JP5155209B2 - ステージ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子顕微鏡装置に用いて好適なステージ装置に関し、特に、ステージ装置におけるステージの位置決め制御に関する。
半導体製造分野では、半導体ウェーハ上に形成したパターンの形状及び寸法が正しいか否かを検査し、評価するために、測長機能を備えた走査型電子顕微鏡が用いられる。この走査型電子顕微鏡では、ウェーハ上に電子線を照射し、得られた二次電子信号を画像処理し、その明暗の変化からパターンのエッジを判別して寸法を導き出している。
近年、半導体素子の微細化が進み、例えば、35nmノードのデザインルールを採用する要求がある。それに対応して、30万倍以上の観察倍率において、よりノイズの少ない二次電子像を得ることが必要である。また、コントラストを向上させるために、二次電子像を数枚重ね合わせて画像を得ることもある。そのため、ウェーハを保持するステージは、高い精度にて位置決めされる必要がある。また、位置決めした後に、ステージを高い精度にて静止させる必要がある。そのためには、nmオーダの微小振動やドリフト(時間経過と共に停止位置がずれていく現象)を抑制する必要がある。
特許文献1は、テーブルに固定された2つの平行板バネ機構と、該平行板バネのうちの1つの板バネに固定された2つの与圧部材と、その与圧部材の片方に固定された滑りパッドと、2つの与圧部材の間隔を調整する調整手段を備えた制動機構が記載されている。この制動機構は各テーブルに2つ以上設けられると共に、静止側のベースに滑りパッドが押し付けられる滑り面が設けられる。テーブルの停止時には、滑りパッドと滑り面間の静止摩擦力を利用してテーブルを固定する。テーブルの移動時には静止摩擦力を超える力をかけることによって、テーブルの移動を行なう。
特許文献2には、ガイドと、このガイドに沿って駆動される走行体と、この走行体の外側に取り付けられるホルダーと、ホルダーに一体構造の切欠きバネと、切欠きバネに取り付けられたブレーキパッドを備えた構成が開示されている。切欠きバネに開口する供給路に圧縮空気を供給することにより、切欠きバネが押し下げられ、ブレーキパッドがガイドの上面に接触し、走行体に対するブレーキ作用が生じる。
特開2002―184339号公報 特開昭64―20943号公報
特許文献1に開示されている方法では、滑りパッドと滑り面間の静止摩擦力を利用してテーブルを固定する。この方法は、ステージの機械的剛性が高いため、位置決め時に低振動、ドリフトの低減が期待できる。しかしながら、ステージ移動時においても、常時強い力で制動されているため滑りパッドと滑り面で熱が発生する。この熱に起因して、部材が熱膨張する。そのため、その後の熱収縮は、ドリフトの要因となる。
特許文献2に開示された方法では、走行体に設けたブレーキパッドをガイドに押し当てることにより走行体を制動する。しかしながら、一般に、ガイドレールとスライダ間の摩擦は小さく、ガイドレール上のスライダに僅かな移動方向荷重が加わっても微妙な位置変動が生じる。ブレーキパッドをガイドレールに押し付けたときに不要な力が発生し、位置決め誤差が生じる可能性がある。
本発明の目的は、半導体製造分野で用いられる電子顕微鏡装置の試料ステージで要求されるような高いレベルでの位置決め精度やドリフトの低減を可能とする。
本発明によると、ステージ装置は、案内機構を備えたベースと、案内機構に沿って移動可能なテーブルと、テーブルを駆動するモータを有するテーブル駆動機構と、テーブルを制動する制動装置と、テーブルの位置決めを行う位置決め制御装置と、を有する。
本発明によると、制動装置は、ベースに装着されたブレーキレールと、テーブルに装着された1対の制動機構を有する。1対の制動機構はそれぞれブレーキレールに接触する作動部を有する。ブレーキレールの表面に作用する押圧力は、ブレーキレールの表面の法線に対して傾斜して作用する。押圧力を、ブレーキレールの表面に沿った方向の接線分力と法線方向の法線分力に分解することができる。この接線分力は、ブレーキレールに対してテーブルを互いに反対方向に駆動する推力として機能する。
本発明によると、ステージ装置の位置決め制御装置は、テーブルが目標位置に配置するようにモータをサーボ制御する第1の位置決め制御と、モータに流れる電流値が目標電流値の範囲内に収まるように1対の制動機構をサーボ制御する第2の位置決め制御を実行する。
本発明によれば、半導体製造分野で用いられる電子顕微鏡装置の試料ステージで要求されるような高いレベルでの位置決め精度やドリフトの低減を可能とすることができる。
本発明による試料ステージを備えた電子線顕微鏡装置の全体構成を示す図である。 本発明による試料ステージの構造を詳細に説明する図である。 本発明による試料ステージの位置決め制御装置の構成例を示す図である。 本発明による試料ステージのX制動機構とXブレーキレールを示す斜視図である。 本発明による試料ステージのX制動機構の分解図である。 本発明による試料ステージのX制動機構をXテーブルに装着する方法を示した斜視図である。 本発明による試料ステージのX制動機構の動作を説明する図である。 本発明による試料ステージの制動機構において圧縮バネを設けない場合の、印加電圧と制動力の関係を示す図である。 本発明による試料ステージの制動機構において圧縮バネを設ける場合の、印加電圧と制動力の関係を示す図である。 本発明による試料ステージの第1の位置決め制御を説明する説明図である。 本発明による試料ステージの第2の位置決め制御を説明する説明図である。 本発明による試料ステージの位置決め制御装置による位置決め処理の例を説明する図である。 本発明による試料ステージのX制動機構の他の例を説明する図である。
図1は、本発明によるステージ装置を備えた電子線顕微鏡装置の全体構成を示す図である。電子線顕微鏡装置は、真空ポンプ1により真空排気される試料室2を有する。試料室2の内部には、試料ステージ3を備えたステージ装置が搭載されている。試料ステージ3は、ベース4、Xテーブル5、及び、Yテーブル6を有する。Yテーブル6上には、試料ホルダー15が搭載されており、試料ホルダー15上にはウェーハ16が固定されている。
試料室2の上には、鏡筒26が装着されている。鏡筒26には、電子線源となる電子銃20、電子線21の軌道を変える偏向器22、電子線21を収束させる電子レンズ23、及び、ウェーハ16から放射される二次電子24を取り込むための二次電子検出器25が組み込まれている。電子線顕微鏡装置は、更に、二次電子検出器25からの信号を処理する制御部27、電子像を表示するモニター28を有する。
Xテーブル5の駆動機構を説明する。Xテーブル5には、Xロッド10が接続されている。Xロッド10は、Xボールネジ9の回転によって直線運動を行う。Xボールネジ9は、真空シールを施したシャフト11に結合され、モータ12により回転が可能である。即ち、モータ12が回転すると、Xボールネジ9が回転し、Xロッド10が直線運動し、Xテーブル5がX方向に移動する。
