JP5154983B2 - 二色成形体の製法およびそれによって得られる二色成形体、並びにそれを用いた色見本付きテスター - Google Patents

二色成形体の製法およびそれによって得られる二色成形体、並びにそれを用いた色見本付きテスター Download PDF

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Description

本発明は、色の異なる2種類の樹脂成形体を一体化してなる二色成形体の製法およびそれによって得られる二色成形体、並びにそれを用いた色見本付きテスターに関するものである。
従来から、ファンデーション等を収容したコンパクト容器や、口紅等の棒状化粧料の繰り出し容器といった化粧料容器には、軽量で耐久性があり、豊富な外観デザインを簡単に付与することができる等の理由から、樹脂成形体が多く用いられている。
このような樹脂成形体は、通常、単一色の樹脂成形体で構成されているが、近年、その外観をより印象的なものにするために、内側が着色樹脂で形成され、外側が透明樹脂で成形された二色成形体を用いることが提案されている。
例えば、図16は、棒状化粧料の繰り出し容器のうち、その繰り出し部2を保持する本体部3に、着色された一次成形体4と透明な二次成形体5とで構成された二色成形体を適用した例を示している(特許文献1参照)。
上記二色成形体は、通常、つぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、図17(a)に示すように、第1の金型Aを用いて、着色樹脂からなる一次成形体4を成形した後(図17〔b〕参照)、図18(a)に示すように、上記一次成形体4を、第2の金型B内に配置(通常、下型は金型A、B共通)し、一次成形体4の周囲に透明樹脂からなる二次成形体5を成形する。これを金型Bから脱型することにより、図18(b)に示すような二色成形体を得ることができる。
特開2005−153463公報
ところで、従来から、顧客が店頭で手軽に棒状化粧料を試供することのできるテスターとして、図19に示すような形状のテスターが汎用されている。このものは、棒状化粧料を模した樹脂製の色見本6と、これを保持して陳列するための四角筒7とを備えており、上記四角筒7の内部には、試供用の棒状化粧料を収容した繰り出し筒8が、着脱自在に取り付けられている。なお、9は、上記テスターを並べて陳列するための陳列台である。
上記テスターは、口紅の色が一目でわかり、使い勝手がよいが、色見本6の部分が経時的に汚れたり劣化したりして色合いが悪くなりやすい、という問題がある。
そこで、上記色見本6の部分に二色成形体を用い、内側の一次成形体4によってテスターの色を提示し、その周囲を透明樹脂からなる二次成形体5で被覆することによって、その色が汚れたり劣化したりすることを防止してはどうか、との考えがある。
しかしながら、二色成形体を製造する金型は、上記図17(a)および図18(a)に示すように、一般に真上から下向きに射出ゲート10が形成されているため、得られる二色成形体の天面には、図18(b)に示すように、必然的に、ゲート跡11が残ることになる。このような二色成形体を、図16に示す本体部3に用いる場合は、ゲート跡11が残る面を底面としてゲート跡11を隠すことができるが、図19に示すテスターの色見本6のように、その天面を上向きにして用いると、ゲート跡11が目立ってデザインの美観を損なうことになる。また色見本6となる一次成形体4を、透明な二次成形体5から透かして見る際、上記ゲート跡11によって、その内側が見にくくなり、好ましくないという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ゲート跡が目立たず、使い勝手のよい美麗な外観の二色成形体の製法と、それによって得られる二色成形体、並びにそれを用いた色見本付きテスターの提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、第1の金型を用い、所定の樹脂材料を射出成形することにより、有天略筒状の一次成形体を成形する工程と、第2の金型内に、上記一次成形体を配置し、その周囲に透明樹脂材料を射出成形することにより、上記一次成形体の天面および側面を覆って上記一次成形体と一体化する有天略筒状の二