JP5152529B2 - 内部抵抗推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は内部抵抗推定装置に関する。
従来、電気自動車の駆動用電池としては、充電を行うことにより電気を蓄え繰り返し使用することが出来るリチウムイオンバッテリー等の二次電池を用いている。この二次電池は、経年変化により容量が低下してしまい、その電池特性が劣化してしまう。このような容量低下に応じて電池制御や劣化警告を行うべく、容量と密接な関係がある内部抵抗を算出し、これに基づいて容量低下の度合いを推定することが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、内部抵抗を算出するためには、充電電流値を所定量だけ矩形パルス的に低減した場合の電流変化量と、充電電流値が所定量だけ低減したことによる電圧変化量とを求め、これらによりオームの法則から、内部抵抗値を算出している。
特開平9−84277号公報(請求項1、段落0018参照)
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、電流変化量及び電圧変化量からオームの法則に基づいて内部抵抗を算出しているが、一般的に駆動用電池には電流変化と電圧変化との関係に時間的なずれを生じさせる要因(容量成分)が存在する。即ち、電流の時間に対する変化の割合に対して、電圧の時間に対する変化の割合は小さく、電流と電圧との関係にずれが生じる。このため、電圧が定常値になり安定してからでないとオームの法則を適用することができないので、安定化まで推定を行うことができず推定に時間がかかってしまう。従って、電流変化量及び電圧変化量からオームの法則に基づいて簡易に内部抵抗を推定することができないという問題がある。他方で、この電流変化時における電圧の安定化に要する時間を考慮してオームの法則に基づいて内部抵抗を推定することも考えられるが、このような安定化に要する時間は温度によって変化するので、考慮するのは難しく、正確に内部抵抗を推定することができないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、簡易に、かつ正確に二次電池の内部抵抗を求めることができる内部抵抗推定装置を提供しようとするものである。
本発明の内部抵抗推定装置は、入力信号に応じて二次電池の充電電流を形成する電流形成部と、前記二次電池の内部抵抗を推定する内部抵抗推定部とを備え、前記内部抵抗推定部は、所定のタイミングで前記充電電流にインパルス外乱を与えるためのインパルス形成信号を前記電流形成部に前記入力信号として入力するインパルス信号形成部と、前記二次電池を流れる応答電流を検出する検出手段と、前記インパルス外乱に対応する前記応答電流が変化する電流変化時間から、前記内部抵抗を算出する内部抵抗算出部とを備えたことを特徴とする。本発明では、オームの法則を用いることなく、インパルス外乱を付与した場合の応答電流の電流変化時間から内部抵抗を簡易に、かつ正確に推定することができる。
本発明の好ましい実施形態としては、前記電流変化時間は、前記応答電流が、前記インパルス外乱付与前の該応答電流の初期値から変化して初期値に戻るまでの時間であることが挙げられる。本発明において前記インパルス外乱付与前の応答電流の初期値とは、フィードバック制御により充電電流が目標電流に追従し安定した場合に、二次電池を流れる電流値をいう。
ここで、前記内部抵抗推定部は、充電開始してから前記充電電流が安定した後、直ちに前記内部抵抗を推定することが好ましい。充電電流が安定した後、すぐに内部抵抗を推定することができれば、例えば、充電開始後、すぐに電池状態に応じて二次電池への充電電流を変更することができ、すぐに電池状態を最も好ましい状態で充電を開始することができるからである。ここで、本発明において充電電流が安定したとは、充電電流が、所望の値となってから、同一の値を所定期間保った状態をいう。
