JP4734683B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に関し、詳しくは、固体高分子により形成された電解質膜を二つの電極で挟持する固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池では、水素を含有する水素含有ガスと酸素を含有する酸素含有ガスとの供給を受けて、次式(1)および式(2)に示す電極反応により化学エネルギを直接電気エネルギに変換する。この電極反応が連続的に円滑に行なわれるためには、アノードでは水素が触媒に連続的に供給されると共に生成するプロトンを水和物として速やかに電解質膜中をカソード側に移動させる必要があり、カソードでは酸素が触媒に連続的に供給されるためにこれを阻害する生成水を連続的に排除する必要がある。
【0003】
アノード反応 H2→2H++2e- (1)
カソード反応 2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
【0004】
こうしたカソードで生成する水を排除する固体高分子型燃料電池としては、アノードの水素含有ガス中の水蒸気圧を飽和水蒸気圧より低く維持するものが提案されている(例えば、特許第2703824号など)。この固体高分子型燃料電池では、アノードの水素含有ガス中の水蒸気圧を飽和水蒸気圧より低く維持することにより、酸素含有ガスが供給されるカソードで電気化学反応により生じる生成水を、その濃度勾配によって電解質膜を通過させてカソード側から排除すると共に、アノード側で必要な水の一部を供給することができるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした固体高分子型燃料電池では、カソードでの生成水を十分に排除することができない場合がある。アノード側の水素含有ガス中の水蒸気圧を低くして濃度勾配を生じさせても、濃度勾配に基づく電解質膜における水の移動速度は、カソードで生じる水のすべてを連続的に排除できるほど速くないから、カソードに水が滞ってしまい、水が滞ることによる弊害、即ちカソードにおける酸素の連続的な触媒への供給の阻害を生じてしまう。
【0006】
本発明の固体高分子型燃料電池は、カソードで生じる水を連続的に排除することを目的の一つとする。また、本発明の固体高分子型燃料電池は、アノードで必要な水の少なくとも一部をカソードで生成する水で補うことを目的の一つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の固体高分子型燃料電池は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の固体高分子型燃料電池は、固体高分子により形成された電解質膜を二つの電極で挟持する固体高分子型燃料電池であって、前記電解質膜の一方側の電極に水素を含有する水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段と、前記電解質膜の他方側の電極に前記水素含有ガスの供給圧より高い圧力で酸素を含有する酸素含有ガスを供給し、その圧力差で前記電解質膜の他方側の電極側で生じる生成水を前記電解質膜の一方側の電極側に排除すると共に、前記電解質膜の一方側の電極側で必要な水を補うように、前記圧力差が、前記生成水の生成の程度と前記電解質膜の透水性と前記電解質膜の強度とに基いて設定される酸素含有ガス供給手段とを備えることを要旨とする。
【0009】
この本発明の固体高分子型燃料電池では、電解質膜の一方側の電極(アノード)に供給される水素を含有する水素含有ガスの供給圧より高い圧力で電解質膜の他方側の電極(カソード)に酸素を含有する酸素含有ガスを供給することにより、電解質膜のカソード側で生じる生成水を圧力差をもってアノード側に排除すると共に、アノード側で必要な水を補うのである。この結果、カソードにおける酸素の触媒への連続的な供給を確保することができると共に電解質膜における連続的なプロトンの速やかな移動を確保することができ、高性能な燃料電池とすることができる。
【0010】
こうした本発明の固体高分子型燃料電池において、前記電解質膜の内部に埋め込まれる補強手段、または前記電解質膜の前記一方側電極の側の表面に配置される補強手段、または前記電解質膜の前記他方側電極の側の表面に配置される補強手段の少なくとも1つであって、棒状部材または短繊維部材を含んで該電解質膜の強度を補強する補強手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、圧力差により生じる電解質膜への負担を軽減することができ、電解質膜の破損を防止することができる。この態様の本発明の固体高分子型燃料電池において、前記補強手段は、前記水素含有ガスと前記酸素含有ガスとの圧力差に応じて前記電解質膜の各部の補強の程度を変えて補強する手段であるものとすることもできる。こうすれば、必要な部位に必要な補強を行なうことができる。
【0011】
