以下に添付図面を参照して、この医療業務支援プログラム、医療業務支援装置、医療業務支援方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書において、医療業務支援装置とは、医療業務支援システムを構成するコンピュータ装置(レセプトコンピュータ、メンテナンスサーバ)であり、医療業務支援プログラムとは、医療業務支援装置にインストールされたプログラムである。
(実施の形態1)
(医療業務支援システムのシステム構成)
まず、本実施の形態1にかかる医療業務支援システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる医療業務支援システムのシステム構成図である。図1において、医療業務支援システム100は、レセプトコンピュータ(以下、「レセコン」という)101と、審査支払機関端末102と、メンテナンスサーバ(以下、「メンテサーバ」という)103と、がインターネット、WANなどのネットワーク110を介して相互に通信可能に接続されている。
レセコン101は、レセプトDB120と相関DB130とチェックDB140とを備え、レセプトデータの作成、修正およびチェックをおこなうコンピュータ装置である。レセコン101は、保険医指定された医師や歯科医師により医療処置を受けることができる病院や診療所などの施設に設置されている。
審査支払機関端末102は、レセコン101からのレセプトデータの審査依頼を受け付けるコンピュータ装置である。審査支払機関端末102は、医療機関からオンライン提出されたレセプトの審査、および医療機関への診療報酬の支払いをおこなう審査支払機関(国民健康保険組合連合会や社会保険診療報酬支払基金など)に設置されている。
メンテサーバ103は、累積相関DB150とチェックマスタDB160とを備え、チェックマスタDB160の保守・管理をおこなうコンピュータ装置である。メンテサーバ103は、医療業務支援システム100を管理する管理センターに設置されている。
ここで、本実施の形態1にかかる医療業務支援システム100の概要を説明する。医療機関では、レセコン101において、レセプトデータが作成され、作成されたレセプトデータがレセプトDB120に登録される。レセプトDB120の保持内容は、月単位でレセコン101から審査支払機関の審査支払機関端末102に送信される(オンライン提出)。
また、レセコン101において、作成済みのレセプトデータを用いて、相関DB130の保持内容が更新される。相関DB130の保持内容は、月末にレセコン101から管理センターのメンテサーバ103に送信される(アップロード処理)。また、レセコン101において、月初めにチェックマスタDB160の保持内容をメンテサーバ103から受信することで、チェックDB140の保持内容が変更される(ダウンロード処理)。
さらに、レセコン101において、チェックDB140を用いて、作成済みのレセプトデータのチェックがおこなわれる。レセプトデータのチェックは、審査支払機関へのオンライン提出前におこなわれる作業であり、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの妥当性がチェックされる。
審査支払機関では、審査支払機関端末102によりレセコン101から受け付けたレセプトデータの審査をおこなう。審査支払機関において審査されたレセプトデータの審査結果は、審査支払機関端末102から提出元の医療機関のレセコン101に送信される。また、レセプトデータの審査が完了すると、その審査結果に応じて、審査支払機関から医療機関に診療報酬が支払われる。
管理センターでは、月末の深夜に、メンテサーバ103において、チェックマスタDB160のメンテナンスがおこなわれる。チェックマスタDB160のメンテナンスが完了すると、つぎの月初めに、チェックマスタDB160の保持内容がメンテサーバ103からレセコン101に送信される。
(レセプトデータの具体例)
つぎに、図1に示したレセコン101において作成されたレセプトデータの具体例について説明する。図2は、レセプトデータの具体例を示す説明図である。図2において、レセプトデータRは、医療機関で保険診療を受けたときの被保険者の自己負担分以外の料金を医療機関が審査支払機関に請求する診療報酬明細書であり、CSV(Comma Separated Value format)形式で記述されている。
具体的には、レセプトデータRには、カンマ区切りで複数の要素のデータが記述されている。ここでは、患者の患者ID『××−007』、氏名『富士太郎』、病名『気管支炎、接触皮膚炎』、薬剤『PL顆粒、サジテンシロップ、イブプロフェン顆粒、メサテルム軟膏』が記述されている。なお、図示は省略するが、患者に実施された保険診療が『初診』または『再診』であることを特定する要素が含まれていてもよい。
(相関DBの保持内容)
