JP5161607B2 - 表示板 - Google Patents
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Description
また、嵌入した植え物の固定足と表示板の植え物取付穴との嵌合した係合部は、植え物取付穴の内周面の面粗さと固定足の外周面の面粗さなどにより数μmの極めて微小な微小隙間が発生する。また、表示板の表示面と植え物の鍔の裏面との圧接面の係合部も同様に微小隙間が発生する。
そして、表示板の裏面側にある固定足の外周角面取り周辺部に接着剤を塗布すると、毛細管現象の作用でこの係合部の微小隙間に接着剤が浸透して流れて行き、最後に植え物の鍔の縁の方に到達する。接着剤の量が少ないと係合部の微小隙間の隅々まで行き届かず、また、接着剤の量が多いと植え物の鍔の縁から外に、即ち、表示板の表示面上に流れ出してしまう。
本発明においては、植え物取付穴の内周面と固定足の外周面との間に形成される第1の微小隙間と、該第1の微小隙間に繋がって表示面と鍔の裏面との間に形成される第2の微小隙間と、該第2の微小隙間に接続して鍔の縁にて第2の微小隙間に対して幅が広がる隙間層を設けて、接着剤が鍔の縁から表示面への流出を防止する。
楔状隙間層においては、微小隙間の係合部を浸透して流れてきた接着剤は楔状隙間層に流れ、毛細管現象によって隙間幅の大きい方へと進んでいく。そして、ある隙間幅に至ったときに表面張力が起き、そこで接着剤は表面張力の作用を受けて、表面が丸味を帯びて流れは止まる。
また、凹部隙間層もある隙間幅をなしたときに接着剤に表面張力が起き、接着剤の表面が丸味を帯びで接着剤の流れがそこで止まる。
そこで、楔状隙間層を植え物取付穴から遠ざかるに従って隙間幅が大きくなるようにし、鍔の縁の部位で表面張力が起きる隙間幅にすると鍔の縁の部位で接着剤の流れが止まる。
また、凹部隙間層を植え物の鍔の縁に近い部位に設けることによって鍔の縁の部位で接着剤の流れが止まる。
コーナ部隙間層は接着剤の溜まり場としての働きをなす。溜まり場を設けることで溜まり場に残り余った接着剤を溜め、鍔の縁にまで流れる接着剤を少なくし、縁から接着剤が流れ出すのを防止する。従って、コーナ部隙間層は流出防止手段としての役割を果たしている。
前記植え物の前記鍔の裏面又は前記表示板の前記植え物取付穴周辺の表示面の少なくともいずれか一方の面に一周に渡る傾斜面を有する部品を形成する工程と、
前記表示板の植え物取付穴に前記植え物の固定足を嵌入する工程と、
前記固定足を嵌入した前記表示板の裏面側で前記固定足の前記外周角面取り周辺部に接着剤を塗布する工程と、
前記塗布した接着剤を前記表示板と前記植え物の係合部に浸透させて硬化させる工程と、
を有することを特徴とする。
また、表示板をプラスチック材で形成する場合は射出成形加工で容易に形成することができる。いずれも金型にテーパを付与することで製作できるので製作コストを安くすることができる。
この傾斜面を形成することで、次の嵌入工程を経ることによって前述した楔状隙間層が形成される。
表示板の植え物取付穴と植え物の固定足を嵌入によって固定した場合でも、植え物取付穴の内周面の面粗さ、固定足の外周面の面粗さによって嵌合した係合面は数μmの非常に微小な隙間が不規則的に現れる。つまり、微小隙間が現れる。また、表示板の表示面と鍔の下面との圧接した係合面面にも同様に微小隙間が現れる。従って、表示板と植え物との係合部はこれらの微小隙間と傾斜面を設けたことによる楔状隙間層が形成されることになる。
次に、接着剤の塗布はスクリーン印刷などの印刷方法で表示面の裏面側に塗布する。表示板の裏面側で植え物取付穴に角面取りを設けてあると、植え物取付穴と固定足の両方の角面取りが対向して向き合うことになり係合部を挟んで谷状の凹部が形成される。そして、この凹部回りに接着剤を印刷などの方法で塗布するので、接着剤の落ち着きは良くなり、角面取り部分に接着剤が多く溜まるようになる。