また、本発明の固体高分子型燃料電池において、前記水素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記水素含有ガスの圧力を調整する水素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する水素排ガス調整弁と、前記水素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の一方側の電極に供給される前記水素含有ガスの供給圧を設定する手段であり、前記酸素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記酸素含有ガスの圧力を調整する酸素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する酸素排ガス調整弁と、前記酸素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の他方側の電極に供給される前記酸素含有ガスの供給圧を設定する手段であって、前記電解質膜の各部における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差の偏差が小さくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電解質膜の各部における圧力差は略等しくなるから、電解質膜の部分的な耐久性の劣化を防止することができる。
【0012】
さらに、本発明の固体高分子型燃料電池において、前記水素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記水素含有ガスの圧力を調整する水素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する水素排ガス調整弁と、前記水素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の一方側の電極に供給される前記水素含有ガスの供給圧を設定する手段であり、前記酸素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記酸素含有ガスの圧力を調整する酸素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する酸素排ガス調整弁と、前記酸素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の他方側の電極に供給される前記酸素含有ガスの供給圧を設定する手段であって、前記電解質膜の各部における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差の偏差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電解質膜の各部における圧力差には偏差が生じるから、生成水が多く生じる部位や生成水が滞りやすい部位の圧力差を大きくなるよう調整することにより、こうした部位における生成水を速やかに排除することができると共に他の部位での電解質膜の劣化の促進を防止することができる。この圧力差の偏差が大きくなるよう酸素含有ガスを供給する態様の本発明の固体高分子型燃料電池において、前記酸素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスの上流側における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段であるものとすることもできる。こうすれば、水素含有ガスの上流側で生じる生成水を速やかに排除することができる。また、この圧力差の偏差が大きくなるよう酸素含有ガスを供給する態様の本発明の固体高分子型燃料電池において、前記酸素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスの下流側における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段であるものとしたりすることもできる。こうすれば、水素含有ガスの下流側で生じる生成水を速やかに排除することができる。
【0014】
また、本発明の固体高分子型燃料電池において、前記水素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスが前記一方側の電極の表面を全体として所定方向に流れるよう該水素含有ガスを供給する手段であり、前記酸素含有ガス供給手段は、前記酸素含有ガスが前記他方側の電極の表面を全体として前記所定方向に対して所定の角度をもった方向に流れるよう該酸素含有ガスを供給する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の固体高分子型燃料電池において、前記所定の角度をもった方向は、前記所定方向と略同一の方向であるものとしたり、前記所定方向と略逆方向であるものとしたり、前記所定方向に対して略直交する方向であるものとしたりすることもできる。こうすれば、固体高分子型燃料電池の状態に応じてカソードでの生成水を排除することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例としての固体高分子型燃料電池10の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の固体高分子型燃料電池10の燃料電池スタック20の一部を例示する構成図である。固体高分子型燃料電池10は、図1に示すように、単電池21を複数積層してなる燃料電池スタック20を備え、この燃料電池スタック20には酸素を含有する酸素含有ガスとしての空気がブロワ52により供給されると共に水素を含有する水素含有ガスが図示しない水素含有ガスタンクから供給されるようになっている。
【0016】