つぎに、図1に示した相関DB130の保持内容について説明する。図3は、相関DBの保持内容を示す説明図である。図3において、相関DB130には、病名と薬剤との組み合わせごとに、病名と薬剤との相互の相関関係をあらわす相関情報300−1〜300−mが保持されている。ここで、相関情報300−1を例に挙げると、病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との相互の相関関係をあらわす相関値『177.233』が保持されている。
(チェックDBの保持内容)
つぎに、図1に示したチェックDB140の保持内容について説明する。図4は、チェックDBの保持内容を示す説明図である。図4において、チェックDB140には、病名と薬剤との組み合わせごとにチェックデータ400−1〜400−nを保持している。
具体的には、チェックデータ400−1〜400−nは、組み合わせごとに、一対の病名と薬剤、チェック項目および属性項目を有している。チェック項目は、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を特定する情報である。ここでは、組み合わせが正しい場合には『OK』となり、誤っている場合には『NG』となる。
属性項目は、組み合わせの属性を特定する情報である。たとえば、病名と薬剤との組み合わせの妥当性をユーザに問い合わせる必要がある組み合わせは『要確認』となる。属性としては『要確認』の他に、『確認済』および『未送信』がある。『確認済』および『未送信』についての説明は後述する。
ここで、チェックデータ400−iを例に挙げると、病名『接触皮膚炎』と薬剤『メサテルム軟膏』との組み合わせの妥当性は、ユーザに問い合わせる必要があり、チェック項目が『null』となり、属性項目が『要確認』となっている。
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したコンピュータ装置のハードウェア構成について説明する。図5は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5においてコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、ディスプレイ508と、I/F(インターフェース)509と、キーボード510と、マウス511と、スキャナ512と、プリンタ513と、を備えている。また、各構成部はバス500によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU501は、コンピュータ装置の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、磁気ディスク505として、ハードディスク、フレキシブルディスクなどを採用することができる。
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク507に記憶されたデータをコンピュータ装置に読み取らせたりする。
また、光ディスク507として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical)、メモリーカードなどを採用することができる。ディスプレイ508は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ508は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F509は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク110に接続され、このネットワーク110を介して他の装置に接続される。そして、I/F509は、ネットワーク110と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F509には、たとえば、モデムやLAN(Local Area Network)アダプタなどを採用することができる。
キーボード510は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス511は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ512は、画像を光学的に読み取りコンピュータ装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ512は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ513は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ513には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(医療業務支援システムの機能的構成)
つぎに、図1に示した医療業務支援システム100の機能的構成について説明する。
(レセコンの機能的構成)
