JP5161507B2 - 微生物株及び目的物質の製造方法 - Google Patents

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本発明は、物質の分泌生産性が向上した微生物株及び当該微生物株を用いた目的物質の製造方法に関する。
枯草菌は、グラム陽性菌のモデルとして広く分子生物学の研究に供されているのみならず、アミラーゼやプロテアーゼといった各種酵素の生産菌として発酵工業及び医薬品工業等に広く利用されている。日欧共同ゲノムプロジェクトにより、枯草菌ゲノムの全塩基配列が既に決定されているが、枯草菌ゲノムに存在する約4100種類の遺伝子に関する機能同定は完了していない。
現在まで、枯草菌ゲノムに存在する約4100種類の遺伝子の破壊株が網羅的に研究され、271個の遺伝子が成育に必須であることが指摘されている(非特許文献1)。
また、枯草菌等の胞子形成初期に関わる遺伝子やプロテアーゼ遺伝子、又は細胞壁或いは細胞膜中のテイコ酸へのD-アラニン付加に関わる遺伝子、更にはサーファクチンの生合成或いは分泌に関わる遺伝子を単独に欠失又は不活性化した菌株が構築されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)。しかしながら、それらの菌株によるタンパク質の生産性の向上は十分ではなく、また、現在まで、微生物における各種タンパク質の生産性を向上させるような要素技術に関する有用な知見は得られていない。
K. Kobayashi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 100, 4678-4683, 2003 特開昭58-190390号公報 特開昭61-1381号公報 国際公開第89/04866号パンフレット 特表平11-509096号公報 特許第3210315 特表2001-527401 特表2002−520017 特表2001−503641
そこで、本発明は、上述したような実情に鑑み、物質生産の宿主となるような微生物において分泌生産性を向上させた微生物株及び当該微生物株を使用した目的物質の製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、枯草菌におけるヌクレアーゼ関連遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子を欠失するか、又は不活性化した場合に分泌生産性が向上することを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る微生物株は、枯草菌が有するヌクレアーゼ関連遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子のうち少なくとも1以上が欠失又は不活性化されたものである。特に、上記ヌクレアーゼ関連遺伝子としては、内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子であることが好ましい。内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子としては、addA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子及びnucB遺伝子を挙げることができる。
本発明に係る微生物株は、特にバチルス属(Bacillus)細菌由来の組換え体であることが好ましい。上記バチルス属(Bacillus)細菌は枯草菌(Bacillus subtilis)であることがより好ましい。
さらに、本発明に係る微生物株は、目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を有するか、又は当該遺伝子を有するベクターを有することが好ましい。特に上記遺伝子の上流には、転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌用シグナル領域からなる群から選ばれる少なくとも1以上の領域が結合されていることがより好ましい。上記分泌用シグナル領域としてはバチルス(Bacillus)属細菌のセルラーゼ遺伝子由来の領域を挙げることができ、上記転写開始制御領域及び上記翻訳開始制御領域は当該セルラーゼ遺伝子の上流領域を挙げることができる。なお、上記転写開始制御領域、上記翻訳開始制御領域及び上記分泌シグナル領域からなる領域は、以下の(a)、(b)、(c)又は(d)のポリヌクレオチドであることを特徴とする請求項6記載の微生物株。
(a)配列番号1で示される塩基配列における塩基番号1〜659の塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)配列番号3で示される塩基配列における塩基番号1〜696の塩基配列からなるポリヌクレオチド
(c)上記(a)又は(b)のポリヌクレオチドと70%以上の同一性を有するポリヌクレオチド