空気の供給管53には、燃料電池スタック20に供給される空気の圧力を調節する供給圧調圧弁54が取り付けられており、燃料電池スタック20からの空気の排ガス管58には排圧を調節するための排圧調圧弁59が取り付けられている。水素含有ガスの供給管63にも、燃料電池スタック20に供給される水素含有ガスの圧力を調節する供給圧調圧弁64が取り付けられており、その排ガス管68にも排圧を調節するための排圧調圧弁69が取り付けられている。なお、燃料電池スタック20には、各単電池21における発電に伴う発熱を冷却するために冷却媒体としての水が供給されるようになっている。
【0017】
燃料電池スタック20は、図2に示すように、単電池21を複数積層して構成されており、単電池21は、フッ素系樹脂などの高分子材料、例えばDuPont社製のNafion 112により形成されたプロトン導電性の膜体である電解質膜22と、白金または白金と他の金属からなる合金を担持するカーボン粒子を電解質膜22の両表面にスクリーン印刷などにより形成したカソード26およびアノード28と、電解質膜22のカソード26側に配置され酸素を含有する酸素含有ガス(実施例では、空気を使用)の流路としての酸素含有ガス流路34を形成すると共に冷却媒体(実施例では、水を使用)の流路としての冷却媒体流路38を形成する酸素含有ガス側セパレータ30と、電解質膜22のアノード28側に配置され水素を含有する水素含有ガスの流路としての水素含有ガス流路44を形成する水素含有ガス側セパレータ40とにより構成されている。
【0018】
図3は、電解質膜22の面方向の断面を例示する断面図である。図示するように、電解質膜22の内部には、電解質膜22の強度を補強する補強部材24が埋め込まれている。この補強部材24は、電解質膜22の電解質としての機能すなわちプロトン導電性機能を損なわない材料、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂などの材料により形成されており、図3に示すように、一方向に偏るようにアンバランスに配置されている。なお、この補強部材24の配置については後述する。
【0019】
図4は、酸素含有ガス側セパレータ30の酸素含有ガス流路34が形成される側を例示する平面図である。酸素含有ガス側セパレータ30は、カーボンを圧縮して緻密化しガス不透過とした緻密質カーボンにより形成されており、図示するように、酸素含有ガスとしての空気の供給口31と、空気の排出口35と、供給口31と排出口35とを3列のつづら折り状の溝で連絡するための溝を形成するリブ32とが形成されている。この3列のつづら折り状の溝は、リブ32が電解質膜22に当接することにより前述の酸素含有ガス流路34を形成する。供給口31は、図1に示す空気の供給管53に接続されており、供給圧力が調節された空気が供給されるようになっている。また、排出口35は、空気の排ガス管58に接続されており、排圧が調節された排ガスが排出されるようになっている。図示しないが、酸素含有ガス側セパレータ30の裏面も、表示面と略同様な構成となっており、燃料電池スタック20に供給される冷却媒体としての水の供給口や排出口、冷却媒体流路38を形成するためのリブ36が形成されている。
【0020】
水素含有ガス側セパレータ40も酸素含有ガス側セパレータ30と同一の材料により形成されており、図4に示す酸素含有ガス側セパレータ30の表示面と同一の形状に形成されている。水素含有ガス側セパレータ40の裏面は、何も形成されておらず、平坦になっている。水素含有ガス側セパレータ40に形成された供給口41は、水素含有ガスの供給管63に接続されており、供給圧力が調節された水素含有ガスが供給されるようになっており、排出口45は、水素含有ガスの排ガス管68に接続されており、排圧が調節された排ガスが排出されるようになっている。
【0021】
図5は、酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40へ空気や水素含有ガスを供給する際の供給の様子を模式的に例示する説明図である。図示するように、実施例の燃料電池スタック20では、酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40は、その供給口31と供給口41および排出口35と排出口45がそれぞれ整合し、酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが電解質膜22を挟んで同方向に迂流して供給口31や供給口41から排出口35や排出口45に至るように配置されている。
【0022】
図6は、実施例の固体高分子型燃料電池10が運転状態にあるときの酸素含有ガス流路34や水素含有ガス流路44における空気や水素含有ガスの圧力の変化の様子を例示する説明図である。実施例の燃料電池スタック20では、酸素含有ガス流路34に流れる空気の圧力が電解質膜22を挟んで水素含有ガス流路44に流れる水素含有ガスの圧力より高くなるように、そして、その圧力差が空気や水素含有ガスの供給口31,41から排出口35,45に向けて小さくなるように供給圧調圧弁54や排圧調圧弁59および供給圧調圧弁64や排圧調圧弁69が調節されている。このように空気と水素含有ガスとに圧力差を設けるのは、電解質膜22のカソード26側表面に上述した式(2)の反応により生じる生成水を電解質膜22中を通ってアノード28側に排除するためである。また、供給口31,41近傍における圧力差を排出口35,45近傍における圧力差より大きくしているのは、供給口31,41近傍の水素濃度の高い部位における上述の式(1)および式(2)の反応が活発に行なわれ、これにより生じる多くの生成水をアノード28側に排除するためである。なお、この圧力差の程度は、水の生成の程度や電解質膜22の透水性の程度,電解質膜22の強度などにより設計される。
