JP5158693B2 - 等速ジョイント用ブーツ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車のディファレンシャル(デフ)ギアから車軸ハブへ動力を伝達するドライブシャフト(動力伝達軸)等に備えられる等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint)を保護するためのブーツに関する。
例えば自動車用のドライブシャフトには、その両端部に等速ジョイントが用いられる。そして、等速ジョイントを潤滑するためのグリースを封入するとともに、外部からの埃や水等の異物の侵入を防ぐため、等速ジョイントの屈曲部をカバーする可撓性の等速ジョイント用のブーツ(以下、単にブーツともいう。)が装着される。
このようなブーツは、等速ジョイントの外筐が挿入される第1の端部(大径側の端部)と、その第1の端部よりも小径に形成されるとともに前記等速ジョイントに接続された軸部が挿入される第2の端部(小径側の端部)と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成されたベローズ部とで全体略円すい状に構成されている。そして、通常その第1の端部および第2の端部をそれぞれディファレンシャルギア(デフ)側またはハブ側の等速ジョイントの外筐(ケーシング)の外周面と、ドライブシャフト軸部の外周面とにそれぞれバンドによって締結することによって固定される。
これらブーツの内周面と等速ジョイントの外筐の外周面との間やドライブシャフト軸部の外周面との間では、グリース漏出防止及び異物侵入防止などの目的を達成するためブーツのずれ防止およびシールを図る必要性があり、従来からこのずれ防止とシールに関する種々の技術が提供されている。
例えば、デフ側(インボード側)の等速ジョイント及び前記等速ジョイントに用いられるブーツを一例に挙げて、以下に従来技術構成(図22乃至図26)を説明する。なお、図面は、ブーツの第1の端部(大径側の端部)の薄肉部の断面図である。
ちなみに、デフ側(インボード側)の等速ジョイントの場合、ドライブシャフトの軸部に三叉状に装着された例えば3組のころがそれぞれ軸方向に滑動可能に構成されてなるトリポッドジョイント(トリポートジョイント)が用いられている。
このトリポッドジョイントの外筐には、その薄肉化および軽量化を図るため、外周面の軸方向に凹設された軸方向溝が、例えば3本周方向に分散して形成されている。一方、等速ジョイント用ブーツの第1の端部の内周面には、前記外筐の軸方向溝の溝面に適合して、例えば軸方向視形状が円弧状に張り出して形成された厚肉部が形成されている。
「先行技術1」
図22に示す先行技術1では、第1の端部100の外周にバンド締結用の凹溝101を周方向に設け、凹溝101の直下に位置する第1の端部内周を断面視平坦面102に形成するとともに、平坦面102に2本の同一高さの円周状シールリップ(突条)103,103を設ける。第1の端部100の外周側からバンド200等の締結手段を介して締め込んで夫々のシールリップ103,103の突端部をトリポッドジョイントの外筐300の外周面301に押圧することによってシールを図る。そして、シールリップ103の配設箇所よりもブーツの軸方向内方(図中矢印Aで示す方向)の位置に、ずれ防止凹部104を円周方向に設けるとともに、ずれ防止凹部104に係合するずれ防止突部302をトリポッドジョイントの外筐外周面301の端部に設けて、外筐300の外周面301に対する、第1の端部100の軸方向のずれ防止を図っている(例えば、特許文献1を参照。)。
「先行技術2」
また、図23に示す先行技術2では、シールリップ103の構成は先行技術1と同様の構成を有しているが、ずれ防止突部105をブーツの軸方向端部(第1の端部100の端縁)の内周に設けるとともに、ずれ防止突部105に係合するずれ防止凹部303をトリポッドジョイントの外筐外周面301の中程に設けてずれ防止を図っている点で先行技術1と異なっている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかし、このような先行技術1・2にあっては次の不具合を抱えている。
すなわち、ずれ防止部(ずれ防止突部105又は302・ずれ防止凹部104又は303)を意識的にバンド締結部(バンド締結用の凹溝101)から軸方向に外れた位置に設けていたため、先行技術1の従来技術構成では、バンド200の締結による外側からの締付力が前記ずれ防止部には作用しない。
従って、ブーツの第2の端部方向(図中矢印Aで示す方向)へのずれは規制できるものの、第1の端部方向(図中矢印Bで示す方向)のずれを規制する力が極めて弱いものであったため、ブーツの第1の端部がトリポッドジョイントの外筐300に対して軸方向にずれる虞があった。
また、先行技術2の従来技術構成では、前記先行技術1と同様にバンド200の締結による外側からの締付力がずれ防止部(ずれ防止突部105又は302・ずれ防止凹部104又は303)に作用しない。
従って、ブーツの第1の端部方向(図中矢印Bで示す方向)へのずれは規制できるものの、第2の端部方向(図中矢印Aで示す方向)のずれを規制する力が極めて弱いものであったため、ブーツの第1の端部がトリポッドジョイントの外筐300に対して軸方向にずれる虞があった。
図24乃至図26は先行技術3乃至5を示し、バンド締結による外側からの締付力をずれ防止部に作用させる構成を採用することにより、先行技術1及び先行技術2の有する技術の不具合を解消することができる。
「先行技術3」
図24に示す先行技術3では、バンド締結用の凹溝101の直下に設けられた断面視平坦面102の略中央位置にずれ防止突部105を設けるとともに、ずれ防止突部105からブーツの軸方向に均等に離れた平坦面102,102位置に夫々1本ずつの同一高さの円周状シールリップ103,103を設けてブーツが構成されている。
一方、トリポッドジョイントの外筐外周面301は、シールリップ103が押圧される断面視平坦状に形成されるとともに、ずれ防止突部105が係合するずれ防止凹部303が設けられて、第1の端部方向(図中矢印Bで示す方向)と第2の端部方向(図中矢印Aで示す方向)の双方向へのずれ防止が図られている(例えば、特許文献3を参照。)。
「先行技術4」
図25に示す先行技術4では、バンド締結用凹溝101の直下の第1の端部100の内周を断面視平坦面102に形成するとともに、その平坦面102に2本の同一高さの円周状シールリップ103,103を形成し、そして、バンド締結用の凹溝101の直下であって、かつ、シールリップ103の配設箇所よりもブーツの軸方向内方(図中矢印Aで示す方向)の位置に、ずれ防止凹部104を円周方向に設けてブーツを構成している。
一方、トリポッドジョイントは、ずれ防止凹部104に係合するずれ防止突部302を外筐外周面301端部に設けることによって、第1の端部方向(図中矢印Bで示す方向)と第2の端部方向(図中矢印Aで示す方向)の双方向へのずれ防止を図っている。
「先行技術5」
図26に示す先行技術5では、バンド締結用の凹溝101の直下の第1の端部100の内周を断面視平坦面102に形成するとともに、平坦面102よりもブーツの軸方向内方(図中矢印Aで示す方向)であって、かつ、バンド締結用の凹溝101の直下位置に、ずれ防止凹部104を円周方向に設け、ずれ防止凹部104の内面に2本のシールリップ103,103を設けてブーツを構成している。
一方、トリポッドジョイントは、ずれ防止凹部104に係合するずれ防止突部302を外筐外周面301端部に設けることによって、第1の端部方向(図中矢印Bで示す方向)と第2の端部方向(図中矢印Aで示す方向)の双方向へのずれ防止を図っている。また、この先行技術5では、さらにブーツ側にずれ防止突部105を設けるとともに、ずれ防止突部105が係合するずれ防止凹部303を外筐外周面301に設けて二重のずれ防止構造を採っている(例えば、特許文献4を参照。)。