まず、レセコン101の機能的構成について説明する。図6は、レセコンの機能的構成を示すブロック図である。図6において、レセコン101は、相関DB130と、チェックDB140と、入力部601と、抽出部602と、更新部603と、取得部604と、送信部605と、受信部606と、変更部607と、判定部608と、出力部609と、を備えている。
これら各機能601〜609は、レセコン101のROM502やRAM503などの記憶部に記憶された当該機能601〜609に関するプログラムをCPU501に実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。また、各機能601〜609からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図6中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPU501に実行させるものとする。
まず、入力部601は、レセプトデータの入力を受け付ける機能を有する。レセプトデータは、患者ごとに、患者の病名と患者に施された診療内容とが記述された電子データである。また、診療内容とは、患者が医師から受けた治療、投薬の内容であり、具体的には、患者に処方された薬剤、患者に実施された処置、検査などである。以下において、本実施の形態1では、患者に施された『診療内容』を、患者に処方された『薬剤』として説明する。
ここで、レセコン101のディスプレイ508に表示されるレセプトデータの入力画面について説明する。この入力画面はレセプトデータの作成時に表示される。図7は、入力画面の一例を示す説明図である。図7において、ディスプレイ508には、図2に示したレセプトデータRの入力画面700が表示されている。
入力画面700において、カーソルCを移動させて各ボックスをクリックすることにより、各種情報を入力することができる。たとえば、カーソルCを移動させてボックス710をクリックすると、患者の『氏名』を入力することができる。また、ボックス720をクリックすると患者の『病名』を入力することができる。さらに、ボックス730をクリックすると患者に処方された『薬剤名』を入力することができる。
各種情報の入力が完了しカーソルCを移動させてボタン740をクリックすると、レセプトデータRがレセプトDB120(図1参照)に登録される。また、患者のレセプトデータの内容を一新したい場合などに、カーソルを移動させてボタン750をクリックすると、入力された各種情報が一括消去される。
なお、患者ID、病名IDおよび薬剤IDは、レセプトデータRの新規作成時、新たな病名または薬剤がボックス720,730に入力された時点で自動的に付与されることとしてもよく(たとえば、昇順)、また、ユーザが任意に指定した患者ID、病名ID、薬剤IDを付与することとしてもよい。
上記入力部601は、入力画面700に入力されたレセプトデータRを受け付けることとしてもよく、また、レセプトDB120から取得されたレセプトデータRの入力を受け付けることとしてもよい。
図6の説明に戻り、抽出部602は、新たに作成された患者のレセプトデータの中から、患者の病名と当該患者に処方された薬剤との組み合わせを抽出する機能を有する。ここで、レセプトデータR(図2参照)を例に挙げると、病名『気管支炎、接触皮膚炎』と薬剤『PL顆粒、サジテンシロップ、イブプロフェン顆粒、メサテルム軟膏』との8通りの組み合わせのうち、任意の組み合わせ(たとえば、病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせ)を抽出する。
更新部603は、過去に作成されたレセプトデータに出現した病名と薬剤との組み合わせの出現頻度を当該組み合わせごとに保持する相関DB130の保持内容のうち、抽出部602によって抽出された組み合わせの出現頻度を更新する機能を有する。ここで、出現頻度とは、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの出現回数に応じて増減する指標である。
これは、出現頻度が高いほど実際に医療機関でその組み合わせで使用され、病名と薬剤との相互の相関関係が強いことを意味している。つまり、各組み合わせの出現頻度は、組み合わせをつくる病名と薬剤との相関関係をあらわしている。以下において、本実施の形態1では、組み合わせの『出現頻度』を、その組み合わせをつくる病名と薬剤との相関関係をあらわす『相関値』として扱う。
更新部603による更新処理の具体例としては、抽出部602によって組み合わせが抽出されると、その都度、相関DB130の保持内容のうち、該当する組み合わせの相関値を増加させることとしてもよい。具体的には、たとえば、抽出部602によって抽出された都度、組み合わせの相関値に「1」を加算することとしてもよい。
ただし、単純に「1」を加算する場合、あるレセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせが多ければ多いほど、そのレセプトデータが相関DB130の保持内容に与える影響が大きくなってしまう。そこで、各レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの総数に応じて、相関値の加算分を正規化することとしてもよい。
