JP5160817B2 - 定着装置およびこれを備えた画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像処理装置に用いられる外部ベルト加熱方式の定着装置、およびこの定着装置を備えた画像処理装置に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像処理装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によりローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録紙をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。
ところで、カラー画像処理装置に備えられる定着装置においては、定着ローラ表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラ表面が、未定着トナー画像の凹凸に対応して弾性変形し、トナー画像面を覆い包むように接触するため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー画像に対して良好に加熱定着を行うことが可能となる。また、定着ニップ部での弾性層の歪み解放効果により、モノクロに比べてオフセットしやすいカラートナーに対して離型性を向上することができる。さらに、定着ニップ部のニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となることから、用紙の剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも用紙の剥離が可能となり(セルフストリッピング)、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
ところが、弾性層を具備した定着ローラでは、弾性層の熱伝導性が非常に低いので、定着ローラ内部に加熱手段を設けた場合、熱伝達効率が低下し、ウォームアップ時間が長くなったり、プロセス速度を高速化した場合に定着ローラ温度が追従しなくなったりする問題がある。
このような問題を解決するために、定着ローラ表面に外部加熱手段を当接し、定着ローラを外部から加熱する技術(外部加熱定着方式)が知られている。例えば、特許文献1および特許文献2には、外部加熱手段として無端ベルトを用いる外部ベルト加熱定着方式が提案されている。
なお、従来の外部ベルト加熱定着方式の定着装置では、無端ベルトを懸架している複数のローラ(ベルト懸架ローラ)を無端ベルトに張力を付与するためのテンションローラとするか、あるいは無端ベルトの外側にテンションローラを設けて無端ベルトにテンションを付与するようになっている(特許文献1及び特許文献3を参照)。
特開2004−198659号公報(公開日:2004年7月15日) 特開2005−189427号公報(公開日:2005年7月14日) 特開2004−239956号公報(公開日:2004年8月26日)
しかしながら、ベルト懸架ローラの一つをテンションローラとした場合、無端ベルトにテンションを付与するための機構が複雑になるという問題があった。また、ベルト懸架ローラと定着ローラとで無端ベルトを挟持している加熱ニップは、定着ローラと無端ベルトとの密着性が高いが、ベルト懸架ローラと無端ベルトを挟持していない、定着ローラと無端ベルトが接触しているだけの加熱ニップでは、熱供給が少なく、十分な熱追従性を得るには、外部加熱手段と定着ローラとの温度勾配を大きくしたり、加熱手段に十分な電力を供給する必要があるが、耐熱性や電源容量などの制約が多く、不十分なことが多い。
また、上記ベルト懸架ローラと無端ベルトを挟持していない、定着ローラと無端ベルトが接触しているだけの加熱ニップの無端ベルト内周側から、押圧を付与することもできるが、押圧を付与する押圧ローラの固定支持手段や、バネ等で構成される押圧力付与手段の配置にスペースが必要で、外部加熱手段が大型化したり、構造が複雑化してしまうといった問題があった。
さらに、加熱ニップ部での無端ベルトの密着性を上げるために、3つの懸架ローラを用いて、無端ベルトを定着ローラに巻き付けるような場合や、広い巻き付け角にする場合には、各々の懸架ローラの回転軸の軸間距離がばらつくと、無端ベルトの蛇行や、部分的あるいは全体的な密着性低下による加熱能力低下などを生じて、十分に定着ローラを加熱することができなくなる場合がある。
さらには、無端ベルトに張力を付与する懸架ローラや、密着性を向上させるための押圧ローラなど、回転軸を支持する位置が増えれば増えるほど、固定支持手段や押圧力付与手段を設けるためのスペースを多く確保する必要が生じて、外部加熱手段そのものが大型化し、熱負荷となる各懸架ローラや押圧ローラも含めた熱容量が増加し、本来の加熱能力を悪化させてしまい、また、固定支持手段や押圧力付与手段のばらつきによるトルク増加も増えてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な機構を設けることなく無端ベルトの定着ローラへの密着性を向上させて、熱供給性能に優れ、かつコンパクトな外部ベルト加熱定着方式の定着装置、およびこの定着装置を備えた画像処理装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、簡易な方法で、無端ベルトの懸架と、張力の付与を行い、低熱容量化と安定性の高い外部ベルト加熱定着方式の定着装置、およびこの定着装置を備えた画像処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、定着部材と、無端ベルトと、前記無端ベルトを懸架する複数の懸架ローラと、前記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、前記各懸架ローラは互いに平行かつ軸間距離を固定された状態で前記無端ベルトを懸架し、前記定着部材へ圧接することで加熱ニップ部を形成してなる定着装置において、前記加熱ニップ部の一部を前記無端ベルトの内周側から前記定着部材に押し付ける圧接張架部材が前記無端ベルトの内周側に設けられ、該圧接張架部材は、前記無端ベルトの内周側において、無端ベルトに対して、少なくとも前記加熱ニップ部と、それとは反対側の無端ベルトの2箇所で接触することを特徴とする。
