JP5157623B2 - かご形回転子の製造装置およびその製造方法 - Google Patents

かご形回転子の製造装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、複数の円形磁性鋼板を積層して形成された回転子鉄心と、複数のスロットバーおよび一対のエンドリングを有するかご形導体とを備えたかご形回転子の製造装置および製造方法に関するものである。
従来、かご形回転子の製造装置としては、一対のエンドリング形成部を有する固定金型と、この固定金型内に移動可能に保持された回転子鉄心と、前記回転子鉄心を貫通するスロット孔と前記エンドリング形成部とに溶融導体材料を導くための湯口を形成する湯口型と、この溶融導体材料を固定金型内に湯口を介して充填し加圧するためのプランジャとを備え、前記回転子鉄心および前記湯口型をプランジャの加圧方向に移動させることによって、回転子鉄心の両端面に形成されたエンドリングを加圧して、エンドリング内部での引け巣欠陥の発生を抑制するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−9560号公報(第5図)
上記のようなかご形回転子の製造装置では、回転子鉄心が固定金型内を射出方向に滑らかに移動できるように、回転子鉄心と固定金型との間には溶融導体材料が浸入しない程度の隙間が設けられている。しかし、溶融導体材料の充填時において、回転子鉄心を構成する円形磁性鋼板が高温の溶融導体材料(例えばアルミニウム合金の場合は650〜800℃程度)との接触により径方向に熱膨張して、固定金型の内面に接触する可能性がある。このため、その後の加圧時に回転子鉄心が固定金型内を移動した際、円形磁性鋼板と固定金型の内面とが摺接して円形磁性鋼板の相互間に隙間が生じ、この隙間に溶融導体材料が浸入するという問題がある。特に近年では、回転子鉄心の鉄損低下を目的として円形磁性鋼板の薄板化が進んでいるため、円形磁性鋼板は固定金型の内面との摺接時にたわみやすく、その相互間に隙間が発生しやすくなっており、溶融導体材料が浸入する恐れが増している。
この発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、回転子鉄心を構成する円形磁性鋼板間への溶融導体材料の浸入を防止できるかご形回転子の製造装置およびその製造方法を提供するものである。
この発明に係るかご形回転子の製造装置は、回転子鉄心の端面内周部を挟持する鉄心内周挟持型と、前記回転子鉄心の端面外周部を挟持し、前記回転子鉄心の積層方向に移動可能に設けられた可動金型と、前記可動金型と前記鉄心内周挟持型との間を一体的に連結する連結板と、前記回転子鉄心の一端面および前記可動金型と協働して第1のエンドリング形成部およびこれと連通した湯溜まり部を形成する固定下型と、前記回転子鉄心の他端面および前記可動金型と協働して第2のエンドリング形成部を形成する固定上型と、前記湯溜まり部から、前記第1のエンドリング形成部、前記スロット孔および前記第2のエンドリング形成部内に溶融導体材料を充填し加圧する加圧手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、この発明に係るかご形回転子の製造方法は、円形磁性鋼板を積層して回転子鉄心を円筒状に形成する工程と、前記回転子鉄心の端面外周部を可動金型で挟持する工程と、前記回転子鉄心の端面内周部を鉄心内周挟持型で、端面外周部を可動金型で挟持する工程と、前記可動金型と前記鉄心内周挟持型との間を連結板によって一体的に連結する工程と、前記回転子鉄心の端面と前記可動金型と固定金型とで協働して、湯溜まり部に連通される第1のエンドリング形成部と、前記スロット孔を介して前記第1エンドリング形成部に連通される第2のエンドリング形成部とを形成する工程と、前記湯溜まり部から、前記第1のエンドリング形成部、前記スロット孔および前記第2のエンドリング形成部内に溶融導体材料を充填する工程と、前記溶融導体材料を加圧しながら、前記連結板によって、前記可動金型を前記回転子鉄心とともに積層方向に移動してかご形導体を形成する工程とを備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、回転子鉄心の