しかし、これら先行技術3乃至5によれば、ずれ防止効果は得られるとしても、次の不具合があり、早期解決が望まれていた。
すなわち、先行技術3にあっては、バンド締結による締付力は、ずれ防止突部105とずれ防止凹部303との接触面C1と、各シールリップ103,103とトリポッドジョイント外筐300の外周面301との接触面C2,C2に作用するものであるため、接触面積(両接触面C1とC2,C2の総接触面積)が大きく、シールリップ103,103が受ける単位面積当たりの力は小さくなってしまう。
先行技術4にあっては、バンド締結による締付力は、ずれ防止突部302とずれ防止凹部104との接触面C1と、各シールリップ103,103とトリポッドジョイント外筐300の外周面301との接触面C2,C2に作用するものであるため、接触面積(両接触面C1とC2,C2の総接触面積)が大きく、シールリップ103,103が受ける単位面積当たりの力は小さくなってしまう。
先行技術5にあっては、バンド締結による締付力は、ずれ防止突部105とずれ防止凹部303との接触面C1と、各シールリップ103,103とトリポッドジョイント外筐300の外周面301との接触面C2,C2に作用するものであるため、接触面積(両接触面C1とC2,C2の総接触面積)が大きく、シールリップ103,103が受ける単位面積当たりの力は小さくなってしまう。
これでは、シール性が弱くなり各シールリップ103によるシールの実効が図り得ない。
また、前記先行技術3乃至5の場合、ずれ防止突部105又はずれ防止凹部104の面とシールリップ103でトリポッドジョイントの外筐外周面301に押圧されるために、前記押圧による潰れが均一ではない(シールリップ103の潰れの方が早くずれ防止突部105・ずれ防止凹部104の面の潰れの方が遅い。)。このような現象により、バンド200にねじれが生じるため、バンド200による締付力を常時シールリップ103に与えることが困難となり、長期使用でのシール性に問題が生じる虞があった。
さらに、前記先行技術3又は5の場合、ずれ防止突部105の頂面と、ずれ防止凹部303の内底面との間に隙間を設けて、2本のシールリップ103,103のみがトリポッドジョイントの外筐外周面301に接するように構成することで、2本のシールリップ103,103にのみバンド200の締付力を作用させることも可能ではある。しかし、このように構成すると、先行技術3又は5で夫々次のような問題が生じる虞が大きい。
例えば先行技術3の場合では、ずれ防止突部105が浮いている、いわゆる両持ち梁状態となる。
このような状態でバンド200による締付力が掛かると、中心(ずれ防止突部105部位)が下がった状態に撓んでしまい、シールリップ103,103を外筐300の外周面301に押圧する力(締付力)が垂直にならず均一に潰れないため、バンド200による十分な締付力が両シールリップ103,103に与えられなくなるという不具合が生じ、シール性能が低くなる虞が高いばかりか、長期にわたるシール性が確保できない虞もある。
先行技術5の場合では、ずれ防止突部105が浮いている、いわゆる片持ち梁状態となる。
このような状態でバンド200による締付力が掛かると、第1の端部100の端縁側が下がった状態に撓んでしまい、シールリップ103,103を外筐300の外周面301に押圧する力(締付力)が垂直にならず均一に潰れないため、上述した先行技術3の場合と同様の不具合が生じてしまう。
また、ブーツ側に設けたずれ防止突部105をトリポッドジョイントの外筐300に設けたずれ防止凹部303の内底面から浮かせるために、外筐300のずれ防止凹部303を多く加工(外筐の削り代を大きく)して隙間を作らなければならなくなり、外筐300への加工手間が掛かり、トリポッドジョイントの生産性が低下するとともに加工コスト的にも問題がある。
特開平07−229563号公報 特開平06−185534号公報 US005529538号公報 US6547669号公報
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その課題とするところは、等速ジョイントとのずれ防止を図りながらバンドの大きな締付力をシールリップに均等に与えることによりシール性能を向上させてシールの実効を図る等速ジョイント用ブーツを提供することにある。
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、等速ジョイントの外筐2が挿入される第1の端部(大径側の端部)13と、
前記等速ジョイントに接続された軸部が挿入される第2の端部(小径側の端部)7と、
第1の端部13と第2の端部7との間に形成されたベローズ部12とで構成され、
第1の端部13と第2の端部7は、外周面の周方向にバンド締結部(例えば大径側バンド締結部14、小径側バンド締結部8)を備え、バンド締結部(例えば大径側バンド締結部14)に設けられるバンド15によって前記外筐と前記軸部に締結固定される等速ジョイント用ブーツであって、
第1の端部13と第2の端部7のいずれか一方若しくは双方のバンド締結部(例えば大径側バンド締結部14)の内周面には、その仮想延長線E1,E2,E3がブーツの軸心Wと交差する少なくとも一つの段差部20,21,23を備えるとともに、その段差部20,21,23を境にした小径の内周面と、前記小径の内周面よりも径方向に大きい大径の内周面を備え、
前記小径の内周面に、小径突条27が周方向に一つ備えられているとともに、
前記大径の内周面に、大径突条26が周方向に一つ備えられており、
前記小径突条27及び大径突条26は、前記バンド締結部(例えば大径側バンド締結部14)の内周面に一体成形されており、
前記バンド締結部(例えば大径側バンド締結部14)から小径突条27までの間及びバンド締結部(例えば大径側バンド締結部14)から大径突条26までの間にはそれぞれ空間部を備えていないことを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第2の発明は、第1の発明において、外筐2の外周面に複数の軸方向溝5が形成されてなるトリポッドジョイントに用いられる等速ジョイント用ブーツであって、
第1の端部13の内周面には、軸方向溝5に対応して中心方向に張り出して形成された複数個の厚肉部28と、
夫々の厚肉部28間に形成され、厚肉部28よりも径方向の厚さが小さい薄肉部18とを備え、
段差部20,21,23は、薄肉部18の内周面に備えられており、
大径突条26及び小径突条27は、薄肉部18の内周面に備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第3の発明は、第1の発明において、外筐2の外周面に複数の軸方向溝5が形成されてなるトリポッドジョイントに用いられる等速ジョイント用ブーツであって、
第1の端部13の内周面には、軸方向溝5に対応して中心方向に張り出して形成された複数個の厚肉部28と、
厚肉部28よりも径方向の厚さが小さく、厚肉部28の周方向両側に連続して形成される薄肉部18と、
薄肉部18よりも径方向の厚さが大きく、かつ、厚肉部28よりも径方向の厚さが小さく、周方向に隣接する薄肉部18の間に連続して形成される中肉部60とを備え、
段差部20,21,23は、薄肉部18の内周面に備えられおり、