上記構成によると、圧接張架部材により加熱ニップ部の一部を無端ベルトの内周側から定着部材に押し付けるので、加熱ニップ部における無端ベルトから定着部材への熱供給を増大させることができる。すなわち、圧接張架部材は、定着部材に圧接されて張力を付与された無端ベルトの反力を受けて、圧接張架部材の一部あるいは全部が弾性を有することで、その反力による復元力が、無端ベルトと懸架ローラと定着部材によって形成される加熱ニップ部のうち、無端ベルトと定着部材によって形成されるニップの一部に作用して、熱伝導を向上させ、無端ベルトから定着部材への熱供給を増加させて、温度追従性を向上させる。
懸架ローラに懸架された無端ベルトは、定着部材へ圧接することで、張力が作用し、定着部材へ無端ベルトを圧接する。この張力付与による圧接で加熱ニップ部を形成し、懸架ローラの回転と、これに伴う無端ベルトの回転で、無端ベルト表面の熱を定着部材に供給する。
この場合、無端ベルト、懸架ローラおよび定着部材(定着ローラ)によって形成されている加熱ニップ部のうち、熱供給は、大きく以下の2つの部分に分かれる。一つは、無端ベルトを懸架ローラと定着ローラとが挟持する部分であり、他の一つは無端ベルトが張力による圧接で定着ローラに接触する部分で行われる。後者の無端ベルトが張力による圧接で定着ローラに接触する部分では、定着部材(定着ローラ)への無端ベルトの密着性が、前者の無端ベルトを懸架ローラと定着ローラとが挟持する部分に比べて低く、無端ベルト表面から定着部材への熱伝導が相対的に低い。
本発明では、無端ベルト表面から定着部材への熱伝導量を多くするために、加熱ニップ部の定着部材への弾接力を高めるように圧接張架部材を設け、無端ベルトの張力および定着部材への圧接による圧接張架部材自身の復元力を加熱ニップ部に付与して、前記加熱ニップ部を形成する。
このように、密着性が低く、熱伝導性の低い、無端ベルトが張力による圧接で定着部材に接触する部分に、無端ベルト内周側に設けた圧接張架部材が、無端ベルトの張力を受けて、無端ベルトが張力による圧接で定着部材に接触する部分に圧接され、さらに圧接張架部材が受けた張力と圧接力による一部あるいは全部の変形の復元力で、無端ベルトと定着部材との密着性を高くして、この部分での熱伝導性を向上させる。これにより、加熱ニップ部全体での熱供給量を増やすことができ、温度追従性を向上させることができる。
また、前記無端ベルトの内周側において、懸架ローラの回転軸が存在する方向への前記圧接張架部材の移動を規制し、無端ベルトの内周と接触する方向への前記圧接張架部材の移動を可能とする支持機構を設けることができる。
上記構成によると、圧接張架部材は、無端ベルトの張力及び定着部材への圧接による圧接張架部材自身の復元力を加熱ニップ部に付与し、加熱ニップへの圧力付与は、自身の復元力(圧接張架部材は、弾性材料を含み、外力に対する復元力にて、押圧を増加させる)で行うので、他に圧接張架部材に対して、圧力付与手段を設ける必要もなく、その支持も、圧接張架部材が復元力を発生させることができればよいので、回転支持機構あるいは固定支持機構を持つ必要はない。また、圧接張架部材は、無端ベルトの内周に接触して断面方向について従動回転あるいは移動できればよく、特別な支持機構は不要である。このように、圧接張架部材は、そのフリーな動きが本発明の根幹をなすものである。
また、圧接張架部材は、無端ベルトの内周側において、無端ベルトに対して、少なくとも加熱ニップ部と、それとは反対側の無端ベルトの2箇所で接触する。
上記構成によると、加熱ニップ部のうち圧接張架部材によって付与される圧接力は、後述する離接機構が定着部材に圧接することで得られる。さらに、移動可能な圧接張架部材は、その圧接力の作用で移動して加熱ニップ部とは反対側の無端ベルトの内周側に当接し、前述の圧接力と、加熱ニップ部とは反対側の無端ベルトへの接触で作用するベルト張力の反力とにより、加熱ニップ部に対して、その一部の領域の面圧を高くする。そのため、複雑な押圧力付与手段を設けることなく、無端ベルトへの密着性を上げ、これにより熱供給能力を向上させて温度追従性を高めることができる。
無端ベルトの張力、及び定着部材への圧接による圧接張架部材の復元力の付与と、無端ベルトと定着部材とで形成される加熱ニップ部への圧接は、複数の懸架ローラを移動させて定着部材に対して離接させる離接機構により行うことができる。
上記構成によると、圧接張架部材には、別途押圧力を付与する手段を設けないで、断面方向への移動が自由なので、圧接張架部材に作用する力のバランスする位置に自動的に留まり、加熱ニップへの圧接力は、自身の復元力にて行う。そして、その付与の制御は、外部加熱手段の懸架ローラを移動させて、定着部材に無端ベルトを離接させる離接機構と一体である。
このように構成することで、押圧力付与手段やその解除手段も必要なく、離接機構の離接動作により、圧接張架部材からの押圧力は、自身の復元力が弱まることで低下し、また、圧接動作で再び自身の復元力が強くなって押圧力を作用させる。そのため、簡単な機構で押圧力を制御することができる。また、外部加熱手段もよりコンパクトな構成とすることが可能である。
