JP5159388B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
しかし、この技術によれば、効率の良い加熱コイルを自動選択しない場合は、通電する加熱コイルをユーザが手動で選択しなければならず、特に加熱コイルを複数備える場合には、ユーザにとって操作が煩雑である。
これにより、効率の良い加熱コイルの自動選択をしない場合でも、通電する加熱コイルをユーザが手動選択する必要はない。
また、効率の良い加熱コイルの自動選択をするか否かを、操作部の入力のみで切り替えることができるので、ユーザの操作入力を簡易にすることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の構成図である。
本体筐体2は、内部にインバータ3、表示部7、加熱コイル8a〜8tを収納する。
インバータ3は、直流電力を交流に変換し、加熱コイル8a〜8tに高周波電流を供給する。誘導加熱調理器100は、図示しない制御部5を備え、制御部5はインバータ3が有するスイッチング素子を駆動制御する。
操作部6a〜6dは、ユーザが加熱出力の調整を行うためのものである。
表示部7は、液晶表示デバイス等で構成された画面表示装置で、天板1の該当箇所が透過して、表示内容を天板1の上から閲覧できるようになっている。
エコモードスイッチ9は、ユーザが後述の図2で説明する節電モード(以下「エコモード」という。)のON/OFF切り替えを誘導加熱調理器100に指示するためのスイッチである。
また、加熱コイル8a〜8tは、奥行き方向と横方向のそれぞれに、複数個並ぶように配置する。図1の配置例では、奥行き方向に最大4個(加熱コイル8a〜8dなど)、横方向に最大6個(加熱コイル8a、8e、8i、8k、8m、8qなど)の加熱コイルが配置されている。
このコイル径と配置については、これらに限られるものではなく、天板1や本体筐体2のサイズ等に応じて、その他の構成をとることも可能である。また、各加熱コイルが同心円状に多重配置されている構成も可能である。以下の説明では、必要に応じて適宜図1の配置例とは異なる例を用いる。
ユーザがエコモードスイッチ9を押下してエコモードをONにすると、誘導加熱調理器100は、エコモードという動作モードで加熱調理を行う。このエコモードとは、使用効率の良い加熱コイルにのみ通電し、電力使用効率を高めた状態で加熱調理を行う動作状態のことである。
以下、通常モードとエコモードを対比しながら、加熱コイルの通電状態について説明する。
通常モード動作時は、加熱コイルの上方に鍋などの被加熱物が載置されると、加熱コイルの使用効率に関わらず、その加熱コイルは通電される。
エコモード動作時は、加熱コイルの上方に鍋などの被加熱物が載置されても、使用効率の良い加熱コイル以外の加熱コイルは通電されない。
誘導加熱調理器100は、図1で説明した構成の他に、コイル効率検出部11、判定部12、記憶部13を備える。
なお、図3では、加熱コイルの使用効率に関する構成部のみを図示したことを付言しておく。
ここでいう使用効率とは、各加熱コイルが被加熱物に対して発揮し得る加熱出力を発揮できているか否かの目安となる指標であり、例えば0%〜100%の数値で使用効率を表すことができる。また、使用効率とともに、各加熱コイルが使用されているか否かを併せて検出することもできる。
使用効率の検出手法としては、任意の公知技術を用いることができるが、例えば以下の(1)〜(4)のようなものが考えられる。
(2)加熱コイルと被加熱物の磁気結合度に基づき使用効率を算出する。
(3)被加熱物を天板1の上に載置した際のインピーダンス変化を、電流や電圧の変化により検出し、これらの値に基づき加熱コイルが使用されているか否かを検出する。
(4)被加熱物の載置状態を天板1の上方(例えばレンジフード内)からカメラ等で撮影し、各加熱コイルの配置位置と被加熱物の載置位置の重なり度合いを用いて、各加熱コイルの使用効率を算出する。
ここでの使用効率レベルとは、コイル効率検出部11が検出した加熱コイルの使用効率値に基づき、その使用効率の良さを段階で表したものである。例えば、使用効率0%〜19%は使用効率レベル1、20%〜39%は使用効率レベル2、といったように表現することができる。
