JP5152169B2 - 飲料容器の栓構造 - Google Patents

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Description

本願発明は、飲料容器の栓構造、さらに詳しくは、例えば、コーヒーサーバー或いは魔法瓶等のように内部に熱い内容物を入れる容器の栓構造に関するものである。
例えば、コーヒーサーバー或いは魔法瓶等のように内部に熱い内容物を入れる容器では、内容物の温度が下がらないように栓で密閉することが考えられる。しかし、内部に熱い内容物を入れた状態で栓で密閉すると、容器内で蒸気が発生し内圧が高まることになり、その状態で開弁すると、内部の高圧により蒸気が内容物とともに噴き出し、その噴き出した内容物等が手等に当たり思わぬ災害を引き起こす恐れがあった。
そのような弊害をなくすものとして、図14のような飲料容器の栓構造が提案されている。図で示す栓本体1は、天蓋2、レバー3、中栓4、減圧弁5及び弁部材6等を有し、一体に組み立てられ、図示しないコーヒーサーバー或いは魔法瓶等の容器の開口部に着脱自在に取り付けられ、容器内を閉弁する。
前記天蓋2は、栓本体1の上面を覆う略キャップ状の部材であり、その前方側(注出口7b側)には、レバー3の軸3aを軸支する図示しない軸受部が設けられ、その後方側(レバー3側)にはレバー3の操作部3bを後方に突出可能にするための切欠き2aが設けられる。また、前記レバー3は、その前方に軸3a、後方に操作部3bを有し、その間の底部に第1押圧部3c及び第2押圧部3dを有しており、天蓋2の軸受部に軸3aを軸支し、切欠き2aから操作部3bを後方に水平に延設する形態で取り付け、操作部3bを矢印で示すように回動自在に取り付ける。
前記中栓4は、弁部材6を支持し、液通路7を形成するための部材であり、外周壁4a、水平仕切壁4b、垂直仕切壁4c及び左右側壁4dを有し、外周壁4aと水平仕切壁4bと垂直仕切壁4cと左右側壁4dとで栓本体1の前方側に液通路7を形成する。該液通路7は、その下端に中栓4の下方に開口する注入口7aを有し、その上端に中栓4の前方に開口する注出口7bを有しており、弁部材6が開弁されると容器内の内容物を黒塗り矢印の丸2で示すように、注入口7aから注入し、注出口7bから外部に注出する。
前記弁部材6は、中栓4の水平仕切壁4bより立設するガイド筒4eに上下動自在に支持される略ラッパ状の部材であり、第2スプリング9を介在し、その上端の弁頭6aをレバー3の第2押圧部3dに隙間を設けて対向し、その下端の弁板6bを注入口7aに当接する形態で取り付けられる。
前記減圧弁5は、中栓4の水平仕切壁4bの後方に形成される開口10を開閉する柱状の部材であり、第1スプリング8を介在し、その上端の弁頭5aをレバー3の第1押圧部3cに当接し、その下端の弁板5bで開口10を閉弁する形態で取り付けられる。
そして、弁部材6の開弁動作は次のように行われる。即ち、レバー3の操作部3bを矢印で示すように下方に回動すると、その下動に連動してまず第1押圧部3cが減圧弁5を押し下げ、開口10を開放する。そのため、容器内の高圧蒸気は直ちに開口10より白抜き矢印の丸1で示すように排出され、容器内を減圧する。さらに操作部3bを下方に回動すると、第2押圧部3dが弁頭6aに当接し、弁部材6を減圧弁5より遅れて下動する。すると、注入口7aが開放され、容器を傾けることにより内容物を注出口7bから注出ことができるようになる。注出時には、容器内は既に減圧されているため、注出と同時に内容物が噴き出ることはなくなる(例えば、特許文献1参照。)。
上記のように、従来のものは、注出時に蒸気とともに内容物が同時に噴き出る弊害はなく、それなりに安全は確保されている。ところで、例えば、コーヒーサーバー或いは魔法瓶等のように内部に熱い内容物を入れる容器は、持ち上げて傾けて使用する等のため、できるだけ軽量で、且つ低価格のものが望まれている。
ところが、従来のものは、減圧弁5を用い、且つ、減圧弁5を作動するためにレバー3の下部に第1押圧部3cという肉厚の部分を形成しなければならなく、さらに減圧弁5を常時上動するための第1スプリング8をも設けなければならず、それだけ重量が重くなるとともに、部品点数が増えコスト高になるという弊害を有していた。
特開2004−315009号公報
本願発明の目的は、このような課題を解決するもので、軽量で低コストの飲料容器の栓構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