また、圧接張架部材を円柱形状の弾性部材とすることができる。圧接張架部材を円柱形状にすることで、外部加熱ベルトユニットの外部加熱ベルト内部で、圧接張架部材が従動の回転力を付与され、外部加熱ベルトの内面側で転がりながら、加熱ニップ部への押圧力と外部加熱ベルトへの張力を与えて、安定した押圧力と張力が得られる。また、圧接張架部材の変形は、永久ひずみを受けにくくする構成を容易に取ることができ、従動回転時に、永久ひずみによる押圧力の変動を抑えることができる。
また、圧接張架部材を円筒形状の弾性部材とすることもできる。圧接張架部材を円柱形状の場合に比べて、圧接張架部材の熱容量を少なくすることができる。圧接張架部材を弾性体で構成した場合、材料の種類によっては、弾性変形とそれによる復元力の付与にあまり作用しない、軸中心付近を空洞とすることで、熱伝導により軸中心に移動する熱を極力少なくすることができる。これにより、外部加熱ベルトから定着ローラへの熱供給に対してのロスを少なくすることができ、トータルの熱効率を高めることができる。
また、圧接張架部材は板状の弾性部材とすることができる。板状にすることで、円柱形状や円筒形状の場合に比べて、より熱容量を小さくすることができる。また、板状であるので、圧接張架部材が回転せず、外部加熱ベルトの回転負荷になることを低減することができる。
さらに、板状の場合、幅、厚さ、材料の硬さ等の諸物性や形状寸法を適宜選択すると、外部加熱ベルト内面との接触部分の摩擦力を小さくでき、外部加熱ベルトの回転不良といった不具合を解消することができる。
さらにまた、圧接張架部材は、複数の板状の弾性部材と、それらを支持する支持部材とを備えた構成とすることができる。圧接張架部材が複数の板状の弾性部材の場合、単体の場合に比べて、ローラ回転軸方向の強度をある程度確保する必要がある。
この場合、圧接張架部材を、アルミニウムや鉄などの支持部材の両面に、シリコンスポンジやシリコンゴム、フッ素ゴムなどの弾性部材を貼り付けた構成にすることにより、ローラ軸方向にも強度を持たせ、軸方向の圧力分布を最適な状態で用いることができ、軸方向での熱供給バランスをとることができる。
以上のとおり、本発明によると、無端ベルトの定着ローラへの密着性を向上させて、熱供給性能に優れ、かつコンパクトな外部ベルト加熱定着方式の定着装置を提供することができる。また、無端ベルトの懸架と、張力の付与を行い低熱容量化と安定性の高い外部ベルト加熱定着方式の定着装置を提供することができる。
本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るカラー画像処理装置(画像処理装置)の概略構成を示す断面図である。
図に示すように、カラー画像処理装置は、4色の可視像形成ユニット40(40Y,40M,40C,40B)を記録紙P(被加熱材)の搬送路に沿って配列した所謂タンデム式のプリンタである。
具体的には、カラー画像処理装置は、記録紙Pを供給する供給トレイ50と、定着装置1と、供給トレイ50と定着装置1とを繋ぐ搬送路に沿って記録紙Pを搬送する記録紙搬送手段60と、前記搬送路に沿って配設された4組の可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bとを備えている。
この画像処理装置では、記録紙搬送手段60によって上記搬送路に沿って搬送される記録紙Pに、各可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bによって各色トナーを多重転写した後、定着装置1によってトナーを記録紙Pに定着させてフルカラー画像を形成するようになっている。
記録紙搬送手段60は、駆動ローラ61と、アイドリングローラ62と、両ローラによって架張された無端状の搬送ベルト63とを備えている。そして、駆動ローラ61を図示しない駆動手段によって回転駆動することで、搬送ベルト63を所定の周速度(本実施形態では355mm/s)で搬送路に沿って回転させ、搬送ベルト63上に静電吸着させた記録紙Pを搬送するようになっている。
各可視像形成ユニット40は、感光体ドラム41の周囲に帯電ローラ42、レーザ光照射手段43、現像器44、転写ローラ45、およびクリーナー46を備えている。可視像形成ユニット40Y,40M,40C,40Bの現像器44には、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(B)のトナーがそれぞれ収容されている。
そして、各可視像形成ユニット40は、以下の工程によりトナー画像を記録紙P上に形成する。すなわち、感光体ドラム41表面を帯電ローラ42で一様に帯電した後、画像情報に応じてレーザ光照射手段43により感光体ドラム41の表面をレーザ露光し、静電潜像を形成する。その後、現像器44により感光体ドラム41上の静電潜像を現像してトナー像を顕在化させ、この顕像化されたトナー像をトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された転写ローラ45により記録紙搬送手段60によって搬送される記録紙Pに順次転写する。
その後、各色のトナー像を転写された記録紙Pは、駆動ローラ61の曲率により搬送ベルト63から剥離された後、定着装置1に搬送される。そして、定着装置1によって適度な温度と圧力が与えられる。これにより、トナーは溶解し記録紙Pに固定(定着)され堅牢な画像となる。
次に、定着装置1の構成について説明する。図2は定着装置の構成を示す断面図である。定着装置1は、記録紙(記録材)の表面に形成された未定着のトナー画像を、熱および圧力によって記録紙上に定着させるものである。なお、この未定着のトナー画像は、例えば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)等の現像剤(トナー)によって形成される。
