JP5153816B2 - ケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法 - Google Patents

ケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバケーブルや通信ケーブル、電力ケーブルなどのケーブルの余長部を処理するためのケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法に関する。
従来から、電柱や鉄塔、ビル壁面、地下ピット、配線ピット、共同溝などの支持構造体に支持される光ファイバケーブルや通信ケーブル、電力ケーブルなどの架線は、例えば、将来の電柱の移設に備えて、その架設に必要となるケーブル長さ以上のケーブルを架設し、架設の際に余分なケーブルを余長部として電柱上に所定高さで固定している。このケーブルの余長部は、ケーブルが架設される一定の架設距離ごとに設けられ、約10m程度の長さを有する。ケーブルの余長部は、例えば、環状に巻き束ねられて設置面(地面)から電柱に支持される腕金に固定される。
このようにケーブルの余長部を環状に巻き束ねる方法として、電柱の腕金に支持可能な支持金物と、1本の棒状の金物を折り曲げてU字状にした金属棒と、該金属棒の支持金物から等距離の位置に取り付けられる2つの余長受け部とを備えたケーブル余長処理具を用いる方法が挙げられる(特許文献1参照)。このケーブル余長処理具は、2つの余長受け部にケーブルの余長部を巻き付けることで環状に束ねるものである。
特開2008−26376号公報
しかし、ケーブルの余長部を環状に巻き付ける際に、ケーブルの余長部を一方向に連続して回すため、その度にケーブルの余長部がひねられながら束ねられていく。このようにひねられることにより、ねじれた状態は、ケーブルにとって負担となっていた。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、ケーブルの余長部を設ける際に余長部がねじれにくいケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法を提供することを課題とする。
本発明に係るケーブル余長処理具は、ケーブルを支持する支持構造体に所定高さで固定されてケーブルの余長部を処理するケーブル余長処理具であって、ケーブルの余長部を巻き取り収納可能な2つの巻取り部と、該巻取り部を開閉自在に連結する連結部とを備え、巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、各ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能な棒状の掛止部と、該掛止部に掛止されるケーブルの余長部の幅方向の移動を規制する規制部とを備え、複数のガイド部は、複数の掛止部を所定の間隔をあけて円周上に配置されており、2つの巻取り部の少なくともいずれかの各掛止部は、ケーブルの余長部を掛止する方向に回動自在になっている掛止面を有し、2つの巻取り部は、一方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を反時計回りに巻き付け、且つ、巻取り部を互いに向き合うように閉じることが可能に構成されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、2つの巻取り部にケーブルの余長部を巻き付けた結果、余長部は、一方の巻取り部に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。このように、余長部を2つの巻取り部に8の字状に巻き付けることにより、余長部は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。更に、この2つの巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部を環状にすることができるとともに、その余長部の設置スペースを省スペースにすることができる。このようにして、余長部を環状に巻き取って支持構造体に所定高さに固定する際に余長部をねじれにくくすることができる。
また、ケーブルの余長部は、それぞれの巻取り部の掛止部に沿って巻き付けられる。巻き付ける余長部は、その幅方向の移動を本体部と規制部との間に規制されており、掛止部から脱落しないようになっている。よって、余長部を各巻取り部に確実に巻き付けることができる。
本発明に係るケーブル余長処理具のガイド部は、本体部に対して着脱自在に取り付け可能な取付部を更に備え、本体部に対して取り付け位置を変更可能に構成されてなることが好ましい。
かかる構成によれば、ケーブルの余長部を巻き付ける際の作業者の位置又は姿勢などにより、本体部に対するそのガイド部の取り付け位置を取付部によって適当な位置に変更することができる。
本発明に係るケーブル余長処理具は、一方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を反時計回りに巻き付けた長さを単位巻取り長さとし、ケーブルの余長部は、単位巻取り長さによる巻取りを複数回巻き取ることによりすべて巻き取られ、巻取り部は、最後に巻き取られるケーブルの余長部の部分が単位巻取り長さより短いときにこの部分を巻取り可能な巻取り手段を更に備えることが好ましい。
かかる構成によれば、ケーブルの余長部を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部の部分が単位巻取り長さより短いため、巻取り部にすべて巻き取ることができないようなときであっても、余長部を最後まで巻取り部に巻き取ることができる。
本発明に係るケーブル余長処理具の巻取り手段は、ケーブルの余長部を掛止可能な掛止部を備え、掛止部は、最後に巻き取られるケーブルの余長部の部分の長さに応じて掛止位置を変更可能であることが好ましい。
かかる構成によれば、ケーブルの余長部を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部の部分が単位巻取り長さより短いため、巻取り部にすべて巻き取ることができないようなときであっても、余長部は、最後に巻き取られる余長部の部分の長さに応じて掛止部の掛止位置が変更されることにより、余長部を最後まで巻取り部に巻き取ることができる。
本発明に係るケーブル余長処理具は、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを開いた状態に維持可能な開状態維持手段を更に備えることが好ましい。
かかる構成によれば、開状態維持手段を用いて一方の巻取り部と他方の巻取り部とを開いた状態に維持されることができ、それぞれの巻取り部の姿勢を安定させた状態でケーブルの余長部を巻取り部に巻き付けることができる。このように、ケーブルの余長部を2つの巻取り部に巻き付けやすくすることができる。
