JP5160117B2 - 着色ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、X線照射により着色された着色ガラスに関する。
従来、市場に流通している着色が施された着色ガラスは、主に、次の2種類が挙げられる。
第1の着色ガラスは、ガラス自体がCo、Mn、V等の着色剤を含有しているものである。この場合には、ガラス自体が紫または茶色に着色され、反射光で見ると黒色に見える黒色ガラス(例えば、ドイツSchott社製結晶化ガラスCeran)となる。
第2の着色ガラスは、透明ガラスの裏面に金属ペーストを塗布して焼成し薄膜化したものである。この場合は、反射光が黒色になるガラスとなる。
しかしながら、上記第1の着色ガラスは、ガラス自体に着色剤が混入しているため、他の、透明・白色ガラスと一緒に再処理溶融することができず、リサイクルの際に、別々に分別する必要がある。
また、上記第2の着色ガラスは、ガラス表面の表面粗さが大きい場合には、その凹凸部でペーストの印刷膜厚が変わるおそれがあり、焼成後の膜厚に濃淡ができ、まだら模様に見える等の問題があった。また、印刷時にホコリ等の付着があると、焼成後にその部分が焼失し、黒色が抜けてガラスがむき出しとなるという問題があった。
また、少なくとも一方の表面に薄膜黒色膜を有する構造であるため、薄膜を有する表面を削れば他の透明・白色ガラスと一緒に再処理できるが、リサイクル工程が煩雑になったり、コストが高くなる等の問題がある。
そのため、これらの問題を解決するために、X線を照射することにより、ガラスを着色する方法が提案されている(特許文献1)。
この技術によれば着色ガラスが無色結晶化ガラスと分別することなくリサイクルすることができ、また、リサイクル工程が煩雑にならない。また、X線照射を行う場合には、表面から内部にかけて着色されるため、ガラス表面の凹凸による着色の濃淡が起こり難い。また、X線はホコリ等を容易に透過してガラスに直接的に作用して着色するため、色が抜ける欠点が殆どない。
しかしながら、通常のガラス材料に単にX線照射を行うだけでは、ガラスの着色部の着色度合いを、必ずしも所望の濃さまで濃くすることができなかった。特に、可視光領域の波長600nm〜830nmの波長の長い側の透過率の低下を実現することができず、十分な着色度合いを実現できない状況にあった。
そのため、着色濃度が高く、リサイクル性に優れた着色ガラスの開発が求められていた。
特開2003−48748号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、着色濃度が高く、リサイクル性に優れた着色ガラスを提供しようとするものである。
本発明は、透明又は半透明のガラス基材の少なくとも一部に、X線を照射することにより着色してなる着色部を有する着色ガラスであって、
該着色ガラスは、調理器用ガラストッププレートであって、該調理器用ガラストッププレートにおける100℃以下の環境で使用される部分に上記着色部を有し、
上記ガラス基材は、Li 2 O−Al 2 3 −SiO 2 系からなるβ−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスよりなり、
上記着色部は、波長340〜1800nmの光を透過させた場合の日射透過率が30%以下であることを特徴とする着色ガラスにある(請求項1)。
ここで、上記日射透過率とは、日本工業規格「板ガラスの透過率・反射率・日射取得率試験方法(JIS R 3106)」に準じて求められる値である。
本発明の着色ガラスの最も注目すべき点は、そのガラス基材としてβ−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスを採用し、その少なくとも一部を、X線の照射を用いて、それ自体に着色を施すことにある。
本発明の着色ガラスは、上記のごとく、透明又は半透明のガラス基材の少なくとも一部に、X線を照射することにより着色してなる着色部を有する。
上記X線の照射によって着色を行うことにより、ムラを発生させることなく着色を行うことができる。また、X線の照射時間や出力を調整することによって、着色の濃淡を調整することができる。
また、X線の照射によって着色を行うため、部分的に着色することが可能である。そのため、上記着色ガラスは、全体が着色されていてもよいし、部分的に着色されていてもよい。部分的に着色する方法としては、X線を透過し難い材料(例えば、ステンレス、真鍮、銅等)からなるマスク板により着色しない部分を覆うことにより、所望の形状の着色を行う方法等がある。