(d)上記(a)又は(b)のポリヌクレオチドにおいて、1又は数個の塩基が欠失、置換、負荷又は挿入されたポリヌクレオチド
特に、本発明に係る微生物株は分泌生産性が向上したものとなるが、分泌生産性とは、細胞あたりの生産量又は分泌生産総量を含む意味である。
一方、本発明に係る目的物質の製造方法は、本発明に係る微生物株を培養し、菌体外に目的物質を生産するものである。上記目的物質としてはタンパク質又はポリペプチドを挙げることができる。
本発明に係る微生物株は、分泌生産性が通常の野生株と比較して大幅に向上したものとなる。したがって、本発明に係る微生物株によれば、目的とする物質の生産性を大幅に向上させた生産系を構築することができる。また、本発明に係る目的物質の製造方法は、通常の野生株と使用した場合と比較して、分泌生産性を大幅に向上させることができる。したがって、本発明に係る目的物質の製造方法によれば、目的物質の生産系における大幅コスト削減が可能となる。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る微生物株は、野生型と比較して枯草菌が有するヌクレアーゼ関連遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子(以下、これらを纏めてヌクレアーゼ関連遺伝子と称する)のうち少なくとも1以上が欠失又は不活性化しているといった技術的特徴を有している。ここで、本発明に係る微生物株は、遺伝子組み換え法によって野生型の微生物からヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化させた組換え株と、遺伝子組み換え法によらず上記ヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化している自然発生的な変異体とを含む意味である。
上記組換え株の野生株としては、特に限定されないが、バチルス(Bacillus)属細菌や、クロストリジウム(Clostridium)属細菌及び酵母等が挙げられる。中でもバチルス(Bacillus )属細菌が好ましい。バチルス属(Bacillus)細菌としては、例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス アントラシス(Bacillus anthracis)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)、バチルス チューリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス クラウジイ(Bacillus clausii)、バチルス ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス ブレビス(Bacillus brevis)等を挙げることができる。また、クロストリジウム(Clostridium)属細菌としては、Clostridium acetobutylicumClostridium perfringensClostridium tetaniClostridium novyiClostridium thermocellumClostridium difficile、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、クロストリジウム・パラプトリフィカム(Clostridium paraputrificum)、クロストリジウム・ヒドロキシベンゾイカム(Clostridium hydroxybenzoicum)、等を挙げることができる。さらに、酵母としては、サッカロミセスセレビシエ、シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア パストリス(Pichia pastoris)、クルイベロミセスラクティス(Kluyveromyces lactis)等を挙げることができる。
中でも、本発明に係る微生物株は、枯草菌(Bacillus subtilis)を野生株として1以上のヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化させた組換え枯草菌若しくは枯草菌(Bacillus subtilis)を野生株として1以上のヌクレアーゼ関連遺伝子が欠失又は不活性化した枯草菌変異体であることが好ましい。特に、本発明に係る微生物株は、枯草菌168株由来であることがこのましい。また、本発明に係る微生物株は、枯草菌168株を野生株として特定の領域や1以上の遺伝子を削除したゲノム構成を有する変異株を由来としてもよい。