具体的には、たとえば、レセプトデータの全情報量に対する1つの組み合わせの情報量が占める割合を相関値の加算分とすることとしてもよい。より具体的には、各レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの総数の逆数を、レセプトデータごとの相関値の加算分としてもよい。
ここで、図2に示したレセプトデータRを例に挙げると、病名と薬剤との組み合わせの総数は「(病名数)×(薬剤数)=8」である。この場合、相関値の加算分は「1/8=0.125」となる。つまり、更新部603は、レセプトデータRの中から病名と薬剤との組み合わせが抽出された都度、相関DB130の該当する組み合わせの相関値に「0.125」を加算する。
これにより、患者ごとのレセプトデータが相関DB130に与える影響を平準化することができ、特定の患者のレセプトデータに左右されて相関DB130の保持内容が大きく変化してしまうことを防ぐことができる。なお、更新部603は、抽出部602によって抽出された組み合わせの相関値が相関DB130に登録されていない場合には、その組み合わせのエントリ(相関情報)を新たに作成し相関値の加算分を書き込む。
また、上記抽出部602および更新部603による抽出処理および更新処理は、レセプトデータから抽出されていない未抽出の病名と薬剤との組み合わせがなくなるまで繰り返し実行されることとしてもよい。
取得部604は、審査機関(たとえば、図1に示した審査支払機関)に提出されたレセプトデータに出現する病名と薬剤との誤った組み合わせを特定するエラーデータを取得する機能を有する。エラーデータは、審査機関においてレセプトデータが審査された結果、現状では認められないと判断された病名と薬剤との組み合わせを特定する情報である。
ここで、複数のエラーデータからなる返戻データの具体例について説明する。図8は、返戻データの具体例を示す説明図である。図8において、返戻データ800は、患者ごとに、患者の患者ID、氏名およびエラー内容を示すエラーデータ800−1〜800−rを有している。エラーデータ800−jを例に挙げると、氏名『富士太郎』のレセプトデータに出現する薬剤『メサテルム軟膏(図中「04」は薬剤ID)』に対する病名がないことを示している。
なお、エラーデータ(返戻データ)は、入力部601により入力を受け付けることで取得することとしてもよく、また、エラーデータを格納するデータベース(不図示)からの抽出により取得することとしてもよい。さらに、エラーデータは、審査支払機関から受け取った審査結果そのものであってもよく、また、医療機関において審査結果をもとに作成することとしてもよい。
具体的には、たとえば、氏名『富士太郎』のレセプトデータRに誤りがあったことを通知する審査結果を受け取った場合、医師や医療事務員が、審査結果とレセプトデータRとを参照することで、薬剤『メサテルム軟膏』に対する病名がないことを示すエラーデータ800−jを作成することとしてもよい。
また、更新部603は、相関DB130の保持内容のうち、取得部604によって取得されたエラーデータから特定される組み合わせの相関値を、予め設定された数値が減算された相関値に更新することとしてもよい。減算分の数値は、ユーザ(たとえば、医療業務支援システム100の管理者)により任意に設定することができる。たとえば、平均的な情報量のレセプトデータから組み合わせが抽出された場合に相関値に加算される数値の数百倍程度の大きさであってもよい。
たとえば、取得部604によってエラーデータ800−jが取得された場合、更新部603は、レセプトデータRの中から、エラーデータ800−jから特定される組み合わせ(薬剤『メサテルム軟膏』を含む組み合わせ)の相関値を、予め設定された数値(たとえば、上述した加算分の相関値「0.125」の100倍の数値「12.5」)が減算された相関値に更新する。このように、審査支払機関からの審査結果を相関DB130に反映することで、流動的に変化する審査基準に合わせて相関DB130の保持内容を更新することができる。
なお、相関DB130の保持内容のうち、取得部604によって取得されたエラーデータから特定される組み合わせの相関値を更新部603により更新することとしたが、これに限らない。たとえば、後述の送信部605により、取得部604によって取得されたエラーデータから特定される組み合わせの相関値の更新要求をメンテサーバ103に送信することとしてもよい。この場合、メンテサーバ103において、エラーデータから特定される組み合わせの相関値の更新処理が実行される。
送信部605は、更新部603によって更新された更新後の相関DB130の保持内容をメンテサーバ103に送信する機能を有する。具体的には、送信部605は、相関DB130に保持されている相関情報300−1〜300−mをメンテサーバ103に送信する。