次成形体を成形する工程とを備え、上記第2の金型として、この金型によって得られる二次成形体の下端縁近傍にパーティングラインが形成されるよう構成されたものであって、その射出ゲートが、上記パーティングライン近傍に配置され、かつ二次成形体成形空間のうち、二次成形体の天面成形用空間の平均厚みが、同じく二次成形体の側面成形用空間の平均厚みの1.05〜3.0倍に設定されたものを用いるようにした二色成形体の製法を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨である製法によって得られる二色成形体であって、有天略筒状の一次成形体と、その天面および側面を覆う有天略筒状の透明な二次成形体とが一体化され、上記二次成形体のパーティングライン近傍に、二次成形体の射出成形時のゲート跡が残されているとともに、上記二次成形体における天面の平均厚みが、同じく二次成形体における側面の平均厚みの1.05〜3.0倍に設定されている二色成形体を第2の要旨とする。
さらに、本発明は、化粧料の色見本付きテスターであって、内部に化粧料を収容する有天略筒状の胴体部と、上記胴体部の上面に取り付け固定される色見本とを備え、上記色見本が、上記第2の要旨である二色成形体によって構成され、上記二色成形体の一次成形体が、胴体部の内部に収容される化粧料と同一の色に着色された着色樹脂で形成されているとともに、上記色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記胴体部の一部もしくは他の部材によって隠されている色見本付きテスターを第3の要旨とする。
そして、本発明は、上記第3の要旨である色見本付きテスターのなかでも、特に、上記胴体部の上面周縁部に、上方に立ち上がるガイド壁が設けられており、上記ガイド壁の内側に色見本が嵌入固定され、色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記ガイド壁によって隠されている色見本付きテスターを第4の要旨とし、上記胴体部の外周面と色見本の外周面とが面一に設定されており、上記胴体部外周面の上部と色見本外周面の下部とにまたがってシールが貼付され、色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記シールによって隠されている色見本付きテスターを第5の要旨とする。
すなわち、本発明は、二次成形体成形時に用いる金型として、この金型によって得られる二次成形体の下端縁近傍にパーティングラインが形成されるよう構成されたものであって、射出ゲートが、二次成形体のパーティングライン近傍の特定の位置となるよう配置された、特殊な金型を用いて二色成形体を得るようにしたものである。この製法によれば、従来、二色成形体の天面に残されていたゲート跡が、その側面下部や底面等の特定の位置に残ることになり、目立たないという利点を有する。また、この部分を相手部材と組み合わせる際、嵌合等によってこれを隠すことができ、ゲート跡のない天面を利用して、見栄えのよい商品を提供することができる。
そして、上記製法によって得られた二色成形体は、ゲート跡のない天面を利用した、見栄えのよい商品となるため、各種陳列品や表示物等に広く応用することができる。
また、本発明の色見本付きテスターは、上記二色成形体を、その天面側を上向きに用い、側面下方や底面等に残るゲート跡を隠して用いるようにしたものであるため、美麗な外観を呈する。しかも、色見本の色が透明な二次成形体で保護されているため、店頭で長期にわたって陳列しても、その色が汚れたり劣化して退色したりすることがないという優れた効果を奏する。
そして、上記色見本付きテスターのなかでも、特に、二色成形体からなる色見本を取り付ける胴体部の上面周縁部に、上方に立ち上がるガイド壁を設け、上記ガイド壁の内側に色見本を嵌入してゲート跡を隠したものは、外側からゲート跡が全く見えず、全体として美麗な外観となり、好適である。
また、上記色見本を取り付ける胴体部の外周面と色見本の外周面とを面一に設定し、上記胴体部外周面の上部と色見本外周面の下部とにまたがってシールを貼付してゲート跡を隠したものも、外側からゲート跡が全く見えず、全体として美麗な外観となり、好適である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