また、記憶部13には、コイル効率検出部11が直接検出する物理値と、その物理値が表す使用効率値との対応関係データを格納しておき、コイル効率検出部11が各加熱コイルの使用効率を検出する際にこれを用いてもよい。
また、コイル効率検出部11や判定部12は、制御部5とは独立した構成部とすることもできる。
また、「操作部」は、エコモードスイッチ9がこれに相当する。
また、「節電モード」は、エコモード動作がこれに相当する。
次に、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100のエコモード動作について、以下のステップ(1)〜(6)で説明する。
なお、制御部5は、誘導加熱調理器100の動作モードを通常モードに設定しておく。
以後、コイル効率検出部11は、例えば所定時間間隔で同様の使用効率検出を実行し、検出結果が前回と異なる場合のみ、その検出結果を改めて判定部12に出力する。所定時間間隔毎に検出結果を出力するように構成してもよい。
以後、判定部12は、例えば所定時間間隔で同様の判定を実行し、判定結果が前回と異なる場合のみ、その判定結果に基づき以下の処理を行う。所定時間間隔毎に以下の処理を行うように構成してもよい。
(6)制御部5は、判定部12の判定結果を上述のRAM等から取得する。次に、制御部5は、通電している加熱コイルのうち、使用効率レベルが所定値未満のものについて、通電を停止するよう、インバータ3を駆動制御する。
誘導加熱調理器100は、エコモード動作を行っているときは、使用効率の良い加熱コイルのみを通電して使用するため、電力使用効率が高まり、環境負荷を抑えた加熱調理を行うことができる。
本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100では、ユーザがエコモードスイッチ9をOFFにするのみで上述の動作を行うことができるので、ユーザの操作負担を低減することができる。
この場合も、各構成部の動作手順は、上述の説明と同様である。以下の実施の形態についても同様である。
そのため、複数の加熱コイルのうち加熱調理に必要なもののみが通電されるので、不要な電力を消費することなく加熱調理を行うことができる。
また、エコモード動作時は、判定部12は、コイル効率検出部11の検出結果に基づき使用効率が良い加熱コイルを判定し、制御部5は、その加熱コイルにのみ交流電流を供給するようインバータ3を駆動制御する。
これにより、誘導加熱調理器100の電力使用効率が高まり、環境負荷を抑えた加熱調理を行うことができる。
実施の形態1では、エコモードスイッチ9を用いてエコモード動作のON/OFFを切り替え、使用効率と加熱出力のいずれを優先して加熱調理を行うかを容易に切り替えることのできる誘導加熱調理器100の構成と動作を説明した。
本発明の実施の形態2では、エコモード動作時に使用効率を重視する程度を、ユーザが自ら設定することのできる構成を説明する。
本実施の形態2に係る誘導加熱調理器100は、実施の形態1で説明した構成に加えて新たにエコレベル調整部10を備える。その他の構成は実施の形態1と概ね同様であるため、差異点を中心に説明し、その他の説明を省略する。
以下、使用効率を重視する程度と、エコレベル調整部10の設定内容との関係について図4を用いて説明する。
エコレベル調整部10を右にスライドさせると、使用効率を重視することを指定することになるので、使用効率の良い加熱コイルのみが通電される。図4(a)の例では、上面が被加熱物に全て覆われている加熱コイルのみが通電されている。
エコレベル調整部10を中央程度に設定すると、使用効率のあまり良くない加熱コイルでも通電されることになる。図4(b)の例では、上面の3分の2程度以上が被加熱物に覆われている加熱コイルが全て通電されている。
エコレベル調整部10を最左にスライドさせると、使用効率よりも加熱出力を重視する比重を多くすることを指定することになるので、使用効率の悪い加熱コイルも通電される。図4(c)の例では、上面の2分の1程度以上が被加熱物に覆われている加熱コイルが全て通電されている。
(8)ユーザがエコレベル調整部10をスライドさせると、その設定位置に対応した操作信号が、制御部5に出力される。
(9)制御部5は、ステップ(8)で受け取った操作信号に対応して、判定部12が加熱コイルの使用効率レベルを判定する際の判定閾値を更新する。