定着装置1は、定着部材である定着ローラ11と、加圧ローラ12と、外部加熱部材としての無端状の外部加熱ベルト(無端ベルト)13と、外部加熱ベルト13を懸架する懸架ローラとして機能し、かつ外部加熱ベルト13を加熱するための加熱ローラ14a,14bと、加熱ローラ14a,14bをそれぞれ加熱するための熱源であるヒータランプ(加熱部)15a,15bと、定着ローラ11を加熱するための熱源であるヒータランプ15cと、加圧ローラ12を加熱するための熱源であるヒータランプ15dと、定着ローラ11,加圧ローラ12,外部加熱ベルト13の各々の温度を検出する温度検出部を構成する温度センサとしてのサーミスタ16a,16b,16cと、定着ローラ11をクリーニングするためのウエブクリーニング装置17とを備えている。
なお、外部加熱ベルト13、加熱ローラ14a,14b、およびヒータランプ15a,15bは、外部加熱ベルトユニット30に備えられる。
定着ローラ11および加圧ローラ12は、所定の荷重(例えば、本実施形態では600N)で互いに圧接されて、両ローラ間に定着ニップ部18(定着ローラ11と加圧ローラ12とが互いに当接する部分)を形成している。
本実施形態では、ニップ幅(定着ニップ部18の記録紙搬送方向の幅)を9mmとしている。この定着ニップ部18に未定着トナー画像を形成された記録紙を給紙し、定着ニップ部18を通過させることで、記録紙にトナー画像が定着されるようになっている。記録紙Pが定着ニップ部18を通過する時には、定着ローラ11は、記録紙のトナー画像形成面に当接する一方、加圧ローラ12は記録紙におけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接するようになっている。
定着ローラ11は、所定の温度(本実施形態では180℃)に加熱されて、定着ニップ部18を通過する未定着トナー画像が形成された記録紙を加熱する。定着ローラ11は、その内側から順に、芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造となっている。芯金には、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。弾性層にはシリコンゴム、離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。
定着ローラ11の内部には、定着ローラ11を加熱するヒータランプ15cが配置されている。ヒータランプ15cは、制御回路(図示略)により制御され、電源回路(図示略)から電力が供給(通電)されることにより発光し、赤外線が放射される。定着ローラ11の内周面は、放射された赤外線を吸収して加熱され、定着ローラ11全体が加熱されることになる。
加圧ローラ12も定着ローラ11と同様に、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の芯金の外周表面にシリコンゴム等の弾性層を有し、さらにその上にPFA等の離型層が形成されたものである。加圧ローラ12の内部には、加圧ローラ12を加熱するヒータランプ15dが配置されている。このヒータランプ15dによって、定着ローラ11と同様、加圧ローラ12全体が加熱される。
外部加熱ベルト13は、所定の温度(本実施形態では220℃)に加熱された状態で定着ローラ11表面に当接して、定着ローラ11表面を加熱するものである。外部加熱ベルト13は、間隔をおいて配置された2本の加熱ローラ14a,14bにより回転自在に懸架されている。加熱ローラ14a,14bの内部には、加熱ローラを加熱するための加熱源としてのヒータランプ15a,15bが配置されている。ヒータランプ15a、15bは、制御回路(図示略)により制御され、電源回路(図示略)から電力が供給(通電)されることにより発光し赤外線が放射される。これにより、加熱ローラ14a,14bの内周面が加熱され、加熱ローラ14a,14bを介して間接的に外部加熱ベルト13が加熱されるようになる。
外部加熱ベルト13は、定着ローラ11の回転方向に対して、定着ニップ部18の上流側に設けられ、所定の押圧力(本実施形態では40N)で定着ローラ11に圧接される。なお、外部加熱ベルト13を定着ローラ11に圧接させるための機構(外部加熱ベルトユニット30の構成)については後述する。
そして、外部加熱ベルト13と定着ローラ11との間に加熱ニップ部19(定着ローラ11と外部加熱ベルト13とが互いに当接する部分)が形成される。外部加熱ベルト13は、定着ローラ11の回転時には、定着ローラ11に従動して回転し、この外部加熱ベルト13の回転に従動して加熱ローラ14a,14bも回転する。
加熱ニップ部19の加熱ニップ幅(加熱ニップ部19の定着ローラ11回転方向の幅)は、外部加熱ベルト13が定着ローラ11を適切に加熱することができ、かつ外部加熱ベルト13を定着ローラ11に適切に従動回転させることができるように設定される。本実施形態では、加熱ニップ幅を20mmとしている。
外部加熱ベルト13は、ポリイミド等の耐熱樹脂あるいはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された2層構成となっている。外部加熱ベルト13の寄り力(外部加熱ベルト13を回転方向に対して垂直な方向に移動させるように作用する力)を低減するために、ベルト基材の内面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。
加熱ローラ14a,14bは、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材からなる。なお、外部加熱ベルト13の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。