本発明に係るケーブル余長処理具は、巻取り部を支持構造体に固定可能な固定手段を更に備えることが好ましい。かかる構成によれば、固定手段で支持構造体に固定して巻き付け作業を行うことができる。
本発明に係るケーブルの余長部を処理する方法は、ケーブルの余長部を一方の巻取り部の複数の掛止部に沿って時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿って反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを閉じることを特徴とする。
かかる構成によれば、2つの巻取り部にケーブルの余長部を巻き付けた結果、余長部は、一方の巻取り部に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。このように、余長部を2つの巻取り部に8の字状に巻き付けることにより、余長部は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。更に、この2つの巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部を環状にすることができるとともに、その余長部の設置スペースを省スペースにすることができる。このようにして、余長部を環状に巻き取って支持構造体に所定高さで固定する際に余長部をねじれにくくすることができる。
以上の如く、本発明に係るケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法によれば、ケーブルの余長部を設ける際に余長部がねじれにくいという優れた効果を奏する。
第1実施形態に係るケーブル余長処理具の開いた状態の正面図を示す。 (a)〜(c)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具の各要部の詳細図を示す。 (a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具の各要部の詳細図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の正面図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の左側面図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具を用いる際の作業状況を示す概観図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。 (a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。 (a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。 第2実施形態に係るケーブル余長処理具の開いた状態の正面図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の正面図を示す。 同実施形態に係るケーブル余長処理具を用いる際の作業状況を示す概観図を示す。 第3実施形態に係るケーブル余長処理具の巻取り部及び連結部の正面図を示す。
以下、本発明に係るケーブル余長処理具の第1実施形態について、図面を参酌しつつ、説明する。
<第1実施形態>
まず、同実施形態に係るケーブル余長処理具の構成について、図1〜図5を参酌しつつ説明する。図1〜図3は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1の開いた状態を示す図である。図1は、正面図、図2(a)は、図1のA−A線断面図、同図(b)は、図1のB−B線断面図、同図(c)は、図1のC−C線断面図、図3(a)は、図1のD−D線断面図、同図(b)は、図1のE−E線断面図、である。図4及び図5は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1の閉じた状態を示す図である。図4は、正面図、図5は、左側面図、である。
同実施形態に係るケーブル余長処理具1は、図1に示すように、ケーブルの余長部を巻き取り収納可能な2つの巻取り部2,3と、該巻取り部2,3を開閉自在に連結する連結部4と、一方の巻取り部2と他方の巻取り部3とを開いた状態に維持可能な開状態維持手段5と、一方の巻取り部2と他方の巻取り部3とを閉じた状態に維持可能な閉状態維持手段6と、巻取り部2を電柱に固定可能な固定手段7とを備える。
2つの巻取り部2,3は、連結部4の左側に連結される第1巻取り部2と、連結部4の右側に連結される第2巻取り部3とを備える。第1巻取り部2には、ケーブルの余長部が時計回りに巻き付けられる。第2巻取り部3には、ケーブルの余長部が反時計回りに巻き付けられる。そして、巻取り部2、3は、互いに向き合うように閉じることが可能に構成される。2つの巻取り部2,3は、第1巻取り部2に余長部を時計回りに巻き付けるとともに、第2巻取り部3に余長部を反時計回りに巻き付け、8の字状に巻き付けられた状態の長さを単位巻取り長さとし、余長部は、単位巻取り長さによる巻取りを複数回巻き取ることによりすべて巻き取られる。
第1巻取り部2は、連結部4に連結される本体部21と、該本体部21に取り付けられ、余長部をガイドする複数のガイド部22,…と、最後に巻き取られる余長部の部分が単位巻取り長さより短いときにこの部分を巻取り可能な巻取り手段23,…とを備える。
本体部21は、連結部4が連結される一端部(右側の辺)が略直線状に形成され、他端部(左側の辺)が略半円状に形成される板状部材である。この本体部21の中央部には、略円形状の開口を有する。本体部21の上端部には、図1及び図3(b)に示すように、固定手段7と連結可能な固定手段連結部21aが設けられる。固定手段連結部21aは、本体部21に対して直角方向に突出するアングル部材21bと、該アングル部材21bの本体部21に対して直角方向の面に形成されるボルト締付用孔21c,21cとを備える。
ガイド部22は、図1及び図2(a),(b)に示すように、余長部を掛止可能な掛止部24と、余長部が掛止部24から脱落しないように、掛止部24に掛止される余長部の幅方向の移動を規制する脱落防止板(規制部)25と、掛止部24を本体部21に対して取り付けるための取付部26と、掛止部24及び脱落防止板25を結合する結合部27とを備える。
ガイド部22,…は、本体部21の開口に沿って必要個所に設けられる。余長部をガイド部22,…に巻き付ける際に、余長部が本体部21に沿うように形成されるとともに、それ以外の余長部が沿わない範囲には、本体部21が形成されないようになっている。よって、本体部21は、余長部が沿わない範囲を除くことにより、軽量化を図り、且つ、風を受ける面積を減らして電柱にかかる耐荷重を低減する。
