JP5153784B2 - 通信システムにおける連結符号化/復号 - Google Patents

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Description

本願の原理は通信システムに関する。
レイヤー構成にされた符号化システムは一般に知られており、通信業界全般を通じて使用されている。そのようなレイヤー構成の符号化システムの例はMIMO(Multiple Input, Multiple Output[複数入力複数出力])アーキテクチャである。これらのマルチアンテナ・システムは、空間的多重化の使用を通じて、スペクトル効率を向上させている。
MIMOシステムは、複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナが用いられるシステムである。MIMOシステムは一般に、SISO(single input single output[単一入力単一出力])システムに比べて、散乱が多い環境においてより高い容量を達成できる。MIMO機能を達成するためには種々の手法が利用できる:時空間符号は複数のチャネル使用にわたる複数の送信アンテナに適用できる;レイヤー構造は、各レイヤーに一次元符号しか適用されないところでも適用できる。レイヤー構造の例は、ベル研究所によって提案されたV-BLASTおよびD-BLASTである。V-BLASTでは、独立してエンコードされたデータ・ストリームが異なる送信アンテナを通じて送られる。よって、V-BLASTでは、レイヤーは一つのアンテナを表す。D-BLASTでは、データ・ストリーム/アンテナの関連付けは周期的に巡回される。
一般に、レイヤー・アーキテクチャは、任意の時点において、異なるアンテナが異なるレイヤーに属し、各アンテナ・インデックスが任意の時点においてただ一つのレイヤーに属するような任意のインターリーブ方法を意味する。レイヤーとは、時間の関数としてのアンテナのインデックスである。例示の目的のため、レイヤー構造が図1に示されている。ここでは、時間インデックス1から7にかけてのレイヤー1が、アンテナ・インデックス3,2,1,3,2,1,3によって表されている。
本願の原理のある一般的な側面によれば、無レート符号(rateless code)でエンコードされたデータ・ブロックについてのエンコードされたデータが受信される。前記データ・ブロックについて、初期所定量の相互情報が受信されたことが判定される。初期所定量とは、受信したエンコードされたデータのデコードを許容すると期待される量である。前記データ・ブロックについて、追加的なエンコードされたデータが受信される。前記データ・ブロックについて、前記初期所定量の相互情報を超えてある追加所定量の相互情報が受信されたことが判定される。
別の一般的な側面によれば、外側ブロック・エンコーダを使ってデータ・ブロックがエンコードされてブロック出力を生成する。ブロック出力はサブブロックに分割される。サブブロックは、内側無レート・エンコーダを使って別個にエンコードされて、エンコードされたデータのストリームを生成する。
別の一般的な側面によれば、受信されたエンコードされたデータが内側無レート・デコーダを使ってデコードされて、一連のデコードされた無レート出力を生成する。該一連のデコードされた無レート出力は組み合わされてブロックを生成する。該ブロックは外側ブロック・デコーダを使ってデコードされる。
一つまたは複数の実装の詳細が付属の図面および以下の説明において記載される。さらなる特徴は該説明および図面から、そして請求項から明白であろう。
図面において、各図を通じて、同様の参照符号は同じような構成要素を示す。
時間の関数としてアンテナのインデックスを示すレイヤー構成にされた通信構造を示す図である。 本願の原理のある側面に基づく通信システムのブロック図である。 本願の原理を組み込める例示的なMIMO通信システムのより詳細なブロック図である。 本願の原理のある側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のある側面に基づく装置のブロック図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく装置のブロック図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく装置のブロック図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のある側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく方法の流れ図である。 本願の原理のある側面に基づくデコーダのブロック図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく連結符号化を使った例示的な送信を示す図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく連結符号化を使った例示的な受信を示す図である。 本願の原理のある実装に基づく通信システムの送信機側での連結符号を使った方法の流れ図である。 本願の原理のさらなる実装に基づく通信システムの送信機側での連結符号を使った方法の流れ図である。 本願の原理のある実装に基づく通信システムの受信機側での連結符号を使った方法の流れ図である。 本願の原理のさらなる実装に基づく通信システムの受信機側での連結符号を使った方法の流れ図である。 本願の原理のある側面に基づく装置のブロック図である。 本願の原理のある側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のある側面に基づく変調方式を修正する装置のブロック図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のさらなる側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する装置のブロック図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。 本願の原理のもう一つの側面に基づく変調方式を修正する方法の流れ図である。
たとえばV-BLASTまたはD-BLASTアーキテクチャのようなレイヤー構成にされたMIMOシステムにおいて、誤り訂正を提供するために無レート符号が諸サブチャネルにわたって使用できる。そのようなシステムにおいて、符号語は、十分な情報が受信されたときにデコードできる。十分な情報が受信された時を判定するために、チャネル条件、たとえば瞬間信号対雑音比(SNR)がモニタリングされる。相互情報量(mutual information)はSNRの関数である。相互情報量を時間的に平均することによって、最大送信レートが決定できる。一つの問題は、貧弱な条件のもとでは、符号語をデコードするために十分な相互情報を蓄積するのに必要とされる時間が長くなることがあり、ストリーミング・ビデオのようなリアルタイム制約をもつシステムは不相応な遅延および誤りを被るということである。
本願の原理のある実装によれば、無レート符号でエンコードされた後続符号語の送信は、タイミングに基づくことができる。あるいはまた、通信レイヤーの容量値を得るためにSNR情報および対応して記憶されているルックアップ・テーブルを使って、受信された相互情報量の過大評価(over-estimation)を回避することができる。