また、上記ガラス基材は、β−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスよりなる。
そのため、X線の照射により、所望の着色度合いを実現することができる。結晶化ガラスは主結晶相としてβ−石英固溶体又はβ−スポジューメンが体積割合で70〜90%存在し、その他の10〜30%のマトリックス相として非晶質ガラスや他の結晶相が存在する。上記結晶化ガラスが、通常の非晶質ガラスよりも着色度合いを高くできる理由は必ずしも明確ではないが、結晶化工程で上記主結晶相とマトリックス相に分かれることにより、X線で着色される元素もしくは結晶がどちらかの相に元の素材ガラスよりも部分的に濃縮される状態になり、着色度合いを高くできると考えられる。
また、上記β−石英固溶体やβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスは、低膨張であり、強度が安定している。そして、上記ガラス基材は、X線の照射により、上述の低膨張を保ち強度を損なうことなく、着色部分を有することができる。
また、上記着色部は、波長340〜1800nmの光を透過させた場合の日射透過率が30%以下である。これは、ガラス基材として上記特定の結晶化ガラスを採用することによって初めて実現できるものである。
また、上記着色ガラスは、100℃以下の使用環境下において、退色し難く、長期間安定に発色し続けることができる。
そして、上記着色ガラスは、熱処理することにより消色することが可能である。そのため、透明・白色ガラスと分別することなく、また、リサイクル工程が煩雑になることなく、リサイクルをすることができる。
このように、本発明によれば、着色濃度が高く、リサイクル性に優れた着色ガラスを提供することができる。
本発明の着色ガラスは、上述したように、透明又は半透明のガラス基材の少なくとも一部に、X線を照射することにより着色してなる。
上記X線としては、Rh(ロジウム)を線源とするX線を用いることが好ましい。例えば、30kV以上、20mA以上の出力で所定時間照射することにより着色部を形成できる。40kV以上、30mA以上の出力で照射することがより好ましい。
同じX線照射条件であっても、着色度合いは、ガラス基材の厚み、材質等により異なるが、X線の照射時間が長いほど、また、X線の出力が高いほど、濃い着色を施すことができる。
また、上記ガラス基材は、透明又は半透明のβ−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスよりなる。
ここで、透明とは、測色色差計で測定された白色度wが30未満である場合をいう。また、半透明とは、測色色差計で測定された白色度Wが30以上70未満である場合をいう。
上記白色度wとは、酸化マグネシウム標準白板の光の反射量を100、真黒を0とし、光の反射量の割合により示される数値である。具体的には、測色色差計(例えば、日本電色工業株式会社製ZE2000)により、C2光源でL、a、b値を測定し、次式W(白色度)=100−[(100−L)2+a2+b21/2より求められた値である。
また、上記ガラス基材は、市販の結晶化ガラスを使用してもよい。
上記ガラス基材は、素材ガラスに、結晶核形成工程と結晶化工程とを行うことにより製造することが好ましい。上記結晶核形成工程は、上記素材ガラスに750〜800℃で0.1〜20時間熱処理を行うことが好ましい。また、上記結晶化工程は、上記結晶核形成工程後に、850〜1200℃で0.1〜20時間熱処理を行うことが好ましい。
また、上記ガラス基材は、線熱膨張係数が−10〜80×10-7/K(at30〜500℃)であることが好ましい。
また、上記着色部は、波長340〜1800nmの光を透過させた場合の日射透過率が30%以下である。
上記日射透過率が、30%を超える場合には、高い着色濃度を得ることができないという問題がある。より好ましくは、上記日射透過率は20%以下である。
また、上記着色ガラスは、上述したように、熱処理により消色することが可能である。
熱処理は、着色ガラスの再溶融を行ってもよいし、着色ガラスを500℃以上で再加熱してもよい。500℃未満の場合には、十分消色しない可能性がある。
再溶融を行う場合には、1700℃以上で、1〜24時間程度に加熱することが好ましい。1700℃未満では、着色ガラスが十分に溶融しないおそれがある。
上記再加熱を行う場合には、加熱温度は500〜800℃であることが好ましく、500〜600℃であることがより好ましい。また、加熱時間は5〜120分程度加熱することが好ましく、15〜60分程度加熱することがより好ましい。この場合には、ガラスの形状を保ったまま消色することができる。