掛止部24は、余長部を掛け止めることで第1巻取り部2に余長部を巻取り可能に構成される。掛止部24は、余長部に対して行う操作に合わせて適宜必要な機能を有する。掛止部24は、余長部を掛け止める掛止面が余長部を掛け止める方向に沿う方向に回動する(以下、掛止部24を「回動掛止部24」と称する)。回動掛止部24は、本体部21に対して直角に突出する棒状の支持軸24aと、該支持軸24aに挿通されて回動自在に装着される円筒状の回転体24bとを備える。
脱落防止板25は、本体部21から所定間隔離間した位置に固定すべく、回動掛止部24,…の一端部に取付けられる。本実施形態に係る脱落防止板25は、円弧状の形状をした板状部材であり、略同一の幅を有している。
取付部26は、本体部21に対して回動掛止部24を取付け可能に構成される。取付部26は、本体部21の所定個所に形成された挿通孔26bと、回動掛止部24の一端部に設けられる雄ねじ26aと、本体部21から抜け落ちないように締め付けるナット26cとを備える。
挿通孔26bは、本体部21の略中間部に設けられる開口部の上半分に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた回動掛止部24は、その挿通孔26bが形成された本体部21の開口部の上半分に沿って取り付けられる。
結合部27は、回動掛止部24に対して脱落防止板25を結合可能に構成される。結合部27は、脱落防止板25に設けられ、本体部21の所定個所に形成された挿通孔26bに対応する個所に形成された支持軸24aより小径の挿通孔27aと、回動掛止部24の他端部に設けられ、挿通孔27aを挿入可能な雄ねじ27bと、脱落防止板25を雄ねじ27bを抜け落ちないように締め付けるナット27cとを備える。
結合部27は、回動掛止部24が本体部21の開口部の上半分に沿って設けられている状態で、各回動掛止部24の雄ねじ27bに脱落防止板25の挿通孔27aを挿通させ、ナット27cを締め付けて結合する。なお、挿通孔27aは、支持軸24aより小径であるため、雄ねじ27bよりも本体部21側に移動しないようになっている。
このときに、脱落防止板25は、回動掛止部24から本体部21の開口部の略中心から外側に向かって所定の幅を有するように備える。よって、第1巻取り部2に巻き付ける余長部は、本体部21と脱落防止板25との間で幅方向の移動を規制可能になっている。
巻取り手段23は、余長部を掛止可能な掛止部28と、本体部21に対して取り付けるための取付部26とを備える。
掛止部28は、最後に巻き取られる余長部の部分の長さに応じて掛止位置を変更可能である。掛止部28は、余長部を掛け止める掛止面が回動する回動掛止部24と、該回動掛止部24を支持軸24aの軸芯に対して略直角方向に位置変更可能な位置変更手段28aとを備える。
位置変更手段28aは、スプリングによって一方向から他方向に位置変更可能に形成される変位機構28bと、回動掛止部24が設けられる可動部材28cと、取付部26の雄ねじ26aが設けられる固定部材28dとを備える。
変位機構28bは、スプリング28eと、該スプリング28eの内側に相通され、一端を可動部材28cに固定される軸部28fと、一端部にスプリング28eが当接され、他端部に固定部材28dが固定され、その内周に軸部28fを挿入可能な円筒案内部28gとを備える軸ばねである。変位機構28bは、軸部28fを円筒案内部28gに挿入する方向に押圧することにより、スプリング28eの弾性に反発しながら変位し、挿入する方向への押圧を解除することにより、スプリング28eの弾性により、押圧する前の位置に戻るようになっている。
可動部材28cは、変位機構28bの変位する方向に対して回動掛止部24の回転軸24aが直交するように、軸部28fの軸芯方向に直交するように設けられ且つ本体部21側の端部が軸部28fの軸芯方向であって、軸部28fから離れる方向に延長される、断面形状が略直角の部材である。可動部材28cは、軸部28fの軸芯方向と直交するように設けられている。
固定部材28dは、円筒案内部28gの筒芯方向に直交するように設けられ且つ本体部21側の端部が円筒案内部28gの筒芯方向であって、円筒案内部28g側に延長される、断面形状が略直角の部材である。固定部材28dは、軸部28fの軸芯方向に沿う面に直交する方向に雄ねじ26aが形成されている。雄ねじ26aの位置は、変位機構28bが変位していない状態で、可動部材28cに設けられた回動掛止部24の回転軸24aの軸芯が略一致する位置となっている。
取付部26の挿通孔26bは、本体部21の略中間部に設けられる開口部の下半分に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた巻取り手段23は、その挿通孔26bが形成された本体部21の開口部の下半分に沿って取り付けられる。
第2巻取り部3は、連結部4に連結される本体部31と、該本体部31に取り付けられ、余長部をガイドする複数のガイド部32,…とを備える。
本体部31は、固定手段連結部21aを除き第1巻取り部2の本体部21と同様の形状に形成される板状部材である。各本体部21,31は、連結部4に対して左右対称となるように配置され、本体部21と同様に、余長部が本体部21に沿うように形成されるとともに、それ以外の余長部が沿わない範囲を除くことにより軽量化を図り、且つ、本体部21を避けて通過する風の通過を妨げないようにして電柱にかかる耐荷重を低減している。
ガイド部32は、図1及び図3(a)に示すように、余長部を掛止可能な掛止部34と、該掛止部34に掛止される余長部の幅方向の移動を規制する脱落防止板25と、掛止部34を本体部31に対して取り付けるための取付部26と、掛止部34及び脱落防止板25を結合する結合部27とを備える。
掛止部34は、余長部を掛け止めることで第2巻取り部3に余長部を巻取り可能に構成される。掛止部34は、余長部に対して行う操作に合わせて適宜必要な機能を有する。掛止部34は、余長部を掛け止める掛止面が余長部を回動不能に掛け止める(以下、掛止部34を「不動掛止部34」と称する)。不動掛止部34は、本体部31に対して直角に突出する棒状の支持軸24aからなる。
取付部26は、本体部31に対して不動掛止部34を取付け可能に構成される。取付部26は、本体部31の所定個所に形成された挿通孔26bと、不動掛止部34の一端部に設けられる雄ねじ26aと、本体部31から抜け落ちないように締め付けるナット26cとを備える。
挿通孔26b,…は、本体部21の略中間部に設けられる開口部の上下方向左側45度程度から右側135度程度までの範囲に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた不動掛止部34は、その挿通孔26bが形成された本体部31の開口部の上下方向左側45度程度から右側135度程度までの範囲に沿って取り付けられる。