送信部605による送信タイミングは任意である。具体的には、予め設定された期間経過後(たとえば、月単位)に自動送信することとしてもよく、また、ユーザが操作することで入力された送信指示を受け付けたときに送信することとしてもよい。送信部605による送信処理が完了すると、相関DB130に保持されている相関情報300−1〜300−mが自動削除されることとしてもよい。
受信部606は、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を判定するチェックデータ(図1に示したチェックマスタDB160の保持内容)をメンテサーバ103から受信する機能を有する。チェックデータは、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの妥当性をチェックするための情報である。
具体的には、たとえば、チェックDB140のメンテナンス要求をメンテサーバ103に送信することで、チェックデータをメンテサーバ103から受信することとしてもよく、また、予め設定された期間経過後にメンテサーバ103から送信されるチェックデータを受信することとしてもよい。
変更部607は、受信部606によって受信された受信結果に基づいて、チェックDB140の保持内容を変更する機能を有する。具体的には、たとえば、受信部606によって受信された受信結果をチェックDB140に上書き保存することとしてもよい。また、受信結果とチェックDB140の保持内容とを照らし合わせて、未登録のチェックデータを追加するとともに、誤った組み合わせのチェックデータを削除することとしてもよい。
たとえば、チェックデータをチェックDB140に新たに追加する場合、追加するチェックデータのエントリを新たに作成し、チェック項目を『OK』、属性項目を『null』として登録する。また、受信部606によって受信されたチェックデータのチェック項目が『要確認』であった場合には、チェック項目を『null』、属性項目を『要確認』として登録する。さらに、誤った組み合わせのチェックデータを削除する場合には、そのチェックデータのチェック項目を『NG』に変更する。
なお、チェックDB140の保持内容のうち、属性項目が『要確認』、『未送信』および『確認済』のチェックデータ(たとえば、図4に示したチェックデータ400−i)については、変更部607による変更対象から除外する。これは、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を医療機関が独自に判断するからである。
判定部608は、チェックDB140の保持内容に基づいて、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせの妥当性を判定する機能を有する。妥当性の判定は、たとえば、レセプトデータの中から抽出された病名と薬剤との組み合わせと、チェックDB140に保持されているチェックデータ400−1〜400−nとの一致判定によりおこなわれる。
具体的には、まず、抽出部602により、入力部601によって入力されたレセプトデータの中から任意の薬剤(以下、「対象薬剤」という)を抽出する。つぎに、判定部608により、対象薬剤に関するチェックデータ400−1〜400−n(以下、「判定リスト」という)をチェックDB140から取得する。このとき、チェック項目が『OK』または属性項目が『要確認』のチェックデータ400−1〜400−nを取得する。
このあと、入力部601によって入力されたレセプトデータの中から任意の病名(以下、「対象病名」という)を抽出する。そして、判定リストの中に、対象病名に関するチェックデータ400−1〜400−nが含まれているか否かを判定する。ここで、対象病名に関するチェックデータ400−1〜400−nが含まれている場合は、さらに、属性項目が『要確認』か否かを判定する。
属性項目が『要確認』でない場合、対象病名と対象薬剤との組み合わせは正しいと判定する。一方、属性項目が『要確認』であった場合には、対話形式で対象病名と対象薬剤との組み合わせの妥当性をユーザに問い合わせる確認画面(図9参照)をディスプレイ508に表示することとしてもよい。
また、対象病名に関するチェックデータ400−1〜400−nが含まれていない場合には、対象病名と対象薬剤との組み合わせは誤っていると判定し、エラー画面(図10参照)をディスプレイ508に表示することとしてもよい。
ここで、属性項目が『要確認』であった場合にディスプレイ508に表示される確認画面について説明する。ここでは、判定リストに含まれる対象病名に関するチェックデータが図4に示したチェックデータ400−iであった場合に、ディスプレイ508に表示される確認画面について説明する。
図9は、確認画面の一例を示す説明図である。図9において、ディスプレイ508には、対象病名『接触皮膚炎』と対象薬剤『メサテルム軟膏』との組み合わせの妥当性を問い合わせる確認画面900が表示されている。
確認画面900において、カーソルCを移動させてボタン910,920をクリックすることにより、対象病名『接触皮膚炎』と対象薬剤『メサテルム軟膏』との組み合わせの妥当性を任意に選択することができる。たとえば、ユーザが組み合わせは正しいと判断した場合には、カーソルCを移動させてボタン910をクリックする。一方、ユーザが組み合わせは誤っていると判断した場合には、ボタン920をクリックする。