図1は、本発明を実施するための最良の形態を示す斜視図であり、図2(a)は、そのA−A′断面図、図2(b)は、図2(a)のB−B′断面図を示している。このものは、本発明の二色成形体を、棒状化粧料の色見本付きテスターに適用したもので、有天四角筒状の胴体部20と、その上面に取り付け固定される色見本21とを備え、胴体部20の内側に、所定の繰り出し容器に装填された棒状化粧料(図示せず)が収容されるようになっている。
上記色見本21は、有天略四角筒状の一次成形体22と、その天面および側面を覆う有天略四角筒状の二次成形体23とが一体的に形成された二色成形体で構成されている。そして、上記一次成形体22は、上記胴体部20内に収容される棒状化粧料の色と同一の色に着色された着色樹脂を用いて形成されており、上記二次成形体23は、透明樹脂を用いて形成されている。
上記色見本21は、つぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、目的とする色の着色樹脂材料を用意し、第1の金型A(図示せず)を用いて射出成形を行うことにより、図3(a)に示すような、有天略四角筒状の一次成形体22を得る。ただし、この一次成形体22の各側面24は、これを上から見た図3(b)に示すように、それぞれその上下方向に延びる中央線25が谷線になっていて、各側面24が浅く凹んでいる。そして、上記一次成形体22の天面26の中心点26aは、周囲より高くなっており、四隅の鋭角同士を結ぶ対角線27、28が山線、鈍角同士を結ぶ対角線29、30が谷線になっている。
また、上記一次成形体22の下部には、二次成形体23の下面を受けるフランジ部31が形成されており、そのフランジ部31の下面から下向きに、胴体部20(図2〔a〕参照)の上面と係合するための、左右一対の突片32が設けられている。
上記一次成形体22を、図5に示す第2の金型B内に配置して、その周囲に、透明樹脂材料を射出成形することにより、二次成形体23を成形する。なお、上記第2の金型Bは、スライドコア33を備えた下型34と、二次成形体23を成形するための空間35を備えた上型36からなり、上記下型34は、一次成形体22を成形する際に用いられた下型がそのまま用いられる。
そして、上記上型36の射出ゲート37は、上型36の片側面の下端、すなわちパーティングラインLに略重なる位置に形成されている。
上記金型Bを用いて射出成形を行った後、これを脱型することにより、図4(a)に示すような、一次成形体22の側面24および天面26が二次成形体23で覆われた、二色成形体を得ることができる。このものは、図4(b)に示すように、一次成形体22の色が、透明な二次成形体23の内側に透けて見えるため、単なる着色成形品に比べて艶やかで美麗な外観を有し、見栄えがよい。特に、そのゲート跡40が、二次成形体23の一側面の下部、詳しくは、一次成形体22と二次成形体23のパーティングラインLと略重なる位置に残されているため、それより上の部分が、滑らかで、非常に美麗である。
一方、上記二色成形体からなる色見本21と組み合わせられる胴体部20は、上記色見本21の色を目立たせるために、シルバー蒸着された樹脂で形成されており、図2(a)およびそのB−B′断面部である図2(b)に示すような構成になっている。すなわち、上記胴体部20は、すでに述べたように、全体が有天四角形状で、その上面周縁部に、上方に立ち上がる四角筒状のガイド壁41が設けられているとともに、その内側の左右2個所に、開口が長方形状の切欠き42が形成されている。
そして、上記左右の切欠き42に、前記色見本21の下面に設けられた左右一対の係合用の突片32を挿入して係合し、ガイド壁41の内側に、前記色見本21の底部を嵌入することにより、両者が一体化されている。この係合により、色見本21の一側面下部に残されたゲート跡40は、上記ガイド壁41によって隠され、外側からは見えない状態となる。
なお、43は、後述するアダプタ52(図7〔a〕参照)の当たりとなるリブであり、44は、同じく上記アダプタ52の下部に設けられた係合用の突出部53を係合させるための切欠き部である。
