JP5158996B2 - 野菜類の皮剥ぎ処理機 - Google Patents

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Description

本発明は、長葱、葉葱、にらなどの野菜類の表皮に付着した古い皮や土などの付着物を除去するための皮剥ぎ処理機に関する。
長葱の表皮に圧縮空気を吹き付けて付着物を除去する場合には、表皮の広範囲に圧縮空気を吹き付けることで、作業時間を短くすることが望ましい。
そこで、皮剥ぎ処理機としては、長葱が配置される皮剥ぎ処理位置の左右に立設された左右のノズルと、皮剥ぎ処理位置の上下に設けられた上下のノズルとを備え、四つのノズルから表皮に圧縮空気を吹き付けているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第2592339号公報
前記した従来の皮剥ぎ処理機では、ノズルから直線状に圧縮空気が噴出されており、一つのノズルの吹き付け範囲が狭いため、多数のノズルを用いて表皮に圧縮空気を吹き付けている。したがって、従来の皮剥ぎ処理機では、皮剥ぎ処理に使用される圧縮空気の流量が多くなるため、エネルギ効率が低いという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、圧縮空気の流量が少なくても短時間に野菜類の付着物を除去することができ、さらに、外気温が低い場合でも表皮の広範囲に圧縮空気を吹き付けることができる皮剥ぎ処理機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ノズルから野菜類の表皮に圧縮空気を吹き付けて、野菜類から付着物を除去する皮剥ぎ処理機であって、前記ノズルは、圧縮空気の供給路が形成された支持部と、後端部が前記支持部に取り付けられた筒状のノズルカバーと、前記ノズルカバー内に挿通され、後端部が前記支持部の供給路に連結されたチューブと、を備え、前記チューブは弾性部材によって形成され、前記チューブの前端部から圧縮空気を噴出させることで、前記チューブの前端部が前記ノズルカバーの内周面に沿って移動するように構成され、さらに、前記チューブを加熱する加熱装置が設けられている。
この構成では、チューブの前端部を回転移動または往復移動させながら、表皮に圧縮空気を吹き付けるため、一つのノズルの吹き付け範囲を広げることができる。したがって、皮剥ぎ処理に必要なノズルの本数を低減することができる。
また、チューブの前端部を回転移動または往復移動させることで、圧縮空気が表皮の一部に集中しないため、圧縮空気の吹き付け力を大きくしても表皮が損傷し難い。
なお、作業スペースの気温が低下し、チューブが低温で硬くなると、チューブが回転移動または往復移動し難くなる。本発明では、加熱装置によってチューブを暖めることができるため、気温が低下した場合でも、チューブの柔軟性を保つことができる。
また、チューブをウレタンゴムによって形成した場合には、ウレタンゴムは柔軟性に優れているため、チューブの全長を短く、外径および内径を大きくしても、チューブの前端部をスムーズに回転移動または往復移動させることができる。したがって、ノズルを小型化するとともに、圧縮空気の吹き付け力を大きくすることができる。また、ウレタンゴムは靭性に優れているため、チューブの耐久性を高めることができる。
前記した皮剥ぎ処理機において、前記加熱装置が、送風を前記ノズルカバー内に送り込むための通風管を備えている場合には、ノズルカバー内に強制的に送風が送り込まれることで、ノズルカバー内に前端開口部に向けて気流が生じるため、ノズルカバー内に塵が吸い込まれるのを防ぐことができる。
さらに、前記加熱装置が、送風機と、前記送風機で発生させた送風を加熱するヒーターと、を備え、前記送風機で発生させた送風を、前記通風管を通じて前記ノズルカバー内に送り込むように構成してもよい。
この構成では、作業スペースの気温が高く、チューブを暖める必要がない場合には、ヒーターを作動させずに、送風機で発生させた送風をノズルカバー内に供給することができる。
本発明の皮剥ぎ処理機では、圧縮空気の流量が少なくても短時間に野菜類の付着物を除去することができ、皮剥ぎ処理のエネルギ効率を高めることができる。
また、チューブを暖めて柔軟性を保つことができるため、チューブをスムーズに回転移動または往復移動させることができる。
また、ノズルカバー内に強制的に送風が送り込まれるように構成した場合には、ノズルカバー内に塵が吸い込まれるのを防ぐことができる。