図2および図3は、本願の原理のさまざまな概念を実装する通信システムの送信機102および受信機104を示している。例として、図3は、入力マルチプレクサ106と、それぞれが自分のアンテナ109をもつ複数のチャネル・エンコーダ108とを有する送信機(すなわちエンコーダ)を示すV-BLAST通信システムを示す。受信機104はデコーダ110および出力マルチプレクサ112を含む。当業者は、図2および図3の通信システムが本稿で単に例示的な目的のために開示されており、本願の原理が無レート符号を利用するいかなるレイヤー構成をもつ通信システムにも(たとえば、あらゆるMIMOシステムに)適用できることを認識するであろう。たとえば、送信機および受信機はそれぞれ、特定の用途に依存してトランシーバで置き換えることができる。当業者は、送信機102内に含まれる変調器および受信機104内に含まれる復調器が、図3では、簡単のため、示されていないことを認識するであろう。
図4を参照するに、本願の原理の一部のある実装によれば、符号語は無レート符号でエンコードされ、送信される(402)。送信に際して、あるいは送信と実質的に同じ時刻に、時間期間がモニタリングされる(404)。時間期間は、一般にあらかじめ決定されており、送信機が、送信された符号語が受信機によってうまく受信されたと想定することを可能にする長さをもつ。当業者は、この時間期間が確立され、モニタリングされるのは、本願の原理の精神から外れることなく、多くの異なる仕方でできることを認識するであろう。たとえば、時間期間は、プロセッサまたは他のコンピューティング媒体を使って、タイミング・フラグまたは他のインジケータをもつクロックを使って、および可能性としてはあらかじめ決められた各時間期間について別個のタイマーを維持して、中断(interrupts)を設定することの使用を通じて確立され、モニタリングされることができる。
前記時間期間を通じて、送信機は、受け取り確認信号(acknowledgement signal)(ACK)の形の指標信号(indication signal)が受信されたかどうかを判定する(406)。前記時間期間の間に指標信号ACKが受信されていたときは、次の符号語が送信される(410)。
前記時間期間の間に指標信号ACKが受信されていない場合は、システムは、消去フラグ(erasure flag)が受信されたかのように進行し(408)、次の符号語の後続の送信を強制する(410)。消去フラグは必ずしも送信機によって受信されなくてもよいが、符号語送信のために時間期間に従うことを送信機に強制することによって、それでもシステムのリアルタイム制約または要件が満たされることができる。
図5aは、消去フラグが否定受け取り確認(negative acknowledgement)NACKの形で具現される、本願の原理のもう一つの実装を示している。こうして、時間期間が満了したとき(504)、指標信号が受信されているかどうかに関わりなく、次の符号語が送信される(510)。時間期間の間に指標信号が受信される場合、その指標が肯定受け取り確認ACKであるか否定受け取り確認NACKであるかについて判定がされる(506)。
さまざまな実装によれば、肯定受け取り確認ACKは、送信された符号語がうまく受信されたという指標、あるいはうまく受信してうまく復号できたという指標であることができる。否定受け取り確認NACKは、送信された符号語が信頼できないかもしれないまたは完全にデコードできないかもしれないという指標であることができる。NACKが識別されるとき、送信機は、次の符号語を送信する(510)のに使われる後続の変調方式を修正する(508)。ある実装では、NACKは、送信機に、現在の変調方式がデコーダ側で機能していないことを通知するはたらきをし、送信機は後続の送信について変調方式を修正することによって応答する。
図5bに示されているもう一つの実装によれば、送信機は所定の時間期間505の間に受信されるNACKの数をモニタリングまたは計数することができる(514)。この所定の時間期間505は一般に、所定の時間期間504より長く、チャネルが本当に悪い(NACKの場合)または本当によい(ACKの場合――図5c参照)かどうかを確証するよう選択される。受信されたNACKの数が、所定の時間期間505の間に受信されるNACKの所定数以上であれば(516)、送信機は、受信機からのさらなる情報を要求することなく(たとえば、変調修正インデックスなどを要求することなく)、変調の次数(order)を下げ(たとえば、16-QAMからQPSKに)、次の符号語をそれに従って送信することによって応答できる。
逆に、図5cに示されるように、受信されたACKの数が所定の時間期間505の間に受信されるACKの所定数以上であれば(522)、送信機は、次の符号語の送信510に先立って変調の次数を上げる(たとえば、QPSKから16-QAMに)ことによって応答できる。図5bおよび図5cの実装はまた、ACKおよび/またはNACKを蓄積および計数する間に追加的な符号語を送信し続けてもよい。
図6は、本願の原理のある実装に基づく送信機102を示す図である。送信機102は、コントローラ600、プロセッサ602および少なくとも一つのメモリ/データ記憶装置608を含む。プロセッサ602は、上述のように、さまざまな本願の原理のタイマー機能を提供するために多くの異なる仕方で使用されることのできるオンボード・クロックまたはタイマー604を含む。さまざまな実装によれば、コントローラ600は、特定用途向け集積回路(ASIC)、本願の原理の一つまたは複数に従って機能するようプログラムされたプロセッサまたは本願の原理の一つまたは複数に従って機能するために必要な論理または集積回路設計の他の任意の組み合わせであることができる。メモリ608は、本願の原理の精神から外れることなく多くの異なる形で具現されることができる。たとえば、メモリ608はROM、RAM、リムーバブル・ディスク媒体、ハードドライブ、フラッシュ・メモリまたは他の任意の好適な記憶デバイスであることができる。
図7は、無レート符号でエンコードされた符号語を受信するための方法700の流れ図を示している。示されるように、無レート符号でエンコードされた符号語が受信される(702)。無レート・エンコードされた符号語702を受信する動作は、進行的な動作である。受信の間、時間期間がモニタリングされ(704)、時間期間が満了したかどうかが判定される。時間期間の満了前には、(必要なら繰り返して)符号語がうまく受信され、デコードされたかどうかが判定される(706)。もしそうであれば、符号語がうまく受信され、デコードされたという積極的な指標を提供する指標信号が送られ(708)、後続の符号語が受信される。
ステップ704で時間期間が満了し、かつ、符号語がうまく受信され復号されたことが確認されない(ステップ706)ときは、受信機は、後続の符号語の受信710を可能にするための指標信号の送信708を強制する。上述したように、この例における指標信号は、消去フラグを含んでいてもよいし、これを否定受け取り確認(NACK)において具現したものを有していてもよい。それが、その後の送信のために使用される変調方式を修正するよう、受信されたデータのソースに通知するために使われる。
ある実装によれば、送られた(708)指標信号は、変調修正インデックスまたはエンコードされた符号語のソースに対する他の変調方式修正命令を含むことができる。これは、エンコードされた符号語がうまく受信されない、および/またはうまくデコードできないとき(たとえば、NACK信号が生成され、受信データのソースに返されるとき)に特に当てはまる。上述したように、変調修正インデックスまたは他の変調方式修正命令は、受信および/またはデコードがうまくいったことが所定の時間期間内に複数回確認されるときには変調次数の正の増加であることができる。