枯草菌168株に由来する変異株としては、prophage6 (yoaV-yobO)領域、prophage1 (ybbU-ybdE)領域、prophage4 (yjcM-yjdJ)領域、PBSX (ykdA-xlyA)領域、prophage5 (ynxB-dut)領域、prophage3 (ydiM-ydjC)領域、spb (yodU-ypqP)領域、pks (pksA-ymaC)領域、skin (spoIVCB-spoIIIC)領域、pps (ppsE-ppsA)領域、prophage2 (ydcL-ydeJ)領域、ydcL-ydeK-ydhU領域、yisB-yitD領域、yunA-yurT領域、cgeE-ypmQ領域、yeeK-yesX領域、pdp-rocR領域、ycxB-sipU領域、SKIN-Pro7 (spoIVCB-yraK)領域、sbo-ywhH領域、yybP-yyaJ領域及びyncM-fosB領域を削除した変異株(枯草菌MGB874株と称する)を使用することもできる。なお、これら領域は、表1に示す一対のオリゴヌクレオチド・セットにより挟み込まれる領域として言い換えることができる。
Figure 0005161507
本発明においてヌクレアーゼ関連遺伝子とは、ヌクレアーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、及び当該タンパク質のサブユニットをコードする遺伝子を含む意味である。ここで、ヌクレアーゼ活性とは、デオキシリボヌクレアーゼ活性及びリボヌクレアーゼ活性のいずれであっても良く、エンド型及びエキソ型のいずれであっても良い。また、ヌクレアーゼ活性とは、一本鎖ポリヌクレオチド及び二本鎖ポリヌクレオチドのいずれに対するヌクレアーゼ活性であっても良い。また、ヌクレアーゼ活性とは、ATP依存性及びATP非依存性のいずれであっても良い。さらに、ヌクレアーゼ活性とは、細胞内及び細胞外のいずれにおける活性であってもよい。
特に、ヌクレアーゼ関連遺伝子としては、内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子であることが好ましい。内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子とは、微生物が本来有しているヌクレアーゼ関連遺伝子であってファージ由来のヌクレアーゼ関連遺伝子を除く意味である。例えば、枯草菌において内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子としては、例えば、addA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子及びnucB遺伝子を挙げることができる。なおaddA遺伝子の遺伝子番号はBG10466であり、ATP依存性デオキシリボヌクレアーゼのサブユニットAをコードすることが知られている。addB遺伝子の遺伝子番号はBG10465であり、ATP依存性デオキシリボヌクレアーゼのサブユニットBをコードすることが知られている。sbcD遺伝子の遺伝子番号はBG10467であり、エキソヌクレアーゼのsbcDホモログであることが知られている。xseA遺伝子の遺伝子番号はBG11712であり、エキソデオキシヌクレアーゼVIIの大サブユニットをコードすることが知られている。xseB遺伝子の遺伝子番号はBG11713であり、エキソデオキシヌクレアーゼVIIの小サブユニットをコードすることが知られている。nucB遺伝子の遺伝子番号はBG11237であり、胞子形成時特異的細胞外ヌクレアーゼをコードすることが知られている。
また、枯草菌が有するヌクレアーゼ関連遺伝子に相当する遺伝子とは、上述したように枯草菌において特定されているヌクレアーゼ関連遺伝子に対して高い相同性を有する遺伝子であって、枯草菌における機能と同等の機能を有する遺伝子を意味する。具体的には、前述した枯草菌におけるヌクレアーゼ関連タンパク質、好ましくは、addA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子及びnucB遺伝子のアミノ酸配列に対して70%以上、80%以上または、90%以上の相同性を有することが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、特に好ましくは97%以上、より特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上、の相同性を有する枯草菌以外の微生物由来のヌクレアーゼ関連タンパク質をコードする遺伝子を意味する。
また、本発明に係る微生物株は、上述したようなヌクレアーゼ関連遺伝子のうち1つの遺伝子を欠失又は不活性化したものであっても良いし、複数のヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化したものであってもよい。上述したヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化する方法としては、特に限定されず、従来公知の遺伝子組み換え法を適用することができる。ヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性するとは、目的とするヌクレアーゼ関連遺伝子をゲノムから削除する、目的とするヌクレアーゼ関連遺伝子内に他のDNA断片を挿入する、又は当該遺伝子の転写・翻訳開始領域に変異を与えるといった場合も含む意味である。また、本発明に係る微生物株は、目的とするヌクレアーゼ関連遺伝子を計画的に欠失又は不活性化したものであっても良いし、遺伝子の欠失又は不活性化変異をランダムに与えた結果、上述したヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化したものであっても良い。