定着ローラ11,加圧ローラ12,外部加熱ベルト13の各々の周面には、温度検知手段としてのサーミスタ16a,16b,16cが配設されており、それぞれの表面温度を検出するようになっている。そして、各サーミスタ16a,16b,16cにより検出された温度データに基づいて、温度制御手段としての制御回路(図示せず)が、定着ローラ11,加圧ローラ12,外部加熱ベルト13の温度を所定の温度にするように、ヒータランプ15a,15b,15c,15dへの供給電力(通電)を制御する。
そして、定着ニップ部18に所定の定着速度および複写速度で未定着トナー像が形成された記録紙が搬送され、熱と圧力によって定着が行われる。なお、定着速度とは、所謂プロセス速度のことである。また、複写速度とは、1分あたりのコピー枚数のことである。これらの速度は特に限定されるものではないが、本実施形態では、定着速度355mm/sec、複写速度70枚/分、あるいは定着速度300mm/sec、複写速度62枚/分としている。
なお、定着ローラ11は、図示しない駆動モータ(駆動手段)によって回転駆動される。また、加圧ローラ12は、定着ローラ11の回転に従動して回転する。したがって、定着ローラ11および加圧ローラ12は、図1に示すように、逆方向に回転される。これにより、記録紙Pが定着ニップ部18を通過するようになっている。
次に、外部加熱ベルトユニット30の構成について、図3および図4に基づいて詳細に説明する。図3は外部加熱ベルトユニット30の構成を示す断面図であり、図4はその平面図である。
図3および図4に示すように、外部加熱ベルトユニット30は、外部加熱ベルト13、加熱ローラ14aおよび14b、ヒータランプ15aおよび15b、サイドフレーム21、軸受22aおよび22b、アーム23、支点24および25、コイルバネ26、寄り規制部材27aおよび27bなどを備えている。
外部加熱ベルト13を懸架している加熱ローラ14a,14bは、それぞれ、サイドフレーム21に取り付けられた軸受22a,22bによって、回転自在に支持されている。なお、図4には加熱ローラ14a,14bの一端側のみを示しているが、他端側も略同様の構成である。また、軸受22a,22bはサイドフレーム21に対し、所定の軸間距離を隔てて固定されている。これにより、加熱ローラ14a,14b間の平行度が確保されている。本実施形態においては、加熱ローラ14a,14bの平行度公差は100μm以下となっている。
サイドフレーム21は、支点24を中心に回転自在なようにアーム23に軸支されている。アーム23は、支点25を中心に回転可能なように軸支されている。支点25とは反対側のアーム23端部には引張りコイルバネ26が取り付けられており、この引張りコイルバネ26によってアーム23端部に荷重が付与されることで、アーム23に取り付けられたサイドフレーム21が、定着ローラ11方向に付勢され、その結果、サイドフレーム21に軸支された加熱ローラ14a,14bが、等しい荷重で外部加熱ベルト13を介して定着ローラ11に圧接するように構成されている。
前記サイドフレーム21、軸受22aおよび22b、アーム23、支点24および25、コイルバネ26により、加熱ローラ14a、14bを移動させて定着ローラ11に対して離接させる離接機構が構成されている。
さらに、加熱ローラ14a,14bの両端側(軸受22a,22bの内側)には、外部加熱ベルト13の蛇行を防止するための寄り規制部材27a,27bが配置されている。この寄り規制部材27a,27bは、外部加熱ベルト13の端部と従動して回転するようになっている。これにより、外部加熱ベルト13が蛇行してきた際に外部加熱ベルト13の寄りを規制すると同時に、外部加熱ベルト13端部の摺動による磨耗や割れを防止できるようになっている。
本実施形態では、外部加熱ベルト13として、厚さ90μmのポリイミド(宇部興産製、商品名:ユーピレックスS)の基材表面に、離型層としてPFTEとPFAとがブレンドされたフッ素樹脂を厚さ20μmでコーティングしたものを用いている。この外部加熱ベルト13を、図3に示したように軸間距離を固定した2本の加熱ローラ14a,14bで懸架して定着ローラ11に荷重40Nで圧接させた構成としている。
なお、加熱ローラ14a,14bとしては、厚さ0.75mmのアルミ製芯金表面にPTFEとPFAとがブレンドされたフッ素樹脂を厚さ20μmでコーティングしたものを用いた。また、定着ローラ11としては、アルミ製芯金上に厚さ2mmのシリコンゴム層を被覆し、さらにその上に厚さ30μmのPFAチューブを被覆したものを使用した。また、ヒータランプ15a,15bとしては、いずれも定格電力が475Wの同じ加熱幅を有するヒータランプを用いた。
そして、外部加熱ベルト13を220℃に加熱制御しながら、定着ローラ11を周速度355mm/sの速度で回転させる。
本発明では、更に図示するように外部加熱ベルト13の内周側に、肉厚2〜5mm程度のシリコンスポンジ、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのゴム状弾性体で構成される弾性を有する圧接張架部材28が、2本の加熱ローラ14a,14bの間の軸間に配置される。圧接張架部材28は、ここでは中空の円筒形状のシリコンゴムで外部加熱ベルト13よりも僅かに長いものをローラ間に介在する。
この圧接張架部材28は、外部加熱ベルト13の内周側に、加熱ローラ14a、14bの間に置くので、外部加熱ベルトユニット30が、定着ローラ11に圧接することで、初期的に張力が作用し、外部加熱ベルト13内周側の領域が狭くなって、外部加熱ベルト13の内面が、圧接張架部材28に接触して、圧接張架部材28を弾性変形させる。