端面内周部を挟持する鉄心内周挟持型と、回転子鉄心の端面外周部を挟持し、回転子鉄心の積層方向に移動可能な可動金型と、可動金型と鉄心内周挟持型との間を一体的に連結する連結板とを設けたことにより、回転子鉄心を構成する円形磁性鋼板間への溶融導体材料の浸入を防止し、さらに、回転子鉄心の外周部へのせん断力発生を抑制できるので、回転子鉄心の損傷を防ぐことができ、高品質のかご形回転子を製造することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るかご形回転子の製造装置を示す断面図、図2は本発明の実施の形態1によるかご形回転子の製造装置により製造されたかご形回転子を示す断面図である。
図1において、かご形回転子の製造装置100は、図示しない成形機の可動プレートに取り付けられ、円環状の突起部9aを有する固定上型9と、この固定上型9に取り付けられた可動金型10と、図示しない成形機の固定プレートに取り付けられた固定下型11とで構成される。
可動金型10は、鉄心ホルダ101と鉄心外周押さえ型102の2つの部品から構成されており、回転子鉄心5の端面外周部を挟持するとともに、回転子鉄心5の側面を覆うように形成されている。また、鉄心ホルダ101の端面には空気排出口16が設けられている。
前記回転子鉄心5の端面内周部は、第1鉄心内周挟持型131と第2鉄心内周挟持型132とで構成される一対の鉄心内周挟持型13によって挟持されており、この鉄心内周挟持型13は、第1鉄心内周型に設けられたボルト131aおよびナット24を介して回転子鉄心5の内孔2に挿入された吊り下げ軸12と締結されている。
そして、第2鉄心内周挟持型132と前記鉄心外周押さえ型102との間に形成された円環状の空隙15には、前記固定上型9の円環状突起部9aが摺動自在に挿入されている。また、第1および第2鉄心内周挟持型131、132には、いずれも回転子鉄心5側の径が小さくなるようなテーパが設けられている。
前記吊り下げ軸12は切り欠き部12aを有しており、この切り欠き部12aに挿入された吊り下げ板17を介して固定上型9に垂直方向に移動自在に吊り下げられている。また、固定上型9と第2鉄心内周挟持型132との間には変形部材18が設置されており、固定上型9と可動金型10の間に所定の間隔が設けられている。この変形部材18は、固定上型9と可動金型10との間に設けてもよい。なお、変形部材18は、溶融導体材料の充填時に回転子鉄心5および可動金型10が移動しないように保持し、充填完了後のプランジャの圧力によって変形する特性を有するものであり、例えば、バネのような弾性体や、アルミニウム合金のリング部材のような弾塑性体で形成される。
また、下型11には、断面が円形の湯溜まり部19が上方に開口するように設けられ、プランジャ20が湯溜まり部19に摺動自在に配設されている。
このように構成されたかご形回転子の製造装置100においては、回転子鉄心5の下側の端面と鉄心ホルダ101と第1鉄心内周挟持型131とで囲まれた空間に、湯口21と連通された円環状の湯口側エンドリング形成部22が形成される。また、回転子鉄心5の上側の端面と第2鉄心内周挟持型132と鉄心外周押さえ型102と固定上型の突起部9aとで囲まれた空間に、スロット孔3を介して前記湯口側エンドリング形成部22と連通される円環状の反湯口側エンドリング形成部23が形成される。この湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23に溶融導体材料が充填されることによって、図2に示すかご形回転子1の一対のエンドリング8a、8bとスロットバー7とからなるかご形導体6が形成される。
なお、第1および第2鉄心内周挟持型131、132には、回転子鉄心5側の径が小さくなるようなテーパが設けられているので、湯口側エンドリング形成部22および反湯口側エンドリング形成部23は内周側にテーパが設けられた形状に形成される。また、前記金型を構成する部品は、例えば熱間工具鋼のJIS SKD61のような耐熱鋼を用いて作製される。
次に、かご形回転子の製造方法について説明する。
