JP5157047B2 - 固体高分子電解質型燃料電池で用いる電解質膜の製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池で用いる電解質膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、固体高分子電解質型燃料電池で用いる電解質膜とその製造方法および該電解質膜を備えた膜電極接合体(MEA)に関し、特に、発電による生成水の排水性とガス拡散性を良好にしてフラッティング状態となるのを効果的に抑制できるようにした電解質膜とその製造方法および該電解質膜を備えた膜電極接合体に関する。
燃料電池の1つとして固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、図11に示すように、膜電極接合体(MEA)5を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路および空気ガス流路を備えたセパレータ4,4で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池を形成している。膜電極接合体5は、イオン交換膜である電解質膜1の一方側にアノード側の電極(触媒層)2aと拡散層3aを積層し、他方の側にカソード側の電極(触媒層)2bと拡散層3bを積層した構造を有する。
固体高分子電解質型燃料電池は、発電に伴う電気化学的反応によってカソード側に水が生成される。この生成水のうち余剰となる水を効率よく排除しないと、電解質膜が水浸しの状態となり、ガス接触面積が減少し、さらに電極への酸素ガスの供給が阻害されて、いわゆるフラッティング状態となり発電効率が低下する。そのために、余剰な生成水を効率よく排出するための方策が提案されており、特許文献1では、カソード側のセパレータに形成される酸素ガス流路の深さをガス排出口に向けて漸次深くなるようにして、重力による排水を推進し、それによりフラッティングを防止して高い発電性能を得るようにしている。特許文献2では、カソード側のガス拡散層に疎水性の勾配を付与することによって排水性を良好にし、それにより触媒層のフラッティングを防止して高い発電性能を得るようにしている。
特開平8−138696号公報 特開平7−134993号公報
前記のように、固体高分子電解質型燃料電池において、発電時に生じる生成水を効果的に排出してフラッティング状態になるのを防止する手法は、すでにいくつか提案されている。本発明は、そのためのさらに他の手法を開示することを目的とし、特に、高電流側において発生する生成水の分布を出口側に積極的に流動させることにより、より速く排水を行い得るようにした電解質膜を提供することを目的とする。
本発明による電解質膜は、固体高分子電解質型燃料電池で用いる電解質膜であって、少なくとも一方の面が傾斜した面となるように膜厚を漸次変化させた傾斜構造を有することを特徴とする。
電解質膜を構成する電解質の材料にもよるが、本発明による電解質膜は、電解質材料の単独膜から構成したものでもよく、少なくとも一方の面が傾斜した面となるように膜厚を漸次変化させた傾斜構造を有する多孔質補強膜を有し、該多孔質補強膜に高分子電解質膜が溶融含浸された構造を備えるものでもよい。多孔質補強膜としては、従来の電解質膜で用いられてきた多孔質補強膜を適宜用いることができるが、PTFE多孔質膜であることは特に好ましい。
また、本発明は、前記した電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池で用いる膜電極接合体であって、電解質膜は、カソード側におけるガス入り口側に膜厚の厚い方を位置させ、出口側に膜厚の薄い方を位置させて配置されていることを特徴とする膜電極接合体をも開示する。
上記膜電極接合体の両面をガス流路を備えたセパレータで挟持して単位セルとし、カソード側のセパレータに空気を、アノード側のセパレータに燃料(水素)を供給して、発電を行うと、アノード側では、H→2H+2eの反応が、カソード側では、1/2O+2H+e→HOの反応が進行し、膜電極接合体のカソード側に水が生成される。生成された水は、電解質膜の上に積層した触媒層(あるいはその上に積層した拡散層)の表面に発現する。