結合部27は、不動掛止部34に対して脱落防止板25を結合可能に構成される。結合部27は、脱落防止板25に設けられ、本体部21の所定個所に形成された挿通孔26bに対応する個所に形成された支持軸24aより小径の挿通孔27aと、不動掛止部34の他端部に設けられ、挿通孔27aと挿入可能な雄ねじ27bと、脱落防止板25を抜け落ちないように締め付けるナット27cとを備える。
結合部27は、不動掛止部34が本体部21の開口部の上下方向左側45度程度から右側135度程度までの範囲に沿って設けられている状態で、各不動掛止部34の雄ねじ27bに脱落防止板25の挿通孔27aを挿通させ、ナット27cを締め付けて結合する。なお、挿通孔27aは、支持軸24aより小径であるため、雄ねじ27bよりも本体部31側に移動しないようになっている。
このときに、脱落防止板25は、掛止部34から本体部31の開口部の略中心から外側に向かって所定の幅を有するように備える。よって、第2巻取り部3に巻き付ける余長部は、本体部31と脱落防止板25との間で幅方向の移動を規制可能になっている。
連結部4は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを所定間隔離間すべく、所定の長さを有する板状の連結板41,41と、該連結板41,41の両端部に設けられ、第1巻取り部2又は第2巻取り部3と連結板41,41とをそれぞれ連結する蝶番42,…とを備える。連結板41,41は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の直線状に形成された一端部の上下端部に設けられる。蝶番42,…は、余長部を巻き付けた各巻取り部2,3を互いに向き合う方向に開閉可能に構成される。
連結部4は、第1巻取り部2と連結板41とが直角に曲げられ、第2巻取り部3と連結板41とが直角に曲げられることにより、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが所定間隔離間した状態で向き合うようになっている。このとき、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを離間する隙間は、余長部を収納することができる幅となる。連結部4は、この余長部の線径及び巻き束ねる回数などを考慮して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを離間する長さを設定する。
開状態維持手段5は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態に維持可能な開状態維持部材51と、該開状態維持部材51を回動自在に本体部21に嵌め込む軸受孔52と、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態で保持するときに開状態維持部材51を第1巻取り部2と第2巻取り部3とに跨いで保持させる開位置保持孔53と、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態を解除するときに開状態維持部材51を第1巻取り部2側に収容する収容孔54とを備える。
開状態維持部材51は、軸受孔52と開位置保持孔53との離間距離と略同一の長さを有する軸部55と、該軸部55の一端部を略直角に曲げ且つ軸受孔52に抜け止めされて挿入される位置係止部56と、軸部55の他端部を略直角に曲げ且つ開位置保持孔53若しくは収容孔54に挿入可能な開閉抑止部57とを備える。
開状態維持手段5は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態に保持するとき、軸受孔52を回動中心に開状態維持部材51を回動させて、開閉抑止部57を開位置保持孔53に嵌め込んで、第1巻取り部2及び連結板41,41と、第2巻取り部3及び連結板41,41とを閉じないようにして、開いた状態に保持することができる。一方、開状態維持手段5は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態を解除するとき、開閉抑止部57を開位置保持孔53から外すことで、第1巻取り部2及び連結板41,41と、第2巻取り部3及び連結板41,41とを開閉自在とすることができる。この状態のままでは、開状態維持手段5は、軸受孔52を回動中心に開状態維持部材51が鉛直下方に不安定にぶら下がることになるため、そのほかの作業の邪魔となるのを防止するために、開閉抑止部57を収容孔54に嵌め込んで、第1巻取り部2側に収納することができるようになっている。
閉状態維持手段6は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持可能な閉状態維持部材61と、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で保持するときに開状態維持部材61を第2巻取り部3の本体部31に保持可能な閉位置保持孔62とを備える。
閉状態維持部材61は、図2(c)に示すように、第1巻取り部2に固定された固定部63と、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じたときに第1巻取り部2の本体部21から第2巻取り部3の本体部31までの長さを有し、第2巻取り部3と離接方向に回動可能に構成された軸で固定部63に取り付けられる回動部64と、第2巻取り部3と離接方向に回動可能に構成された軸で回動部64に設けられる閉位置保持孔62に嵌め込む爪を有する係止部65とを備える。閉位置保持孔62は、第2巻取り部3に設けられ、閉状態維持部材61の係止部65の爪を嵌め込むことが可能な開口である。
閉状態維持部材61は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じたときに、閉位置保持孔62に閉状態維持部材61の係止部65の爪を嵌め込むことで第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持することができる。閉状態維持部材61は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開くとき、閉位置保持孔62に閉状態維持部材61の係止部65の爪を外すことで第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態から開くことができる。
固定手段7は、ケーブルを第1巻取り部2に案内する腕金82である固定部材71と、該固定部材71及び第1巻取り部2を腕金82に連結する連結部材72と、固定部材71に余長部を支持するケーブル支持部材73とを備える。
連結部材72は、固定部材71の略中間を貫通した連結孔74と、腕金82に開けた貫通孔82aと連結孔74と固定手段連結部21aのボルト締付用孔21cを挿通可能なボルト75a及び該ボルト75aを締め付け可能なナット75bからなる連結手段75とを備える。