上記構成の色見本付きテスターによれば、色見本21の色を示す一次成形体22が、二次成形体23で保護されているため、店頭で長期にわたって陳列しても、その色が汚れたり劣化して退色したりすることがないという優れた効果を奏する。そして、上記色見本21を構成する二色成形体のゲート跡40が、二色成形体の一側面下部に残っているものの、その下の胴体部20から立設するガイド壁41で隠れるようになっているため、美麗な外観がゲート跡40で損なわれることがない。さらに、一次成形体22の天面26や側面24は、デザイン的な見地から微妙な凹凸を有しているが、二次成形体23で覆われた天面および側面は凹凸がなく、全体として各面が平坦面で形成されているため、この天面を上向きにして陳列等に供した場合、埃が溜まりにくく、掃除もしやすいという利点を備えている。
なお、上記の例において、色見本21を構成する二色成形体を得るための、第2の金型Bは、すでに述べたように、射出ゲート37が、パーティングラインLと略重なる位置に形成されている(図5参照)、これが、本発明の第1の特徴である。すなわち、パーティングラインLの近傍に、射出ゲート37を設けることにより、得られる二色成形体に残るゲート跡40(図4〔b〕参照)を、二次成形体23下端縁の、ごく目立たない位置に配置させることができ、上記の例のように、この部分を隠して用いることができる。
ただし、上記「パーティングラインLの近傍」とは、パーティングラインLに重なる点と、パーティングラインLから高さ方向に10mmずれた点までの間をいい、なかでも、射出ゲート37を、パーティングラインLから高さ方向に3mmずれた点までの間に収めることが好適である。射出ゲート37の位置がそれ以上大きく上方に外れると、これを隠すための係合を大きくとったり、後述するように、この部分をシール等の別部材で隠す場合、その隠す部分を大きくしなければならないため、無駄が多くなるとともに、見栄えが悪くなって、本発明の趣旨から外れるからである。
また、上記第2の金型Bは、二次成形体23の天面成形用空間の平均厚みDが、同じく二次成形体23の側面成形用空間の平均厚みEの1.05〜3.0倍に設定されたものを用いなければならない。これが、本発明の第2の特徴である。すなわち、二次成形体23の成形時において、上記射出ゲート37から射出された樹脂材料は、二次成形体23の側面成形用空間下部から、一次成形体22の側面24に沿って左右方向に流れる流れと、上方向に流れて一次成形体22の天面26を乗り越えて反対側に到達する流れとが生じ、最終的に、射出ゲート37が開口する側面とは反対側の側面において、上からの流れと左右の流れとが合流して、成形がなされるが、このように、異なる方向からの流れが合流して固化すると、その合流境界部にウェルドラインが形成される。
このとき、二次成形体23の天面成形用空間の隙間が、側面形成用空間の隙間に比べて狭いと、樹脂材料がスムーズに一次成形体22の天面を乗り越えて反対側の側面まで到達することができず、図6(a)に示すように、得られる二色成形体の天面や、左右の側面にまたがって、上記ウェルドラインPが形成されることになる。これに対し、本発明のように、二次成形体23の天面成形用空間の平均厚みDを、同じく二次成形体23の側面成形用空間の平均厚みEの1.05〜3.0倍に設定したものは、左右方向の樹脂の流れと、天面を乗り越えて反対側の側面に達する樹脂の流れのバランスがよく、図6(b)に示すように、天面にはウェルドラインPが形成されず、反対側の側面で2つのウェルドラインPが合流する形となる。したがって、この面を、陳列時に背面側に配置したり、壁面に接した状態で陳列する等して、ウェルドラインPを隠すことにより、見栄えをよくすることができる。
なお、上記「平均厚み」とは、天面側のように、その厚みが場所によって異なる場合は、図5に示すように、その最大厚みD1 と最小厚みD2 を足して2で割った値をいい、側面側のように、どの部分も同じ厚みの場合は、その厚みEをいう。
上記色見本付きテスターを、実際に店頭に陳列して用いる場合、図7(a)に示すように、上記胴体部20の内側には、繰り出し容器50に収容されたテスター専用の棒状化粧料51が、アダプタ52を介して嵌合保持されるようになっている。そして、顧客がテスターの色を試してみたいときには、上記棒状化粧料51を、上記繰り出し容器50内から繰り出して使用することができるようになっている。なお、55は、アダプタ52内に棒状化粧料51の繰り出し容器50を嵌合保持するためのガイド片である。