第一実施形態の皮剥ぎ処理機を示した全体構成図である。 第一実施形態のノズルを示した側断面図である。 第一実施形態のチューブを示した図で、(a)は側断面図、(b)は嵌合プラグとチューブの分解斜視図、(c)はチューブの取付構造を示した側断面図である。 第一実施形態のノズルから圧縮空気を噴出させた態様を示した図で、(a)は側断面図、(b)は正面図である。 第二実施形態のノズルを示した斜視図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。また、以下の説明では、圧縮空気の噴出側をノズルの前側としている。
<第一実施形態>
第一実施形態の皮剥ぎ処理機1は、図1に示すように、長葱Nの表皮に二つのノズル30,30から圧縮空気を吹き付けて、表皮に付着した古い皮や土などの付着物を除去するものである。
皮剥ぎ処理機1は、前後方向に延ばされた筒状のダクト10と、ダクト10の後端開口部11に取り付けられたノズル支持板20と、ノズル支持板20の上面に立設された二つのノズル30,30と、加熱装置40と、を主に備えている。また、ダクト10の下方にはノズル30,30に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置(図示せず)が設けられている。
ダクト10は、底板および左右側板が形成され、前後の端部が開口している容器であり、上部の開口部10aから長葱Nの根部を入れることができる。
ノズル支持板20は、ダクト10の後端開口部11の下縁部に水平に取り付けられている。
ノズル支持板20の後部には、左右二つの取付孔21,21が形成されている。取付孔21は、左右方向に延ばされた長孔であり、ノズル30が取り付けられる部位である。左右の取付孔21,21の間は、長葱Nの葉部が配置される領域となっている。
ノズル支持板20において、二つの取付孔21,21の前方には、円形の挿通孔22,22が形成されている。この挿通孔22は後記する通風管43が挿通される部位である。
二つのノズル30,30は、左右の取付孔21,21に取り付けられることで、左右方向に間隔を空けてノズル支持板20に立設されている。
なお、左右のノズル30,30は同じ構成であるため、以下の説明では、一方のノズル30について詳細に説明する。
ノズル30は、下端部がノズル支持板20の取付孔21に取り付けられる支持部31と、支持部31の外周に取り付けられた円筒状のノズルカバー32と、ノズルカバー32内に挿通された円筒状のチューブ33と、を備えている。
支持部31は、下端部が取付孔21にボルトによって取り付けられている。支持部31の上端部の外周面には、円形断面の取付部31aが水平方向に突設されている。図3(b)に示すように、取付部31aの前端面には、後記するチューブ33の後端部33bが外嵌される嵌合プラグ31bが突設されている。
図1に示すように、取付孔21は左右方向に延ばされた長孔であるため、支持部31の取り付け位置を、取付孔21内で左右方向に調整することができる。また、支持部31を上下の軸回りに回動させることで、嵌合プラグ31bの向きを調整することができる。
支持部31内には、図2に示すように、圧縮空気が通過する供給路34が形成されている。この供給路34は、支持部31の下端部から取付部31a内を通過して、嵌合プラグ31bの前端部に開口している。
供給路34において、支持部31の下端側の端部には、圧縮空気供給装置(図示せず)から延ばされた供給ホース(図示せず)が連結されている。そして、圧縮空気供給装置から供給路34に供給された圧縮空気が、嵌合プラグ31bの前端部から噴出するように構成されている。
ノズルカバー32は、金属製の円筒状の部材であり、後端部32bが支持部31の取付部31aに外嵌されることで、支持部31の外周面から水平方向に突出している。また、前端部32aはテーパ状に拡径されている(図1参照)。
この実施形態では、ノズルカバー32の耐摩耗性を考慮して、ノズルカバー32を金属材料で形成しているが、耐摩耗性に優れた硬質な樹脂材料を用いてもよい。
ノズルカバー32の後部において、取付部31aよりも前方となる位置には、円筒状の連結部32dが下方に突出している。連結部32dには、下端部からノズルカバー32の内周面に貫通した連通孔32eが形成されている。
チューブ33は、ノズルカバー32内の中心位置に挿通されており、柔軟性および靭性に優れたウレタンゴムによって形成されている。チューブ33の後端部33bは、嵌合プラグ31bに外嵌され、前端部33aはノズルカバー32の前端開口部32cから前方に突出している。
図3(a)に示すように、チューブ33の内径は、前端部33aから後端部33bに亘って均等に形成され、チューブ33の外径は、前端部33aよりも後端部33bの方が大きく形成されている。すなわち、チューブ33の前端部33aの肉厚よりも後端部33bの肉厚の方が大きくなっている。チューブ33の外径は、前端部33aから後端部33bに向かうに連れてテーパ状に拡径されている。