図8は、デコーダ110およびデコーダ110の構成部分の一部のブロック図を示している。デコーダ110は受信機800、コントローラ802、プロセッサ804、少なくとも一つの形のメモリ/データ記憶装置806およびクロック808を含む。図7を参照して上述したように、デコーダ110はエンコードされた符号語を受信し、肯定的または否定的な受信条件のいずれかに応答して、エンコードされた符号語のソースに指標信号を提供する。肯定的な受信条件とは、ある実装では、エンコードされた符号語の成功裏の受信を含み、別の実装では、受信されたエンコードされた符号語の成功裏の受信およびデコードの両方を含む。否定的な受信条件は、ある実装では、受信されたデータが信頼できないと考えられ、デコードできないかもしれないことを示し、別の実装では、否定的な受信条件は、受信されたデータがデコード不可能と同定されることを示す。
上述のように、レイヤー構成にされたMIMOシステムにおける通信の間に、計算された相互情報量(制約されないチャネル容量公式を使って)は、受信機において得られる実際の相互情報量よりずっと大きいことがありうる。たとえばQPSKまたは16-QAMといった一般的な変調方式がシステムにおいて使用されるときに特にそうである。これは、相互情報量の過大評価であり、これはその後の送信に対する悪影響をもつ。
この問題を克服し、受信機において得られる相互情報量の過大評価を回避するために、各レイヤーにおいて、変調についての実際の容量公式が使用される。たとえば、SNR=5dbのとき、QPSK変調についての容量は1.7ビット/シンボルである。閉じた形の容量公式がない場合(たとえば、16-QAM変調については閉じた形の容量公式がない)、あるいは容量計算が複雑な場合(たとえば、処理時間がかかりすぎる)、通信システムにおけるレイヤー/チャネルおよび使用される変調の種別についての決定された品質計量に基づいて受信された相互情報量を得るために、ルックアップ・テーブルが使用されることができる。ある実装によれば、品質計量はレイヤーにおける信号対雑音比(SNR)である。さらに、ルックアップ・テーブル(LUT)は、通信システムにおけるレイヤー/チャネルについての決定された品質計量に基づいて通信チャネルによってサポートされる最適変調フォーマットを得るためにも、使用できる。
図9および図10を参照すると、本願の原理のさらなる実装に基づくデコーダ110が示されている。本デコーダのコントローラ900は、無レート符号でエンコードされた符号語を受信する(1002)よう構成されている。無レート符号では、送信または受信されるのは有限の長さだけであるが、符号語は無限の長さをもつものとして定義されてもよい。本願を通じて、符号語(codeword)の用語はしばしば、無限の長さの「符号語」のうち実際に送信または受信される部分を指すものとして使用される。プロセッサ902は、符号語が送信される通信媒体の品質計量を計算するよう構成される。メモリ904は、チャネルによってサポートされる最適変調フォーマットを決定するのに使われることのできるルックアップ・テーブル(LUT)・データを記憶している。LUTデータの種別は、特定の通信システムにおいて使用されるとわかっている個々の変調方式のそれぞれについてさまざまなLUTを含むであろう。そのような変調方式のいくつかの例は、これに限定されるものではないが、BPSK、QPSKおよび16-QAMを含む。
計算された品質計量は、たとえばプロセッサ902を使って、通信システムによってサポートされる最適変調フォーマットを決定する(1006)ために使用される。ひとたび決定されれば、本デコーダの前記コントローラは、修正された変調方式に基づいてその後の符号語を受信するよう構成される。修正された変調方式は、通信媒体によってサポートされ、通信媒体を通じてデータを送る(1008)ために使用されることのできる決定された最適変調フォーマットから導出された。
図11に示されるさらなる実装1100によれば、符号語を受信(1102)したのち、デコーダは受信されたデータのソースによって使用されている変調方式を識別する(1104)。次いで通信チャネルについての品質計量が、たとえばプロセッサを使って計算される(1106)。計算された品質計量(たとえば、チャネルまたはレイヤーのSNR)および既知の変調方式は、メモリ904にアクセスし、既知の変調方式に対応するLUT値を得るために使用される。通信媒体によってサポートされる最適変調フォーマットが決定される(1108)。最適変調フォーマットは、たとえば、計算された品質計量においてどの変調フォーマットのLUTが最高の期待される容量を提供するかを判別するプロセッサによって決定されうる。決定された最適変調フォーマットが現在の変調方式と異なる場合(あるいは切り換えを正当化するのに十分大きな差をもつ場合)、前記最適変調方式が新たな変調方式として同定される。ピンポン式の切り換え効果を回避するために、「ヒステリシス」値が使用できる。新しい変調方式は送信されたデータのソースにフィードバックされる(1110)。ソースは、フィードバックされた修正された変調方式を使ってその後の符号語を送ると想定される。その後のエンコードされた符号語はフィードバックされた修正された変調方式を使って受信される(1112)。もちろん、「最適」フォーマットはグローバルな最適である必要はなく、多くの実装はパフォーマンスを改善する(だが必ずしも最適化する必要はない)フォーマットを決定する。
図11aを参照すると、方法1115が示されている。さまざまな実装において、受信されている相互情報の量を決定するためにもLUTが使用される。方法1115はそのような実装の例である。方法1115は無レート符号でエンコードされたデータを受信し(1002)、チャネルについての品質計量(たとえばSNR)を決定する(1004)ことを含む。品質計量は、たとえば、メトリックを計算する、別のデバイスからメトリックを受け取る、または記憶装置からのメトリックにアクセスする、ことによって決定されうる。受信されたエンコードされたデータを送信するのに使われた変調方式が識別される(1104)。
方法1115はさらに、識別された変調方式/フォーマットおよび決定された品質計量に基づく推定値、受信されたエンコードされたデータの単位当たりに受信される相互情報の量の推定値を決定することを含む。推定値の決定は、たとえば閉じた形の容量方程式を使うなど、さまざまな方法で実行されうる。方法1115は、向上したスピードを提供しうる、閉じた形ではない容量方程式にも対応する別の実装を示している。
方法1115はさらに、識別された変調方式/フォーマットおよび決定された品質計量に基づいて特定のLUTにアクセスし(1120)、受信されたエンコードされたデータ1130の単位当たりに受信される相互情報の量の推定値を提供する前記特定のLUT内のエントリーにアクセスすることを含む。方法1115はさらに、アクセスされたエントリーに基づいて受信される相互情報の量を決定する(1140)ことを含む。ある実装では、LUTは、所与の変調フォーマットについての相互情報量を含み、各エントリーが異なるSNRに対応する一次元テーブル(たとえばリスト)である。別の実装では、LUTは、行が変調フォーマットに対応し、列がSNRに対応し、エントリーが特定の行(変調フォーマット)および列(SNR)についての相互情報量インジケータに対応する二次元テーブル(たとえばマトリクス)である。相互情報量インジケータ(LUTのエントリー)は、たとえば、識別された変調方式およびSNRに対応する容量公式に基づいて決定されうる。LUTのこの使用は、本願に記載される他の概念および側面を使うことなく実行されてもよいし、あるいは一つまたは複数の他の概念および側面と関連して使用されてもよい。