大径突条26及び小径突条27は、薄肉部18の内周面に備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第4の発明は、第1の発明において、段差部20,21,23は、周方向に連続して備えられており、大径突条26と小径突条27の少なくとも一方が周方向に連続していることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第5の発明は、第2の発明において、厚肉部28の内周面には、大径突条26と周方向に連続する第1の突条と、小径突条27と周方向に連続する第2の突条が備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第6の発明は、第3の発明において、厚肉部28及び中肉部60の内周面には、大径突条26と周方向に連続する第1の突条と、小径突条27と周方向に連続する第2の突条が備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、段差部20,21,23が軸方向に二つ以上備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第8の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、大径突条26と小径突条27は、バンド締結部14の軸方向略中央位置を境にして、軸方向に略均等に離間した位置に備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
第9の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、大径突条26と小径突条27のいずれか一方が、バンド締結部14の軸方向略中央位置に備えられるとともに、大径突条26と小径突条27の他方が、前記中央位置を境にして、軸方向に略均等に離間した位置に備えられていることを特徴とする等速ジョイント用ブーツとしたことである。
本発明によれば、等速ジョイントとのずれ防止を図りながらバンドの大きな締付力を突条(シールリップ)に均等に与えることにより、シール性能を向上させてシールの実効を図る等速ジョイント用ブーツを提供することができる。
以下、本発明を適用してなる等速ジョイント用ブーツの一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、なんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
図1は、本発明の等速ジョイント用ブーツ(以下、単にブーツともいう。)が装着される等速ジョイントの一例であるトリポッドジョイント1の外筐の一例を示す要部断面図である。図2は、図1に示すトリポッドジョイント1の外筐2の正面図である。なお、本発明ブーツが装着対象とする等速ジョイントは、特に図1に示す形態に限定されるものではなく本発明の範囲内で変更可能である。
図1に示すように、トリポッドジョイント1の外筐2は、全体を筒状に形成され、本実施例のブーツ6は、外筐2の開口端部2aに装着される。
外筐2の外周面3は、図2に示すように、外筐2の軸心と同心の円筒面状に形成されている3箇所の円筒面4と、夫々の円筒面4の両側から断面視円弧状に窪まされて形成された3箇所の軸方向溝5が形成されている。
すなわち、外筐2の外周面3は、120°ずつ周方向にずれて3面が形成された円筒面4と、これら各円筒面4間に夫々設けられた3つの軸方向溝5とからなる。
円筒面4には、図1に示すように、開口端部2aに近い領域において周方向溝4aが形成され、周方向溝4aと開口端部2aとの間に所望範囲の面部4bが形成されている。
この周方向溝4aの断面形状は、例えば図1に示すように矩形に形成されている。なお、外筐2の外周面3であっても、上述した軸方向溝5には、このような周方向溝4aの加工は施されていない。また、周方向溝4aの断面視形状は特に限定されず、台形状など本発明の範囲内で設計変更可能である。
図3は、本実施例のブーツ6の全体を示す縦断面図である。
図3に示すように、ブーツ6は全体を筒状に形成され、トリポッドジョイント1の外筐2側に固定される第1の端部(大径側の端部)13と、その第1の端部13よりも小径に形成され、図示しないドライブシャフトの軸部側に固定される第2の端部(小径側の端部)7とを有する。
そして、第1の端部13と第2の端部7との間には、可撓性を有し屈曲可能に構成された蛇腹状のベローズ部12が形成されている。
なお、本実施例の場合には、ブーツ6は、例えば熱可塑性のポリエステル系エラストマ等の弾性を有する樹脂から形成されている。
第2の端部7の外周面には、図3に示すように、軸方向にわたって略一定の外径に形成された小径側バンド締結部8が設けられている。
この小径側バンド締結部8には、ブーツ6を前記図示しないドライブシャフトの軸部側に締結するためのバンド(図示省略)が装着される。
また、小径側バンド締結部8の軸方向端部には、バンドが軸方向にずれることを防止するための段部9(10)が形成されている。なお、本実施例では、ベローズ部12寄りの端部には、全周にわたって段部9が設けられ、開口寄りの端部には、全周にわたって段部10が突条に設けられている。
なお、この段部10は、周方向の任意箇所にのみ断続的に設けるものとすることも可能である。
第2の端部7の内周面は、前記図示しないドライブシャフトの軸部側の外周面に適合して嵌合可能な内径を有しており、かつ、その軸方向略中央には、軸心方向に向けて突出する周方向に連続した一条の突条(シールリップ)11が形成されている。この突条11の形状及び配設本数は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
ベローズ部12は、ブーツ6の軸方向、すなわち図3における上下方向に、周方向に延在する凸状部12aおよび凹状部12bが繰り返し配列されて構成されている。すなわち、凸状部12aにおいては、ベローズ部12の断面は外周側に凸となり、凹状部12bにおいては、ベローズ部12の断面は内周側に凸となる。本実施例の場合には、例えば5つの凸状部12aが設けられ、各凸状部12aの夫々の第1の端部13側に対応する凹状部12bが設けられている。そして、各凸状部12aおよび凹状部12bは、夫々第2の端部7側から第1の端部13側に向かうにつれて径が大きく設定され、その結果、ベローズ部12は、全体として略円すい状に形成されている。
第1の端部13の外周面には、図3に示すように、軸方向にわたって略一定の外径に形成された大径側バンド締結部14が周方向に連続して設けられている。
この大径側バンド締結部14には、ブーツ6をトリポッドジョイント1の外筐2の周方向溝4a及び軸方向溝5の溝面を含む外周面3に締結するためのバンド15(図6、7にて図示)が装着される。
また、大径側バンド締結部14のブーツ6の軸方向端部には、バンド15が軸方向にずれることを防止するための段部16(17)が形成されている。なお、本実施例では、ベローズ部12寄りの端部には、全周にわたって段部16が形成され、開口寄りの端部には、後述する3箇所の薄肉部18の夫々の周方向領域内にのみ断続的に段部17が形成されている。この段部17は、後述する3箇所の厚肉部28の夫々の周方向領域内にのみ断続的に設けるものとすることも可能で、また、端部の全周にわたって連続して設けるものとすることも可能である。
第1の端部13の内周面には、図3乃至図5に示すように、外筐2の外周面3に形成された軸方向溝5の溝面に適合して、円弧状に張り出して形成された3箇所の厚肉部28が夫々周方向に等間隔をあけて形成されているとともに、厚肉部28の間には、外筐2に形成された円筒面4の外面に適合する円弧状の内面を有する3箇所の薄肉部18が形成されている。
なお、3箇所の薄肉部18を周方向に結んだ仮想円は、第1の端部13の外周面と同心円を構成している。