このような属性項目が『要確認』となっている組み合わせは、対象病名が新たに発見された病気であったり、対象薬剤が新薬であるなどの組み合わせである。このように一般的に広まっていない組み合わせについては、医療機関での独自の判断をもとに妥当性を判定する。
確認画面(たとえば、確認画面900)において選択された選択結果は、チェックDB140の保持内容に反映される。具体的には、たとえば、確認画面900において選択された選択結果に応じて、チェックDB140内のチェックデータ400−i(図4参照)の内容が変更される。
図10は、チェックDB内のチェックデータを示す説明図(その1)である。図10には、確認画面900においてボタン920をクリックすることで内容が変更された変更後のチェックデータ400−iが示されている。具体的には、チェック項目が『null』から『NG』に変更され、属性項目が『要確認』から『未送信』に変更されている。
また、確認画面(たとえば、確認画面900)において選択された選択結果は更新部603に送信され、その選択結果に応じて相関DB130の保持内容が更新される。上記『未送信』は、ユーザによる妥当性の確認は完了しているが、選択結果が更新部603(または、メンテサーバ103)に送信されていないことを示す属性である。
ここで、更新部603は、対象病名と対象薬剤との組み合わせが正しいと選択された場合には、相関DB130内の該当する組み合わせの相関値を、予め設定された加算値αが加算された相関値に更新する。一方、対象病名と対象薬剤との組み合わせが誤っていると選択された場合には、相関DB130内の該当する組み合わせの相関値を、予め設定された減算値βが減算された相関値に更新する。
加算値αおよび減算値βは、たとえば、医療業務支援システム100の管理者または医療機関の医師により任意に設定可能である。より具体的には、たとえば、対象病名についての著名な医師が在籍している医療機関での、対象病名を含む組み合わせの相関値を更新する際の加算値αおよび減算値βは、他の医療機関に比べて大きな値を設定することとしてもよい。
また、特定の分科(たとえば、小児科、心臓外科など)の医療機関での、その分科特有の対象病名または対象薬剤を含む組み合わせの相関値を更新する際の加算値αおよび減算値βは、他の医療機関に比べて大きな値を設定することとしてもよい。これにより、専門的知識を有するユーザによる適切な判定結果を相関DB130に効果的に反映することができる。
なお、ここでは確認画面(たとえば、確認画面900)において選択された選択結果(判定結果)は更新部603に送信されることとしたが、これに限らない。たとえば、上記選択結果を、累積相関DB150の保持内容の更新要求として、メンテサーバ103に送信することとしてもよい。この場合、メンテサーバ103において、確認画面において選択された選択結果に応じて、累積相関DB150の保持内容が更新されることとなる。
また、確認画面において選択された選択結果が更新部603(または、メンテサーバ103)に送信された場合、チェックDB140の保持内容が更新されることとなる。具体的には、たとえば、確認画面900において選択された選択結果が更新部603に送信された場合、図10に示したチェックデータ400−iの属性項目が『未送信』から『確認済』に変更される。
図6の説明に戻り、出力部609は、判定部608によって判定された判定結果を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、レセプトデータに出現する誤った病名と薬剤との組み合わせを特定する判定結果(図9に示した確認画面、後述するエラー画面および修正画面など)を出力する。なお、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせがすべて正しいと判定された場合には、その旨を示すメッセージを出力することとしてもよい。
出力部609による出力形式は、ディスプレイ508での画面表示、プリンタ513での印刷出力、記憶部へのデータ出力(保存)、外部のコンピュータ装置への送信のいずれであってもよい。ここで、判定対象が誤った組み合わせであると判定された場合に、ディスプレイ508に表示されるエラー画面について説明する。
図11は、エラー画面の一例を示す説明図である。図11において、ディスプレイ508には、対象病名と対象薬剤との組み合わせが誤っている旨を通知するエラー画面1100が表示されている。エラー画面1100において、カーソルCを移動させてボタン1110,1120をクリックすることにより、エラーに対する対応を任意に選択することができる。