また、上記着色ガラスは、公知の方法を用いて、着色前に所望の形態に成形することもできるし、表面に任意の装飾を施すこともできる。
また、上記着色部は、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において40%以下であることが好ましい(請求項2)。
可視光領域はおよそ360〜830nmである。そのため、可視光領域である波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率を上記波長範囲全領域において40%以下とすることにより、特に着色濃度が高い着色ガラスを得ることができる。
上記透過率が上記波長範囲全領域において、40%を超える場合には、高い着色濃度を得ることができないというおそれがある。
また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において20%以下であることがより好ましい。
上記ガラス基材は、Li2O−Al23−SiO2系からなることが好ましい
この場合には、素材ガラスに結晶核形成工程と結晶化工程の熱処理を行うことにより、β−石英固溶体、β−スポジューメンを主結晶とする低膨張の結晶化ガラスとすることができ、X線を照射した場合に高い着色濃度を得ることができる。
また、上記着色ガラスは、調理器用ガラストッププレートであって、該調理器用ガラストッププレートにおける100℃以下の環境で使用される部分に上記着色部を有することが好ましい
上記β−石英固溶体やβ−スポジューメンを主結晶とする低膨張結晶化ガラスは、特に調理器用ガラストッププレートの基板ガラスとして適している。
また、上記調理器用ガラストッププレートは、100℃以下の環境で使用される部分に、調理面側から機器の運転状態や警告ランプ等を表示するための黒窓表示部を設ける場合がある。上記黒窓表示部としては、例えば、黒色の窓部を設け、機器内部の発光部から、赤色のLED発光等を発光させ、文字や発光そのものを調理面に表示するものがある。上記黒色の窓部に上記着色ガラスの着色部が位置するように用いると、上述の表示を明瞭に認識することができ、見た目が良好な黒窓表示部とすることができる。そして、この黒窓表示部は、上述したX線照射による着色部により構成することができるので、上述した作用効果を有効に活用することができる。
また、上記着色ガラスを調理器用ガラストッププレートとして使用する際には、上記着色部以外の部分に、公知の種々の方法を用いて装飾層を形成してもよい。
上記装飾層としては、具体的には、例えば、有機金属化合物の希釈溶液であるラスター彩からなる遮光層、ガラス組成物と無機顔料とからなる遮光層、パール調材料とシリコーンレジンあるいはシリカ質ゾルとからなるパール調層等が挙げられる。これらの層は単独で形成してもよいし、複数の層を積層してもよい。
(実施例1)
本例は、本発明の着色ガラスにかかる実施例について説明する。
本例においては、透明又は半透明のガラス基材の少なくとも一部に、X線を照射することにより着色してなる着色部を有する着色ガラスを作製した。
上記ガラス基材のガラス素材として、厚み4mmのLi2O−Al23−SiO2系ガラス素材を用意した。
次に製造方法について説明する。
まず、上記ガラス素材に、結晶核形成工程と結晶化工程とを行うことにより結晶化ガラスを製造した。上記結晶核形成工程は、上記素材ガラスに800℃で1時間熱処理を行った。また、上記結晶化工程は、上記結晶核形成工程後に、950℃で1時間熱処理を行った。
得られた結晶化ガラスについて、日本分光株式会社製の紫外可視近赤外分光光度計V−570及び積分球装置ISN−470を使用することにより透過スペクトルの測定を行った。
そして、得られた結晶化ガラスの一部分に、Rhを線源とするX線を50kV、50mAで60分間照射し、着色部を有する着色ガラス(試料E1)を作製した。
上記試料E1の着色部は、青黒色を呈していた。上記試料E1の着色部について、上述の結晶化ガラスの透過スペクトルの測定と同様の方法で透過スペクトルの測定を行った。また、日本工業規格「板ガラスの透過率・反射率・日射取得率試験方法(JIS R 3106)」に準拠して、上記日射透過率を求め、着色濃度を評価した。
(着色濃度の評価基準)
◎:日射透過率が20%未満の場合。
○:日射透過率が20%以上30%未満の場合。
×:日射透過率が30%以上の場合。
