JP5157767B2 - 流量制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体、特に半導体製造装置において供給されるプロセスガスの質量流量を制御する流量制御装置に関する。
半導体製品等を製造する工程において、例えばCVD装置のチャンバー内には半導体ウエハが載置され、成膜に必要な原料や化学反応物質を含むプロセスガスが供給される。チャンバーにはプロセスガスを流す流路を形成するガス管等を介してプロセスガスの供給源が接続されている。プロセスガスの供給量を高い精度で制御するために、流路の途中、言い換えれば、チャンバーとプロセスガス供給源との間に流量制御装置(マスフローコントローラ)が配設されている。
流量制御装置を用いてプロセスガスの供給量を高い精度で制御できるものの、例えば流量制御装置自体の経時的劣化や、プロセスガスによる付着物(主に固形物)等の生成によっては当該制御の精度が低下する場合がある。そこで、流量制御装置の下流側でプロセスガス等の流体の圧力や流量を計測して、実際にチャンバーへ供給される量を計測することで、その制御の精度の低下を防止する手段が講じられている流量制御装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の流量制御装置は、ガスボンベ(プロセスガス供給源)用の減圧弁を通過したガスの圧力を計測する第1の圧力計と、真空処理室(チャンバー)内の圧力を計測する第2の圧力計とを備える。そして、第1の圧力計及び第2の圧力計からデータ収集装置8に格納される圧力データP1及び圧力データP2に基づいて、比較演算器が真空処理室へ供給される予め設定されたガス流量に対応した制御弁を駆動する弁制御電圧値を算出し、弁制御信号として制御弁に指令する。
特許文献2に記載の流量制御装置は、メインバルブによって流量制御されたガス導出側のガス導出管部にガス流量測定装置部を備えている。そして、ガス流量測定装置部が具備する流量感知センサによってガス導出管部を流れる流量を表す信号が出力されることで、ガス導出管部の流量が表示される。同時に、この信号と、ガス流量測定装置から出力された、メインバルブより上流側の流量を表す信号と共に、比較回路に入力されて比較されることで、異常表示が行われる。このように、実際に流量制御装置より下流側に流れる流量が計測されているので、所定の設定が変更されることによって適正な流量に修正される。
特開2001−51723号公報(段落0016〜段落0021、図1) 特公平6−20045号公報(第2頁右欄第21行〜第28行目、第2図)
特許文献1及び特許文献2に記載の流量制御装置は、流量制御装置より下流側の流量又は圧力を現時点で計測することによって、チャンバーへ供給するプロセスガス等の変動した流量が適切な流量に修正される。しかしながら、チャンバーへ供給される流量は補正されているものの、流量が適正な値に補正されている間に生じる、実際の供給量(チャンバーへ供給される総量)と目標の供給量との差異量(ズレ量)は補正されていない。
本発明は上記背景より、チャンバーへ供給されるプロセスガス等の流体の供給量(総量)を補正することができる流量制御装置を提案するものである。
請求項1に係る流量制御装置の発明は、流路を流れる流体の流量を調整する弁機構と、前記流路を流れる流体の流量を検出すると共に、検出された流量検出値を表す流量検出信号を出力する流量検出手段と、前記流量検出信号を受けて、この流量検出信号が表す流量検出値と、外部又は内部に設けられた記憶手段に記憶された、前記流路に流す流体の目標の流量設定値とに基づいて前記弁機構を制御する弁機構制御手段を備える制御手段とを有し、前記流路に設置される流量制御装置であって、前記流路の、前記弁機構より下流側に設置され、設置箇所において流れる流体の圧力値を検出すると共に、検出された圧力検出値を表す圧力検出信号を出力する圧力検出手段を有し、予め前記流路に前記流体が流され、前記弁機構制御手段が前記流量設定値と前記流量検出値とが一致するように前記弁機構を制御したときに、前記圧力検出手段が検出した圧力基準値の時間変化を示した、圧力基準値−時間テーブルが前記記憶手段に記憶され、前記制御手段は、前記圧力検出信号を受けて、この圧力検出信号が表す圧力検出値と、この圧力検出値の検出時に対応する、前記圧力基準値−時間テーブルの時間の前記圧力基準値に基づいて前記弁機構を制御する弁機構補正制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記弁機構補正制御手段は、前記圧力検出値と前記圧力検出値に対応する前記圧力基準値から、前記圧力検出値の正否を判定するための判定値を算出する判定部と、前記判定値が前記圧力検出値の異常を示すとき、前記流量設定値を補正し、その補正値である補正流量設定値を算出する流量補正制御部とを有し、この補正流量設定値と前記流量検出値とに基づいて前記弁機構を制御することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記弁機構補正制御手段は、前記判定値が異常を示すときに、前記流量設定値を補正する期間を示す補正期間フラグを前記記憶手段に記憶させる補正期間フラグ手段を有し、前記流量補正制御部は、前記判定値が正常を示すとき、前記補正期間フラグに基づいて前記流量設定値を補正することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記弁機構補正制御手段は、前記判定値が異常を示した工程が終了した以降に、前記流量設定値を補正する工程であることを示す補正工程フラグを前記記憶手段に記憶させる補正工程フラグ手段を有し、前記流量補正制御部は、前記補正期間フラグ及び前記補正工程フラグに基づいて前記流量設定値を補正することを特徴とする。
本発明は、流路の弁機構より下流側に設置され、設置箇所において流れる流体の圧力値を検出すると共に、検出された圧力検出値を表す圧力検出信号を出力する圧力検出手段を有し、予め流路に流体が流されて弁機構制御手段が流量設定値と流量検出値とが一致するように弁機構を制御したときに、圧力検出手段が検出した圧力基準値の時間変化を示した、圧力基準値−時間テーブルが記憶手段に記憶され、制御手段は、圧力検出信号を受けて、この圧力検出信号が表す圧力検出値と、この圧力検出値の検出時に対応する、圧力基準値−時間テーブルの時間の圧力基準値に基づいて弁機構を制御する弁機構補正制御手段を備えるので、チャンバーへ供給されるプロセスガス等の流体の供給量(総量)を補正することができる。
(実施の形態1)
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1に、CVD装置等のチャンバーにプロセスガスを供給する半導体製造装置に適用された流量制御装置の具体例を示す。
[流量制御装置の構成]
半導体製造装置100は、例えば、図1に示すように、半導体製品(図示せず)を成膜処理等によって製造する空間を区画するチャンバー2と、チャンバー2に供給するプロセスガス(以下、ガスという)等を貯留するプロセスガス供給源3(以下、供給源3という)と、供給源3とチャンバー2との間に介在し、ガスを流動させる流路を形成するガス管4と、流路途中に設置された流量制御装置1と、例えば、当該半導体製造装置100を含む製造ライン全体の稼働を制御するホストコンピュータ等の上位の外部システム5とを備える。チャンバー2は真空引きされて所定の減圧雰囲気の状態で維持されており、ガスは減圧雰囲気状態のチャンバー2に供給される。
図面では流量制御装置1はガス管4の途中に設置されているが、流路途中、つまり供給源3とチャンバー2との間に設置されて、流路を構成すればよいので、例えばガス管4と供給源3との間、或いはガス管4とチャンバー2との間に設置されることも可能である。本実施の形態では、ガス管4は流量制御装置より上流側の第1ガス管4Aと、下流側の第2ガス管4Bとで構成されている。両ガス管4A、4Bの材質や形状・大きさ等は、チャンバー2内での製品の製造方法や製造される対象製品等に応じて適宜に選定される。
流量制御装置1の上流側及び下流側には、ガスの流れを遮断するための第1開閉弁6A、第2開閉弁6Bが設置されている。図面では、第1開閉弁6Aは第1ガス管の途中に介設され、第2開閉弁6Bは第2ガス管の途中に介設されている。両開閉弁6A、6Bは、ニードルバルブ、シャットオフバルブ、比例ソレノイドバルブ等で構成されており、両開閉弁6A、6Bの形式は問われない。