たとえば、カーソルCを移動させてボタン1110をクリックすると、レセプトデータの入力画面(たとえば、図7に示した入力画面700)に戻り、レセプトデータの記述内容を変更することができる。具体的には、レセプトDB120(図1参照)から該当するレセプトデータを取得してディスプレイ508に表示する。この場合、元のレセプトデータとエラー内容とを参照することで、薬剤『PL顆粒』に対する正しい病名をユーザが判断して、レセプトデータの記述内容を修正することとなる。
一方、ボタン1120をクリックすると、チェックDB140の保持内容を修正することができる。病名と薬剤との組み合わせは、一般的には誤った組み合わせであると認識されていても、特定の医療機関においては正しい組み合わせとなる場合がある。このような場合、各医療機関において、正しい病名と薬剤との組み合わせを独自にチェックDB140に登録することができる。ここで、ディスプレイ508に表示される修正画面について説明する。
図12は、修正画面の一例を示す説明図である。図12において、ディスプレイ508には、チェックDB140の保持内容を修正する修正画面1200が表示されている。修正画面1200において、カーソルCを移動させてボタン1210,1220をクリックすることにより、薬剤『PL顆粒』に対する病名を任意に選択することができる。
たとえば、カーソルCを移動させてボタン1210をクリックすると、薬剤『PL顆粒』に対する病名『気管支炎』が選択される。このあと、カーソルCを移動させてボタン1230をクリックすると、病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせに関する新たなチェックデータが生成され(あるいは、チェック項目が『NG』から『OK』に変更)、チェックDB140に登録される。
これにより、以降において、この医療機関ではレセプトデータに病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせが出現した場合には、その組み合わせは正しい組み合わせであると判定される。また、カーソルCを移動させてボタン1240をクリックすると、図11に示したエラー画面1100に戻る。
ここで、チェックDB140に新たに登録されたチェックデータについて説明する。図13は、チェックDB内のチェックデータを示す説明図(その2)である。図13において、修正画面1200において、ボタン1210をクリックすることで、新たに登録されたチェックデータ400−(n+1)が示されている。具体的には、チェックデータ400−(n+1)は、病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせのチェック項目『OK』および属性項目『確認済』を有している。
(メンテサーバの機能的構成)
つぎに、メンテサーバ103の機能的構成について説明する。図14は、メンテサーバの機能的構成を示すブロック図である。図14において、メンテサーバ103は、累積相関DB150と、チェックマスタDB160と、受信部1401と、更新部1402と、検索部1403と、検出部1404と、算出部1405と、変更部1406と、生成部1407と、削除部1408と、送信部1409と、を備えている。
これら各機能1401〜1408は、メンテサーバ103のROM502やRAM503などの記憶部に記憶された当該機能1401〜1408に関するプログラムをCPU501に実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。また、各機能1401〜1408からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図14中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPU501に実行させるものとする。
まず、受信部1401は、相関DB130の保持内容をレセコン101から受信する機能を有する。更新部1402は、受信部1401によって受信された受信結果に基づいて、累積相関DB150の保持内容を更新する機能を有する。具体的には、たとえば、受信部1401によって受信された相関情報300−1〜300−mに基づいて、該当する組み合わせの累積相関値を更新する。つまり、累積相関DB150に保持されている組み合わせごとの累積相関値は、各医療機関のレセコン101から送信されてくる病名と薬剤との相関関係をあらわす相関値を累積したものである。
ここで、メンテサーバ103が備える累積相関DB150の保持内容について説明する。図15は、累積相関DBの保持内容を示す説明図である。図15において、累積相関DB150には、病名と薬剤との組み合わせごとに、病名と薬剤との相互の相関関係をあらわす累積相関情報1500−1〜1500−pが保持されている。
ここで、累積相関情報1500−2を例に挙げると、病名『接触皮膚炎』と薬剤『PL顆粒』との相互の相関関係をあらわす相関値を累積した累積相関値『201』が保持されている。たとえば、更新部1402は、受信部1401によって相関情報300−2(図3参照)が受信された場合、累積相関DB150内の累積相関情報1400−2の累積相関値を『201+0.125=201.125』に更新する。