Xテーブル5の位置制御機構を説明する。Yテーブル6上には、X方向のステージ位置制御用バーミラー17が装着されている。試料室2の外側には、レーザ干渉計等の位置検出器18が装着されている。ステージ位置制御用バーミラー17と位置検出器18を用いて、Xテーブル5のX方向の位置が測定される。位置検出器18によって測定されたXテーブル5のX方向の位置は、位置決め制御装置19に送られる。位置決め制御装置19は、Xテーブル5のX方向の位置を入力し、X方向駆動用モータ12に駆動信号を送る。それによって、モータ12が回転し、Xテーブル5が移動する。
ここでは、Xテーブル5に駆動機構及び位置制御機構を説明したが、Yテーブル6の駆動機構及び位置制御機構も同様な構造を有する。位置決め制御装置19は、位置検出器18と協働して「位置決め制御手段」として機能する。位置決め制御装置19の詳細は、後に、図3を参照して説明する。
ここで、本発明による電子顕微鏡の動作を簡単に説明する。通常、ウェーハのパターン形状の評価方法として、所望のパターンがチップ内のどの位置にあるか、あるいは1枚のウェーハに対して配列されたどのチップのパターンを評価するか、のそれぞれについて座標を用いて予め登録しておく。パターン評価するとき、位置決め制御装置19は、登録された内容に基づき、自動的にその座標位置まで試料ステージを移動させる。そこで、電子線21をウェーハ16上に照射し、偏向器22で走査する。二次電子検出器25を介して、数万倍から数十万倍の二次電子像を取得し、モニター28上に表示する。そして、二次電子像の明暗の変化からパターンの形状を判別し、指定した形状(パターン線幅やピッチ等)の寸法値を算出する。その後、次に登録されたチップの座標位置に移動し、同様に画像取得を繰り返しウェーハのパターンの形状評価を行う。
図2を参照して、試料ステージ3の構造を詳細に説明する。図示のように、ベース4上に、2本のレール(X滑り案内部材)7とXブレーキレール30が固定されている。これらのレールは、X方向に沿って延びている。レール7の上に、4本のスライダ(X滑り案内部材)8が摺動可能に装着されており、スライダ8の上に、Xテーブル5が固定されている。Xテーブル5は、レール7とスライダ8からなる案内機構により、X方向に移動するように拘束されている。従って、Xテーブル5は、Xモータ12の回転によりX方向に直線運動を行なう。
Xテーブル5上に、2本のレール(Y滑り案内部材)13とYブレーキレール33が固定されている。これらのレールは、Y方向に沿って延びている。レール13の上に、4本のスライダ(Y滑り案内部材)14が摺動可能に装着されており、スライダ14の上に、Yテーブル6が固定されている。Yテーブル6は、レール13とスライダ14からなる案内機構により、Y方向に移動するように拘束されている。従って、Yテーブル6は、Yモータ29の回転によりY方向に直線運動を行なう。
試料ステージ3は、Xテーブル5を制動するためのXブレーキ機構と、Yテーブル6を制動するためのYブレーキ機構とを有する。Xブレーキ機構は、ベース4の上面に固定されたXブレーキレール30と、それに対向するように、Xテーブル5の下面に固定されたX制動機構31、32とを有する。Yブレーキ機構は、Xテーブル5の上面に固定されたYブレーキレール33と、それに対向するように、Yテーブル6の下面に固定されたY制動機構34、35とを有する。Xブレーキ機構とYブレーキ機構の詳細に後に説明する。
なお、本発明の試料ステージ3に用いるモータ12、29は、パルスモータあるいはサーボモータいずれであってもよい。さらに、本発明の試料ステージ3に用いるステージ駆動方式として、モータとボールネジによる駆動方式を説明した。しかしながら、本発明によると、ステージ駆動方式は、これらに限定するものでなく、ムービングマグネットあるいはムービングコイル方式によるリニアモータ駆動方式を用いてもよい。
図3は、位置決め制御装置19の構成例を示す図である。位置決め制御装置19は、内蔵のメモリに記録されたプログラムを読み出し、後記する図10のフローチャートに従う手順を逐次実行する。位置決め制御装置19は、X軸方向の位置決め制御装置とY軸方向の位置決め制御装置を有するが、両者の構成は基本的には同一である。ここでは、X軸方向の位置決め制御装置の構成を説明する。
位置決め制御装置19は、モータ駆動制御部36、制動制御部37、及び、統合制御部38を有する。モータ駆動制御部36は第1の位置決め制御を行う。第1の位置決め制御では、モータ12をサーボ制御することにより、Xテーブル5を目標位置に位置決めさせる。制動制御部37は第2の位置決め制御を行う。第2の位置決め制御では、X制動機構31、32をサーボ制御することにより、モータ12に流れる電流値を目標電流値の範囲になるように制御する。第1及び第2の位置決め制御の詳細は、後に説明する。統合制御部38は、モータ駆動制御部36による第1の位置決め制御と制動制御部37による第2の位置決め制御の切替えを制御する。この切替えを制御は、位置検出器18で得られるYテーブル6の現在位置に基づいてなされる。
モータ駆動制御部36は、サーボ制御部36sとサーボアンプ36aを有する。サーボ制御部36sは、Xテーブル5の目標位置と、位置検出器18によって得られたXテーブル5の現在位置に基づいて、モータ12に対する駆動電流指令値を生成する。サーボアンプ36aは駆動電流指令値を増幅し、それをモータ12に出力する。サーボアンプ36aは、モータ12に対する駆動電流指令値36bを制動制御部37に出力する。即ち、サーボアンプ36aは、モータ12に流れる電流値をモニタし、それを制動制御部37に出力する。
制動制御部37は、サーボ制御部37s1、37s2とサーボアンプ37a1、37a2を有する。サーボ制御部37s1、37s2は、サーボアンプ36aからモータ12に対する駆動電流指令値36bをフィードバック入力する。サーボ制御部37s1、37s2は、駆動電流指令値36bに基づいて、制動機構31及び32をサーボ制御するための制動指令を生成する。サーボアンプ37a1、37a2は、サーボ制御部37s1及び37s2からの制動指令を増幅し、それを制動機構31及び32に出力する。
図4を参照して、本発明によるXブレーキ機構の概要を説明する。Xブレーキ機構は、ベース4(図示なし)上に固定されたXブレーキレール30と、それに対向するように、Xテーブル5(図示なし)の下面に固定されたX制動機構31、32を有する。2つのX制動機構31、32は、同一構造のものであるが、X軸座標に対して互いに反対方向に設置される。以下に、X制動機構32について説明する。X制動機構32は、ブレーキパッド48、圧縮バネホルダー50、T型ブラケット52、リンクプレート41、ピエゾアクチェータ40、ホルダー42、ボールプランジャ45、及び、中間ブロック55を有する。ブレーキパッド48の表面の中央部は、凸形状の球面形状を有する。ブレーキパッド48がXブレーキレール30に接触することによって、Xテーブル5に対して制動を加える。
図5を参照して、本発明によるXブレーキ機構を更に詳細に説明する。ブレーキパッド48と圧縮バネホルダー50の間に4個の圧縮バネ49を配置し、圧縮バネホルダー50の孔50bに挿入されたボルト51をブレーキパッド48のねじ48aへ締結する。それによって、4個の圧縮バネ49は、ブレーキパッド48と圧縮バネホルダー50の間にて、予め決められた与圧によって圧縮された状態で組み付けられる。T型ブラケット52の孔にボルト53を通し、それを圧縮バネホルダー50のねじ部50aに締結することにより、圧縮バネホルダー50はT型ブラケット52に装着される。リンクプレート41の孔41dにボルト54を通し、それをT型ブラケット52のねじ部52aに締結することにより、T型ブラケット52はリンクプレート41に組み付けられる。こうして、ブレーキパッド48、圧縮バネ49、圧縮バネホルダー50、T型ブラケット52、及び、リンクプレート41は、一体的な組立体を構成する。