例えば、第一実施形態のチューブ33は、全長が90mm、内径が3mm、前端部33aの外径が6mm、後端部33bの外径が7mmとなっている。
ウレタンゴムは、ポリウレタン樹脂であり、ポリエーテル系とポリエステル系とが存在しているが、チューブ33としては、機械的性質や加工性を考慮して、ポリエステル系のエステル系ウレタンゴムを用いることが好ましい。
また、チューブ33は、ウレタンゴムの硬度を50度に設定することで、耐久性を高めるとともに、圧縮空気の空気圧の低圧域から高圧域まで安定して回転移動させることができる。例えば、圧縮空気の空気圧が0.2〜0.6MPa程度の範囲でチューブ33を安定して回転移動させることができる。このように、圧縮空気の空気圧の範囲が広いため、皮剥ぎ処理に適した空気圧を選択することができる。
チューブ33の後端部33bは、図3(c)に示すように、嵌合プラグ31bに外嵌され、嵌合プラグ31bの外周面の周方向に形成された凹溝31cに対応する位置で、チューブ33の外周に結束バンド33cが締め付けられている。これにより、凹溝31cにチューブ33の一部が入り込んだ状態となり、チューブ33の後端部33bが嵌合プラグ31bに対して強固に取り付けられている。
図2に示すように、チューブ33において中間部よりも前端部33a側には、円筒状のカラー33dが外嵌されている。
カラー33dは、耐摩耗性に優れた硬質な樹脂材料によって形成されている。カラー33dは、後記するようにチューブ33がノズルカバー32内で回転移動したときに(図4(a)参照)、ノズルカバー32の内周面上を摺動することで、チューブ33とノズルカバー32とが直接接触するのを防ぐものである。
この実施形態では、チューブ33に三つのカラー33dが設けられているが、カラー33dの個数やその取り付け位置は限定されるものではない。
加熱装置40は、図1に示すように、ダクト10の下方に配置されており、送風機41と、送風機41で発生させた送風を加熱するヒーター42と、送風機41で発生させた送風をノズルカバー32内に送り込むための通風管43と、を備えている。
ヒーター42は、直方体の通風箱42aと、通風箱42aの内部空間に収容された電熱線(図示せず)と、を備えている。
ヒーター42は、電熱線に通電して発熱させることで、通風箱42a内の空気を加熱することができる。電熱線への通電は、通風箱42aの外面に設けられたスイッチを操作することでON・OFFすることができる。
ヒーター42には、通風箱42a内の温度を安定させるとともに、消費電力を低減するためにサーモスタットが設けられている。
通風箱42aの内面には不燃保温材が貼り付けられており、通風箱42a内の保温効果を高めることで、ヒーター42の消費電力が低減されている。
送風機41は、内部で羽根を回転させることで、排気口41aから送風を排出する公知の装置である。送風機41は、通風箱42aの側面に取り付けられており、排気口41aが通風箱42aの内部空間の下部に通じている。
通風管43は、断熱性に優れるとともに、柔軟性を有するホースである。通風管43には、各ノズル30,30の連結部32d,32d(図2参照)に外嵌されることで、ノズルカバー32,32に通じている二つの開口端部と、通風箱42aの内部空間の上部に通じている開口端部と、が形成されている。この通風管43によって、通風箱42aの内部空間と、各ノズル30,30のノズルカバー32,32内とが連通している。
加熱装置40では、送風機41の排気口41aから通風箱42aの内部空間に送風が送り込まれると、送風は通風箱42a内を通過して通風管43に送り込まれる。さらに、図2に示すように、送風は通風管43から連結部32dの連通孔32eを通じて、ノズルカバー32内に送り込まれる。
このとき、ヒーター42の電熱線(図示せず)を発熱させた場合には、送風が通風箱42a内を通過するときに暖められ、ノズルカバー32内に温風が送り込まれる。
例えば、第一実施形態では、容量が200Wのヒーター42を用いて、外気温が5℃の場合に、ノズルカバー32内が40℃程度になるように設定されている。なお、通風箱42a内の保温効果が高いため、前記した設定温度を保つための消費電力は単位時間当たり0.1kWとなっている。
次に、皮剥ぎ処理機1を用いた長葱Nの皮剥ぎ処理について説明する。
まず、図1に示すように、チューブ33の前端部33aから、左右幅方向の中央寄りに斜め後方に向けて圧縮空気が噴出されるように、ノズルカバー32の向きを設定する。
二つのノズル30,30の間に長葱Nの葉部を配置し、根部をダクト10内に入れると、ダクト10の周囲に設けられたセンサ(図示せず)によって長葱Nや作業者の手が検出され、圧縮空気供給装置(図示せず)から支持部31に圧縮空気が送り込まれる。そして、チューブ33の前端部33aから表皮に向けて圧縮空気が噴出される。