ケーブル支持部材73は、図3(b)に示すように、電柱の腕金に固定された余長部を第1巻取り部2に巻き付けるときに、ケーブルを受けるケーブル受け金物76と、ケーブルの吊線を固定する吊線固定金物77と、吊線を引き留める吊線引き留め金物78とを備える。
次に、同実施形態に係るケーブル余長処理具1を用いてケーブルの余長部を処理する以下の5つのケースについて、図6〜図10を参酌しつつ説明する。図6は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1を用いる際の作業状況を示す概観図である。図7〜10は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1に余長部を巻き付ける一工程を表す説明図である。
ここで説明する5つのケースとは、ケーブル83の新設時などで、新たに余長部84をケーブル余長処理具1を用いて8の字状に巻き付け収納する場合(ケース1)と、電柱81が移設されるなどして、架設させるケーブル83の全長が移設前のケーブル83の全長より長くなり、余長部84からケーブル83を取り外し架設するケーブル83の全長を延長する場合で、余長部84から第2巻取り部3側(右側)にケーブル83を延長する場合(ケース2)及び余長部84から第1巻取り部3側(左側)にケーブル83を延長する場合(ケース3)と、電柱81が移設されるなどして、架設させるケーブル83の全長が移設前のケーブル83の全長より短くなり、余長部84からケーブル83を巻き付け架設するケーブル83の全長を短縮する場合で、余長部84から第2巻取り部3側(右側)にケーブル83を短縮する場合(ケース4)及び余長部84から第1巻取り部3側(左側)にケーブル83を短縮する場合(ケース5)とを挙げる。
まず、ケース(1)について、図6〜図10を参酌しつつ説明する。最初に、ケーブル83の余長部84を設ける電柱81の腕金82にケーブル余長処理具1を設置する処理具設置工程を行う。このとき、予め腕金82には、固定手段7の連結部材72の連結孔74を固定する位置の上下方向に貫通孔82aが設けられている。第1実施形態に係るケーブル余長処理具1を用いる場合は、主に高所作業車で第1巻取り部2の正面に作業者が来るようにして作業が行われる(図6参照)。処理具設置工程は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態にして、連結手段75のボルト75aを固定手段連結部21aのボルト締付用孔21cと連結部材72の連結孔74と腕金82の貫通孔82aとに連続して挿通させて、ナット75bで締め付ける。
処理具設置工程の後、ケーブル余長処理具1にケーブル83の余長部84を巻き付ける巻き付け工程を行う。巻き付け工程は、閉状態維持手段6を解除して第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開閉自在にし、開状態維持手段5で第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態に維持させる処理具開状態変更工程と、該処理具開状態変更工程の後、余長部84をケーブル支持部材73に接続するケーブル接続工程と、該ケーブル接続工程の後、余長部84を第1巻取り部2及び第2巻取り部3に巻き付ける巻き付け工程と、該巻き付け工程の後、開状態維持手段5を解除して第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開閉自在にし、閉状態維持手段6で第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持させる処理具閉状態変更工程とを備える。
処理具開状態変更工程は、閉状態維持手段6の係止部65の爪を閉位置保持孔62から外して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態にする。次に、開状態維持手段5の開状態維持部材51の開閉抑止部57を収容孔54から開位置保持孔53に変更して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態に維持させる。
ケーブル接続工程は、架設したケーブル83から余長部84を第1巻取り部2に巻き付けるべく、固定手段7のケーブル支持部材73に固定する。まず、ケーブル83をケーブル受け金物76で受け、吊線を吊線引き留め金物78に引き留め、吊線固定金物77に固定する。
巻き付け工程は、一方側に架設されるケーブル83Aと他方側から架設されるケーブル83Bとの余長部84を第1巻取り部2の上方で交差させて、第1巻取り部2に掛ける(図7参照)。この状態にある第1巻取り部2の右側の余長部84(第1巻取り部2に対して連結部4側)を把持し、第1巻取り部2の下方から上方に向けて時計回りに巻き付ける。第1巻取り部2の上方まで巻き付けた後、次に、第2巻取り部3に巻き付けるべく、連結部4を跨いで第2巻取り部3の下方から上方に向けて反時計回りに巻き付ける。これを余長部84がすべて巻き付けられるまで繰り返し、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを交互に巻き付け、すなわち、8の字状になるように巻き付ける(図8参照)。
このとき、第1巻取り部2及び第2巻取り部3に巻きつけた余長部84に張力がかかるような場合であっても、第1巻取り部2に余長部84を巻き付ける掛止部24の掛止位置が内側に変位することにより、第1巻取り部2の巻き付けられる1回り分の余長部84の長さが短くなり、張力を緩和することができる。
また、ケーブル83の余長部84を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部84の部分が単位巻取り長さより短いため、第1巻取り部2にすべて巻き取ることができないようなとき(図9(a)参照)であっても、その最後に巻き取られる余長部84の部分が第1巻取り部2に巻き付け可能な長さより長いときは、第1巻取り部2に2回巻き付け、その最後に巻き取られる余長部84の部分が第1巻取り部2に巻き付け可能な長さよりも短いときは、第1巻取り部2に1回巻き付ける。このとき、ケーブル83の余長部84は、最後に巻き取られる余長部84の部分の長さに応じて掛止部28の掛止位置が変更されることにより、余長部84を最後まで第1巻取り部2に巻き取ることができる(図9(b)参照)。
処理具閉状態変更工程は、開状態維持手段5の開閉抑止部57を開位置保持孔53から収容孔54に変更して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開閉自在にする(図10(a)参照)。次に、閉状態維持手段6の閉状態維持部材61の係止部65の爪を閉位置保持孔62に嵌め込んで、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持させる(図10(b)参照)。このようにして、ケーブル余長処理具1にケーブル83の余長部84を巻き付けて処理することができる。