【0023】
前述した電解質膜22内部の補強部材24は、酸素含有ガス流路34に供給される空気と水素含有ガス流路44に供給される水素含有ガスとに設けられた圧力差に対して電解質膜22を補強するために設けられるものである。図3に示す補強部材24の配置は、圧力差が大きいところで補強力が大きくなるよう補強部材24が密に配置されているのである。
【0024】
以上説明した実施例の固体高分子型燃料電池10によれば、電解質膜22に供給する酸素含有ガスとしての空気の供給圧を電解質膜22に供給する水素含有ガスの供給圧より高くすることにより、カソード26で生成する水を電解質膜22を通ってアノード28側に排除することができる。このアノード28側への水の移動は、アノード28で生成されるプロトンの電解質膜22の移動に用いられる水を補うことにもなる。したがって、カソード26では生成水を排除することにより空気中の酸素を触媒へ連続的に供給することができ、アノード28では生成したプロトンを速やかに電解質膜22中をカソード26側に移動させることにより水素のプロトン化を連続的に行なうことができる。
【0025】
また、実施例の固体高分子型燃料電池10によれば、電解質膜22を補強する補強部材24を備えるから、電解質膜22の強度を増すことができ、電解質膜22の破損や劣化の促進を防止することができる。しかも、補強部材24は空気と水素含有ガスの圧力差に応じて配置されるから、電解質膜22全体を均等にすることができる。
【0026】
さらに、実施例の固体高分子型燃料電池10によれば、空気と水素含有ガスの圧力差が空気や水素含有ガスの供給口31,41から排出口35,45に向けて小さくなるように調節したから、供給口31,41近傍の水素濃度の高い部位に生じる多くの生成水をアノード28側に効率的に排除することができる。
【0027】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、図6に示すように、供給口31,41近傍における空気と水素含有ガスとの圧力差が排出口35,45近傍に比べて大きくなるように調節したが、空気と水素含有ガスとの圧力差が供給口31,41から排出口35,45に向けてほぼ均等になるように調節してもよい。こうすれば、電解質膜22全体が均等な圧力差になるから、カソード26で生じる水を電解質膜22全体で均等に排除することができる。電解質膜22の部分的な劣化や破損を防止することができる。この際には、電解質膜22に埋め込まれる補強部材24は、電解質膜22全体に均等になるように配置される。この変形例は、実施例の固体高分子型燃料電池10の空気の供給管53に取り付けられた供給圧調圧弁54や排ガス管58に取り付けられた排圧調圧弁59、あるいは水素含有ガスの供給管63に取り付けられた供給圧調圧弁64や排ガス管68に取り付けられた排圧調圧弁69を調節するだけで構成できるから、固体高分子型燃料電池10の運転状態に応じて、これらの調圧弁54,59,64,69を調節することにより、供給口31,41近傍における空気と水素含有ガスとの圧力差が排出口35,45近傍に比べて大きくなる状態と、空気と水素含有ガスとの圧力差が供給口31,41から排出口35,45に向けてほぼ均等になる状態とを切り換えるものとしてもよい。
【0028】
また、実施例の燃料電池スタック20では、酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを、その供給口31と供給口41および排出口35と排出口45がそれぞれ整合し、酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが電解質膜22を挟んで同方向に迂流して供給口31や供給口41から排出口35や排出口45に至るように配置したが、酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを、供給口31と排出口45が整合し、排出口35と供給口41とが整合し、そして酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが電解質膜22を挟んで逆方向に迂流して供給口31や供給口41から排出口35や排出口45に至るように配置してもよい。この配置とした際の酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40の模式図を図7に示し、この配置での運転状態の酸素含有ガス流路34や水素含有ガス流路44における空気や水素含有ガスの圧力の変化の様子の一例を図8に示す。この場合、空気と水素含有ガスは逆方向に流れるから、図8に示すように、空気の供給口31近傍の圧力差が大きく、水素含有ガスの供給口41近傍の圧力差が小さくなる。こうすれば、水素含有ガスの排出口45近傍に生じる生成水を効率的に排除することができる。
【0029】
酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40の配置方法としては、図9に例示する変形例のように、供給口31と供給口41および排出口35と排出口45とがそれぞれ整合しないようにすると共に全体として空気も水素含有ガスも図中左側から右側へ流れるように酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40を配置したり、図10に例示する変形例のように、図9に例示した水素含有ガス側セパレータ40の供給口41と排出口45を入れ替えて配置するものとしてもよい。図9に例示する変形例では、概ね図5に例示する実施例と同様な流れの方向となるから、図6に例示する圧力変化に近いものとなり、図10に例示する変形例では、概ね図7に例示する変形例と同様な流れの方向となるから、図8に例示する圧力変化に近いものとなる。こうした図9に例示する変形例では実施例と同様な効果を奏し、図10に例示する変形例では図7に例示する変形例と同様な効果を奏するのは言うまでもない。