中間ブロック55の孔55aに、ボルト58を通し、それをホルダー42のねじ部42dに締結することにより、ホルダー42は中間ブロック55に一体的に組み付けられる。リンクプレート41の穴部41cにスリーブ43とヘッドキャップスキュリュー44を挿入しながら、ヘッドキャップスキュリュー44をホルダー42の穴部42aに係合させる。それによって、リンクプレート41は、ヘッドキャップスキュリュー44の中心軸線回りに枢動可能にホルダー42に装着される。
ピエゾアクチェータ40の先端部40aにはヘッド40bが一体的に組み付けられる。ヘッド40bの先端は、球状に仕上げられている。ピエゾアクチェータ40は、内部に図示しない積層されたピエゾ素子を有する。このピエゾ素子に電圧を印加することによって先端部40a及びヘッド40bが軸線方向に変位する。ピエゾアクチェータ40をホルダー42の開口部42bに挿入し、ボルト47を締め付けることによってピエゾアクチェータ40とホルダー42が一体に組み付けられる。このとき、ピエゾアクチェータ40の先端部40aのヘッド40bの先端は、リンクプレート41の縦板面41aに接触する。
ボールプランジャ45の外周にはねじが形成され、先端は球状に形成され、その内部に圧縮バネ(図示せず)が備えられている。ボールプランジャ45の外周のねじ部を、ホルダー42のねじ穴部42cに係合させ、ナット46を締め付けることによって、ボールプランジャ45はホルダー42に一体的に組み付けられる。ボールプランジャ45の先端は、リンクプレート41の縦板面41bに接触する。本例では、ボールプランジャ45は、ピエゾアクチェータによる枢動力と反対方向の枢動力を生成する反発力生成部材として機能する。本発明によると、ピエゾアクチェータによる枢動力と反対方向の枢動力を生成する反発力生成部材として、ボールプランジャ45以外の構成が用いられてよい。
ピエゾアクチェータ40への電圧をオンにすると、ヘッド40bが変位する。ヘッド40bが変位すると、ヘッド40bよりリンクプレート41の縦板面41aに力f2が作用する。この力f2によって、リンクプレート41を、ヘッドキャップスキュリュー44の中心軸線回りに枢動させる回転力fr2が生成される。即ち、ピエゾアクチェータ40への電圧をオンにすると、リンクプレート41が枢動し、T型ブラケット52を介してブレーキパッド48が変位し、ブレーキパッド48がXブレーキレール30上に押し付けられる。
ピエゾアクチェータ40への電圧がオフのとき、即ち、ヘッド40bが変位していないとき、ボールプランジャ45の先端は、リンクプレート41の縦板面41bに一定のバネ力f1を印加している。このバネ力によって、リンクプレート41を、ヘッドキャップスキュリュー44の中心軸線回りに枢動させる回転力fr1が生成される。ピエゾアクチェータ40によって生成される力f2の方向は、ボールプランジャ45によって生成されるバネ力f1の方向と反対である。即ち、ピエゾアクチェータ40によって付与されるリンクプレート41の回転力の方向は、ボールプランジャ45によって付与されるリンクプレート41の回転力の方向は反対である。従って、ピエゾアクチェータ40への電圧をオフにすると、リンクプレート41が枢動し、ブレーキパッド48はXブレーキレール30より浮き上がる。
本発明のステージ位置決め制御装置では、制動機構を作動させないときは、ブレーキパッド48の表面はブレーキレール30より浮き上がっており、ブレーキレール30に接触していない。制動機構を作動させたときのみ、ブレーキパッド48の表面はブレーキレール30の表面を押し付けている。
ここで、積層型のピエゾ素子を用いたピエゾアクチェータの特性を説明する。ピエゾ素子に電圧を加えると変位と力を発生する。しかしながら、変位と力は両立しない特性となっている。ピエゾアクチェータによって得られる最大荷重は、ピエゾアクチェータを理論的に無限大の負荷をかけた場合、即ち、ピエゾアクチェータの先端部が変位しないように拘束した場合に得られる。この力は、一般に、ブロッキングフォースとも呼ばれ、その大きさは、印加電圧にほぼ比例する。また、ピエゾアクチェータによって発生する力は、ピエゾ素子の断面積に概ね比例する。一方、ピエゾアクチェータによって得られる最大変位は、無負荷状態(f=0)のときに得られる。変位の最大値(δ)は、ピエゾ素子の積層長さに略比例する。変位量は、積層全長の約0.1%(1000分の1)である。仮に、ピエゾアクチェータの全長を50mmとすると約0.05mmの変位であり、僅かな量である。
図6を参照して、X制動機構31、32をXテーブル5に装備する方法を説明する。Xテーブル5には、矩形の穴部56が形成されている。この穴部56の内壁に、ネジ穴56a、56bを設けた2つの台座56cが設けられている。中間ブロック55の孔55bに、ボルト57a、57bを通し、それを制動機構31の台座56cのネジ穴56a、56bに締結する。それによって、制動機構31がXテーブル5に固定される。制動機構32も同様にXテーブル5に固定される。こうして、同一構造の2つのX制動機構31、32が、X軸座標に対して互いに反対方向に設置される。図2に示したように、Yテーブル6の下面に、Y制動機構34、35を固定する方法も、これと同様である。
図7を参照して、X制動機構31、32の動作を説明する。図7は、X制動機構31、32及びブレーキレール30を側面から見た図である。先ず、X制動機構31を例にピエゾアクチェータ40の作動による制動力と推力発生動作について詳述し、その後、X制動機構32の動作が加わった場合の動作について説明する。
上述のように、ピエゾアクチェータ40への電圧をオンにすると、リンクプレート41は図7の矢印70に示すように、時計方向に揺動する。リンクプレート41に装着されたT型ブラケット52が枢動し、ブレーキパッド48がブレーキレール30の制動面30aに押圧される。ピエゾアクチェータ40のヘッド40bの変位は、拡大されてブレーキパッド48の変位に変換される。ピエゾアクチェータ40の中心軸線とスリーブ43の中心軸線の間の距離をL1、スリーブ43の中心軸線とブレーキパッド48の作用点の間の距離をL2とする。ピエゾアクチェータ40のヘッド40bの変位は、L2/L1倍に拡大されて、ブレーキパッド48の変位となる。
ブレーキパッド48の作用点は、半径L2の弧を描く。そのため、ブレーキパッド48による押圧力60は、ブレーキレール30の制動面30aの法線Pに対して所定の角度θで傾いて作用する。押圧力60は、法線方向の分力61と接線方向の分力62に分解できる。法線方向の分力61は、摩擦力、即ち制動力を生成する。この摩擦力は、Xテーブル5を制動する制動力として機能する。一方、接線方向の分力62は、Xテーブル5を駆動する推力として機能する。制動力61と推力62の比は、押圧力60の角度θによって変化する。