請求項1に係る発明では、飲料容器と、前記飲料容器の開口部に取り付けられる栓本体とを有し、前記栓本体は、ピン及び操作レバーを有する天蓋と、中栓と、前記飲料容器の内外部とを開放或いは遮断する弁部材とを有し、前記天蓋及び前記中栓に対し前記弁部材は取り外し可能であり、前記飲料容器をコーヒーメーカーに装着時、前記ピンは下方に下がって前記弁部材側の弁棒を押し下げることにより前記コーヒーメーカーからの液を前記飲料容器内に注入可能にし、前記飲料容器内の液の抽出時、前記操作レバーは下方に下がり、前記飲料容器内の液を前記弁部材を介して抽出可能にする構成。
請求項1に係る発明では、減圧弁、スプリング及び減圧弁押圧部が不要になる分、軽量化することができるため飲料容器の利便性を高めることができる。さらに、部品点数を低減することができるためそれだけ生産コストを低減することができる。
本願発明の飲料容器をコーヒーサーバーとして用いる例の全体を示す概略断面図 本願発明の飲料容器全閉時の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の飲料容器半開時(減圧時)の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の飲料容器全開時(注出時)の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の栓構造の分解状態を示す斜視図 本願発明の栓構造のレバーの平面図 本願発明の栓構造の天蓋を取り外した状態を示す平面図 本願発明の飲料容器全閉時の他の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の飲料容器半開時(減圧時)の他の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の飲料容器全開時(注出時)の他の栓構造を示す拡大断面図 本願発明の飲料容器のさらに他の栓構造を示す拡大断面図 図11の全閉時、減圧時及び注出時の状態を示す弁部材の底面図 本願発明の飲料容器のさらに他の栓構造を示す拡大断面図 従来の飲料容器の栓構造の概略断面図。
図1乃至図7に本願発明の飲料容器の栓構造を示す。図1はコーヒーサーバーとして用いる例の概略断面図を示し、図2は飲料容器全閉時の拡大断面図を示し、図3は飲料容器半開時(減圧時)の拡大断面図を示し、図4は飲料容器全開時(注出時)の拡大断面図を示し、図5は栓構造の分解斜視図を示し、図6はレバーの平面図を示し、図7は天蓋を取り外した平面図であり、蒸気の排出経路を示す。なお、本願発明の飲料容器の栓構造は、コーヒーサーバー、魔法瓶等のように内部にお湯等の内容物を入れ、蓋をしたときに内部の圧力が高くなるような容器の栓構造であり、以下においては、コーヒーサーバーの栓構造を例にして説明する。
図1に、コーヒーメーカー15で用いられる本願発明の飲料容器の一例であるコーヒーサーバー20を示す。コーヒーメーカー15は、その下端に載置台17を有し、その上端に抽出器18を有する断面略コ字状の製品であり、載置台17にコーヒーサーバー20を載せ、抽出器18にコーヒー粉体を入れて抽出器18の上方からお湯を注ぎ、抽出したコーヒー液をコーヒーサーバー20に滴下し貯留するものである。
コーヒーメーカー15の抽出器18の下端には、押圧部材19が設けられ、載置台17にコーヒーサーバー20を載せるとコーヒーサーバー20を閉蓋する後記栓本体30の上部中央に上方に突き出る形態で設けられるピン82を押下し、コーヒーサーバー20内へのコーヒー液の流入を可能にする。
即ち、栓本体30のピン82は、押下されるとともに同時に栓本体30に設けられる弁部材開閉パッキン81を開放する。そのため、抽出器18にコーヒー粉体を入れて抽出器18の上方からお湯を注ぐと、抽出したコーヒー液は、栓本体30の上面に流下し、栓本体30の中央に形成される液通路75aを介して弁部材開閉パッキン81よりコーヒーサーバー20に流入し貯留される。
前記コーヒーサーバー20は、容器本体21、肩部材25及び栓本体30からなる。容器本体21は、その上端に開口部21aを有するお湯等の内容物を入れる金属製の容器であり、外容器22及び内容器23の二重構造を呈し、両容器22、23間には真空断熱層24が形成され、内容物の保温効果を高めている。なお、容器本体21は、一重構造のものでもよい。
肩部材25は、容器本体21の開口部21aの上端部にパッキン28を介して取り付けられ、その前方側に注ぎ口26を有し、後方側に取手27を有する略筒状の樹脂製部材であり、開口部21aの上端部にパッキン28を当接する形態で容器本体21の上端部に無理ばめされ、さらにビス29で回り止めがなされる。なお、肩部材25の筒状の内壁面25aは、肩部材25が容器本体21に取り付けられた後においては容器本体21の開口部21a内に垂下する形態で位置するとともに、該内壁面25aの内周面には栓本体30を螺合するための雌ネジ25bを有している。