すなわち、上記アダプタ52には、図7(a)のC−C′矢視図である図7(b)および図7(a)のD−D′断面図である図7(c)に示すように、その下端部の左右2個所に、側方に突出する係合用の突出部53が形成されており、胴体部20の下端部に形成された切欠き部44と、上記突出部53が嵌合し、アダプタ52の上端面および外周面の上部が、胴体部20の内側に設けられたリブ43に押し付けられた状態で取り付けられている。そして、上記胴体部20の切欠き部44からやや飛び出した突出部53を指で挟んで内側に押すと、上記係合が外れて、アダプタ52を胴体部20から取り出すことができるようになっている。
また、上記色見本付きテスターには、図8(a)に示すように、前記アダプタ52を介することなく、直接、商品である棒状化粧料51′を、その商品容器56ごと、胴体部20内に取り付けることができるようになっている。これは、テスター専用の棒状化粧料51が使い尽くされた場合に、上記商品である棒状化粧料51′を、テスターとして利用できるよう考慮したものである。
上記色見本付きテスターによれば、どちらの形態で用いるにしても、その内側に保持された棒状化粧料51、51′の色と同一の色の着色樹脂からなる一次成形体22の色を目印として、これを使用することができるため、使い勝手がよい。
また、上記の例は、色見本21として用いる二色成形体に残るゲート跡40を、胴体部20の上面から立設するガイド壁41で隠すようにしたが、上記ガイド壁41の形状は、四角筒状に限らず、胴体部20の形状やゲート跡40の位置に応じて、適宜の形状にすることができる。また、ゲート跡40を隠す方法も、これに限るものではなく、適宜の構成を採用することができる。例えば、図8(b)に示すように、胴体部20の外周面と色見本21と外周面とが面一となるよう設定し、胴体部20の外周面上部と、色見本21の外周面下部とにまたがって、帯状のシール60を貼付して両者を一体化し、かつゲート跡40を隠すようにしても差し支えない。
なお、色見本21と胴体部20との取り付け形態によっては、必ずしも上記シール60を、外周全体にわたって貼付する必要はなく、ゲート跡40を隠す小さなシールを貼付するだけでもよい。シールの位置が低く目立たないからである。
また、本発明において、前記二色成形体を得るために用いられる金型A、Bとしては、さまざまなバリエーションのものが考えられる。ただし、いずれも、二色成形体の二次成形体に残るゲート跡40が、そのパーティングライン近傍となるように、金型Bにおける射出ゲート37の配置を工夫することが必要である。
ちなみに、前記の例のように、フランジ部31を有する一次成形体22と、その天面および側面を覆う二次成形体23とが一体的に形成された二色成形体(図4参照)を得るのに最適な金型A、Bの例を、図9(a)、(b)に示す。
上記金型Aの上型36には、原料樹脂注入路(スプール)69が形成されており、下型34には、一次成形用のランナー70と射出ゲート(捨てゲート)71とが設けられている。また、上記金型Bの上型36′には、スプール72と、上記下型34のランナー70および射出ゲート71に相対向する配置で、ランナー73および射出ゲート(捨てゲート)74が形成されており、下型34は、上記金型Aと共通である。
したがって、まず上記金型Aを用いて一次成形体22を射出成形した後、金型Aの上型36のみを、二次成形用の上型36′に交換し、下型34はそのまま用いたものを金型Bとして用い、射出成形することにより、一次成形体22の周囲に二次成形体23が一体的に形成された二色成形体を得ることができる。なお、射出ゲート71、74とランナー71、73において硬化した樹脂は、脱型後、後加工によって二色成形体からカットされる。
このようにして得られる二色成形体には、パーティングラインLにほぼ重なった状態でゲート跡が残るが、前述の各種の方法によって、これを隠した状態で陳列等に供することができる。なお、図9(b)において、Gは、二次成形体に残るゲート跡の位置を示している(以下の図においても同じ)。
また、フランジ部31のない二色成形体を得る場合は、二次成形体の下端面がパーティングラインLに接した状態で成形することができるため、例えば図10(a)、(b)に示すように、金型A、Bで共用される下型34として、一次成形用の射出ゲート75と、二次成形用の射出ゲート76とを上向きに設けたものを用いることにより、二次成形体の下端面にゲート跡が残る二色成形体を得ることができる。したがって、このものは、側面にゲート跡が残る場合よりも、ゲート跡が目立たない点で、好適である。