MIMOおよび他の通信システムでは、受信される相互情報を計算するために容量計算が実行されるが、残念ながら、それは典型的には近似でしかなく、時間的な極限(limit over time)において正確である。よって、全体的な受信される相互情報量が受信機によるデコードのために十分であると宣言されるときでさえ、実際には、符号語をデコードするのにはまだ不十分であることがありうる。
本願の原理のある側面によれば、この不十分さは、受信された符号語の正確なデコードを可能にする通常の量と考えられるものを超えて、受信機において追加的な相互情報の蓄積を可能にすることによって対処される。追加的な相互情報の蓄積は、デコードに成功するより高い確率を提供する。
こうして、図12aおよび図12bを参照すると、本願の原理のある実装による方法1200が示されている。最初に、無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについてのデータが受信される(1202)。次いで、そのデータ・ブロックについての相互情報(MI)の初期の所定量が受信機によって受信されたかどうかの判定がされる(1203)。この「初期の所定量」とは、受信機が受信された符号語をうまくデコードできるようにするのに十分と信じられる量である。当業者は、この「初期の所定量」が各通信システムについて異なりうるものであり、ノイズなどといったあらゆる既知の通信媒体変数を取り入れていることを認識するであろう。
ひとたび相互情報の「初期の所定量」が受信されたら、データ・ブロックについての追加的なエンコードされたデータが受信され(1204)、前記初期の所定量を超えて、そのデータ・ブロックについての相互情報の超過所定量が受信されたかどうかについてもう一つの判定がされる(1205)。ひとたび相互情報の追加的な量または「超過所定量」が蓄積されたら、受信機は受信された符号語をデコードし(1206)、次いで次の受信された送信についてのMIおよびエンコードされた符号語を受信することを続ける。符号語のデコード1206は、この実装では、エンコードされたデータの初期の所定量のみを使って実行される。図12bに示されるように、別の実装では、デコード1206は、初期に受信されたエンコードされたデータと追加的に受信されたエンコードされたデータの両方を使って実行できる(1208)。データ・ブロックについての超過の/追加的なエンコードされたデータ(1204)に関連する超過の蓄積されたMIを使うことによって、受信機によるデコードがうまくいく確率が高められる。
当業者は、「超過所定量」の実際の量は、本願の原理の精神から外れることなく、通信システムによって変わりうることを認識するであろう。
もう一つの実装によれば、初期の相互情報および蓄積される超過相互情報の量は、タイミングに基づくことができる。たとえば、図13を参照すると、本願の原理のもう一つの実装に基づく方法1300が示されている。図のように、無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについてのエンコードされたデータが受信される(1302)。次いで、エンコードされたデータに関連するMIの初期の所定量が受信されたかどうかについての判定がされる(1304)。この判定1304は、たとえば、時間期間に基づく、あるいは通信媒体の容量公式に基づくことができる。さらに、所与の変調および信号対雑音比についての容量公式に基づく、受信されたデータの単位当たりの相互情報量の推定値を含むルックアップ・テーブルを使用してもよい。デコーダが、初期の所定量のMIが受信されたと判定するとき(時間期間の満了またはその他によって)、受信機はそのデータ・ブロックについての追加的なエンコードされたデータを蓄積(受信)しはじめる(1306)。受信機は、超過所定量のMIが受信されるまで(1308)追加的なまたは超過のエンコードされたデータおよび対応するMIを蓄積する。超過所定量のMIについての判定は、時間、ビット長または受信されたデータの期待される量を決定するための他の任意の既知の方法に基づくことができる。超過所定量のMIが受信されたと判定されたら、符号語がデコードされ(1310)、受信機/デコーダは最初に戻ってエンコードされた符号語の次の送信の受信を開始することができる。
上述したように、最初の所定の時間期間は、デコーダがエンコードされた符号語をうまく受信し、デコードすることを可能にするまたは許容するのに十分と考えられる長さである。この最初の所定の時間期間は、異なる通信システムおよびそのようなシステムが用いる異なる変調技法について異なっていてもよい。実装は、二つのタイマーを単一のタイマーに組み合わせてもよい。
図14は、本願の原理のある実装に基づくデコーダ1400を示している。このデコーダは、相互情報を受信するよう構成されたコントローラ1402を含む(相互情報の量は、受信されたエンコードされた符号語または他の受信されたデータに基づいて計算される)。プロセッサ1404およびメモリ1406の適用を通じて、コントローラはさらに、初期所定量の相互情報および超過のまたは追加的な所定量の相互情報の両方を受信するよう構成される。ある実装では、デコーダ1400は、相互情報を受信するよう適応された受信機1410を含んでいてもよい。
本願の原理によれば、超過のまたは追加的な相互情報の蓄積は、向上した信頼性を提供しうるが、これには典型的には、追加される情報に起因する低下したデータ・レートとのトレードオフが付随する。さらに、追加的または超過の相互情報の蓄積は、デコーダがデコードすべき、より長い符号語につながり、したがって、一般にはより高いデコードの複雑さにつながる。これらのトレードオフは多くの用途にとって受け容れ可能であるが、追加的な相互情報の蓄積から帰結する増加したデコードの複雑さおよび/または低下したデータ・レートに鑑み、いくつかの実装は、符号語について、外側符号(outer code)がたとえばリード・ソロモンまたはBCH符号のようなブロック符号であり、内側符号(inner code)が無レート符号である連結符号化(concatenated coding)を使用する。
一つのそのような実装では、(N,K)外側ブロック符号を使って、K個の情報ビットがまず長さNビットの符号語にエンコードされる。各符号語はより小さなサイズのサブブロックに分解される。たとえば、Nビットの符号語は、それぞれN/4ビットの長さをもつ4つのサブブロックに分解できる。内側無レート符号は、符号語の各サブブロックに適用される。内側無レート符号でエンコードするのに先立ってブロック符号語をサブブロックに分解することによって、デコードが成功するために要求される無レート符号語のサイズがより小さくなると期待されるので、無レート符号語のデコードの複雑さは軽減できる。あるいはまた、無レート符号でエンコードするのに先立って符号語をサブブロックに分解することによって、外側ブロック符号はより大きくでき、それにより、いくつかのより小さなブロック符号をシリアルに使って達成されるよりも、所与のパリティ・ビット数について、より多くの誤り訂正を提供できる。さらに、より大きなブロック符号は、より小さなブロック符号に比べて、たとえばより小さなブロック符号が訂正できないようなバーストを訂正することにより、よりよいバースト誤り訂正を提供する。さらに、より大きなブロック符号およびより小さな無レート符号の利点の少なくともいくつかは、同じ実装において一緒に達成されうる。