次に、栓本体30について説明する。栓本体30は、天蓋31、レバー40、中栓50及び弁部材70等を有し、一体に組み立てられ、容器本体21の肩部材25に着脱自在に螺合され、取り付けられた状態で容器本体21内を密閉状態に閉弁する。
前記天蓋31は、栓本体30の上面を覆う略キャップ状の部材であり、その前方側(注ぎ口26側)の内部には、レバー40の先端に設けられる第1軸41を軸支するための軸受部を有する軸受平板36が平行に垂下する形態で設けられ、その後方側(レバー40側)にはレバー40の操作部43を後方に突出可能にするための切欠き32が設けられる。また、天蓋31の上面には、すり鉢状の凹み33を有し、その凹み33の中央には、上下方向に貫通する中央開口34が形成され、例えば、コーヒー液を凹み33及び中央開口34をより容器本体21内に案内する。天蓋31の前方底部には、内方に向いた1個の係止片35が設けられており、天蓋31の下端部を中栓50の上端部に嵌合するとともに、係止片35を中栓50の上端部に設けられる係合溝67に無理ばめすることにより、天蓋31を中栓50に取り付ける。
前記レバー40は、図6にその平面を示すように、その前方に第1軸41を、第1軸41の後方に中空状のリング部42を、後方端に操作部43を有する樹脂製の部材である。第1軸41は、天蓋31の内底部に垂下する軸受平板36に軸支され、レバー40を図2で矢印で示す上下方向に回動自在に支持する。中空状のリング部42は、弁部材70の軸筒部75の上端部より上方に突出する軸受突片83を支持する部分で、大径部44及び小径部45を有し、大径部44には、内方に突出する第2軸46が径方向に対向して2個設けられている。そして、この第2軸46は、後記の弁部材70の軸受突片83に設けられる軸受84に軸支され、操作部43の下方への回動に連動して弁部材70を下方に押し下げる。
前記中栓50は、弁部材70を支持し、液通路56及び容器本体21内の圧力を逃がす通路を形成するための部材であり、その全体を図5に示す。中栓50は、外壁を形成する外周壁51、下から略1/3の高さの位置に設けられる水平仕切壁52、前方側に設けられる円弧状の垂直仕切壁53、該垂直仕切壁53の両側端部に上下方向で且つ平行に設けられる左右仕切壁54、54、及び垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54との上面を覆うように設けられる上部仕切壁55を有し、外周壁51と垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54と上部仕切壁55とで栓本体30の前方側に断面略矩形状で、且つ略直角に折れ曲がった液通路56を形成する。該液通路56は、その下端に中栓50の下方に開口する注入口57を有し、その上端に中栓50の前方に開口する注出口58を有している。
液通路56の下端には、液通路56の略矩形状の断面と同一の筒状突起56aが垂下する形態で形成されている。この筒状突起56aは、弁部材70の閉弁時、弁部材70の上面に形成される矩形状溝73内に若干の隙間を有して嵌入しており、弁部材70が一定以上開弁すると容器本体21内の内容物を図4に矢印で示すように、注入口57から注入し、注出口58から外部に排出する。
前記外周壁51の外周には、雄ネジ59が形成されており、この雄ネジ59を肩部材25の内壁面25aに設けられる雌ネジ25bに螺合することにより、中栓50を肩部材25に取り付けることになる。また、中栓50の中央には、垂直仕切壁53を一壁面とし、弁部材70の軸筒部75が上下動自在に支持される筒状のガイド筒60を有している。
また、ガイド筒60の外周に設けられる水平仕切壁52は、中栓50の内部を上部室61及び下部室62に区画するとともに、上部室61には、図5に示すように、2個の肉厚の板状壁体63が一方の側部を外周壁51に当接する形態で立設されている。この2個の板状壁体63内には、その下端を下部室62に開口し、その上端を中栓50の上部外周面の上端開口65に開口する略直角に折れ曲がった圧力を逃がす通路である蒸気抜き通路64が形成されている。この蒸気抜き通路64の上端開口65は、中栓50の上端外周部に形成され、注ぎ口26に達する環状溝66に連通しており、弁部材70の開弁時に下部室62に排出される蒸気は、図7で矢印で示すように蒸気抜き通路64より環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出される。そのため取手27を持っている手等に蒸気が直接当たることはなくなる。
前記上部仕切壁55の上面には、係合溝67が設けられており、中栓50上に天蓋31を取り付ける際、係合溝67には天蓋31の下端部に設けられる係止片35が無理ばめ係合される。なお、この例の場合、圧力を逃がす通路は、下部室62、蒸気抜き通路64及び環状溝66が相当するが、これに限らず、例えば蒸気抜き通路64及び環状溝66を設けず、下部室62から切欠き32を介して外部へ放出するようなものでもよい。