さらに、上記と同様、フランジ部31のない二色成形体を得る場合に、金型A、Bに共用する下型34として、図11(a)、(b)に示すように、一次成形用の射出ゲート75が、一次成形体を形成するための有天筒状空間の、天面部まで貫通形成されたものを用いることができる。76は二次成形用の射出ゲートである。この金型A、Bによって得られる二色成形体も、二次成形体の下端面にゲート跡が残ることになり、ゲート跡が目立たない。
また、上記と同様、一次成形用の射出ゲート75が、一次成形体を形成するための有天筒状空間の、天面部まで貫通形成された下型34を用いる場合において、例えば、図12(a)、(b)に示すように、上記下型34に、二次成形用のスプール76を上向きに設け、二次成形用の上型36′側に設けられたランナー77と射出ゲート78に連通するようにしてもよい。この場合も、上記ランナー77と射出ゲート78において硬化した樹脂は、脱型後、後加工時にカットされる。
さらに、図13(a)、(b)に示すように、金型A、Bに共通する下型34に、一次成形用のランナー79と、二次成形用のランナー80を設け、金型Aにおける上型36に、スプール81と射出ゲート(サブマリンゲート)82を設け、金型Bにおける上型36′に、スプール83と射出ゲート(サブマリンゲート)84を設けるようにしてもよい。上記射出ゲート82、84によれば、脱型時に、ゲート内の硬化樹脂が自動的にカットされて除去されるため、通常の捨てゲートのように後加工によってこれをカットする必要がなく、製造上有利である。しかし、その反面、得られるゲート跡が、パーティングラインLに略重なる位置ではなく、少し上になる(通常、3〜10mm)ため、これを他の部材との係合やシール等によって隠そうとすれば、その係合部やシールをそれだけ大きくしなければならず、外観的にあまり好ましくない。
そこで、図14(a)、(b)に示すように、金型Aの上型36として、上記図13(a)と同様の射出ゲート(サブマリンゲート)82を設けたものを用いる一方、金型Bの上型36′としては、前記図9(b)に示すものと同様、スプール72とランナー73と射出ゲート74とを設けたものを用いると、得られる二色成形体に残るゲート跡が、パーティングラインLのごく近傍に位置することになり、好適である。
また、図15(a)、(b)に示すように、金型A、Bに共通して用いる下型34として、一次成形用と二次成形用の2つの捨てゲート(本発明においては、これらも「射出ゲート」に含まれる)85、86を設けるとともに、これらに連通するスプール87、88を設けたものを用いてもよい。この場合も、上記捨てゲート85、86内に残留する硬化樹脂は、脱型後、後加工でカットされる。
このように、本発明では、二次成形体に残るゲート跡を、隠しやすい、もしくは目立ちにくい配置とするために、上記いくつかの例を含む各種の金型A、Bを用いることができる。そして、上記の例は、いずれも、金型A、Bとして、下型34を共用し、上型36、36′のみを交換するタイプのものを用いているが、下型34の共用は、必ずしも必要ではなく、それぞれ別個の金型A、Bを用いることもできる。
そして、本発明において、二色成形体の形状は、有天略四角筒状に限らず、天面を表示等に利用できるような各種形状を採用することができる。例えば、有天円筒状、有天楕円筒状、有天多角筒状等をあげることができる。そして、内側の一次成形体22の天面形状や側面形状も、前記の例のように凹凸をつけたり、曲面にしたり、成形上の制約がない限り、種々のデザインを付与することができる。
もちろん、一次成形体22において、前記の例のようにフランジ部31を有する形状であっても、フランジ部31を有しない形状であってもよい。フランジ部31を有する形状の場合、二次成形体23とのパーティングラインLが側面に位置し、その結果、ゲート跡40が側面下部に残るようになっているが、上記フランジ部31を設けない場合、例えば図10や図11、図15に示す金型A、Bを用いて成形される場合等においては、すでに述べたように、パーティングラインLが、二色成形体の底面に位置し、ゲート跡40が底面に残るようになるため、ゲート跡40を特に隠す必要がない。