薄肉部18の内面は、図6及び図7に示すように、外筐2の外周面3に形成された周方向溝4aの底面に適合する小径の内周面19と、小径の内周面19の軸方向両端に設けられた第一段差部20・第二段差部21と、第二段差部21からベローズ部12方向に延設され、外筐2の外周面3に形成された面部4bの頂面に適合する大径の内周面22と、大径の内周面22の他端からさらにベローズ部12方向に延設された第三段差部23とが周方向に連続して備えられて構成されている。
すなわち、第一乃至第三段差部20,21,23は、夫々の仮想延長線E1,E2,E3がブーツ6の軸心Wに対して交差するように形成されており、小径の内周面19と第一段差部20、第二段差部21によって周方向溝4aに適合する(嵌合する)断面視矩形状に形成されたずれ防止突条部24を構成している。一方、大径の内周面22と第二段差部21・第三段差部23によって外筐2側の面部4bが適合する(嵌合する)断面視矩形状に窪ませて形成されたずれ防止凹溝部25を構成している。
なお、厚肉部28の内面には、薄肉部18のようなずれ防止凹溝部25、ずれ防止突条部24が本実施例の場合には設けられていない。
そして、本実施例では、図6及び図7に示すように、第1の端部13の内面におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に、第二段差部21が位置するように構成されている。
また、本実施例では、第二段差部21の基端(小径の内周面19との交点)21aを、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面の略中央に位置するように構成している。
そして、本実施例では、図1乃至図7に示すように、第二段差部21を境にした大径の内周面22に大径突条(シールリップ)26が周方向に連続して備えられ、小径の内周面19に小径突条(シールリップ)27が周方向に連続して備えられている。大径突条26と小径突条27は、それぞれ断面視三角形を有して突出している。
また、本実施例では、厚肉部28の内面には、それぞれ大径突条26と対向するとともに、その大径突条26と周方向に連続する第1の突条28aと、小径突条27と対向するとともに、その小径突条27と周方向に連続する第2の突条28bが所定間隔あけて並設されている。第1の突条28aと第2の突条28bは、それぞれ断面視三角形を有して同一高さで突出している。
従って、大径突条26の先端26aと第1の突条28aとを結ぶ直径線の長さをL1、小径突条27の先端27aと第2の突条28bとを結ぶ直径線の長さをL2とした時に、L1>L2の関係を有する。
また、図6に示すように、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面略中央位置Acから大径突条26までの距離と小径突条27までの距離を夫々符号L3,L3とすると、本実施例では、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面略中央位置Acから、ブーツ6の軸方向で均等に大径突条26と小径突条27が離間する位置に配設されている(L3=L3)。
このように構成することにより、バンド締結時に大径突条26と小径突条27の先端(シールリップ)26a,27aに掛かる締付力は大径突条26と小径突条27の夫々に均等となり安定した締付及びシール性が与えられる。
さらに、本実施例では、図6に示すように、薄肉部18に備えられる大径突条26の高さH1と小径突条27の高さH2を異にした構成が採用されている。例えば本実施例では、大径突条26の先端26aまでの高さH1を、小径突条27の先端27aまでの高さH2よりも低く形成している(H1<H2)。
なお、本実施例では、厚肉部28の内面に備えられる第1の突条28aと第2の突条28bは、同一の高さH3,H3をもって構成している。
また、大径突条26、小径突条27の断面形状は、本実施例では断面視三角形であるが限定はされない。そして、ブーツ6の軸方向(大径突条26、小径突条27の幅方向)における大径突条26、小径突条27の先端26a,27aの位置は、夫々の突条26、27の略中央部分に設けられているが、軸方向にずれている形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、本実施例では、上述したとおり第二段差部21のみがバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に備えられている実施の一例について開示したが、段差部は、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に少なくとも一つ備えられていれば本発明の範囲内であって適宜設計変更可能である。
なお、前記段差部は、本実施例では第1の端部13の内面に設けられているが、第2の端部7の内面に設けるものであっても、第1の端部13と第2の端部7の双方の内面に設けるものであってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更を加えることが可能である。例えば、シールリップとして機能する各突条26,27の形状を、他の任意形状としてもよいが、シール性能を向上することができる形状を採用することが好ましい。
ここで、本実施例1の等速ジョイント用ブーツ6の有用性を、先に説明した先行技術5(図26参照)の等速ジョイント用ブーツと比較して説明する。
すなわち、先行技術5によれば、バンド締結による締付力f1は、ずれ防止突部105とずれ防止凹部303との接触面C1と、2本のシールリップ103,103と等速ジョイント外筐の外周面301との接触面C2(両接触面C2,C2の総接触面積a1)に作用する。
従って、各シールリップ103が受ける単位面積当たりの力σ1(σ1=f1/a1)は小さくなってしまう。
これに比して、本実施例1によれば、バンド締結による締付力f2は、2本のシールリップ(大径突条26,小径突条27)と等速ジョイント外筐2の外周面(周方向溝4aと面部4b)3との接触面(2本のシールリップの総接触面積a2)にのみ作用する。
従って、各シールリップ(大径突条26,小径突条27)が受ける単位面積当たりの力σ2(σ2=f2/a2)は大きい。
よって、上述の通りa1>a2であることから、σ1<σ2の関係が成立し、本実施例1の方がシールリップ(大径突条26,小径突条27)に作用する締付力が大きくなる。すなわち、本実施例1の方がシール効果が大きいといえる。
なお、装着時の挿入性を考慮して第一段差部20をテーパ面とすることもでき、本発明の範囲内で設計変更可能である。
以下に、本発明の実施例2乃至7を説明する。なお、実施例1と同一構成及び作用効果については実施例1の説明を援用し、ここでの詳細な説明は省略する。また、各実施例に対応する図は、ブーツ6の第1の端部13を構成する薄肉部18のみを断面して示す概略図とする。各実施例の説明において、特に記載した構成及び作用効果以外のその他の構成及び作用効果は実施例1と同じであるため、それらの説明は省略する。なお、本実施例でブーツ6の説明上用いられる等速ジョイント1は一例であって特に限定解釈されるものではない。
図8は実施例2を示し、本実施例では、次のような構成を採用している。
まず、トリポッドジョイント1は、外筐2の円筒面4における開口端部2aに近い領域にずれ防止突条部50が形成されている。
そして、ブーツ6は、トリポッドジョイント1の外筐2に装着可能なように、図8に示す特有の第1の端部13の形態が採用されている。すなわち、第1の端部13の厚肉部28形状は実施例1と同一であるが、薄肉部18の内面形状が実施例1と異なっている。
