手段1は、遊技者の操作に応じて変化する遊技領域の状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数のリーチパターンのいずれか1つに従ってリーチ遊技状態を演出し、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備える遊技機において、前記特別遊技状態発生手段による各リーチパターンの出現率を時間的要素を条件として変更するリーチ出現率変更手段をさらに備えている。ここで、時間的要素の中には、所定の条件(例えば、遊技機の電源スイッチがオンされること)が満たされてから経過した時間も含まれる。この場合、リーチ出現率変更手段は特別遊技状態発生手段による各リーチパターンの出現率を時間に応じて変更することになる。
前記手段1によると、遊技者の操作に応じて変化する遊技領域の状況が遊技状況検出手段によって検出され、その検出結果に応じて、抽選手段によって抽選が行われる。この抽選手段の抽選結果に基づき、特別遊技状態発生手段により、複数のリーチパターンのいずれか1つに従ってリーチ遊技状態が演出された後、遊技者に有利な特別遊技状態が発生される。リーチ遊技状態の演出に際しては、複数のリーチパターンのうち、出現率の高いものほど出現しやすい。そして、特別遊技状態発生手段による各リーチパターンの出現率は、リーチ出現率変更手段により時間的要素を条件として変更される。従って、各リーチパターンの出現率が常に一定である場合に比べ、より多くのリーチパターンが出現しやすくなる。
手段2は、前記手段1の構成に加え、前記リーチ出現率変更手段により変更された各リーチパターンの出現率を、所定の復帰条件成立により元の値に戻すリーチ出現率復帰手段をさらに備える遊技機である。復帰条件としては、例えば、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生されること、所定のリーチパターンが所定回数出現されること、特別遊技状態発生手段によって所定のリーチパターンに応じたリーチ遊技状態が演出されること、リーチ出現率変更手段によって出現率が変更された時点から所定時間が経過すること等が挙げられる。
前記手段2によると、各リーチパターンの出現率が時間的要素を条件として変更されるが、その後、所定の復帰条件が成立すればリーチ出現率復帰手段により元の値に戻される。従って、例えばリーチパターン毎の出現率が2種類設定されている場合、リーチ出現率変更手段による出現率の変更後において、その変更後の出現率が変らないまま続くことがない。出現率の変更後に特定のリーチパターンばかりが出現するという不具合を防止できる。出現率の変更の頻度を増やし、より多くの種類のリーチパターンを出現させることができる。
手段3は、前記手段1の構成に加え、前記リーチ出現率変更手段による時間的要素を所定の条件に応じて変更する時間的要素変更手段をさらに備える遊技機である。所定の条件としては、例えば抽選を行い、その抽選結果が特定のものであることが挙げられる。前記手段3によると、各リーチパターンの出現率変更の条件とされる時間的要素は一定ではなく、所定の条件に応じて時間的要素変更手段によって変更される。従って、各リーチパターンの出現率が変る条件が複雑となり、遊技者にとってはどのタイミングで出現率が変るのかがわかりにくくなる。
手段4は、遊技者の操作に応じて変化する遊技領域の状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づき、複数のリーチパターンのいずれか1つに従ってリーチ遊技状態を演出し、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備える遊技機において、前記特別遊技状態発生手段が、前記リーチパターン毎の出現率を予め定めたテーブルを複数記憶したテーブル記憶手段と、前記テーブル記憶手段によるいずれか1つのテーブルを参照して1つのリーチパターンを選択し、そのリーチパターンに従ってリーチ遊技状態を演出させるリーチ実行手段とを含むものであり、さらに、前記リーチ実行手段によるリーチパターン決定のためのテーブルを時間的要素を条件として切替えるテーブル切替え手段を備える遊技機である。
前記手段4によると、遊技者の操作に応じて変化する遊技領域の状況が遊技状況検出手段によって検出され、その検出結果に応じて抽選手段によって抽選が行われる。この抽選手段の抽選結果に基づき、特別遊技状態発生手段により、複数のリーチパターンのいずれか1つに応じたリーチ遊技状態を経て、遊技者に有利な特別遊技状態が発生される。ここで、特別遊技状態発生手段によるリーチ遊技状態の演出に際しては、リーチ実行手段により、テーブル記憶手段に記憶された複数のテーブルのいずれか1つが参照される。1つのリーチパターンが選択され、そのリーチパターンに従ってリーチ遊技状態が演出される。
複数用意されているリーチパターンのいずれかに従ってリーチ遊技状態が演出されるか、すなわちどのリーチパターンが出現するか、は各テーブルにおいて予め定められた出現率による。すなわち、各テーブルにおいて、高い出現率が設定されたリーチパターンが出現しやすく、低い出現率が設定されたリーチパターンが出現しにくい。そして、リーチパターン毎の出現率がテーブル毎に異なっていることから、テーブル切替え手段によりテーブルが時間的要素を条件として切替えられれば、それまでとは異なるリーチパターンが出現しやすくなり、それまでよく出現していたリーチパターンが出現しにくくなる。従って、1種類のテーブルのみに従いリーチパターンを選択する場合に比べ、より多くのリーチパターンが出現しやすくなる。このため、前記手段1と同様に、リーチ遊技状態の演出に際し、特定のリーチパターンのみが続けて出現するのを防止し、遊技が単調になるのを未然に防止することができる。