従って、接着剤が塗布部分から流れ出す危険性はなくなると共に、係合部を挟んで凹部に塗布した接着剤は係合部の微小隙間に毛細管現象によって浸透し易くなり、その浸透性も良くなる。
そして、楔状隙間層の一番大きい隙間幅を表面張力が起きる隙間幅にすることにより、楔状隙間層の中で表面張力が起きて接着剤の表面が丸味を帯びて流れが止まる。つまり、
植え物の鍔の縁の近傍で表面張力が起きるように楔状隙間層の隙間幅を設定すると、接着剤は表面張力を起こして植え物の鍔の縁で止まるようになる。
従って、鍔の縁から外に接着剤が流出することが防止できると共に、接着剤が微小隙間の隅々に浸透するようになる。また、楔状隙間層に充填されるので接着強度を高める効果を得る。
また、加熱は低温で行うため、表示板や植え物に生じる歪みなども小さく、表示板の反りなどの変形が生じない。
前記植え物の鍔の裏面又は前記表示板の前記植え物取付穴周辺の表示面の少なくともいずれか一方の面に一周に渡る凹部からなる溝を有する部品を形成する工程と、
前記表示板の植え物取付穴に前記植え物の固定足を嵌入する工程と、
前記固定足を圧入した前記表示板の裏面側で前記固定足の前記外周角面取り周辺部に接着剤を塗布する工程と、
前記塗布した接着剤を前記表示板と前記植え物の係合部に浸透させて硬化させる工程と、
を有することを特徴とする。
この凹部を形成することで、次の嵌入工程を経ることによって前述した凹部隙間層が形成される。
なお、嵌入工程、接着剤の塗布工程、接着剤の浸透と硬化工程は前述に記載の工程と同じであるのでその説明は省略する。
前記植え物部品と、前記植え物取付穴の表示面側に角面取りを有する表示板部品を形成する工程と、
前記表示板の植え物取付穴に前記植え物の固定足を嵌入する工程と、
前記固定足を圧入した前記表示板の裏面側で前記固定足の前記外周角面取り周辺部に接着剤を塗布する工程と、
前記塗布した接着剤を前記表示板と前記植え物の係合部に浸透させて硬化させる工程と、
を有することを特徴とする。
また、植え物取付穴に角面取りを有すると次の嵌入工程での圧入作業もやり易い。
植え物取付穴に角面取りを有する表示板部品を用いることで、嵌入工程後にコーナ部隙間層が形成される。このコーナ部隙間層の作用・効果は前述の固定構造の所で説明したのでここでの説明は省略する。
なお、次の嵌入工程、接着剤の塗布工程、接着剤の浸透と硬化工程は前述に記載の工程と同じであるのでその説明は省略する。
最初に、本発明の第1実施形態に係る表示板、及び表示板の窓枠との固定構造を図1〜図4を用いて説明する。なお、図1は本発明の第1実施形態に係る表示板の平面図を示している。図2は図1におけるB−B拡大断面図、図3は図2における表示板と植え物の嵌入後の拡大断面図を示している。また、図4は図2における構造の製造方法を説明する工程図を示している。
また、表示板に取付ける植え物は窓枠を用いている。この窓枠は穴を有して、穴から下方に配設する曜日板の曜日表示が視認できるようになっている。以降、植え物を窓枠、植え物取付穴を窓枠取付穴と表現して説明することにする。
また、図2に示すように、表示板31の上面側(視認側)は表示面31aをなしており、裏面31e側では窓枠取付穴31cの内周面31bには角面取り31gを施している。
また、窓枠32は鍔32aと固定足32bを有している。また、鍔32aの裏面32dは一周に渡って傾斜面を設けてあり、固定足32bの外周面32eには角面取り32gを施してある。
この窓枠32は金型を用いてコイニング加工とプレス加工などによってブランクを形成し、その後、ダイヤカットなどで上面32fの表面仕上げを行い、最後にメッキなどの表面処理を行って完成する。
なお、ここでの嵌入とは圧入による嵌合状態を表している。また、嵌合代は表示板31に反りなどの変形が生じない嵌合代を設定している。