前記弁部材70は、蒸気並びに内容物を注出するための樹脂製部材であり、その全体を図5に示す。弁部材70は、弁板部71及び軸筒部75よりなる。弁板部71は、水平且つ円盤状の部材であり、その外周端には、シールパッキン72が設けられる。また、その上面には、矩形状溝73が設けられる。この矩形状溝73は、中栓50の液通路56の下端に垂下する形態で設けられる筒状突起56aより若干大きな相似形で、且つ筒状突起56aの上下方向の長さと略同一の深さを有しており、弁部材70の閉弁時、矩形状溝73内に筒状突起56aが若干の隙間を有して嵌入する。そして、弁部材70が一定以上開弁し、筒状突起56aの先端が矩形状溝73から外に出た状態で注入口57が開口されることになる。注入口57が開口された状態になると容器本体21内の内容物は、図4に矢印で示すように、注入口57から液通路56に侵入し、注出口58から外部に排出される。
軸筒部75は、弁板部71の中央に立設する中空状の部分であり、そのほぼ中間外周面にはシールパッキン76が設けられ、ガイド筒60の内周面との間をシールする。また、その内部には、例えばコーヒー液等の抽出物を容器本体21内に流下するための抽出物通路75aが設けられ、さらにこの抽出物通路75aの下方には同一円周上に中央に向かって一定の長さ水平に伸びる複数のリブ77が設けられている。
抽出物通路75aの中央には、上下方向に長い弁棒78が設けられる。この弁棒78の上端部には、水平方向に張り出した円盤状の弁頭部80が形成され、その下端部には、通路開閉パッキン81が設けられる。そして、弁頭部80の下面とリブ77の上面との間にはスプリング79が介在され、弁棒78を常時上動し、弁棒78の下端部に設けられる通路開閉パッキン81を弁板部71の下面に押圧し、抽出物通路75aを閉鎖する。
栓本体30が組み立てられた後では、天蓋31の中央開口34から垂下する形態でピン82が取り付けられる。ピン82は、図5に示すように上下方向に複数の開口82cを有する傘部82aと、弁棒82bとからなる部材で、上下方向に移動可能で、且つ図示しない抜け止め手段により中央開口34から抜け出ないようにされているとともに、通常時では、弁棒82bの下端を弁棒78の弁頭部80上面に当接し、傘部82aを中央開口34の上面の上方に位置する形態で取り付けられる。そして、図1に示すように、容器本体21がコーヒーメーカー15の載置台17に置かれると、抽出器18下端に設けられる押圧部材19がピン82を押し下げ、ピン82はスプリング79の力に抗して弁棒78を押し下げ、通路開閉パッキン81を開放する。その結果、抽出器18で抽出されるコーヒー液は、ピン82の開口82c及び抽出物通路75aを介して容器本体21内に導入される。
軸筒部75の上端部には、径方向に対向する位置にそれぞれ同じ高さの位置に軸受84を有する2つの軸受突片83、83が立設されている。この軸受突片83、83は、レバー40のリング部42の大径部44に嵌入される部分であり、この軸受突片83、83を大径部44に嵌入し、図5で示すように弁部材70を「取り付け」方向の矢印方向(図6では反時計方向の矢印方向に相当する)に回動し、軸受突片83、83のそれぞれに設けられる軸受84にレバー40のリング部42に設けられる第1軸41、41を圧入することによりレバー40と弁部材70とが一体に取り付けられ、レバー40の下方への回動に連動し、弁部材70を下動する。なお、レバー40を取り付ける際、第1軸41と中栓50の上部仕切壁との間にばね部材47が介在され、レバー40を常時反時計方向に押圧する。
組み付けは、次のように行われる。まず、天蓋31の内底部に設けられる軸受平板36にレバー40の先端に設けられる第1軸41を圧入して軸支し、図5の最上部の状態にする。次いで、中栓50の上部にレバー40を軸支した天蓋31を置き、上下から力を加え、天蓋31の前方底部に設けられる係止片35と中栓50の前方上端部に設けられる係合溝67とを無理ばめすることにより、天蓋31と中栓50とを一体に取り付ける。
その後、中栓50のガイド筒60内に弁部材70の軸筒部75を嵌入し、中栓50の底部を弁部材70の上面に当接し、軸受突片83、83をレバー40のリング部42の大径部44に嵌入する。そして、弁部材70を、図5で示すような「取り付け」方向の矢印方向(レバー40側では図6に示すように反時計方向の矢印方向)に回動し、軸受突片83、83のそれぞれに設けられる軸受84、84に、レバー40のリング部42に設けられる第1軸41、41を圧入し、レバー40と弁部材70とを一体に取り付ける。その結果、栓本体30が組み立てられたことになり、レバー40を下方へ回動することにより、弁部材70を同時に下動することができるようになる。組み立てられた栓本体30は、外周壁51の外周に設けられる雄ネジ59を、肩部材25の内壁面25aに設けられる雌ネジ25bに螺合し、シールパッキン85により容器本体21を密閉する。