この圧接張架部材28の弾性変形によって、圧接張架部材28には復元力が発生して、初期的な張力と、加熱ニップ部19での外部加熱ベルト13を介した定着ローラ11への押圧力を発生させる。上記復元力は、初期的な張力を増大させ、更に加熱ニップ部19での外部加熱ベルト13の密着性を上げ、さらには上記復元力の反力が、加熱ニップ部19の一部を押して、当初の加熱ローラ14a,14bとのニップ以外に、面圧の高い部分が出現する。
この面圧の高い部分が増えることで、外部加熱ベルト13から定着ローラ11への熱供給が増加し、さらには、その面圧の高い部分前後の領域の定着ローラ11に外部加熱ベルト13のみが接触している領域の密着性も高まって、外部加熱ベルトユニット全体の熱供給能力が向上する。
圧接張架部材28は、例えば、1つ以上のガイド板で、外部加熱ベルト13の内周側で保持しておき、位置を固定しないでフリー状態とし、回転中心も定めない構成とすることができる。このように構成することで、圧接張架部材28自身の弾性変形による復元力が作用し、これにより加熱ニップ部19への押圧力を発生させ、複雑な支持機構を設けることなく、コンパクトな外部加熱ベルトユニット30を構成することができる。
ここで、定着ローラ11の外径φ60mm、加熱ローラ14a,14bの外径φ14.8mm、加熱ローラ14aと14bとの間の軸間距離38.55mmである。
なお、本実施形態では、2本の加熱ローラ(外部加熱ベルト懸架ローラ)14a,14bを備える構成について説明したが、本発明はこれに限らず、さらに多数の加熱ローラを備えた構成であってもよい(例えば、加熱ローラを3本備えていてもよく、4本備えていてもよい)。
図5はガイド機構の別の実施形態を示す定着装置の断面図である。この例では、中空の圧接張架部材28に対して、ガイド板34,35を設けて、このガイド板34,35で囲まれた空間内に、中空あるいは中実の圧接張架部材28を配置する構成としたものである。ガイド板34,35は、その端部が外部加熱ベルトユニット30のサイドフレーム21等に支持される。
このガイド板34,35により、圧接張架部材28が外部加熱ベルト13の内周側において、加熱ローラ14a,14bの回転軸方向への移動を規制し、加熱ローラの断面方向への移動を可能とする支持機構が構成される。
この場合、圧接張架部材28は、2つのガイド板34,35の間で保持され、そのガイド板34,35で囲まれた空間内で、ガイド板34,35に接触しないか、或いは軽く接触して、外部加熱ベルト13の内面に押し当てられ、その変形の復元力が、外部加熱ベルト13の定着ローラ11とは反対側の外部加熱ベルト13の内面に作用し、外部加熱ベルト13に張力を作用させる。この圧接張架部材28は、外部加熱ベルト13による変形の力が作用すると、断面が変形して、その変形が復元しようとする復元力により、加熱ニップ部の一部を圧接し、かつその反対側には、外部加熱ベルト13を張架する張力が作用する。
これにより、加熱ローラ2本の圧接部分以外に、加熱ニップ部の面圧の高い部分(実ニップ部)が増加し、更にはその前後の外部加熱ベルト13と定着ローラ11とが密着する部分の密着性が向上して、外部加熱ベルト13から定着ローラ11への熱供給が増えて、温度追従性が向上する。
なお、圧接張架部材28は、図示するように、中空の円筒形状以外に、中実の円柱形状や中実の円柱形状に軸方向に直線状やらせん状の空気穴の空いたスポンジやソリッドゴムであってもよい。スポンジは耐熱性を考慮して、シリコンスポンジ、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのソリッドゴムを用いることができる。
図6は図5の圧接張架部材28を中空円筒状とし、その中空部に1本或は複数のガイドシャフト36を配置し、圧接張架部材28の変形を補助し、圧接張架部材28の保持を行う構成としたものである。
この場合、ガイド板34,35とガイドシャフト36によって、圧接張架部材28の保持位置が特定の空間内に規定できるようになり、外部加熱ベルト13の回転による従動で、圧接張架部材28自身も従動回転するが、ガイド板34,35とガイドシャフト36により所定の位置に留まるようにでき、別途回転支持機構を設ける必要はなく、構造を簡単にすることができる。
ガイド板34,35とガイドシャフト36の位置は、復元力の作用、張力の付与状態、従動回転の状態などにより、様々な位置に設けることができ、図5や図6の位置に限定されるものではない。なお、ガイド板34,35の端部およびガイドシャフト36の端部は、外部加熱ベルトユニットのサイドフレーム等に支持される。
また、ガイドシャフト36は、前述のように、複数設けても良いが、図7に示すように、1本とすることも可能で、その本数、太さ、長さ及び材質は限定されず、ガイド板の構成も図示した構成に限定されず、様々な組合せ、位置、材質を用いることができる。
この構成では、圧接張架部材28が、ガイド板34、35やガイドシャフト36によって保持されて、外部加熱ベルトユニットに対して、完全に固定することなく、フリーに保持されて、その支持機構も簡易的な方法を取ることが可能である。特に、ガイドシャフト36を設けることにより、ガイド板34,35での保持で摩擦が生じるが、その摩擦力による回転不良を低減でき、変形による復元力を有効に作用させることができる。
また、図8に示すように、圧接張架部材28の支持を、ガイド板34,35とガイドシャフト36によって行うのではなく、ガイドシャフト36のみで行う構成とすることもできる。
この構成では、ガイドシャフト36を4本用いて、円筒状の圧接張架部材28の外周側を保持する。そして、ガイドシャフト36で保持された状態で、外部加熱ベルト13の内面に設置し、加熱ニップ部に押圧力を与えて、実ニップ部を増加し、更には加熱ニップ部の外部加熱ベルトと定着ローラ11のみが接触する部分の密着性が高まり、熱供給量が増加して、温度追従性を向上させることができる。
