以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るパチンコ機の要部構成を表しており、図1に破線で示す特別表示装置1は、LCDカラーパネルからなる特別表示器2を備え、図2および図3に示すパチンコ機3の遊技盤4面に配設されている。
特別表示器2による各種表示は、図1に示す特別表示手段としての特別表示回路5によって制御され、特別表示器2に対する表示制御のために、特別表示回路5には図示を省略したドライブ回路が内蔵されている。
また特別表示器2は、特別ゲーム時、特別ゲームとは異なる普通ゲーム時、特別ゲームおよび普通ゲームが実施されていない通常のパチンコ遊技状態において、各種情報を遊技者に対して目視可能に表示するためのもので、遊技盤4面の中央に設けられている天入賞口6の直下に配置されている。
特別表示器2は通常のパチンコ遊技状態において、特別識別情報とは異なるデモンストレーション (以下、デモという) 画面および各種メッセージを動画または静止画で表示する。
特別識別情報は、本実施の形態において図4ないし図6に示すように数字および特定の絵柄、すなわち龍、宝石、宝石箱、剣および鍵などを意匠化した合計20種類からなり、特別表示器2の表示面は左列、中列および右列の3分の1列ずつに等分割され、各列毎に特別識別情報が特別表示回路5によって表示される。
特別表示器2の左列は図4の特別識別情報に対応し、中列は図5の特別識別情報に対応し、さらに右列は図6の特別識別情報に対応し、これらのいずれかが特別識別情報として、それぞれの列に停止表示される(図7ないし図9参照)。
特別表示装置1の下方・中央には特別始動領域としての特別始動口7が、また特別始動口7の直上には特別始動口8が特別始動領域として単体で設けられ、さらに特別始動口7の両側にも特別始動領域として一対の特別始動口8,8が配設されている。
また特別始動口7は周知の技術ではあるが、いわゆる電動チューリップから構成されており、詳細は後述するが、従来同様、普通電動役物としての機能も兼用している。
一対の特別始動口8,8は、ともに通常の入賞口と同様な構成を備えている。さらに特別表示装置1の両側には一対の普通始動領域9,9が配設されている(図3参照)。
特別始動口7,8は、いずれにも図1に示す特別始動スイッチ10が設けられており、これら特別始動スイッチ10には特別始動検出回路11が接続されている。
特別始動検出回路11は、特別始動スイッチ10のいずれかが発射球の入賞を検出したとき、その検出信号をインタフェイス回路12を介してMPU13に入力し、MPU13は、詳細を後述する特別ゲームを始動させるための制御信号を発生させる。
特別表示装置1にはインタフェイス回路14が設けられ、MPU13と特別表示回路5とはインタフェイス回路14を介して互いに交信可能に接続されているので、MPU13から発生される制御信号を検出することができる。
これにより特別始動口7,8への入賞に基づいて、特別表示装置1は特別表示回路5によって特別ゲームを始動させることができる。なお特別始動口7,8のいずれかに入賞した発射球を特別始動入賞球という。
本実施の形態における特別ゲームは、いわゆる第1種パチンコ遊技で、いずれかの特別始動口7,8への入賞に基づいて特別ゲームが開始されると、特別表示回路5は複数種類の特別識別情報を図3中、上方から下方にスクロールする動画を特別表示器2に停止表示する。
上記動画が予め定められた変動表示時間だけ継続されると、変動表示は停止され、複数種類の特別識別情報の中からいずれかの特別識別情報が特別表示回路5により、所定の停止表示時間だけ、特別表示器2の左中右のいずれかの列に目視可能に停止表示(以下、停止表示)される。
なおMPU13と特別表示回路5とはインタフェイス回路14を介して交信可能に接続されているので、MPU13は特別表示器2に停止表示される特別識別情報の種別を識別することができる。
そして特別識別情報が特別表示器2に目視可能に表示され、MPU13が特別識別情報の種別を識別し、予め定められた特定の特別識別情報であると判定した場合、MPU13は「特別権利」を発生させる。
上述した「特別権利」を発生させる特別識別情報は、以下、「特別権利発生情報」といい、本実施の形態では左中右の各列とも、すべて同一な特別識別情報が特別表示器2によって停止表示された場合を「特別権利発生情報」に定める。
「特別権利発生情報」は、たとえば図8に示す例では、特別表示器2中、左中右の各列に特別識別情報「3」が右上りの対角線上に停止表示され、図9の例では左中右のすべての列に特別識別情報「龍」が停止表示され、「特別権利発生情報」を構成している場合を示している。
普通始動領域9,9には図1に示すように普通始動スイッチ15が設けられ、普通始動スイッチ15には普通始動検出回路16が接続されている。なお特別始動スイッチ10および普通始動スイッチ15はそれぞれ周知の近接スイッチからなる。
普通始動検出回路16は、普通始動スイッチ15のいずれかが、発射球の入賞を検出したとき、その検出信号をインタフェイス回路12を介してMPU13に入力し、MPU13は、詳細を後述する普通ゲームを始動させるための制御信号を発生させ、これを図1に示す普通表示装置17に入力する。
つづいて普通表示装置17は、図3に示す天入賞口6の直下に配置された普通表示器18を備え、普通ゲームを開始させる。この普通表示器18は1桁の「7セグメント」LED(またはLCD)表示素子から構成されている。
上述した普通表示装置17は、図1に示すように、普通表示回路19と確率制御回路20と変動条件決定回路21とを備え、確率制御回路20および変動条件決定回路21は普通識別情報の種別を決定するために各々無限カウンタを設けている。
普通表示回路19は普通識別情報を普通表示器18に表示動作させるためにドライバを備え、普通ゲームに際し普通識別情報を所定の変動表示時間変動表示させたのち、両回路20,21の無限カウンタの一方によって決定されたいずれかの普通識別情報を所定の普通表示確率の下で普通表示器18に停止表示させる。