また、充電中にも電池状態が変化することがあるので、これに対応して内部抵抗を推定すべく、前記内部抵抗推定部は、充電中、所定の期間毎に前記内部抵抗を推定することが好ましい。
前記インパルス信号形成部は、前記インパルス形成信号を、前記インパルス外乱を付与された前記充電電流の電流値が、前記インパルス外乱付与前の前記充電電流の値よりも小さくなるように設定することを示すものであることが好ましい。前記インパルス外乱付与前の充電電流の値よりも小さくなるようにインパルス外乱を与えることで、二次電池に負荷を与えることなく内部抵抗を測定できる。
本発明の内部抵抗推定装置によれば、簡易に、かつ正確に内部抵抗を推定できるという優れた効果を奏し得る。
内部抵抗推定装置の概要を示すブロック図である。 応答電流を説明するためのグラフである。 マップの概要を説明するための模式図である。 内部抵抗推定装置による内部抵抗の推定を説明するためのフローチャートである。
本発明の内部抵抗推定装置について、図1〜4を用いて説明する。
電気自動車である車両10は、駆動用電池として二次電池1を備える。二次電池1は、リチウムイオンバッテリー(電池セル)であり、直列に複数接続される。なお、図中では例として1つのみ示してある。
また、車両10は、二次電池1の充電時に二次電池1に入力される充電電流Iを形成するための充電電流生成部2と、充電電流Iをフィードバック制御するための電流制御部3とが設けられている。これらの充電電流生成部2と電流制御部3とから電流形成部4は構成される。充電電流生成部2は、電源Vからの電流を交流から直流へ変換するための入力側整流器21と、整流された電流の力率を改善するためのPFC22と、直流を交流へ整流するためのインバータ23とがこの順で設けられている。なお、電源Vは車両10の外部に設けられた、例えば商用交流電源のコンセントであり、車両の図示しない充電プラグをこのコンセントに挿入することで、電源Vに接続する。
インバータ23は、4つのトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4から構成され、Tr1とTr2とが直列に接続されて前段トランジスタ対となり、Tr3とTr4とが直列に接続されて後段トランジスタ対となっており、各トランジスタ対は並列に接続されている。トランジスタTr1とTr4の各ゲートに同一のPWM信号(詳しくは後述する)が、また、トランジスタTr2とTr3との各ゲートに同一のPWM信号が入力される。
インバータ23の出力は、即ち、各トランジスタ対からの出力は、絶縁トランス24に接続し、この絶縁トランス24を介して、出力側整流器25、フィルター26が設けられ、フィルター26は二次電池1に接続している。
電源Vから入力された交流電流は、入力側整流器21に入力されて直流となる。そして、直流となった電流は、PFC22で力率が改善される。PFC22で力率が改善された電流は、インバータ23に入力される。インバータ23は、上述のように対角に位置するトランジスタに同一のPWM信号が入力されるように構成されていることから、各トランジスタ対間から出力される電流は、PWM信号のデューティ比に基づいた交流に変換される。
インバータ23により再度交流に変換された電流は、その後、感電を防止すべく設けられた絶縁トランス24に入力される。絶縁トランス24から出力された電流は、出力側整流器25により再度直流に変換された後、フィルター26により平滑化される。この時の平滑化された状態の電流である充電電流Iが二次電池1に入力され、二次電池1は蓄電を行う。このようにして、本実施形態では、充電電流生成部2は、二次電池1の充電時に二次電池1に入力される充電電流Iを形成する。
電流制御部3は、この充電電流Iが目標電流に追従するようにフィードバック制御を行うものである。電流制御部3は、二次電池1の入力側に設けられたセンサー31と、ECUに設けられた例えばPID制御部32、デューティ比設定部33、及びPWM形成部34とを備える。