また、本構成では、ガイド板を用いておらず、ガイドシャフト36のみで、圧接張架部材28を保持するので、ガイドシャフト36との接触面積を少なくでき、ガイドシャフト36と圧接張架部材28との摩擦力を低減でき、圧接張架部材28の従動回転を円滑にすることが可能となる。
次に、別の構成について説明する。図9に示す圧接張架部材28は、円筒形状だけでなく、板状のものを用いる。圧接張架部材28の板面方向端部を外部加熱ベルト13の内周面に弾性的に接触させ、加熱ニップ部の定着ローラへの弾接力を高めるようにする。
圧接張架部材28が板状の場合、回転部分がないので、ガイド板やガイドシャフトを設ける必要はなく、板状の圧接張架部材28を保持する機構を設け、板状の圧接張架部材28の弾性変形による復元力を外部加熱ベルト13に作用させる。
板状の圧接張架部材28は、その断面形状、外部加熱ベルト13と接触する圧接張架部材28の端面形状や取付位置を適切に設定して、外部加熱ベルト13の内面との摩擦を少なくした状態として、外部加熱ベルト13の駆動トルクを可能な限り少なくしておく。
こうすることで、板状の圧接張架部材28による押圧力が過大になることを避けて、加熱ニップ部に復元力を適切な押圧力として作用させ、更に外部加熱ベルト13に適切な張力を作用させることができる。
板状の圧接張架部材28の材質としては、耐熱性を考慮するとシリコンスポンジ、シリコンゴム、フッ素ゴムなどを用いることができるが、材料の弾性、耐熱性、熱伝導率等の諸特性が問題なければ、EPDMを初めとして、様々な弾性材料を用いることができ、前記シリコンスポンジやシリコンゴムなどに限定されるものではない。
また、別の構成として、図10に示すような圧接張架部材を用いることも可能である。図10に示す圧接張架部材28、29は、板状のものであるが、前述した板状の場合と配置方向が異なり、複数の板状の圧接張架部材28、29を重ね合わせ、その板面が外部加熱ベルト13の内周側と弾性的に接触するように配置したものである。
この場合、加熱ニップ部への押圧力と張力は、板状の圧接張架部材28の断面形状を適宜選択することで付与することができる。特に、厚みや幅を選択して、加熱ニップ部の押圧力と外部加熱ベルト13への張力のバランスを良好に保つことができ、その配分を適宜選択することもできる。重ねる板状の圧接張架部材は、長さ、幅、厚みを同一あるいは異なるものとすることができ、材質も異なるものにすることが可能で、図示の構成に限定されず、様々な構成とすることができる。
さらに、別の構成として、図11および図12に示す圧接張架部材を用いることができる。この圧接張架部材28は、複数の板状の弾性部材33a,33bと、それらを支持する支持部材32とを備えたものである。支持部材32は、アルミニウムや鉄などで構成された角型断面形状のものである。支持部材32の両面に、シリコンスポンジやシリコンゴム、フッ素ゴムなどの弾性部材33a,33bが貼り付けられる。
なお、図10や図11の構成以外にも、圧接張架部材の断面形状を様々なものを用いることも可能で、例えば、図13のような形状を押圧力や復元力設置スペースなど各種パラメータに応じて適宜選択して用いることができる。台形、三角形、半円、楕円など様々な断面形状で、初期荷重から最大荷重の間での押圧力や復元力を一定でなく、変化させることも可能である。
図13(a)は断面台形状の圧接張架部材33aと断面半円形の圧接張架部材33bとを貼り合わせたもの、同図(b)は(a)と同断面形状の圧接張架部材33a、33bの間に支持部材32を介在させたもの、同図(c)は断面半円形の圧接張架部材33aと断面長方形の板状圧接張架部材33bとを貼り合わせたもの、同図(d)は板状の支持部材32の両面に半楕円形の圧接張架部材33aと半円形の圧接張架部材33bとを貼り合わせたもの、同図(e)は断面三角形の圧接張架部材33aと断面台形の圧接張架部材33bとを貼り合わせたもの、同図(f)は板状の支持部材32あるいは第3の圧接張架部材33cの両面に、断面台形の圧接張架部材33aと、外面が凹凸形状に形成された板状の圧接張架部材33bとを貼り合わせたものである。
圧接張架部材28は、2つのガイド板34,35で囲まれた空間内で、ガイド板34,35に接触しないか、或いは軽く接触して、外部加熱ベルト13の内面に弾接的に押し当てられる。そして、圧接張架部材28の弾性変形の復元力F2が、外部加熱ベルト13の定着ローラ11とは反対側の外部加熱ベルト13の内面に作用し、外部加熱ベルト13に張力を作用させる。その張力は圧接張架部材28を加熱ニップ部側への押圧力F1として作用し、加熱ニップ部の一部を圧接し、加熱ローラ2本の圧接部分以外に、加熱ニップ部の面圧の高い部分(実ニップ部)を増大させる。
また、圧接張架部材28は、支持部材32の両面に弾性部材33を貼り付けた構成であり、支持部材32によりローラ軸方向にも強度を持たせることができる。そのため、軸方向の圧力分布を最適な状態で用いることができ、軸方向での熱供給バランスをとることができる。
このように、密着性が低く熱伝導性の低い外部加熱ベルト13が、張力による圧接で定着ローラ11に接触する部分に、ベルト内周側から圧接張架部材28を設けたので、外部加熱ベルト13の張力を受けて、圧接張架部材28が外部加熱ベルト13の加熱ニップ部を押圧し、さらに圧接張架部材28が受けた張力と圧接力による一部あるいは全部の弾性変形の復元力で、外部加熱ベルト13と定着ローラ11との密着性を高くし、この部分での熱伝導性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、加熱ローラ14a,14bの外径が同じである構成について説明したが、本発明はこれに限らず、各加熱ローラの外径が異なっていてもよい。