【0030】
この他、酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが直交するよう酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを配置してもよい。図11は、酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが直交するよう酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを配置する配置方法を模式的に示す説明図である。図11(a)は酸素含有ガス側セパレータ30の配置であり、図11(b)ないし(e)は図11(a)の酸素含有ガス側セパレータ30に対する水素含有ガス側セパレータ40の配置の4つのパターンである。なお、図11では酸素含有ガス側セパレータ30を基準に水素含有ガス側セパレータ40のパターンを変えて示したが、水素含有ガス側セパレータ40を基準にして酸素含有ガス側セパレータ30のパターンを変えて示しても同一であることは勿論である。図示のいずれのパターンでも、酸素含有ガス側セパレータ30の排出口35近傍における空気の圧力が水素含有ガス側セパレータ40の供給口41近傍の水素含有ガスの圧力より高くなるよう調節することにより、いずれの部位においても空気の圧力の方が水素含有ガスの圧力より大きくすることができるから、カソード26で生成する水をアノード28側に排除することができる。
【0031】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、空気や水素含有ガスが迂流して流れるよう形成された酸素含有ガス流路34や水素含有ガス流路44を形成する酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40を用いたが、空気や水素含有ガスが一側面から対向する側面に向かって直線的に流れるよう形成された酸素含有ガス流路や水素含有ガス流路を形成する酸素含有ガス側セパレータや水素含有ガス側セパレータを用いるものとしてもよい。このような酸素含有ガス側セパレータの一例を図12に示す。この変形例の酸素含有ガス側セパレータ30Bは、縁を除いて全体が一段掘り下げた状態に形成されており、この掘り下げた部位の前面に断面が円形や矩形の複数の凸部32Bが形成されている。酸素含有ガス側セパレータ30Bでは、この凸部32Bが電解質膜22に当接することにより掘り下げられた部位が空気の流路34Bになる。また、酸素含有ガス側セパレータ30Bの図中左縁近傍には4つの空気の供給口31Bが形成されており、図中右縁近傍には4つの排出口35Bが形成されている。水素含有ガス側セパレータ40Bとして図12に例示する酸素含有ガス側セパレータ30Bと同一形状のものを用いれば、酸素含有ガス側セパレータ30Bと水素含有ガス側セパレータ40Bとの配置のパターンは図13に示す通りとなる。図13では、図13(a)の酸素含有ガス側セパレータ30Bを基準に水素含有ガス側セパレータ40のパターンを図13(b)ないし(d)として示している。このいずれのパターンでも、酸素含有ガス側セパレータ30Bの排出口35B近傍における空気の圧力が水素含有ガス側セパレータ40Bの供給口41B近傍の水素含有ガスの圧力より高くなるよう調節することにより、いずれの部位においても空気の圧力の方が水素含有ガスの圧力より大きくすることができるから、カソード26で生成する水をアノード28側に排除することができる。これらのパターンのうち図13(b)のパターンを選択すれば、空気と水素含有ガスが平行して同方向に流れるから、流路における圧力の変化は、程度の差はあるもののその形としては図6に例示する実施例と同様な圧力変化を示す。一方、図13(c)のパターンを選択すれば、空気と水素含有ガスが平行して逆方向に流れるから、流路における圧力の変化は、同様に程度の差はあるもののその形としては図8に例示する変形例と同様な圧力変化を示す。
【0032】
この他、空気と水素含有ガスの流し方としては、図4に例示する酸素含有ガス側セパレータ30と図12に例示する酸素含有ガス側セパレータ30Bと同一の水素含有ガス側セパレータ40Bとを用いて図14に模式的に示すパターンとしたり、逆に図4に例示する酸素含有ガス側セパレータ30と同一の水素含有ガス側セパレータ40と図12に例示する酸素含有ガス側セパレータ30Bとを用いて図15に模式的に示すパターンとすることもできる。図14および図15に例示するいずれのパターンでも、酸素含有ガス側セパレータ30,30Bの排出口35,35B近傍における空気の圧力が水素含有ガス側セパレータ40B,40の供給口41B,41近傍の水素含有ガスの圧力より高くなるよう調節することにより、いずれの部位においても空気の圧力の方が水素含有ガスの圧力より大きくすることができるから、カソード26で生成する水をアノード28側に排除することができる。