制御部5は、通電される加熱コイルが少なくなるように、判定閾値を上方修正する。
これにより、判定部12が使用効率レベルを判定する際の閾値が高くなるので、使用効率が良いと判定される加熱コイルの数が少なくなり、使用効率を重視した通電制御が行われる。
制御部5は、通電される加熱コイルが多くなるように、判定閾値を下方修正する。
これにより、判定部12が使用効率レベルを判定する際の閾値が低くなるので、使用効率が良いと判定される加熱コイルの数が多くなり、加熱出力を重視する割合を多くした通電制御が行われる。
図4では、エコモードスイッチ9とは別にエコレベル調整部10を設け、エコモードスイッチ9をONにした上で、エコレベル調整部10を操作する例を説明した。
これとは別に、エコレベル調整部10のみで、エコモードのON/OFFを設定できるように構成することもできる。
例えば、図5(d)のようにエコレベル調整部10を最左にスライドさせるとエコモードOFFとなるように構成することが考えられる。
これにより、使用効率と加熱出力のいずれを重視するかの比重をより詳細に設定することができ、実際の加熱調理の環境などを加熱調理に反映し易くなるので、ユーザにとっての利便性が高まる。
実施の形態1〜2では、コイル効率検出部11の検出結果に基づき通電する加熱コイルを定める構成を説明した。
一方、例えば被加熱物の形状が特殊であったり、あるいは大きさが小さかったりする場合には、加熱コイルを効率的に使用できないことが初めから明らかであるので、使用効率の良い加熱コイルのみ通電すると、適切な加熱をすることができない可能性がある。
そこで、本発明の実施の形態3では、被加熱物の形状や大きさによって使用効率の判定を行うか否かを分ける構成について説明する。
図6(a)の左側の部分は、被加熱物が楕円形である例を示している。被加熱物が楕円形である場合は、円形の加熱コイルの上面が被加熱物の底面からはみ出す部分が生じやすくなる。
このような被加熱物を載置する場合は、加熱コイルを完全に効率良く使用することは困難であることが初めから明らかであり、エコモードを厳密に適用すると加熱コイルの通電が行われず調理ができなくなる。したがって、使用効率に基づき加熱コイルの通電/非通電を制御することは適切でない。
この場合も、図6(a)と同様に、使用効率に基づき加熱コイルの通電/非通電を制御することは適切でない。
図7において、実施の形態1の図3で説明した構成に加え、新たに形状検出部15を設けた。その他については実施の形態1〜2と概ね同様であるため、差異点の説明を中心に行い、それ以外の説明を省略する。
判定部12は、形状検出部15より被加熱物の画像データを受け取り、特徴点の抽出やサイズ判定など、記憶部13が格納している形状データと同様の手法により、被加熱物の形状や大きさを判定する。
合致する形状データが存在すれば、その被加熱物に関しては、エコモードのON/OFFを問わず使用効率レベルの判定を中止し、使用効率に基づく通電/非通電の制御を行わないようにする。
合致する形状データがなければ実施の形態1〜2と同様の動作を行う。
(2)使用効率の判定を行わない被加熱物の形状や大きさを規定のリストの中からユーザに選択させる。
(3)使用効率の判定を行わない被加熱物の寸法をユーザに数値入力させる。
これにより、加熱コイルが不適切に非通電にされてしまうことがなく、ユーザの使用感を損なうことがないという効果がある。
Claims (5)
- 被加熱物を加熱する複数の加熱コイルと、
前記加熱コイルに交流電流を供給するインバータと、
前記インバータを駆動制御する制御部と、
前記加熱コイルの上方に被加熱物が載置されたことを検出する負荷検出部と、
前記インバータを所定の節電モードで動作させるべき旨の操作入力を受け付けて前記制御部にその旨の操作信号を出力する操作部と、
各前記加熱コイルの使用効率を検出するコイル効率検出部と、
前記コイル効率検出部の検出結果と所定の判定閾値に基づき前記加熱コイル毎の使用効率レベルを判定して判定結果を前記制御部に出力する判定部と、
を備え、
前記負荷検出部は、
前記加熱コイルの上方に被加熱物が載置されたことを前記加熱コイル毎に検出し、
前記操作部は、
前記インバータを前記節電モードで動作させる際の節電レベルを指定する操作入力を受け付けてその節電レベルに対応した操作信号を出力し、