2つの制動機構31、32は、互いに反対方向の推力62、65を生成する。2つの制動機構31、32における推力62、65の差は、ブレーキレール30に対してXテーブルを駆動させるように作用する。即ち、2つの制動機構31、32における推力62、65の差は、Xテーブルを駆動させる駆動力又は推力となる。
本発明のステージ位置決め制御装置では、制動機構を作動させないときは、ブレーキパッド48の表面はブレーキレール30より浮き上がっており、ブレーキレール30に接触していない。ブレーキパッド48の先端とブレーキレール30間のギャップは、2つのX制動機構31、32において本来同一となるはずである。2つの制動機構31、32において、このギャップが同一であり、且つ、ピエゾアクチェータ40への印加電圧が同一なら、2つの推力62、65の差はゼロとなるはずである。
しかしながら、実際には、ブレーキレール30の表面に発生する凹凸などの要因によって、2つのX制動機構31、32において、このギャップが異なることがある。その場合には、2つの制動機構31、32において、推力の差が生じる。
2つの制動機構31、32における推力の差は、ギャップの差異ばかりでなく、ピエゾアクチェータ自体の特性差、制動機構の各部品の寸法差、組み立て状態等が要因として挙げられる。従って、2つの制動機構31、32において、ピエゾアクチェータ40への印加電圧が同一でも、推力の差は、必ずしもゼロとなるわけではない。
本発明によると、2つのX制動機構31、32を独立に制御する。即ち、本発明によると、2つのX制動機構31、32において、ピエゾアクチェータ40への印加電圧を異なる値に設定することができる。2つの制動機構31、32において、ピエゾアクチェータ40へ異なる電圧を印加することによって、推力の差異を生成する。こうして生成された推力によって、ギャップの差異、製造精度の差異等に起因して生じる推力の差異を、相殺することができる。
尚、本発明によると、2つの制動機構31、32において、推力の差異を生成することによって、更に、モータに流れる電流値が目標範囲に入るように、サーボ制御するが、これについては後に詳細に説明する。
Xテーブル5に対する制動力61が作用しているとき、推力62は、リンクプレート41に対し荷重として作用する。それによって、リンクプレート41は弾性変形する。即ち、リンクプレート41に、推力62に相当する荷重が加わり、リンクプレート41は湾曲するように弾性変形する。リンクプレート41の弾性変形によって、スリーブ43の中心軸線と、ブレーキパッド48の作用点の間の距離L2は、僅かであるが短縮する。リンクプレート41の弾性変形に起因して、Xテーブル5は、Xブレーキレール30に対して相対的に、X方向に変位する。リンクプレート41の弾性変形に起因したXテーブル5の変位は、推力62に比例する。ピエゾアクチェータ40のピエゾ素子に印加する電圧を大きくすると、推力62が大きくなり、リンクプレート41の弾性変形に起因したXテーブル5の変位量が大きくなる。この変位は、リンクプレート41の長さを適切な値に設定することによって、数十μオーダまで可能であることが実験的に確認されている。
ピエゾアクチェータ40への電圧をオフにし、Xテーブル5に対する制動力61を解除すると、リンクプレート41は、元の状態に戻り、その弾性変形量はゼロとなる。Xブレーキレール30に対するXテーブル5のX方向の相対的な変位はゼロとなる。
本発明によると、ピエゾアクチェータ40のヘッド40bの変位は、L2/L1倍に拡大されて、ブレーキパッド48の変位となる。即ち、ピエゾアクチェータ40のヘッド40bの変位によって直接ブレーキパッド48の変位が生成されているのではない。こうして、変位を拡大することによって、ブレーキパッド48とブレーキレール30の間のギャップの管理が相対的に緩和される。一方、梃子の原理により、ブレーキパッド48の変位が拡大されると、ブレーキパッド48による押圧力60は減少する。しかしながら、10mm角の面積のピエゾ素子によって発生する力は、数千N程度である。従って、十分なブレーキ力を得ることができる。
更に本発明によると、図5に示したように、ブレーキパッド48と圧縮バネホルダー50の間に4個の圧縮バネ49が予め圧縮された状態で装着されている。即ち、ピエゾアクチェータによって得られる力を直接使用するのではなく、リンクプレート41と圧縮バネ49を介して、ブレーキパッド48によるブレーキ力を生成する。そのため、ブレーキパッド48によるブレーキ力を所望のように管理することができる。それについて、以下に図8A及び図8Bを参照して説明する。
図8Aは、図7に示した制動機構において圧縮バネ49を設けない場合の、印加電圧と制動力の関係を示す図である。横軸は、ピエゾアクチェータ40への印加電圧、縦軸は、制動力である。2つの直線801、802は、第1の制動機構31による制動力と第2の制動機構32による制動力をそれぞれ示す。印加電圧をゼロから増加させても直ぐには制動力は発生しない。これは、ブレーキパッド48とブレーキレール30の間にギャップがあるためである。2つの制動機構31、32において、制動力が発生するときの印加電圧は異なる。これは、2つの制動機構31、32において、ギャップが異なるためである。図示の例では印加電圧を増加させると、制動力は直線的に増加する。図示の印加電圧と制動力の関係は、単なる例であり、実際には、必ずしもこのような直線的な比例関係になるとは限らない。ただ、印加電圧を大きくすれば制動力が大きくなるという傾向は変わらない。
最大許容印加電圧(Vmax)のとき、2つの制動機構31、32における制動力の差をΔF1とする。制動力の差ΔF1は、印加電圧によらず一定である。
図8Bは、図4に示した制動機構において圧縮バネ49を設けた場合の、印加電圧と制動力の関係を示す図である。横軸は、ピエゾアクチェータ40への印加電圧、縦軸は、制動力である。2つの直線803、804は、第1の制動機構31による制動力と第2の制動機構32による制動力をそれぞれ示す。制動力が、バネの設定与圧以下では、図8Aの例と同様に、印加電圧を増加させると、制動力は直線的に増加する。しかしながら、制動力が、バネの設定与圧を超えると、直線の勾配が小さくなる。これは、バネ定数の特性から決まる制動力が生成されるからである。本発明の制動機構では、ピエゾアクチェータの発生力と変位から定まるスティフネス(剛性)に比べて、圧縮バネのバネ定数が小さい。
最大許容印加電圧(Vmax)のとき、2つの制動機構31、32における制動力の差をΔF2とする。制動力が、バネの設定与圧以下では、2つの制動機構31、32における制動力の差はΔF1である。制動力が、バネの設定与圧を超えると、制動力の差はΔF2となる。図8Aの場合の制動力の差ΔF1と本例の制動力の差ΔF2を比較すると、本例では、制動力の差ΔF2が非常に小さい。従って、圧縮バネ49を設けた場合、2つの制動機構31、32において、ギャップに差異があっても、生成する制動力の差異は小さい。図示のように、本発明によると最大制動力と最小制動力の間の比較的小さな範囲の制動力を使用することができる。
ここでは、制動力について説明したが、図7に示した推力62(及び65)も、制動力と同様な挙動をとる。例えば、印加電圧を横軸に取り、推力を縦軸に取った場合の印加電圧と推力の関係は、おおむね図9のグラフと同様になる。従って、図8Bに示すように、ピエゾアクチェータ40への印加電圧と制動力の関係を予め求めておけば、所望の制動力、即ち、推力を得るのに必要な印加電圧の値が求められる。