【0033】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、太さが均一の棒状の補強部材24を用いて電解質膜22を補強するものとしたが、図16に例示する変形例の電解質膜22Cに示すように補強部材24Cを径の変化する棒材を用いるものとしてもよい。この場合、空気と水素含有ガスとの圧力差が大きい部位の径が大きくなるように補強部材24Cを配置するのは言うまでもない。また、図17の変形例の電解質膜22Dに示すように、補間するように補強部材24Dを配置するものとしてもよい。
【0034】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、補強部材24を電解質膜22に埋め込むものとしたが、図18の変形例の電解質膜22Eや図19の変形例の電解質膜22Fのように補強部材24Eや補強部材24Fを電解質膜22E,22Fに埋め込まず、その表面に配置するものとしてもよい。図18に例示するように補強部材24Eをアノード28側に配置する場合には補強部材24Eを引っ張り強度に有利な材料により形成し、図19に例示するように補強部材24Fをカソード26側に配置する場合には補強部材24Fを圧縮強度に有利な材料により形成すればよい。
【0035】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、補強部材24として棒材を用いたが、図20の変形例の電解質膜22Gに埋め込まれる補強部材24Gのように短繊維を用いるものとしてもよい。この場合、短繊維は空気と水素含有ガスとの圧力差に応じて埋め込む量を調節すればよい。
【0036】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、燃料電池スタック20に一方向から空気と水素含有ガスとを供給するよう構成しているが、図21の変形例の燃料電池スタック20Hを例示する模式図に示すように、各単電池に交互に図中上からと図中下からとから酸素と水素含有ガスとを供給するものとしてもよい。なお、図21では、電解質膜22や酸素含有ガス側セパレータ30,水素含有ガス側セパレータ40を模式的に示している。電解質膜22の厚みが上下で異なるのは、補強部材24の配置によるものであり、図21では電解質膜22を厚い部分が図中上となるものと図中下となるものとを交互に配置して積層している。こうすることにより、変形例の燃料電池スタック20Hを矩形形状に保つことができる。
【0037】
実施例の固体高分子型燃料電池10では、図5に例示するように、酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを、その供給口31と供給口41および排出口35と排出口45がそれぞれ整合し、酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが電解質膜22を挟んで同方向に迂流して供給口31や供給口41から排出口35や排出口45に至るように配置し、供給口31,41近傍における空気と水素含有ガスとの圧力差が排出口35,45近傍に比べて大きくなるようにしたり、あるいは変形例で示したように空気と水素含有ガスとの圧力差が供給口31,41から排出口35,45に向けてほぼ均等になるようにしたが、この酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40との配置と、図7に例示する酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40との配置、即ち、供給口31と排出口45とが整合し、排出口35と供給口41とが整合し、そして酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが電解質膜22を挟んで逆方向に迂流して供給口31や供給口41から排出口35や排出口45に至る配置とを切り換えて用いるものとしてもよい。この場合、図22の変形例の固体高分子型燃料電池10Jに例示するように、空気を供給口31から供給する配管と排出口35から供給する配管とを切り換えることができるよう構成すればよい。変形例の固体高分子型燃料電池10Jでは、供給管53は、三方弁55,第1供給管56a,三方弁57aを介して燃料電池スタック20Jの水素含有ガスの供給管63側に接続されると共に、三方弁55,第2供給管56b,三方弁57bを介して燃料電池スタック20Jの水素含有ガスの排ガス管68側に接続されている。また、三方弁57a,57bには、排ガス管58a,58bが取り付けられており、排ガス管58a,58bには排圧調圧弁59a,59bが取り付けられている。
【0038】
したがって、供給管53と第1供給管56aとが連通するよう三方弁55を操作し、排ガス管58bと第1供給管56aとが連通しないよう三方弁57aを操作すると共に第2供給管56bと排ガス管58aとが連通しないよう三方弁57bを操作すれば、空気は、供給管53から第1供給管56aを通って燃料電池スタック20Jに供給され、排ガス管58aから排出されるから、図5に例示するパターンとなる。一方、供給管53と第2供給管56bとが連通するよう三方弁55を操作し、排ガス管58aと第2供給管56bとが連通しないよう三方弁57bを操作すると共に第1供給管56aと排ガス管58bとが連通しないよう三方弁57aを操作すれば、空気は、供給管53から第2供給管56bを通って燃料電池スタック20Jに供給され、排ガス管58bから排出されるから、図7に例示するパターンとなる。以上説明したように、この変形例の固体高分子型燃料電池10Jでは、図5に例示するパターンと図7に例示するパターンとを切り換えることができる。上記のように、図5のパターンは、図6に示される圧力の変化の様子となり、図7のパターンは、図8に示される圧力の変化の様子となり、この2つの圧力の変化の様子の間では、空気と水素含有ガスとの圧力差の偏差の状態が異なる。