また確率制御回路20および変動条件決定回路21と、MPU13とは互いに交信可能に接続されており、MPU13は、普通表示回路19によって普通表示器18に停止表示される普通識別情報の種別を、両回路20,21の無限カウンタの一方から取り込んだいずれかのカウント値に基づいて識別することができる。
本実施の形態における普通ゲームは、その開始直後、普通表示装置17が普通始動領域9への発射球の通過を検出すると、普通表示回路19は普通表示器16に普通識別情報として「0〜9」の数字およびアルファベットのいずれかを発光表示し、その時点において表示されているものとは異なるほかの普通識別情報を所定の表示周期で順次発光表示する。
これを普通識別情報の変動表示といい、上述した普通識別情報の表示周期は、本実施の形態では目視確認が不能な程度に短く定められている。しかしながら、これに限定されるものではなく、普通識別情報を普通表示器16に停止表示または普通表示器16上で変更させる周期は目視可能な時間に定めてもよい。
そして普通識別情報の変動表示が予め定められた変動表示時間(たとえば1分間)だけ継続されると、普通識別情報の変動表示は停止される。
つづいて普通表示回路19は普通表示器18に、両回路20,21の無限カウンタの一方から取り込んだカウント値に基づいて、そのカウント値に対応する普通識別情報を所定の停止表示時間(たとえば2秒間)だけ停止表示する。
本実施の形態において、確率制御回路20の無限カウンタは「0」ないし「19」の範囲で、また変動条件決定回路21の無限カウンタは「0」ないし「99」の範囲でループしながら、各々4msec周期で「1」ずつカウントアップする。
そして確率制御回路20の無限カウンタからMPU13によって取り込まれたカウント値が「3」の場合、普通表示器16に普通権利発生情報が停止表示され、その普通表示確率、すなわち「普通権利」の発生確率は1/20である。
これに対して変動条件決定回路21の無限カウンタから取り込んだカウント値が偶数(「0」を含む)である場合、普通権利発生情報が停止表示され、その表示確率すなわち「普通権利」の発生確率は1/2に設定される。
以上から、本実施の形態における普通表示確率の値、いいかえれば普通表示器18に停止表示される普通識別情報が普通権利発生情報である確率値は、1/20および1/2のいずれかであることがわかる。
普通表示確率のうち、その値が上位である確率(=1/2)は以下、普通第1確率といい、下位である確率(=1/20<1/2=普通第1確率)は以下、普通第2確率といい、これらはMPU13が確率制御回路20および変動条件決定回路21のいずれかを選択することに基づいて一方に設定される。
なお本実施の形態の普通権利発生情報は「7」で、他の普通識別情報は「0」ないし「6」と、「8」および「9」と、アルファベットとで構成されている。
そして普通第1確率に基づいて普通識別情報が表示される場合、MPU13はインタフェイス回路12および表示器駆動回路22を介し、その旨をランプからなる高確率表示器23によって発光表示する(図1ないし図3参照)。
なお本実施の形態では、後述する変動条件が満足されない場合と、初期状態とにおいて、MPU13は、確率制御回路20と後述する大役第2カウンタとからカウント値を取り込む。
そして後述する変動条件が満足されると、MPU13は変動条件決定回路21からカウント値を取り込むことにより、普通表示回路19を介し、普通第1確率に基づいて普通識別情報を表示する。
詳細を後述するが、変動条件が満足されるか否かは「特別権利」の発生を決定した直後、遊技者にとっては特別表示装置1に「特別権利発生情報」が停止表示されるとほぼ同時に、図示を省略した変動情報カウンタから変動条件決定回路21によって取り込まれるカウント値に応じて決定され、その変動情報カウンタはMPU13に備えられてた複数系統の無限カウンタ(図示省略)のひとつである。
これら無限カウンタは、MPU13によってソフトウエアで構成系統が備えられ、特別識別情報の種別の決定と、変動条件が満足されるか否かとの決定のために使用される。以下に、MPU13の無限カウンタの構成を説明する。
まず「特別権利」を発生させるか否かを決定する大役第1カウンタおよび大役第2カウンタ、「特別権利発生情報」の種別を決定する特定カウンタ、「特別権利発生情報」とは異なる特別識別情報の種別を決定する特別カウンタ、そして、変動条件が満足されるか否かと、後述する変動情報の種別とを決定する変動情報カウンタから構成されている。
上記変動情報は「特別権利」の発生中に特別権利行使情報とともに、情報表示回路24によって特別表示器2に目視可能に表示される。
本実施の形態における特別権利行使情報は「特別権利」の行使時における大入賞口29への入賞球数、「特別権利」の通算行使回数(以下、行使回数という)、「特別権利」の発生可能な残時間、「特別権利」の更新可否から構成されている。
すなわち特別権利行使情報は、「特別権利」の行使中に開放中の大入賞口29にパチンコ球を入賞させることに伴って変化するもので、情報表示回路24によって特別表示器2に変動情報とともに目視可能に表示される。
つぎに上述したMPU13の各無限カウンタについて説明する。まず大役第1カウンタおよび大役第2カウンタはMPU13が所定周期、本実施の形態では4msecで「1」ずつカウントアップさせ、大役第1カウンタは「0」ないし「49」の範囲で、また大役第2カウンタは「0」ないし「255」の範囲でループする。
そしてMPU13は特別始動スイッチ10が特別始動入賞球を検出したとき、上記大役第1カウンタおよび大役第2カウンタのいずれか一方のみから、その検出時点のカウント値を取り込み、いずれのカウンタでも、取り込まれたカウント値が「7」であるとき、「特別権利」がMPU13によって発生される。