流量制御装置1は、ガスを流す流路と、この流路を流れるガスの流量を検出する流量検出手段20と、流路を流れるガスの流量を制御する流量制御弁機構(以下、弁機構という)30と、流量制御装置1の動作を制御する制御手段10と、弁機構30より下流側における流路を流れるガスの圧力を検出する圧力検出手段40とを備える。
外部システム5は、該当する半導体製造装置100に供給すべきガスの流量の目標値である流量設定値R0を表す流量設定信号S0を制御手段10に送信する機能を有し、必ずしも製造ライン全体の稼働を制御するホストコンピュータ等に限るものではない。例えば、外部システム5は、流量制御装置1に外付けされたコンピュータ、あるいは流量制御装置1の内部に設けられたマイコン等でもよい。
制御手段10はこの流量設定信号S0を受信すると、流路を流れるガスの流量が流量設定値R0に一致するように弁機構30の作動をPID制御等によって制御する。つまり、制御手段10は、外部システム5から指示されて、流路に流れる流量が流量設定値R0になるように後述する弁口33(弁機構30)の開度を制御する。
外部システム5から制御手段10に送信される流量設定信号S0の形態はアナログ信号又はデジタル信号のいずれでも良く、流量設定信号S0が持つ情報である流量設定値R0の単位は電圧値(V)、あるいは流量値(cc/min)等で表される。
流量設定値R0が電圧値(V)で表される場合には、流量設定値R0の範囲を、例えば「0V〜5V」と設定し、流量値(cc/min)で表される場合には、流量設定値R0の範囲を例えば「0cc/min〜100cc/min」と設定することが可能である。この場合、「0V」又は「0cc/min」は、流量制御装置1が流路を流れる流体の流量を「0」(最小)に制御することを示し、「5V」又は「100cc/min」は、流量制御装置1が流路を流れる流体の流量を最大(フルスケール)に制御することを示す。
流量検出手段20の内部には流路が形成されており、この流路は複数のバイパス管21Aが束ねられて構成されるバイパス管群21と、流路を流れるガスの流量を計測するためにこのバイパス管群21の両端に形成される開口部の流路方向外側でバイパス管群21を迂回するセンサ管22とで構成される。センサ管22は、バイパス管群21を流れるガス流量に対して常に一定の比率の流量が流れるように設けられている。
センサ管22の外面には、直列に接続された、一対の電気抵抗線r1、r4が巻装されており、この電気抵抗線r1、r4には、この電気抵抗線r1、r4と共にいわゆるブリッジ回路を形成するための基準電気抵抗線が接続されている。電気抵抗線r1、r4は、温度によって電気抵抗値が変化する性質を有している。当該ブリッジ回路に一定の電流が流されると、電気抵抗線r1、r4は発熱し、この時、センサ管22にガスを流すと、そのガスによって電気抵抗線の熱が奪われ、電気抵抗線r1、r4に温度差が生じ、その結果電気抵抗線r1、r4間に電位差が生じる。
センサ回路23は、電気抵抗線r1、r4間に発生した電位差を検出し、流量検出信号S1として、制御手段10に出力する。ここで、流量検出信号S1が表す電位差が、例えば0V〜5Vの範囲で設定された電圧値である場合、出力された流量検出信号S1は増幅回路18で増幅処理されて、A/D変換回路を介して制御手段10に入力されることが可能である。
制御手段10は、流量検出手段20のセンサ回路23から出力された、流路に流れている現時点の流体の流量値(流量検出値R1)を表す流量検出信号S1を制御手段10の記憶手段(RAM13)に読み込む。ここで、例えば外部システム5から制御手段10に送信される流量設定信号S0の形態がアナログ信号で、センサ回路23から出力された流量検出信号S1の形態がデジタル信号の場合、制御手段10は、流量検出信号S1をアナログ信号に換算する処理を行い、外部システム5から受信した流量設定信号S0で表される流量設定値R0(例えば、60cc/min)に一致するように、弁機構30を制御するための演算処理を行う。
弁機構30は、バイパス管群21の下流側に設けられた流量制御弁31を備えている。この流量制御弁31は、流路を流れる流体の流量を直接制御する弁としての機能を発揮し、例えばNi−Co合金等からなる金属薄板で構成される、屈曲可能なダイヤフラム32を先端に備える。一方、流路のダイヤフラム32に対向する位置には金属製薄板等からなる弁口33が形成されており、制御手段10はダイヤフラム32を弁口33に向けて適宜に屈曲変形させることによって、弁口33の弁開度を任意に制御する。つまり、制御手段10は、弁口33の弁開度を制御するための演算処理を行う。
図面では、ダイヤフラム32を屈曲変形させる手段としてアクチュエータ34が使用され、アクチュエータ34は、ダイヤフラム32の弁口33と反対側(図において上側)に接続されている。アクチュエータ34は、圧電アクチュエータや電磁アクチュエータ等の様々な型式からなるが、諸条件等に応じて適宜に設定される。図面では、アクチュエータ34は積層型圧電アクチュエータからなり、先端部(図において下端部)に、例えば金属製の押し台35が取り付けられて、ダイヤフラム32に対向している。アクチュエータ34は複数の圧電素子34aがその厚さ方向に積層されており、アクチュエータ34に電圧が印加されることによって、圧電素子34aの厚さ方向(図において上下方向)に変位(伸縮)する。
また、ダイヤフラム32の押し台35に対向する面(図において上面)には、例えば金属製の受け台36が取り付けられており、押し台35及び受け台36の相互に対向する面の中央部には、例えば剛球等からなる伝達部材37を収容するために、断面がV型形状の凹部35a、36aが形成されている。
伝達部材37は、アクチュエータ34の伸縮による推力を直線的に且つ均一にダイヤフラム32に伝達させる機能を有する。図面では、アクチュエータ34がその伸縮方向に最も短い状態で、押し台35及び受け台36の凹部35a、36aに伝達部材37が接して介在しているので、アクチュエータ34とダイヤフラム32とは全体的に剛的に、且つ連続的に接続している。
圧電素子34aは、例えば電極で挟まれたPZTセラミック板(図示せず)からなり、アクチュエータ34に電圧が印加されることにより、その電圧値に応じて材軸方向(厚さ方向、図1において上下方向)に微少に伸縮する。アクチュエータ34の伸縮は微少ではあるが、アクチュエータ34とダイヤフラム32とが伝達部材37を介して剛的に、且つ連続的に接続しているので、アクチュエータ34の伸縮による推力が直線的に且つ均一にダイヤフラム32に伝達される。なお、弁機構30を構成するアクチュエータ34、押し台35、受け台36、ダイヤフラム32、伝達部材37等は、ケース39に収容されている。
制御手段10は、弁口33(弁機構30)の弁開度を制御するための演算処理によって、流量制御弁31を駆動制御する情報(以下、バルブ駆動制御情報という)を求め、このバルブ駆動制御情報を表す、アナログ信号又はデジタル信号からなるバルブ駆動制御信号S3を、アクチュエータ34に通信的に接続されたバルブ駆動回路38に出力する。ここでは、バルブ駆動制御情報とは、アクチュエータ34に印加される電圧値に関する情報を指す。
なお、積層型圧電アクチュエータは、一般的に0V〜150V程度の直流電圧が当該アクチュエータに印加されることによって、この印加された電圧値に応じて微少に変位(伸縮)する。ここで、制御手段10は、例えばアクチュエータ34に実際に印加される電圧値の範囲が「0V〜150V」である場合、一旦「0V〜5V」の範囲に換算された電圧値(バルブ駆動制御情報)を表す、アナログ信号(又はデジタル信号)からなるバルブ駆動制御信号S3をバルブ駆動回路38に出力する処理を行うことがある。
一方、バルブ駆動回路38は、バルブ駆動制御信号S3が表す電圧値を、アクチュエータ34に微少な変位を発生させるための実際の電圧値に変換し、この電圧値を表すバルブ駆動電圧信号S4をアクチュエータ34に出力する。アクチュエータ34がバルブ駆動電圧信号S4の示す実際の電圧値に応じて変位する結果、弁機構30の弁開度が変化し、流路を流れる流体の流量が制御される。
なお、図1には示されていないが、流路4の上流側には半導体製造装置100に供給するプロセスガスを収容したタンク等の供給源3が接続されている。