なお、微小隙間を有している部分を、以降、係合部と称して説明する。
楔状隙間層34は微小隙間33と接続し、窓枠取付穴31cから遠ざかるに従って隙間幅が大きくなり、鍔32aの縁32hに至って隙間幅wは最大になる。また、この楔状隙間層34は鍔32aの裏面32d側において一周に渡って設けられる。
しかし、隙間幅が大きくなって表面張力が起きると接着剤は表面丸味を帯びて接着剤の流れは止まる。
この最大の隙間幅wの部位で表面張力が生じて接着剤35の流れが止まれば、接着剤35は鍔32aの縁32hから外に流出することは起きず、接着剤35の流出を防止することができる。つまり、図2の矢印Aで示したように、鍔32aの縁32hの部位で接着剤が止まる。
本実施形態においては、この最大の隙間幅wを20〜50μmに規制する。これは、隙間が20μm以上になると表面張力が働いて接着剤の流れが止まり、20μmより小さいと表面張力が働かずに毛細管現象によって縁32hの外に接着剤が流出することによる。また、50μmより大きくなってくると目で隙間が視認できるようになり外観的品質が悪化する。
また、楔状隙間層34で接着剤35の流れが止まることによって微小隙間33の隅々まで接着剤35が更に浸透する効果も現れる。
以上述べたように、楔状隙間層34は接着剤の流出防止手段としての役割を果たしている。本発明においては、楔状隙間層34は表示面31a側に設けた隙間層であるので第1の流出防止手段の楔状隙間層と呼ぶ。
従って、上記の固定構造を有する表示板においては、外観品質面では窓枠のない領域の表示面上に接着剤の付着がなくなり、また、機能品質面では表示板の変形が発生せず、衝撃に対しても窓枠が表示板から容易に外れることのない強い固定構造が得られる。
最初に、表示板31の部品、窓枠32の部品を形成する。本実施形態においては、表示板31はプラスチック材から形成しているので金型を用いて所要の形状に射出成形方法で形成する。ここでの所要の形状とは、図1、図2に示す形状で、中心部の穴31dと窓枠取付穴31cを有し、窓枠取付穴31cに角面取り31gを設けた形状である。また、場合によっては表示面31aなどに印刷などの表面装飾を施したものである。
窓枠32の部品形成は黄銅板を用い、図2に示す形状で鍔32a、鍔32aの裏面32dの傾斜面、固定足32b、穴32cなどをコイニング加工、プレス加工などでブランクを形成し、その後に、ダイヤカット加工で上面32fの仕上げ加工を行い、メッキなどの表面処理を施して完成にする。
鍔32aの裏面32dに形成する傾斜面は固定足32bから遠ざかるに従って鍔32aの厚みが小さくなる傾斜面に形成する。
なお、嵌入によって表示板が反りなどの変形が起きないように、予め変形が起きない好適な嵌合代を設定し、その嵌合代を読み込んで部品寸法を決める。
この嵌入によって表示板31と窓枠32の一次固定が行われる。そして、この時点で前述した微小隙間33及び楔状隙間層34が形成される。
微小隙間33を挟んで両方に角面取りされた谷状の凹部回りに接着剤35を塗布することで接着剤35の塗布面の落ち着きが良くなり、周辺部に流れ出す危険が少なくなる。また、微小隙間33への接着剤35の浸透性も向上する。
なお、接着剤35の塗布方法はスクリーン印刷法に限るものではなく、例えば、ポッティング方法などであっても構わない。
この加熱処理を施すことで、接着剤の粘性が一次的に低下してより流動性が良くなり、毛細管現象で微小隙間33の隅々まで早く浸透して行く。また、楔状隙間層34に接着剤35が流れ込んでいき、楔状隙間層34にも接着剤35が溜まる。楔状隙間層34の最大隙間幅を接着剤に表面張力が起きて流れが止まる隙間幅に設定しているので、接着剤35に表面張力が起きる隙間の部位に至ると表面張力を起こして接着剤35の流れは止まる。つまり、楔状隙間層34の鍔32aの縁34h近傍の部位が表面張力を起こす隙間幅になっているので、鍔32aの縁34hの近傍で接着剤35の流れが止まり、接着剤35が微小隙間33と楔状隙間層34の中に充填して硬化する。