これにより本実施の形態において、特別権利発生情報が特別表示器2に停止表示される確率は、カウント値がMPU13により、大役第1カウンタから取り込まれた場合には「1/50」に定められ、大役第2カウンタから取り込まれた場合には「1/256」に定められることがわかる。
なお特別権利発生情報が上記特別表示器2に停止表示され、「特別権利」が発生する確率は、MPU13が大役第1カウンタからカウント値を取り込む場合を、特別第1確率といい、大役第2カウンタからカウント値を取り込む場合を、特別第2確率ということにする。
またMPU13が大役第1カウンタおよび大役第2カウンタのいずれからカウンタを取り込むかは、変動情報カウンタから取り込まれるカウント値によって定められる。
つぎに特定カウンタは、図4ないし図6に示された特別識別情報のすべての組合せ、すなわち20の3乗(=8000)通りの「特別権利発生情報」の組合せのいずれかを選択するためのものである。
そのため本実施の形態においてMPU13は「0」ないし「19」の範囲でループしながら、大役第1カウンタのカウント値が1順する度に、特定カウンタのカウント値を「1」ずつカウントアップすることで、「特別権利発生情報」の組合せを「20種類」形成している。
つぎに特別カウンタは、図4ないし図6に示す特別識別情報の各列の組合せのうち、上述したように「特別権利発生情報」の「20種類」の組合せを除いた組合せ「7980種類」に対応させるためのものである。
そしてMPU13は大役第1カウンタのカウント値を1順させる度に、「0」ないし「7979」の範囲でループしながら、特別カウンタを「1」ずつカウントアップしている。
つぎに変動情報カウンタは、MPU13が大役第1カウンタのカウント値を1順させる度に、「0」ないし「79」の範囲でループしながら、「1」ずつカウントアップする。本実施の形態ではMPU13と変動条件決定回路21とは確率変動手段を構成する。
変動情報カウンタは本実施の形態において、MPU13が大役第1カウンタまたは大役第2カウンタから「7」を取り込んだときに、変動条件決定回路21がMPU13の変動情報カウンタからカウント値を取り込み、そのカウント値に応じて変動条件が満足されるか否かが決定される。
そして変動条件決定回路21によって変動情報カウンタから取り込まれたカウント値が、「0」ないし「39」である場合、変動条件が満足されるものと定め、その場合、情報表示回路24は「特別権利」の発生中、変動情報を特別権利行使情報とともに、特別表示器2に目視可能に表示する。
このようにして変動条件が満足されると、その時点で発生している「特別権利」の消滅から、少なくとも次回の「特別権利」が発生するまでの間、MPU13が大役第1カウンタからカウント値を取り込むことにより、特別権利発生情報を特別第1確率(=1/50>1/256) に基づいて停止表示するので、特別権利発生情報を特別第2確率に基づいて停止表示する場合と比較して、「普通権利」よりも上位の「特別権利」は発生し易く、遊技者にとって有利な状態(以下、有利な状態という)が形成される。
一方、「普通権利」についていえば、変動条件が満足されると、MPU13は変動条件決定回路21の無限カウンタからカウント値を取り込むことにより、普通権利発生情報を普通第1確率(=1/2>1/20) に基づいて停止表示するので、普通権利発生情報を普通第2確率に基づいて停止表示する場合よりも、「普通権利」は発生し易く、パチンコ遊技中の単位時間当たりにおける持球数の減少の度合いが抑止される。
つぎに変動情報カウンタから変動条件決定回路21によって取り込まれたカウント値が、「40」ないし「79」の場合、変動条件は満足されないものと定め、その旨に相当する変動情報が情報表示回路24により、特別権利行使情報とともに特別表示器2に目視可能に表示される(後述)。
そして変動条件が満足されないと、MPU13は、その時点で発生中の「特別権利」の消滅から、少なくとも次回「特別権利」が発生するまで、大役第2カウンタからカウント値を取り込むことで、特別権利発生情報を特別第2確率(=1/256<1/50) に基づいて停止表示するので、特別第1確率に基づいて特別権利発生情報を停止表示する場合と比較して、「特別権利」は発生しにくい。
一方、「普通権利」についていえば、変動条件が満足されない場合、MPU13は確率制御回路20の無限カウンタからカウント値を取り込むことにより、普通識別情報を普通第2確率(=1/20<1/2) に基づいて停止表示するので、普通第1確率に基づいて普通識別情報を停止表示する場合よりも、「普通権利」が発生しにくく、そのためパチンコ遊技中の単位時間当たりにおける持球数の減少の度合いも多くなる。
本実施の形態の変動情報は図10ないし図36のように、2種類の互いに異なるキャラクタA,Bの対戦を想定した動画および静止画の組合せからなり、キャラクタA,Bの一方Aを遊技者、他方Bをパチンコ機3にそれぞれ対応させている。
そして変動情報の表示態様は、変動情報カウンタから取り込まれるカウント値「0」ないし「79」に応じて決定される。
さらに両キャラクタA,Bの対戦数は、本実施の形態においては「特別権利」発生中、合計で3回に定められ、各回のキャラクタA,Bの対戦に基づく勝敗の組合せが、変動条件決定回路21によって変動情報カウンタから取り込まれるカウント値に基づいて決定される(後述)。
つぎに変動情報の表示例を以下に説明する。本実施の形態において、情報表示回路24は第1回目の対戦については、「特別権利」の行使回数が第1回目のとき、図10に示すように対戦する1対のキャラクタを特別表示器2に停止表示する。
また行使回数が第2ないし第4回目のとき、図11と、図12または図13に示すように、行使回数・第1回目で表示された1対のキャラクタによる対戦の表示内容、すなわち勝敗に至る表示過程を特別表示器2に停止表示し、その勝敗結果を行使回数・第5回目で特別表示器2に停止表示する(図14または図15参照)。