圧力検出手段40は、弁機構30より下流側の流路に設けられており、例えば、圧力トランデューサから構成される。圧力検出手段40は、制御手段10の制御によって流路を流れる流体の圧力を検出し、この検出した圧力検出値P1を表す圧力検出信号S2を、例えばA/D変換回路を介して制御手段10に出力する(図2参照)。
圧力検出手段40から制御手段10に送信される圧力検出信号S2の形態はアナログ信号又はデジタル信号のいずれでも良く、圧力検出信号S2が表す圧力検出値P1の単位は電圧値(V)、あるいは、圧力値(kPa)で表される。
圧力検出値P1が電圧値(V)で表される場合には、圧力検出値P1の範囲を、例えば「0(V)〜5(V)」と設定し、圧力値(kPa)で表される場合には、圧力検出値P1の範囲を例えば「0(kPa)〜100(kPa)」と設定することが可能である。
制御手段10はこの圧力検出信号S2を受信すると、圧力検出値P1をRAM13等の記憶手段に記憶すると共に、現時点(圧力検出信号S2が受信された時点)でチャンバー2に目標のガス供給量が供給されているか否かを判定する。チャンバー2に目標のガス供給量が供給されていない場合、目標のガス供給量をチャンバー2へ供給するために、制御手段10は、後述するプログラムによって、流量設定値R0を補正して補正流量設定値R0’を算出し、流量制御装置1を流れるガス等の流量が補正流量設定値R0’に一致するように弁機構30の作動をPID制御等によって制御する処理を行う。
[制御手段の構成]
制御手段10は、流路を流れるガス等の流体の流量を外部システム5から流量設定信号S0により指示された流量設定値R0になるように制御すると共に、現時点でチャンバー2へ目標のガス供給量が供給されているか否かを判定し、目標のガス供給量がチャンバー2へ供給されるように当該流量を制御する。制御手段10は、例えばCPUを備えたマイクロコンピュータからなる制御装置(制御基板)から構成されており、この制御手段10のハードウエアの構成を表す具体例を図2に示す。
制御手段10は、制御基板上において、流量制御装置1の動作を制御するCPU11がバス17によって、ROM12、RAM13、A/D変換回路14、D/A変換回路15、通信用I/F回路16に接続されてなる。なお、図示されていないが、ROM12、RAM13、A/D変換回路14及びD/A変換回路15とバス17との間には、所定の入出力用I/F回路が接続されている。
ROM12には、CPU11に流量制御装置1の動作を制御させるためのプログラムが記憶されている。ROM12として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、あるいはフラッシュメモリ等が使用される。CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムを解析・実行して流量制御装置1の動作を制御する。
RAM13は、CPU11がプログラムを実行する際に演算処理するための計算領域、及び後述する基準データを予め記憶させておくための記憶手段(メモリ)であって、制御手段10の電源がOFFにされても、その記憶内容が記憶され続ける機能を有する。なお、後述する圧力特性情報Kはフラッシュメモリに記憶されてもよい。また、RAM13としてCPU11に内蔵されているCPU内蔵RAMを使用することで、プログラムの高速処理が実行されるようにすることが可能である。
A/D変換回路14には流量検出手段20及び圧力検出手段40が、D/A変換回路15にはバルブ駆動回路38が接続されている。なお、流量検出手段20から出力される流量検出信号S1が表す流量検出値R1が電圧値である場合、この電圧値が微少である等必要に応じて、流量検出手段20とA/D変換回路14との間に増幅回路18を接続させることが可能である。
通信用I/F回路16は、外部の装置とのデータ通信を行うためのI/F回路であって、それぞれ外部システム5、流量設定値R0や流量検出値R1等の所定の情報を必要に応じてモニタリングするためのモニタ装置19に接続される。モニタ装置19として、例えばパーソナルコンピュータの出力装置等が使用される。
[圧力特性情報のデータ構成]
続いて、制御手段10のRAM13に記憶されている圧力特性情報Kのデータ構成例について説明する。流量制御装置1がガス等の流体の流量を制御しているときに、ROM12に記憶されている制御プログラムPmは、圧力検出手段40によって検出される、弁機構30より下流側の流路を実際に流れるガスの圧力検出値P1からチャンバー2へ供給される現時点での供給量が正常(許容範囲内)か否かを判定する処理と、この判定処理の結果に基づいてチャンバー2へ供給されるガスの供給量(総量)を補正するために、流量を制御する処理とをCPU11に実行させる。この圧力特性情報Kは、CPU11がこの判定処理及び補正処理を実行する際に参照する、予めRAM13に記録されたデータテーブル(圧力基準値−時間テーブル)であり、圧力と時間との関係を示す。
制御手段10は、外部システム5から所定の流量設定値R0を指示され、流量が流量設定値R0になるように弁機構30を制御する。このとき、圧力検出手段40によって、弁機構30より下流側を流れるガスの圧力を計測して、検出された圧力検出値P1の時間変化(圧力検出値(kPa)と時間(s)との関係)が求められると、図3(a)に示すようになることが知られている。
図3(a)に示す線図は、制御手段10が外部システム5に指示された所定の(基準の)流量設定値R0(以下、基準流量設定値Rs)に基づいてガスの流量を制御したときに圧力検出手段40が検出した基準となる圧力検出値P0(以下、圧力基準値Psという)と、基準時間ts(s)との関係を示している。なお、図3(a)において、線L1は基準流量設定値Rsが例えばフルスケールの100(cc/min)に、線L2は基準流量設定値Rsが50(cc/min)に、線L3は基準流量設定値Rsが10(cc/min)に設定された場合の圧力基準値Psと基準時間tsとの関係を示す。
圧力特性情報Kを取得するためには、例えば、流量制御装置1を製造して出荷する前に、あるいはこの流量制御装置1を半導体製造装置100装置等のガス管4に設置した初期の時点に、基準流量設定値Rsごとに実稼働テストを行うことが必要である。
ここで、圧力特性情報Kを取得するための実稼働テストの諸条件は、チャンバー2内で実際に製品を製作するときの条件に一致させることが望ましい。諸条件とは、例えばガス管4の内径、チャンバー2を真空引きするための減圧雰囲気の大きさ、チャンバー2内で製品が製作される際のガスの消費量等である。これは、圧力特性情報Kが用いられるのはチャンバー2内で実際に製品が製作されているときであるからである。したがって、圧力特性情報Kの信頼性を高めるために、基準流量設定値Rsも、実際に使用される流量設定値R0に一致させることが望ましい。
実稼働テストの際には、最初に圧力検出手段40に検出される圧力検出値P1を所定の時間間隔(例えば、10ミリ秒(以下、msという))で収集する作業を行う。このとき収集された圧力検出値P1が、基準流量設定値Rsに対する圧力基準値Psになる。次いで、この基準流量設定値Rsごとに収集された、圧力基準値Ps及び時間tsに関する情報を、基準流量設定値Rsに対する時間tsと圧力基準値Psとの関係を示すデータテーブルとしてRAM13の所定の記憶領域に予め記憶する操作を行う。
図3(a)に示す、時間t=0(s)〜およそ15(s)の区間Aでは、圧力基準値Ps=0(kPa)であることから、この区間Aは、弁機構30より下流側の流路にガスが流される前の状態、すなわち弁機構30の弁開度=0(%)である状態を示す。
一方、図3(a)に示す、時間t=およそ15(s)以降の区間Bでは、圧力基準値Psが時間の経過に伴って上昇していることから、弁機構30より下流側の流路には基準流量設定値Rsでガス等が流され、弁機構30が基準流量設定値Rsに対応するように制御されている状態にあることを示す。
一定の基準流量設定値Rsでガスが流されると、圧力基準値Psの上昇率(変化量)は一定になる。これは、弁機構30より下流側の流路の圧力がチャンバー2内の圧力に反映されるからである。すなわち、チャンバー2の容積が一定であるので、チャンバー2に一定の流量でガス等が供給されると、チャンバー2内の圧力が一定の割合で上昇するからである。さらに、上述したように、チャンバー2内が真空引きされ、真空引きによる減圧雰囲気の大きさが一定であると共に、製品の製作によるガスの消費量が一定であれば、チャンバー2内の圧力の上昇率は一定に維持される。よって、圧力基準値Psの変化量(圧力変化量)も一定である。