また、加熱温度が低いことにより、表示板31と窓枠32に発生する歪みも小さく、表示板に反りなどの変形が発生しない。
表示板31と窓枠32の部品形状がシンプルな形状であり、その形成装置も従来の装置で形成することができる。また、表示板31と窓枠32の嵌入する工程、接着剤の塗布工程、加熱工程などにおいても一般に用いられている装置で十分対応できるので設備コストも安くできる。また、量産性も有り、製作コストも安くできる。
また、接着剤35が表示板31と窓枠32との係合部の隅々まで行き届いて強い接着強度が得られると共に、接着剤35が窓枠32の鍔32aの外へ流出するのが防止できる。
従って、上記の製造方法で形成した表示板は、表示板の表示面上への接着剤の流出がなくなり、表示板の変形が発生せずに窓枠が表示板から容易に外れることのない強い固定強度が得られる。また、製作コスト面では金型によって全て形状が決められるので追加加工は必要とせず、むしろ、歩留まり向上によるコストダウン効果ももたらされる。
その場合には、嵌入の嵌合代を組合せの材料に合わせて適切な嵌合代を設定するようにすれば、表示板の反りなどの変形は防止するこができる。
また、第1実施形態においては、表示板31の下面31eで窓枠取付穴31cに角面取り31gを施したが、塗布した接着剤の落ち着きに多少の不安定さは現れるが角面取りの無い形状でも適用できるものである。
また、この傾斜面41fによって形成された楔状隙間層44の一番大きいところの隙間幅は第1実施形態における隙間幅と同じ、20〜50μmの隙間にしている。従って、楔状隙間層44の隙間幅の大きい部位、即ち、窓枠42の鍔42aの縁42hの近くの部位で接着剤45が表面張力を起こして流れが止まる。
なお、図5に示した構造は表示板41の表示面41aにのみ傾斜面41fを設けた構造であるが、表示面41aと鍔42aの裏面42dの両方の面にそれぞれ傾斜面を設けて楔状隙間層を形成したものであっても何ら支障はない。
次に、本発明の第2実施形態に係る表示板の窓枠との固定構造について図6を用いて説明する。なお、図6は本発明の第2実施形態に係る表示板と窓枠の固定構造を示す要部拡大断面図を示している。
凹部隙間層54は接着剤55の流出防止手段として設けるもので、凹部隙間層54の隙間幅を接着剤55が表面張力を起こして接着剤55の流れが止まる隙間幅の大きさに形成し、この凹部隙間層54で接着剤55の流れを止めている。この凹部隙間層54は表示面51a側に設けた隙間層であるので第1の流出防止手段の凹部隙間層と呼ぶ。
第2実施形態においては、凹部隙間層54の一番大きい部位における隙間幅を20μm以上に設定している。こうすることで凹部隙間層54の中で表面張力が起きて接着剤55の流れは止まる。また、凹部隙間層54は鍔52aの縁52hの内側で縁52hの近傍の部位に設けている。このようにすると、凹部隙間層54が見えず、接着剤55が縁52hのすぐ近くまで充填されて接着強度も強くなる。また、鍔52aの縁52hから外に接着剤55が流出することが起きない。
そして、低温加熱などを施す中で毛細管現象を利用して微小隙間53、凹部隙間層54に接着剤55を浸透させて充填する。
凹部隙間層54の層内においては、表面張力が起きる隙間幅の部位で表面張力が起きて接着剤55の流れは止まる。また、凹部隙間層54で接着剤55の流れが止まることで微小隙間53の隅々まで更に接着剤55が浸透することになる。
窓枠52の回り一周で接着剤55の流出は生じない。
この凹部隙間層54は断面形状が四角形状、V字形状、U字形状など様々な形状を取ることは可能であるが、製作の容易性などを考えると四角形状、V字形状、U字形状などが好ましい。
また、凹部隙間層54は、本実施形態においては、表示板51に凹部51fを設けることで形成している。表示板51がプラスチック板の場合は射出成形方法で金型からの転写で形成でき、金属板の場合はプレス加工などで容易に形成できる。