前記制御部は、
(a)上方に被加熱物が載置されたことを前記負荷検出部が検出した前記加熱コイルに交流電流を供給するよう前記インバータを制御するとともに、それ以外の前記加熱コイルには交流電流を供給しないよう前記インバータを制御し、
(b)前記操作部から前記操作信号を受け取り、前記節電モードで前記インバータを動作させる場合において、
交流電流が供給されている前記加熱コイルのうち使用効率レベルが所定値未満の前記加熱コイルがある旨の判定結果を前記判定部より受け取ると、前記使用効率レベルが所定値未満の前記加熱コイルに交流電流を供給しないように前記インバータを駆動制御し、
前記操作部より前記節電レベルを指定する操作信号を受け取ると、前記所定の判定閾値を当該操作信号が表す節電レベルに対応して可変させる
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 被加熱物を加熱する複数の加熱コイルと、
前記加熱コイルに交流電流を供給するインバータと、
前記インバータを駆動制御する制御部と、
前記加熱コイルの上方に被加熱物が載置されたことを検出する負荷検出部と、
前記インバータを所定の節電モードで動作させるべき旨の操作入力を受け付けて前記制御部にその旨の操作信号を出力する操作部と、
各前記加熱コイルの使用効率を検出するコイル効率検出部と、
前記コイル効率検出部の検出結果と所定の判定閾値に基づき前記加熱コイル毎の使用効率レベルを判定して判定結果を前記制御部に出力する判定部と、
前記被加熱物の形状または大きさの少なくとも一方を検出する形状検出手段と、
を備え、
前記負荷検出部は、
前記加熱コイルの上方に被加熱物が載置されたことを前記加熱コイル毎に検出し、
前記判定部は、
前記形状検出手段が検出した前記被加熱物の形状が所定形状であるか、または、前記形状検出手段が検出した前記被加熱物の大きさが所定値以下である場合は、前記加熱コイルの使用効率レベルの判定結果を出力せず、
前記制御部は、
(a)上方に被加熱物が載置されたことを前記負荷検出部が検出した前記加熱コイルに交流電流を供給するよう前記インバータを制御するとともに、それ以外の前記加熱コイルには交流電流を供給しないよう前記インバータを制御し、
(b)前記操作部から前記操作信号を受け取り、前記節電モードで前記インバータを動作させる場合において、
交流電流が供給されている前記加熱コイルのうち使用効率レベルが所定値未満の前記加熱コイルがある旨の判定結果を前記判定部より受け取ると、前記使用効率レベルが所定値未満の前記加熱コイルに交流電流を供給しないように前記インバータを駆動制御し、
使用効率レベルの判定結果を前記判定部より出力されないと、前記節電モードであるか否かを問わず、使用効率レベルの判定を中止し、使用効率に基づいて前記インバータの駆動制御を行わないようにする
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記被加熱物の形状または大きさの少なくとも一方を検出する形状検出手段を備え、
前記判定部は、
前記形状検出手段が検出した前記被加熱物の形状が所定形状であるか、
または、
前記形状検出手段が検出した前記被加熱物の大きさが所定値以下である場合は、
前記加熱コイルの使用効率レベルの判定結果を出力しない
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。 - 前記判定部が前記加熱コイルの使用効率レベルの判定結果を出力しない前記被加熱物の形状または大きさを指定入力する第2操作部を備え、
前記判定部は、
前記第2操作部より前記加熱コイルの使用効率レベルの判定結果を出力しない旨の指定入力があった形状または大きさを有する前記被加熱物については、
前記加熱コイルの使用効率レベルの判定結果を出力しない
ことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。 - 各前記加熱コイルを近接配置し、
各前記加熱コイルにより被加熱物を加熱することができる領域を相互に連結した
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
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