図15aおよび図15bは、本願の原理のある実装に基づく、内側無レート符号でエンコードされた符号語のそれぞれ送信および受信のための構成の図を示している。図15aに示されるように、送信機/エンコーダ・シーケンスは外側エンコーダ1502に入力される。外側エンコーダ1502は、入力データ・シーケンスのブロックをエンコードして、エンコーダ1502の出力において与えられる符号語にする。分割器1503が、そのデータ・ブロック出力をサブブロックに分割し、内側エンコーダ1504がサブブロックを無レート符号でエンコードする。エンコードされた送信シーケンスは変調器1506に入力され、変調されてアンテナを介して送信される。図15bは、受信機/デコーダ側を示している。ここでは、復調器1508が変調信号を受信し、受信された変調信号を復調する。内側無レート符号デコーダ1510は、まずサブブロックの無レート符号をデコードしてサブブロックを決定し、次いで組み合わせ器1511がサブブロックを外側符号語に組み合わせ、外側符号語が外側デコーダ1512に渡されて残留誤りがさらに除去され、デコードがクリーンアップされる。組み合わせ器1511および分割器1503は、たとえばソフトウェアおよび/またはハードウェアで実装されうる。あるソフトウェア実装は、レジスタおよび適切な命令を使用し、あるハードウェア実装はシフトレジスタおよび適切な論理を使用する。
図16は、本願の原理のもう一つの実装に基づく、エンコードされたデータを送るための方法1600を示している。データがアクセスされ(1602)、そのデータについて外側ブロック符号が生成され(1604)、外側ブロック符号語がサブブロックに分解される(1606)。ひとたび下位分割されたら、サブブロック符号語は、無レート符号を使ってエンコードされる(1608)。ひとたび無レート符号でエンコードされたら、サブブロックについての無レート符号語が受信機に送られる(1610)。
あるさらなる実装によれば、方法1700はデータの入力ブロックについて外側ブロック符号語を生成し(1710)、外側ブロック符号語のサブブロックについて内側無レート符号語が決定される(1720)。方法1700は次いで、所定量の無レート符号語を送りはじめる(1730)。最初の時間期間が満了したのち(1740)、所定量が送られたと想定され、方法1700は第二の所定量の無レート符号語を送りはじめる(1750)。第二の時間期間が満了したのち(1750)、第二の所定量が送られたと想定される。方法1700は、各サブブロックについて、無レート符号語を送るために繰り返されることができる。さらに、実装においては、両タイマーは組み合わされてもよい。
図18〜図20は、受信機側での本願の原理のもう一つの実装を示している。図18を参照すると、受信機は、連結符号でエンコードされた符号語についての相互情報の所定量を受信することによって始める(1802)。ひとたび所定量が受信されたら、受信機は、所定量を超えて、超過量の相互情報の蓄積または受信するよう続ける。ひとたび超過相互情報が受信されたら、受信機は、まず内側無レート符号をデコードしてサブブロックを決定することによって連結エンコードされた符号語をデコードする(1806)よう構成される。ひとたび内側無レート符号がデコードされたら、サブブロックが組み合わされてブロック符号語を解明する(1808)。ひとたびブロック符号語が解明されたら、外側符号がデコードされて(1810)残留誤りをクリーンアップする。
図19は、十分な情報が受信されたことを判定するために受信機によってタイマーが確立される、もう一つの実装を示している。今の例では、受信機は、連結符号でエンコードされた符号語について、所定量の相互情報を受信することを開始する(1902)。第一の所定の時間期間1903がその満了についてモニタリングされる。受信機は、第一の所定の時間期間が満了するまで所定量の相互情報を受信することを続ける。第一の所定の時間期間の満了に際して、受信機において「超過の」または追加的な相互情報が受信(蓄積)される(1904)。超過相互情報のこの蓄積は、第二の所定の時間期間にわたって実行される(1905)。この第二の時間期間の満了に際して、符号語は、まず内側無レート符号をデコードしてブロック符号語のサブブロックを決定することによってデコードされる(1906)。次いでサブブロックが組み合わされてブロック符号語を解明する(1907)。ひとたび組み合わされたら、外側ブロック符号がデコードされて(1908)残留誤りをクリーンアップする。
図20は、本願の原理のある実装に基づくデコーダ2000のブロック図を示している。図のように、デコーダ2000は、コントローラ2002、プロセッサ2004およびメモリ2006を含む。コントローラ2002は、受信機2010を通じてエンコードされた符号語(これが相互情報を提供する)を受信するよう構成されている。プロセッサ2004はクロック2008を含み、相互情報を受け取るために要求されるすべての時間期間を確立するようプログラムされることができる。メモリ2006はデコーダ2000の一部であり、たとえばエンコードされたデータを送信するために使用されている変調方式といったことに依存する、相互情報受領のための必要な時間期間または区間などといった情報を含むことができる。デコーダ2000はさらに、それぞれのサブブロックの内側無レート符号をデコードして、それらのサブブロックを組み合わせて符号語を解明できるようにするよう構成されている。内側無レート符号のデコードおよびサブブロックの組み合わせによって符号語が解明されたのちに、外側符号のデコードが実行される。
当業者は、コントローラおよびプロセッサは一緒に機能するよう別個に構成されることができ、あるいはここに記載されるように機能するための対応するプログラムおよび論理をもつ単一のデバイスにおいて具現されることもできることを認識するであろう。
無レート符号を用いるレイヤー化された通信システムにおける受け取り確認信号の使用は、上で論じたように諸利点をもつ。特に、受け取り確認は、十分な相互情報が受信されたと見なされるとすぐに送ることができる。しかしながら、貴重ではあるが、そのような受け取り確認の送信は、通信チャネルを十分に活用することにはならないことがありうる(たとえば、データ・レートを上げるためにチャネルの完全な容量を利用しないことがありうる)。
例として、各チャネル上での変調がBPSKまたはQPSKであるとき、チャネルはより高い次数の変調(たとえば16-QAM)をサポートでき、そのような変調は今度はより高いデータ・レートをサポートすることになる。
そのような変調方式修正が可能であるかどうかを決定するいくつかの方法がある。図21〜図34を参照して図示され、説明される実装は、例示的な目的のためであり、通信品質決定の使用を示す。当業者は、同じ概念の他の方法および/または実装が、本願の原理の精神から外れることなく、できることを認識するであろう。
図21を参照すると、本願の原理のある実装に基づく方法2100が示されている。最初に、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じた通信の品質に関係する情報がアクセスされる(2102)。そのアクセスされた情報に基づき、そのチャネルを通じて無レート符号でエンコードされたデータを送るために使用されるべき変調方式についての指標が与えられる(2104)。この例では、通信チャネルの品質に関係する情報は、あらかじめ指定された時間期間内または所定の時間期間内の指標信号の発生頻度であることができる。