次に、ケース(2)について、説明する。最初に、ケース(1)の巻き付け工程と同様に処理具開状態変更工程を行い、該処理具開状態変更工程の後に、ケーブル余長処理具1に巻き取られたケーブル83の余長部84を取り外す(解く)余長部取り外し工程を行い、該余長部取り外し工程の後、ケース(1)の巻き付け工程と同様に処理具閉状態変更工程とを行う。
余長部取り外し工程は、余長部84から第2巻取り部3側(右側)のケーブル83Bから余長部84を辿って、最後に巻き終えたケーブル83の余長部84の部分を巻取り手段23から取り外し、第1巻取り部2から一回り分の余長部84を取り外す。第1巻取り部2から取り外した余長部84の長さが必要なケーブル83Bの長さに満たない場合、更に、取り外した余長部84を辿って、第2巻取り部2からも1回り分の余長部84を取り外す。そして、第1巻取り部2から取り外した余長部84の長さが必要なケーブル83Bの長さを超えるまで、第1巻取り部2及び第2巻取り部3から交互に余長部84を取り外す。必要となる長さの余長部84が巻取り部2,3から取り外されると、ケーブル83Bを引き上げて、ケーブル83Bの架設長さを調整する。このとき、引き上げるケーブル83の余長部84は、回動掛止部24によって回転体24aを回転させながら引き上げるため、ケーブル83の外皮を摺ることなく引き上げられ、引き上げる際の抵抗も低くなる。
ケーブル83Bの架設長さを調整し、巻取り部2,3から取り外したケーブル83の余長部84のすべてを調整に使用されず残るような場合は、ケース(1)の巻き付け工程と同様に、再び、巻取り部2,3に巻き付けて、処理具閉状態変更工程を行い、再び、余長部84を巻き取る。
ケース(4)についても、巻き取られた余長部84を取り外さず、ケース(1)の巻き付け工程と同様に、巻取り部2,3にケーブル83を巻き付けて、余長部84から第2巻取り部3側(右側)にケーブル83を短縮する。
ケース(3)について、ケース(2)の巻き付け工程で巻取り部2,3の両方に巻き取られたすべての余長部84を取り外し、必要長さのケーブル83を余長部84から第1巻取り部2側(左側)に延長したあと、残りの余長部84をケース(1)の巻き付け工程と同様に、巻取り部2,3にケーブル83を巻き付けることで、余長部84から第1巻取り部3側(左側)にケーブル83を延長する。なお、巻取り部2,3から余長部84を取り外す際、1回り分づつ取り外し、地上に余長部84が急に垂れ下がらないようにして行われるが、一度に取り外すようにしてもよい。なお、ケース(5)については、ケース(3)と同様である。
このように、2つの巻取り部2,3に余長部84を巻き付けた結果、余長部84は、第1巻取り部2に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、第2巻取り部3に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。余長部84を2つの巻取り部2,3に8の字状に巻き付けることにより、余長部84は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。更に、この2つの巻取り部2,3を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部84を環状にすることができるとともに、その余長部84の設置スペースを省スペースにすることができる。このようにして、余長部84を環状に巻き取って電柱の腕金に固定する際に余長部84をねじれにくくすることができる。
余長部84は、それぞれの巻取り部2,3の掛止部24,…,34,…に沿って巻き付けられる。巻き付ける余長部84は、その幅方向の移動を本体部21,31と脱落防止板25との間に規制されており、掛止部24,…,34,…から脱落しないようになっている。よって、余長部84を各巻取り部2,3に確実に巻き付けることができる。
余長部84を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部84の部分が単位巻取り長さより短いため、巻取り部2,3にすべて巻き取ることができないようなときであっても、余長部84を最後まで巻取り部2,3に巻き取ることができる。
余長部84を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部84の部分が単位巻取り長さより短いため、巻取り部2,3にすべて巻き取ることができないようなときであっても、余長部84は、最後に巻き取られる余長部84の部分の長さに応じて掛止部24,…,34,…の掛止位置が変更されることにより、余長部84を最後まで巻取り部2,3に巻き取ることができる。
余長部84は、開状態維持手段5を用いて第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態に維持させることができ、それぞれの巻取り部の2,3の姿勢を安定させた状態で余長部84を巻取り部2,3に巻き付けることができる。このように、余長部84を2つの巻取り部2,3に巻き付けやすくすることができる。また、固定手段7で電柱81に固定して巻き付け作業を行うことができる。
次に、本発明に係るケーブル余長処理具の第2実施形態について、図面を参酌しつつ、説明する。なお、第1実施形態に係るケーブル余長処理具1と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
<第2実施形態>
まず、同実施形態に係るケーブル余長処理具の構成について、図11〜図13を参酌しつつ説明する。図11は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101の開いた状態を示す正面図である。図12は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101の閉じた状態を示す正面図である。
同実施形態に係るケーブル余長処理具1は、図11及び図12に示すように、ケーブルの余長部を巻き取り収納可能な2つの巻取り部102,103と、該巻取り部102,103を開閉自在に連結する連結部4と、一方の巻取り部2と他方の巻取り部3とを閉じた状態に維持可能な閉状態維持手段6と、巻取り部2を電柱に固定可能な固定手段7とを備える。
2つの巻取り部102,103は、第1実施形態に係るケーブル余長処理具1と異なり一方の巻取り部102を上側に、他方の巻取り部103を下側にして電柱の腕金に設置される。これに伴い、本実施形態に係るケーブル余長処理具101は、巻取り部102,103に取り付けられる固定手段連結部121a、ガイド部22,32及び巻取り手段23の取り付け位置が異なり、また、閉状態維持手段5が設けられていない点以外は同一であるため、これらの相違する部分を中心に以下説明する。