以下同様、情報表示回路24は第2回目の対戦についてを、行使回数が、第6回目のときに対戦する1対のキャラクタを表示し、その対戦内容を第7ないし第9回目のときに停止表示し、さらに行使回数・第10回目ときに勝敗結果を特別表示器2に停止表示する(図16ないし図21参照)。
そして第3回目の対戦については、情報表示回路24が、行使回数・第11回目のとき、対戦する1対のキャラクタを表示し、その対戦内容を行使回数・第12ないし第14回目のときに停止表示し、さらに行使回数・第15回目ときに勝敗結果を特別表示器2に停止表示する(図22および図27参照)。
上述した各対戦の勝敗結果は、キャラクタA,Bのいずれか一方が他方に対して勝利または敗北する旨を連想させる動画によって表現され、行使回数・第16回目のとき、情報表示回路24が第1ないし第3回目の各対戦結果のすべてを静止画により、特別表示器2に目視可能に同時表示する(図28参照)。
なお本実施の形態において上記勝敗結果には引き分けがないものとし、そのため本実施の形態における上記勝敗を各キャラクタA,Bについて考えると、その組合せは「2の3乗(=8)通り」になる。
その組合せの内訳は、キャラクタA,Bのいずれか一方が他方に対して全勝または全敗する場合が2種類、同1勝2敗する場合が3種類、同2勝1敗する場合が3種類の合計8種類になる。
これらはMPU13の変動情報カウンタのカウント値に対応しており、本実施の形態ではそのカウント値が「0」ないし「9」である場合にキャラクタAの全勝(キャラクタBの全敗)、同「10」ないし「39」である場合にキャラクタAの2勝1敗(キャラクタBの1勝2敗)に定められている。
そして「特別権利」が、MPU13による大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動条件決定回路21による変動情報カウンタからのカウント値「0」ないし「39」のいずれかの取り込みとに基づいて発生した場合、情報表示回路24は、変動条件が満足された旨を示す変動情報を特別権利行使情報とともに、特別表示器2に目視可能に表示する。
他方、「特別権利」が、MPU13による大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動条件決定回路21による変動情報カウンタからのカウント値「40」ないし「79」のいずれかの取り込みとに基づいて発生した場合、情報表示回路24は、変動条件が満足されない旨を示す変動情報を特別権利行使情報とともに、特別表示器2に目視可能に表示する(図35および図36参照)。
そして「特別権利」が発生したときに、変動条件が満足されず、変動情報カウンタから取り込まれたカウント値が「40」ないし「49」である場合、キャラクタAの全敗(キャラクタBの全勝)、同「50」ないし「79」である場合にキャラクタAの1勝2敗(キャラクタBの2勝1敗)が決定される。
本実施の形態において、変動情報は行使回数・第5回目、第10回目および第15回目の3回に分割して、「特別権利」の行使中、所定周期で特別権利行使情報と交互に行使回数の更新直前まで、漸次、特別表示器2に停止表示され、キャラクタAがキャラクタBに対し全勝または2勝すると、その結果は行使回数・第16回目以降に停止表示され、変動条件が満足された旨を表現する。
なおキャラクタAがキャラクタBに対して全敗または2敗した場合、その結果は行使回数・第16回目に停止表示され、変動情報は、変動条件が満足されない旨を表現する。なお図28は、キャラクタAがキャラクタBに対して2敗した例を示している。
また本実施の形態では「特別権利」が、MPU13による大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動条件決定回路21による変動情報カウンタからのカウント値「0」ないし「9」のいずれかの取り込みとに基づいて発生した場合、現「特別権利」を含まずに、合計2回の「特別権利」の行使が終了するまで、変動条件決定回路21によって普通権利発生情報の種別を決定する。
すなわち現状の「特別権利」の行使が終了したのち、次回発生する「特別権利」の行使が終了し、さらにそのつぎに発生する「特別権利」の行使が終了するまで、変動条件決定回路21によって普通権利発生情報の種別が決定される。
これにより遊技者は普通第1確率(=1/2)の下で普通ゲームを遊技できるので、普通第2確率(=1/20) の下での普通ゲームと比較して、「普通権利」が発生する確率は10倍になり、合計2回の「特別権利」の行使終了する間、普通第2確率の下での普通ゲームと比較して有利な状態が形成される。
さらに本実施の形態で上述した有利な状態が形成される旨は、その時点で発生している「特別権利」の行使終了後、通常のパチンコ遊技状態に移行する以前、図29ないし図31に示すような態様で特別表示器2に目視可能に表示される。
また「特別権利」が、MPU13による大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動条件決定回路21による変動情報カウンタからのカウント値「10」ないし「39」のいずれかの取り込みとに基づいて発生した場合、この「特別権利」の行使終了後、次回発生する「特別権利」の行使が終了するまで、すなわち1回だけ変動条件決定回路21によって普通権利発生情報の種別を決定する。
これにより遊技者は普通第1確率の下で普通ゲームを遊技できるので、普通第2確率の下での普通ゲームと比較して、有利な状態が形成される。
なお本実施の形態において上述した有利な状態が形成される旨は、その時点で発生している「特別権利」の行使終了後、通常のパチンコ遊技状態に移行する以前、図32ないし図34に示すような態様で特別表示器2に目視可能に表示される。
この図32ないし図34に示す表示態様は、上述した合計2回の「特別権利」の行使終了するまでの間、普通第1確率の下で普通ゲームが実施される場合の、第1回目の「特別権利」の行使終了後にあっても、同様に停止表示される。