本発明による膜電極接合体では、電解質膜が、カソード側におけるガス入り口側に膜厚の厚い方を位置させ、出口側に膜厚の薄い方を位置させて配置されていることから、膜電極接合体も全体として、カソード側におけるガス入り口側が上位となり、出口側に下位となる傾斜構造となっており、生成水はガス出口側に向けて移動していく。そのために、膜電極接合体のカソード側表面に生成した水が滞留することはなく、セパレータのガス流路が生成水で閉塞することもない。それにより、発電中にフラッティング状態となるのを効果的に阻止することができる。また、余剰となった生成水の滞留がないことから、結果として、膜電極接合体のカソード側表面での空気ガスの流れは均一となり、高い発電効率が得られる。
本発明は、さらに、前記した少なくとも一方の面が傾斜した傾斜構造を有する電解質膜を製造する方法として、一方の面が傾斜した面となるように膜厚を漸次変化させた傾斜構造を有する多孔質補強膜に高分子電解質膜を積層し、加熱により高分子電解質膜を溶融し含浸させることを特徴とする電解質膜の製造方法を開示する。
ここで使用する多孔質補強膜は、従来の電解質膜で用いられてきた多孔質補強膜を適宜用いることができるが、PTFEのパウダーをペースト状にしたものを押出し機でシート状に押し出し、それを圧延、延伸、焼成、冷却して製造されるPTFE多孔質膜であることは特に好ましい。一方の面が傾斜した面となるように膜厚を漸次変化させた傾斜構造とするには、シートを圧延するときに、一方の圧延ロールに傾斜角を持たせるような方法で行うことができる。
多孔質補強膜に積層する高分子電解質膜は通常の方法によりシートあるいはフィルム状とされた電解質膜を用いる。好ましくは、電解質ポリマーの前駆体高分子(高分子鎖末端が−SOFである前駆体高分子)で作られるF型電解質膜を用いる。
前記のようにして製造した傾斜構造を有する多孔質補強膜に電解質膜を溶融含浸させる方法は任意であり、限定されるものではないが、例えば、多孔質補強膜を所要の大きさに裁断し、その両面に電解質膜を積層配置して積層体とし、それを傾斜構造を有する多孔質補強膜の表裏面に平行な加圧面を持つ上下のダイを備えたホットプレスで、加圧しながら加熱する。それにより、電解質膜は次第に溶融して多孔質補強膜中に含浸していき、実質的に多孔質補強膜の傾斜構造と一致した傾斜構造を備えた電解質含浸多孔質補強膜が得られる。
前記した電解質含浸多孔質補強膜において、多孔質補強膜の表裏面に沿って等しい厚さに電解質膜の層が形成されていることは望ましい。それを実現するために、多孔質補強膜の傾斜した面に積層する電解質膜として、多孔質補強膜の傾斜分を考慮して膜厚を漸次変化させた傾斜構造を持つ傾斜電解質膜を用いることが、推奨される。
もし、電解質膜として電解質ポリマーの前駆体高分子で作られるF型電解質膜を用いる場合には、従来知られた手法(例えば、特開平9−194609号公報に記載の手法)により、多孔質補強膜中の電解質ポリマーにイオン交換性を付与する工程(加水分解処理)を行うことにより、本発明でいう電解質膜となる。
得られた電解質膜の一方側にアノード側の電極(触媒層)と拡散層を積層し、他方の側にカソード側の電極(触媒層)と拡散層を積層することにより、前記した本発明による膜電極接合体となる。なお、触媒層および拡散層の種類やその積層方法は、従来の固体高分子電解質型燃料電池の膜電極接合体におけると同じであってよい。また、本発明による膜電極接合体を用いて単セルとする場合には、セパレータの膜電極接合体に接する面に、膜電極接合体の傾斜構造(すなわち、電解質膜の傾斜構造)と逆の傾斜構造を持たせることが必要となる。
本発明による電解質膜を用いることにより、余剰な生成水は出口側に効果的に排出されて発電中にフラッティング状態になるのが抑制されるので、発電効率が改善しかつ運転範囲も拡大した固体高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態により説明する。図1は本発明による電解質膜の一形態を示す模式図であり、図2は他の形態の電解質膜をその製造手順と共に示す模式図である。図3はさらに他の形態の電解質膜の組み付け前の状態を説明する模式図であり、図4はその組み付け後の状態を組み付けに用いる装置とともに模式的に示している。図5および図6は、図3、図4に示す形態の電解質膜で用いる多孔質補強膜を製造するための装置を説明するための図であり、図7は、図3、図4に示す形態の電解質膜で用いる電解質膜を製造する過程の一例を説明するための図である。