第1巻取り部102の(腕金に設置するときの姿勢における)本体部121の上端部には、固定手段7と連結可能な固定手段連結部121aが設けられる。ガイド部22の取付部26の挿通孔26bは、(腕金に設置するときの姿勢における)本体部121の略中間部に設けられる開口部の上半分に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた回動掛止部24は、その挿通孔26bが形成された本体部121の開口部の上半分に沿って取り付けられる。結合部27は、回動掛止部24に対して脱落防止板25を結合可能に構成される。また、巻取り手段23の取付部26の挿通孔26bは、(腕金に設置するときの姿勢における)本体部121の略中間部に設けられる開口部の下半分に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた巻取り手段23は、その挿通孔26bが形成された本体部121の開口部の下半分に沿って取り付けられる。
第2巻取り部103の取付部26の挿通孔26bは、(腕金に設置するときの姿勢における)本体部131の略中間部に設けられる開口部の下半分に沿って複数箇所設けられている。雄ねじ26aが設けられた不動掛止部34は、その挿通孔26bが形成された本体部131の開口部の下半分に沿って取り付けられる。結合部27は、不動掛止部34に対して脱落防止板25を結合可能に構成される。
同実施形態に係るケーブル余長処理具101は、高所作業車が使用できないような場合であって、図13に示すように作業者が電柱81の足場ボルト81aに登って作業する場合に適したケーブル余長処理具101である。具体的な余長部84の処理方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、作業者が電柱81の足場ボルト81aに登って作業する場合、第1巻取り部102及び第2巻取り部103が作業者の手の届く範囲に配置することができ、高所作業車を利用しなくても余長部84を処理することができる。
次に、本発明に係るケーブル余長処理具の第3実施形態について、図面を参酌しつつ、説明する。なお、第1及び第2実施形態に係るケーブル余長処理具1,101と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
<第3実施形態>
まず、同実施形態に係るケーブル余長処理具の構成について、図14を参酌しつつ説明する。図14は、同実施形態に係るケーブル余長処理具201の巻取り部202,203及び連結部4を示す正面図である。
本実施形態に係るケーブル余長処理具201は、第1及び第2実施形態に係るケーブル余長処理具1,101の両方の形態を利用可能なように、巻取り部102,103に取り付けられる固定手段連結部121a、ガイド部22,32及び巻取り手段23の取り付け位置が異なる以外は、同一であるため、これらの相違する部分を中心に以下に説明する。
第1巻取り部202の(腕金に設置するときの姿勢における)本体部121の上端部になる位置には、すなわち、第1実施形態のように腕金に対して第1巻取り部202と第2巻取り部203とが左右に配置される姿勢にて本体部121の上端部に、及び、第2実施形態のように腕金に対して第1巻取り部202と第2巻取り部203とが上下に配置される姿勢にて本体部121の上端部には、それぞれ固定手段7と連結可能な固定手段連結部221a,221aが設けられる。よって、固定手段連結部221a,221aは、第1巻取り部202と第2巻取り部203とを左右に配置されるような姿勢において、第1巻取り部202の上端部と左端部とに設けられる。
ガイド部22の取付部26の挿通孔26bも、同様に、本体部221の略中間部に設けられる開口部の上半分に沿って複数箇所設けられるとともに、開口部の左半分に沿って複数箇所設けられている。巻取り手段23の取付部26の挿通孔26bは、本体部221の略中間部に設けられる開口部の下半分に沿って複数箇所設けられるとともに、開口部の右半分に沿って複数箇所設けられている。ガイド部32の取付部26の挿通孔26bは、本体部231の略中間部に設けられる開口部の上方左45度程度から右側135度程度までの範囲に沿って複数箇所設けられるとともに、開口部の右半分に沿って複数箇所設けられている。
なお、本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態に係るガイド部22,32は、略均等に4箇所設ける例に合わせて図14に記載している。また、第1実施形態及び第2実施形態に係る巻取り手段23も、略等間隔に2箇所設ける例に合わせて図14に記載している。よって、第1実施形態にように腕金に対して第1巻取り部202と第2巻取り部203を左右に配置して利用する場合の取付部26の挿通孔26bの位置と、第2実施形態にように腕金に対して第2巻取り部202と第2巻取り部203を上下に配置して利用する場合の取付部26の挿通孔26bの位置とを個別に設けている。
同実施形態に係るケーブル余長処理具201は、第1実施形態のように高所作業車を利用できる場合は、腕金に対して第1巻取り部202と第2巻取り部203を左右に配置して利用するのに適した位置に固定手段連結部221a、ガイド部22,32、巻取り手段23、脱落防止板25を取り付けることで、第1実施形態で示すような作用・効果を得ることができる。第2実施形態のように高所作業車が使用できないような場合であって、作業者が電柱の足場ボルトに登って作業する場合は、腕金に対して第1巻取り部202と第2巻取り部203を上下に配置して利用するのに適した位置に固定手段連結部221a、ガイド部22,32、巻取り手段23、脱落防止板25を取り付けることで、第2実施形態で示すような作用・効果を得ることができる。なお、具体的な工程については、第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記第1〜第3実施形態に係るケーブル余長処理具1,101,201は、電柱の腕金に固定される光ファイバケーブルの余長部を処理する例を説明したが、これに限定されるものではない。ケーブル余長処理具は、通信ケーブルや電力ケーブルなどのケーブルであって、ケーブルの余長部が設けられるものに利用されてもよい。
上記第1〜第3実施形態に係るケーブル余長処理具1,101,201は、電柱の腕金に固定されて余長部を処理する例を説明したが、これに限定されず、鉄塔やビル壁面、地下ピット、配線ピット、共同溝などに設けられる腕金やケーブルラックなどの支持構造体に架設されて余長部を処理するものであってもよい。具体的には、ケーブル余長処理具は、地上からビル壁面に沿って設けられる腕金などの高さに固定されてもよく、床面から地下ピットや配線ピット、共同構などの天井又は側壁に設けられる腕金やケーブルラックなどの高さに固定されてもよい。
