JP5158786B2 - 血圧測定装置およびその制御方法 - Google Patents

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本発明は、測定部位にカフを装着し、カフ圧を変化させたときに検出される圧脈波の変化に基づいて血圧を測定する技術に関するものであり、特に、収縮期血圧の変動の程度を推定する技術に関するものである。
高血圧症の治療において血圧測定は非常に重要である。WHO/ISHの高血圧治療ガイドラインによれば血圧分類の血圧値の最小単位が5mmHgにて高血圧症の程度が分けられ、きめ細かい治療が要求されている。一方、血圧は病的な理由以外に、活動量、会話、精神的な不安、緊張、あせり、おどろき、我慢、飲酒、喫煙、寒さなどさまざまな原因で大きく変化する性質を有している。
現在広く知られている白衣性高血圧も、医師、看護士の前で不安緊張による交感神経の興奮により病因とは関係なく血圧が上昇する現象である。また、診療室まで急いできた直後など運動によっても大きく血圧を上昇させることになる。現在これらの血圧変動に対処するためには、24時間携帯して血圧を30分または60分間隔で測定記録する血圧計(ABPM:Ambulatory Blood Pressure Monitoring)を利用する(例えば、特許文献1)。または、家庭用血圧計を購入してもらい家庭で血圧を計ってきてもらうなどの診療室以外の場所、時間で血圧の測定を行い診療室で計った血圧と比べるなどの対応を行っている。しかし、これらは時間と手間がかかる方法であるため、通常の診療においては、たとえば待合室に設置させた血圧計にて一度計った値、または、診療室にて診療時に1回計った値にて血圧を判断している。
また、血圧変動には1年間、1カ月間、24時間など個々人の生活行動パターンに基づいた変動があり、近年、寝ているときの血圧と起きて活動しているときの血圧、または、朝起きたときの血圧との差が臓器障害発生のリスク判断に使用できる研究もなされている。そして、これらの血圧変動を観察し治療する例もみられるが、これらは特殊な高血圧症例についての調査である。通常の血圧測定において大きな影響要因は緊張に関係した血圧変動である。
特開平11−47103号公報
しかしながら、従来の血圧測定装置においては、測定した血圧値を表示するだけであり、緊張あるいはその他の理由で血圧が変動しているかどうかまでは分からない。そのため、正確な血圧の測定には時間をあけて複数回計測を繰り返す必要があり患者への負担が大きいという問題点があった。また、上述のABPMを使用する場合には治療費とは別に経費がかかると共に、診断までに時間を要し、迅速な治療が行えない場合があった。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、導出された個々の測定値の信頼性を判断可能な情報をユーザに提供することを目的とする。特に、被測定者の緊張あるいはその他の理由による血圧変動の程度に関する情報をユーザに提供することを目的とする。
上述の問題点を解決するために、本発明の血圧測定装置は以下の構成を備える。すなわち、血圧測定装置において、血圧測定部位を圧迫するためのカフと、前記カフ内を加圧または減圧する圧力制御手段と、前記カフ内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力制御手段により前記カフを加圧または減圧する過程において、前記圧力センサにより検出されるカフ内の圧力に重畳した脈波信号の時系列データを抽出する脈波信号抽出手段と、抽出された脈波信号の時系列データのうち、少なくともカフ圧力が収縮期血圧値より大きい期間のデータに含まれる複数の1周期脈波信号の変化に基づいて、脈波振幅と血管内外圧差との関係式を導出する関係式導出手段と、抽出された脈波信号における脈波振幅と前記関係式に基づいて導出される脈波振幅との差分に相当する圧力値に基づいて血圧変動量を導出する変動量導出手段と、を備えることを特徴とする。