図22は、図21の方法の修正された実装を示す。この方法2200では、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じた通信の品質に関係する情報がアクセスされ(2202)、指標信号が同定される。前記アクセスの開始に際して、時間期間が確立される(2208)。その時間期間の間、同定された指標信号の発生の回数または頻度が計数される(2206)。前記時間期間の満了に際して、品質に関係する前記のアクセスされた情報に応じ、かつ該情報に基づいて、その後のデータを送信するための変調方式が指示される(2204)。所定の時間期間2208の長さは、たとえば使用されている現在の変調方式、期待される結果に基づいて推定される時間期間などに基づく、いかなる好適な時間の長さであることもできる。
図23は、本願の原理のある実装に基づく装置2300を示している。装置は、コントローラ2302、クロック2306をもつプロセッサ2304、メモリ2308および双方向通信チャネル2310への接続を含む。上で論じたように、通信チャネル2310を通じた通信の品質が決定され、チャネルのために使われるべき変調方式を指示するために使用される。このようにして、コントローラ2302は通信チャネル2310の品質に関係する情報にアクセスする。プロセッサ2304は、前記のアクセスされた品質情報を使って、通信チャネル2310を通じて無レート符号でエンコードされたデータのその後の送信のための修正された変調方式の指標を与えるよう構成される。
例として、プロセッサ2304はクロック2306をもつものとして示されている。当業者は、クロック2306は、本願の原理の精神から外れることなく、多くの異なる仕方で実装できることを認識するであろう。この例の目的のためには、クロック2306は所定の時間期間を確立するために使用されることができる。その所定の時間期間の間に、コントローラ2302は通信チャネル2310の品質に関係する情報にアクセスする。このようにして、チャネル2310を通じた通信品質のモニタリングが、あらかじめ設定された時間期間または所定の時間期間に制限されることができる。これは、通信システムのリアルタイム制約のどれをも満たすのを支援する。
図24は、本願の原理のもう一つの実装に基づく方法を示している。この例では、デコーダは、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じて指標信号が受信される発生頻度をモニタリングする(2402)。これらの指標信号は、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じた通信の品質を示す。モニタリングされたそのような指標信号の発生頻度に基づいて、通信チャネル上でデータを送信するために使用される変調方式が、その後のデータ送信については変えられるまたは変更されることができる(2404)。この変化または変更は、たとえば、より高いデータ・レートのために変調次数を上げる命令、あるいはまた、通信チャネルがより低い変調次数をよりよくサポートできると判定されたときには、より低いビット・レートにつながるがデータの信頼性を高める、変調次数を下げる命令であることができる。
いくつかの例示的な実装によれば、指標信号の形は、受け取り確認信号(たとえばACK)、否定受け取り確認信号(NACK)またはその生成もしくは受領が通信チャネル品質を決定するために使用できる他のいかなる指定された信号であることもできる。ACKおよびNACKの使用の例は先に述べた。
図25は、図24の実装であって、受信された指標信号の発生頻度のモニタリングに対して時間期間が課される、さらに修正された方法を示している。図のように、受信された指標信号の発生頻度は所定の時間期間の間(2504)モニタリングされる(2502)。所定の時間期間の満了2504に際して、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じてその後のデータを送信するのに使われる変調方式が、変調方式を最大化し、データ・レートをチャネルがサポートできる最高値まで上げるよう変えられる(2506)。しかしながら、上述のように、変調方式の変更は、通信チャネルがより高い次数の変調をサポートできないこともありうるので、低下またはより低い次数の変調の要求であることもできる。チャネルがより高い次数の変調をサポートできるかどうかをどのようにして判定するかについては、実装は多様でありうる。たとえば、ある実装は、チャネルが特定の変調フォーマット(次数)をサポートできると宣言するのは、そのチャネルを通じて送られるデータにおいてすべての誤りが訂正できる(典型的な前方誤り訂正符号を使って)高い期待がある場合にのみである。
図26は、本願の原理のさらなる実装に基づく方法2600を示している。最初に、受信された指標信号の発生頻度がモニタリングされる(2602)。この点で、「良好な」スループット(単位時間当たり正しく受信およびデコードされるデータ量)を改善するまたは可能性としては最大化すると期待される変調フォーマットの判別がなされる(2604)。判別されたフォーマットは、指標信号データの発生頻度を使って前記少なくとも一つの通信チャネルによってサポートできる最適変調フォーマットであってもよい。たとえば(所与の変調フォーマットについての)ACK頻度を、サポートできる最高変調フォーマットと相関させるようなLUTが開発されてもよい。変調方式のその後の変化2606は、チャネルによってサポートされる判別された変調フォーマットを使って実行される。
図27は、本願の原理のもう一つの実装に基づく方法2700を示している。この実装では、送信されるデータの受信機は、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じて受信されたデータの安全な受領およびデコードを示す指標信号を生成し、送信機に送信する(2702)。指標信号の生成の発生頻度がモニタリングされる(2704)。モニタリングされた指標信号の発生頻度に基づいて、前記チャネルを通じたその後のデータの送信のための変調方式の指標(2706)が、受信されたデータのソースに与えられる。
図28は、図27に示される方法の修正された方法2800を示している。この実装では、生成された指標信号の発生頻度のモニタリング(2804)のタイミングを設定するために、所定の時間期間が確立される(2805)。所定の時間期間の満了に際して、受信機は、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じて送信されるその後のデータについての変調方式を指示する(2806)。
図29は、本願の原理に基づく方法のもう一つの実装2900を示している。図のように、受信機は、指標信号を生成し、これを受信されたデータのソースに送信し(2902)、該指標信号の発生頻度がモニタリングされる(2904)。前と同様、この実装では、モニタリングは所定の時間期間について実行される(2906)。時間期間が満了するとき、受信機は、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じてその後のデータを送信するのに使われる変調方式を修正するために、はいってくるデータのソースに変調インデックスを送信する(2908)。