弁部材70の開弁時、まず最初に蒸気を注出して容器本体21内を減圧し、続いて時間差を設けて内容物を注出する機構について説明する。弁部材70の閉弁時では、図2に示すように、レバー40は回動されていない略水平状態にあり、弁部材70の外周に設けられるシールパッキン72の上面は、中栓50の下端部に当接され、中栓50の液通路56の下端に設けられる筒状突起56aは、弁板部71の上面に設けられる矩形状溝73に嵌入しており、容器本体21内は密閉されている。
レバー40を図3のように略半分下方に回動させ半開時の状態にすると、弁板部71は、レバー40の回動により下方へ押し下げられ、弁板部71の上面は、中栓50の液通路56の下端に設けられる筒状突起56aの下端部より若干上方に位置する。この位置では、弁板部71の上面は中栓50の下端より下方に位置し、中栓50下方の下部室62と容器本体21内とを連通するが、中栓50下端の筒状突起56aは、弁板部71上面の矩形状溝73内にまだ嵌入した状態にある。そのため、容器本体21内の高圧蒸気は、図3の矢印及び図7の矢印で示すように下部室62から蒸気抜き通路64及び環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出され、容器本体21内を減圧する。しかし、内容物は液通路56から排出されることはない。
さらにレバー40を図4のように最大限下方に回動させ全開時にすると、弁板部71は、レバー40の回動によりさらに下方へ押し下げられ、弁板部71の上面は、液通路56下端の筒状突起56aの下端部よりさらに下方に位置する。この位置では、注入口57は完全に開口される。そのため、図4で矢印で示すように、内容物を液通路56から注出することができるようになる。この場合、容器本体21内は既に減圧されており、注出時に高圧により内容物が噴出することはない。
なお、この例の時間差を設ける手段は、液通路56下端の筒状突起56aと、弁部材70上面の矩形状の溝73として説明したが、例えば、液通路56の下端に設けた筒状突起56aを液通路56の下端ではなく、弁部材70の上面に立設し、その筒状突起を液通路56内に嵌入する形態のものでもよい。その場合、弁部材70の上面に溝を設ける必要がなくなる。
図8乃至図10に本願発明の他の飲料容器の栓構造を示す。この例のものは、中栓の下端に設けられるスカート状の筒状部材と、該筒状部材の内周面に設けられる切欠溝とで時間差を設ける手段を構成するものである。図8は弁部材の全閉時の状態を示し、図9は弁部材の半開時の状態を示し、図10は弁部材の全開時の状態を示す。なお、実施例1の相違する部分について主として説明し、共通する部分については説明を省略する。
実施例1と比べ大きく異なる点は、中栓の底部構造であるが、以下においては実施例1との共通部分をも含め説明する。中栓50は、弁部材70を支持し、液通路56及び容器本体21内の圧力を逃がすための通路を形成するための部材であり、外壁を形成する外周壁51、下から略1/3の高さの位置に設けられる水平仕切壁52、前方側に設けられる円弧状の垂直仕切壁53、該垂直仕切壁53の両側端部に上下方向で且つ平行に設けられる左右仕切壁54、54、及び垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54との上面を覆うように設けられる上部仕切壁55を有し、外周壁51と垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54と上部仕切壁5とで栓本体30の前方側に断面略矩形状で、且つ略直角に折れ曲がった液通路56を形成する。該液通路56は、その下端に中栓50の下方に開口する注入口57を有し、その上端に中栓50の前方に開口する注出口58を有しており、弁部材70が一定以上開弁すると容器本体21内の内容物を図10に矢印で示すように、注入口57から注入し、注出口58から外部に排出する。
前記外周壁51の外周には、雄ネジ59が形成されており、この雄ネジ59を肩部材25の内壁面25aに設けられる雌ネジ25bに螺合することにより、中栓50を肩部材25に取り付けることになる。また、中栓50の中央には、垂直仕切壁53を一壁面とし、弁部材70の軸筒部が上下動自在に支持される筒状のガイド筒60を有している。