センサー31は検出した充電電流Iの電流値をPID制御部32に送出する。PID制御部32では、入力された充電電流Iの値と、目標電流値とから、PID制御を行い、目標電流値に充電電流値が追従するように、制御結果を示す信号をデューティ比設定部33へ送出する。なお、目標電流値は、ECUに設けられた図示しない目標電流演算部が二次電池1の電池状態に応じて設定し、PID制御部に入力する。デューティ比設定部33は、入力された制御結果に応じて、所望のPWM信号を形成するためのPWM信号のデューティ比を設定する。そして、デューティ比設定部33は、PWM形成部34へデューティ比を送出する。PWM形成部34は、入力されたデューティ比に応じて所望のPWM信号を形成し、インバータ23へ送出する。形成されたPWM信号は、上述したようにインバータ23を構成する各トランジスタTr1〜Tr4に入力される。そして、このPWM信号に応じて、充電電流生成部2は、目標電流に追従した充電電流Iを形成する。このように、本実施形態では、電流制御部3は、充電電流Iが目標電流に追従するようにフィードバック制御を行っている。
ここで、車両10は、二次電池1の内部抵抗を推定する内部抵抗推定部5を備える。内部抵抗推定部5は、充電電流Iにインパルス外乱を付与すべく、電流制御部3にインパルス形成信号を送出する。充電電流生成部2は、これに基づいてインパルス外乱が付与された充電電流Iを形成し、二次電池1に入力する。この時の二次電池1に流れる応答電流の変化する電流変化時間から、内部抵抗推定部5は、各二次電池1の内部抵抗を推定するものである。本実施形態では、このように二次電池1の内部抵抗を推定するに当たり、内部抵抗に応じて変化する応答電流の変化時間に基づいて内部抵抗を推定することで、内部抵抗を正確に推定することができるものである。即ち、オームの法則を用いて内部抵抗を推定する場合には電流変化時における電圧の安定化に要する時間を考慮しないと正確に内部抵抗を推定することができないが、本実施形態では、電圧を考慮せず、変化に追従しやすい応答電流の変化時間に基づいて内部抵抗を推定することで、正確に内部抵抗を推定できるのである。以下、詳細に説明する。
内部抵抗推定部5は、内部抵抗の推定を実行するかどうかを判断する判断部51と、インパルス信号を電流制御部3に送出するインパルス信号形成部52と、応答電流を検出する応答電流センサー53と、マップを記録する記録部54と、二次電池1の内部抵抗を算出する内部抵抗算出部55とを備える。
判断部51は、二次電池1の内部抵抗の推定を行うかどうかを判断する。具体的には、充電電流が所定の時間安定して入力されているかどうかを判断する。即ち、判断部51は、充電開始後に所定の時間が経過した場合と充電中所定の時間が経過した場合とに、内部抵抗の推定を行うことを判断する。判断部51が内部抵抗の推定を行うと判断した場合、判断部51は、インパルス信号形成部52に推定実行信号を送出する。
インパルス信号形成部52は、判断部51から内部抵抗推定を行うことを示す推定実行信号が入力されると、二次電池1に印加する充電電流Iにインパルス外乱を与えるためのインパルス形成信号を電流制御部3のデューティ比設定部33に入力する。インパルス外乱としては、充電中の充電電流Iの初期値とは異なる電流値となるように充電電流Iを変動させることが挙げられる。好ましくは、インパルス外乱を付与された充電電流Iの電流値が、充電中の充電電流Iの初期値よりも小さな電流値となるように、充電電流Iを変動させることである。
即ち、インパルス信号形成部52は、充電電流Iに対し、通常の電流値と異なる電流値となるように外乱を与えればよいのであるが、通常の電流値よりも大きな電流値を与えると、二次電池1に対して負荷となってしまう場合も考えられる。そこで、インパルス信号形成部52は、上述のように充電中の充電電流Iの初期値よりも小さな電流値となるように充電電流Iを低下させることが好ましい。本実施形態では、インパルス信号形成部52は、極めて短時間充電中の充電電流Iの初期値よりも小さな電流値となるように、即ち瞬間的な矩形状のパルス波を形成するようにインパルス形成信号をデューティ比設定部33にしている。このように瞬間的なパルス波を二次電池1に入力することで、二次電池1の内部抵抗の推定に伴い充電時間が長くなることがない。