図1に示す電解質膜10は、固体高分子電解質で作られており、一方の面(図で上側の面)11が傾斜した面となるように膜厚Dを漸次変化させた傾斜構造を有している。すなわち、一方側の端面12での膜厚をD1、他方側の端面13での膜厚をD2としたときに、D1>D2となるように、基準面である底面14に対して、全幅Wにわたって膜厚Dが漸次なめらかに減少するように変化している。この例において、端面12および端面13の前後方向(図1で矢印Y方向)の厚さD1,D2に変化はなく、左右方向(矢印Y方向に直交する矢印X方向)の厚さのみが、漸次減少している。
図8に示すように、この電解質膜10を用いて膜電極接合体5aを作り、それをセパレータ4a、4bで挟持して単セル(燃料電池)6aとする場合には、面内傾斜を持つ上面11側がカソード側となり、かつガス入り口側に厚みがD1である端面12が位置するようにして、組み付けられる。
図2に示す電解質膜10Aは、図1に示す形状の2枚の電解質膜10a,10bを90度交差させた姿勢で積層して作られている。すなわち、図2aに示すように、図1に示す姿勢にある電解質膜10aの下側に、それを時計回りに90度回転させた姿勢とした電解質膜10bを積層し、それを熱圧着などの手段により一体化して、図2bに示す電解質膜10Aとしている。
この電解質膜10Aでは、図2bに示すように、左奥角部の厚さaが最も大きく、その対角線位置にある右手前角部の厚さcが最も小さく、他の2つの角部の厚さbとdは等しく、aとcの中間の厚さとなっている。この場合の面内傾斜方向は、厚さaである左奥角部から厚さcである右手前角部に向けた方向であり、傾斜面自体は平坦な面である。
製造する単セルにおけるセパレータに切られる空気ガス流路の方向や形状に応じて、図1に示す形態の電解質膜10あるいは図2に示す電解質膜10A、さらには図示しない他の面内傾斜を持つ電解質膜が選択的に用いられるが、いずれの場合にも、カソード側におけるガス入り口側に膜厚の厚い方を、出口側に膜厚の薄い方を位置させるようにして、電解質膜は配置される。
本発明による電解質膜での最も厚さの厚い箇所と最も厚さの薄い箇所のそれぞれの厚みは、製造する膜電極接合体の大きさあるいは求められる発電性能などによって異なってくるが、ほとんどの場合、最も厚さの厚い箇所の厚みでも100μm以下であり、最も厚さの薄い箇所での厚みでも5μm以上である。
図3、図4に示す形態の電解質膜20は、図3に示すように、多孔質補強膜30と上電解質膜20aと下電解質膜20bの3つの部材で構成され、図4に示すように、その積層体20Aをホットプレス40により上下から熱圧することにより形成される。この例において、多孔質補強膜30は、素材がPTFEである多孔質膜であり、図1に示した電解質膜10と実質的に同じ形状をしている。すなわち、多孔質補強膜30の膜厚は、図で左から右に向けて漸次なめらかに減少しており、その上面31は、一方側の端面32での膜厚をA、他方側の端面33での膜厚をBとしたときに、A>Bとなるように、基準面である底面34に対してなめらかに右下方に向けて傾斜した平面となっている。
図5,図6は、前記した形状の多孔質補強膜30を製造するための装置の一例を説明している。図5aに示すように、装置50は、押出し機51と圧延手段52と延伸機53とを備える。押出し機51内には、原材料であるペースト状のPTFEパウダー35が収容されており、押し出されたペーストPは圧延手段52で圧延されて、テープ状となる。圧延手段52は1対の圧延ロール52a,52bで構成されており、図6に示すように、下位の圧延ロール52aの軸心線Laと、上位の圧延ロール52bの軸心線Lbとは平行でなく所定角度で傾斜している。それにより、ロール間距離は軸心線方向にd1<d2となるように変化しており、ペーストPが一対の圧延ロール間を通過すると、断面を図5bに示すように、右側端から左側端に向けて厚さが漸次減少する断面形状を備えたテープP1に圧延される。