変調インデックスは、送信機/エンコーダが認識でき、それに基づいて行動できるいかなる型の信号であることもできる。たとえば、変調インデックスは、受信機から送信機にフィードバックされる他のデータのヘッダにおいて提供される制御信号であることができる。他の実装では、指標信号(ACKでもNACKでもよい)の一部であることもできる。当業者は、変調インデックスの形はいかなる好適な形でもよいことを認識するであろう。
図30は、本願の原理のある実装に基づくデコーダ3000を示している。デコーダ3000は、前記少なくとも一つの通信チャネル3012を介してはいってくるデータを受信するよう構成された受信機3002を含む。はいってくるデータは、無レート符号でエンコードされていてもよい。コントローラ3004は、通信チャネル3012について品質計量を計算するよう構成される。品質計量は、前記少なくとも一つの通信チャネルの容量を表す。ひとたび品質計量が計算されたら、コントローラは、プロセッサ3006と連携して、デコーダに、計算された品質計量を使って変調インデックスを生成させる。上で論じたように、変調インデックスは、送信されたデータのソースにフィードバックされて、前記ソースに、通信チャネル3012を通じてその後のデータを送信するのに使用される変調方式を修正させる命令を与える制御信号である。デコーダ3000はまた、メモリ/データ・ユニット3008およびクロック3010をも含む。
この実装によれば、品質計量(quality metric)は、通信チャネル3012上で得ることのできる品質レベルに関する具体的な決定である。そのような品質計量の一つの例は、チャネル3012の信号対雑音比(SNR)であろう。チャネルのSNRを現在の変調方式などのような他の既知の情報と一緒に使って、チャネルの使用を最大化するための新しいまたは修正された変調方式が同定できる。レイヤー構成にされた通信システムのような、変調されたデータを送信するために複数の通信チャネルがあるシステムでは、全チャネルについての平均SNRが品質計量として使用できる。あるいは、各チャネルについての平均SNRが各チャネルの品質計量として使用できる。平均は諸レイヤーにわたる平均、時間的な平均などであることができる。他の代替的な実装では、本願の原理の精神から外れることなく、ブロックごとのSNRが使用されてもよい。他の実装は、品質計量として使うために、ピークSNR決定を含んでいてもよい。
図31を参照すると、本願の原理のある側面に基づくデコーダ3000によって実装される例示的な方法3100が示されている。最初に、デコーダは、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じた通信の品質に関係する情報にアクセスする(3102)。次いで、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じて信号を送るのに現在使われている変調フォーマットについての判定がなされる(3104)。ひとたび現在の変調フォーマットが決定されたら、デコーダはその情報を、アクセスされた品質情報とともに使用し、受信されたデータのソースに、その後のデータを送るために使用される変調フォーマットを修正させる命令を含む指標を与えることができる(3106)。
図32に示されるもう一つの実装によれば、方法3200は、通信の品質に関係する情報にアクセスし(3202)、前記少なくとも一つの通信チャネル上で使用されている現在の変調フォーマットを判別する(3204)ことを提供する。次いで品質計量(たとえばSNRまたはACKの頻度)が、通信チャネルの品質に関係する前記のアクセスされた情報から計算される(3206)。計算された品質計量が次いで、既知のまたは現在の変調フォーマットとの関連で、チャネルを通じてその後のデータを送るために使用されるべき変調方式を指示するために使用される(3208)。
図33は、本願の原理の基づく方法のもう一つの実装3300を示している。この実装において、デコーダは、無レート符号でエンコードされたデータを受信する(3302)。このデータを使って、デコーダは品質計量を計算する(3304)。この品質計量は、前記少なくとも一つの通信チャネルによってサポートされる最適な変調フォーマットに関係する情報を提供する。
計算された品質計量を使って、デコーダは、受信データのソースに、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じてその後のデータを送信するのに使用される変調方式を修正するよう命令する(3306)。
図34は、図33に示される方法の修正された方法実装3400を示している。前と同様、デコーダは、無レート符号でエンコードされたデータを受信し(3402)、前記少なくとも一つの通信チャネルによってサポートされる最適な変調フォーマットを指示する品質計量を計算する(3404)。次いでデコーダは、計算された品質計量に応答して、前記少なくとも一つの通信チャネルを通じてその後のデータを送るために受信されたデータのソースによって使用されるべき変調方式を示す変調インデックス信号を生成する。
明らかであろうが、本願に記載されている多くの実装は、受信機、送信機または両者によって実行されうる。
上記において特定の仕方に言及することなく記載され、あるいは一つの仕方を使ってのみ記載されていたとしても、さまざまな側面、実装および特徴が多様な仕方の一つまたは複数において実装されうる。たとえば、さまざまな側面、実装および特徴は、たとえば方法、装置、方法を実行するための装置もしくは処理デバイス、プログラムもしくは他の命令の集合、プログラムもしくは命令の集合を含む装置およびコンピュータ可読媒体のうちの一つまたは複数を使って実装されうる。
装置はたとえば、離散的なまたは統合されたハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアを含みうる。一例として、装置は、たとえば、プロセッサを含みうる。このプロセッサというのは、処理デバイス一般を指し、たとえば、マイクロプロセッサ、集積回路またはプログラム可能な論理デバイスを含む。もう一つの例として、装置は一つまたは複数のプロセスを実行するために命令を有する一つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。
コンピュータ可読媒体は、たとえば、ハードディスク、コンパクト・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)または読み出し専用メモリ(「ROM」)などといったソフトウェア担体または他の記憶デバイスを含んでいてもよい。コンピュータ可読媒体はまた、たとえば、命令をエンコードまたは伝送するフォーマットされた電磁波をも含みうる。命令は、たとえば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたは電磁波にあってもよい。命令は、たとえば、オペレーティング・システム、別個のアプリケーションまたは両者の組み合わせに見出されてもよい。したがって、プロセッサは、たとえば、プロセスを実行するよう構成されたデバイスおよびプロセスを実行するための命令を有するコンピュータ可読媒体を含むデバイスのどちらとしても特徴付けされうる。
いくつもの実装が記載されてきたが、さまざまな修正がなしうることは理解されるであろう。たとえば、種々の実装の諸要素が組み合わされ、補足され、修正され、あるいは除去されて他の実装を生成してもよい。したがって、他の実装も特許請求の範囲内である。

Claims (11)