まず、中心孔2およびこの中心孔2に対して同心状に複数配列されたスロット孔3が打ち抜かれた円形磁性鋼板4を所定枚数積層して形成された回転子鉄心5の中心孔2に吊り下げ軸12を挿入する。そして、一対の鉄心内周挟持型13で回転子鉄心の内周を挟持し、第1鉄心内周挟持型131に設けられたねじ131aおよびナット24によって、第1および第2鉄心内周挟持型131、132をそれぞれ吊り下げ軸12に締結する。このようにして一対の鉄心内周挟持型13によって回転子鉄心5の端面内周部を挟持することにより、積層された円形磁性鋼板4を相互に圧接させる。
そして、吊り下げ軸12が挿入され鉄心内周挟持型13によって挟持された回転子鉄心5を鉄心ホルダ101の中心に設けられた内孔101aに挿入し、鉄心外周押さえ型102を鉄心ホルダ101と締結することにより、回転子鉄心5の端面外周部が挟持された可動金型10を組み立てる。
次に、このように組み立てられた可動金型10に取り付けられた第2鉄心内周挟持型132上に変形部材18を配置し、図示しない成形機の可動プレートに取り付けられた固定上型9の円環状突起部9aを、第2鉄心内周挟持型132と可動金型10との間の円環状の空隙15に挿入する。そして、吊り下げ軸12の切欠き部12aに吊り下げ板17を挿入することによって、可動金型10を固定上型9に吊り下げて配置する。このとき、前記変形部材18が存在することによって、固定上型9と可動金型10との間には所定の間隔が設けられる。
次いで、例えば、650℃以上で溶解した溶融アルミニウム合金等の溶融導体材料を100℃〜200℃程度に予熱した湯溜まり部19に注湯した後、図示しない成形機の可動プレートを作動させて、可動金型10を固定下型11の内孔11aに嵌合させる。そして、プランジャ20を上方に作動させることにより、溶融導体材料を湯溜まり部19から湯口21を介して湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3、反湯口側エンドリング形成部23内に充填する。このとき、変形部材18は、充填時の流入抵抗によって変形することなく、可動金型10を移動しないように保持している。
また、湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内を満たしていた空気は、溶融導体材料によって空気排出口16を経由して装置の外部に押出されるので、溶融導体材料に巻き込まれた空気が気泡欠陥としてかご形導体6内に残存することを抑制できる。
そして、溶融導体材料が、湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23を全て充填した後、プランジャ20の圧力を40MPa以上に上昇させて、溶融導体材料を加圧する。このとき、熱容量が最も小さいスロット内から凝固を開始するので、プランジャ20の圧力はこの凝固したスロットに圧力伝達経路が遮られ、反湯口側エンドリング23内を充填した溶融導体材料に伝わらない。しかし、プランジャ20の圧力は第1鉄心内周挟持型131、回転子鉄心5および第2鉄心内周挟持型132を介して変形部材18を収縮させるように作用するので、変形部材18が収縮することにより可動金型10は回転子鉄心5とともに積層方向に移動し、プランジャ20による圧力は反湯口側エンドリング形成部23内に充填された溶融導体材料に作用することになる。
このとき、回転子鉄心5は端面外周部を可動金型10によって挟持されたまま可動金型10と一体的に積層方向に移動するので、回転子鉄心5を構成する円形磁性鋼板4の間に隙間が生じることはなく、溶融導体材料の浸入を防止できる。また、変形部材18は、溶融導体材料の充填時には固定金型10の移動を許容せず、溶融導体材料の加圧時に固定金型10の移動を許容するため、溶融導体材料の体積収縮が発生する液相から固相への変態時に反湯口側エンドリング形成部23を加圧することができ、反湯口側エンドリング形成部23内の引け巣欠陥発生を抑制できる。
一方、湯口側エンドリング形成部22内に充填された溶融導体材料は、湯溜まり部19の熱容量が大きいため、回転子鉄心5から湯溜まり部19に向かう指向性凝固の形態となる。したがって、湯口側エンドリング形成部22も、反湯口側エンドリング形成部23と同様に、溶融導体材料が完全に凝固するまでプランジャ20による圧力を作用させて加圧することでき、湯口側エンドリング形成部22内の引け巣欠陥発生を抑制できる。