また、ガイド筒60の外周に設けられる水平仕切壁52は、中栓50の内部を上部室61及び下部室62に区画するとともに、上部室61には、図5に示すように、2個の肉厚の板状壁体63が一方の側部を外周壁51に当接する形態で立設されている。この2個の板状壁体63内には、その下端を下部室62に開口し、その上端を中栓50の上部外周面の上端開口65に開口する略直角に折れ曲がった圧力を逃がす通路である蒸気抜き通路64が形成されている。この蒸気抜き通路64の上端開口65は、中栓50の上端外周部に形成され、注ぎ口26に達する環状溝66に連通しており、弁部材70の開弁時に下部室62に排出される蒸気は、図7で矢印で示すように蒸気抜き通路64より環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出される。そのため取手27を持っている手等に蒸気が直接当たることはなくなる。
この例のものでは、中栓50の底部外周面に下方に垂下する形態でスカート状の筒状部材90が設けられている。この筒状部材90の内径は、弁部材70の弁板部71の外径より若干大きく、且つ、高さは、弁部材70の弁板部71の厚さと略同じにされている。また、筒状部材90の後方側の内周面、即ち、取手27側であり、下部室62の下方に位置する内周面には、切欠溝91が形成されている。この切欠溝91は、横断面が円弧状で、上下方向の長さが弁部材70の弁板部71の厚さより短くされ、筒状部材90の下端から上方に延設する形態で設けられている。そのため、弁部材70の閉弁時には、図8に示すように、弁部材70は、筒状部材90内に全て収まる形態で嵌合されており、容器本体21内と液通路56及び下部室62とは遮断されている。
レバー40を図9のように略半分下方に回動させ半開時の状態にすると、弁板部71は、レバー40の回動により下方へ押し下げられ、弁板部71の上面は、中栓50下端の筒状部材90の下端部より若干上方に位置する。この位置では、中栓50の上面は切欠溝91の上端より下方に位置するが、注入口57はまだ容器本体21内とは遮断されている。そのため、容器本体21内の高圧蒸気は、図9の矢印及び図7の矢印で示すように下部室62から蒸気抜き通路64及び環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出されており、容器本体21内を減圧している。しかし、内容物は液通路56から排出されることはない。なお、開弁時途中のどの時点で容器本体21内と下部室62とを連通させるかは切欠溝91の長さにより適宜決定できるが、全閉時から半開時の間が好ましい。
さらにレバー40を図10のように最大限下方に回動させ全開時にすると、弁板部71は、レバー40の回動によりさらに下方へ押し下げられ、弁板部71の上面は、中栓50の筒状部材90の下端部よりさらに下方に位置する。この位置では、注入口57は完全に開口される。そのため、図10で矢印で示すように、内容物を液通路56から注出することができるようになる。この場合、容器本体21内は既に減圧されており、注出時に高圧により内容物が噴出することはない。
図11、図12に本願発明のさらに他の飲料容器の栓構造を示す。この例のものは、中栓の下端に設けられるスカート状の筒状部材と、該筒状部材内で回動自在な弁部材とで時間差を設ける手段を構成するものである。図11に全体の断面を示し、図12に弁部材の全閉時、半開時及び全開時の状態を示す。なお、実施例1の相違する部分について主として説明し、共通する部分については説明を省略する。
実施例1と比べ大きく異なる点は、中栓の底部構造と弁部材であるが、以下においては実施例1との共通部分をも含め説明する。中栓50は、弁部材70を支持し、液通路56及び容器本体21内の圧力を逃がす通路を形成するための部材であり、外壁を形成する外周壁51、底部仕切壁92、前方側に設けられる円弧状の垂直仕切壁53、該垂直仕切壁53の両側端部に上下方向で且つ平行に設けられる左右仕切壁54、54、及び垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54との上面を覆うように設けられる上部仕切壁55を有し、外周壁51と垂直仕切壁53と左右仕切壁54、54と上部仕切壁5とで栓本体30の前方側に断面略矩形状で、且つ略直角に折れ曲がった液通路56を形成する。該液通路56は、その下端に中栓50の下方に開口する注入口57を有し、その上端に中栓50の前方に開口する注出口58を有しており、弁部材70が一定以上開弁すると容器本体21内の内容物を注入口57から注入し、注出口58から外部に排出する。
前記外周壁51の外周には、雄ネジ59が形成されており、この雄ネジ59を肩部材25の内壁面25aに設けられる雌ネジ25bに螺合することにより、中栓50を肩部材25に取り付けることになる。また、中栓50の中央には、垂直仕切壁53を一壁面とし、弁部材70の軸筒部75が上下動自在に支持される筒状のガイド筒60を有している。
