JP5158064B2 - シリカ粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、シリカ粒子およびその製造方法に関する。
シリカ粒子は樹脂フィラーとして用いられており、例えば、半導体素子の封止材用のフィラーとして用いられている。近年、半導体素子の高集積化に伴って、半導体素子から発生する熱の放散が問題となっており、封止材の熱伝導度を高める樹脂フィラーとして好適なシリカ粒子が求められていた。
封止材用に用いられている従来のシリカ粒子としては、結晶形がα石英であり、粉砕工程を経て製造されているため形状が不定形のシリカ粒子と、非晶質のシリカ(シリカガラス)からなり形状が球形のシリカ粒子がある。前者はα石英としての高い熱伝導度(12.8W/mK)を有するが、粒子形状が不定形であるため、該シリカ粒子を樹脂に高充填することができず、これを用いた樹脂成形体(封止材)の熱伝導度は十分ではなかった。また、後者は、粒子の形状が球形であるので樹脂に高充填することができるが、非晶質のシリカとしての低い熱伝導度(2.2W/mK)を有するため、やはりこれを用いた樹脂成形体の熱伝導度は十分ではなかった。
そこで、非晶質シリカではなく、熱伝導度の高い結晶質のシリカ(どの結晶形も10W/mK程度)からなり、かつ樹脂に高充填できる形状が球形のシリカ粒子として、例えば、結晶形がクリストバライトであり、平均粒径が16μmの球状のシリカ粒子が樹脂フィラーとして提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このシリカ粒子をエポキシ樹脂にフィラーとして充填して樹脂成形体を作製した場合、84重量%の高い比率で充填することができ、樹脂形成体は2.45W/mKの高い熱伝導度を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、このようなシリカ粒子の製造方法として、非晶質のシリカからなる球状の粒子を1500℃という高温で20時間加熱した後、1時間あたり100℃というゆっくりとした速度で冷却することにより非晶質のシリカを結晶形がクリストバライトのシリカとする製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、樹脂成形体にはさらに高い熱伝導度が求められており、樹脂成形体の熱伝導度をさらに高めることができる樹脂フィラーとなるシリカ粒子およびその製造方法が求められていた。
特開2001−172472号公報
本発明の目的は、樹脂成形体の熱伝導度を従来よりさらに高めることができる樹脂フィラーとなるシリカ粒子およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決するために、結晶質のシリカ粒子およびその製造方法について鋭意検討した結果、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形を有し、かつ形状が球状のシリカ粒子が、樹脂に従来よりさらに高充填することができ、高い熱伝導度を有する樹脂成形体を与えるシリカ粒子となることを見出し、また、そのようなシリカ粒子が、シリカゾルを分散させた分散相液を、該分散相液と相溶性のない連続相液に、細孔を通過させて注入することによりエマルジョンを作製し、該エマルジョンから分散相を分離してケーキとし、分離することにより得られたケーキを、Ca、Y、LaおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む結晶化剤の共存下に、800℃以上1300℃以下の温度範囲で保持して焼成することにより得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、形状が球状であり、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形を有することを特徴とするジリカ粒子を提供する。また本発明は、シリカゾルを分散させた分散相液を、該分散相液と相溶性のない連続相液に、細孔を通過させて注入することによりエマルジョンを作製し、該エマルジョンから分散相を分離してケーキとし、分離することにより得られたケーキを、Ca、Y、LaおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む結晶化剤の共存下に、800℃以上1300℃以下の温度範囲で保持して焼成することを特徴とするシリカ粒子の製造方法を提供する。
本発明のシリカ粒子は、樹脂フィラーとして用いた場合、樹脂成形体の熱伝導度を従来より高めることができるので、半導体素子の封止材用のフィラーとして好適であり、さらに本発明の製造方法により、該シリカ粒子を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
本発明のシリカ粒子は、粒子の形状が球状であり、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形を有する。従来から樹脂フィラーとして用いられているかまたは提案されている結晶性のシリカ粒子は、多結晶の場合も単結晶の場合も、粒子一つの有する結晶形は1種であり、α石英(「水晶」または「クォーツ」ともいう。)、トリジマイト(シリカの結晶形の一つであり、870℃以上1470℃未満の範囲の高温に加熱した場合に生成する結晶形である。)クリストバライト(シリカの結晶形の一つであり、1470℃以上融点(1730℃)未満の範囲の高温に加熱した場合に生成する結晶形である。)のいずれか1種であった。本発明のシリカ粒子は多結晶であり、一つの粒子の中に、α石英の結晶形を有する微結晶、トリジマイトの結晶形を有する微結晶およびクリストバライトの結晶形を有する微結晶のいずれか2種以上の微結晶を有する。