本実施の形態によれば、回転子鉄心5の端面外周部を挟持し、この回転子鉄心5の積層方向に移動可能な可動金型10を設けたことにより、溶融導体材料の加圧時に可動金型10が回転子鉄心5と一体的に移動するので、回転子鉄心5を構成する円形磁性鋼板4の間に隙間が発生することがなく、溶融導体材料の円形磁性鋼板4相互間への浸入を防止できる。また、回転子鉄心5の両端面に対向して形成された一対のエンドリングを1つのプランジャで凝固完了まで加圧することができるので、簡単な成形機によりエンドリングの引け巣欠陥発生を抑制できる。したがって、高品質で信頼性の高いかご形回転子を得ることができる。
なお、本実施の形態では、下型11に配設したプランジャ20を作動させることにより、溶融導体材料を湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内に充填したが、プランジャ20を固定し、固定上型9および可動金型10が取り付けられた図示しない成形機の可動プレートを降下させることにより、溶融導体材料を湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内に充填してもよい。このようにすることにより、プランジャ20を駆動させるための駆動源が不要となるため、より簡単な成形機を用いることができる。
また、本実施の形態では、可動金型10に空気排出口16を設けて溶融導体材料を湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内に充填されていた空気を外部へ排出して溶融導体材料内に空気が巻き込まれることを抑制しているが、空気排出口16に真空ポンプを接続して型内の空気を排気することによりかご形導体内への空気の巻き込みを抑制することもできる。これにより、より高品質のかご形回転子を得ることができる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2によるかご形回転子の製造装置を示す断面図であり、図4は本発明の実施の形態2によるかご形回転子の製造装置における連結板および第1固定上型の一部を破断した斜視図である。
図3において、かご形回転子の製造装置200には、可動金型10と第2鉄心内周挟持型132との間を一体的に連結する連結板25が設けられている。連結板25はナット24を介して鉄心内周挟持型13と締結され、また、ボルト26を介して可動金型10と締結されている。また、固定上型9は、円環状突起部9aを有する第1固定上型91と、この第1固定上型91に締結され図示しない成形機の可動プレートに取り付けられる第2固定上型92の2部品で構成される。
図4(a)において、連結板25はJIS SKD61のような耐熱鋼やJIS S45Cのような炭素鋼を用いて製作される。そして、連結板25には、ボルト26を通すためのボルト通し穴25aが外周に設けられている。また、ボルト通し穴25aよりも内周側には、第1固定上型91を挿通するための挿通孔25bが設けられており、中央部には吊り下げ軸12を挿通するための中心孔25cが設けられている。
また、図4(b)において、第1固定上型91はJIS SKD61のような耐熱鋼を用いて製作される。そして、第1固定上型91には、円環状突起部9aと、この円環状突起部9aと対向する側に断続的に形成された凸部9bが設けられている。この凸部9bには、第1固定上型91と第2固定上型92とを締結するボルトを挿入するためのボルト孔9cが設けられている。そして、第1固定上型91の凸部9bは、連結板25の挿通孔25bに挿入され、第1固定上型91は第2固定上型92と図示しないボルトで締結される。また、連結板25と第2固定上型92との間には変形部材18が設置されている。その他の構成部品は実施の形態1に示した製造装置100の構成部品と同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
次に、かご形回転子の製造方法について説明する。