そこで、例えば、固体高分子型燃料電池の運転状態に応じ、カソードにおいて生成水が多く生じる部位や生成水が滞りやすい部位における生成水を速やかに排除するような圧力偏差を有するパターンを選択することで、固体高分子型燃料電池10Jの運転状態より適切なものとすることができる。なお、変形例の固体高分子型燃料電池10Jでは、図4に例示する酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40を用いたが、図12に例示する酸素含有ガス側セパレータ30Bや水素含有ガス側セパレータ40Bを用いるものとしてもよく、あるいは酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40Bを用いたり、酸素含有ガス側セパレータ30Bと水素含有ガス側セパレータ40を用いるものとしてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としての固体高分子型燃料電池10の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の固体高分子型燃料電池10の燃料電池スタック20の一部を例示する構成図である。
【図3】 電解質膜22の面方向の断面を例示する断面図である。
【図4】 酸素含有ガス側セパレータ30の酸素含有ガス流路34が形成される面を例示する平面図である。
【図5】 酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40へ空気や水素含有ガスを供給する際の供給の様子を模式的に例示する説明図である。
【図6】 実施例の固体高分子型燃料電池10が運転状態にあるときの酸素含有ガス流路34や水素含有ガス流路44における空気や水素含有ガスの圧力の変化の様子を例示する説明図である。
【図7】 変形例における酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40へ空気や水素含有ガスを供給する際の供給の様子を模式的に示す説明図である。
【図8】 変形例における運転状態の酸素含有ガス流路34や水素含有ガス流路44の空気や水素含有ガスの圧力の変化の様子を例示する説明図である。
【図9】 変形例における酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40へ空気や水素含有ガスを供給する際の供給の様子を模式的に示す説明図である。
【図10】 変形例における酸素含有ガス側セパレータ30や水素含有ガス側セパレータ40へ空気や水素含有ガスを供給する際の供給の様子を模式的に示す説明図である。
【図11】 酸素含有ガス流路34と水素含有ガス流路44とが直交するよう酸素含有ガス側セパレータ30と水素含有ガス側セパレータ40とを配置する配置方法を模式的に示す説明図である。
【図12】 変形例の酸素含有ガス側セパレータ30Bを例示する説明図である。
【図13】 変形例の酸素含有ガス側セパレータ30Bと水素含有ガス側セパレータ40Bを用いた際の配置のパターンを模式的に例示する説明図である。
【図14】 実施例の酸素含有ガス側セパレータ30と変形例の水素含有ガス側セパレータ40Bとを用いた際の配置のパターンを模式的に例示する説明図である。
【図15】 変形例の酸素含有ガス側セパレータ30Bと実施例の水素含有ガス側セパレータ40とを用いた際の配置のパターンを模式的に例示する説明図である。
【図16】 変形例の補強部材24Cの配置を例示する説明図である。
【図17】 変形例の補強部材24Dの配置を例示する説明図である。
【図18】 変形例の補強部材24Eの配置を例示する説明図である。
【図19】 変形例の補強部材24Fの配置を例示する説明図である。
【図20】 変形例の補強部材24Gを用いる電解質膜22Gを例示する説明図である。
【図21】 変形例の燃料電池スタック20Hを模式的に示す説明図である。
【図22】 変形例の固体高分子型燃料電池10Jの構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
10,10J 固体高分子型燃料電池、20,20H,20J 燃料電池スタック、21 単電池、22,22C,22D,22E,22F,22G 電解質膜、24,24C,24D,24E,24F,24G 補強部材、26 カソード、28 アノード、30,30B 酸素含有ガス側セパレータ、31,31B供給口、32 リブ、32B 凸部、34,34B 酸素含有ガス流路、35,35B 排出口、36 リブ、38 冷却媒体流路、40,40B 水素含有ガス側セパレータ、41,41B 供給口、42 リブ、44 水素含有ガス流路、45,45B 排出口、52 ブロワ、53 供給管、54 供給圧調圧弁、55 三方弁、56a 第1供給管、56b 第2供給管、57a,57b 三方弁、58,58a,58b 排ガス管、59,59a,59b 排圧調圧弁、63 供給管、64 供給圧調圧弁、68 排ガス管、69 排圧調圧弁。

Claims (11)

  1. 固体高分子により形成された電解質膜を二つの電極で挟持する固体高分子型燃料電池であって、
    前記電解質膜の一方側の電極に水素を含有する水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給手段と、