なお、このような矩形状のパルス波を送出するインパルス形成信号は、インパルス信号形成部52において予め設定されている。即ち、パルス波の形成時間と充電電流値からどの程度低下させるのかは、固有値としてインパルス信号形成部52に予め設定されており、充電電流がフィードバック制御により変動していたとしても、常に同一の形状のパルスがインパルス外乱として付与される。インパルス信号形成部52は、所定時間充電電流値よりも低い電流値となるようにインパルス外乱を付与すると、インパルス外乱の付与が完了したとして、内部抵抗算出部55にインパルス外乱の付与の完了を示す完了信号を入力する。
デューティ比設定部33は、このインパルス形成信号に応じてデューティ比を設定し、設定されたデューティ比をPWM形成部34に送出する。PWM形成部34は、この入力されたデューティ比に基づいてPWM信号を形成し、インバータ23に入力する。これにより、電流形成部4により所望のインパルス外乱が付与された充電電流Iが形成され、二次電池1に入力される。
応答電流センサー53は、インパルス外乱が付与された場合の二次電池1の応答電流の検出結果を内部抵抗算出部55に送出する。内部抵抗算出部55は、応答電流センサー53からの検出結果に基づいて応答電流の電流が変化した変化時間である通過時間を算出し、算出された通過時間と記録部54に記録されたマップの値とから、内部抵抗を推定する。
以下、内部抵抗の推定について詳細に説明する。図2に示すように、フィードバック制御により充電電流Iが安定した後に、所望のインパルス外乱が付与された充電電流Iを二次電池1に入力した場合の応答電流は、一度減少し、最小値を記録した後に増加に転じ、初期値を通過してさらに増加し、最大値を記録した後に再度減少に転じ、その後初期値と同一となる。なお、このインパルス外乱が付与された場合であっても、フィードバック制御(PID制御)は動作中である。この場合に、内部抵抗が最も低い場合に応答電流の最小値が最も低く、内部抵抗が高くなるにつれて応答電流の最小値は上がる。また、応答電流の電流変化時間、例えば、インパルス外乱付与前の電流の初期値から変化して初期値を通過するまでの通過時間も、内部抵抗が最も低い場合に通過時間が最も短く、内部抵抗が高くなるにつれて通過時間は最も長くなる。
このように、応答電流の電流変化時間は、内部抵抗値に応じて変化するものであるので、応答電流の電流変化時間と内部抵抗との関係を予めマップとして記録部54に記録しておき、内部抵抗算出部55が、応答電流センサー53からの検出結果から、このマップを基に内部抵抗を推定する。オームの法則に基づいて内部抵抗を算出する場合には電流変化量と電圧変化量との関係において時間的なずれ、即ち電流変化時における電圧の安定化に要する時間を考慮しなければ正確に内部抵抗を求めることができないが、内部抵抗と関連のある応答電流の応答時間を予めマップにしておき、このマップに基づいて内部抵抗を推定することで、正確に内部抵抗を求めることができるというメリットがある。
本実施形態では、内部抵抗算出部55が、インパルス外乱付与前の応答電流の初期値から減少して、初めて初期値を通過するまでの通過時間を算出する。具体的には、インパルス外乱の付与が完了したことを示す完了信号がインパルス信号形成部52から内部抵抗算出部55に入力されると、内部抵抗算出部55が、内部抵抗の算出を開始する。即ち、内部抵抗算出部55は、時間のカウントを開始すると共に、応答電流の測定を開始する。そして、測定された応答電流値が初期値を通過すると、通過時間が確定される。図2を参照すれば、時間t=t1でインパルス外乱付与前の電流の初期値から減少し、その後、時間t=t2で初めて初期値を通過したので、これらの差である通過時間(t2−t1)を求める。この通過時間を基に、通過時間と内部抵抗との関係を示すマップから、二次電池1の内部抵抗を推定する。