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を、図1乃至図6に従って説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技領域1を有する遊技盤2が組込まれている。遊技領域1には始動口3、特別図柄表示装置(以下単に「表示装置」という)4及び大入賞口5がそれぞれ設けられている。始動口3は遊技球6の通路(図示略)と、その通路の入口を狭めたり拡げたりするための羽根3aとを備えている。
表示装置4は始動口3の上方に位置し、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面4aを備えている。画面4aとしては、LCDに代えて、CRT、ドットマトリックス、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等が用いられてもよい。画面4aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして複数の図柄列がある。本実施形態では、これらの図柄列として、左図柄列7、中図柄列8及び右図柄列9が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。各図柄列7乃至9は複数種類の図柄10からなり、そのうちの3つが同時に表示される。各図柄列7乃至9において同時に表示される図柄10の数は3つ以外であってもよく、例えば1つの図柄列につき1つの図柄10が有効表示されてもよい。これは、大当りラインの数が1つであり、通常、1ラインと呼ばれているものである。
表示装置4では、各図柄列7乃至9の図柄変動が、遊技球6の始動口3への入賞に基づき一斉に開始される。図柄変動は左図柄列7、右図柄列9、中図柄列8の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列7乃至9の変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の停止図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同停止図柄の組合せ(例えば、7,7,7)、となる場合がある。大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。なお、前記のように、表示装置4における図柄10の変動停止態様を必須要件として「大当り遊技状態の発生」の有無を決定することを、「抽選」ともいう。
さらに、パチンコ遊技機は大当り遊技状態に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列9の図柄変動が、大当りライン上において左図柄列7での停止図柄と同一種類の図柄10で停止し、かつ、その後に中図柄列8の図柄変動が左・右図柄列7,9での停止図柄と同一種類の図柄10で停止すれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止されると、大当りの組合せとなる態様で一体的に変動し、その図柄10で停止すれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
リーチ遊技状態では、画面4aにおいて、前述した各図柄列7乃至9での図柄変動に加え、複数のリーチ種別(リーチパターン)のいずれか1つに従ってリーチ動作(リーチアクション)の行われる様子が表示される。本実施形態では、リーチパターンとしてキャラクタ毎に「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」が設定されている。大当り遊技状態の発生に対する期待値は、前述した3種類のリーチパターンにおいて、後ろ側ほど高い値に設定されている。さらに、前述した「全回転リーチ」もリーチパターンに含まれる。
遊技球6の始動口3への入賞に基づき、各図柄列7乃至9での図柄変動が開始されて抽選が行われることは既に説明したが、この抽選中や大当り遊技状態の発生中に、さらに遊技球6が始動口3に入賞した場合には、その分の抽選は、そのときに行われている変動表示の終了後に、より正確には、大当り遊技状態が発生すればその終了後に、大当り遊技状態が発生しなければ変動表示の終了後に、行われる。すなわち、抽選が保留(待機)される。この保留の最大回数はパチンコ遊技機の機種毎に決められており、本実施形態では4回に設定されている。表示装置4において画面4aの上方には、LED、電球等からなる保留ランプ11が組込まれている。保留ランプ11の数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ11は、抽選が保留される毎に点灯し、その保留に対応した抽選が行われる毎に消灯する。
大入賞口5は始動口3の下方に位置しており、入賞領域12、シャッタ13及び大入賞口用ソレノイド(以下単に「ソレノイド」という)14を備えている。入賞領域12の中央部にはVゾーン15が開口し、左右両側には通路16が開口している。ソレノイド14はシャッタ13に駆動連結されており、励磁によりシャッタ13を倒して入賞領域12を開放し、消磁によりシャッタ13を起立させて入賞領域12を閉鎖する。遊技球6がVゾーン15を通過することは、入賞領域12を再度開放するための条件である。従って、入賞領域12の開放中に入賞した遊技球6がVゾーン15を通過すれば、入賞領域12は閉鎖された後、再度開放される。入賞領域12が繰返し開放されることになる。ただし、この繰返し回数には制限が設けられており、予め定められた回数(例えば16回)だけ繰返された後には、原則として入賞領域12が開放されず、大当り遊技状態が終了する。なお、前記のように繰返される複数回の開放状態をそれぞれ区別するために、入賞領域12の開放から閉鎖までの期間を、以下「ラウンド」という。
遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出するために、遊技盤2には始動口用スイッチ17、Vゾーン用スイッチ18及びカウントスイッチ19がそれぞれ取付けられている。始動口用スイッチ17は遊技状況検出手段に相当するものであり、遊技球6の始動口3への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ18は遊技球6のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ19は遊技球6の入賞領域12への入賞(Vゾーン15及び通路16での通過)を検出する。
パチンコ遊技機には、各スイッチ17乃至19の検出結果に基づき表示装置4及びソレノイド14をそれぞれ駆動制御するための制御装置20が搭載されている。制御装置20は読出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは、後述する第1リーチ種別テーブル及び第2リーチ種別テーブルを記憶したテーブル記憶手段に相当するものであり、それらのテーブル以外にも、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶している。CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。
次に、前記のように構成された本実施形態のパチンコ遊技機の作用及び効果について説明する。図2のフローチャートは、制御装置20によって実行される各処理のうち、遊技球6が始動口3に入賞する毎に各種カウンタの値をメモリに格納するためのルーチンを示している。図3及び図4のフローチャートは、前記格納処理ルーチンでの演算結果に基づき、特別電動役物の作動を制御するためのルーチンを示している。また、図5及び図6のフローチャートは、特別電動役物制御ルーチンにおいて実行されるサブルーチンを示している。これらのルーチンの処理は、カウンタ群、通過判定フラグFt、第1リーチ種別テーブル及び第2リーチ種別テーブルに基づいて実行される。
カウンタ群には、保留カウンタCh、ラウンドカウンタCr、入賞カウンタCe、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタ、左・中・右の各図柄カウンタ、リーチ種別カウンタ及び計時用カウンタ(タイマ)が含まれている。保留カウンタChは抽選の保留回数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順に採る。Ch=0は、保留されていない状態又は抽選中を意味する。ラウンドカウンタCrはラウンド数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCeはカウントスイッチ19の検出結果に基づき、入賞領域12への遊技球6の入賞個数をカウントするためのものである。
内部乱数カウンタは大当り遊技状態の発生を決定するためのものであり、外れリーチ乱数カウンタは外れリーチ等を決定するためのものである。左・中・右の各図柄カウンタは、各図柄列7乃至9での停止図柄等を決定するためのものであり、リーチ種別カウンタはリーチパターンを決定するためのものである。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態を経た後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。計時用カウンタは単位時間(例えば2ミリ秒)が経過する毎に値を更新するカウンタであり、このカウント値と単位時間との積が経過時間Tとして用いられる。計時用カウンタは「0」を初期値とし、パチンコ遊技機への電源投入にともないカウント動作を開始するカウンタであり、リセット動作により初期値に戻る。
通過判定フラグFtは、遊技球6のVゾーン通過の有無を判定するために用いられるものであり、Vゾーン用スイッチ18によって通過が検出されない場合に「0」に設定され、通過が検出されると「1」に設定される。なお、カウンタCr、Ce、通過判定フラグFtの各初期値(パチンコ遊技機への電源投入時の値)はいずれも「0」である。
第1及び第2の各リーチ種別テーブルはリーチ種別カウンタの採り得る値と同数のメモリ空間を有している。例えば、リーチ種別カウンタが、所定時間毎に値を「0」乃至「99」の範囲で更新し、特定の値「99」になると初期値「0」に戻るものである場合、メモリ空間の数は100個である。各々のメモリ空間には、ノーマルリーチ決定用データ、スーパーリーチ決定用データ及びスペシャルリーチ決定用データのいずれかが記憶されている。全データ(100個)中、各リーチ決定用データの占める比率は、各リーチパターンの出現率を決定するものであり、リーチ種別テーブル毎に異なっている。
第1リーチ種別テーブルは、従来技術で用いられているリーチ種別テーブルと同様のものであり、このテーブルではノーマルリーチの出現率が他のリーチパターンよりも高く設定されている。例えば、100個のデータが、「0」乃至「99」の数字が付されることによって区別されている場合、そのうちの「0」乃至「69」がノーマルリーチ決定用データとされ、「70」乃至「89」がスーパーリーチ決定用データとされ、「90」乃至「99」がスペシャルリーチ決定用データとされる。この場合、全データ中、ノーマルリーチ決定用データ、スーパーリーチ決定用データ、スペシャルリーチ決定用データの占める比率はそれぞれ70%、20%、10%である。ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの出現率はこれらの比率と同じである。