    前記電解質膜の他方側の電極に前記水素含有ガスの供給圧より高い圧力で酸素を含有する酸素含有ガスを供給し、その圧力差で前記電解質膜の他方側の電極側で生じる生成水を前記電解質膜の一方側の電極側に排除すると共に、前記電解質膜の一方側の電極側で必要な水を補うように、前記圧力差が、前記生成水の生成の程度と前記電解質膜の透水性と前記電解質膜の強度とに基いて設定される酸素含有ガス供給手段と、
    を備える固体高分子型燃料電池。
  2. 前記電解質膜の内部に埋め込まれる補強手段、または前記電解質膜の前記一方側電極の側の表面に配置される補強手段、または前記電解質膜の前記他方側電極の側の表面に配置される補強手段の少なくとも1つであって、棒状部材または短繊維部材を含んで該電解質膜の強度を補強する補強手段を備える請求項1記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記補強手段は、前記水素含有ガスと前記酸素含有ガスとの圧力差に応じて前記電解質膜の各部の補強の程度を変えて補強する手段である請求項2記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記水素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記水素含有ガスの圧力を調整する水素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する水素排ガス調整弁と、前記水素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の一方側の電極に供給される前記水素含有ガスの供給圧を設定する手段であり、
    前記酸素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記酸素含有ガスの圧力を調整する酸素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する酸素排ガス調整弁と、前記酸素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の他方側の電極に供給される前記酸素含有ガスの供給圧を設定する手段であって、前記電解質膜の各部における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差の偏差が小さくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段である請求項1ないし3のいずれか1に記載の固体高分子型燃料電池。
  5. 前記水素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記水素含有ガスの圧力を調整する水素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する水素排ガス調整弁と、前記水素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の一方側の電極に供給される前記水素含有ガスの供給圧を設定する手段であり、
    前記酸素含有ガス供給手段は、燃料電池に供給される前記酸素含有ガスの圧力を調整する酸素供給圧調整弁と、その排ガスの排圧を調整する酸素排ガス調整弁と、前記酸素含有ガスの流路とを含み、これらの調整弁の調整によって、前記電解質膜の他方側の電極に供給される前記酸素含有ガスの供給圧を設定する手段であって、前記電解質膜の各部における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差の偏差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段である請求項1ないし3のいずれか1に記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記酸素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスの上流側における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段である請求項5記載の固体高分子型燃料電池。
  7. 前記酸素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスの下流側における前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの圧力差が大きくなるよう前記他方側の電極に前記酸素含有ガスを供給する手段である請求項5記載の固体高分子型燃料電池。
  8. 請求項1ないし3のいずれか1に記載の固体高分子型燃料電池であって、
    前記水素含有ガス供給手段は、前記水素含有ガスが前記一方側の電極の表面を全体として所定方向に流れるよう該水素含有ガスを供給する手段であり、
    記酸素含有ガス供給手段は、前記酸素含有ガスが前記他方側の電極の表面を全体として前記所定方向に対して所定の角度をもった方向に流れるよう該酸素含有ガスを供給する手段である固体高分子型燃料電池
  9. 前記所定の角度をもった方向は、前記所定方向と略同一の方向である請求項8記載の固体高分子型燃料電池。
  10. 前記所定の角度をもった方向は、前記所定方向と略逆方向である請求項8記載の固体高分子型燃料電池。
  11. 前記所定の角度をもった方向は、前記所定方向に対して略直交する方向である請求項記載の固体高分子型燃料電池。
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