  1. 無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについての無レート・エンコードされたデータを受信する段階であって、前記無レート・エンコードされたデータは、第一の無レート・エンコードされたデータ、前記無レート符号でエンコードされた前記データ・ブロックの前記無レート・エンコードしたもののうちからの追加的な無レート・エンコードされたデータとを含む初期送信を含み、受信される前記第一の無レート・エンコードされたデータの前記初期送信は前記データ・ブロックについての前記無レート・エンコードされたデータ全部よりも少ないが、前記初期送信は少なくとも前記第一の無レート・エンコードされたデータおよび前記追加的な無レート・エンコードされたデータを含む、段階と;
    前記データ・ブロックについて、受信したエンコードされたデータのデコードを許容すると期待される量である初期量の相互情報が受信されたことを判定する段階と;
    前記データ・ブロックについて、前記初期量の相互情報を超えてある追加量の相互情報が受信されたことを判定する段階とを含む、
    方法。
  2. 初期に受信された第一の無レート・エンコードされたデータを使い、追加的に受信された無レート・エンコードされたデータは使わずに、前記データ・ブロックについての前記無レート符号をデコードする段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 初期に受信された第一の無レート・エンコードされたデータおよび追加的に受信された無レート・エンコードされたデータの両方を使って、前記データ・ブロックについての前記無レート符号をデコードする段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 初期量の相互情報が受信されたことを判定する前記段階が、前記エンコードされたデータの受信がある時間にわたって行われてきたことを判定することを含む、請求項1記載の方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、さらに:
    受信されたエンコードされたデータを内側無レート・デコーダを使ってデコードしてデコードされた無レート出力を生成する段階と;
    さらなるエンコードされたデータを受信およびデコードしてさらなるデコードされた無レート出力を生成する段階と;
    デコードされた無レート出力を組み合わせてブロックを生成する段階と;
    外側ブロック・デコーダを使って前記ブロックをデコードする段階とを含む、
    方法。
  6. 無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについての無レート・エンコードされたデータを受信する手段であって、前記無レート・エンコードされたデータは、第一の無レート・エンコードされたデータ、前記無レート符号でエンコードされた前記データ・ブロックの前記無レート・エンコードしたもののうちからの追加的な無レート・エンコードされたデータとを含む初期送信を含み、受信される前記第一の無レート・エンコードされたデータの前記初期送信は前記データ・ブロックについての前記無レート・エンコードされたデータ全部よりも少ないが、前記初期送信は少なくとも前記第一の無レート・エンコードされたデータおよび前記追加的な無レート・エンコードされたデータを含む、手段と;
    前記データ・ブロックについて、受信したエンコードされたデータのデコードを許容すると期待される量である初期量の相互情報が受信されたことを判定する手段と;
    前記データ・ブロックについて、前記初期量の相互情報を超えてある追加量の相互情報が受信されたことを判定する手段とを含む、
    装置。
  7. 受信されたエンコードされたデータをデコードしてデコードされた無レート出力を生成し、さらなる受信されたエンコードされたデータをデコードしてさらなるデコードされた無レート出力を生成する内側無レート・デコーダと;
    前記デコードされた無レート出力および前記さらなるデコードされた無レート出力を組み合わせてブロックを生成する組み合わせ器と;
    前記ブロックをデコードする外側ブロック・デコーダとをさらに有する、
    請求項6記載の装置。
  8. 請求項6記載の装置であって、さらに:
    無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについての無レート・エンコードされたデータを受信する受信機であって、無レート・エンコードされたデータを受信する前記手段を含む受信機と;
    前記受信機に、受信された無レート・エンコードされたデータをデコードするために要求されると期待される量を超えて無レート・エンコードされたデータを受信させるコントローラであって、前記データ・ブロックについて初期量の相互情報が受信されたことを判定する前記手段および前記データ・ブロックについて追加量の相互情報が受信されたことを判定する前記手段を含むコントローラとを有する、
    装置。
  9. 請求項8記載の装置であって、さらに:
    受信されたエンコードされたデータを内側無レート・デコーダを使ってデコードしてデコードされた無レート出力を生成する手段と;
    さらなるエンコードされたデータを受信およびデコードしてさらなるデコードされた無レート出力を生成する手段と;
    デコードされた無レート出力を組み合わせてブロックを生成する手段と;
    外側ブロック・デコーダを使って前記ブロックをデコードする手段とを含む、
    装置。
  10. アプリケーション・プログラムが具体的に実現されているプログラム記憶デバイスであって、前記アプリケーション・プログラムは、少なくとも:
    無レート符号でエンコードされたデータ・ブロックについての無レート・エンコードされたデータを受信する段階であって、前記無レート・エンコードされたデータは、第一の無レート・エンコードされたデータ、前記無レート符号でエンコードされた前記データ・ブロックの前記無レート・エンコードしたもののうちからの追加的な無レート・エンコードされたデータとを含む初期送信を含み、受信される前記第一の無レート・エンコードされたデータの前記初期送信は前記データ・ブロックについての前記無レート・エンコードされたデータ全部よりも少ないが、前記初期送信は少なくとも前記第一の無レート・エンコードされたデータおよび前記追加的な無レート・エンコードされたデータを含む、段階と;
    前記データ・ブロックについて、受信したエンコードされたデータのデコードを許容すると期待される量である初期量の相互情報が受信されたことを判定する段階と;
    前記データ・ブロックについて、前記初期量の相互情報を超えてある追加量の相互情報が受信されたことを判定する段階とを実行するための命令を含む、
    プログラム記憶デバイス。
  11. 請求項10記載のプログラム記憶デバイスであって、前記アプリケーション・プログラムがさらに:
    受信されたエンコードされたデータを内側無レート・デコーダを使ってデコードしてデコードされた無レート出力を生成する段階と;
    さらなるエンコードされたデータを受信およびデコードしてさらなるデコードされた無レート出力を生成する段階と;
    デコードされた無レート出力を組み合わせてブロックを生成する段階と;
    外側ブロック・デコーダを使って前記ブロックをデコードする段階とを実行する命令をさらに含む、
    プログラム記憶デバイス。
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