このように、形状が球状であり、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形を有する本発明のシリカ粒子が、エポキシ樹脂等の樹脂に高充填することができる理由は明らかではないが、従来の一つの結晶形を有するシリカ粒子は、一つの結晶形しか有さないため、その結晶形が有している面が粒子表面に現れる傾向があり、十分に球状の形状を有していなかったものと考えられ、一方、本発明のシリカ粒子は、異なる結晶形を有する2種以上の微結晶からなるため、その2種以上の結晶形が有している面が粒子表面に現れ難く、従来のシリカ粒子より形状が完全な球状に近いためと考えることができる。
α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形のうち、1種が多過ぎると、実質的に1種の結晶形からなるシリカ粒子に近くなり、樹脂へ充填可能な充填率が低下する傾向があるので、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトからなる群より選ばれる2種以上の結晶形の、いずれの組合せにおいても、各々の結晶形が粒子全体に占める割合の平均は、90体積%以下が好ましく、80体積%以下がさらに好ましい。
なお、半導体封止材用フィラーとして用いるには適切な粒径範囲が存在し、大き過ぎると、封止時に半導体ベアチップと電極を結ぶボンディングワイヤーがフィラーの粒子により切断されるという問題が発生する傾向があり、小さ過ぎるとシリカ粒子同士が凝集して樹脂モノマーと十分混練できないという問題が発生する傾向があるので、平均粒径の範囲は0.05μm以上50μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上40μm以下の範囲がさらに好ましい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明のシリカ粒子は、シリカゾルを分散させた分散相液を、該分散相液と相溶性のない連続相液に、細孔を通過させて注入することによりエマルジョンを作製し、該エマルジョンから分散相を分離し、得られたケーキを焼成することにより製造することができる。
本発明の製造方法における出発原料としては、微細なシリカ粒子からなるシリカゾルをを分散させた分散相液用いる。このような分散相液としては、例えば、コロイダルシリカ液やエチルシリケートを加水分解したゾル液が挙げられる。シリカゾルの粒子の平均粒径は、細孔の平均細孔径より小さい必要があり、平均細孔径の1/5以下が好ましく、より好ましくは1/10以下である。
この分散相液が水系液の場合、連続相液は分散相液と実質的に相溶性を有していなければよく、連続相液としては非水溶性の有機溶媒を用いることができる。具体的には、トルエン、シクロヘキサン、ケロシン、ヘキサン、ベンゼン等を挙げることができる。
一方、分散相液が非水溶性の液の場合、分散相は非水溶性の液に微細なシリカ粒子が分散したゾルを用いる。この非水溶性の液としては非水溶性の有機溶媒を用いることができ、具体的には前記の有機溶媒を挙げることができる。そしてこの場合、連続相液としては、連続相液との相溶性が実質的にない有機溶媒または水またはそれらの混合物を用いることができ、通常は水を用いる。
ここで、分散相液には界面活性剤を含有させることができる。分散相液が水系液の場合は、分散剤としては、具体的には、ポリカルボン酸またはそのアンモニウム塩、ポリアクリル酸またはそのアンモニウム塩等を挙げることができる。分散相液が非水溶性液の場合は、分散剤としては、具体的には、ソルビタンエステル、グリセリンエステル等を挙げることができる。さらに、界面活性剤は、連続相液に含有させることもできる。
次にエマルジョンを作製する。エマルジョンは分散相液を細孔を通して連続相液に注入する方法により作製する。エマルジョンは、分散相液が水系の場合は水/油(W/O)となり、分散相液が非水系液の場合は油/水(O/W)となり、そのいずれでもよい。
このエマルジョンの作製において用いる細孔としては、細孔を有するノズル、多孔膜、多孔体の細孔を用いることができ、効率と強度の点から多孔体の細孔が好ましい。得られるシリカ粒子の粒径は、平均細孔径を変えることにより変えることができ、球状シリカ粒子の粒径は、フィラーとして用いるには0.05〜50μmの範囲とすることが好ましいので、細孔の平均細孔径は0.05μm以上100μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上50μm以下の範囲がさらに好ましい。
細孔として多孔体の細孔を用いる場合、その多孔体としては、比較的均一な細孔径を有しているものであればよく、具体的には、シラスポーラスガラス(以下、「SPG」という。)、ガラス多孔体、セラミック多孔体等を挙げることができ、細孔径を精密に調節することができるので、SPGが好ましい。多孔体の表面は、W/Oエマルジョンの場合は親油化、O/Wエマルジョンの場合は親水化することが好ましい。例えば、SPGの場合は多孔体表面は親水性であるが、親油化が必要な場合、次のようにして表面処理を行うことができる。表面処理は、例えば、多孔体をシリコン樹脂溶液に浸し乾燥する、シランカップリング剤を塗布する、トリメチルクロロシランに接触させる等の方法により行うことができる。