また、この凹部隙間層54は窓枠52の鍔52aの裏面52dに凹部を設けることでも形成することができる。金属からなる窓枠52は型打型を用いたプレス加工で容易に形成できる。
また、嵌入による一次固定と接着剤による二次固定方法を取っているが、反りの発生しない嵌合代を設定して嵌入を図り、接着剤の硬化は低温加熱にて行っているので歪みの発生も小さいので、表示板の反りなどの変形も殆ど起きない。
また、製作も容易であることから製作コストも安くできる。
次に、本発明の第3実施形態に係る表示板の窓枠との固定構造について図7を用いて説明する。なお、図7は本発明の第3実施形態に係る表示板と窓枠の固定構造を示す要部拡大断面図を示している。
第3実施形態の表示板61の形状は第2実施形態の表示板の形状と比較すると、第3実施形態の表示板61は、表示面61aに凹部がなくて、窓枠取付穴61cに角面取り61hが有るところのみが異なる。
第3実施形態の窓枠62は前述の第2実施形態での窓枠の仕様と同じ仕様をなしている。
コーナ部隙間層64は接着剤65の流出防止手段として設けるもので、コーナ部隙間層64に余った接着剤を溜めることで窓枠62の鍔62aの縁62hの方に浸透して流れる接着剤の量を制限し、縁62hから接着剤65の流出を防止している。
このコーナ部隙間層64は表示面61a側に設けていることから第1の流出防止手段のコーナ部隙間層64と呼ぶ。
このことを避けるために、コーナ部隙間層64の隙間幅は接着剤65に表面張力が起きない程度の隙間幅にし、このコーナ部隙間層64の中でも毛細管現象が働いて接着剤65が圧接面の微小隙間63に浸透して行くようにする。
そして、低温加熱などを施す中で毛細管現象を利用して微小隙間63とコーナ部隙間層64に接着剤65を浸透させて充填する。
ただ、接着剤65が浸透して届く部位が縁62hから遠くの位置にあると接着剤65の付着面積が小さくなって接着強度が低下する危険が生じる。従って、この危険を避けるために、接着剤65が縁62hの近くまで届くように塗布する接着剤の量を適宜な量に設定することが必要とされる。
また、表示板61の角面取り61hの形状は金型からの転写によって形成できるので容易に製作することができる。
この楔状隙間層はコーナ部隙間層64と同じ接着剤の溜まり場としての働きをなすものであるが、層内でも毛細管現象が起きる程度に隙間の最大隙間幅を極力小さく抑えるのが好ましい。接着剤65を角面取り61g、62gの部位に塗布すると毛細管現象で楔状隙間層に入り、更に係合部に毛細管現象で接着剤が浸透して行く。この楔状隙間層は先細になっていることから接着剤が浸透し易くなると云う効果も生む。
この楔状隙間層で余分な接着剤を溜め、窓枠62の鍔62aの縁62hから流れ出す接着剤の量を抑える働きをなす。なお、この楔状隙間層は固定足62bの外周面62eを、あるいは、窓枠取付穴61の内周面61bを傾斜面にすることによって形成することができる。また、傾斜面によって形成した接着剤の溜まり場としての楔状隙間層は傾斜になった分だけ接着剤の付着面積が大きくなるので接着強度が増すと云う効果も生む。
また、接着剤の溜まり場としてコーナ部隙間層64とこの楔状隙間層の両方を設けても良く、単に第2の流出防止手段であるこの楔状隙間層だけを設けても良いものである。
次に、本発明の第4実施形態に係る表示板の窓枠との固定構造について図8を用いて説明する。なお、図8は本発明の第4実施形態に係る表示板と窓枠の固定構造を示す要部拡大断面図を示している。
また、この表示板71は、図8に示すように、窓枠取付穴71cを有し、表示面71a側で窓枠取付穴71cの内周面71bに角面取り71hを一周に渡って形成している。この角面取り71hはブランク形成時にプレス加工で形成している。