また、ガイド筒60の外周に設けられる底部仕切壁92は、中栓50の内部に室93を形成するとともに、該室93には、図11に示すように、2個の肉厚の板状壁体63が一方の側部を外周壁51に当接する形態で立設されている。この2個の板状壁体63内には、その下端を底部仕切壁92の下方に開口し、その上端を中栓50の上部外周面の上端開口65に開口する略直角に折れ曲がった圧力を逃がす通路である蒸気抜き通路64が形成されている。この蒸気抜き通路64の上端開口65は、中栓50の上端外周部に形成され、注ぎ口26に達する環状溝66に連通しており、弁部材70の開弁時に下部室62に排出される蒸気は、蒸気抜き通路64より環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出される。そのため取手27を持っている手等に蒸気が直接当たることはなくなる。
この例のものでは、実施例2と同様に、中栓50の底部外周面に下方に垂下する形態でスカート状の筒状部材90が設けられている。この筒状部材90の内径は、弁部材70の弁板部71の外径より若干大きく、且つ、高さは、弁部材70の弁板部71の厚さと略同じにされており、図11に示すように、弁部材70は、常時筒状部材90内に全て収まる形態で嵌合されている。
弁部材70は、弁板部71の一部の形状とその動作形態を除いて実施例1のものと同じである。まず、その動作形態について説明する。弁部材70の弁板部71は、中栓50の底部外周面に形成される筒状部材90内に嵌入した状態で回動自在にされている。その回動は、レバー40の水平方向の回動に連動する形態で行われ、その範囲は180度の範囲である。
その構造の一例について説明する。実施例1での中栓50の上部仕切壁55に設けられる係合溝を環状溝67にし、天蓋31の下端部に設けられる係止片を環状片35にし、環状溝67内に環状片35を係合することにより天蓋31を中栓50に係止するとともに、天蓋31を中栓50上で180度に亘って回動可能にする。次いで、天蓋31後方の切欠き32の水平方向の幅をレバー40の水平方向の幅より若干大きい幅にし、レバー40と天蓋31とをほぼ一体に連動可能にする。このような構成により、レバー40を水平方向に回動することにより、第2軸46及び軸筒部75を介して弁板部71を筒状部材90内で回動することができる。
次いで、弁板部71であるが、弁板部71には、上下方向に貫通した大形開口94及び小形開口95の2つの開口が90度強離れて設けられる。そして、大形開口94は、液通路56の注入口57と略同じの矩形状とされ、小形開口95は、底部仕切壁92に設けられる蒸気抜き通路64と略同じの円形とされるとともに、大形開口94及び小形開口95は、図12Cで示す弁部材70の全開時には、注入口57及び蒸気抜き通路64と重なる位置に設けられる。
弁部材70の閉弁時には、弁板部71は図12Aに示す位置にある。即ち、大形開口94は注入口57の反対側に位置し、大形開口94より90度強離れて設けられる小形開口95は蒸気抜き通路64の反対側に位置する。そのため、容器本体21内と液通路56及び蒸気抜き通路64とは遮断されている。
レバー40を回動させ半開時の状態にすると、弁板部71は、図12Bのように位置する。この位置では、大形開口94と蒸気抜き通路64とは重なるが、注入口57はまだ容器本体21内とは遮断されている。そのため、容器本体21内の高圧蒸気は、蒸気抜き通路64及び環状溝66を経て注ぎ口26から前方側へ排出されており、容器本体21内を減圧している。しかし、内容物は液通路56から排出されることはない。
さらにレバー40を最大限下方に回動させ全開時にすると、弁板部71は、図12Cのように位置する。この位置では、大形開口94と注入口57とが重なるとともに、小形開口95と蒸気抜き通路64とが重なる。そのため、内容物を液通路56から注出することができるようになる。この場合、容器本体21内は既に減圧されており、注出時に蒸気とともに内容物が噴出することはない。さらに、小形開口95と蒸気抜き通路64とが重なっており、注出時、蒸気抜き通路64及び小形開口95を介して容器本体21内に空気が導入するため、内容物の注出は滑らかに行われる。
図13に本願発明のさらに他の飲料容器の栓構造を示す。この例のものは、容器本体21を傾けた状態ではレバー40の操作を行うことができないようにするものである。なお、実施例1の相違する部分について主として説明し、共通する部分については説明を省略する。