上述したヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化するには、例えば相同組換え法を適用することもできる。すなわち、欠失する対象のヌクレアーゼ関連遺伝子の一部を含むDNA断片を適当なプラスミドベクターにクローニングして得られる環状の組換えプラスミドを親微生物細胞内に取り込ませ、当該ヌクレアーゼ関連遺伝子の一部領域に於ける相同組換えによって親微生物ゲノム上のヌクレアーゼ関連遺伝子を分断して不活性化することが可能である。
特に、本発明に係る微生物株を構築するための親微生物として枯草菌を用いる場合、相同組換えにより標的遺伝子を欠失又は不活性化する方法については、既にいくつかの報告例があり(Mol.Gen.Genet.,223,268,1990等)、こうした方法を繰り返すことによって、本発明に係る微生物株を作製することができる。
以下にヌクレアーゼ関連遺伝子の欠失方法の一例として、より具体的にSOE(splicing by overlap extension)−PCR法(Gene,77,61,1989)によって調製される欠失用DNA断片を用いた二重交差法について図1を参照して説明する。欠失用DNA断片は、欠失対象遺伝子の上流に隣接する約1.0kb断片と、同欠失対象遺伝子の下流に隣接する約1.0kb断片との間に、薬剤耐性マーカー遺伝子断片を挿入した断片である。まず、1回目のPCRによって、欠失対象遺伝子の上流断片及び下流断片、並びに薬剤耐性マーカー遺伝子断片の3断片を調製するが、この際、例えば、上流断片の下流末端に薬剤耐性マーカー遺伝子の上流側10〜30塩基対配列、一方、下流断片の上流末端には薬剤耐性マーカー遺伝子の下流側10〜30塩基対配列が付加される様にデザインしたプライマーを用いる。
次いで、1回目に調製した3種類のPCR断片を鋳型とし、上流断片の上流側プライマーと下流断片の下流側プライマーを用いて2回目のPCRを行うことによって、上流断片の下流末端及び下流断片の上流末端に付加した薬剤耐性マーカー遺伝子配列に於いて、薬剤耐性マーカー遺伝子断片とのアニールが生じ、PCR増幅の結果、上流側断片と下流側断片の間に、薬剤耐性マーカー遺伝子を挿入したDNA断片を得ることができる。
薬剤耐性マーカー遺伝子として、クロラムフェニコール耐性遺伝子を用いる場合、Pyrobest DNAポリメーラーゼ(宝酒造)などの一般のPCR用酵素キット等を用いて、成書(PCR Protocols. Current Methods and Applications, Edited by B.A.White, Humana Press pp251 ,1993、Gene,77,61,1989)等に示される通常の条件によりSOE−PCRを行うことによって、各遺伝子の欠失用DNA断片が得られる。
かくして得られた遺伝子欠失用DNA断片を、コンピテント法等によって細胞内に導入すると、同一性のある欠失対象遺伝子の上流及び下流の相同領域おいて、細胞内での遺伝子組換えが生じ、標的遺伝子が薬剤耐性遺伝子と置換した細胞、或いは標的遺伝子内に薬剤耐性遺伝子が挿入された細胞が薬剤耐性マーカーによる選択によって分離できる。すなわち、クロラムフェニコールを含む寒天培地上に生育するコロニーを分離し、ゲノムを鋳型としたPCR法などによってゲノム上の目的遺伝子がクロラムフェニコール耐性遺伝子と置換されていることを確認すれば良い。
以上のようにしてSOE−PCR法を適用することによって、上述したヌクレアーゼ関連遺伝子を枯草菌ゲノムから欠失することができる。なお、塩基置換や塩基挿入等の変異によって不活性化したヌクレアーゼ関連遺伝子、又は図1のように標的遺伝子の上流、下流領域を含むが欠失対象の遺伝子を含まない直鎖状のDNA断片等をPCR等の方法によって構築し、これを親微生物細胞内に取り込ませて親微生物ゲノムの当該遺伝子内の変異箇所の外側の2ヶ所、又は標的遺伝子上流側、下流側で2回交差の相同組換えを起こさせることにより、ゲノム上の標的遺伝子を欠失或いは不活性化した遺伝子断片と置換することも可能である。また、ランダムな遺伝子の欠失又は不活性化についてもランダムにクローニングしたDNA断片を用いて上述の方法と同様な相同組換えを起こさせる方法や、親微生物にγ線等を照射すること等によっても上述したヌクレアーゼ関連遺伝子を欠失又は不活性化することも可能である。
また、上述したヌクレアーゼ関連遺伝子の不活性化方法としては、ヌクレアーゼ関連遺伝子に対するアンチセンスRNAを発現させる方法、ヌクレアーゼ関連遺伝子のmRNAを特異的に切断するリボザイムを発現させる方法、RNA干渉を利用してヌクレアーゼ関連遺伝子の発現を抑制する方法、ヌクレアーゼ関連遺伝子にコードされるタンパク質を特異的に阻害する物質を添加する方法等を挙げることができる。