上記第1〜第3実施形態に係るケーブル余長処理具1,101,201は、右側に架設されたケーブル83の余長部84の一端を最初に第1巻取り部2,102,202に時計回りに巻き付け、次に、その一端を第2巻取り部3,103,203に反時計回りに巻き付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ケーブル余長処理具は、左側に架設されたケーブルの余長部の一端を最初に第2巻取り部に反時計回りに巻き付け、次に、その一端を第1巻取り部に反時計回りに巻き付けるようにしてケーブルの余長部を処理するものであってもよい。また、ケーブル余長処理具は、架設されたケーブルより鉛直上方に配置するなどして、右側に架設されたケーブルの余長部の一端を最初に第1巻取り部に反時計回りに巻き付け、次に、その一端を第2巻取り部に時計回りに巻き付けるようにしてケーブルの余長部を処理するものであってもよい。すなわち、第1巻取り部と第2巻取り部との間にケーブルの余長部を通してから第1巻取り部及び第2巻取り部のいずれか一方に巻き付け、その後、他方の巻取り部に最初に巻き付けた巻き付け方向と逆の巻き付け方向に巻き付けるようにしてケーブルの余長部を処理するものであってもよい。
上記第1〜第3実施形態に係るケーブル余長処理具1,101,201は、ケーブルの余長部を8の字状に巻き付けるため、本体部を半円形状に形成する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各巻取り部において楕円形状若しくは該楕円形状の一部の円弧状に巻き付けられるものでもよい。
上記第1〜第3実施形態に係るケーブル余長処理具1,101,201は、第1巻取り部2,102,202に回動掛止部24及び巻取り手段23を、第2巻取り部3,103,203に不動掛止部34をそれぞれ備える例を説明したが、これに限定されるものではない。第1巻取り部に不動掛止部を設けてもよいし、逆に第2巻取り部に回動掛止部24及び巻取り手段23を設けてもよい。
1…ケーブル余長処理具、2…第1巻取り部(巻取り部)、21…本体部、21a…固定手段連結部、21b…アングル部材、21c…ボルト締付用孔、22…ガイド部、23…巻取り手段、24…回動掛止部(掛止部)、24a…支持軸、24b…回転体、25…脱落防止板(規制部)、26…取付部、26a…雄ねじ、26b…挿通孔、26c…ナット、27…結合部、27a…挿通孔、27b…雄ねじ、27c…ナット、28…掛止部、28a…位置変更手段、28b…変位機構、28c…可動部材、28d…固定部材、28e…スプリング、28f…軸部、28g…円筒案内部、3…第2巻取り部、31…本体部、32…ガイド部、34…不動掛止部(掛止部)、34a…支持軸、4…連結部、41…連結板、42…蝶番、5…開状態維持手段、51…開状態維持部材、52…軸受孔、53…開位置保持孔、54…収容孔、55…軸部、56…位置係止部、57…開閉抑止部、6…閉状態維持手段、61…閉状態維持部材、62…閉位置保持孔、63…固定部、64…回動部、65…係止部、7…固定手段、71…固定部材、72…連結部材、73…ケーブル支持部材、74…連結孔、75…連結手段、75a…ボルト、75b…ナット、76…ケーブル受け金物、77…吊線固定金物、78…吊線引き留め金物、81…電柱、81a…足場ボルト、82…腕金、82a…貫通孔、83…ケーブル、84…余長部、101…ケーブル余長処理具、102…第1巻取り部(巻取り部)、121…本体部、121a…固定手段連結部、103…第2巻取り部、131…本体部、201…ケーブル余長処理具、202…第1巻取り部(巻取り部)、221…本体部、221a…固定手段連結部、221b…アングル部材、221c…ボルト締付用孔、203…第2巻取り部、231…本体部

Claims (7)

  1. ケーブルを支持する支持構造体に所定高さで固定されてケーブルの余長部を処理するケーブル余長処理具であって、
    ケーブルの余長部を巻き取り収納可能な2つの巻取り部と、該巻取り部を開閉自在に連結する連結部とを備え、
    巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、
    各ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能な棒状の掛止部と、該掛止部に掛止されるケーブルの余長部の幅方向の移動を規制する規制部とを備え、
    複数のガイド部は、複数の掛止部を所定の間隔をあけて円周上に配置されており、
    2つの巻取り部の少なくともいずれかの各掛止部は、ケーブルの余長部を掛止する方向に回動自在になっている掛止面を有し、
    2つの巻取り部は、一方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を反時計回りに巻き付け、且つ、巻取り部を互いに向き合うように閉じることが可能に構成されてなることを特徴とするケーブル余長処理具。
  2. ガイド部は、本体部に対して着脱自在に取り付け可能な取付部を更に備え、本体部に対して取り付け位置を変更可能に構成されてなる請求項1に記載のケーブル余長処理具。
  3. 一方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿ってケーブルの余長部を反時計回りに巻き付けた長さを単位巻取り長さとし、
    ケーブルの余長部は、単位巻取り長さによる巻取りを複数回巻き取ることによりすべて巻き取られ、
    巻取り部は、最後に巻き取られるケーブルの余長部の部分が単位巻取り長さより短いときにこの部分を巻取り可能な巻取り手段を更に備える請求項1又は2に記載のケーブル余長処理具。
  4. 巻取り手段は、ケーブルの余長部を掛止可能な掛止部を備え、
    掛止部は、最後に巻き取られるケーブルの余長部の部分の長さに応じて掛止位置を変更可能である請求項に記載のケーブル余長処理具。
  5. 一方の巻取り部と他方の巻取り部とを開いた状態に維持可能な開状態維持手段を更に備える請求項1〜のいずれか1項に記載のケーブル余長処理具。
  6. 巻取り部を支持構造体に固定可能な固定手段を更に備える請求項1〜のいずれか1項に記載のケーブル余長処理具。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のケーブル余長処理具を用いてケーブルの余長部を処理する方法であって、
    ケーブルの余長部を一方の巻取り部の複数の掛止部に沿って時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部の複数の掛止部に沿って反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを閉じることを特徴とするケーブルの余長部を処理する方法。
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