なお変動条件決定回路21は、特別表示装置1に設けられている情報表示回路24に接続されており、普通第1確率が選択されている場合、その旨と、普通第1確率が選択されるまでの「特別権利」の行使終了回数に相当する情報とを表す変動条件信号が変動条件決定回路21から情報表示回路24に入力される。
さらに本実施の形態では上述した「特別権利」の行使終了回数は、上述している行使回数ではなく、「特別権利」が継続されても、それは加算しないものとし、その時点で発生している「特別権利」が一旦消滅して、通常のパチンコ遊技状態に移行し、新たな特別ゲームの開始に伴って新たな「特別権利」が発生した場合を「特別権利」の行使終了回数として加算するものと定める。
また情報表示回路24は、上記大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値が「7」、かつ、変動情報カウンタからからのカウント値が「10」ないし「39」のいずれかの場合、キャラクタBに対するキャラクタAの勝敗は上述したように2勝1敗であり、その組合せは合計で3種類ある。
これは第1ないし第3回目の対戦結果において、キャラクタAがいずれかで敗北することであり、本実施の形態では変動情報カウンタからのカウント値が、「奇数」かつ「3の倍数でない」とき、第1回目の対戦で敗北し、以下、カウント値が「偶数」であるとき、第2回目の対戦で敗北し、カウント値が「3の倍数である」とき、第3回目の対戦で敗北することに定める(図28参照)。
なお本実施の形態ではMPU13によって変動情報カウンタから取り込まれたカウント値が、「偶数」かつ「3の倍数である」ときには、第3回目の対戦で敗北することに定める。
さらには「特別権利」が、MPU13による大役第1カウンタまたは大役第2カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動情報カウンタからのカウント値「50」ないし「79」のいずれかの取り込みとに基づいて発生した場合、キャラクタBに対するキャラクタAの勝敗は上述したように1勝2敗で、その組合せは合計で3種類になる。
そして変動情報カウンタからのカウント値「50」ないし「79」が、「奇数」かつ「3の倍数でない」とき、第1回目の対戦で勝利し、以下、カウント値が「偶数」であるとき、第2回目の対戦で勝利し、またカウント値が「3の倍数である」とき、第3回目の対戦で勝利することに定める。
なお本実施の形態ではMPU13によって大役第1カウンタまたは大役第2カウンタから取り込まれたカウント値が、「偶数」かつ「3の倍数である」ときには、第3回目の対戦で敗北することに定める。
これらの勝敗結果については、行使回数・第16回目で、情報表示回路24がキャラクタA,Bを「×(ばつ)印」とともに特別表示器2に目視可能に▲表示することで、図28に示すように表現される。
いいかえれば「×印」が特別表示器2に表示されていないキャラクタA,Bは、勝利していることを表現しているのである。なお全勝または全敗については、勝敗の組合せが1種類なので、行使回数・第16回目において勝敗の表示態様に係る問題は発生しない。
また本実施の形態では、変動条件決定回路21は、特別始動スイッチ10が特別始動入賞球を検出するタイミングに基づいて、変動情報カウンタからカウント値を取り込んでいるが、これに限定されるものではない。
たとえば「特別権利」の発生中、MPU13が継続スイッチ30によって継続検出回路31を介し、あるいはカウントスイッチ32によって入賞球数検出回路33を介し、可変入賞球装置25への入賞球(以下、大役入賞球という)を最初に検出した時点で、変動条件決定回路21が変動情報カウンタからカウント値を取り込んでもよい。
そして「特別権利」の発生中に大役入賞球が継続スイッチ30で検出されないとき、情報表示回路24はキャラクタAがキャラクタBに対して全敗した旨を表示するところの変動情報(図28参照)を特別表示器2に停止表示する。
つづいて「特別権利」の消滅後、通常のパチンコ遊技に復帰し、この状態から普通始動領域9,9への発射球の通過に基づいて普通ゲームが実施されると、確率制御回路20は普通第2確率で普通識別情報を普通表示器18に停止表示するのである。
なお本実施の形態では大役入賞球数を特別表示器2に停止表示するほか、図3中、開閉板28の下方に設けた入賞球数表示器34,35によっても発光表示され、入賞球数表示器34は10個のLEDからなり、入賞球数表示器35はいわゆる7セグメントLEDからなり、これら表示器34,35はMPU13により、表示器駆動回路22を介して周知のように発光制御される。
つぎに「特別権利」の発生中における特別権利行使情報の表示についてを以下に概略のみ説明する。まず「特別権利」が発生すると、MPU13が「特別権利」の発生準備として、パチンコ機3を構成する各部に対して初期設定を施す。
さらに特別表示回路5は、「特別権利」発生の旨と、行使回数・第1回目である旨とを特別権利行使情報として特別表示装置2に目視可能に表示し、また「特別権利」の行使中、カウントスイッチ32が大役入賞球を検出すると、MPU13によってカウントされる大役入賞球数は、特別表示器2および入賞球数表示器34,35に目視可能に表示される。
そして「特別権利」の行使中、継続スイッチ30が大役入賞球を検出した場合、MPU13は継続モードをセットすると同時に、「特別権利」が継続される旨、いわゆる「V入賞」に相当する表示を、特別権利行使情報として動画または静止画の態様で特別表示器2に目視可能に表示する。
この「特別権利」の発生から所定時間、本実施の形態では30秒間経過、または、大役入賞球が所定数、本実施の形態では10球が入賞すると、MPU13は大入賞口ソレノイド27をソレノイド駆動回路26で解磁して開閉板28を一旦閉鎖させる。