[プログラムの構成]
続いて、制御手段10のROM12に記憶されている、CPU11に流量制御装置1の動作を制御させるプログラムの構成の具体例を図4に示す。ROM12に記憶されているメイン制御プログラムPmは、各プログラムP1〜P8の作動を統括して制御するメインプログラムであって、CPU11はメイン制御プログラムPmによりプログラムを実行することによって流量制御装置1を制御する。
通信処理プログラムP1は、外部システム5及びモニタ装置19との通信を行うためのプログラムであって、サブプログラムとして外部システム5との通信処理を行う外部システムとの通信プログラムP11、モニタ装置19との通信処理を行うモニタ装置との通信プログラムP12とを備えている。
流量検出信号入力プログラムP2は、流量検出手段20が検出した流量を表す流量検出信号S1を読み込んでRAM13に一旦記憶する処理を行うプログラムである。圧力検出信号入力プログラムP3は、圧力検出手段40が検出した圧力検出値P1を表す圧力検出信号S2を読み込んでRAM13に一旦記憶する処理を行うプログラムである。
バルブ駆動制御情報入力プログラムP4は、バルブ駆動回路38がアクチュエータ34に印加した実際の電圧値を表すバルブ駆動電圧信号S4を、バルブ駆動電圧信号S5として受信しRAM13に一旦記憶する処理を行うためのプログラムである。
なお、バルブ駆動回路38は、制御手段10が演算して求めたバルブ駆動制御信号S3が表す電圧値を、バルブ駆動電圧信号S4が表す電圧値に変換する処理を行う。したがって、バルブ駆動制御情報入力プログラムP4は、制御手段10がバルブ駆動回路38に出力したバルブ駆動制御信号S3が表す電圧値に基づいて、バルブ駆動電圧信号S4を求める処理を行うようにしてもよい。
流量制御プログラムP5は、外部システム5から流量設定信号S0により受信した流量設定値R0に基づいて、流路を流れる流体の流量を流量設定値R0に一致するように制御、いわゆるPID制御を実施するためのプログラムである。
供給量補正プログラム(弁機構補正制御手段)P6は、チャンバー2へ供給される流体の供給量を補正する処理を行うためのプログラムである。供給量補正プログラムP6は、サブプログラムとして、圧力検出手段40によって出力される圧力検出信号S2とRAM13に記憶されている圧力特性情報Kとから、ガス等の流体の(単位時間当たりの)圧力変化量が正常か異常かを(圧力変化量の正否の)判定、すなわち、チャンバー2へ実際に供給されているガス等の流体の供給量が正常か異常かを判定する判定プログラムP61と、判定プログラム(判定手段)P61の判定結果に基づいて流体の流量を補正制御する流量補正制御プログラム(流量補正制御手段)P62とを備える。
(圧力変化量の正否の判定)
判定プログラムP61の圧力変化量差分値算出部(以下、差分値算出部という)paは、半導体製造装置100が通常に稼働している際に、圧力検出手段40から圧力検出信号S2を受けて、現時点の圧力検出値P1を読み込み、この圧力検出値P1の1つ前の圧力検出値P2を減算して圧力検出値変化量Aを算出する処理を行う。これと共に、当該圧力検出信号S2が圧力検出手段40から出力された時間に対応する、圧力特性情報Kのデータテーブルの時間における圧力基準値Pkとその1つ前の圧力基準値Pk−1を参照し、この圧力基準値Pkからその1つ前の圧力基準値Pk−1を減算することで圧力基準値変化量Bを算出し、RAM13に記憶する処理を行う。
本実施の形態のように、前後する圧力検出値間の時間的間隔(例えば、10ms)と、圧力特性情報Kにおいて前後する圧力基準値間の時間間隔(例えば、10ms)とが同一である場合、圧力検出値変化量A及び圧力基準値変化量Bを、それぞれの傾き(圧力の単位時間当たりの変化量)として扱うことができる。前後する圧力検出値間の時間間隔と、圧力特性情報Kにおける前後する圧力基準値間の時間間隔とが相違する場合は、圧力検出値変化量Aを圧力検出間の時間間隔で除した値(圧力の単位時間当たりの変化量)と、圧力基準値変化量Bを圧力基準値の時間的間隔で除した値(圧力の単位時間当たりの変化量)とを算出する。
次いで、差分値算出部paは、圧力検出値変化量Aが許容範囲以内であるか否かを判定する。以下に、その具体的な方法を説明する。例えば、圧力検出値変化量Aと圧力基準値変化量Bとの差分である圧力変化量差分値D1を算出し、RAM13に記憶する処理を行う。
判定プログラムP61は、差分値算出部paによってRAM13に記憶された圧力変化量差分値D1の絶対値D1’を算出し、この絶対値D1’と、予めRAM13に記憶された圧力変化量差分値D1の許容値(許容範囲)を示す許容圧力変化量差分値(以下、許容差分値という)Daとの差分より求められる判定値X(Da−D1’)を算出する処理を行う判定値算出部pbを有する。
判定値算出部pbはさらに、この判定値Xが「0」を超えるが否かによって、ガス等の流体の(単位時間当たりの)圧力変化量が正常か異常か(許容範囲内か否か)を判定する。具体的には、判定値X≧0の場合、正常である(許容範囲内である)と判定され、流量の補正制御を行う必要がないことが示されている。判定値X<0の場合、異常である(許容範囲外である)と判定され、流量の補正制御を行う必要があることが示される。
ここで、判定値X<0と判定された場合、判定値算出部pbは、所定の流量設定値R0が与えられて流量制御がスタートした時間(図3(b)において、t=0)を基準として、最初に判定値X<0と判定された時間(t1)を、RAM13の所定領域に記憶する。上記の判定処理は繰り返されるのであるが、判定値X<0と判定された後で最初に判定値X≧0と判定されるときには、判定値X≧0と判定された時間(t2)をRAM13等の所定の記憶領域に記憶する。ここで、再度判定値≧0と判定されたということは、ガス等のチャンバー2への供給量が正常に戻ったことを表す。
このとき、補正期間フラグプログラムP71がRAM13の所定領域に、流量の補正制御を実行する期間であることを示す補正期間フラグを立てる。また、判定値算出部pbは、時間t1及び時間t2における圧力検出値P1、P2もRAM13等の所定の記憶領域に記憶する。
このように、圧力検出値の(単位時間当たりの)変化量を用いることによって、ガス等のチャンバー2への供給量が正常か異常か否かを判定できる理由を以下に説明する。
例えば、流路を形成する壁面等にプロセスガス等によって付着物が生成されると、その生成位置における、流路の径(例えば、ガス管4の内径)が縮径される。半導体製造装置100が供給源3とチャンバー2との圧力差によってチャンバー2にガス等の流体を供給する構成である。ここで、例えば流路に付着物が生成されると、その部分での圧力損失が増大する。この圧力損失の増大は、一定流量を流すために必要な、前記付着物生成箇所の前後の必要差圧の増大を招くことになる。
付着物等の生成位置は開閉弁で起こり易いことが経験的に知られている。したがって、第2開閉弁6Bで付着物が生成した場合、その箇所での圧力損失の増大が、その箇所よりも流量制御装置1側での、圧力変化量の上昇を招くことになり、これにより、ガス等が停滞する。この結果、この圧力変化量上昇中は、ガス等が第2開閉弁6Bより流量制御装置1側で停滞している分、チャンバー2へのガス等の供給量が減少する。つまり、チャンバー2へは流量設定値R0より小さい流量でガス等が供給される。このように、付着物の有無によって、圧力検出値の(単位時間当たりの)変化量が変化すると共に、チャンバー2へのガス等の供給量(流量)も変化するので、圧力検出値の変化量を用いてガス等がチャンバー2へ適正に供給されているか否かを判定することができる。
圧力変化量が上昇して、第2開閉弁6Bより流量制御装置1側の圧力が所定の圧力値に達すると、第2開閉弁6Bより流量制御装置1側の圧力変化量は、付着物がないときの値に戻り、チャンバー2へはガス等が再び流量設定値R0で供給される。つまり、圧力変化量が上昇している間にチャンバー2へ適切に供給されなかった分が補充されれば、ガス等のチャンバー2への供給量は補正されることになる。