分散相液が細孔から出るとき、細孔から速やかに離脱させる操作を加えることが好ましく、具体的には、多孔体を振動させる、分散媒を循環させるなどの操作を加えることが好
ましい。
こうして得られたエマルジョン中にはシリカゾル液が分散相として存在しており、この分散相をエマルジョンから分離してケーキとする。分離は、濾過またはデカンテーションにより行うことが好ましい。遠心分離によると、分散相の粒子が相互に結合したり変形することがある。
ここで、得られたエマルジョンから分散相を分離する前にエマルジョンをゲル化させるため、ゲル化剤を連続相液に含有させることができ、ゲル化剤を含有させることが好ましい。ゲル化剤としては、塩化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム等を用いることができる。Na等の金属の混入が問題となる可能性があるので、ゲル化剤としては、塩化アンモニウムおよび炭酸水素アンモニウムが好ましい。ゲル化剤の量は、シリカに対して通常は0.1モル%以上10モル%以下となる量であり、1モル%以上5モル%以下となる量が好ましい。
また、本発明の製造方法においては、後の焼成工程においてシリカの結晶化を促進するため、結晶化剤をケーキに共存させる。結晶化剤をケーキに共存させるには、結晶化剤を含有する液をケーキに含浸させてケーキに共存させてもよく、分散相液に含有させることによりケーキに共存させてもよく、連続相液に含有させて分散相に移行させることによりケーキに共存させてもよく、前記いずれかの方法を組み合わせてもよい。結晶化剤としては、具体的には、Ca、Y、LaおよびEuから選ばれる1種以上の元素を含むものが挙げられ、それらの元素は通常は塩として用いる。塩の種類は水系液または非水溶性液に溶解するものであればよく、例えば、硝酸塩、塩化物、蓚酸塩などから適宜選んで用いることができる。結晶化剤の量は、シリカに対して通常は酸化物換算で0.1重量%以上10重量%以下となる量であり、0.5重量%以上5重量%以下となる量が好ましい。
次いで、こうして得られたケーキを焼成する。焼成は、結晶化剤の有無、種類、含有量により最適な温度は変化するが、800℃以上1300℃以下の温度範囲で保持して行い、900℃以上1200℃以下の温度範囲が好ましい。結晶化剤を用いない場合は、1300℃においてはクリストバライトは生成しないが、結晶化剤を用いると、1300℃の焼成によっても非晶質のシリカは結晶化し、クリストバライトが生成しうる。焼成における保持温度が1300℃を超えると、シリカ粒子同士が融着する場合がある。なお、焼成の前に、ケーキを100〜200℃程度の温度で乾燥させることが好ましい。
焼成後に得られる粒子は、エマルジョン中の分散相の形状を保持しており球状であり、結晶相は、α石英、トリジマイトおよびクリストバライトから選ばれる2種以上からなり、通常はα石英およびクリストバライトからなる。そして、α石英とクリストバライトの存在比は結晶化剤および焼成温度により異なるが、クリストバライトが20%から90%である。
本発明の製造方法によるシリカ粒子は、細孔を通してエマルジョンを作製し、得られたエマルジョン中の分散相の粒径が焼成後に得られるシリカ粒子の粒径に反映されるため、粗大粒がなく、また、細孔径の分布をシャープにすることにより粒度分布をシャープにすることができる。さらに、結晶化剤を用いた場合は、低温で結晶化させることができるため、焼成時の凝集が弱く分散性に優れることから、例えばジェットミル、ナイロンボールを用いたボールミル等による弱い粉砕により凝集粒子を一次粒子に分散させることができる。そして、弱い粉砕後に得られるシリカ粒子の粒度分布は狭く(シャープであり)、微粒側からの累積粒度分布の10、90%の粒径をそれぞれD10、D90とすると、D90/D10を5以下とすることができ、2以下とすることもできる。
本発明のシリカ粒子は、結晶性であることから、粒子そのものの熱伝導度が高い。さらに球状であることと、分散性にすぐれていることに加え、異なる平均粒径を有する粒子を製造して混合することにより粒度分布を精密に設計することができるので、樹脂への高充填が可能であり、樹脂フィラーとして用いた場合、樹脂成形体の熱伝導度を従来より格段に高くすることができる。
また、本発明の結晶性球状シリカ粒子は、粗大な粒子が含まれず、形状が均一であり、結晶性が高いことから、精密研磨材としても優れた特性を有する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1. 粒子形状の観察
1次粒子の形状は粉末をSEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製T−300型)およびTEM(透過型電子顕微鏡、日本電子製JEM40000FX型)により観察した。
2. 平均粒径の評価
平均粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置であるマルバーン社(英国)製のマスターサイザー2000型により測定した。
3. 粉末の結晶相の分析
X線回折装置(リガク製 RINT2500TTR型)により測定した。
実施例1