上述の問題点を解決するために、本発明の血圧測定装置の制御方法は以下の構成を備える。すなわち、血圧測定部位を圧迫するためのカフと、前記カフ内を加圧または減圧する圧力制御手段と、前記カフ内の圧力を検出する圧力センサと、を備える血圧測定装置の制御方法であって、前記圧力制御手段により前記カフを加圧または減圧する過程において、前記圧力センサにより検出されるカフ内の圧力に重畳した脈波信号の時系列データを抽出する脈波信号抽出工程と、抽出された脈波信号の時系列データのうち、少なくともカフ圧力が収縮期血圧値より大きい期間のデータに含まれる複数の1周期脈波信号の変化に基づいて、脈波振幅と血管内外圧差との関係式を導出する関係式導出工程と、抽出された脈波信号における脈波振幅と前記関係式に基づいて導出される脈波振幅との差分に相当する圧力値に基づいて血圧変動量を導出する変動量導出工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、血圧測定装置により導出された個々の測定値の信頼性が判断可能な情報をユーザに提供することが出来る。特に、被測定者の緊張あるいはその他の理由による血圧変動の程度に関する情報をユーザに提供することが可能となる。
本発明の血圧測定装置を、好適な実施形態に基づいて図面を参照して説明する。なお、ここでは、トリプルカフ法を用いた血圧測定装置を例について説明する。
<概要>
人間は緊張している場合、例えば呼吸に同期した血圧変動が発生する。そのため、呼吸が影響する周波数(0.15〜0.5Hz)の血圧変化に基づいて、緊張の程度を判定可能とする情報を測定者に提供する。
<装置構成>
図4は、第1実施形態に係る血圧測定装置を示すブロック図である。カフ本体201は、上腕部を含む血圧測定部位に対して着脱自在に設けられる布製のカフ部材202を備えており、このカフ部材202の測定部位接触側の端部に破線で図示した雄(フック型)面ファスナー203を設け、また、測定部位接触側と反対の面の阻血用空気袋と同じ位置と面積の雌(ループ型)面ファスナー204を設けている。このカフ部材202を図示のように上腕に巻き付け、各面ファスナーを係止することで、カフ本体201の着脱ができるように構成されている。ここで、面ファスナーは一例に過ぎず、これ以外の部材でもよく、また筒状に形成しておき上腕を挿入する方式にカフ本体を設ける構成であっても良い。
このカフ部材202の内部には、血圧測定部位の全体を圧迫するための破線図示の阻血用空気袋208が敷設されている。また、この阻血用空気袋208の血圧測定部位に接する側には血圧測定部位の心臓H側を圧迫するために幅がより狭く形成された破線図示のサブ空気袋207が敷設されている。サブ空気袋207と阻血用空気袋208との間にはサブ空気袋207の振動を減衰する第1緩衝部材209が設けられている。
また、この阻血用空気袋208の血圧測定部位の接する側のほぼ中央部に敷設されて血圧測定部位の血管の中央部やや下流側を圧迫し、かつ中央部やや下流側の脈波を検出する破線図示の脈波検出用空気袋205が敷設されてカフ本体201を構成している。
このカフ本体201を加圧及び減圧するために、カフ本体201の阻血用空気袋208とは第2配管212と配管215により、また、カフ本体201の脈波検出用空気袋205とは第1配管211と流体抵抗器214を介して、また、カフ本体201のサブ空気袋207とは第3配管213と開閉弁216を介して、加減圧手段であるポンプ223が接続されている。また脈波検出用空気袋205の圧力変化からカフ圧信号を得るためのカフ圧力検出手段である圧力センサ231は脈波検出用空気袋205との間で第1配管211を介して接続されている。また、サブ空気袋207には第3配管213が接続されている。
第1配管211、第2配管212、第3配管213は軟質チューブからなり、コネクタ210を介して本体230から着脱自在に設けられている。
十字分岐部220にはポンプ223と急速排気弁兼定速排気弁222が接続されている。急速排気弁兼定速排気弁222は制御部248に、開閉弁216は制御部246に夫々接続されており、中央制御部235の指令で、急速排気弁兼定速排気弁222は電磁弁の開口面積が制御され、また、開閉弁216は電磁開閉弁が開閉動作される。
また、ポンプ223はモータMに接続されるポンプ駆動部249からの電力供給にともない駆動され、外気を開口部223aからポンプ内に導入して加圧を行い十字分岐部220を介して加圧空気を配管215と、第3配管部213aに送ることで各空気袋の加圧ができるように構成されている。