図4(a)および(b)に示すように、チューブ33の前端部33aから圧縮空気が噴出されると、チューブ33が湾曲し、チューブ33の前端部33aがノズルカバー32の前端開口部32cの内周面に沿って回転移動する。
なお、第一実施形態のノズル30において、約0.3〜0.4MPaで圧縮空気を噴出させた場合には、チューブ33は毎分約4000回転で回転移動する。
このように、図1に示す皮剥ぎ処理機1では、チューブ33の前端部33aが回転移動することで、圧縮空気は螺旋状に広がりながらノズル30の前方に噴出され、表皮に吹き付けられる。そのため、一つのノズル30の吹き付け範囲を広げることができ、皮剥ぎ処理に必要なノズル30の本数を低減することができる。
また、チューブ33の前端部33aが回転移動することで、圧縮空気が表皮の一部に集中しないため、圧縮空気の吹き付け力を大きくしても、表皮が損傷し難くなっている。
したがって、皮剥ぎ処理機1では、圧縮空気の流量が少なくても短時間に長葱Nの付着物を除去することができ、皮剥ぎ処理のエネルギ効率を高めることができる。例えば、従来の皮剥ぎ処理機で使用される圧縮空気の流量に対して、約30%の流量で処理することができる。
また、チューブ33はウレタンゴムによって形成されており、ウレタンゴムは柔軟性に優れているため、チューブ33の全長が短く、外径および内径が大きくても、チューブ33の前端部33aをスムーズに回転移動させることができる。したがって、ノズル30を小型化するとともに、圧縮空気の吹き付け力を大きくすることができる。また、ウレタンゴムは靭性に優れているため、チューブ33の耐久性を高めることができる。
また、図4(a)に示すように、チューブ33の前端部33aを回転移動させたときには、チューブ33の後端部33bが湾曲して、後端部33bに係る負荷が大きくなるが、後端部33bの肉厚が前端部33aの肉厚よりも大きく、後端部33bの靭性が大きいため、チューブ33の耐久性を高めることができる。
また、チューブ33の外径は、前端部33aから後端部33bに向かうに連れてテーパ状に拡径され、チューブ33の外周面には段部が形成されておらず、チューブ33が湾曲し易くなっているため、チューブ33をスムーズに回転移動させることができる。
ここで、チューブ33を形成しているウレタンゴムは、低温で硬くなる性質がある。具体的には、チューブ33の温度が10℃以下に低下すると、チューブ33がスムーズに回転移動し難くなる。
そこで、作業スペースの気温が低下した場合には、図1に示すヒーター42を作動させ、送風機41で発生させた送風をヒーター42で加熱して、ノズルカバー32内に温風を供給する。このようにして、チューブ33を暖めることで柔軟性を保つことができる。
なお、作業スペースの気温が高く、チューブ33を暖める必要がない場合には、ヒーター42を作動させずに、送風機41で発生させた送風をノズルカバー32内に供給することができる。
図4(a)に示すように、ノズルカバー32内に強制的に送風が送り込まれることで、ノズルカバー32内には後部から前端開口部32cに向けて気流が生じるため、前端開口部32cからノズルカバー32内に塵が吸い込まれるのを防ぐことができる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態では、図1に示すように、左右二つのノズル30,30を設けているが、ノズル30の数や配置は限定されるものではなく、例えば、ダクトの上面に開閉式の蓋部を設け、この蓋部の内面にノズルを設けることで、左右のノズルに加えて、上側のノズルからも表皮に圧縮空気を吹き付けてもよい。
また、チューブ33はウレタンゴムによって形成されているが、各種の弾性部材を用いて形成することもできる。
また、第一実施形態の加熱装置40では、ノズルカバー32内に温風を送り込むように構成されているが、加熱装置の構成は限定されるものではない。例えば、支持部31の供給路34に送り込まれる圧縮空気を暖めることで、チューブ33を内部から暖めてもよい。また、ノズルカバー32の外面をヒーターによって暖めることで、ノズルカバー32内のチューブ33を暖めてもよい。
また、支持部31に対するノズルカバー32の周方向の取り付け角度を変更自在に構成してもよい。例えば、ノズルカバー32の孔部に挿通させたボルトを、支持部31の取付部31aのねじ穴に螺合させることで、ノズルカバー32を支持部31に取り付ける場合には、ノズルカバー32の周方向に複数の孔部を形成することで、ノズルカバー32の周方向の取り付け角度を変更することができる。