一方、第2リーチ種別テーブルは新たに作成されたものであり、このテーブルではスペシャルリーチ(又はスーパーリーチ)の出現率が他のリーチよりも高く設定されている。例えば、「0」乃至「19」がノーマルリーチ決定用データとされ、「20」乃至「49」がスーパーリーチ決定用データとされ、「50」乃至「99」がスペシャルリーチ決定用データとされる。この場合、全データ中、ノーマルリーチ決定用データ、スーパーリーチ決定用データ、スペシャルリーチ決定用データの占める比率は、それぞれ20%、30%、50%である。このため、どちらのリーチ種別テーブルを参照するかによって、リーチパターンの出現傾向が異なってくる。
図2の格納処理ルーチンでは、制御装置20はまずステップS10において、始動口用スイッチ17の検出結果に基づき、遊技球6が始動口3に入賞したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと格納処理ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、保留カウンタChの値が保留最大回数(この場合「4」)より小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch≧4)と格納処理ルーチンを終了し、満たされている(Ch<4)と、ステップS30において保留カウンタChに「1」を加算する。このように、遊技球6が始動口3に入賞する毎に、保留カウンタChの値が保留最大回数を限度として「1」ずつ加算されてゆく。保留最大回数以上の入賞があっても、保留は記憶されない。
続いて、ステップS40において、保留カウンタChの値に対応する保留ランプ11を点灯させる。ステップS50において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列7乃至9毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理をいう。ステップS50の処理を実行した後、格納処理ルーチンを終了する。
図3の特別電動役物制御ルーチンでは、まずステップP10において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch=0)と、すなわち抽選が保留されていないと、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされている(Ch=1,2,3,4)とステップP20において、保留ランプ11のうち前記保留カウンタChの値に対応するものを消灯させ、ステップP30において保留カウンタChから「1」を減算する。
次に、A部で示すステップP40乃至P60において、リーチパターンを決定する際に参照するリーチ種別テーブルの設定処理を行う。詳しくは、ステップP40において計時用カウンタの値を読込み、同カウンタのリセット後の経過時間Tを求め、それが所定値(例えば1.0時間)よりも小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされている(T<1.0)と、ステップP50において、ノーマルリーチの出現率の高い第1リーチ種別テーブルを設定し、満たされていない(T≧1.0)と、ステップP60において、スペシャルリーチの出現率の高い第2リーチ種別テーブルを設定する。
前記ステップP50,P60でのリーチ種別テーブルの設定後、ステップP70において図柄変動開始処理を実行する。詳しくは図5のステップP71において、前記ステップS50での内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP72において、大当り値に対応する図柄(以下「大当り図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP76へ移行する。一方、ステップP71の判定条件が満たされていないと、ステップP73において、前記ステップS50での外れリーチ乱数カウンタの値が、予め定められた外れリーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP74において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)10を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP76へ移行する。
ステップP72又はP74から移行したステップP76ではリーチパターンを取得する。すなわち、リーチ種別カウンタの値を読取るとともに、前記ステップP50,P60で決定したいずれか一方のリーチ種別テーブルを参照し、リーチ種別カウンタの値に対応するメモリ空間のデータに基づきノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれかを選択及び決定する。なお、前記ステップP73の判定条件が満たされていないと、ステップP75において前記ステップS50での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、ステップP75又はP76の処理を実行した後、ステップP77において、全図柄列7乃至9での図柄10を一斉に変動させ始める。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールが縦方向にあたかも高速回転しているように見える。そして、図柄変動開始処理ルーチンを終了し、図3のステップP80へ移行する。