窓枠取付穴71cに設ける角面取り71hは、この角部に隙間層を形成する目的と窓枠72の固定足72bの圧入作業を容易にするために設けるもので、コーナ部隙間層74Bは接着剤75をこの隙間層に溜める役割をなす。
また、鍔72aの裏面72dに設ける傾斜面はこの場に楔状隙間層74Aを形成するために設けるもので、楔状隙間層74Aは接着剤75が鍔72aの縁72hから外へ流出するのを防止する役割を果たす。
また、この楔状隙間層74Aは接着剤75の流れを止める働きをなすと共に、接着剤75の溜まる量も多くなるので接着剤75の溜まり場としての働きもなしている。
次に、本発明の第5実施形態に係る表示板の窓枠との固定構造について図9、図10を用いて説明する。なお、図9は本発明の第5実施形態に係る表示板と窓枠の固定構造を示す要部拡大断面図、図10は図9における固定構造の製造方法の主要工程を説明する模式的に示した工程図で、図10の(a)は接着剤の塗布工程における塗布後の状態図、図10の(b)は窓枠の嵌入工程における鍔が接着剤に接触した時点の状態の図、図10の(c)は図10の(b)から更に窓枠を押圧した時点の状態図、図10の(d)は窓枠の嵌入が終えた時点の状態図を示している。
断面三角形状に沈んで傾斜した傾斜面81fは、後述する窓枠82の鍔82aの縁82hに対応する表示面81aの縁82より内側の近傍部位に設けており、表示板81に窓枠82が取付けられた時には殆ど視認することができない。
また、同様に、窓枠取付穴81cの内周面81bと固定足82bの外周面82eとの間に微小隙間83と、内周面81bの傾斜面81iと固定足82bの外周面82eとの間に楔状隙間層84Bが形成される。
ここで、楔状隙間層84Aは窓枠82の鍔82aの縁82hに近い部位に形成するのが良く、また、楔状隙間層84Bは黒点で示した鍔元82jから遠ざかるに従って隙間幅が大きくなる隙間にし、出来るだけ表示板81の下面81eに近づけて形成するようにする。
なお、微小隙間83は前述の第1実施形態で説明した微小隙間と同じ仕様のものである。
また、楔状隙間層84Bも窓枠82の固定足82bの先端側や表示板81の裏面81e側に接着剤85が流れ出すことを防止するために設けるもので、接着剤85の流出防止手段としての働きをなしている。
本実施形態においては、楔状隙間層84Aは表示面81a側にあることから第1の流出防止手段の楔状隙間層84Aと呼び、楔状隙間層84Bは裏面81e側の近いところにあることから第2の流出防止手段の楔状隙間層84Bと呼んで区別することにする。
楔状隙間層84Aと楔状隙間層84Bは傾斜面によって形成しているので、隙間幅は徐々に大きくなる。そして、接着剤85が表面張力を起こす隙間幅に至ると接着剤85が表面張力を起こして流れはそこで止まる。
次に、接着剤85を塗布した表示面81a側から、表示板81の窓枠取付穴81cに窓枠82の固定足82bを圧入方法で嵌入する。
次に、図10の(c)は窓枠82を更に押し込んで接着剤85をかなり潰した状態を示している。鍔82aの裏面82dで押し潰された接着剤85は楔状隙間層84Aに流れ込んで行くと共に、窓枠取付穴81cの内周面81bと固定足82bの外周面82eとの間の微小隙間83に浸透して流れ進んでいく。
次に、図10の(d)は窓枠82を更に押し込んで窓枠82が表示面81aに当接して止まった状態を示している。図10の(c)から(d)に至ると、接着剤85は、窓枠取付穴81cの内周面81bと固定足82bの外周面82eとの係合部においては、微小隙間83に浸透して進み、更に、微小隙間83と接続した楔状隙間層84Bに流れ込んで進む。そして、表面張力が起きる隙間幅に至ったときに表面張力の作用で接着剤85の流れは止まる。
また、表示面81aと鍔82aの裏面82dとの係合部83においては、接着剤85は楔状隙間層84Aに流れ込んで行き、そして、表面張力が起きる隙間幅に至ったときに表面張力の作用で接着剤85の流れは止まる。
