電変換部ごとの誘導コイルと、
    前記光電変換ストリングごとの誘導起電力計とを含む、逆バイアス処理装置。
  6. 前記誘導コイルは、段方向の隣接間においてコイルの巻き方が互いに逆向きに直列接続され、該直列接続の両端に前記誘導起電力計が接続されている、請求項5に記載の逆バイアス処理装置。
  7. 前記誘導起電力計は、前記光電変換素子に逆バイアス電圧を印加して流れるリーク電流によって前記誘導コイルに生じる誘導起電力を計測する、請求項5に記載の逆バイアス処理装置。
  8. 前記誘導起電力計は、前記誘導コイルに誘起される電流を測定し、逆バイアス処理後にリークしている前記光電変換素子を特定する、請求項7に記載の逆バイアス処理装置。
  9. 前記逆バイアス処理装置は、前記誘導起電力計において計測されるリーク電流および誘導起電力により、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定する、請求項7に記載の逆バイアス処理装置。
  10. 前記誘導コイルおよび前記誘導起電力計は、磁気検出素子を使用した磁気測定系に置き換えることが可能である、請求項7に記載の逆バイアス処理装置。
  11. 前記光電変換部は、
    前記光電変換素子の電極に電気的または機械的に接触するプローブと、
    前記プローブの接触を制御する制御機構とをさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の逆バイアス処理装置。
  12. 光電変換素子がM段N列(M、Nは自然数)に配列された太陽光発電モジュールの逆バイアス処理方法であって、
    1つの段に位置する前記光電変換素子のスイッチをすべて閉じて逆バイアス処理を行なうステップと、
    前記逆バイアス処理の電圧より小さな印加電圧でリーク電流を測定し、逆バイアス処理後のリーク抵抗を測定するステップと、
    リークがある前記光電変換素子のスイッチを1つずつ閉じて、個別に逆バイアス処理を行なうステップとを備える、逆バイアス処理方法。
  13. 前記個別に逆バイアス処理を行なうステップは、
    逆バイアス処理後に前記光電変換素子に対する電圧印加を継続し、逆バイアス処理後にリークしている光電変換素子を特定するステップと、
    前記リーク抵抗から修復不能な前記光電変換素子を判定するステップと、
    前記修復不能な前記光電変換素子を除いて、修復可能な光電変換素子に個別に逆バイアス処理電流が流れるようにスイッチを開閉するステップとを含む、請求項12に記載の逆バイアス処理方法。
  14. 前記逆バイアス処理の電圧は、前記光電変換素子の耐圧を超えない電圧範囲で、時間的に単調増加または単調減少する電圧波形を有する、請求項12または13に記載の逆バイアス処理方法。
  15. 前記逆バイアス処理後の電圧は、前記逆バイアス処理の電圧より低い電圧範囲で、時間的に単調増加または単調減少する電圧波形を有する、請求項12または13に記載の逆バイアス処理方法。
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