図9A及び図9Bを参照して、モータ駆動制御部36による第1の位置決め制御と制動制御部37による第2の位置決め制御を説明する。図9Aは、目標位置に対するテーブルの位置偏差の時間変化を示すグラフであり、縦軸は偏差、横軸は時間である。図9Bは、モータに流れる電流値の時間変化を示すグラフであり、縦軸はモータに流れる電流、即ち、モータに対する駆動電流、横軸は時間である。尚、図9A、及び、図9Bのグラフは、説明を目的として模式的に且つ誇張して示されており、実際の測定値の例を示すものではない。第1の位置決め制御は、期間Iにて実行され、第2の位置決め制御は、期間IIにて実行される。
第1の位置決め制御では、モータ12をサーボ制御することにより、Xテーブル5を目標位置に所定の精度にて位置決めさせる。従って、実線901に示すように、目標位置に対するXテーブルの位置の偏差は実質的にゼロとなる。本発明によると、第1の位置決め制御が完了しても、モータ駆動制御部36によるモータ12に対するサーボ制御は継続させる。図9Bの実線911に示すようにモータ12へは駆動電流を供給し続ける。もし、制動機構を作動させないで、モータ12への駆動電流を停止すると、図9Aの破線902に示すようにXテーブルは目標位置に留まらず、移動する。これは、テーブルの案内機構に発生する戻り力に起因する。このような戻り力が発生する原因は様々であるが、例えば、案内機構に発生する歪み、傾斜、荷重の偏り等がある。電子線顕微鏡装置の試料ステージでは、このような戻り力に起因するテーブルの移動のほかに、ドリフトが問題となる。ドリフトは、図9Aの破線903に示すように、時間の経過と共に徐々にテーブルが移動する現象である。ドリフトが発生する原因は様々であるが、例えば、熱膨張又は熱収縮がある。
もし、制動機構を作動させないで、モータ12に対するサーボ制御は継続させると、図9Aの破線の曲線904に示すように、Xテーブル5の位置は僅かであるが変動する。これは、上述の戻り力に起因してXテーブル5が移動すると、サーボ制御により、Xテーブル5が目標位置に戻るからである。即ち、サーボ制御に起因したXテーブル5の変動が起きる。
図9Bの実線911は、第1の位置決め制御が終了した時点における、モータ12に流れる電流値を示す。この駆動電流は、Xテーブルを目標位置に保持するために必要は保持力の大きさを表す。この保持力の大きさは、小さいほうがよい。即ち、第1の位置決め制御が完了したときにモータ12へ供給する駆動電流の大きさは、小さいほうがよい。
第2の位置決め制御では、2つのX制動機構31、32をサーボ制御することにより、モータ12に流れる電流値を低減する。図9Bに示すように、モータ12に流れる電流値に目標範囲±Q1を設定する。モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1内に収まるように、制御する。
尚、図9Bでは、モータ12に流れる電流値は、目標範囲±Q1の上側にある(+である)が、目標範囲±Q1の下側にある(−である)場合もある。本発明によると、第1の位置決め制御が完了した時点におけるモータ12に流れる電流値を小さくするために、第2の位置決め制御では、2つのX制動機構31、32の少なくとも一方を操作する。即ち、2つのX制動機構31、32によって生成する推力62、65の大きさを制御する。より詳細には、2つの推力62、65の差を調節する。推力62、65の大きさは、ピエゾアクチェータへの印加電圧によって決まる。こうして、モータ12に流れる電流値が小さくなるように、2つの推力62、65の差を調整する。2つの推力62、65の差の符号は、モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1の上側(+側)にあるか、下側(−側)にあるかによって決まる。2つの推力62、65の差の符号と、モータ12に流れる電流値の符号の関係は予め既知であるものとする。モータ12に流れる電流値の制御方法には、様々な手法がある。例えば、モータ12に流れる電流値をモニタしながら、ピエゾアクチェータへの印加電圧をインクリメンタルに増減させてよい。又は、モータ12に流れる電流値とピエゾアクチェータへの印加電圧の関係を予め測定しておき、その関係を用いて、ピエゾアクチェータへの印加電圧を設定してもよい。
第2の位置決め制御では、先ず、制動機構31、32を作動させる。次に、ピエゾアクチェータへの定格電圧を供給する。それによって、推力62、65の所定の初期値が得られる。次に、モータ12に対する駆動電流指令値36bをモニタする。この駆動電流指令値36bの符号に基づいて、2つの推力62、65の差の符号を決定する。次に、2つの制動機構31、32の一方又は双方を制御し、2つの推力62、65の所望の差を生成する。具体的には、ピエゾアクチェータへの印加電圧を調整する。こうして、モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1内に収まるまで、モータ12に対する駆動電流指令値36bのモニタと、ピエゾアクチェータへの印加電圧の調整を繰り返す。図9Bの実線912に示すように、モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1内になったら、2つの制動機構31、32による制動を維持したまま、モータ12への駆動電流を停止する。
上述のように、制動機構を作動させないで、モータ12への駆動電流を停止すると、テーブルは目標位置に留まらず、移動する。このような移動は、戻り力に起因するものと、ドリフトに起因するものがある。本発明の制動機構において、制動力は、ドリフト抑制効果を確保するばかりでなく、戻り力に起因するテーブルの移動を効果的に抑制する。
図10を参照して、本発明による位置決め制御装置19による位置決め処理の例を説明する。本発明によると、Xテーブル5の位置決め処理とYテーブル6の位置決め処理は、基本的に同一である。ここでは、Xテーブル5の位置決め処理を説明する。
ステップS101〜ステップS106は第1の位置決め制御、ステップS107〜ステップS113は第2の位置決め制御である。上述のように、第1の位置決め制御では、モータ12をサーボ制御することにより、Xテーブル5を目標位置に位置決めさせる。Xテーブル5が所定の精度にて目標位置に配置されたら、第1の位置決め制御が完了する。第1の位置決め制御が完了しても、モータ12のサーボ制御は継続する。従って、モータ12へは駆動電流が供給されている。
第2の位置決め制御では、X制動機構31、32をサーボ制御することにより、モータ12に流れる電流値を目標範囲±Q1内になるように制御する。第1の位置決め制御が完了した状態にて、モータ12に流れる電流値の大きさは、上述のテーブルの戻り力の大きさを表わしている。即ち、モータ12に流れる電流値が大きい場合には、テーブルの戻り力が大きく、モータ12に流れる電流値が小さい場合には、テーブルの戻り力が小さい。本発明によると、テーブルの戻り力を、2つの制動機構31、32における推力62、65の差によって相殺する。