図8に基づいて説明すると、薄肉部18における第1の端部13の開口端部寄りに外筐2のずれ防止突条部50が適合する(嵌合する)ずれ防止凹溝部29が形成されるとともに、ずれ防止凹溝部29よりもベローズ部12寄りに、外筐2のずれ防止突条部50と外筐2の開口端部2aの間に形成される面部4bに適合する小径の内周面30が形成されている。そして、小径の内周面30とずれ防止凹溝部29の大径の内周面29aに夫々突条が備えられ、小径の内周面30に備えられる突条を小径突条27とし、他方、ずれ防止凹溝部29の大径の内周面29aに備えられる突条を大径突条26とする。
図9は実施例3を示し、本実施例は、前記実施例1と略同様の構成を備えているが、第一段差部20、第二段差部21及び第三段差部23のすべてが、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に位置するように構成されている点で実施例1と異なっている。
図10は実施例4を示し、本実施例は、前記実施例2と同様の構成を備えているが、実施例2では、第一段差部20を備えているが本実施例では第一段差部は備えず、さらに実施例2では第三段差部23がバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に位置せずベローズ部12方向にずれているが、本実施例では第三段差部23がバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に位置するように構成されている点で実施例2と異なっている。
図11は実施例5を示し、本実施例は、前記実施例3と同様の構成を備えているが、第三段差部23を備えていない点で実施例3と異なっている。
図12乃至図15は、大径突条26と小径突条27のいずれか一方が、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向略中央位置Acに備えられるとともに、中央位置Acを境にして、大径突条26と小径突条27のいずれか一方が、ブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている具体的実施の一例である。
図12に示す実施例では、第1の端部13の薄肉部18におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向中央位置Acに、第一段差部20と第二段差部21と、夫々の段差部20,21間に備えられる断面視平坦状の面部31とで構成された断面視矩形突形状のずれ防止突条部32を備え、ずれ防止突条部32の面部(小径の内周面)31中央には、周方向に連続した小径突条27が備えられている。そして、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のずれ防止突条部32の軸方向両側の面部(大径の内周面)33,33には、夫々周方向に連続した大径突条26,26が備えられている。また、夫々の大径突条26は、小径突条27からブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている。
従って、このようなブーツ形状を採用することにより、トリポッドジョイント1の外筐2の円筒面4には、ずれ防止突条部32が適合する(嵌合する)周方向溝部4aが、外筐2の開口端部2aに近い領域に設けられている。
図13に示す実施例では、図12の場合とは逆に、第1の端部13の薄肉部18におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向中央位置Acに、第一段差部20と第二段差部21と、夫々の段差部20,21間に備えられる断面視平坦状の面部(大径の内周面)34とで構成された断面視凹形状のずれ防止凹溝部35を備え、ずれ防止凹溝部35の面部34の中央には、周方向に連続した大径突条26が備えられている。そして、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のずれ防止凹溝部35の軸方向前後の面部(小径の内周面)36,36には、夫々周方向に連続した小径突条27が備えられている。また、夫々の小径突条27は、大径突条26からブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている。
従って、このようなブーツ形状を採用することにより、トリポッドジョイント1の外筐2の円筒面4には、ずれ防止凹溝部35に適合する(嵌合する)ずれ防止突条部51が、外筐2の開口端部2aに近い領域に設けられている。
図14に示す実施例では、第1の端部13の薄肉部18におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向中央位置Acに、断面視矩形突形状のずれ防止突条部37を備えるとともに、ずれ防止突条部37の軸方向両側に第一ずれ防止凹溝部38、第二ずれ防止凹溝部39を夫々備えた例である。本実施例では、これらずれ防止突条部37,第一ずれ防止凹溝部38、第二ずれ防止凹溝部39の全てがバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に位置するように構成されている。
ずれ防止突条部37は、第二段差部21と第三段差部23と、夫々の段差部21,23間に備えられる断面視平坦状の面部(小径の内周面)40とで断面視矩形突形状に形成されている。そして、面部(小径の内周面)40の中央に、周方向に連続した小径突条27が備えられている。
第一ずれ防止凹溝部38は、第一段差部20と第二段差部21と、夫々の段差部20,21間に備えられる断面視平坦状の面部(大径の内周面)41とで断面視凹形状に形成されている。
第二ずれ防止凹溝部39は、第三段差部23と第四段差部42と、夫々の段差部23,42間に備えられる断面視平坦状の面部(大径の内周面)43とで断面視凹形状に形成されている。
そして、第一ずれ防止凹溝部38の面部(大径の内周面)41と、第二ずれ防止凹溝部39の面部(大径の内周面)43の中央には、周方向に連続した大径突条26,26が夫々備えられている。これら両大径突条26は、小径突条27からブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている。
従って、このようなブーツ形状を採用することにより、トリポッドジョイント1の外筐2の円筒面4は、開口端部2a寄りから第二ずれ防止凹溝部39に適合する(嵌合する)第二ずれ防止突条部52が設けられ、次いで第二ずれ防止突条部52に連続して、ずれ防止突条部37に適合する(嵌合する)ずれ防止凹溝部53が設けられ、そして、ずれ防止凹溝部53に連続して第一ずれ防止凹溝部38に適合する(嵌合する)第一ずれ防止突条部54が設けられている。
図15に示す実施例では、第1の端部13の薄肉部18におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向中央位置Acに、断面視凹形状のずれ防止凹溝部44を備えるとともに、ずれ防止凹溝部44の軸方向両側に第一ずれ防止突条部45、第二ずれ防止突条部46を夫々備えた例である。本実施例では、これらずれ防止凹溝部44,第一ずれ防止突条部45、第二ずれ防止突条部46の全てがバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面に位置するように構成されている。すなわち、図14のずれ防止凹溝部53とずれ防止突条部52,54の位置構成が逆の構成である。
ずれ防止凹溝部44は、第二段差部21と第三段差部23と、夫々の段差部21,23間に備えられる断面視平坦状の面部(大径の内周面)47とで断面視凹形状に形成されている。そして、面部(大径の内周面)47の中央に、周方向に連続した大径突条26が備えられている。