図1に、上記結晶化ガラス及び上記着色ガラスの透過スペクトルを示す。同図において、符号Aは結晶化ガラスの透過スペクトルを示し、符号E1は着色ガラス(試料E1)の着色部の透過スペクトルを示す。同図は、横軸を波長(nm)とし、縦軸を透過率(%)とした。
また、表1に、試料E1、後述する試料E2〜試料E7及び試料C1〜試料C3について、ガラス基材、X線照射条件、日射透過率、波長範囲360〜830nmにおける最大透過率、着色濃度の評価を示す。
Figure 0005160117
上記図1及び表1より知られるごとく、上記試料E1の着色部は、日射透過率が15.22%(着色濃度の評価:◎)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において12.41%以下であり、非常に高い着色効果を得ることができた。
(実施例2)
本例は、上記実施例1において作製した着色ガラス(試料E1)の着色部に、さらにRhを線源とするX線を50kV、50mAで60分間照射することにより、着色ガラス(試料E2)を作製した。
(実施例3)
本例は、上記実施例2において作製した着色ガラス(試料E2)の着色部に、さらにRhを線源とするX線を50kV、50mAで60分間照射することにより、着色ガラス(試料E3)を作製した。
(実施例4)
本例は、実施例1におけるX線照射条件を変更した例である。
本例では、Rhを線源とするX線を50kV、50mAで24分間照射することにより、着色ガラス(試料E4)を作製した。その他は実施例1と同様に行った。
ここで、上記実施例2〜実施例4において作製した試料E2〜試料E4の着色部について、実施例1と同様の方法で透過スペクトルを測定し、日射透過率を求めた。結果を図2及び表1に示す。
図2には、試料E1の着色部、試料E2の着色部、試料E3の着色部、試料E4の着色部の透過スペクトルを示す。同図は、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に透過率(%)をとった。同図の符号E1は試料E1、符号E2は試料E2、符号E3は試料E3、符号E4は試料E4の透過スペクトルを示す。
上記図2及び表1より知られるごとく、上記試料E2の着色部は、日射透過率が11.53%(着色濃度の評価:◎)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において5.54%以下であり、非常に高い着色効果を得ることができた。
また、上記試料E3の着色部は、日射透過率が8.41%(着色濃度の評価:◎)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において3.19%以下であり、非常に高い着色効果を得ることができた。
また、上記試料E4の着色部は、日射透過率が24.33%(着色濃度の評価:○)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において23.09%以下であり、着色効果を得ることができた。
実施例1〜実施例4より、X線の照射時間が長いほど、濃い着色を施すことができることが分かる。
(実施例5)
本例は、実施例1におけるX線照射条件を変更した例である。
本例では、Rhを線源とするX線を50kV、40mAで60分間照射することにより、着色ガラス(試料E5)を作製した。その他は実施例1と同様に行った。
(実施例6)
本例は、実施例1におけるX線照射条件を変更した例である。
本例では、Rhを線源とするX線を40kV、40mAで60分間照射することにより、着色ガラス(試料E6)を作製した。その他は実施例1と同様に行った。
(実施例7)
本例は、実施例1におけるX線照射条件を変更した例である。
本例では、Rhを線源とするX線を40kV、30mAで60分間照射することにより、着色ガラス(試料E7)を作製した。その他は実施例1と同様に行った。
ここで、上記実施例5〜実施例7において作製した試料E5〜試料E7の着色部について、実施例1と同様の方法で透過スペクトルを測定し、日射透過率を求めた。結果を図3及び表1に示す。
図3は、上記試料E1及び上記試料E5〜試料E7の着色部の透過スペクトルを示す。同図は、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に透過率(%)をとった。同図の符号E1は試料E1、符号E5は試料E5、符号E6は試料E6、符号E7は試料E7の透過スペクトルを示す。