シリカゾルを分散させた分散相液としてコロイダルシリカ液(日産化学製)を用い、連続相液としてトルエンを用い、平均細孔径3μmのSPG多孔体を用い、エマルジョンを作製した。SPG多孔体は直径1cm、長さ10cm、厚さ1mmのチューブ形状であり、両端をOリングで密閉し、その内部に分散相液を通し、SPGを通してチューブの外側に押し出し、エマルジョンを作製した。分散相液の押し出しは、約3kg/cm2の圧力の空気を供給することにより行なった。なお、SPGはトリメチルクロロシラン無水トルエン溶液に浸漬することにより表面を親油化処理した。界面活性剤はtween80(ソルビタンモノラウレート)を3重量%となる量を添加した。ゲル化剤として塩化アンモニウム水溶液を、エマルジョン作製後、連続相液にシリカに対して2モル%となる量を添加した。得られたエマルジョンをろ過により分離してケーキとした。得られたケーキを110℃で乾燥後、結晶化剤として、硝酸カルシウム水溶液を乾燥ケーキに加えて吸収させることにより、酸化物換算でシリカに対し2重量%(SiO2:98重量%、CaO:2重量%)となるように添加し、再度乾燥後、1100℃で焼成した。得られた粒子は平均粒径が3.5μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト68重量%、α石英32重量%であった。
実施例2
結晶化剤として、Ca、Yの硝酸塩を用い、シリカに対して酸化物換算でそれぞれ2重量%、0.5重量%(SiO2:97.5重量%、CaO:2重量%、Y23:0.5重量%)となるように分散相液に添加した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた粒子は、平均粒径が3.4μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト42重量%、α石英58重量%であった。
実施例3
結晶化剤としてYの硝酸塩を用い、酸化物換算でシリカに対して2重量%となるようにを分散相液に添加した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた粒子は、平均粒径が3.4μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト33重量%、α石英67重量%であった。
実施例4
結晶化剤としてEuの硝酸塩を用い、酸化物換算でシリカに対して3重量%となるように分散相液に添加した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた粒子は、平均粒径が3.2μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト43重量%、α石英57重量%であった。
実施例5
結晶化剤としてLaの酢酸塩を用い、酸化物換算でシリカに対して3重量%となるように分散相液に添加した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られた粒子は、平均粒径が3.8μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト76重量%、α石英24重量%であった。
実施例6
多孔体として平均細孔径が50μmのSPGを用いた以外は実施例1と同様に実施した。得られた粒子は、平均粒径32μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト62重量%、α石英38重量%であった。
実施例7
多孔体として平均細孔径が0.1μmのSPGを用いた以外は実施例1と同様に実施した。得られた粒子は、平均粒径0.3μmの球状粒子で、結晶相はクリストバライト73重量%、α石英27重量%であった。
実施例8
実施例1および7で得られた粒子を、「実施例1で得られた粒子」:「実施例7で得られた粒子」が重量比で3:7となるように混合し、エポキシ樹脂に添加した。エポキシ樹脂として住友化学工業製のELA128(商品名)を、硬化剤としてPSM4261を用い、カップリング剤として東レシリコーン製SH6040(商品名)を用いた。混合した粒子をエタノールに分散させ、カップリング剤をシリカ粒子に対して1重量%となるように添加し、次いで乾燥し、シリカ粒子表面にカップリング剤を吸着させた。前記混合した粒子とエポキシ樹脂とを3本ロールを用いて混練した。混練後、トランスファー成形により約50mmφ×3mm厚のシートに成形した。得られた成形体の密度をアルキメデス法により、熱伝導度をレーザーフラッシュ法により測定した。密度から算出した充填率は88重量%と高い値となり、熱伝導度は2.9W/mKを示した。

Claims (2)

  1. シリカゾルを分散させた分散相液を、該分散相液と相溶性のない連続相液に、細孔を通過させて注入することによりエマルジョンを作製し、該エマルジョンから分散相を分離してケーキとし、分離することにより得られたケーキを、Ca、Y、LaおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む結晶化剤の共存下に、800℃以上1300℃以下の温度範囲で保持して焼成することを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
  2. 結晶化剤のケーキ中の含有量が、酸化物換算でシリカに対して0.1重量%以上10重量%以下となるような量である請求項1記載の製造方法。
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