第一ずれ防止突条部45は、第一段差部20と第二段差部21と、夫々の段差部20,21間に備えられる断面視平坦状の面部(小径の内周面)48とで断面視矩形突形状に形成されている。
第二ずれ防止突条部46は、第三段差部23と第四段差部42と、夫々の段差部23,42間に備えられる断面視平坦状の面部(小径の内周面)49とで断面視矩形突形状に形成されている。
そして、第一ずれ防止突条部45の面部(小径の内周面)48と、第二ずれ防止突条部46の面部(小径の内周面)49の中央には、第1の端部13内面の周方向に連続した円環状の小径突条27,27が夫々備えられている。これら両小径突条27は、大径突条26からブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている。
従って、このようなブーツ形状を採用することにより、トリポッドジョイント1の外筐2の円筒面4は、開口端部2a寄りから第二ずれ防止突条部46に適合する(嵌合する)第二ずれ防止凹溝部55が設けられ、次いで第二ずれ凹溝部55に連続して、ずれ防止凹溝部44に適合する(嵌合する)ずれ防止突条部56が設けられ、そして、ずれ防止突条部56に連続して第一ずれ防止突条部45に適合する(嵌合する)第一ずれ防止凹溝部57が設けられている。
以下、特に図示はしないが、前記各実施例の変形例について説明する。
「変形例1」
前記各実施例では、段差部の延長線がブーツの軸心に対して直交状に交差するようにしたが、各段差部は、軸心に対して傾斜をもって交差するようにテーパ面に形成するものであってもよい。また、テーパ面に代えてR面に形成するものであってもよい。さらに、各テーパ面・R面とした段差部と面部(大径の内周面、小径の内周面)との交点を面取りすることも本発明の範囲内で可能である。
また前記実施例では、各突条は断面視平坦状の面部(大径の内周面、小径の内周面)に備えるものとしているが、前記テーパ面やR面とした場合の各段差部を、面部(大径の内周面、小径の内周面)を介在することなく夫々の対向する端部を直接交差状につき合わせ、その交点に突条(大径突条若しくは小径突条)を直接備えるものとすることも可能で本発明の範囲内で設計変更可能である。
「変形例2」
前記各実施例(変形例1を含む)では、本発明の等速ジョイント用ブーツが用いられる等速ジョイントの一例としてトリポッドジョイントを採用しているが、これに何等限定解釈されるものではなく、例えば、外筐の外周面を断面視円形状に構成されている等速ジョイント(例えばハブ側の等速ジョイント)などであってもよく、本発明の範囲内で種々の等速ジョイントが選択採用可能である。
「変形例3」
前記各実施例では、等速ジョイント用ブーツの第1の端部に大径突条と小径突条を備えた実施の一例について説明したが、本発明は第2の端部の内面に大径突条と小径突条を備える実施の一形態も本発明の範囲内である。その他の構成及び作用効果は、前記各実施例(変形例1及び2を含む)と同様であるため、実施例の説明を援用し、ここでの詳細な説明は省略する。
前記各実施例(変形例1乃至3を含む)では、第2の端部、ベローズ部および第1の端部からなるブーツの全体を樹脂によって一体成形している。
図16乃至図21は本発明の実施例7を示し、図16及び図17に示す外筐2に装着される。
本実施例において、外筐2は全体を筒状に形成し、本実施例のブーツ6は外筐2の開口端部2aに装着される。
外筐2の外周面3は、周方向で3箇所等間隔に配した平坦面状の第1の周面62と、前記それぞれの第1の周面62の両側から周方向に連続して延設され、中心方向と反対方向(放射方向)に向けて僅かに丸みを帯びた6箇所の第2の周面64と、第2の周面64間にわたって連続して延設され、中心方向に向けて断面視円弧状に窪ませた3箇所の第3の周面66とで構成されている。
第2の周面64には、図16及び図17に示すように、開口端部2aに近い領域において周方向溝4aが形成され、周方向溝4aと開口端部2aとの間に所望範囲の面部4bが形成されている。
この周方向溝4aの断面形状は、例えば図17に示すように矩形に形成されている。なお、外筐2の外周面3であっても、上述した第1の周面62と第3の周面66には、このような周方向溝4aの加工は施されていない。また、周方向溝4aの断面視形状は特に限定されず、台形状など本発明の範囲内で設計変更可能である。
図18は、本実施例のブーツ6の全体を示す縦断面図である。なお、本実施例のブーツ6は、第1の端部13の構成において上述の各実施例と異なるのみで、その他の構成については上述の各実施例と同様であるため同一箇所に同一符号を付してその説明は省略する。
図18乃至図21に示すように、本実施例の第1の端部13は、上述したトリポッドジョイント1の外筐2の外周面3に嵌合可能に、その内周面形状を構成している。
すなわち、外筐2の第3の周面66に対応して内周面に等間隔で円弧状に張り出して形成された3箇所の厚肉部28と、第2の周面64に対応し、厚肉部28よりも径方向の厚さが薄肉であって、厚肉部28の周方向両側に連続して形成される6箇所の薄肉部18と、第1の周面62に対応して薄肉部18よりも径方向の厚さが厚肉、かつ、厚肉部28よりも径方向の厚さが薄肉であって、薄肉部18の厚肉部28に連続する側の反対側から連続して形成される3箇所の平坦状の中肉部60を備えている。
第1の端部13の薄肉部18におけるバンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のブーツ軸方向中央位置Acに、第一段差部20と第二段差部21と、夫々の段差部20,21間に備えられる断面視平坦状の面部(小径の内周面)31とで構成された断面視矩形突形状のずれ防止突条部32を備え、ずれ防止突条部32の面部(小径の内周面)31の中央には、周方向に連続した小径突条27が備えられている。
そして、バンド締結部14の幅方向領域Aの内周面のずれ防止突条部32の軸方向の両側の面部(大径の内周面)33,33には、夫々周方向に連続した大径突条26,26が備えられている。
また、夫々の大径突条26は、小径突条27からブーツ軸方向に均等に離間した位置に備えられている。
そして、厚肉部28の内周面には、大径突条26と周方向に連続する第1の突条28aと、小径突条27と周方向に連続する第2の突条28bが平行に備えられている。
また、中肉部60の内周面には、薄肉部18の内周面に備えられている大径突条26と周方向に連続する第1の突条60aと、小径突条27と周方向に連続する第2の突条60bが平行に備えられている。
第1の突条60aと第2の突条60bは、厚肉部28の第1の突条28a,第2の突条28bと同様に同一の高さをもって断面視三角形に形成されている。第1の突条60a、第2の突条60bの断面視形状は、本実施例では断面視三角形であるが、本発明の範囲内で設計変更可能である。
従って、相対向する薄肉部18,18の大径突条26,26の先端26a,26aを結ぶ直径線の長さをL1(図19参照)、小径突条27,27の先端27a,27aを結ぶ直径線の長さをL2(図20参照)とした時に、L1>L2の関係を有する(図18及び図21参照)。
なお、本実施例の段差部20,21と大径突条26,小径突条27及び第1の突条28a,第2の突条28bは、図12に示す実施例6と同様の構成であるため、実施例1乃至6の説明を援用し、ここでの詳細な説明は省略する。
また、本実施例は、外筐2の外面形状に合わせた、厚肉部28、薄肉部18、中肉部60を備えた点に特徴を有するものであって、その他は実施例1乃至6と同様であって、それぞれ説明した各実施の形態が本実施例においても適用可能である。