マップの一例を図3に示す。図3は、通過時間に対する内部抵抗値を示すマップである。内部抵抗値は、通過時間に対して徐々に大きくなっている。内部抵抗算出部55は、通過時間を算出し、この通過時間に基づいてマップから内部抵抗値を推定する。このように、本実施形態では、マップを用いて推定することから、簡易に時間を基準として内部抵抗を推定することができる。
内部抵抗算出部55は、推定した内部抵抗値を、例えば図示しない劣化警告手段に出力する。そして、劣化警告手段は、内部抵抗を基に二次電池の劣化状態を算出し、運転手に二次電池1の劣化状態を報知する。
以下、本実施形態の内部抵抗推定部5による内部抵抗の推定について図4に示すフローチャートを用いて説明する。
初めにステップS1では、ECUが、二次電池1が充電中であるかどうかを判断する。充電中の場合(YES)、ステップS2へ進む。充電中でない場合(NO)、処理は終了する。ステップS2では、図示しない目標電流演算部が二次電池1の電池状態に応じて目標電流値を演算し、目標電流値をPID制御部32に入力する。ステップS3へ進む。ステップS3では、入力された目標電流値とセンサー31から入力された充電電流Iの値とからフィードバック制御(PID制御)を行い、目標電流値に充電電流値が追従するように、制御結果を示す信号をデューティ比設定部33へ送出する。ステップS4へ進む。
次いで、ステップS4では、二次電池1の内部抵抗の推定を実行するかどうかを判断する。即ち、判断部51が、内部抵抗の推定を開始する条件が満たされているかどうかを判断する。所定の条件が満たされず、内部抵抗の推定を実行しない場合(NO)、内部抵抗の推定の処理が終了する。所定の条件が満たされ、内部抵抗の推定を実行する場合(YES)、判断部51は、インパルス信号形成部52に推定実行信号を送出する。ステップS5へ進む。
ステップS5では、推定実行信号が入力されたインパルス信号形成部52が、インパルス外乱の付与が完了したかどうかを判断する。即ち、電流値を安定後の充電電流Iよりも小さい値とする極めて短い所定時間が経過したかどうかを判断する。所定時間が経過していない場合、即ちインパルス外乱の付与が完了していない場合(NO)には、ステップS6へ進む。所定時間が経過した場合、即ちインパルス外乱の付与が完了した場合(YES)には、インパルス信号形成部52から、完了信号が内部抵抗算出部55に入力される。ステップS7へ進む。
ステップS6では、インパルス外乱を付与した充電電流Iが二次電池1に入力される。具体的には、インパルス外乱を付与した充電電流Iが二次電池1に入力されるように、インパルス信号形成部52がデューティ比設定部33にインパルス形成信号を入力し、次いで、デューティ比設定部33はデューティ比を設定し、PWM形成部34に入力する。設定されたデューティ比でPWM信号が生成され、インバータ23に入力される。これにより、インパルス外乱を付与した充電電流Iが充電電流生成部2により形成され、二次電池1に入力される。その後、処理は終了する。
ステップS7では、インパルス外乱の付与が完了したので、応答電流の変化時間の測定を行う。具体的には、完了信号が入力された内部抵抗算出部55が時間のカウントを行う。ステップS8へ進む。ステップS8では、内部抵抗算出部55が応答電流センサー53により応答電流の測定を行う。ステップS9へ進む。
ステップS9では、内部抵抗算出部55が、測定された応答電流が初期値を通過したかどうかを判断する。初期値を通過していない場合(NO)は、処理は終了する。初期値を通過した場合(YES)には、ステップS10へ進む。
ステップS10では、初期値を通過した場合の時間のカウント結果から、通過時間を確定する。ステップS11へ進む。
ステップS11では、内部抵抗算出部55は、記録部54に記録した図3に示すマップから、通過時間に対応した内部抵抗を算出する。このようにして、本実施形態では、簡易に、かつ、短時間で二次電池1の内部抵抗を推定することができる。また、オームの法則を用いることなく二次電池1の内部抵抗を算出できるので、正確に推定することができる。
なお、内部抵抗の推定処理は、充電電流Iが安定した後であれば、充電中も所定の期間毎に内部抵抗を推定することが好ましい。充電時間の経過に伴い、電池状態が変化する可能性があるためである。