(流量制御装置の流量補正制御)
流量補正制御プログラム(流量補正制御手段)P62は、RAM13に記憶されている補正期間フラグに基づいて、付着物より上流側、つまり第2開閉弁6Bより上流側で付着物によってガス等が余分に停滞している体積V、換言すれば、圧力変化量上昇中にチャンバー2へ供給されなかったガスの体積Vを計算する処理を行う。ここでは、式(1)が実行される。

V=(ΔP/P0)・Va・・・(1)
ここで、P0は大気圧、Vaは第2開閉弁6Bと流量制御弁31間の流路の体積を表す。ΔPは、上記の判定値X≧0と再度判定された時間t2の圧力検出値P2から、最初に判定値X<0と判定された時間t1の圧力検出値P1を減算した値である。付着物が生成した場合、チャンバー2へ供給されなかったガス等の供給量は流路に対する付着物の大きさ(流路断面に対する付着物の占有率:ガス管4の開口率)に起因するが、式(1)が計算されることによって、付着物の大きさを算出せずに、圧力変化量から補充するガス等の供給量を算出することができる。
(作業時間(ガス等が供給される時間)が流量制御装置に与えられていない場合)
通常、流量制御装置1はそれ自身を流れるガス等の流量を制御するが、ガス等を流す時間情報(流し始める時間や流し終わる時間)はホストコンピュータ等の外部システムによって決定され(又は、記憶され)、流量制御装置1にはガス等の流量制御を開始する合図としての信号及び流量制御を終了する合図としての信号のみが送られることが多い。したがって、一般的には流量制御装置1は、ガス等が流される時間間隔の情報を持っていない。このような場合、流量補正制御プログラムP62は、補正期間フラグに基づいて補正期間T1(秒)を用いて流量設定値R0を補正する。
補正期間T1とは、ガス等がチャンバー2へ正常に供給されていない場合に設けられる、ガス等の流量を補正制御する期間であり、予めRAM13の所定領域に記憶されている。具体的には、制御手段10は時間t2から補正期間T1経過するまでガス等の流量の補正制御を実行する。時間t2の後に補正期間T1(例えば、120秒)が経過すると同時にガス等の供給が完全に完了することもあり得るが、補正期間T1は補正を行うために最低限必要な期間であるため、補正期間T1の経過がガス等の供給の完了を意味しない。つまり、補正期間T1はガス等の供給が完了する以前に補正が完了する時間に設定される。圧力変化量が上昇する期間が終了して直ぐに、ガス等の供給量の補充が開始されるので、チャンバー2内で製造される製品の品質の劣化を抑えることができる。
流量補正制御プログラムP62は、流量設定値R0を補正して流量を補正制御する、つまり、流量設定値R0を補正して補正流量設定値R0’を算出する。流量補正制御プログラムP62が、補正期間フラグに基づいて、上記所定の記憶領域に予め設定されている補正期間T1を読み出して、以下の式(2)を実行することで流量設定値R0を補正して、補正流量設定値R0’を算出する。
具体的には、流量補正制御プログラムP62の流量補正値算出部pcが、ガス等のチャンバー2への供給量の不足分に対応する補正値Rhを算出して、補正流量設定値算出部pdが流量設定値R0に補正値Rhを加算することによって、補正流量設定値R0’を算出すると共に、RAM13等の所定の記憶領域に記憶する。式(2)の右辺の第2項((60/T1)・(ΔP/P0)・V)が補正値Rhを表す。なお、補正流量設定値R0’の算出処理を、流量補正値算出部pcと補正流量設定値算出部pdとで分けて実行しても、補正流量設定値算出部pdのみで実行してもよい。この結果、補正期間T1をかけてチャンバー2へのガス等の供給量の不足分が補充される。なお、「SCCM」とは、0℃、1atmにおけるガスの流量(cc/分)を表す。

R0’=R0+(60/T1)・(ΔP/P0)・V (SCCM)・・・(2)
(作業時間(ガスが供給される時間)が流量制御装置に与えられている場合)
一方、外部システム5やホストコンピュータ等によって、ガス等をチャンバー2へ供給し終わる時間(ガス等の供給終了時間)t3が流量制御装置1に予め与えられてガス等を流すことも考えられる。この場合、例えば補正期間T1の代わりに、ガス等を供給終了時間t3からガス等のチャンバー2への供給が正常に戻った時間t2を減算した補正期間T2(t3―t2)を用いることができる。つまり、チャンバー2へのガス等の供給が正常に戻った後、ガス等の供給が完了するまでの間にガス等の供給量の不足分を補充する。この場合、補正期間T1をかけて不足分を補充するよりも長い時間をかけてチャンバー2への供給量が補充されるので、補充(設定流量値R0の補正)によるガス等の供給圧力の急激な上昇を抑えることができる。
次いで、バルブ駆動補正制御部peが、RAM13に記憶されている補正流量設定値R0’及び現時点の流量検出値R1に基づいて、現時点の流体の流量がこの補正流量設定値R0’になるように、アクチュエータ34を駆動させる補正電圧値V3を求め、当該補正電圧値V3を表すバルブ補正駆動信号S7をバルブ駆動回路38に出力する。
補正流量設定値R0’及び現時点の流量検出値R1に基づく補正電圧値V3の求め方として、例えばPID制御を用いることができる。具体的には、補正流量設定値R0’と流量検出値R1とを関連付けした基準制御情報を予めRAM13に登録しておく。この場合、流量補正制御プログラムP62のバルブ駆動補正制御部peによってCPU11は、補正流量設定値R0’と流量検出値P1との差異量に基づいてRAM13に登録されているPID制御の基準制御情報を参照して、PID制御による流量の制御を行う。
このように、本実施の形態では、チャンバー2へガス等が正常に供給されていないことが判明した製品製造工程中に、その結果に基づいて当該流量を補正制御することによって、ガス等の流体のチャンバー2への供給量を補正することができる。チャンバー2内で製作される製品に関して、最終的なガス供給量は重要な要件であり、チャンバー2へのガス供給量を補正することは製品の品質向上を意味する。特に、製品によってはガス供給時間が数十秒程度と短く、ガス供給量が少ないものもあり、このような製品に対してはガス供給量を補正することは一層効果的である。
フラグ処理プログラムP7は、供給量補正プログラムP6が流量の補正制御を処理する際に、補正の時期を知る手がかかりになる補正フラグをRAM13の所定領域に立てる。フラグ処理プログラムP7は、一工程(一回のガス供給)の中で補正する期間であることを示す補正期間フラグを立てる補正期間フラグプログラムP71と、補正する工程であることを示す補正工程フラグを立てる補正工程フラグプログラムP72とからなる。
補正期間フラグプログラムP71は、各工程において、上記の判定値Xが異常と判定されたことを条件に補正期間フラグを立てる。そして、所定の期間(予め設定された補正をする期間(例えば補正期間T1))が経過した後に、後述するメイン制御プログラムPmのタイマー機能を用いて、当該補正期間フラグを消去する。
一方、補正工程フラグプログラムP72は、全工程を通じて最初に圧力変化量が異常と判定されたときに、補正工程フラグを立てる。補正工程フラグを立てる時期は特に限定されないが、少なくとも、圧力変化量の異常が判定された工程終了後以降で、その次の工程において圧力変化量が異常と判定される前である必要がある。その次の工程で流量を補正制御するためである。そして、補正工程フラグは、例えば、付着物等の除去等により流量の補正制御を行う必要がなくなったときに、外部システム5やホストコンピュータへの人為的な入力によって、または自動的に消去される。
モニタリング処理プログラムP8は、半導体製造装置100が稼働しているときに流量制御装置1が収集した流量検出値R1、圧力検出値P1、及び演算して求めた情報等をモニタ装置19にリアルタイムに送信する処理を行うプログラムである。モニタ装置19はこれらの検出値を受信すると、受信した検出値を時系列的にグラフ表示する処理を行う。
なお、半導体製造装置100が稼働しているときには、メイン制御プログラムPmは、流量検出信号入力プログラムP2、圧力検出信号入力プログラムP3、及びバルブ駆動制御情報入力プログラムP4、流量制御プログラムP5、供給量補正プログラム5等を、例えば、10msごとに作動させる制御を行う。また、メイン制御プログラムPmは、タイマー機能を有しており、時間を計測することができると同時に、所定の時間計算を実行することができる。