ここで、上述した各実施例の等速ジョイント用ブーツを製造する方法の一例について説明する。なお、本発明の等速ジョイント用ブーツの製造方法は、ここで説明する製造方法になんら限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で任意に選択可能である。
本発明の等速ジョイント用ブーツの製造方法は、例えば一次成形品を成形する一次成形工程と、この一次成形品の大径側端部(第1の端部)に、二次成形品である薄肉部18と厚肉部28を一体成形する二次成形工程で構成される。
また、実施例7のように二次成形品として中肉部60を有する形態の場合には、二次成形工程において、一次成形工程において成形された一次成形品の大径側端部に、二次成形品である薄肉部18と厚肉部28と中肉部60を一体成形する。
以下の説明では、二次成形品である薄肉部18と厚肉部28を有する形態について説明するが、外周面形状が異なるコア型を採用することで中肉部60を有する形態の場合であっても採用可能である。
「一次成形工程」
まず、第1の端部13を構成する大径側端部と、その大径側端部よりも小径で第2の端部7を構成する小径側端部(第2の端部)と、その大径側端部と小径側端部の間に一体に形成され、可撓性を有し屈曲可能に構成された蛇腹状のベローズ部12とで構成された一次成形品を一体成形する。ここで、前記大径側端部は、その肉厚が均一な薄肉状に形成される。一次成形品の成形方法としては、例えばブロー成形や射出ブロー成形などが良く知られているが、特に限定されず、本発明の範囲内で適宜最適な成形方法が適用される。
「二次成形工程」
本工程は、一次成形にて成形された上述の一次成形品を、射出成形用金型内に保持するとともに、この金型内に所望な溶融材料、例えば260℃以上の高温の熱可塑性樹脂を高速で射出することにより、前記一次成形品の大径側端部の内周面に、二次成形品たる肉厚の異なる部分、すなわち、複数の薄肉部18と複数の厚肉部28を一体成形して第1の端部13を形成する。なお、以下に説明する構成以外の構成については既知の構成が適用されるためそれらの説明については省略する。なお、上述したとおり、射出される熱可塑性樹脂は260℃以上であるが、特に限定されず、素材が変化しない範囲で適宜設計変更可能である。
射出成形用金型は、この金型を構成する所望な割型により一次成形品の外観形状(外側輪郭)に合致する設置空間を形成し、そして、上述の一次成形により成形された一次成形品にコア型を挿入して嵌め込むことにより、そのコア型の外周面と一次成形品の大径側端部の内周面との間に所望な二次成形空間を形成する。
そして、一次成形品とコア型を割型の設置空間に保持して型締めする。
なお、予め一次成形品を設置空間に保持し、そしてその一次成形品の大径側端部の内周面との間に所望な二次成形空間を形成してコア型を配置し、その後型締めする工程を採用することも可能で本発明の範囲内である。
このようにコア型を一次成形品の大径側端部の内周面に挿入することにより形成される二次成形空間は、コア型の外周面形状と大径側端部の内周面形状とにより所望な空間に形成される。
例えば、コア型の外周面部分に一定間隔をあけて三個の凹部が形成され、この凹部と一次成形品の大径側端部の内周面との間で厚肉部形成空間が形成され、凹部以外の外周と一次成形品の大径側端部の内周面との間で、上記厚肉部形成空間と連通する薄肉部形成空間が形成される。
上記二次成形空間内には、スプルーを介して熱可塑性樹脂を射出する射出ゲートが形成されている。
例えば、この射出ゲートは、薄肉部成形空間の任意の一箇所乃至複数箇所を選択して備えられる。すなわち、二次成形空間における薄肉部成形空間の任意の一箇所乃至複数箇所に二次成形用の熱可塑性樹脂射出(注入)ポイントを設けると、射出ゲートから厚肉部成形空間までの薄肉部成形空間が狭いランナーとしての役割を兼ね、高温状態を維持しつつ厚肉部成形空間まで溶融材料が高速・高温で一瞬にして送り込まれるため、エアー巻き込みの発生やウェルなどの発生の問題も皆無となる。
なお、射出ゲートは厚肉部成形空間に備え、厚肉部成形空間のみから若しくは厚肉部成形空間を含む複数箇所から熱可塑性樹脂を射出するものとしてもよいが、エアー巻き込み発生防止やウェルド発生防止などの観点からすれば薄肉部成形空間に射出ゲートを備えるのが好ましい。
また、一次成形品の大径側端部の内周面に、少なくとも凸状部と凹状部のいずれか一つ以上を上述した一次成形時において同時に形成しておくと、二次成形品たる薄肉部18及び厚肉部28と大径側端部の内周面との溶着が強固となる。
例えば、周方向に連続する凹状部と凸状部が、大径側端部の内周面の高さ方向に交互に複数個設ければ、一次成形品の大径側端部の内周面と二次成形品たる薄肉部18及び厚肉部28との溶着面積が広くなるため強固に溶着される。なお、上述の通り溶着が強固となり得る構成であればこれに限定して解釈されるものではなく、例えば単独の突起や窪みなどを一個乃至複数個設けることも考えられ、この場合の突起の長さなども任意に設定できる。
さらに、一次成形品の大径側端部の内周面に周方向に延びる凸状部を形成した場合、この凸状部が堰の役目を兼ね、射出ゲートから薄肉部成形空間に射出された熱可塑性樹脂を、前記薄肉部成形空間から厚肉部成形空間へと均等に流動させる作用を講じる。すなわち、この堰としての凸状部を形成することにより、薄肉部成形空間に射出された高速・高温の熱可塑性樹脂は、まず、射出ゲートと凸状部との間の流動空間(凸状部上方の流動空間)に沿って厚肉部成形空間方向へと流動する。そして、続いて凸状部下方の流動空間に流れ込み、前記流動空間に沿って追っかけるように流動する。そして、夫々の流動空間に沿って流動した熱可塑性樹脂は、厚肉部成形空間に同時に到達する。
このように複数個の流動空間に流れた熱可塑性樹脂が同時に厚肉部成形空間に到達し得るように凸状部の高さ・長さを調整するのが好ましい。
なお、この凸状部は、少なくとも薄肉部成形空間に対応する大径側端部の内周面に形成されていれば良い。また、凸状部は本発明において任意に設けられるものであり、その凸状部本数も適宜設計変更可能である。
さらに、二次成形空間への熱可塑性樹脂の射出条件を、次の通りに設定することにより、一次成形品の大径側端部の内周面と、二次成形品たる薄肉部18と厚肉部28の溶着がさらに強固となる。
すなわち、一次成形品の大径側端部の内周面に対し、射出ゲートの向きθを、0°≦θ≦90°の条件のもとに設定するとともに、一次成形品の大径側端部の内周面と射出ゲートの距離をt、二次成形空間の射出側端部の径方向距離をaとしたときに、その射出ゲートの位置条件を、0≦t≦2a/3とする。
これにより、一次成形品の大径側端部の内周面に高温の熱可塑性樹脂が高速で摺接するように射出され、熱可塑性樹脂が二次成形空間に充填される。
この時、射出された高温の熱可塑性樹脂が、大径側端部の内周面を高速で摺接して流れ込むため、大径側端部の内周面に付着した一次成形用材料の不純物が押し流され、かつ、該内周面に高温・高速で流れた熱可塑性樹脂の熱を伝達して該内周面を溶融させる。
従って、射出された熱可塑性樹脂が、該熱可塑性樹脂の熱により溶融した大径側端部の内周面と強固に溶着し、大径側端部の内周面に薄肉部18と厚肉部28が一体的に二次成形される。