圧延されたテープP1は、従来知られた構成である延伸機53に入り、そこで幅方向に延伸される。延伸後のテープP3の断面は、図5cに示すように、やはり、右側端から左側端に向けて厚さが漸次減少する断面形状を持つ。延伸されたテープP3は、続いて焼成ゾーン54,冷却ゾーン55を通過することにより、図5cに示す断面構造を備えたテープ状のPTFE多孔質膜P3が得られる。PTFE多孔質膜P3を所要の寸法に裁断することにより、前記した形状の多孔質補強膜30を得ることができる。
図3と図4に戻り、上電解質膜20aと下電解質膜20bは、好ましくは、電解質ポリマーの前駆体高分子をフィルムあるいはシート状に成形したものであり、この例において、下電解質膜20bは厚さに変化のない厚さEのものである。上電解質膜20aは、厚さに変化のないフィルムあるいはシート(不図示)を多孔質補強膜30の傾斜する上面31に積層するようにしてもよいが、図示の例では、図1に示した電解質膜10のように、一方側の端面22での膜厚Cが他方側の端面23での膜厚Dよりも大きくなった、すなわち、膜厚C>膜厚Dとなるように上面21が傾斜平面となった電解質膜20aを用いている。好ましくは、前記した各厚さの関係は、C+E−Aの値とD+E−Bの値がほぼ等しくなるように設定する。
上記のように各厚さを設定した、下電解質膜20bと多孔質補強膜30と上電解質膜20aとをこの順に積層した積層体20Aを、図4に示すように、ホットプレス40の下ダイ41の上に置く。ホットプレス40の上ダイ42の熱圧面43は、積層体20Aの上面の傾斜角度と同じ傾斜角度を有している。上ダイ42を下降して積層体20Aを熱圧すると、下電解質膜20bと上電解質膜20aは次第に溶融し多孔質補強膜30内に含浸する。前記のように各厚さを設定しておくことにより、多孔質補強膜30内の全体にほぼ等しく電解質は含浸し、また、上ダイ42の移動距離を所要に制御することにより、多孔質補強膜30の下面と傾斜した上面に、面に平行な所要厚みの電解質の層を形成することもできる。なお、電解質膜20a,20bとして電解質ポリマーの前駆体高分子で作られるF型電解質膜を用いる場合には、プロトン伝導化のための加水分解処理(例えば、スルホニルフロライドの末端のSOFをSOHに変換する処理)を行うことにより、電解質膜20が完成する。
図1に示した、あるいは図3に上電解質膜20aとして示した、上面に傾斜構造を持つ電解質膜は、例えば、図7に示すような方法で製造することができる。すなわち、定法で製造した厚みに変化のない電解質膜1を所定の大きさに裁断し(図7a)、それを、得ようとする電解質膜の上面傾斜角に等しい角度の傾斜面61を備えた上ダイ62と、下ダイ63とを備えたホットプレス60で熱圧する(図7b)。図7では、左右に対称な2つの傾斜面61,61を備えた上ダイ62を用いているので、左右に等角度で傾斜する上面を持つ電解質膜1aが得られる。それをカッター64で中央位置から裁断し、周囲のトリミングを行うことにより、2つの電解質膜10(上電解質膜20a)を同時に作ることができる(図7c)。
図8は、上記した電解質膜10(または20)を用いて膜電極接合体5aを作り、その上下両面をセパレータ4a,4bで挟持して単セル(燃料電池)6aとした状態を示している。膜電極接合体5aは、従来のものと同様な方法によって、電解質膜10の一方側にアノード側の電極(触媒層)2aと拡散層3aを積層し、他方の側にカソード側の電極(触媒層)2bと拡散層3bを積層することによって作られるが、電解質膜10が上記のように全体として傾斜構造を有することから、図示のように、膜電極接合体5aも全体として電解質膜10と同じ傾斜構造を有している。
膜電極接合体5aの上面側である傾斜面側に位置する上セパレータ4aの前記傾斜面に対向する面は、膜電極接合体5aの前記傾斜面と同じ角度で傾斜する面となっており、その面に、空気ガス流路7が形成されている。膜電極接合体5aの下面側は水平面であり、下面側に位置する下セパレータ4bは、従来のセパレータと同様、膜電極接合体5aの前記水平面に対向する水平面を有し、そこに好ましくは前記セパレータ4aに形成した空気ガス流路に直交する方向の燃料ガス流路8が形成されている。