実施の形態1と同様に、湯溜まり部19に注湯された溶融導体材料が、湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内を充填した後、溶融導体材料をプランジャ20によって40MPa以上の圧力で加圧すると、プランジャ20の圧力は第1鉄心内周挟持型131、回転子鉄心5、第2鉄心内周挟持型132および連結板25を介して変形部材18を収縮させるように作用する。この変形部材18が収縮することにより可動金型10は回転子鉄心5とともに積層方向に移動し、プランジャ20による圧力は反湯口側エンドリング形成部23内に充填された溶融導体材料に作用することになる。
このとき、可動金型10は連結板25を介して鉄心内周挟持型13と一体的に連結されているので、可動金型10および鉄心内周挟持型13は、回転子鉄心5の端面外周部および端面内周部を挟持した状態で回転子鉄心5と一緒に積層方向に移動する。その結果、回転子鉄心5を構成する円形磁性鋼板4の間に隙間を生じることがなく、より確実に溶融導体材料の浸入を防止できる。また、可動金型10に加わる上向きの力は連結板25によって支えられるため、回転子鉄心5の外周部に可動金型10によるせん断力が加わらず、回転子鉄心5の損傷を防ぐこともできる。
本実施の形態によれば、回転子鉄心5の端面外周部を挟持する可動金型10と回転子鉄心5の端面内周部を挟持する鉄心内周挟持型13との間を一体的に連結する連結板25を設けたことにより、溶融導体材料の加圧時に、回転子鉄心5の端面外周部および端面内周部を挟持された状態で可動金型10および鉄心内周挟持型13が回転子鉄心5と一緒に積層方向に移動するので、円形磁性鋼板4の相互間に隙間を生じることがなく、溶融導体材料の浸入をより確実に防止できる。また、上記のように可動金型10と鉄心内周挟持型13とを連結板25によって一体的に連結したことにより、回転子鉄心5の外周部へのせん断力発生を抑制できるので、回転子鉄心5の損傷を防ぐことができる。さらに、実施の形態1と同様に、簡単な成形機でエンドリングの引け巣欠陥発生を抑制できる。したがって、より高品質で信頼性の高いかご形回転子を得ることができる。
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3によるかご形回転子の製造装置を示す断面図である。図5において、かご形回転子の製造装置300には、固定上型9と第2鉄心内周挟持型132との間に第1変形部材18が設けられ、固定上型9と可動金型10との間に第2変形部材27が設けられている。第1変形部材18および第2変形部材27は、いずれも溶融導体材料の充填時に回転子鉄心5および可動金型10が移動しないように保持し、充填完了後の加圧力によって変形する特性を有するものであり、例えば、バネのような弾性体や、アルミニウム合金のリング部材のような弾塑性体で形成される。その他の構成部品については、実施の形態1に示した製造装置100の構成部品と同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
次に、かご形回転子の製造方法について説明する。
実施の形態1と同様に、湯溜まり部19に注湯された溶融導体材料をプランジャ20によって湯口側エンドリング形成部22、スロット孔3および反湯口側エンドリング形成部23内に充填する。このとき、第1変形部材18および第2変形部材27は、充填時の流入抵抗によって変形することなく、可動金型10および鉄心内周挟持型13を移動しないように保持している。
そして、溶融導体材料が充填された後、この溶融導体材料をプランジャ20によって40MPa以上の圧力で加圧すると、プランジャ20の圧力は第1鉄心内周挟持型131、回転子鉄心5および第2鉄心内周挟持型132を介して第1変形部材18を収縮させるように作用し、同時に可動金型10を介して第2変形部材27を収縮させるように作用する。この第1変形部材18および第2変形部材27が収縮することにより可動金型10および鉄心内周挟持型13は回転子鉄心5と一緒に積層方向に移動し、プランジャ20による圧力は反湯口側エンドリング形成部23内に充填された溶融導体材料に作用することになる。このとき、可動金型10に加わる上向きの力は第2変形部材27によって支えられるため、回転子鉄心5の外周部に可動金型10によるせん断力が加わらず、回転子鉄心5の損傷を防ぐことができる。
