JP5161687B2 - 屋上断熱防水構造 - Google Patents
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Description
また、熱アスファルトや溶剤系接着剤を用いて断熱材を全面接着すると、下地に含まれる水分や屋内から下地を通して浸入する水分、あるいはアスファルトや溶剤が日射によって加熱され、気化膨張するため断熱材やその上の防水層を持ち上げる、いわゆるふくれ現象が発生し、夜間の気温低下と日射によって膨張と収縮が繰り返されると、接着力の低下や水分によるカビの発生、水分による断熱性能の低下を招いてしまう。
このため、断熱材の接着を下地に部分的に接着する部分接着を行うことで、中空層を形成し、この中空層に外気に開放される脱気筒などを設けて水分などの気化膨張による圧力を開放するようにし、ふくれを防止することが行われている(特許文献2参照)。
また、水性の接着剤では、余剰水を中空層に設けた脱気筒を介して外部に放出するようにしても通常、脱気筒を25〜100m2毎に1個設置することが多く、中空層を流れる空気の経路の圧力損失が大きく、中空層内の余剰水がほとんど動かない状態になって長期間滞留することになり、断熱性能の低下や接着剤の接着面のカビ発生による接着力の低下を引き起こすという問題がある。
さらに、中空層の圧力損失を小さくするため部分接着する接着剤の間隔を大きくすると、断熱層やその上の防水層にたわみが発生し易くなるという問題もある。
これにより、水性接着剤を使用しても余剰水などの水分による接着強度の低下や断熱性能の低下を招くことがなく、中空層内を所定の湿度に保ってカビなどの発生を防止することができる。
図1および図2はこの発明の屋上断熱防水構造の一実施の形態にかかり、図1は改修完了状態の一部分の横断面図、図2はその中空層部分の平面図である。
したがって、中空層14内の湿気と吸放湿材15とは、中空層14内の雰囲気、すなわち湿度の高低によって吸放湿材15が湿気を吸ったり、放出したりする平衡状態にあり、吸放湿材15によって吸収された湿気は、中空層14内と吸放湿材15の間を常に行ったり来たりする。
これと同時に、脱気筒16の近辺の中空層14内にある吸放湿材15からは、脱気筒16の外側の風によって生じる負圧力で、吸収されていた湿気が奪われて脱気筒16を介して外気に放出され、脱気筒16の近辺の中空層14部分が低湿度になる。すると、湿気を放出して低湿度になった脱気筒16近辺の中空層14部分には、脱気筒16より遠い高湿度状態の中空層14部分から湿気が濃度拡散によって運ばれ、再び高湿度となり、脱気筒16近辺の吸放湿材15は再び湿気を吸収する。
このような脱気筒16を介して中空層14内の吸放湿材15の湿気を外気に放出するサイクルを繰り返すことで、中空層14内は、外気の相対湿度と同一となる平衡状態まで乾燥状態にすることができる。
すなわち、吸放湿材15を、点在する水性接着剤12の間に、例えば交互に配置することで、水性接着剤12だけを点在させて断熱層13を支持する場合に比べ、支点間距離(支持間隔)を短くすることができ、断熱層13の曲げ剛性を大幅に高めている。
これにより、屋上断熱防水構造10として断熱層13の上に、例えば防水層や仕上げ層を施工して完成した状態で、風圧が作用したり、人が乗った際の曲げたわみを極力抑えることができるとともに、たわみが大きくなって座屈破壊を起こすことを完全に防止することができる。
この袋体21としては、湿気を透過するシートのほか、物理的に湿気を透過するものが使用でき、例えば不織布や網目状のシートなどの隙間・空間を有するものを挙げることができる。
これにより、これまでの熱アスファルトや有機溶剤系接着剤を用いる場合の煙や臭い等の影響を回避することができ、しかも水性接着剤の余剰水の影響を無くして乾燥状態にできるので、断熱材の吸湿による断熱性能の低下やカビの発生を防止することができる。
また、特殊な材料を使用せずに屋上断熱防水構造を構成することができ、これまでの施工方法と同様な工程で施工することができる。
(実施例)
屋上断熱防水構造の下地として劣化部分を除去して残した押出しスチレンの厚さ35mmの断熱材を用意し、表面を洗浄乾燥した。
この断熱材の下地上にシーラーとして日本化成製ハイフレックスHF1000を水で5倍に希釈したものをローラーで全面に塗布し、乾燥した。