以上のような働きによって接着剤85は鍔82aの外に流出することはなくなり、また、固定足82bの先端面や表示板81の裏面81eに流出することもなくなる。
なお、楔状隙間層84A及び楔状隙間層84Bは目に視認されない部位にあるので、その隙間幅は接着剤85が表面張力を起こす隙間幅であれば良いので、多少隙間幅が大きくても支障はない。また、楔状隙間層84Bは窓枠取付穴81cの内周面を傾斜面にして形成したが、これは部品成形がし易いことによる。しかしながら、窓枠取付穴81cの内周面に限定するものではなく、固定足82bの外周面82e側に傾斜面を設けて楔状隙間層84Bを形成しても良い。
また、表示面81a側で、窓枠取付穴81cに角面取りを設けてコーナ部隙間層を形成し、そのコーナ部隙間層に鍔82aで押し潰された接着剤85を流し込み、コーナ部隙間層に溜まった接着剤85を窓枠取付穴81cと固定足82bとの係合部の隙間層83に浸透させる構造を取っても良い。
また、窓枠を表示板により強固に取付けるために、窓枠の固定足にカシメ(ピンカシメ、楔カシメ、研削カシメなど)を併用しても良いことは云うまでもない。
31a、41a、51a、61a、71a、81a 表示面
31b、41b、51b、61b、71b、81b 内周面
31c、41c、51c、61c、71c、81c、 窓枠取付穴
31d 穴
31e、32d、41e、42d、51e、52d、61e、62d、71e、72d、81e、82d 裏面
41f、81f、81i 傾斜面
51f 凹部
31g、51g、61g、61h、71h、32g、52g、62g、72g、82g 角面取り
32、42、52、62、72、82 窓枠
32a、42a、52a、62a、72a、82a 鍔
32b、42b、52b、62b、72b、82b 固定足
32c、42c、52c、62c、72c、82c 穴
32e、52e、62e、72e、82e 外周面
32f、52f、62f、72f、82f 上面
32h、42h、52h、62h、72h、82h 縁
33、43、53、63、73、83 微小隙間
34、44、74A、84A、84B 楔状隙間層
54 凹部隙間層
64、74B コーナ部隙間層
35、45、55、65、75、85 接着剤
Claims (6)
- 表示面と、該表示面に接する鍔と固定足を有する植え物と、前記固定足を挿入するための植え物取付穴を有する表示板であって、前記植え物取付穴の内周面と前記固定足の外周面との間に形成される第1の微小隙間と、該第1の微小隙間に繋がって前記表示面と前記鍔の裏面との間に形成される第2の微小隙間と、該第2の微小隙間に接続し、前記鍔の縁にて前記第2の微小隙間に対して幅が広がる隙間層と、前記第1の微小隙間に繋がり、前記表示面と反対側の裏面側に、前記固定足の角面取りによって形成される谷状の凹部とを有し、前記第1の微小隙間層と前記第2の微小隙間層と前記隙間層と前記凹部には接着剤が充填されていることを特徴とする表示板。
- 前記隙間層は、前記植え物取付穴から遠ざかるに従って隙間幅が大きくなる断面楔状の形状をなした楔状隙間層であることを特徴とする請求項1に記載の表示板。
- 前記隙間層は、断面凹部形状をなした凹部隙間層であることを特徴とする請求項1に記載の表示板。
- 前記楔状隙間層は、前記植え物の鍔の裏面又は前記表示板の表示面の少なくともいずれか一方の面を傾斜面にすることによって形成することを特徴とする請求項2に記載の表示板。
- 前記楔状隙間層の隙間は、隙間が一番大きい部位で隙間幅が20〜50μmであることを特徴とする請求項2又は4に記載の表示板。
- 前記凹部隙間層は、前記植え物の前記鍔の裏面又は前記表示板の表示面の少なくともいずれか一方の面に凹部を設けることによって形成することを特徴とする請求項3に記載の表示板。
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