そしてMPU13は大役入賞球数に関わらず、「特別権利」をふたたび1回のみ発生させると同時に、すでにセット済の上記継続モードを解除する。
この継続モードは、継続スイッチ30が大役入賞球を検出しないときにはセットされず、また大役状態が予め定められた回数(本実施の形態では初回を含んで16回)連続して選択されたときにも、ふたたびセットされることはない。
またMPU13は、「特別権利」を発生させる時間の計測用に図示を省略した大役タイマを備え、大役タイマに「特別権利」の発生開始以前、初期値として30秒間をセットし、「特別権利」の発生と同時に大役タイマをスタートさせる。
本実施の形態において、通常のパチンコ遊技状態中で、非ゲーム状態が継続して所定時間(たとえば3分間)経過すると、特別表示回路5は、いわゆるデモ表示などからなる一般情報の表示内容を適宜入れ換えることにより、周知のスクリーンセイバ機能をもたせ、特別表示器2の焼き付きを抑止している。
この非ゲーム時に始動入賞球がMPU13を介して特別表示回路5により検出されると、特別表示回路5は一般情報を表示していた特別表示器2上に、特別識別情報を変動表示させることで、特別表示装置1によるゲームを開始する。
なお特別識別情報の変動表示は特別表示器2の図3中、上方から下方にスクロールさせる動画からなり、特別表示回路5は複数種類の特別識別情報を図4ないし図6の各キャラクタの外位置に付された数字の小さい順に、所定周期で漸次表示させ、これを各列毎に定める変動表示時間継続させることで構成している。
そして変動表示の開始時点から上記変動表示時間が経過すると、特別表示回路5はいずれかの特別識別情報を特別表示器2の中央位置に所定の停止表示時間だけ停止表示させる。
特別識別情報、一般情報、変動情報および特別権利行使情報を、特別表示器2に停止表示するために、各情報のキャラクタデータが図1に示すキャラクタジェネレータROM(以下、C-G.ROMと記す)36に格納され、このC-G.ROM36は特別表示回路5に接続されている。
特別表示回路5はMPU13から入力される命令(制御信号)に基づいて特別表示器2への表示または走査を、C-G.ROM36に格納されている各データに基づいて制御し、その際、特別表示器2に停止表示するための演算値および各種データは、画像RAM37に一時的に格納される。
MPU13はROM38に格納されたプログラムを読み込んで適宜、演算し、各種データ、命令および演算値などをRAM39に一時的に格納する。
またパチンコ機3全体に対しては電源回路40によって電力供給が供給され、電源回路40の起動時、電源リセット回路41がリセット回路42を通してMPU13およびパチンコ機3全体にリセット信号を入力する。
なおMPU13にはクロック回路43が接続されており、分周回路44によって所望仕様のクロックパルス信号がMPU13に入力される。
図3に戻り、遊技盤4の下方にはアウト孔45が設けられ、アウト孔45と特別表示装置1との間には可変入賞球装置25が配置されている。
またパチンコ機3の前側下方には、上皿46が設けられ、パチンコ球が上皿46から投入されると、図示を省略した投入球供給装置から打球装置(図示省略)に供給され、上皿46から溢れた賞品球は下皿47に払出される(図2参照)。
また大入賞口29の両側には通常入賞口48が設けられ、パチンコ球はハンドル装置(図2参照)49を操作することにより、遊技盤4に向かって打ち出される。
その発射球が特別始動口7,8に入賞すると、特別ゲームが開始され、その旨はMPU13により、図1のスピーカ50から電子音発生回路51により効果音で報知されると同時に、表示器駆動回路22を介して特別図柄変動中表示器52によって発光表示される。
また特別ゲーム中、さらなる発射球が特別始動口7,8に入賞すると、表示器駆動回路22は、最多で4球分迄、特別図柄始動記憶表示器53に発光表示する(図1および図3参照)。
そして「特別権利」が発生した場合、その旨はMPU13により、図1に示すスピーカ50から電子音発生回路51によって効果音で報知され、「特別権利」が発生している間、表示器駆動回路22はランプからなる大当たり表示器56を発光させる(図1および図3参照)。
他方、発射球が普通始動領域9を通過すると、普通ゲームが開始され、その旨はMPU13により、スピーカ50から電子音発生回路51によって効果音で報知されるとともに、普通図柄変動中表示器54によって発光表示される。
また普通ゲーム中、さらなる発射球が普通始動領域9を通過すると、表示器駆動回路22は、最多で4球分迄、普通図柄始動記憶表示器55に発光表示する(図1および図3参照)。
なお本実施の形態におけるC-G.ROM36の格納内容を詳しくいえば、「特別権利」発生時に使用する大役キャラクタデータ、変動情報のキャラクタ用動画素材データ、特別権利行使情報の停止表示用素材データ、一般情報、変動情報および特別識別情報の各停止表示用素材データ、同変動表示素材データ、特別識別情報のいわゆるリーチ状態および変動表示のための制御手順、このリーチ状態に係る特別識別情報の停止表示用素材データ、行使回数表示用静止画素材データ、各種デモ用の静止画素材データ、同動画素材データ、「特別権利」の発生時における大役入賞球数用の静止画素材データ、各種メッセージ(通常のパチンコ遊技状態から「特別権利」の発生状態への移行決定表示、「特別権利」発生中表示、普通第1確率の下での特有特別識別情報の停止表示決定表示、「特別権利」の行使から、通常のパチンコ遊技状態移行直前表示、エラー表示など)用静止画素材データ、同動画素材データおよび色調に相当する符号データ、変動情報のための動画素材データなどが、遊技の進行に応じた各表示タイミングごとに格納されている。
大役キャラクタデータは「特別権利」の発生時に使用されるもので、特定状態静止画素材データと大役静止画素材データとからなる。
特定状態静止画素材データは「特別権利」発生の旨を表示し、また大役静止画素材データは、「特別権利」発生中に遊技変化をもたらせるための装飾的役割が主な目的になっている。