表1及び図3より知られるごとく、上記試料E5の着色部は、日射透過率が19.06%(着色濃度の評価:◎)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において15.31%以下であり、非常に高い着色効果を得ることができた。
また、試料E6の着色部は、日射透過率が25.88%(着色濃度の評価:○)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において25.71%以下であり、着色効果を得ることができた。
また、試料E7の着色部は、日射透過率が29.55%(着色濃度の評価:○)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において31.68%以下であり、着色効果を得ることができた。
実施例5〜実施例7より、X線照射の出力が大きいほど、濃い着色を施すことができることが分かる。
(実験例1)
本例は、上記実施例1〜上記実施例3において作製された着色ガラス(試料E1、試料E2、及び試料E3)を、室温・明所で1ヶ月放置し、同様の方法で透過スペクトルを測定し、色の変化を評価した。
試料E1〜試料E3のいずれも、色の変化はほとんど見られず、透過スペクトルも放置前のものとほぼ同一であった(図示略)。
(実験例2)
本例は、上記実施例1において作製した着色ガラス(試料E1)について、100℃から600℃の範囲で焼成温度を変えて、1時間加熱し消色試験を行った。
そして、波長600nmの光の透過率を測定した。結果を図4に示す。同図は、横軸を加熱温度(℃)とし、縦軸を透過率(%)とした。
図3より、本発明の着色ガラスは、熱処理することにより消色することが可能であることが分かる。
また、600℃で1時間加熱した試料の透過スペクトルは、着色前の結晶化ガラスとほぼ同一のスペクトルを示した。これより、透明、白色ガラスと分別することなくリサイクル可能であることが分かる。
(比較例1)
本例は、本発明の比較例として、実施例1の結晶化ガラスを、結晶化ガラスではない一般的な非晶質のソーダガラス(Na2O−CaO−SiO2系)、ホウケイ酸ガラス(Na2O−B23−SiO2系)、素材ガラス(Li2O−Al23−SiO2系)に変更して着色ガラス(試料C1、試料C2、試料C3)を作製した例である。
それ以外は実施例1と同様にして行った。
上記試料C1〜試料C3の着色部について、実施例1と同様の方法で透過スペクトルを測定し、日射透過率を求めた。結果を図5及び表1に示す。
図5は、上記試料E1及び上記試料C1〜試料C3の着色部の透過スペクトルを示す。同図は、横軸に波長(nm)をとり、縦軸に透過率(%)をとった。同図の符号E1は試料E1、符号C1は試料C1、符号C2は試料C2、符号C3は試料C3の透過スペクトルを示す。
表1及び図5より知られるごとく、上記試料C1の着色部は、日射透過率が37.62%(着色濃度の評価:×)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の上記波長範囲における最大透過率が66.25%であり、十分な着色効果を得ることができなかった。
また、試料C2の着色部は、日射透過率が55.60%(着色濃度の評価:×)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の上記波長範囲における最大透過率が75.61%であり、十分な着色効果を得ることができなかった。
また、試料C3の着色部は、日射透過率が37.87%(着色濃度の評価:×)であり、また、波長360〜830nmの光を透過させた場合の上記波長範囲における最大透過率が49.48%であり、十分な着色効果を得ることができなかった。
これより、結晶化ガラスに着色を行う場合には、非結晶化ガラスに着色を行う場合に比べて透過率を低くすることができ、着色濃度の高い着色ガラスを得ることができることがわかる。
(実施例8)
本例では、図6に示す調理器用ガラストッププレート1を作製した。図6(a)は、調理器用ガラストッププレートの上面図を示し、図6(b)は、図6(a)におけるA−A線矢視図を示す。
図6(b)に示すように、上記調理器用ガラストッププレート1は、着色部23を有する着色ガラス2における調理面21とは反対の面である裏側面22に、裏面装飾層8を形成している。上記裏面装飾層8は、上記裏側面22にパール調層4を積層し、該パール調層4上に遮光層6を積層し、更に該遮光層6上に耐熱樹脂層7を積層することにより形成してある。
図6(a)に示すように、上記調理器用ガラストッププレート1は、調理加熱部5と、黒窓表示部3とを有する。