以下、他の実施形態について説明する。
充電電流生成部2は、本実施形態の回路構成に限定されない。二次電池1に、所望の充電電流I及びインパルス外乱を形成できるものであればよい。また、インパルス外乱を付与するために、本実施形態では、インパルス信号形成部52がインパルス形成信号をデューティ比設定部33に入力し、デューティ比設定部33が充電電流生成部2に所望のデューティ比を有するPWM信号を送出したが、これに限定されず、所望のインパルス外乱を付与することができれば、どのようなものであってもよい。例えば、充電電流生成部2から二次電池1に充電電流を入力するのではなく、二次電池1にインパルス外乱付与を行うための電流を入力できるように構成してもよい。
また、本実施形態では、インパルス外乱を充電電流Iに付与するためには、インパルス信号形成部52からデューティ比設定部33にインパルス形成信号を送出するように構成したが、これに限定されない。例えば、予めインパルス信号形成部52に所定のデューティ比を設定しておき、判断部51から推定実行信号が入力された場合には、該所定のデューティ比を直接PWM形成部に入力するように構成してもよい。
本実施形態では、充電電流に対するインパルス外乱の付与は充電電流の初期値よりも小さい電流値となるように矩形状のパルスを入力するものであったが、これに限定されない。例えば、充電電流値自体を予め下げておいて、入力した電流値よりも高い電流値をもつインパルス外乱を付与しても良い。
本実施形態では、通過時間により二次電池1の内部抵抗を推定したが、これに限定されない。応答電流がインパルス外乱が充電電流に付与されたことにより変化している電流変化時間を用いて二次電池1の内部抵抗を推定すればよく、例えば、応答電流が最大になるまでの時間を基準として内部抵抗を推定してもよい。
1 二次電池
2 充電電流生成部
3 電流制御部
4 電流形成部
5 内部抵抗推定部
10 車両
21 入力側整流器
23 インバータ
24 絶縁トランス
25 出力側整流器
26 フィルター
31 センサー
32 PID制御部
33 デューティ比設定部
34 PWM形成部
51 判断部
52 インパルス信号形成部
53 応答電流センサー
54 記録部
55 内部抵抗算出部

Claims (5)

  1. 入力信号に応じて二次電池の充電電流を形成する電流形成部と、前記二次電池の内部抵抗を推定する内部抵抗推定部とを備え、
    前記内部抵抗推定部は、
    所定のタイミングで前記充電電流にインパルス外乱を与えるためのインパルス形成信号を前記電流形成部に前記入力信号として入力するインパルス信号形成部と、
    前記二次電池を流れる応答電流を検出する検出手段と、
    前記インパルス外乱に対応する前記応答電流が変化する電流変化時間から、前記内部抵抗を算出する内部抵抗算出部とを備えたことを特徴とする内部抵抗推定装置。
  2. 前記電流変化時間は、前記応答電流が、前記インパルス外乱付与前の該応答電流の初期値から変化して初期値に戻るまでの時間であることを特徴とする請求項1記載の内部抵抗推定装置。
  3. 前記内部抵抗推定部は、充電を開始してから前記充電電流が安定した後、直ちに前記内部抵抗を推定することを特徴とする請求項1又は2記載の内部抵抗推定装置。
  4. 前記内部抵抗推定部は、充電中、所定の期間毎に前記内部抵抗を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内部抵抗推定装置。
  5. 前記インパルス信号形成部は、前記インパルス形成信号を、前記インパルス外乱を付与された前記充電電流の電流値が、前記インパルス外乱付与前の前記充電電流の値よりも小さくなるように設定することを示すものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内部抵抗推定装置。
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