モータ12に対する駆動電流値をモニタし、それに基づいて、ピエゾアクチェータ40への印加電圧を制御する。それによって、2つの制動機構31、32における推力62、65の差が調整される。推力62、65の差を調整することによって、モータ12に流れる電流値が制御される。
モータ12に流れる電流値が目標電流値の範囲にはいると、第2の位置決め制御が完了する。そこで、モータ12への駆動電流を停止する。
本例の位置決め制御を開始するとき、モータ12への駆動電流はオフであり、Xテーブル5は、所定の位置にて、X制動機構31、32によって、制動が加えられているものとする。
ステップS101にて、Xテーブルの目標位置の設定を行なう。目標位置の設定は、自動または手動で行われる。自動的な目標位置の設定では、位置決め制御装置19あるいはその上位装置が有している位置情報を用いて目標位置の座標値を指定する。ここで位置情報とは、ウェーハ16に形成されているパターンの形状や寸法の検査を行なう場合、検査対象となるパターンのチップ(素子や集積回路のチップ)上での位置に関する情報や検査対象となるチップのウェーハ上での位置に関する情報である。一方、手動による目標位置の設定では、画面に表示されたウェーハ16のパターン上にて、オペレータがカーソルを操作することにより、目標位置の座標値を指定する。
ステップS102にて、制動機構による制動を解除する。具体的には、制動制御部37を介して制動機構31、32への通電をオフにする。こうして、ブレーキパッド48のXブレーキレール30への押圧を解除する。次いでステップS103にて、モータ駆動制御部36を起動させ、モータ12への駆動電流をオンにする。即ち、モータ12へサーボ制御を開始する。
ステップS104にて、Xテーブルの現在位置を取得する。位置検出器18によって検出されるYテーブル6の現在位置からXテーブル5の現在位置を求める。
ステップS105にて、目標位置と現在位置の偏差が適切であるか否かを判定する。具体的には、現在位置と目標位置の偏差が予め設定した許容範囲(位置決め幅w1)内にあるか否かを判定する。許容範囲内にないと判定された場合にはステップS106に進む。
ステップS106にて、モータ駆動制御部36のサーボ制御を継続する。サーボ制御では、まずサーボ演算を行い、その演算結果に基づいてXテーブル5を移動させる。サーボ演算では、現在位置から目標位置までの移動量を所定の速度パターンにより補間する位置補間演算や位置、速度、推力の制御ループの演算を行う。ただし、これらの補間演算や制御ループ演算は、それぞれの制御周期での割り込み処理として実装されるため、実際には全てが同じタイミングで実行されるということではない。このようなステップS106の処理を終えたらステップS104に戻り、ステップS106までの処理をステップS105での判定が肯定的になるまで繰り返す。
一方、ステップS105にて、許容範囲であると判定された場合、つまりXテーブル5の目標位置への位置決めがなされた場合には、第1の位置決め制御を終了し、ステップS107に進む。
ステップS107にて、制動機構31、32への通電をオンにし、制動を開始する。ここで、制動機構31、32のピエゾアクチェータへは、定格電圧を印加する。ステップS108にて、モータに流れる電流値を取得する。上述のように、モータ駆動制御部36から制動制御部37へ、モータへの電流指令値が送られる。
ステップS109にて、モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1内にあるか否かを判定する。又は、モータ12に流れる電流値の絶対値が、目標値Q1以下であるか否かを判定する。モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1外にあると判定された場合にはステップS110に進む。
ステップS110にて、制動機構31、32のサーボ制御を行なう。サーボ演算を行い、モータに流れる電流値が減少するように、2つの制動機構31、32の推力62、65を求める。次に、このような制動機構31、32の推力を発生させるのに必要なピエゾアクチェータ40への印加電圧Vを求める。
例えば、モータに流れる電流値を減少させるために、第1の制動機構31による推力62を、第2の制動機構32による推力65より大きくする必要があるものとする。この場合、第1の制動機構31のピエゾアクチェータ40への印加電圧Vを小さくするか、又は、第2の制動機構32のピエゾアクチェータ40への印加電圧Vを大きくすればよい。
ステップS111にて、サーボ演算にて求めた印加電圧Vを、ピエゾアクチェータ40に印加する。それによって、2つの推力62,65の差が所望の値となり、モータに流れる電流値が減少する。
このようなステップS111の処理を終えたらステップS108に戻り、ステップS109での判定が肯定的になるまで繰り返す。
第2の位置決め制御ではモータ12に流れる電流値の制御する。上述のように、モータ12に流れる電流値を制御する方法には、様々な手法がある。例えば、モータ12に流れる電流値をモニタしながら、ピエゾアクチェータへの印加電圧をインクリメンタルに増減させてよい。又は、モータ12に流れる電流値とピエゾアクチェータへの印加電圧の関係を予め測定しておき、その関係を用いて、ピエゾアクチェータへの印加電圧を設定してもよい。
ステップS109にて、モータ12に流れる電流値が目標範囲±Q1内にあると判定された場合には、ステップS112に進む。ステップS112にて、制動制御部37のサーボ制御を終了し、最後の制動状態を維持する。即ち、2つの制動機構31、32のピエゾアクチェータ40への印加電圧Vを保持する。ステップS113に進み、モータ駆動制御部36のサーボ制御を終了し、モータへの駆動電流をオフにする。
ここでは、Xテーブル5を位置決め制御を説明したが、実際の試料ステージでは、XY両方向の位置決め制御を同時に行う。すなわち、Xテーブル5とYテーブル6について、ステップS101〜113を並列動作させ、最終的にXテーブル5とYテーブル6の両方の位置決め制御が完了した時点で試料ステージの位置決めが完了となる。
図11を参照して、本発明によるX制動機構71、72の他の例を説明する。図11は、本例のX制動機構71、72及びブレーキレール30を側面から見た図である。X制動機構71、72は、同一構造のものであるが、X軸座標に対して互いに反対方向に設置される。ここでは、X制動機構71の構造を説明する。X制動機構71は、リンクプレート78、ピエゾアクチェータ75及び圧縮バネ91を有する。ピエゾアクチェータ75は固定ブロック76に装着されている。固定ブロック76は、プレート77に固定されている。
図5の例と同様に、リンクプレート78の穴部(図示なし)にスリーブ79とヘッドキャップスキュリュー(図示なし)を挿入しながら、ヘッドキャップスキュリューをプレート77の穴部(図示なし)に係合させる。それによって、リンクプレート78はスリーブ79の中心軸線回りに枢動可能にプレート77に装着される。