図3は、第1実施形態に係る血圧測定装置のカフ(トリプルカフ)の長手方向(上腕の延びる方向)の断面図である。変形例に係るカフは、血管阻血用の大カフ1(阻血用空気袋208に相当)、脈波検出用の小カフ2(脈波検出用空気袋205に相当)、および上流部に設けられたサブカフ3(サブ空気袋207に相当)を含むトリプルカフである。加圧された血管阻血用の大カフ1およびサブカフ3により血管100はQの部分で阻血され、上流側100aから下流側100bへの血流が抑えられている様子が示されている。
大カフ1により腕を圧拍する力は、カフの幅方向の中央部(図3のAの部分、以下、単に、カフ中央部Aという)で最も強く、両端に近くなるに従い弱くなり、両端ではほぼ0となる。ただし、サブカフ3を備えないダブルカフの場合と比較すると、サブカフ3の効果により図3の”B”に示される区間における血流の侵入が阻止されている点が異なる。
小カフ2は、このカフの幅方向のカフ中央部やや下流Aに設けられることで、この部分での血管内圧力変化(血管内容積変化)を最もよく捉える。尚、明細書中において「カフ圧力」は、カフ内の圧力を意味するが、実質的には、カフの幅方向のカフ中央部Aでの腕の圧迫力と等しいことから、カフの幅方向のカフ中央部Aの下の血管へ加えられるカフからの圧力でもある。
急速排気弁兼定速排気弁222は、毎秒2〜4mmHgの減圧速度を実現するために電磁力の強さで開口面積を可変する構造であり、制御部248からのPWM駆動信号を得ることで任意の減圧速度を設定できるように構成されている。
流体抵抗器214を介して、脈波成分を減衰した阻血用空気袋208からの阻血圧力信号と脈波検出用空気袋205の圧力変化はカフ圧力検出手段である圧力センサ231に入力される。この圧力センサ231には、圧力センサ231に定電流を供給する手段と電気信号を増幅する圧力計測部232とが接続されており、さらに圧力計測部232にはアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ233が接続されており、デジタル信号を中央制御部235にカフ圧信号として出力するように構成されている。
この中央制御部235は、測定データ及び解析結果の読み書き等を行なうRAM238、また、カフ圧力信号から重畳している脈波信号を検出する脈波処理部239、カフ(阻血用空気袋,脈波検出用空気袋,サブ空気袋)の圧力を加圧,減圧するカフ圧制御部240、検出した脈波変化と阻血カフ圧力信号から血圧を決定する血圧測定部241、測定した血圧値を血圧表示手段237に表示させるための表示制御部(不図示)を中央制御部235により読取り可能な各種制御プログラムとし記憶したROM236を含んでいる。なお、RAM238は、中央制御部235において処理されるプログラムのワークエリアとしても機能する。
また、中央制御部235には、上述のポンプ、急速排気弁兼定速排気弁222の開閉弁の制御を行う制御部が接続されている。
また、乾電池を含む電源部243からの電力供給は、スイッチ242の操作により、中央制御部235にて各部に電力供給して血圧測定に必要な各動作を行えるように構成される。
以上のように構成される血圧測定装置ではROM236に予め記憶された各種測定用制御プログラムを中央制御部235で読み出し、後述の血圧測定ルーチンのフローチャートのように動作させることができる。
<装置の動作>
図5は、カフ加圧ルーチンの動作フローチャートである。
先ず、カフ本体201が上腕部に対して装着される。そして、不図示の測定開始スイッチ242が押圧されると、急速排気弁兼定速排気弁222の開口面積を全開にし、また、開閉弁216を開き、各空気袋の排気をおこなう。
ステップS401では、各空気袋内の残留空気の排気が終了すると、圧力センサ231のゼロセット(初期化)が行われる。
ステップS402では、開閉弁216は開いた状態に維持し、急速排気弁兼定速排気弁222は全閉される。以上でカフ(阻血用空気袋,脈波検出用空気袋,サブ空気袋)への加圧の準備が整い、ステップS403でポンプ223への通電が行われる。
ステップS404では、規定圧力(阻血の障害にならず、カフエッジ効果を低減できるようにサブ空気袋207を膨らませるような圧力)になったか否かをチェックし、規定圧力になったらステップS405で開閉弁216を閉じる。