ステップP80では、左・右図柄列7,9における図柄10を、前記ステップP72,P74,P75のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄10によって左・右図柄列7,9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップP90でリーチ動作処理を実行する。詳しくは図6のステップP91において、前記ステップP76で取得したリーチパターンがノーマルリーチでないか否かを判定する。ノーマルリーチは、大当り遊技状態発生に対する期待値が他のリーチパターン(スーパーリーチ、スペシャルリーチ)よりも低いリーチパターンである。この判定条件が満たされていないと、ステップP92においてノーマルリーチ動作処理を行う。このリーチ動作処理時には、例えば、スーパーリーチ及びスペシャルリーチとは異なり、キャラクタ図柄がリーチ動作を行わない。そして、リーチ動作処理ルーチンを終え、図3のステップP100へ移行する。
前記ステップP91の判定条件が満たされていると、すなわちノーマルリーチでないと、ステップP93において、前記リーチパターンがスーパーリーチでないか否かを判定する。スーパーリーチは大当り遊技状態発生に対する期待値がノーマルリーチよりも高いリーチパターンである。この判定条件が満たされていないと、ステップP94においてスーパーリーチ動作処理を行う。このリーチ動作処理時には、例えば、キャラクタ図柄が予め定められたリーチ動作を行う。そして、リーチ動作処理ルーチンを終え、図3のステップP100へ移行する。
前記ステップP93の判定条件が満たされていると、すなわちノーマルリーチでもスーパーリーチでもないと、ステップP95において、前記リーチパターンがスペシャルリーチでないか否かを判定する。スペシャルリーチは、大当り遊技状態発生に対する期待値が他のリーチパターンよりも高いリーチパターンである。この判定条件が満たされているとリーチ動作処理ルーチンを終了し、満たされていないと、ステップP96においてスペシャルリーチ動作処理を行う。このリーチ動作処理時には、例えば、キャラクタ図柄が前記スーパーリーチ動作処理時とは異なるリーチ動作を行う。そして、リーチ動作処理ルーチンを終え、図3のステップP100へ移行する。
ステップP100では、中図柄列8の図柄を、前記ステップP72,P74,P75のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄10によって中図柄列8での図柄変動を停止させる。
次に、ステップP110において、左・中・右図柄列7乃至9での停止図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとB部で示すステップP120において計時用カウンタをリセットし、図4のステップP130でラウンドカウンタCrをリセットする。ステップP140で入賞カウンタCeをリセットするとともに、通過判定フラグFtを「0」に設定する。続いて、ステップP150でソレノイド14を励磁する。すると、シャッタ13が倒れて大入賞口5の入賞領域12が開放される。この開放により、遊技球6がVゾーン15又は通路16へ入ることが可能となる。ステップP160でラウンドカウンタCrに「1」を加算する。
次に、ステップP170において、入賞カウンタCeの値が所定値Cemax以下であるか否かを判定し、満たされているとステップP180において大入賞口5の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP170へ戻る。その結果、入賞領域12の開放開始後にCemax個よりも多くの遊技球6が入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、入賞領域12が開放され続ける。これに対し、ステップP170,P180の判定条件のいずれか一方が満たされなくなると、ステップP190においてソレノイド14を消磁する。すると、シャッタ13が起こされて入賞領域12が閉鎖され、入賞領域12への遊技球6の入賞が不可能となる。ステップP200において、ラウンドカウンタCrの値が所定値Crmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP210において通過判定フラグFtが「1」であるか否かを判定し、満たされている(Ft=1)と、ステップP140へ戻る。
従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球6がVゾーン15に最大でCrmax回入るまで、入賞領域12が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Cemaxが「10」に設定され、入賞領域12の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値Crmaxが「16」に設定されている場合には、入賞領域12の開放後、(1)遊技球6が入賞領域12へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で入賞領域12が閉鎖される。この入賞領域12の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球6のVゾーン通過を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップP200,P210の判定条件のいずれか一方が満たされなくなると、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、1つの乱数カウンタを用い、その値に基づき大当り遊技状態の発生を決定したり、外れリーチを決定したりしてもよい。図柄変動開始処理ルーチンにおける図柄変動開始処理(ステップP77)を停止図柄の決定・記憶処理(ステップP71乃至P75)よりも前に行ってもよい。