ピエゾアクチェータ75は、内部に図示しない積層されたピエゾ素子を有する。このピエゾ素子に電圧を印加することによって、先端部75aが軸線方向に変位する。ピエゾアクチェータ75の先端部75aが変位すると、リンクプレート78は、矢印90に示すように、揺動動作をする。即ち、ピエゾアクチェータの先端部75aの変位は、リンクプレート78の先端部78aの変位に拡大されて変換される。その結果、リンクプレート78の先端部78aは、ブレーキレール30の表面に押圧される。圧縮バネ91の力は、ピエゾ素子への電圧印加を解除したとき、リンクプレート78の先端部78aがブレーキレール30の表面から離す方向に作用する。
ピエゾアクチェータ75への電圧をオンにすると、リンクプレート78は図11の矢印90に示すように、時計方向に揺動する。X制動機構71の構造から、リンクプレート78の先端部78aによる押圧力80は、ブレーキレール30の制動面30aの法線Pに対し所定の角度αで傾いて作用する。このため、押圧力80は、法線方向の分力81と接線方向の分力82に分解できる。法線方向の分力81は、摩擦力を生成する。この摩擦力は、Xテーブル5を制動する制動力として機能する。一方、接線方向の分力82は、Xテーブル5を駆動する推力として機能する。制動力81と推力82の比は、押圧力80の角度αによって変化する。
Xテーブル5に対する制動力81が作用しているとき、推力82は、リンクプレート78に対し荷重として作用する。それによって、リンクプレート78は弾性変形する。即ち、リンクプレート78に、推力82に相当する荷重が加わり、リンクプレート78は湾曲するように弾性変形する。リンクプレート78の弾性変形によって、スリーブ79の中心軸線と、リンクプレート78の先端部78aの作用点の間の距離は、僅かであるが短縮する。リンクプレート78の弾性変形に起因して、Xテーブル5は、Xブレーキレール30に対して相対的に、X方向に変位する。リンクプレート78の弾性変形に起因したXテーブル5の変位は、推力82に比例する。ピエゾアクチェータ75のピエゾ素子に印加する電圧を大きくすると、推力82が大きくなり、リンクプレート78の弾性変形に起因したXテーブル5の変位量が大きくなる。この変位は、リンクプレート78の長さを適切な値に設定することによって、数十μオーダまで可能であることが実験的に確認されている。
1…真空ポンプ、2…試料室、3…試料ステージ、4…ベース、5…Xテーブル、6…Yテーブル、7…レール、8…スライダ、9…Xボールネジ、10…Xロッド、11…シャフト、12…Xモータ、13…レール、14…スライダ、15…試料ホルダー、16…ウェーハ、17…ステージ位置制御用バーミラー、18…位置検出器、19…位置決め制御装置、20…電子銃、21…電子線、22…偏向器、23…電子レンズ、24…二次電子、25…二次電子検出器、26…鏡筒、27…制御部、28…モニター、29…Yモータ、30…Xブレーキレール、31,32…X制動機構、37a1、37a2…サーボアンプ、37s1、37s2…サーボ制御部、33…Yブレーキレール、34,35…Y制動機構、36…モータ駆動制御部、36a…サーボアンプ、36s…サーボ制御部、37…制動制御部、38…統合制御部、40…ピエゾアクチェータ、40a…先端部、40b…ヘッド、41…リンクプレート、41c…穴部、41d…孔、42…ホルダー、42a…穴部、42d…ねじ部、43…スリーブ、44…ヘッドキャップスキュリュー、45…ボールプランジャ、46…ナット、47…ボルト、48…ブレーキパッド、48a…ねじ、49…圧縮バネ、50…圧縮バネホルダー、50a…ねじ部、51…ボルト、52…T型ブラケット、52a…ねじ部、53、54…ボルト、55…中間ブロック、55a…孔、56…穴部、58…ボルト、71、72…X制動機構、75…ピエゾアクチェータ、76…固定ブロック、77…プレート、78…リンクプレート、79…スリーブ、91…圧縮バネ

Claims (18)

  1. 案内機構を備えたベースと、前記案内機構に沿って移動可能なテーブルと、前記テーブルを駆動するモータを有するテーブル駆動機構と、前記テーブルを制動する制動装置と、前記テーブル駆動機構及び前記制装置を制御して前記テーブルの位置決めを行う位置決め制御装置と、を有するステージ装置において、
    前記制動装置は、前記ベースに装着されたブレーキレールと、前記テーブルに装着された1対の制動機構を有し、前記1対の制動機構はそれぞれ前記ブレーキレールに接触する作動部を有し、前記ブレーキレールの表面に作用する前記作動部からの押圧力は、前記ブレーキレールの表面の法線に対して傾斜して作用し、前記押圧力を前記ブレーキレールの表面に沿った方向の接線分力と前記法線方向の法線分力に分解したとき、前記1対の制動機構の前記接線分力は、前記ブレーキレールに対して前記テーブルを互いに反対方向に駆動する推力として機能するように構成されていることを特徴とするステージ装置。
  2. 請求項1記載のステージ装置において、前記位置決め制御装置は、前記テーブルが目標位置に配置するように前記モータをサーボ制御する第1の位置決め制御と、前記モータに流れる電流値が目標電流値の範囲内に収まるように前記1対の制動機構をサーボ制御する第2の位置決め制御と、を順次実行することを特徴とするステージ装置。
  3. 請求項2記載のステージ装置において、前記第2の位置決め制御では、前記位置決め制御装置は、前記モータに流れる電流値が目標電流値の範囲内に収まるように、前記1対の制動機構の前記接線分力の差を制御することを特徴とするステージ装置。
  4. 請求項1記載のステージ装置において、前記制動装置によって前記テーブルが制動されていないとき、前記1対の制動機構の作動部は、前記ブレーキレールの表面より浮き上がっていることを特徴とするステージ装置。
  5. 請求項1記載のステージ装置において、前記1対の制動機構の各々は、枢動軸線回りに回転可能なリンクプレートを有し、該リンクプレートが前記枢動軸線回りに回転することによって、前記作動部の作動点は円弧を描くように構成されていることを特徴とするステージ装置。
  6. 請求項5記載のステージ装置において、前記1対の制動機構の各々は、前記リンクプレートを枢動させる枢動力を生成するピエゾアクチェータを有することを特徴とするステージ装置。
  7. 請求項5記載のステージ装置において、前記1対の制動機構の各々は、前記リンクプレートに設けられ前記作動部として機能するブレーキパッドと、該ブレーキパッドに装着された圧縮バネホルダーと、前記ブレーキパッドと前記圧縮バネホルダーの間に配置された圧縮バネと、を有し、該圧縮バネは、予め決められた与圧によって圧縮された状態で組み付けられていることを特徴とするステージ装置。
  8. 請求項6記載のステージ装置において、前記1対の制動機構の各々は、前記ピエゾアクチェータによって生成される枢動力と反対方向の枢動力を生成する反発力生成部材と、を有し、前記ピエゾアクチェータへ電圧が印加されていないとき、前記反発力生成部材によって生成される枢動力によって、前記1対の制動機構の作動部は、前記ブレーキレールの表面より浮き上がっていることを特徴とするステージ装置。
  9. 請求項1記載のステージ装置において、前記テーブルを第1のテーブルとすると該第1のテーブルに設けられた案内機構に沿って移動可能な第2のテーブルと、前記第2のテーブルを駆動する第2のモータを有する第2のテーブル駆動機構と、前記第2のテーブルを制動する第2の制動装置と、前記第2のテーブル駆動機構及び前記第2の制装置を制御して前記第2のテーブルの位置決めを行う第2の位置決め制御装置と、を有し、前記第2のテーブルは前記第1のテーブルの移動方向に対して直交する方向に移動可能であり、