また、本実施形態では、加熱ローラ14aおよび14bが両方とも外部加熱ベルト13を介して定着ローラ11に圧接する構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、各加熱ローラが定着ローラ11に圧接せず、外部加熱ベルト13のみが定着ローラ11に当接する構成であってもよい。つまり、各加熱ローラと外部加熱ベルト13との当接領域において、外部加熱ベルト13が定着ローラ11に圧接しない構成としてもよい。また、3つ以上の加熱ローラが外部加熱ベルト13を介して定着ローラ11に当接する構成としてもよい。
また、本実施形態では、本発明をカラー画像形成装置に適用する場合について説明したが、これに限らず、モノクロ画像(単色画像)を形成する画像形成装置についても、原理的に大きな違いはなく適用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、外部ベルト加熱定着方式の定着装置及び、その定着装置を用いた電子写真方式の画像処理装置に適用することができる。
本発明の定着装置を備えたカラー画像処理装置(画像処理装置)の概略構成を示す断面図 本発明の実施形態を示す定着装置の構成を示す断面図 外部加熱ベルトユニットの構成を示す断面図 図2の平面図 圧接張架部材にガイド機構を設けた例を示す定着装置の断面図 本発明のガイド機構の別の実施形態を示す定着装置の断面図 本発明のガイド機構のさらに別の実施形態を示す定着装置の断面図 本発明のガイド機構のさらにまた別の実施形態を示す定着装置の断面図 本発明の圧接張架部材の第2実施形態を示す定着装置の断面図 本発明の圧接張架部材の第3実施形態を示す定着装置の断面図 本発明の圧接張架部材の第4実施形態を示す斜視図 図11に示す圧接張架部材の作用を示す断面図 (a)〜(f)は圧接張架部材の種々の形状を示す断面図
符号の説明
1 定着装置
11 定着ローラ
12 加圧ローラ
13 外部加熱ベルト
14a,14b 加熱ローラ
15a〜15d ヒータランプ
16a〜16c サーミスタ
18 定着ニップ部
19 加熱ニップ部
28 圧接張架部材
30 外部加熱ベルトユニット
32 基材
33 弾性部材
34,35 ガイド板
36 ガイド棒
40 可視像形成ユニット40
41 感光体ドラム
42 帯電ローラ
43 レーザ光照射手段
44 現像器
45 転写ローラ
46 クリーナー
50 供給トレイ
60 記録紙搬送手段
61 駆動ローラ
62 アイドリングローラ
63 搬送ベルト

Claims (9)

  1. 定着部材と、無端ベルトと、前記無端ベルトを懸架する複数の懸架ローラと、前記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、前記各懸架ローラは互いに平行かつ軸間距離を固定された状態で前記無端ベルトを懸架し、前記定着部材へ圧接することで加熱ニップ部を形成してなる定着装置において、
    前記加熱ニップ部の一部を前記無端ベルトの内周側から前記定着部材に押し付ける圧接張架部材が前記無端ベルトの内周側に設けられ、
    該圧接張架部材は、前記無端ベルトの内周側において、無端ベルトに対して、少なくとも前記加熱ニップ部と、それとは反対側の無端ベルトの2箇所で接触し、
    前記無端ベルトの張力及び前記定着部材への圧接による前記圧接張架部材自身の復元力を前記加熱ニップ部に付与して、前記加熱ニップ部を形成することを特徴とする定着装置。
  2. 定着部材と、無端ベルトと、前記無端ベルトを懸架する複数の懸架ローラと、前記無端ベルトを加熱する加熱手段とを備え、前記各懸架ローラは互いに平行かつ軸間距離を固定された状態で前記無端ベルトを懸架し、前記定着部材へ圧接することで加熱ニップ部を形成してなる定着装置において、
    前記加熱ニップ部の一部を前記無端ベルトの内周側から前記定着部材に押し付ける圧接張架部材が前記無端ベルトの内周側に設けられ、
    該圧接張架部材は、前記無端ベルトの内周側において、無端ベルトに対して、少なくとも前記加熱ニップ部と、それとは反対側の無端ベルトの2箇所で接触し、
    前記無端ベルトの内周側において、懸架ローラの回転軸が存在する方向への前記圧接張架部材の移動を規制し、無端ベルトの内周と接触する方向への前記圧接張架部材の移動を可能とする支持機構を備えたことを特徴とする定着装置。
  3. 前記無端ベルトの内周側において、懸架ローラの回転軸が存在する方向への前記圧接張架部材の移動を規制し、無端ベルトの内周と接触する方向への前記圧接張架部材の移動を可能とする支持機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記無端ベルトの張力及び前記定着部材への圧接による前記圧接張架部材の復元力の付与と、無端ベルトと定着部材とで形成される加熱ニップ部への圧接は、前記複数の懸架ローラを移動させて前記定着部材に対して離接させる離接機構により行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 前記圧接張架部材は、円柱形状の弾性部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記圧接張架部材は、円筒形状の弾性部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記圧接張架部材は、板状の弾性部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記圧接張架部材は、複数の板状の弾性部材と、これらの弾性部材を支持する支持部材とを有することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の定着装置を備えた画像処理装置。
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