本実施形態では、格納処理ルーチンにおけるステップS10乃至S30,S50の処理と、図柄変動開始処理ルーチンにおけるステップP71乃至P76の処理とが抽選手段に相当する。特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP90,P110,P140乃至P210の処理が特別遊技状態発生手段に相当する。特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP40,P60の処理がリーチ出現率変更手段に相当し、同制御ルーチンにおけるステップP120,P40,P50の処理がリーチ出現率復帰手段に相当する。特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP70,P90の処理がリーチ実行手段に相当し、同ルーチンにおけるステップP40,P60の処理がテーブル切替え手段に相当する。
上述したように本実施形態では、遊技球6の始動口入賞が始動口用スイッチ17によって検出されると、各カウンタの値を取得し、それらの値に基づいて抽選を行う。すなわち、リーチ遊技状態を経た後に大当り遊技状態を発生させるか、リーチ遊技状態を経た後に大当り遊技状態とはならない外れリーチ遊技状態を発生させるか、又はリーチ遊技状態を経ずに大当り遊技状態とはならない外れ遊技状態を発生させるかを決定する。大当り遊技状態及び外れリーチ遊技状態を選択・決定した場合には、リーチ種別カウンタの値を読取るとともに、メモリ(ROM)に記憶された2種類のリーチ種別テーブルのいずれか一方を参照し、リーチ種別カウンタの値に対応するリーチ種別テーブルのデータに基づきノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか1つを選択し、その選択したリーチパターンに従ってリーチ動作処理を行う。
2種類のリーチ種別テーブルとしては、ノーマルリーチの出現率の高い第1リーチ種別テーブル(従来のリーチ種別テーブルに相当するもの)と、スペシャルリーチの出現率の高い第2リーチ種別テーブルとを予め用意している。そして、リーチパターンの決定に際しては、前記のようにいずれか一方のリーチ種別テーブルを選択して参照するのであるが、この参照するリーチ種別テーブルを経過時間Tに応じて切替えるようにしている。
従って、計時用カウンタが初期値に戻されてから所定時間(1時間)が経過するまでの期間、より詳しくは、まだ一度も大当り遊技状態が発生していない場合には、パチンコ遊技機の電源投入時から1時間が経過するまでの期間、また一度でも大当り遊技状態が発生している場合には、その状態の発生時点から1時間が経過するまでの期間、においては、1時間が経過する前に大当り遊技状態が発生した場合を除き、従来のパチンコ遊技機と同様に、ノーマルリーチが高い確率で出現する。しかし、1時間が経過すると、リーチ種別テーブルが第2リーチ種別テーブルに切替わり、スペシャルリーチが高い確率で出現するようになる。それまでよく出現していたノーマルリーチは出現しにくくなる。この状況は、大当り遊技状態が発生して計時用カウンタがリセットされるまで続く。
このため、遊技者は遊技開始当初ノーマルリーチばかりが出現しても、ある程度の時間にわたって遊技を続ければ、その他のリーチパターン(スペシャルリーチ、スーパーリーチ)を見る機会が増え、遊技の面白み、醍醐味を十分に楽しむことができる。この点において、1種類のノーマル種別テーブルのみに従いリーチパターンを決定するが故に、いつまでたっても特定のリーチパターンばかりが続けて出現するおそれのある従来技術と大きく異なる。また、1時間が経過すると、期待値の高いスペシャルリーチが出現しやすくなるので、遊技者はそろそろ大当り遊技状態が発生するのではないかという期待感を抱くことができ、遊技に対する興趣が高まる。
また、本実施形態では、第1リーチ種別テーブルから第2リーチ種別テーブルに切替えた後、所定の復帰条件成立(ここでは大当り遊技状態の発生)により再び第1リーチ種別テーブルに戻すようにしている。このため、第2リーチ種別テーブルへの切替え後に、スペシャルリーチ等の特定のリーチパターンが高い確率で出現する状況が長時間にわたって続くのを防止できる。リーチ種別テーブルの切替え(出現率の変更)の頻度を増やし、より多くのリーチパターンを出現させることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
(1)リーチ種別テーブルを3つ以上設定し、時間的要素を条件としてこれらを切替えるようにしてもよい。このようにすれば、より多くのリーチパターンを出現させることができる。切替えの対象となるリーチ種別テーブルとしては、例えば以下に示すものを用いることができる。
その1つとして、リーチパターン間における出現率の差が小さいもの(差のないものも含む)が挙げられる。例えば、「0」乃至「99」の100個のデータ中、「0」乃至「39」をノーマルリーチ決定用データとし、「40」乃至「69」をスーパーリーチ用データとし、「70」乃至「99」をスペシャルリーチ決定用データとしたリーチ種別テーブルである。このリーチ種別テーブルでは、全データ中ノーマルリーチ決定用データ、スーパーリーチ決定用データ、スペシャルリーチ決定用データの占める比率(出現率に相当)はそれぞれ40%、30%、30%である。このテーブルに切替わると、次のテーブル切替えまでの期間において、どのリーチパターンも同程度に出現しやすくなる。