以上のように構成された本発明に係る微生物株は、タンパク質及び/又はペプチドの分泌生産性が野生型と比較して優れているといった効果を有している。ここで、分泌生産性とは、細胞あたりの生産量、又は微生物株を培養したときの分泌生産総量を意味する。すなわち、本発明に係る微生物株は、目的タンパク質や目的ペプチドの分泌生産量が細胞1個あたりで野生型と比較して優れているか、及び/又は培地への分泌生産量が野生型と比較して優れている。ここで、分泌生産する目的のタンパク及びペプチドとしては、何ら限定されるものではない。
本発明に係る微生物株を用いて所定のタンパク質やペプチドを分泌生産する際には、当該タンパク質をコードする遺伝子を発現可能なように微生物株に導入する。目的タンパク質としては、本来的にシグナル配列を有する分泌型タンパク質であってもよいし、人為的にシグナル配列を付加して分泌型としたタンパク質であってもよい。また、当該タンパク質をコードする領域の上流に当該遺伝子の転写、翻訳、分泌に関わる制御領域、即ち、プロモーター及び転写開始点を含む転写開始制御領域、リボソーム結合部位及び開始コドンを含む翻訳開始領域並びに分泌シグナルペプチド領域から選ばれる1以上の領域が適正な形で結合されていることが望ましい。特に、転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌シグナル領域からなる3領域が結合されていることが好ましく、更に分泌シグナルペプチド領域がバチルス(Bacillus)属細菌のセルラーゼ遺伝子由来のものであり、転写開始領域及び翻訳開始領域が当該セルラーゼ遺伝子の上流0.6〜1kb領域であるものが、目的のタンパク質又はポリペプチド遺伝子と適正な形で結合されていることが望ましい。例えば、特開2000-210081号公報や特開平4-190793号公報等に記載されているバチルス(Bacillus)属細菌、すなわちKSM-S237株(FERM BP-7875)、KSM-64株(FERM BP-2886)由来のセルラーゼ遺伝子の転写開始制御領域、翻訳開始領域及び分泌シグナルペプチド領域が目的のタンパク質又はポリペプチドの構造遺伝子と適正に結合されていることが望ましい。配列番号1にKSM-S237株由来のセルラーゼ遺伝子及びその上流領域の塩基配列を示し、配列番号2に当該セルラーゼ遺伝子によりコードされるセルラーゼのアミノ酸配列を示す。また、配列番号3にKSM-64株株由来のセルラーゼ遺伝子及びその上流領域の塩基配列を示し、配列番号4に当該セルラーゼ遺伝子によりコードされるセルラーゼのアミノ酸配列を示す。
より具体的には配列番号1で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜659の塩基配列、配列番号3で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜696の塩基配列、また当該塩基配列に対して70%以上、80%以上または、90%以上の相同性を有することが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、特に好ましくは97%以上、より特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA断片、あるいは上記いずれかの塩基配列の一部が欠失した塩基配列からなるDNA断片が、目的タンパク質又はポリペプチドの構造遺伝子と適正に結合されていることが望ましい。
尚、ここで、上記塩基配列の一部が欠失した塩基配列からなるDNA断片とは、上記塩基配列の一部を欠失しているが、遺伝子の転写、翻訳、分泌に関わる機能を保持しているDNA断片を意味する。
さらに、このように構成された目的タンパク質をコードする遺伝子は、本発明に係る微生物株のゲノム中にインテグレートされても良いし、発現ベクターの形で微生物株内に保持されていても良い。いずれの場合でも、微生物株を培養することによって、目的のタンパク質又はペプチドをコードする遺伝子が発現し、培地中に分泌されることとなる。その後、定法に従って培地中から目的タンパク質又はペプチドを分離精製することによって、当該タンパク質又はペプチドを大量に取得することができる。特に本発明に係る微生物株は、培地への分泌生産性が野生型と比較して優れるため、目的のタンパク質又ペプチドを大量に製造することができ製造コストを大幅に削減することができる。