ステップS406では、カフ圧力が加圧設定値になったか否かが判断され、加圧設定値になると、ステップS407に進みポンプ駆動を停止する。このようにして、阻血用空気袋408の圧力が予想される収縮期血圧より20〜30mmHg高い加圧設定値になるようにポンプ223の連続駆動が行われる。
ステップS408では、後述する血圧値の測定ルーチンを実行する。
図6は、血圧値の測定ルーチンを示すフローチャートである。なお、血圧値の測定ルーチンにおいて、併せて血圧変動の程度を示す情報が導出される。
ステップS620に進むと急速排気弁兼定速排気弁222により定速排気が開始される。カフ圧制御部240によりカフ圧力検出部からの信号を用いて、減圧速度が2〜3mmHg/秒になるように急速排気弁兼定速排気弁222の開口面積を可変して定速減圧が開始される。
ステップS621では、カフ圧力検出部からカフ圧力を得る。また、ステップS622では、脈波信号を検出する。そして、ステップS623に進み、カフ圧力と脈波振幅とを一組にして、順次RAM238に時系列データとして記憶される。
図1は、カフ圧力の減圧過程で、カフ圧力に脈波信号が重畳している様子を示すグラフである。このグラフには、カフ圧力の減少につれて、脈波信号の大きさや形が変化していく様子が示されている。また、図2は、カフ圧力の減圧過程での、カフ圧力に重畳する脈波振幅値の変化の様子をカフ圧力の変化と共に示した図である。カフ圧力の減圧過程で、脈波振幅値は徐々に大きくなり、最大振幅値が現れるポイントMを経た後、脈波振幅値は徐々に減少する傾向をもつことが示されている。
ステップS624では、ステップS623で記憶された脈波振幅の時系列データを検査する。そして、ポイントMが検出されると、ポイントM以前の時系列データにおいて、例えば、振幅が規定割合以上に急にステップ状に大きくなる時点でのカフ圧力値を収縮期血圧値として決定する。
ステップS626では、収縮期血圧値が決定された後、再び、脈波信号を検出する。そして、ステップS627に進み、カフ圧力と脈波振幅とを一組にして、順次RAM238に時系列データとして記憶される。
ステップS628では、ステップS627で記憶された脈波振幅の時系列データを検査する。そして、ポイントM以後の時系列データにおいて、例えば、ポイントMの脈波振幅(PA)の60%の脈波振幅に対応する時点でのカフ圧力値を拡張期血圧値として決定する。
ステップS629では、急速排気弁兼定速排気弁222の開口面積を全開にし、かつ、開閉弁216を開くことでカフを大気圧にする。
ステップS630では、ステップS627で記憶された脈波振幅の時系列データを検査し、以下で説明する処理に従って血圧変動の程度を推定する。
ステップS631では、上述のステップにおいて決定された収縮期血圧値、拡張期血圧値、および、決定された血圧変動の程度に関する情報を液晶表示部237に表示して一連の血圧測定動作を終了する。
図7は、血圧変動の程度を決定するための詳細フローチャートである。
ステップS1701では、RAM238に記憶された脈波振幅の時系列データについて血管内外圧差を算出する。具体的には、収縮期血圧以上にて検出された1周期脈波信号それぞれについて、測定した収縮期血圧値(内圧)と検出されたカフ圧力値(外圧)との差を計算する。
カフ圧が十分高い場合には、カフのコンプライアンスが小さく容積変化を圧力変化と見なせる。そこで、収縮期血圧値以上のときの圧力変化である脈波振幅を容積変化と見なし、血管内外圧差(=収縮期血圧−カフ圧)との関係を調べ、血管の弾性特性(圧容積特性)を導出する。ここでは、カフの減圧過程において、収縮期血圧+40mmHgから収縮期血圧までの測定データに基づき導出する。
ステップS1702では、例えば図8に示すように、x軸に収縮期血圧の場合をゼロ(基準点)としたときの血管内外圧差(=(収縮期血圧−カフ圧力))y軸に圧力変化である脈波振幅値を、液晶表示部237にプロットする。
ステップS1703では、脈波振幅値の時系列データに基づいて近似曲線・回帰曲線(たとえば指数曲線、2次曲線)を求める。なお、一般には、血管内外圧差が小さくなるほど脈波振幅は大きくなると見なせるので、単調増加曲線による近似で十分である。これにより、呼吸における典型的な周波数範囲(0.15〜0.5Hz)よりも低い周波数での変化特性を抽出することができる。