この例のものは、実施例1〜3のものにレバー操作禁止手段を設けるものである。レバー操作禁止手段は、ガイドレール96及び止め部材97を有する。ガイドレール96は、レバー40の下方に設けられ、後方側の取手27側から前方側の注ぎ口26側に向かって上方に傾斜する形態で設けられるレール状の部材であり、その両側面には止め部材97が下方に落ちないように図示しない側壁が設けられる。また、その最上部近傍には略水平でその中央底部が若干窪んだ段部98が設けられている。
止め部材97は、球体或いは円柱状等の転がり部材であり、ガイドレール96上に置かれ、ガイドレール96上を下方から上方の段部98まで落下することなく転動可能に設けられている。そして、容器本体21をテーブル等に置いた通常時では、レバー40は、図に示すように水平方向にあり、止め部材97は最下位置(B位置)にある。
ところが、取手27を持って容器本体21を前方側へ傾けると止め部材97はガイドレール96上を転がって段部98に達する(C位置)。止め部材97が段部98に達すると、止め部材97の上面とレバー40の底面とは若干の隙間しかないように段部98の位置が決められており、この状態でレバー40を下方に押動したとしてもレバー40は止め部材97に当接しそれ以上の下動ができなくなる。
ところで、本願発明の時間差を設ける手段は、レバー40を押し下げる速さを早くするほど蒸気の注出と内容物の注出との時間差は短くなる関係を有しているところ、容器本体21を傾けた状態でレバー40を押し下げる場合、早く注出したいという思いが強くなりレバー40を強い力で押動しがちになる。すると、時間差が短くなり、容器本体21が完全に減圧されておらず、容器本体21内の高圧により内容物が噴出し、内容物を入れようとしているコップの回りに内容物が噴出する等の弊害が生じる恐れがある。また、例え、十分な時間差を設けたとしても容器本体21を傾けた状態でレバー40を押し下げる場合、取手27を持つ手は蒸気が排出される注ぎ口26近傍の上部に位置することになり、該注ぎ口26近傍から噴出する蒸気が上昇し、手に当たる等の弊害も発生する。この例の場合、上記したような弊害を防止することができる。
なお、この例の場合、実施例1〜3に記載した時間差を設ける手段との併用で説明したが、必ずしも併用である必要はない。即ち、時間差を設ける手段がない従来のものにおいても、上記レバー操作禁止手段を設けることにより、容器本体21を傾けた状態でレバー40を押し下げる場合に生じる容器本体21内の高圧に起因した内容物の予測できない噴出、即ち周囲への飛び散り等を防止することができる。
本願発明は、前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
15…コーヒーメーカー 17…載置台
18…抽出器 19…押圧部材
20…コーヒーサーバー 21…容器本体
21a…開口部 22…外容器
23…内容器 24…真空断熱層
25…肩部材 25a…内壁面
25b…雌ネジ 26…注ぎ口
27…取手 28…パッキン
29…ビス 30…栓本体
31…天蓋 32…切欠き
33…凹み 34…中央開口
35…係止片 36…軸受平板
40…レバー 41…第1軸
42…リング部 43…操作部
44…大径部 45…小径部
46…第2軸 47…バネ部材
50…中栓 51…外周壁
52…水平仕切壁 53…垂直仕切壁
54…左右仕切壁 55…上部仕切壁
56…液通路 56a…筒状突起
57…注入口 58…注出口
59…雄ネジ 60…ガイド筒
61…上部室 62…下部室
63…板状壁体 64…蒸気抜き通路
65…上端開口 66…環状溝
67…係合溝 70…弁部材
71…弁板部 72…シールパッキン
73…矩形状溝 75…軸筒部
75a…抽出物通路 76…シールパッキン
77…リブ 78…弁棒
79…スプリング 80…弁頭部
81…通路開閉パッキン 82…ピン
82a…傘部 82b…弁棒
82c…開口 83…軸受突片
84…軸受 85…シールパッキン
90…筒状部材 91…切欠溝
92…底部仕切壁 93…室
94…大形開口 95…小形開口
96…ガイドレール 97…止め部材
98…段部

Claims (1)

  1. 飲料容器と、前記飲料容器の開口部に取り付けられる栓本体とを有し、
    前記栓本体は、ピン及び操作レバーを有する天蓋と、中栓と、前記飲料容器の内外部とを開放或いは遮断する弁部材とを有し、
    前記天蓋及び前記中栓に対し前記弁部材は取り外し可能であり、
    前記飲料容器をコーヒーメーカーに装着時、前記ピンは下方に下がって前記弁部材側の弁棒を押し下げることにより前記コーヒーメーカーからの液を前記飲料容器内に注入可能にし、
    前記飲料容器内の液の抽出時、前記操作レバーは下方に下がり、前記飲料容器内の液を前記弁部材を介して抽出可能にすることを特徴とする飲料容器の栓構造。
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