[流量制御の手順]
続いて、制御手段10が上記したプログラムにより、流路を流れるガス等の流体の流量を制御する手順の一例を、図5に基づいて説明する。図5は、制御手段10が外部システム5から流量設定信号S0により流量設定値R0を受信したときに、メイン制御プログラムPmが流路を流れる流体の流量を制御する手順を示すフローチャートである。
なお、以下の説明においては、外部システム5が流量設定信号S0として制御手段10に送信する流量設定値R0が、「0〜100(cc/min)」の範囲のデジタル値である場合を例にして説明する。この流量設定値R0が「0」であると流路を流れる流体の流量を「0」にすることを示し、「100」であると流量制御装置1が流路に流すことができる最大の流量(フルスケール流量)、例えば、100(cc/min)に制御することを示す。
また、外部システム5から流量設定信号S0により送信される流量設定値R0は、半導体製造装置100等の稼働に追従させて、例えば、「0(cc/min)」を送信して所定の時間taが経過した後に流量設定値R0として「60(cc/min)」が送信され、さらに所定の時間tbが経過した後に「30(cc/min)」が送信され、さらに所定の時間tcが経過した後に「0(cc/min)」が割込み通信処理により送信される。以下に、図5に示す処理手順をステップ順に説明する。
(ステップS101)(ステップS102)
メイン制御プログラムPmは、外部システム5から流量設定信号S0を受信して、流量設定値R0をRAM13等の所定の記憶領域に記憶すると、この流量設定値R0が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この判定の結果、流量設定値R0が「0」と判定されると、ステップS110に進んで流路に流れる流量を「0」に制御する処理を行う。一方、流量設定値R0が「0」を超えていると判定されると、ステップS103の処理に進む。なお、メイン制御プログラムPmは、流量設定信号S0を受信すると同時に、タイマー制御を開始する。
(ステップS103)
ステップS102においてRAM13に記憶した流量設定値R0に基づいて、流量制御装置1がガス等の流量制御を実行する。
以下に説明するステップS104〜ステップS109の処理は、メイン制御プログラムPmにより、例えば、10ms毎に作動するソフトウエア(タイマー)割込み処理Siにより実行されるように制御する。
(ステップS104)
ステップS104において、単位時間当たりの圧力検出値変化量(圧力検出値に係る圧力変化量:圧力検出値の傾き)が正常であるか否かを判定する。つまり、ガス等のチャンバー2への供給量が正常か否かを判定する。
(ステップS108)(ステップS109)
ステップS104において、圧力変化量が異常であると判断されると、補正期間フラグ処理(2)が行われ(ステップS108)、ステップS103と同様にRAM13に記憶された流量設定値R0に基づいて、流量制御が行われる(ステップS109)。これは、本実施の形態では、圧力変化量が異常であると認識された製品製造工程の中で、再び適正な流量のガス等がチャンバー2へ供給された後にガス等のチャンバー2への供給量を補正制御(調整)するために、ガス等をチャンバー2へ補充する量を確定させるからである。すなわち、チャンバー2へ補充する量は、圧力変化量が異常である期間が終了してから確定するからである。
また、補正期間フラグ処理(2)とは、ここでは補正期間フラグを立てる、すなわち、補正期間フラグをRAM13に記憶すると共に、補正期間を計測することをいう。補正期間フラグの記憶はステップS108が実行される度に行われて、補正期間フラグが書き換えられるようにしても、補正期間フラグが既に記憶されていると、記憶しないように制御してもよい。
一方、ステップS104において、圧力変化量が正常であると判断されると、ステップS105に進む。
(ステップS105)
次に、RAM13等の所定の記憶領域に補正期間フラグが記憶されているか否かが判定される(ステップS105)。
ステップS105において、補正期間フラグが記憶されていないと判定されると、ステップS103と同様にRAM13に記憶された流量設定値R0に基づいて、流量制御が行われる(ステップS109)。
(ステップS106)(ステップS107)
一方、ステップS105において、補正期間フラグが記憶されていると判定されると、補正期間フラグ処理(1)を行い(ステップS106)、RAM13に記憶されている流量設定値R0を補正して、補正流量設定値R0’を算出し、補正流量設定値R0’に基づいて流量を制御する(ステップS107)。ここで、補正期間フラグ処理(1)とは、補正期間フラグがRAM13に記憶されてから補正期間が経過したか否かを判定し、補正期間が経過していればRAM13に記憶された補正期間フラグを消去することをいう。
(ステップS110)
流路に流れる流量を「0」に制御する処理を行う。この流量を「0」に制御する処理は、アクチュエータ34に印加する電圧値を「0」にする処理を行うことにより可能になる。
上記したステップS109の処理が終了、すなわち、上記したステップS103の処理がスタートして、例えば10msが経過すると、タイマー割込み処理Siが作動して再びステップS103〜ステップS109の処理が実行されることになる。なお、このソフトウエア割込み処理Siは、外部システム5から次の流量設定信号S0に係る信号が送信されるまで繰り返されることになる。
以下に、上記のステップS103、ステップS104及びステップS107について詳細に説明する。
(ステップS103のR0制御について)
(ステップS201)
図6に示すように、例えばメイン制御プログラムPmはCPU11に流量検出信号入力プログラムP2を実行させて、現時点において流量検出手段20が検出した流路の流量の流量検出値R1に係る情報を流量検出信号S1として入力する処理を行う。この時、入力したこの流量検出値R1は0〜5Vの電圧値で表わされているので、0〜5Vの電圧値を例えば、「cc/min」で表される流量値に変換する処理を行ってから、流量検出値R1をRAM13に記憶する処理を行う。なお、制御手段10に流量検出値R1として入力される0〜5Vの電圧値を、そのまま以下の処理で使用するようにしても良い。
(ステップS202)
次に、メイン制御プログラムPmはCPU11に流量制御プログラムP5を実行させて、例えばPID制御により流路の流量を流量設定値R0にするためのバルブ駆動信号S3に係る電圧値V1を求める演算処理を行う。続いて、この求めた電圧値V1をバルブ駆動回路38に出力する処理を行う。
なお、PID制御により求めるバルブ駆動信号S3に係る電圧値V1は、流量設定値R0と流量検出値R1とを関連付けしたPID制御を実施するための基準制御情報として予めRAM13に記憶されている。そして、CPU11は流量制御プログラムP5を実行して、流量設定値R0とステップS2で入力した流量検出値R1との差異値D1(D1=|R0−R1|)に基づいてRAM13に記憶されているPID制御の基準制御情報を参照して、PID制御による流量の制御をする。
(ステップS203)
ステップS101により、外部システム5から流量設定信号S0により指示された流量設定値R0(例えば、60cc/min)と、ステップS201で入力した流量検出値R1との差異値D1を算出し、この差異値D1が「0」か、あるいは予め設定した値α、例えば、「0.1cc/min」以下であるか否かを判定する処理を行う。この判定処理により、差異値D1はα以下と判定された場合にはステップS204に進む。一方、差異値D1>αと判定された場合には、ステップS201に戻る処理を行う。
このステップS203は、現時点において流路を流れている流体の流量が外部システム5から示された流量設定値R0に一致、又は流量設定値R0に対して、例えば「0.1(cc/min)」以下の精度の流量に達しているか否かを判定するための処理であって、差異値D1がαを超えていると判定されるとタイマー割込み処理Siに戻る処理を行う。
なお、ステップS203の処理を行う理由は、次の通りである。例えば、流路を流れる流体の流量を「0」(0cc/min)の状態から流量設定値R0である、例えば「60cc/min」になるように制御しても、流路を流れる流体の流量が直ちに「60cc/min」に達しないからである。