水性接着剤として日本化成製NSポリマーミックス#30を25kgと、日本化成製ハイフレックスHF1000を水で5倍に希釈した希釈液を6.5リットルとの比率で混練した樹脂モルタルを用意し、塗布量を3.5kg/m2で高さ20mmの団子状に鏝で1000mmのピッチで格子状に配置した。
吸放湿材として日本化工機材製シリカゲルB形1種品を用意し、団子状に配置した水性接着剤の間に充填量を0.56kg/m2として1000mmのピッチで格子状に設置した。
これら水性接着剤及び吸放湿材の上に断熱層として硬質プレタンフォームの厚さ30mmのアキレス製GFボードを用意し、水性接着剤を押しつぶすようにして下地の不陸を調整しながら吸放湿材が上下面に接触するように施工するとともに、脱気筒として東亜工業製の脱気筒を100m2ごとに1個の割合で設置した。このときの中空層の平均厚さは5mmとなった。
この断熱層の上には、2次防水層として田島ルーフィング製強力バンクルーフ(粘着形改質アスファルトシート)及び仕上げ材として同社製仕上げ塗料SPカラーライトグレーを施工し、屋上断熱防水構造を完成した。
また、接着力をオックスジャッキ製建研式引っ張り試験機で測定したところ、全てが下地の押出しスチレン部分から破壊し、その平均強度は1.9kg/cm2であった。
この後、中空層を解体して水性接着剤の状態を観察したが、カビなどの発生は全く見られなかった。
以上のように、この実施例から水性接着剤を使用しても余剰水による接着強度やカビ発生などの影響は全くなく、何ら支障なく熱アスファルトや有機溶剤系接着剤に代えて使用できることが確認できた。
比較例として、吸放湿材としてシリカゲルを設置しないこと以外は、上記実施例と同一のものを施工して屋上断熱防水構造を完成した。
施工後、中空層内の湿度を測定したところ、図6および表1に示すように、初期の湿度99%がゆっくり低下し、湿度が61%になるまでに115日を要した。
また、接着力をオックスジャッキ製建研式引っ張り試験機で測定したところ、55%が下地の押出しスチレン部分から破壊し、45%が水性接着剤と硬質ウレタンフォームのGFボードとの界面からの破壊であり、これらの平均強度は0.7kg/cm2であった。
この後、中空層を解体して水性接着剤の状態を観察したところ、数箇所にカビが発生し、その大きさは直径0.7〜2.8cmであった。
2 コンクリート躯体
3 1次防水層
4 断熱材
10 屋上断熱防水構造
11 下地
12 水性接着剤
13 断熱層(新らたな断熱ボード)
14 中空層
15 吸放湿材
16 脱気筒
17 防水層
18 仕上げ層
19 吸放湿材(脱気筒中空層部分)
21 袋体
31 吸放湿材成形体
Claims (6)
- 建築物の屋上に断熱層と防水層とを設けて断熱・防水する屋上断熱防水構造であって、
屋上の下地上に、断続的に配置した水性接着剤を介して断熱ボードを接着して断熱層を形成し、この断熱層と前記下地との間に形成した中空層に水分を吸放出する吸放湿材を当該断熱層と前記下地とに接して前記断熱ボードを支持可能に設置する一方、この吸放湿材が設置された前記中空層に連通させて外気に開放される脱気筒を設けたことを特徴とする屋上断熱防水構造。 - 前記吸放湿材を、湿分の透過性を有する袋体に収納して設置したことを特徴とする請求項1記載の屋上断熱防水構造。
- 前記脱気筒の前記中空層内の部分を、前記吸放湿材で覆うように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の屋上断熱防水構造。
- 前記下地は、断熱材、防水層、躯体のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の屋上断熱防水構造。
- 前記下地が、既設断熱材を剥離除去した当該断熱材の不陸表面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の屋上断熱防水構造。
- 前記吸放湿材は、前記中空層内部の相対湿度を50〜70%に保持可能とする充填量として充填設置してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屋上断熱防水構造。
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