そして、本発明の二色成形体は、色見本付きテスターに限らず、各種スイッチや押しボタン等の表示物や、装飾物に適用することができる。
本発明の一実施例を示す斜視図である。 (a)は図1のA−A′断面図、(b)は(a)のB−B′断面図である。 (a)は上記実施例に用いられる二色成形体のうち、一次成形体を示す縦断面図、(b)はその天面形状の説明図である。 (a)は上記実施例に用いられる二色成形体を示す縦断面図、(b)はその斜視図である。 上記実施例に用いられる二色成形体の製造方法の説明図である。 (a)および(b)は、ともに二次成形体に形成されるウェルドラインの説明図である。 (a)は上記実施例の使用態様の説明図、(b)はその部分的なC−C′矢視図、(c)は同じくD−D′断面図である。 (a)は上記実施例の他の使用態様の説明図、(b)は本発明の他の実施例の説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の一例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 (a)および(b)は、ともに本発明の二色成形体の製造に用いられる金型の変形例を示す説明図である。 従来の、二色成形体を用いた化粧料容器の分解説明図である。 (a)は上記二色成形体における一次成形体の製造方法の説明図、(b)は得られる一次成形体の説明図である。 (a)は上記二色成形体における二色成形体の製造方法の説明図、(b)は得られる二色成形体の説明図である。 従来の色見本付きテスターの説明図である。
符号の説明
22 一次成形体
23 二次成形体

Claims (5)

  1. 第1の金型を用い、所定の樹脂材料を射出成形することにより、有天略筒状の一次成形体を成形する工程と、第2の金型内に、上記一次成形体を配置し、その周囲に透明樹脂材料を射出成形することにより、上記一次成形体の天面および側面を覆って上記一次成形体と一体化する有天略筒状の二次成形体を成形する工程とを備え、上記第2の金型として、この金型によって得られる二次成形体の下端縁近傍にパーティングラインが形成されるよう構成されたものであって、その射出ゲートが、上記パーティングライン近傍に配置され、かつ二次成形体成形空間のうち、二次成形体の天面成形用空間の平均厚みが、同じく二次成形体の側面成形用空間の平均厚みの1.05〜3.0倍に設定されたものを用いるようにしたことを特徴とする二色成形体の製法。
  2. 請求項1記載の製法によって得られる二色成形体であって、有天略筒状の一次成形体と、その天面および側面を覆う有天略筒状の透明な二次成形体とが一体化され、上記二次成形体のパーティングライン近傍に、二次成形体の射出成形時のゲート跡が残されているとともに、上記二次成形体における天面の平均厚みが、同じく二次成形体における側面の平均厚みの1.05〜3.0倍に設定されていることを特徴とする二色成形体。
  3. 化粧料の色見本付きテスターであって、内部に化粧料を収容する有天略筒状の胴体部と、上記胴体部の上面に取り付け固定される色見本とを備え、上記色見本が、請求項2に記載された二色成形体によって構成され、上記二色成形体の一次成形体が、胴体部の内部に収容される化粧料と同一の色の着色樹脂で形成されているとともに、上記色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記胴体部の一部もしくは他の部材によって隠されていることを特徴とする色見本付きテスター。
  4. 上記胴体部の上面周縁部に、上方に立ち上がるガイド壁が設けられており、上記ガイド壁の内側に色見本が嵌入され、色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記ガイド壁によって隠されている請求項3記載の色見本付きテスター。
  5. 上記胴体部の外周面と色見本の外周面とが面一に設定されており、上記胴体部外周面の上部と色見本外周面の下部とにまたがってシールが貼付され、色見本を構成する二次成形体に残るゲート跡が、上記シールによって隠されている請求項3記載の色見本付きテスター。
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