また、上述の製造方法では、一次成形品の大径側端部の内周面に二次成形するものとしたが、前記大径側端部の外周面に二次成形することにより同一の目的を達成することも可能である。すなわち、一次成形品の一次成形時に予めトリポッドに対応する内面形状(周方向に凹凸状)に大径側端部を形成し、そして、一次成形品を金型内に設置し、さらに、凹凸状に形成された大径側端部の内周面形状に合致する凹凸状外周面形状を備えたコア型を大径側端部内に挿入し、大径側端部の外周面と金型内周面との間に二次成形空間を形成して型締めする。その後、大径側端部の外周面と金型内周面との間に形成された二次成形空間内に熱可塑性樹脂を射出することにより、外周面が真円状で、かつ、内周面に薄肉部18と厚肉部28が一体に成形された第1の端部13が成形される。この場合においても、射出ゲートによる射出ポイント条件や、その他の条件などは上述した製造方法と同様に設定可能である。この製造方法によれば、二次成形される溶着部分が一次成形品の外側であるため、万が一溶着不良が発生したとしてもブーツ内のグリース漏れの心配はない。
なお、一次成形品の大径側端部の内周面と外周面の双方に熱可塑性樹脂を射出して二次成形品である薄肉部18と厚肉部28を備えた第1の端部13を一体成形することも可能である。
実施例1の等速ジョイント用ブーツを装着する等速ジョイントの外筐の一例を示す概略断面図である。 図1の外筐の正面図である。 実施例1の等速ジョイント用ブーツの概略を示す縦断面図である。 図3のI−I線断面図である。 図3のII−II線断面図である。 図3の等速ジョイント用ブーツの第1の端部の概略を一部省略して示す拡大断面図である。 実施例1の等速ジョイント用ブーツに等速ジョイントが嵌合されている状態で、薄肉部の嵌合状態を示す概略断面図である。 実施例2の部分概略断面図である。 実施例3の部分概略断面図である。 実施例4の部分概略断面図である。 実施例5の部分概略断面図である。 実施例6の一例を示す部分概略断面図である。 実施例6の他の例を示す部分概略断面図である。 実施例6の他の例を示す部分概略断面図である。 実施例6の他の例を示す部分概略断面図である。 実施例7の等速ジョイント用ブーツを装着する等速ジョイントの外筐の一例を示す概略正面図である。 図16のX-X線縦断面図である。 実施例7の等速ジョイント用ブーツの概略を示す縦断面図である。 図18のI-I線断面図である。 図18のII-II線断面図である。 図18の等速ジョイント用ブーツの第1の端部の概略を一部省略して示す拡大断面図である。 従来技術の部分拡大断面図(先行技術1)である。 従来技術の部分拡大断面図(先行技術2)である。 従来技術の部分拡大断面図(先行技術3)である。 従来技術の部分拡大断面図(先行技術4)である。 従来技術の部分拡大断面図(先行技術5)である。
符号の説明
1 等速ジョイント(トリポッドジョイント)
2 等速ジョイントの外筐
6 等速ジョイント用ブーツ
7 第2の端部
12 ベローズ部
13 第1の端部
14 バンド締結部
15 バンド
18 薄肉部
21 第二段差部
24 ずれ防止突条部
25 ずれ防止凹溝部
26 大径突条
27 小径突条
26a,27a 先端
28 厚肉部
28a 第1の突条
28b 第2の突条
E1,E2,E3 仮想延長線
L1 直径線の長さ(小径突条)
L2 直径線の長さ(大径突条)
W ブーツの軸心
60 中肉部
60a 第1の突条
60b 第2の突条

Claims (9)

  1. 等速ジョイントの外筐が挿入される第1の端部と、
    前記等速ジョイントに接続された軸部が挿入される第2の端部と、
    前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成されたベローズ部とで構成され、
    前記第1の端部と前記第2の端部は、外周面の周方向にバンド締結部を備え、前記バンド締結部に設けられるバンドによって前記外筐と前記軸部に締結固定される等速ジョイント用ブーツであって、
    前記第1の端部と前記第2の端部のいずれか一方若しくは双方の前記バンド締結部の内周面には、その仮想延長線が前記ブーツの軸心と交差する少なくとも一つの段差部を備えるとともに、その段差部を境にした小径の内周面と、前記小径の内周面よりも径方向に大きい大径の内周面を備え、
    前記小径の内周面に、小径突条が周方向に一つ備えられているとともに、
    前記大径の内周面に、大径突条が周方向に一つ備えられており、
    前記小径突条及び大径突条は、前記バンド締結部の内周面に一体成形されており、
    前記バンド締結部から小径突条までの間及びバンド締結部から大径突条までの間にはそれぞれ空間部を備えていないことを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
  2. 前記外筐の外周面に複数の軸方向溝が形成されてなるトリポッドジョイントに用いられる等速ジョイント用ブーツであって、
    前記第1の端部の内周面には、前記軸方向溝に対応して中心方向に張り出して形成された複数個の厚肉部と、
    前記夫々の厚肉部間に形成され、前記厚肉部よりも径方向の厚さが小さい薄肉部とを備え、
    前記段差部は、前記薄肉部の内周面に備えられており、
    前記大径突条及び前記小径突条は、前記薄肉部の内周面に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブーツ。
  3. 前記外筐の外周面に複数の軸方向溝が形成されてなるトリポッドジョイントに用いられる等速ジョイント用ブーツであって、
    前記第1の端部の内周面には、前記軸方向溝に対応して中心方向に張り出して形成された複数個の厚肉部と、
    前記厚肉部よりも径方向の厚さが小さく、前記厚肉部の周方向両側に連続して形成される薄肉部と、
    前記薄肉部よりも径方向の厚さが大きく、かつ、前記厚肉部よりも径方向の厚さが小さく、周方向に隣接する前記薄肉部の間に連続して形成される中肉部とを備え、
    前記段差部は、前記薄肉部の内周面に備えられおり、
    前記大径突条及び前記小径突条は、前記薄肉部の内周面に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブーツ。
  4. 前記段差部は、周方向に連続して備えられており、前記大径突条と前記小径突条の少なくとも一方が周方向に連続していることを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブーツ。
  5. 前記厚肉部の内周面には、前記大径突条と周方向に連続する第1の突条と、前記小径突条と周方向に連続する第2の突条が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の等速ジョイント用ブーツ。
  6. 前記厚肉部及び前記中肉部の内周面には、前記大径突条と周方向に連続する第1の突条と、前記小径突条と周方向に連続する第2の突条が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の等速ジョイント用ブーツ。
  7. 前記段差部が軸方向に二つ以上備えられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の等速ジョイント用ブーツ。
  8. 前記大径突条と前記小径突条は、前記バンド締結部の軸方向略中央位置を境にして、軸方向に略均等に離間した位置に備えられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の等速ジョイント用ブーツ。
  9. 前記大径突条と前記小径突条のいずれか一方が、前記バンド締結部の軸方向略中央位置に備えられるとともに、前記大径突条と前記小径突条の他方が、前記中央位置を境にして、軸方向に略均等に離間した位置に備えられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の等速ジョイント用ブーツ。
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