この構成では、ノズルカバー32の開口縁部の一部が長葱Nとの接触により磨り減った場合に、ノズルカバー32を周方向に回動させることで、磨り減った部位に長葱Nが更に接触するのを防ぐことができ、ノズルカバー32の耐用期間を長くすることができる。
また、第一実施形態では、長葱を皮剥ぎ処理の対象としているが、同様な皮剥ぎ処理機によって、葉葱、にら、玉葱など各種の野菜類の皮剥ぎ処理を行うことができる。
<第二実施形態>
第二実施形態の皮剥ぎ処理機は、前記した第一実施形態の皮剥ぎ処理機1(図1参照)と略同様の構成であり、図5に示すように、ノズルカバー35の形状が異なっている。
第二実施形態のノズル30Aのノズルカバー35は、前端開口部35cがノズルカバー35の長手方向に対して垂直方向(上下方向)に延ばされた長孔形状に形成されている。すなわち、前端部35aの断面形状は、左右側部が平坦に形成され、上部および下部は半円形状に形成された長孔形状となっている。なお、後端部35bは円筒状に形成されている。
ノズル30Aでは、チューブ33の前端部33aから圧縮空気を噴出させると、チューブ33がノズルカバー35内で湾曲し、チューブ33の前端部33aがノズルカバー35の前端開口部35cに沿って上下方向に往復移動する。
このノズル30Aを用いた皮剥ぎ処理機では、チューブ33が往復移動しながら表皮に圧縮空気を吹き付けるため、ノズル30Aの吹き付け範囲を広げるとともに、表皮が損傷し難くなっている。したがって、圧縮空気の流量が少なくても短時間に長葱の付着物を除去することができ、皮剥ぎ処理のエネルギ効率を高めることができる。
また、チューブ33の前端部33aが直線状に往復移動するため、圧縮空気を表皮に対して的確に吹き付けることができ、圧縮空気の無駄を低減することができる。
また、ノズル30Aでは、ノズルカバー35の前端開口部35cは長孔形状に形成し、ノズルカバー35の後端部35bは円筒状に形成することで、チューブ33の後端部33bが湾曲するときの自由度が大きくなっている。そのため、チューブ33の後端部33bに係る負荷を低減することができ、チューブ33の前端部33aをスムーズに往復移動させるとともに、チューブ33の耐久性を高めることができる。
また、第二実施形態の皮剥ぎ処理機では、加熱装置40からノズルカバー35内に温風を供給することで、チューブ33を暖めて柔軟性を保つことができる。また、ノズルカバー35内に強制的に送風が送り込まれることで、ノズルカバー35内に気流が生じるため、ノズルカバー35内に塵が吸い込まれるのを防ぐことができる。なお、第二実施形態においても、加熱装置の構成は限定されるものではない。
なお、第二実施形態のノズル30Aでは、ノズルカバー35の後端部34bは円筒状に形成されているが、ノズルカバー35全体の断面形状を長孔形状に形成してもよい。
1 皮剥ぎ処理機
10 ダクト
20 ノズル支持板
30 ノズル(第一実施形態)
30A ノズル(第二実施形態)
31 支持部
31a 取付部
31b 嵌合プラグ
32 ノズルカバー(第一実施形態)
32d 連結部
33 チューブ
34 供給路
35 ノズルカバー(第二実施形態)
40 加熱装置
41 送風機
41a 排気口
42 ヒーター
42a 通風箱
43 通風管
N 長葱

Claims (3)

  1. ノズルから野菜類の表皮に圧縮空気を吹き付けて、野菜類から付着物を除去する皮剥ぎ処理機であって、
    前記ノズルは、
    圧縮空気の供給路が形成された支持部と、
    後端部が前記支持部に取り付けられた筒状のノズルカバーと、
    前記ノズルカバー内に挿通され、後端部が前記支持部の供給路に連結されたチューブと、を備え、
    前記チューブは弾性部材によって形成され、
    前記チューブの前端部から圧縮空気を噴出させることで、前記チューブの前端部が前記ノズルカバーの内周面に沿って移動するように構成され、
    前記チューブを加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする野菜類の皮剥ぎ処理機。
  2. 前記加熱装置は、送風を前記ノズルカバー内に送り込むための通風管を備えていることを特徴とする請求項1に記載の野菜類の皮剥ぎ処理機。
  3. 前記加熱装置は、
    送風機と、
    前記送風機で発生させた送風を加熱するヒーターと、を備え、
    前記送風機で発生させた送風を、前記通風管を通じて前記ノズルカバー内に送り込むように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の野菜類の皮剥ぎ処理機。
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