変動情報のキャラクタ用動画素材データは、キャラクタA,Bの勝敗に係るものが2種類ずつ3回分、合計で8種類(=2の3乗)格納され、これらはキャラクタA,Bの対戦開始から勝敗決定に至る動画を構成する。
そしてキャラクタA,Bの対戦開始を示す変動情報の動画は「特別権利」の行使開始直後から特別表示器2に、特別権利行使情報とともに表示され、勝敗決定を示す変動情報の動画は「特別権利」の行使終了間際に特別表示器2に表示され、さらに次回の普通ゲームが普通第1確率で実施、いいかえれば変動条件が満足されたか否かに係る変動情報の総合的な表示は、「特別権利」の消滅間際に特別表示器2に表示される(図10ないし図34参照)。
特別識別情報の変動表示用の動画素材データは特別ゲームの開始に伴って、特別識別情報を変動表示させるためのデータであり、特別識別情報の静止画素材データはいずれかの識別情報を停止表示させる際に使用される。
またリーチ状態停止素材データは、特別ゲーム中、特別表示器2におけるいずれか2つの列、本実施の形態では左列および右列の各停止図柄データが一致し、いわゆるリーチ状態が形成された場合、その旨を報知表示するためのものである。
その報知のために特別表示回路5は、C-G.ROM36からリーチ状態停止素材データを読み出し、このデータによって形成される特別識別情報と、リーチしている特別表示器2のいずれかの列の特別識別情報とを入れ換えたり、リーチしている特別表示器2のいずれかの列の色彩または輝度を所定のタイミングで周期的に変更する。
このようなリーチ状態の表示態様を以下、ブリンク表示ということにし、このブリンク表示により、特別表示回路5はリーチ状態を遊技者に報知表示する。
また特別表示回路5はブリンク表示と同時に、遊技盤4に設けられた特別図柄変動中表示器(図1および図2参照)52を、表示器駆動回路22を介して点灯表示または点滅表示することにより、遊技者にリーチ状態を光で報知表示する。
特別図柄変動中表示器52は、特別ゲームが開始されていることを表示するためのもので、通常の特別ゲームが進行している場合と、その進行中にリーチ状態が形成されている場合との間で、特別図柄変動中表示器52の発光態様を互いに異ならせることにより、異なる複数種類の状況を表示できる。
なおリーチ状態形成中、図1に示す電子音発生回路51によってスピーカ50から効果音を発生させることにより、リーチ状態が形成されている旨を遊技者の聴覚と視覚とを通して、より明確に報知表示できる。
また普通ゲームでは、上述したように普通識別情報が確率制御回路20および変動条件決定回路21のいずれかの無限カウンタに基づいて選択され、その普通識別情報は普通表示回路19によって普通表示器18に目視可能に停止表示される。
なお変動条件決定回路21は、特別表示装置1に設けられている情報表示回路24に接続されており、初期状態および変動条件が満足されていない場合、その旨を表す変動条件信号が変動条件決定回路21から情報表示回路24に入力される。
そして変動条件決定回路21は普通始動領域9,9への発射球の通過タイミングに応じ、いずれかの普通識別情報に相当するデータを選択し、そのデータを表示器駆動回路22を介して普通表示装置17に入力するのである。
こののち普通表示装置17は変動条件決定回路21から入力されたデータに基づいていずれかの普通識別情報を表示する。なお確率制御回路20にあっても、普通識別情報の選択に至る手順は、変動条件決定回路21による手順と同様である。
また特別始動口7には「普通権利」を発生させるため、図1の普通電動役物ソレノイド57を設けており、普通電動役物ソレノイド57が励磁されると、図示が省略されているリンク機構を介して、その電動チューリップが開放状態になる。
他方、普通電動役物ソレノイド57が解磁されると、特別始動口7は閉止状態になって上記開放状態よりも入賞しにくくなる。また普通電動役物ソレノイド57にはソレノイド駆動回路58が接続され、上記励・解磁をMPU13によってインタフェイス回路12を介して制御している。
つぎに上記構成に係るパチンコ機の制御手順を以下に説明する。まず電源回路40から電力が供給されると、MPU13はリセット回路42および電源リセット回路41による初期化と同時に、MPU13がパチンコ機3の各部に初期設定を施す。
この初期設定により、MPU13がC-G.ROM36から初期設定時のデモ用画面素材データを読み出して画像RAM37に書き込み、これに基づいて特別表示器2にデモ用画面を表示すると同時に、普通ゲーム中である旨を普通図柄変動中表示器54およびスピーカ50によって音および光で報知する。
また上述した初期設定により、普通表示装置17は普通第2確率の下で普通ゲームを、また特別表示装置1は初期状態において特別第2確率の下で特別ゲームを開始するようになっており、MPU13は両ゲームの開始を待機する。
いいかえればMPU13は普通始動領域9および特別始動口7,8への通過(入賞)球の検出を待ち、発射球が普通始動領域9または特別始動口7,8を通過すると、普通始動スイッチ15または特別始動スイッチ10によって検出されたのち、その検出信号がインタフェイス回路12を介してMPU13に入力される。
普通始動スイッチ15からの検出信号がMPU13に入力されると、普通ゲームが開始され、ここで普通権利発生情報が普通表示器18に停止表示された場合、「普通権利」が発生するので、ソレノイド駆動回路58は普通電動役物ソレノイド57を励磁させ、特別始動口7が開放状態になって「普通権利」を行使できる。
他方、特別始動入賞球が特別始動スイッチ10、インタフェイス回路12を介してMPU13によって検出されると、特別表示回路5は特別ゲームを開始し、同時にMPU13が特別ゲーム中である旨を特別図柄変動中表示器52およびスピーカ50によって音および光で報知する。