(ステップS204)
CPU11はバルブ駆動制御情報入力プログラムP4を実行して、バルブ駆動回路38がアクチュエータ34にバルブ駆動電圧信号S4として印加(出力)したバルブ駆動電圧値V1を、バルブ駆動電圧信号S5により読み込んでRAM13に記憶する処理を行う。
(ステップS104の「圧力変化量は正常か?」について)
以下のステップS301〜ステップS304の処理は、チャンバー2へ供給されるプロセスガス等の流体の総量(供給量)を補正する処理を行う供給量補正プログラムP6の判定プログラムP61の制御に基づいて実行される。
(ステップS301)
供給量補正プログラムP6を構成する判定プログラムP61の制御によって、圧力検出手段40が検出した流路の圧力検出値P1を表す圧力検出信号S2を入力して、入力した圧力検出値P1をRAM13に記憶する処理を行う。制御手段10に記憶される圧力検出値P1は0〜5Vの電圧値として入力されるが、判定プログラムP61は、この入力した電圧値を例えば「kPa」で表される圧力値に変換する処理を行ってRAM13に記憶する処理を行う。なお、制御手段10に圧力検出値P1として入力される0〜5Vの電圧値を、そのまま以下の処理で使用するようにしても良い。
(ステップS302)
RAM13に記憶された現時点の圧力検出値P1から、圧力検出手段40によって前回検出された圧力検出値P2を減算して圧力検出値変化量Aを算出すると共に、RAM13に記憶する処理を行う。
(ステップS303)
RAM13に記憶されている圧力特性値情報Kを参照して、圧力検出信号S2が圧力検出手段40より出力された時間に対応する圧力基準値Pkからその1つ前の圧力基準値Pk−1を減算して、圧力基準値変化量Bを算出すると共に、RAM13に記憶する処理を行う。
(ステップS304)
圧力検出値変化量Aと圧力基準値変化量Bとの差分である圧力変化量差分値D1を算出し、RAM13に記憶する処理を行う。次いで、圧力変化量差分値D1の絶対値D1’を算出し、予めRAM13に記憶された圧力変化量差分値D1の許容値(許容範囲)を示す許容圧力変化量差分値Daからこの絶対値D1’を減算して、判定値X(Da−D1’)を算出すると共に、RAM13に記憶する処理を行う。
(ステップS305)
判定値≧0の場合、ステップS108に進み、判定値<0の場合、ステップS106に進む。
(ステップS107のR0補正/R0’制御について)
(ステップS401)
流量補正制御プログラムP62が補正流量設定値R0’を算出し、RAM13の所定領域に記憶する処理を行う。外部システム5やホストコンピュータ等によって、ガス等をチャンバー2へ供給する時間t3が流量制御装置に予め与えられている場合、補正期間T3の代わりに、補正期間T2から補正流量設定値R0’を算出しても良い。
(ステップS402)
補正流量設定値R0’及び現時点の流量検出値R1に基づいて、現時点の流体の流量がこの補正流量設定値R0’になるように、アクチュエータ34を駆動させる補正電圧値V3を求め、当該補正電圧値V3を表すバルブ補正駆動信号S7をバルブ駆動回路38に出力する。
(実施の形態2)
実施の形態1では、チャンバー2へガス等の流体が適正な流量で供給されていないことが判明した製品製造工程中に、その適正に供給されていない期間が経過した後に当該流量を補正制御しているのに対して、本実施の形態では、チャンバー2へガス等の流体が適正な流量で供給されていないことが判明した次の製品製造工程からチャンバー2へ供給する流量を補正制御する。実施の形態1と同一の符号・名称については説明を省略する。
例えば、判定プログラムP61が最初に圧力変化量の異常を判定して、圧力変化量の異常な期間が終了すると、流量補正制御プログラムP62が、流量設定値R0を補正して補正流量設定値R0’を算出する。補正流量設定値R0’の算出は、このチャンバー2へガス等の流体が適正な流量で供給されていないことが最初に判明した製品製造工程が終了してからでも良い。
そして、このチャンバー2へガス等の流体が適正な流量で供給されていないことが最初に判明した製品製造工程が終了した時点で、補正工程フラグプログラムP72が、RAM13の所定領域に補正工程フラグを立てる。
ここで予め設定された補正期間として、例えば、最初に圧力変化量の異常が判明した製品製造工程において判定値算出部pbによってRAM13に記憶された判定値X≧0と再度判定された時間(t2)から、同じくRAM13に記憶された最初に判定値X<0と判定された時間(t1)を減じた補正期間T3が適用される。この補正期間T3は、流量補正制御プログラムP62によって、RAM13に記憶される(図3(b)参照)。
つまり、流量補正制御プログラムP62は、補正期間T3(秒)を算出し、以下の式(3)を実行して補正流量設定値R0’を算出する。ガス等のチャンバー2への供給量の不足分に対応する補正値Rhは式(3)の右辺の第2項((60/T3)・(ΔP/P0)・V)であり、補正流量設定値R0’は、流量設定値R0に補正値Rhを加算してなる。

R0’=R0+(60/T3)・(ΔP/P0)・V (SCCM)・・・(3)
RAM13に記憶された時間t1と時間t2とを用いることは、流量制御装置1にガス等をチャンバー2へ供給する時間t3が与えられていない場合において、流量補正制御を実行する期間を設けることができる点で有効である。また、製品製造工程が開始される前から第2開閉弁に付着物が生成していると、チャンバー2へガス等を供給し始めてから直ぐに圧力変化量が上昇してチャンバー2へ適正にガス等を供給することができなくなることから、早い段階でチャンバー2へのガス供給量を補正することができるので、製品の品質の低下を抑えることができる。
ところで、実施の形態2では、製品製造工程が開始される前には流路にガス等が停留していないことが前提ではあるが、圧力検出値変化量Aによってガス等のチャンバー2への供給が適正か否かを判定し、その判定結果を契機に流量補正制御を実行しているので、仮に第2開閉弁6Bより流量制御装置1側に圧力変化量上昇分のガス等が停滞していたとしても、目標以上の量のガス等がチャンバー2へ余分に供給されることはない。これは、第2開閉弁6Bより流量制御装置1側に圧力変化量上昇分のガス等が停滞している状態で、ガス等が流量設定値R0で供給されると、第2開閉弁6Bより流量制御装置1側で圧力変化量が変化せずに、流量設定値R0でガス等がチャンバー2へ供給されるからである。
また、実施の形態1で示したように、例えば、外部システム5やホストコンピュータ等によって、ガス等をチャンバー2へ供給する時間t3が流量制御装置に予め与えられている場合も考えられる。この場合、例えば補正期間T3の代わりに、ガス等をチャンバー2へ供給する時間t3から、最初に判定値X<0と判定された時間t1を減算した補正期間T4(t3―t1)を用いることができる(図3(b)参照)。つまり、チャンバー2へのガス等の供給の補充が必要であると判断されてから、ガス等の供給が完了するまでの間にガス等の供給の不足量を補充する。この場合、補正期間T4をかけて不足分を補充するよりも長い時間をかけて補充するので、補充(設定流量値R0の補正)によるガス等の急激な圧力変化量の上昇を抑えることができる。
[流量制御の手順]
続いて、制御手段10が上記したプログラムにより、流路を流れる流体の流量を制御する手順の一例を、図9に基づいて説明する。図9は、制御手段10が外部システム5から流量設定信号S0により流量設定値R0を受信したときに、メイン制御プログラムPmが流路を流れる流体の流量を制御する手順を示すフローチャートである。
(ステップS501)(ステップS502)
メイン制御プログラムPmは、外部システム5から流量設定信号S0として流量設定値R0を受信すると、この受信した流量設定値R0をRAM13に記憶し、この流量設定値R0が「0」であるか否かを判定する処理を行う。また、メイン制御プログラムPmは、流量設定信号S0を受信すると同時に、タイマー制御を開始する。この判定の結果、流量設定値R0が「0」と判定されると、ステップS508に進んで流路に流れる流量を「0」に制御する処理を行う。一方、流量設定値R0が「0」を超えていると判定されると、ステップS503の処理に進む。
(ステップS503)
ステップS502においてRAM13に記憶した流量設定値R0に基づいて、流量制御装置1がガス等の流量制御を実行する。