本発明の微生物株を用いて生産される目的タンパク質又は目的ポリペプチドは、特に限定されず、例えば洗剤、食品、繊維、飼料、化学品、医療、診断など各種産業に使用される産業用酵素や生理活性ペプチドなどが挙げられるが、特に産業用酵素であることが好ましい。産業用酵素には、機能別に分類すると、酸化還元酵素(Oxidoreductase)、転移酵素(Transferase)、加水分解酵素(Hydrolase)、脱離酵素(Lyase)、異性化酵素(Isomerase)及び合成酵素(Ligase/Synthetase)等が含まれる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、枯草菌168株からaddA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子、yncB遺伝子、yorK遺伝子或いはyokF遺伝子を欠失した枯草菌株を、以下のようにして作製した。以下の手順において使用するプライマー名及びその塩基配列を表2に纏めて示した。
Figure 0005161507
先ず、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、表2に示した“遺伝子名-FW”と“遺伝子名/CmR”、及び“遺伝子名/CmF”と“遺伝子名-RV”の各プライマーセットを用いて、ゲノム上の当該遺伝子の上流に隣接する1.0kb断片(A)、及び下流に隣接する1.0kb断片(B)をそれぞれ調製した。一方、プラスミドpC194(J. Bacteriol. 150 (2), 815 (1982))のクロラムフェニコール耐性遺伝子をプラスミドpUC18のXbaI−BamHI切断点に挿入した組換えプラスミドpCBB31を鋳型とし、表2に示したCmFとCmRプライマーセットを用いて、クロラムフェニコール耐性遺伝子を含む1kb断片(C)を調製した。次に、得られた(A)(B)(C)3断片を混合して鋳型とし、表2のプライマー“遺伝子名-FW2”と“遺伝子名-RV2”を用いたSOE−PCRを行うことによって、3断片を(A)(C)(B)の順になる様に結合させ、3.0kbのDNA断片を得た(図1参照)。このDNA断片を用いてコンピテント法により枯草菌168株の形質転換を行い、クロラムフェニコールを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによって目的の遺伝子が欠失され、クロラムフェニコール耐性遺伝子に置換していることを確認した。
一方、nucB遺伝子の欠失株については、上述した手順においてクロラムフェニコール耐性遺伝子の代わりにスペクチノマイシン耐性遺伝子を用いた以外は同様にして作製した。すなわち、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、表2に示したnucB-FWとnucB/SpR、及びnucB/SpFとnucB-RVの各プライマーセットを用いて、ゲノム上のnucB遺伝子の上流に隣接する1.0kb断片(A)、及び下流に隣接する1.0kb断片(B)をそれぞれ調製した。一方、プラスミドpDG1727(Gene. 167:335-336(1995))のスペクチノマイシン耐性遺伝子を鋳型とし、表2に示したSpFとSpRプライマーセットを用いて、スペクチノマイシン耐性遺伝子を含む1.2kb断片(C)を調製した。次に、得られた(A)(B)(C)3断片を混合して鋳型とし、表のプライマーnucBFW2とnucB-RV2を用いたSOE−PCRを行うことによって、3断片を(A)(C)(B)の順になる様に結合させ、3.0kbのDNA断片を得た(図1参照)。このDNA断片を用いてコンピテント法により枯草菌168株の形質転換を行い、スペクチノマイシンを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、PCRによってnucB遺伝子が欠失され、スペクチノマイシン耐性遺伝子に置換していることを確認した。
以上、本実施例1において、枯草菌168株からaddA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子、yncB遺伝子、yorK遺伝子或いはyokF遺伝子を欠失した枯草菌株を作製することができた。
〔実施例2〕
本実施例では、枯草菌MGB874株からaddA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子或いはxseB遺伝子を欠失した枯草菌株を作製した。詳細には、実施例1と同様にして欠失目的の遺伝子を欠失させるためのDNA断片を用いてコンピテント法により枯草菌MGB874株の形質転換を行い、同様な薬剤耐性を指標として形質転換体を分離し、PCRによって欠失目的の遺伝子が欠失され薬剤耐性遺伝子に置換していることを確認した。
以上、本実施例2において、枯草菌MGB874株からaddA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子或いはxseB遺伝子を欠失した枯草菌株を作製することができた。
〔実施例3〕