本実施の形態によれば、可動金型10および鉄心内周挟持型13と固定上型9との間に、変形部材18、27を設けたことにより、可動金型10に加わる上向きの力はこの変形部材によって支えられるので、回転子鉄心5の外周部へのせん断力発生を抑制でき、回転子鉄心5の損傷を防ぐことができる。また、実施の形態1および2と同様に、円形磁性鋼板4相互間への溶融導体材料の浸入を確実に防止できるとともに、構成の簡単な成形機でエンドリングの引け巣欠陥発生を抑制できる。したがって、より高品質で信頼性の高いかご形回転子を得ることができる。
この発明の実施の形態1を示すかご形回転子の製造装置の断面図である。 この発明の実施の形態1を示すかご形回転子の製造装置により製造されたかご形回転子の断面図である。 この発明の実施の形態2を示すかご形回転子の製造装置の断面図である。 この発明の実施の形態2を示すかご形回転子の製造装置における要部の斜視図である。 この発明の実施の形態3を示すかご形回転子の製造装置の断面図である。
符号の説明
1 かご形回転子、 3 スロット孔、 4 円形磁性鋼板、 5 回転子鉄心、 6 かご形導体、 7 スロットバー、 8a,8b エンドリング 9,91,92 固定上型、 10 可動金型、 11 固定下型、 13,131,132 鉄心内周挟持型、 18,27 変形部材、 19 湯溜まり部、 20 プランジャ(加圧手段)、 22 湯口側エンドリング形成部(第1のエンドリング形成部)、 23 反湯口側エンドリング形成部(第2のエンドリング形成部)、 25 連結板。

Claims (3)

  1. 複数の円形磁性鋼板を積層して円筒状に形成され、且つ積層方向に貫通するスロット孔が同心状に複数配列された回転子鉄心、および前記スロット孔のそれぞれに配設された複数のスロットバーと、前記回転子鉄心の積層方向の両端面に形成され、前記スロットバーと連結された一対の円環状のエンドリングとからなるかご形導体を備えたかご形回転子の製造装置であって、
    前記回転子鉄心の端面内周部を挟持する鉄心内周挟持型と、
    前記回転子鉄心の端面外周部を挟持し、前記回転子鉄心の積層方向に移動可能に設けられた可動金型と、
    前記可動金型と前記鉄心内周挟持型との間を一体的に連結する連結板と、
    前記回転子鉄心の一端面および前記可動金型と協働して第1のエンドリング形成部およびこれと連通した湯溜まり部を形成する固定下型と、
    前記回転子鉄心の他端面および前記可動金型と協働して第2のエンドリング形成部を形成する固定上型と、
    前記湯溜まり部から、前記第1のエンドリング形成部、前記スロット孔および前記第2のエンドリング形成部内に溶融導体材料を充填し加圧する加圧手段と
    を備えたかご形回転子の製造装置。
  2. 前記連結板と前記固定上型との間に、前記溶融導体材料の加圧時に前記可動金型の移動を許容する変形部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のかご形回転子の製造装置。
  3. 複数の円形磁性鋼板を積層して円筒状に形成され、且つ積層方向に貫通するスロット孔が同心状に複数配列された回転子鉄心、および前記スロット孔のそれぞれに配設された複数のスロットバーと、前記回転子鉄心の積層方向の両端面に形成され、前記スロットバーと連結された一対の円環状のエンドリングとからなるかご形導体を備えたかご形回転子の製造方法であって、
    前記円形磁性鋼板を積層して回転子鉄心を円筒状に形成する工程と、
    前記回転子鉄心の端面内周部を鉄心内周挟持型で、端面外周部を可動金型で挟持する工程と、
    前記可動金型と前記鉄心内周挟持型との間を連結板によって一体的に連結する工程と、
    前記回転子鉄心の端面と前記可動金型と固定金型とで協働して、湯溜まり部に連通される第1のエンドリング形成部と、前記スロット孔を介して前記第1のエンドリング形成部に連通される第2のエンドリング形成部とを形成する工程と、
    前記湯溜まり部から、前記第1のエンドリング形成部、前記スロット孔および前記第2のエンドリング形成部内に溶融導体材料を充填する工程と、
    前記溶融導体材料を加圧しながら、前記連結板によって、前記可動金型を前記回転子鉄心とともに積層方向に移動して前記かご形導体を形成する工程と
    を備えたかご形回転子の製造方法。
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