上記黒窓表示部3は、着色ガラス2の着色部23が位置する部分であり、100℃以下の環境で使用される。
本例の調理器用ガラストッププレート1が実際に調理器に使用される場合には、上記調理加熱部5の下方には、誘導加熱コイル、電気ヒータ、ハロゲンヒータ等の加熱装置が設けられる。また、調理面側に機器の運転状態や警告ランプ等を表示するために、上記黒窓表示部3の下方には機器発光部が設けられる。
上記着色ガラス2のガラス基板としては、実施例1と同様のLi2O−Al23−SiO2系結晶化ガラスを用いた。
上記パール調層4用のペーストとして、パール調材料(シルバーパール メルク株式会社製イリオジン123)、シリコーンレジン、及び有機樹脂(セルロース系樹脂)からなるパール調材料成分13%のパール調絵具を用意した。
また、上記遮光層6用のペーストとして、黒色ラスター絵付け用材料を用意した。
また、上記耐熱樹脂層7用のペーストとして、シリコーンレジンと有機溶剤(キシレン)とからなるペーストを用意した。
次に、製造方法について説明する。
まず、上記ガラス基板の裏側面22となる面の一部(黒窓表示部となる部分以外の部分)に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して、上記パール調層4用のペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が15μmのパール調層4を形成した。
次に、上記パール調層4上に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して、上記遮光層6用のペーストを塗布し、820℃で焼成した。これにより、膜厚が600nmの遮光層6を形成した。
次に、上記遮光層6上に、テトロン200メッシュのスクリーンを使用して、上記耐熱樹脂層7用のペーストを塗布し、350℃で焼成を行った。これにより、膜厚が20μmの耐熱樹脂層7を形成し、裏面装飾層8を形成した。
次に、黒窓表示部3となる部分に、ガラス基板の裏側面22となる面から、Rhを線源とするX線を50kV、50mAで60分間照射し着色部23を形成した。
これにより、X照射により着色された着色部23により構成される黒窓表示部3を有する調理器用ガラストッププレート1を作製した。
また、本例において、黒窓表示部3以外の部分には、パール調層4、遮光層6、耐熱樹脂層7の3層からなる裏面装飾層8を形成したが、裏面装飾層8は公知の様々な層を適用することもできるし、形成しなくてもよい。
また、本例の調理器用ガラストッププレート1をリサイクルする場合には、裏面装飾層8が形成された上記裏側面22を削れば他の透明・白色ガラスと一緒に再処理することができる。
また、本例において、ガラス基板の調理面21には絵付けガラス装飾層は設けていないが、必要に応じて絵付けガラス装飾層を設けることも可能である。
この場合には、鍋等の非加熱物との接触による調理面21の損傷を防止する効果がある。
また、絵付けガラス装飾層を設けた場合にリサイクルする際には調理面21も削ることで、他の透明・白色ガラスと一緒に再処理することができる。
実施例1における、透過スペクトルを示すスペクトル図。 実施例1〜4における、透過スペクトルを示すスペクトル図。 実施例5〜7における、透過スペクトルを示すスペクトル図。 実験例2における、焼成温度と透過率の関係を示すスペクトル図。 比較例1における、透過スペクトルを示すスペクトル図。 実施例8における、調理器用ガラストッププレートを示す説明図。

Claims (2)

  1. 透明又は半透明のガラス基材の少なくとも一部に、X線を照射することにより着色してなる着色部を有する着色ガラスであって、
    該着色ガラスは、調理器用ガラストッププレートであって、該調理器用ガラストッププレートにおける100℃以下の環境で使用される部分に上記着色部を有し、
    上記ガラス基材は、Li 2 O−Al 2 3 −SiO 2 系からなるβ−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする結晶化ガラスよりなり、
    上記着色部は、波長340〜1800nmの光を透過させた場合の日射透過率が30%以下であることを特徴とする着色ガラス。
  2. 請求項1において、上記着色部は、波長360〜830nmの光を透過させた場合の透過率が上記波長範囲全領域において40%以下であることを特徴とする着色ガラス。
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