実施例1にて得られた各遺伝子欠失株、及び対照として枯草菌168株に、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−S237株由来のアルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)をコードするDNA断片(3.1kb)がシャトルベクターpHY300PLKのBamHI制限酵素切断点に挿入された組換えプラスミドpHY−S237を、プロトプラスト形質転換法によってそれぞれ導入した。これによって得られた菌株を10mLのLB培地で一夜30℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃で3日間、振盪培養を行った。培養後、細胞の密度として培養液のOD600を測定し、次に、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリセルラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量、及び、細胞当たりのアルカリセルラーゼ分泌生産量を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0005161507
表3に示したように、宿主としてaddA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子或いはnucB遺伝子を欠失した枯草菌株を用いた場合には、対照の枯草菌168株(野生型)を用いた場合と比較して高いアルカリセルラーゼ分泌生産量及び高い細胞当たりアルカリセルラーゼの分泌生産量が認められた。一方、yncB遺伝子、yorK遺伝子或いはyokF遺伝子を欠失した枯草菌株を用いた場合、対照とした枯草菌168株(野生型)の場合と同等のアルカリセルラーゼ分泌生産量及び同等の細胞当たりアルカリセルラーゼの分泌生産量が認められた。
〔実施例4〕
実施例2にて得られた各遺伝子欠失株、及び対照としてMGB874株に、実施例3と同様にして組換えプラスミドpHY−S237を、プロトプラスト形質転換法によって導入した。これによって得られた菌株を実施例3と同様の方法で培養し、菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量及び細胞当たりのアルカリセルラーゼ分泌生産量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0005161507
表4に示したように、宿主としてaddA遺伝子、addB遺伝子或いはnucB遺伝子を欠失した枯草菌株を用いた場合、対照のMGB874株の場合と比較して高い細胞当たりのアルカリセルラーゼ分泌生産量が認められた。また、宿主としてsbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子或いはnucB遺伝子を欠失した枯草菌株を用いた場合、対照のMGB8
74株の場合と比較して高いアルカリセルラーゼ分泌生産量が認められた。
枯草菌のゲノム上から所定の領域を欠失させる方法の一例(SOE−PCR法)を説明するための模式図である。

Claims (3)

  1. addA遺伝子、addB遺伝子、sbcD遺伝子、xseA遺伝子、xseB遺伝子及びnucB遺伝子のうち少なくとも1以上の内在性のヌクレアーゼ関連遺伝子が欠失又は不活性化され、且つ目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を有するか、又は目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を有するベクターを有する、分泌生産性が向上した枯草菌(Bacillus subtilis)168株であって、
    上記目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の上流には、転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌用シグナル領域が結合されており、該分泌用シグナル領域はバチルス(Bacillus)属細菌のセルラーゼ遺伝子由来であり、該転写開始制御領域及び該翻訳開始制御領域は当該セルラーゼ遺伝子の上流領域由来であり、該転写開始制御領域、該翻訳開始制御領域及び該分泌シグナル領域から成る領域が、以下の(a)、(b)又は(c)のポリヌクレオチドである、前記枯草菌168株。
    (a) 配列番号1で示される塩基配列における塩基番号1〜659の塩基配列から成るポリヌクレオチド
    (b) 配列番号3で示される塩基配列における塩基番号1〜696の塩基配列から成るポリヌクレオチド
    (c) 上記(a)又は(b)のポリヌクレオチドと90%以上の同一性を有するポリヌクレオチド
  2. 上記分泌生産性は、細胞あたりの生産量又は分泌生産総量であることを特徴とする、請求項1記載の枯草菌168株
  3. 請求項1又は2記載の枯草菌168株を培養し、菌体外に上記目的のタンパク質又はポリペプチドを生産することを特徴とする、タンパク質又はポリペプチドの製造方法。
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