そして特別ゲームの開始に基づき、特別権利発生情報が大役第2確率に基づいて特別表示器2に停止表示されると、周知のように「特別権利」が発生するので、ソレノイド駆動回路26が第入賞口ソレノイド27を励磁させるため、可変入賞球装置25が開放状態になって「特別権利」の行使が可能になる。
そして現「特別権利」が、MPU13による大役カウンタからのカウント値「7」の取り込みと、変動条件決定回路21による変動情報カウンタからのカウント値「0」ないし「39」のいずれかの取り込みとに基づいて発生している場合、情報表示回路24は、変動条件が満足された旨を示すために変動情報を特別権利行使情報とともに、特別表示器2に目視可能に表示する。
これにより遊技者は、次回の「特別権利」が発生するまでの通常のパチンコ遊技状態の間、普通第1確率で普通ゲームが実施されるか否かを認識できる。
また本実施の形態では変動情報によって表現される内容が情報表示回路24により、「特別権利」の発生時点、即座には表示されず、「特別権利」が発生し、その「特別権利」の行使に伴って表示、詳しくいえば「特別権利」の発生中、すべて同時に特別表示器2表示されるのではなく、「特別権利」の行使に伴って漸次少量ずつ表示されるので、変動条件が満足されているか否かは、「特別権利」の行使開始時点では即座に認識できない。
そして遅くとも、「特別権利」の行使が終了した時点で、変動条件が満足されているか否かを認識でき、「特別権利」を消滅させるために大入賞口29が閉鎖され、通常のパチンコ遊技状態に復帰する。
そして変動条件が満足されている場合には、普通ゲームが変動条件決定回路21の無限カウンタからのカウント値の取り込みに基づいて実施されるので、「普通権利」は普通第1確率(=1/2)で発生する。
一方、変動条件が満足されていない場合には、普通ゲームが確率制御回路20の無限カウンタからのカウント値の取り込みに基づいて実施されるので、「普通権利」は普通第2確率(=1/20)で発生する。
本実施の形態では変動条件が満足された場合に、「特別権利」および「普通権利」の両発生確率を同時に変動させる例を説明したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方の「権利」の発生確率のみを変動させる構成にしてもよい。
たとえば「特別権利」の発生確率のみを変動させる場合、上述した普通表示装置17の変動条件決定回路21を省略して、普通表示装置59を図37に示すように構成すれば、普通識別情報は確率制御回路20の無限カウンタにより、普通第2確率の下でのみ表示されるので、「普通権利」の発生確率が1/20で固定される。
なお変動条件決定回路21による上述した変動情報カウンタからのカウント値の取り込みは、確率制御回路20によって実行される。
また「普通権利」の発生確率のみを変動させる場合、上述したMPU13の大役第1カウンタの構成を省略することにより、特別識別情報はMPU13の大役第1カウンタにより、特別第2確率の下でのみ表示されるので、「特別権利」の発生確率が1/256で固定される。
さらにまた「特別権利」および「普通権利」の発生確率を両方同時、または、片方のみを変動する代わりに、「特別権利」および「普通権利」の発生確率を一方ずつ変動するように構成してもよい。
たとえば初期設定時に「特別権利」を特別第2確率の下で、また「普通権利」を普通第2確率の下で発生させ、変動条件が満足された場合、「特別権利」および「普通権利」の一方のみを変動させ、次回の変動条件が満足された場合に、「特別権利」および「普通権利」の一方のみを変動させ、満足されない場合には初期設定時の確率の下でゲームするのである。
そのためMPU13は、変動条件が満足される度に「特別権利」用のフラグと、「普通権利」用のフラグとを交互にON−OFFさせ、同時に「特別権利」および「普通権利」の両方の発生確率を変動させないようにするのである。
さらにまた変動条件が満足された場合に、「特別権利」用のフラグと、「普通権利」用のフラグとを交互ではなくて、任意にONさせることによって、「特別権利」および「普通権利」の両方の発生確率を任意に変動させるように構成してもよい。
その場合の組合せは、「特別権利」および「普通権利」の両方と、片方ずつとの合計3通りがある。そこで変動条件が満足された時点で、その3通りを選択するための抽選を実行すればよいのである。
たとえば変動条件が満足されるか否かの決定時に、変動情報カウンタからのカウント値の取り込みが実行されるが、そのカウント値が、たとえば「0」ないし「9」であれば「特別権利」および「普通権利」の両方を、「10」ないし「19」であれば「特別権利」のみが、「20」ないし「39」であれば「普通権利」のみが、発生確率を変動させるのである。
このような変動情報カウンタから取り込まれるカウント値と、「特別権利」および「普通権利」との対応の組合せはまったく任意であり、上述した組合せに限定されるものではない。
上述したように変動条件が満足される度に、「特別権利」および「普通権利」の両方の発生確率が変動するのではなくて、一方あるいは両方が交互、または、任意に変動するので、「特別権利」および「普通権利」の両方の発生確率が変動する構成と比較して、より変化に富んだ遊技が提供され、遊技者の遊技意欲を向上させる。
本実施の形態は、変動情報カウンタと大役カウンタとを備えて変動条件が満足されるか否かを決定し、変動条件が満足される場合、確率変動手段は確率を変動させるが、変動条件が満足されるか否かを表示するための変動情報は情報表示手段によって「特別権利」の消滅間際に表示するように構成した。つまり本実施の形態では、前記変動情報は「特別権利」の発生時点で即座に表示されることはない。
よって、「特別権利」の発生直後における「普通権利」および「特別権利」の一方または両方の「権利」の発生確率の下降に対する遊技意欲の減退を皆無にし、その発生確率上昇時に得られる賞品球数増大に対する期待感を、「特別権利」の行使とは別個に抱かせることになって、遊技意欲を向上させる。