    前記第2の位置決め制御装置は、前記第1のテーブルに装着された第2のブレーキレールと、前記第2のテーブルに装着された1対の第2の制動機構を有し、前記1対の第2の制動機構はそれぞれ前記第2のブレーキレールに接触する第2の作動部を有し、前記第2のブレーキレールの表面に作用する前記第2の作動部からの第2の押圧力は、前記第2のブレーキレールの表面の法線に対して傾斜して作用し、前記第2の押圧力を前記第2のブレーキレールの表面に沿った方向の接線分力と前記法線方向の法線分力に分解したとき、前記1対の第2の制動機構の前記接線分力は、前記第2のブレーキレールに対して前記第
    2のテーブルを互いに反対方向に駆動する推力として機能するように構成されていることを特徴とするステージ装置。
  10. 案内機構を備えたベースと、前記案内機構に沿って移動可能なテーブルと、前記テーブルを駆動するモータを有するテーブル駆動機構と、前記テーブルを制動する制動装置と、前記テーブル駆動機構及び前記制装置を制御して前記テーブルの位置決めを行う位置決め制御装置と、を有するステージ装置において、
    前記位置決め制御装置は、前記テーブルが目標位置に配置するように前記モータをサーボ制御する第1の位置決め制御と、前記モータに流れる電流値が目標電流値の範囲内に収まるように前記制動装置をサーボ制御する第2の位置決め制御と、を順次実行することを特徴とするステージ装置。
  11. 請求項10記載のステージ装置において、
    前記位置決め制御装置は、前記第1の位置決め制御を行なうモータ駆動制御部と、前記第2の位置決め制御を行う制動制御部と、前記モータ駆動制御部による第1の位置決め制御と前記制動制御部による第2の位置決め制御の切替えを制御する統合制御部と、を有し、前記モータ駆動制御部は、前記テーブルの目標位置と前記テーブルの現在位置に基づいて、前記モータに対する駆動電流指令値を生成するサーボ制御部を有し、
    前記制動制御部は、前記モータ駆動制御部から得られた前記モータに対する駆動電流指令値をフィードバック入力し、前記制動装置をサーボ制御するための制動指令を生成するサーボ制御部を有することを特徴とするステージ装置。
  12. 請求項10記載のステージ装置において、
    前記制動装置は、前記ベースに装着されたブレーキレールと、前記テーブルに装着された1対の制動機構を有し、前記1対の制動機構はそれぞれ前記ブレーキレールに接触する作動部を有し、前記ブレーキレールの表面に作用する前記作動部からの押圧力は、前記ブレーキレールの表面の法線に対して傾斜して作用し、前記押圧力を前記ブレーキレールの表面に沿った方向の接線分力と前記法線方向の法線分力に分解したとき、前記1対の制動機構の前記接線分力は、前記ブレーキレールに対して前記テーブルを互いに反対方向に駆動する推力として機能するように構成されていることを特徴とするステージ装置。
  13. 請求項12記載のステージ装置において、
    前記1対の制動機構の各々は、枢動軸線回りに回転可能なリンクプレートと、前記リンクプレートを枢動させる枢動力を生成するピエゾアクチェータとを有し、前記リンクプレートが前記枢動軸線回りに回転することによって、前記作動部の作動点は円弧を描くように構成されていることを特徴とするステージ装置。
  14. 請求項13記載のステージ装置において、
    前記1対の制動機構の各々は、前記リンクプレートに設けられ前記作動部として機能するブレーキパッドと、該ブレーキパッドに装着された圧縮バネホルダーと、前記ブレーキパッドと前記圧縮バネホルダーの間に配置された圧縮バネと、を有し、該圧縮バネは、予め決められた与圧によって圧縮された状態で組み付けられていることを特徴とするステージ装置。
  15. 請求項13記載のステージ装置において、
    前記1対の制動機構の各々は、前記ピエゾアクチェータによる枢動力と反対方向の枢動力を生成する反発力生成部材と、を有し、前記ピエゾアクチェータへ電圧が印加されていないとき、前記反発力生成部材によって生成される枢動力によって、前記1対の制動機構の作動部は、前記ブレーキレールの表面より浮き上がっていることを特徴とするステージ装置。
  16. 請求項10記載のステージ装置において、前記テーブルを第1のテーブルとすると該第1のテーブルに設けられた案内機構に沿って移動可能な第2のテーブルと、前記第2のテーブルを駆動する第2のモータを有する第2のテーブル駆動機構と、前記第2のテーブルを制動する第2の制動装置と、前記第2のテーブル駆動機構及び前記第2の制装置を制御して前記第2のテーブルの位置決めを行う第2の位置決め制御装置と、を有し、前記第2のテーブルは前記テーブルの移動方向に対して直交する方向に移動可能であることを特徴とするステージ装置。
  17. 案内機構を備えたベースと、前記案内機構に沿って移動可能なテーブルと、前記テーブルを駆動するモータを有するテーブル駆動機構と、前記テーブルに装着された1対の制動機構を有し、前記テーブルを制動する制動装置と、前記テーブル駆動機構及び前記制装置を制御して前記テーブルの位置決めを行う位置決め制御装置と、を有するステージ装置を用いたステージの位置決め方法において、
    前記位置決め制御装置によって、目標位置と前記テーブルの位置との偏差がゼロとなるように、前記テーブル駆動機構を制御する第1の位置決め制御ステップと、
    前記位置決め制御装置によって、前記モータに流れる電流値が予め設定した目標電流値の範囲に入るように、前記1対の制動機構を制御する第2の位置決め制御ステップと、を有し、
    前記第1の位置決め制御ステップは、
    テーブルの目標位置を設定する目標位置設定ステップと、
    テーブルの現在位置を検出する位置検出ステップと、
    前記テーブルの目標位置と前記テーブルの現在位置の偏差を求める偏差算出ステップと、
    前記偏差がゼロになるように前記テーブルを移動させるテーブル移動ステップと、
    を有し、
    前記第2の位置決め制御ステップは、
    前記偏差がゼロとなったときに前記制動装置を作動させて前記テーブルを制動する制動ステップと、
    前記テーブルを制動した状態にて、前記テーブルを駆動するモータに流れる電流値を検出する電流検出ステップと、
    前記モータに流れる電流値が予め設定した目標電流値の範囲に入っていないとき、前記モータに流れる電流値が前記目標電流値の範囲に入るように、前記制動装置による制動力を制御するモータ電流制御ステップと、
    を含むステージ位置決め方法。
  18. 請求項17記載のステージ位置決め方法において、
    前記モータ電流制御ステップは、前記1対の制動機構の各々に含まれるピエゾアクチェータへの印加電圧を制御することによって前記1対の制動機構の各々に含まれるリンクプレートを枢動させる枢動力を制御し、それによって前記制動装置による制動力を制御することを含むことを特徴とするステージ位置決め方法。
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