ここで、仮に、出現率がリーチパターン毎に大きく異なるリーチ種別テーブルに切替えるとすると、実際に出現するリーチパターンに偏りが生じ(出現率の高い特定のリーチパターンばかりが出現し)、意図的にその傾向が作り出されているような印象を遊技者に与えるおそれがある。また、場合によっては、スペシャルリーチ等の特定のリーチパターンが出現しやすくなっていることが遊技者に悟られてしまうおそれもある。スペシャルリーチが多く出現するがなかなか大当り遊技状態に至らないとなると、同大当り遊技状態発生に対する期待感が失われることもあり得る。これに対し、前記のように出現率の差の小さなリーチ種別テーブルを用いれば、全リーチパターンが偏らずにほぼ同程度にランダムに出現する。このため、特定のリーチパターンが意図的に出現することがなくなる。また、どのリーチパターンが出現するかがわからないので、遊技者に大当り遊技状態が発生するのではないかという期待感を持続させることができる。
別のタイプのリーチ種別テーブルとして、期待値の高いリーチパターン(スペシャルリーチ)の出現率を小さな値に設定し、期待値の中程度のリーチパターン(スーパーリーチ)の出現率を大きめの値に設定したものが挙げられる。ここで仮に、期待値の高いリーチパターンの出現率を極端に高い値に設定すると、そのリーチパターンの出現後に大当り遊技状態が発生しない状況が続いた場合、遊技者の遊技を続ける気を消失させるおそれがある。期待値の高いリーチパターン出現により大当り遊技状態が発生するのではないかという高い期待を抱いているのに、一向に同遊技状態が発生しないからである。
これに対し、前記のように期待値に応じて出現率を設定したリーチ種別テーブルを用いれば、期待値の高いリーチパターンがあまり出現しなくなることから、同リーチパターンが出現したものの外れるという状況が少なくなる。このため、リーチ種別テーブルの切替えに起因して、遊技者の遊技を続けようとする気を不用意に消失させることがない。なお、前記の期待値に応じて出現率を設定したテーブルを用いると、中程度の期待値を有するリーチパターンの出現頻度が高まるが、これによる不具合はない。このリーチパターンが出現したからといって、遊技者は、前記の期待値の高いリーチパターン出現の場合ほど、大当り遊技状態発生に対する期待感を抱かないからである。
さらに、各リーチパターンが複数種類の演出を含んでいる遊技機、例えば、スーパーリーチに演出Aを行うものと演出Bを行うものとがあり、スペシャルリーチに演出Cを行うものと演出Dを行うものとがある遊技機においては、演出A,B毎に、又は演出C,D毎に出現率の異なるリーチ種別テーブルを用いてもよい。この場合、リーチ種別テーブルは、ノーマルリーチに1種類、スーパーリーチに2種類、スペシャルリーチに2種類用意され、全部で5種類使用されることとなる。
そして、例えば、演出Aでは所定のノーマルリーチ動作が表示され、演出Bでは前記所定のノーマルリーチ動作表示の後にスペシャルリーチが続けて出現される(スペシャルリーチに発展する)タイプの場合、リーチ種別テーブルとしては、演出Bの出現率を演出Aの出現率よりも高く設定することが好ましい。このリーチ種別テーブルを用いた場合には、スペシャルリーチに発展するタイプのスーパーリーチが出現しやすくなることから、遊技者に大当り遊技状態発生に対する高い期待感をより効果的に抱かせることができる。
(2)復帰条件を前記実施形態とは異なるものに変更してもよい。例えば、「スペシャルリーチ動作処理を実行すること」としてもよい。具体的には、図3のステップP120の処理を、図6のステップP96の後にB部で示すように行ってもよい。このようにすれば、少なくとも1回はスペシャルリーチが出現した後にリーチ種別テーブルが切替えられることとなり、より多くのリーチパターンを出現させるという目的を十分果すことができる。
(3)前記実施形態及び前記(2)とは異なる復帰条件として、「第2リーチ種別テーブルへの切替え後、所定時間が経過すること」を設定してもよい。その一例を図7においてA部及びB部で示す。なお、図7において、前記実施形態と同様の処理には同一のステップ数を付して、詳しい説明を省略する。図7では、図3のステップP30とステップP40との間に、ステップP220,P120の処理を行っている。ステップP220では、経過時間Tが所定値以上であるか否かを判定する。ここでの所定値は1.0(時間)よりも大きな値であり、例えば、1.5(時間)である。この判定条件が満たされているとステップP120で計時用カウンタをリセットして、ステップP40へ移行し、満たされていないとステップP120の処理を行うことなくそのままステップP40へ移行する。
従って、0<T<1.0の期間には、ステップP30→P220→P40→P50→P70の順に処理が行われて、第1リーチ種別テーブルが設定される。1.0≦T<1.5の期間には、ステップP30→P220→P40→P60→P70の順に処理が行われて、第2リーチ種別テーブルが設定される。T=1.5では計時用カウンタのリセットにより、ステップP30→P220→P120→P40→P50→P70の順に処理が行われて、第1リーチ種別テーブルに戻される。すなわち、第2リーチ種別テーブルへの切替え後、前述した大当り遊技状態やスペシャルリーチ動作処理には無関係に、所定時間(30分)が経過した時点で第1リーチ種別テーブルに戻される。
(4)別の復帰条件として、「所定のリーチパターンが所定回数出現すること」を設定してもよい。これは、時間を要素とした復帰条件では、万が一、その復帰条件が成立するまでに一度もリーチ遊技状態とならなかったり、遊技者が遊技を一時中断して休憩していたりすると、リーチ種別テーブル切替えによる恩恵(多くのリーチパターンが出現すること)が受けられないからである。これに対し、前記のようにリーチパターンの出現回数を要素とした復帰条件とすれば、切替え後のリーチ種別テーブルに従ってリーチパターンが出現した後に元のリーチ種別テーブルに戻されるので、前記の不具合を解消できる。