なお、血管内外圧差がゼロに近い場合(つまり収縮期血圧付近)、血管スラスト方向(血管に沿った方向)の容積変化が大きく変化し血管ラジアル方向の容積変化を正確に反映できない場合がある。そのため、血管内外圧差がゼロより規定圧までの解析禁止区間を除いたデータ成分により近似曲線を導出すると好適である。
ステップS1704では、検出した脈波振幅とステップS1703で求めた近似曲線との差を血管に作用する圧力値に換算する。脈波振幅変化に対し血管に作用する圧力変化は、yを脈波振幅、xを血管内外圧差として求めた近似曲線を、xについて解くことにより求められる。つまり、yに血圧変動で生じた振幅変化すなわち検出した脈波の実際の振幅と近似曲線との差を入力することにより、xである血管内外圧差(=血管に作用した圧力の変化)が求められる。
図8は、脈波振幅差に対応する血管内外圧差の導出の一例を示す図である。検出した実際の振幅(S点)と近似曲線との差(=血圧変動が無かった場合との差)Amaxとする。そして、検出した実際の振幅(S点)から近似曲線にX軸に平行な線を引き、その交点とS点とのX座標の差をBmaxとする。このとき、Bmaxは、Amaxに対応する血管内外圧差を示すことになる。この演算を各1周期脈波について実行し各1周期脈波についてのBmaxを導出する。
ステップS1705では、ステップS1704で導出したBmaxについて、プラス方向およびマイナス方向のそれぞれにおける最大Bmaxを検出する。
ステップS1706では、ステップS1705で決定したプラス方向およびマイナス方向のそれぞれの最大Bmaxの差(絶対値の和)を血圧変動幅として導出する。
この推定した変動幅については、阻血空気袋の中央部で血管が圧閉されているときの空気袋上流側(カフ装着時の心臓側)の圧迫力による血管容積変化には、血管ラジアル方向での作用だけではなくスラスト方向での作用も含まれる。スラスト方向の容積変化の影響を低減するために、収縮期血圧から規定圧以内の脈波は使用しないように構成してもスラスト方向での作用の影響はゼロにはならない。そのため、ある母集団にて同時測定した連続血圧と本方式で求めた推定値との比較データを用いて補正式を導出し、推定した変動幅に対しさらに補正することが好適である。
ステップS1707では、ステップS1706で求めた血圧変動振幅推定値を補正し、推定値を、例えばステップS624で測定した収縮期血圧値に対する割合(例えば百分率)に換算してからRAM238に記憶する。その後、前述のステップS631において、この割合が、血圧変動の程度に関する情報として、例えば図9のように液晶表示部237に表示される。
以上説明したように本発明の血圧測定装置は、測定部位にカフを巻いて血圧を測定する過程で、カフ圧が収縮期血圧よりも高いときに検出される脈波振幅変化と測定された収縮期血圧値とカフ圧力との差の圧力との関係(近似曲線)を求める。そして、この関係から導出される脈波振幅変化と実際に測定される呼吸に影響を受けた脈波振幅変化との差より、血圧の変動量を推定する。
これにより、収縮期血圧測定値と併せて、現在の血圧変動の程度が予想可能となり、緊張の程度が推定できる。この推定される緊張の程度により、測定した血圧値を信頼して血圧治療に使用してよいのか、あるいは、もっと安静な状態で再度測定する必要があるのかの指標となる。その結果、より正しい高血圧治療を行うことが可能となる。また、ABPMを実施する場合に比較し、患者負担の軽減、経費負担の軽減、診断時間の短縮が実現でき迅速な治療が行える。
また、血圧変動を測定した収縮期血圧に対する比率で表現するので、実測値表示にくらべ血圧変動の影響の程度の把握しやすく、再測定の判断等が瞬時にできる。また、データ使用禁止区間を設けることにより血管ラジアル方向の容積変化の影響を排除でき、より精度の高い近似曲線の導出が可能となる。
なお、以上の実施の形態はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上述の実施形態では、カフを収縮期血圧より高い圧力で加圧した後の減圧過程において血圧の測定を実行するよう説明を行った。しかし、拡張期血圧より低い圧力からの加圧過程において血圧の測定を実行するよう構成してもよい。