発電に当たっては、カソード側である上セパレータ4aの空気ガス流路7に、膜電極接合体5aの厚さの厚い方がガス入り口となり、薄い方がガス出口となるようにして(図8で左から右方向に向けて)、酸化剤ガスとしての空気を流す。また、アノード側である下セパレータ4bのガス流路8には燃料ガスとしての水素を流す。それにより、アノード側では、H→2H+2eの反応が、カソード側では、1/2O+2H+e→HOの反応が進行し、膜電極接合体5aのカソード側に水が生成される。生成された水は、電解質膜10の上に積層した触媒層(あるいは、図示の例では触媒層2aの上に積層した拡散層3a)の表面に発現する。
膜電極接合体5aの上面は、空気ガスの入り口側から出口側に向けて次第に低位となる方向に傾斜しており、余剰となった生成水はその傾斜に沿って、ガス出口側に向けて移動する。そのために、この単セル6aではカソード側でフラッティング状態となるのを効果的に抑制することができる。また、ガスの分布も均一となり、発電効率も向上する。
図9は、本発明者らが行った、図8に示した構造の単セル8aを用いた場合と、従来構造の単セル(すなわち、図11に示すように電解質膜が傾斜構造を持たない単セル6)を用いた場合での、電圧・電流曲線を示している。図示のように、図8に示す構造の単セル(本発明による単セル)6aはすべての範囲で従来構造の単セル6よりも高い発電効率を示しており、さらに、フラッティングが抑制されることにより、図9でまるで囲った領域に現れているように、運転範囲がより大きな電流密度のところにまで拡大していることがわかる。
図10は、電解質膜10の厚さとイオン伝導度との関係を示すグラフであり、本発明による電解質膜のようにガス入り口側とガス出口側とで厚さに変化を持たせることで、イオン伝導度に変化を生じさせることができ、それによっても、均一な発電を推進することが可能となる。
本発明による電解質膜の一形態を示す模式図。 他の形態の電解質膜をその製造手順と共に示す模式図。 さらに他の形態の電解質膜の組み付け前の状態を説明する模式図。 その組み付け後の状態を組み付けに用いる装置とともに模式的に示す図。 図3、図4に示す形態の電解質膜で用いる多孔質補強膜を製造するための装置を説明するための図。 図5に示す装置での圧延ロールの態様を説明するための図。 図3、図4に示す形態の電解質膜で用いる電解質膜を製造する過程の一例を説明するための図。 本発明による電解質膜を用いて製造した膜電極接合体および燃料電池としての単セルを示す模式図。 本発明による単セルを用いた場合と、従来構造の単セルを用いた場合での、燃料電池における電圧・電流曲線を示すグラフ。 電解質膜の厚さとイオン伝導度との関係を示すグラフ。 従来構造の燃料電池(単セル)を説明するための図。
符号の説明
1…電解質膜、2…電極(触媒層)、3…拡散層、4…セパレータ、5…膜電極接合体(MEA)、6…燃料電池(単セル)、10,10A,20…傾斜構造を持つ電解質膜、11…傾斜した上面、5a…傾斜構造を持つ電解質膜を備えた膜電極接合体、6a…本発明による燃料電池(単セル)、20a…上電解質膜、20b…下電解質膜、30…多孔質補強膜、35…ペースト状のPTFEパウダー、40…ホットプレス、50…多孔質補強膜の製造装置、51…押出し機、52…圧延手段、53…延伸機、52a,52b…圧延ロール、P…押し出されたペースト、P1…圧延されたPTFEテープ、P3…テープ状のPTFE多孔質膜

Claims (1)

  1. 少なくとも一方の面が傾斜した傾斜構造を有する電解質膜を製造する方法であって、一方の面が傾斜した面となるように膜厚を漸次減少するように変化させた傾斜構造を有する多孔質補強膜に、前記多孔質補強膜の傾斜分を考慮して膜厚を漸次減少するように変化させた傾斜構造を持つ高分子電解質膜を、前記多孔質補強膜の膜厚が減少する方向と前記高分子電解質膜の膜厚が減少する方向とが同じ方向となるように積層し、熱圧処理により前記高分子電解質膜を溶融して前記多孔質補強膜に含浸させることを特徴とする電解質膜の製造方法。
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