なお、以下に説明するステップS504〜ステップS510の処理は、メイン制御プログラムPmにより、例えば、10ms毎に作動するソフトウエア(タイマー)割込み処理Siにより実行されるように制御する。
(ステップS504)
ステップS504において、前回の工程で単位時間当たりの圧力変化量(圧力検出値の傾き)に異常があったか否かを判定する。つまり、RAM13に補正工程フラグが記憶されているか否かを判定する。
(ステップS508)(ステップS510)
ステップS504において、異常が無かったと判定されると、補正工程フラグ処理が行われ(ステップS508)、ステップS503と同様にRAM13に記憶された流量設定値R0に基づいて、流量制御が行われる。
補正工程フラグ処理とは、圧力変化量が正常か異常かを判定し、圧力変化量に異常があると判定されたときに、異常があっとことを示す所定のフラグをRAM13の所定の記憶領域に記憶し、このフラグに基づいて後述するステップS511後にRAM13の所定領域に補正工程フラグを立てる。
一方、ステップS504において、異常があったと判断されると、ステップS505に進む。
(ステップS505)
現時点において補正期間フラグが記憶されているか否かを判定する。
(ステップS509)(ステップS510)
ステップS505において、補正期間フラグが記憶されていないと判定されると、補正期間フラグ処理(4)が行われ(ステップS509)、ステップS503と同様にRAM13に記憶された流量設定値R0に基づいて、流量制御が行われる(ステップS510)。
補正期間フラグ処理(4)とは、圧力変化量が正常か異常かを判定し、圧力変化量に異常があると判定されたときに、RAM13の所定領域に補正期間フラグを立てる、すなわち補正期間フラグを記憶すると共に、補正期間を計測する。
(ステップS506)(ステップS507)
一方、ステップS505において、補正期間フラグが記憶されていると判定されると、補正期間フラグ処理(3)を行い(ステップS506)、RAM13に記憶されている流量設定値R0を補正して、補正流量設定値R0’を算出し、補正流量設定値R0’に基づいて流量を制御する(ステップS507)。
補正期間フラグ処理(3)とは、補正期間が経過したか否かを判定し、補正期間が経過したときに、RAM13に記憶された補正期間フラグを消去することをいう。
(ステップS511)
流路に流れる流量を「0」に制御する処理を行う。この流量を「0」に制御する処理は、例えばアクチュエータ34に印加する電圧値を「0」にする処理を行うことにより行われる。
上記したステップS507あるいはステップS510の処理が終了、すなわち、上記したステップS503の処理がスタートして、例えば10msが経過すると、タイマー割込み処理Siが作動して再びステップS503〜ステップS510の処理が実行されることになる。なお、このソフトウエア割込み処理Siは、外部システム5から次の流量設定信号S0に係る信号が送信されるまで繰り返されることになる。
本発明の流量制御装置の一実施形態についての概念を表す構成図である。 図1に示す制御手段について、そのハードウエアの一例を表す構成図である。 (a)は圧力基準値−時間テーブルの一例を表すグラフ、(b)は圧力変化量が正常である場合と異常な場合の圧力値と時間との関係を表すグラフである。 図1に示す制御手段のプログラムの一例を表す構成図である。 本発明の流量制御装置が流量を制御するための第1の実施形態について、その処理手順の一例を表すフローチャートである。 図5のS103を詳細に表わすフローチャートである。 図5のS104を詳細に表わすフローチャートである。 図5のS107を詳細に表わすフローチャートである。 本発明の流量制御装置が流量を制御するための第2の実施形態について、その処理手順の一例を表すフローチャートである。
符号の説明
1……流量制御装置、2……チャンバー、3……ガス供給源、
4……ガス管、4A……第1ガス管、4B……第2ガス管、5……外部システム、
6A……第1開閉弁、6B……第2開閉弁、7……連結部材、8……拘束手段、
10……制御手段、11……CPU、12……ROM(記憶手段)、13……RAM、14……A/D変換回路、15……D/A変換回路、
16……通信用I/F回路、17……バス、18……増幅回路、19……モニタ装置、
20……流量検出手段、21……バイパス管群、21A……バイパス管、
22……センサ管、23……センサ回路、
30……弁機構、31……流量制御弁、32……ダイヤフラム、33……弁口、
34……アクチュエータ、34a……圧電素子、35……押し台、35a……凹部、
36……受け台、36a……凹部、37……伝達部材、38……バルブ駆動回路、
39……ケース、 40……圧力検出手段、100……半導体製造装置、
Pm……メイン制御プログラム、P1……通信処理プログラム、
P2……流量検出信号入力プログラム、P4……バルブ駆動制御情報入力プログラム、P5……流量制御プログラム(弁機構制御手段)、P6……供給量補正プログラム(弁機構補正制御手段)、
P7……フラグ処理プログラム、P8……モニタリング処理プログラム、
P11……外部システムとの通信プログラム、P12……モニタ装置との通信プログラム、
P61……判定プログラム(判定部)、P62……流量補正制御プログラム(流量補正制御部)、P71……補正期間フラグプログラム、P72……補正工程フラグプログラム、
pa……圧力変化量差分値算出部、pb……判定値算出部、
pc……流量補正値算出部、pd……補正流量設定値算出部、
pe……バルブ駆動補正制御部

Claims (4)

  1. 流路を流れる流体の流量を調整する弁機構と、
    前記流路を流れる流体の流量を検出すると共に、検出された流量検出値を表す流量検出信号を出力する流量検出手段と、
    前記流量検出信号を受けて、この流量検出信号が表す流量検出値と、外部又は内部に設けられた記憶手段に記憶された、前記流路に流す流体の目標の流量設定値とに基づいて前記弁機構を制御する弁機構制御手段を備える制御手段とを有し、前記流路に設置される流量制御装置であって、
    前記流路の、前記弁機構より下流側に設置され、設置箇所において流れる流体の圧力値を検出すると共に、検出された圧力検出値を表す圧力検出信号を出力する圧力検出手段を有し、
    予め前記流路に前記流体が流され、前記弁機構制御手段が前記流量設定値と前記流量検出値とが一致するように前記弁機構を制御したときに、前記圧力検出手段が検出した圧力基準値の時間変化を示した、圧力基準値−時間テーブルが前記記憶手段に記憶され、
    前記制御手段は、
    前記圧力検出信号を受けて、この圧力検出信号が表す圧力検出値と、この圧力検出値の検出時に対応する、前記圧力基準値−時間テーブルの時間の前記圧力基準値に基づいて前記弁機構を制御する弁機構補正制御手段を備えることを特徴とする流量制御装置。
  2. 前記弁機構補正制御手段は、
    前記圧力検出値と前記圧力検出値に対応する前記圧力基準値から、前記圧力検出値の正否を判定するための判定値を算出する判定部と、
    前記判定値が前記圧力検出値の異常を示すとき、前記流量設定値を補正し、その補正値である補正流量設定値を算出する流量補正制御部とを有し、
    この補正流量設定値と前記流量検出値とに基づいて前記弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の流量制御装置。
  3. 前記弁機構補正制御手段は、前記判定値が異常を示すときに、前記流量設定値を補正する期間を示す補正期間フラグを前記記憶手段に記憶させる補正期間フラグ手段を有し、
    前記流量補正制御部は、前記判定値が正常を示すとき、前記補正期間フラグに基づいて前記流量設定値を補正することを特徴とする請求項2に記載の流量制御装置。
  4. 前記弁機構補正制御手段は、前記判定値が異常を示した工程が終了した以降に、前記流量設定値を補正する工程であることを示す補正工程フラグを前記記憶手段に記憶させる補正工程フラグ手段を有し、
    前記流量補正制御部は、前記補正期間フラグ及び前記補正工程フラグに基づいて前記流量設定値を補正することを特徴とする請求項3に記載の流量制御装置。
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