カフ圧力の減圧過程で、カフ圧力に脈波信号が重畳している様子を示す図である。 カフ圧力の減圧過程での、カフ圧力に重畳する脈波振幅値の変化の様子をカフ圧力の変化と共に示した図である。 第1実施形態に係る血圧測定装置のカフの長手方向の断面図である。 第1実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す図である。 第1実施形態に係る血圧測定装置のカフ加圧ルーチンの動作フローチャートである。 血圧値の測定ルーチンの詳細フローチャートである。 血圧変動の程度を決定するための詳細フローチャートである。 脈波振幅差に対応する血管内外圧差の導出の一例を示す図である。 血圧測定の結果表示の一例を示す図である。

Claims (6)

  1. 血圧測定部位を圧迫するためのカフと、
    前記カフ内を加圧または減圧する圧力制御手段と、
    前記カフ内の圧力を検出する圧力センサと、
    前記圧力制御手段により前記カフを加圧または減圧する過程において、前記圧力センサにより検出されるカフ内の圧力に重畳した脈波信号の時系列データを抽出する脈波信号抽出手段と、
    抽出された脈波信号の時系列データのうち、少なくともカフ圧力が収縮期血圧値より大きい期間のデータに含まれる複数の1周期脈波信号の変化に基づいて、脈波振幅と血管内外圧差との関係式を導出する関係式導出手段と、
    抽出された脈波信号における脈波振幅と前記関係式に基づいて導出される脈波振幅との差分に相当する圧力値に基づいて血圧変動量を導出する変動量導出手段と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  2. 前記関係式導出手段は、前記複数の1周期脈波信号の変化に対応する近似曲線として前記関係式を導出することを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。
  3. 前記近似曲線は、単調増加関数で表現されることを特徴とする請求項2に記載の血圧測定装置。
  4. 前記変動量導出手段は、
    抽出された脈波信号における脈波振幅と前記関係式に基づいて導出される脈波振幅との差分を、複数の1周期脈波信号の各々について導出し、
    導出された複数の脈波振幅の差分のうち最大の脈波振幅に相当する圧力値を前記血圧変動量として導出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の血圧測定装置。
  5. 抽出された脈波信号の時系列データに含まれる複数の1周期脈波信号の変化に基づいて収縮期血圧値を決定する血圧値決定手段をさらに備え、
    前記関係式導出手段は、抽出された脈波信号の時系列データのうち、カフ圧力と決定された収縮期血圧値との差が所定値より小さい期間のデータを、前記近似式の導出に使用しないことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の血圧測定装置。
  6. 血圧測定部位を圧迫するためのカフと、前記カフ内を加圧または減圧する圧力制御手段と、前記カフ内の圧力を検出する圧力センサと、を備える血圧測定装置の制御方法であって、
    前記圧力制御手段により前記カフを加圧または減圧する過程において、前記圧力センサにより検出されるカフ内の圧力に重畳した脈波信号の時系列データを抽出する脈波信号抽出工程と、
    抽出された脈波信号の時系列データのうち、少なくともカフ圧力が収縮期血圧値より大きい期間のデータに含まれる複数の1周期脈波信号の変化に基づいて、脈波振幅と血管内外圧差との関係式を導出する関係式導出工程と、
    抽出された脈波信号における脈波振幅と前記関係式に基づいて導出される脈波振幅との差分に相当する圧力値に基づいて血圧変動量を導出する変動量導出工程と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置の制御方法。
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