なお、復帰条件に用いる所定回数を、リーチ種別テーブルの種類に応じて異ならせてもよい。例えば、リーチパターン間における出現率の差が小さく設定されたリーチ種別テーブルでは、前記所定回数を小さな値とし、「スペシャルリーチが1回出現すること」を復帰条件としてもよい。このようにすれば、期待値の高いスペシャルリーチが続けて出現しにくくなり、同スペシャルリーチが出現しやすくなっていることを遊技者に悟られずに、元のリーチ種別テーブルに戻すことができる。
また、「所定のリーチパターンが所定回数出現すること」と「所定の時間が経過すること」の両方を復帰条件として設定し、いずれか一方が満たされたら、元のリーチ種別テーブルに戻すようにしてもよい。また、両者を組合せて「所定のリーチパターンが出現し、かつその出現時点から所定時間が経過すること」を復帰条件としてもよい。さらに、「発射装置から発射された遊技球の数や、払い出された賞球の数をカウントし、そのカウント値が所定値に達すること」を復帰条件としてもよい。
(5)リーチ種別テーブルの切替えタイミングの判定に用いる値を、所定の条件に応じて、例えば抽選により変更するようにしてもよい。その一例を図8においてA部及びB部で示す。なお、図8において、前記実施形態と同様の処理には同一のステップ数を付して、詳しい説明を省略する。ここでは抽選のために乱数カウンタによるカウント値を用いている。乱数カウンタとしては、前記実施形態で説明したいずれかの乱数カウンタであってもよいし、別途用意したものであってもよい。
図3の特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP30の処理を行った後、図8のステップP230に示すように、経過時間Tが2t(tは判定値)以上であるか否かを判定し、その条件が満たされているとステップP120の処理(計時用カウンタのリセット処理)を行う。次に、ステップP240において、乱数カウンタの値が所定値であるか否かを判定する。この判定条件が満たされているとステップP250で判定値tを「1.0」に設定し、満たされていないとステップP260で判定値tを「0.5」に設定する。ステップP250,P260の処理を行った後、又は前記ステップP230の判定条件が満たされていない場合、ステップP270において、経過時間Tが判定値tよりも小さいか否かを判定し、その判定結果に基づきステップP50又はP60のリーチ種別テーブルの設定処理を行う。
従って、0<T<tの期間にはステップP30→P230→P270→P50→P70の順に処理が行われて、第1リーチ種別テーブルが設定される。t≦T<2tの期間には、ステップP30→P230→P270→P60→P70の処理が行われて、第2リーチ種別テーブルが設定される。T=2tでは計時用カウンタのリセットにより、ステップP30→P230→P120→P240→P250(又はP260)→P270→P50→P70の順に処理が行われて、第1リーチ種別テーブルに戻される。そして、この第1リーチ種別テーブルへの復帰に際し、抽選(乱数カウンタの値と所定値との比較)を行い、その抽選結果に基づき判定値tが「1.0」又は「0.5」に設定される。この設定された値に応じ、次回以降のリーチ種別テーブルの切替え時間が変更される。このようにすると、各リーチパターンの出現率変更の条件とされる時間的要素が一定ではなく、抽選結果に応じて変更される。従って、各リーチパターンの出現率が変る条件が複雑となり、遊技者にとってはどのタイミングで出現率が変るのかがわかりにくくなり、遊技の興趣がさらに高まる。
(6)リーチ種別テーブルを用いずに、予め定めた時間が経過したら、それまでとは異なるリーチパターンの出現率を高めるようにしてもよい。
(7)前記実施形態における復帰条件を省略してもよい。すなわち、リーチ遊技状態の出現率を一度変更した後は、その出現率を維持するようにしてもよい。この場合、切替え後のリーチ種別テーブルとして、出現率がリーチパターン毎に大きく異なるものを用いるとすると、特定のリーチパターンのみが高い出現率で出現し続け、遊技者に違和感を与えるおそれがある。そこで、切替え後のリーチ種別テーブルとして、リーチパターン間における出現率の差が小さいもの(差のないものも含む)を用いることが望ましい。このようにすれば、各リーチパターンがバランスよく出現するので、前記のような違和感を与えることはない。例えば、全データ中、40%をノーマルリーチ決定用データとし、40%をスーパーリーチ決定用データとし、20%をスペシャルリーチ決定用データとしたものを第2リーチ種別テーブルとすることができる。
(8)復帰条件を人為的に切替えるための条件切替え手段を設けてもよい。例えば、幾種類かの復帰条件をメモリに予め記憶させておく。そして、パチンコホール側の人間によって選択スイッチが操作されたり、キーボードが操作されたりして1つの復帰条件が選択されると、その選択された条件を復帰条件として設定するようにする。このようにすれば、同一種類のパチンコ遊技機であっても、復帰条件をパチンコホール側の要求するものに適宜合わせることができる。
(9)本発明を、前記実施形態とは異なるタイプのパチンコ遊技機、例えば第3種(権利もの)パチンコ遊技機に適用したり、抽選を複数回行った後に大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機に適用したりしてもよい。また、本発明を、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばアレパチ、アレンジボール等に適用してもよい。