なお、更新部1402によって更新された結果、累積相関値が規定値δを超えた場合には、その累積相関値を規定値δとする。ここでは、規定値δとして「10000」が設定されている。この規定値δは、任意に設定可能であり、たとえば、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を十分に判定することができる程度の値に設定する。
また、受信部1401は、特定の病名と薬剤との組み合わせの累積相関値を更新する更新要求(たとえば、医療機関において任意に選択された妥当性の選択結果)を受信することとしてもよい。この場合、更新部1402は、受信部1401によって受信された更新要求に応じて、累積相関DB150の保持内容を更新することとなる。
検索部1403は、更新部1402によって更新された累積相関DB150の保持内容に基づいて、更新後の累積相関DB150の中から特定の累積相関値の組み合わせを検索する機能を有する。具体的には、たとえば、更新部1402によって更新された更新後の組み合わせの累積相関値が所定の累積相関値以上の組み合わせを検索することとしてもよい。
ここで、検索部1403による検索処理の具体的な処理内容について説明する。まず、検出部1404は、更新後の累積相関DB150の中から、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値を検出する。そして、算出部1405は、検出部1404によって検出された検出結果に基づいて、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値の平均値を算出する。
ここで、薬剤『PL顆粒』を含む組み合わせの累積相関値を検出する場合を例に挙げて説明する。なお、累積相関DB150に保持されている薬剤『PL顆粒』を含む組み合わせは、図15に示した6個の組み合わせであると仮定する。
具体的には、検出部1404は、薬剤『PL顆粒』を含む組み合わせの累積相関情報1500−1〜1500−6を検出する。そして、算出部1405は、検出部1404によって検出された累積相関情報1500−1〜1500−6に基づいて、薬剤『PL顆粒』を含む組み合わせの累積相関値の平均値を算出する。ここでは、累積相関値の平均値は『(10000+201+5432+4532+10000+10000)/6≒6694.167』となる。
また、検索部1403は、任意の薬剤を含む組み合わせのうち、更新部1402によって更新された更新後の組み合わせの累積相関値が、算出部1405によって算出された平均値以上の組み合わせを検索する。上述した例では、検索部1403は、病名『気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせ、病名『感冒』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせおよび病名『急性気管支炎』と薬剤『PL顆粒』との組み合わせを検索することとなる。
また、算出部1405は、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値の標準偏差を算出する。標準偏差とは、各組み合わせの累積相関値のばらつき度合を示す指標である。そして、検索部1403は、任意の薬剤を含む組み合わせのうち、更新部1402によって更新された更新後の組み合わせの累積相関値が、算出部1405によって算出された平均値と標準偏差とから特定される範囲内の組み合わせを検索することとしてもよい。
なお、検索部1403による検索タイミングは任意である。具体的には、たとえば、更新部1402による更新処理が実行された都度、特定の累積相関値の組み合わせを検索することとしてもよく、また、予め設定された期間経過後(たとえば、月単位)に自動検索することとしてもよい。
変更部1406は、検索部1403によって検索された検索結果に基づいて、チェックマスタDB160の保持内容を変更する機能を有する。具体的には、チェックマスタDB160に対するチェックデータの追加、修正、削除などをおこなう。
ここで、変更部1406による変更処理の具体的な処理手順について説明する。まず、生成部1407は、検索部1403によって検索された検索結果に基づいて、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を判定するチェックデータを生成する。具体的には、生成部1407は、検索部1403によって検索された組み合わせのうち、チェックマスタDB160に未登録の組み合わせの妥当性を判定するチェックデータを生成する。
削除部1408は、検索部1403によって検索された検索結果に基づいて、病名と薬剤との組み合わせの妥当性を判定するチェックデータを削除する。具体的には、削除部1408は、チェックマスタDB160の保持内容のうち、検索部1403によって検索されなかった未検索の組み合わせのチェックデータを削除する。
ここで、チェックマスタDB160の保持内容について説明する。図16は、チェックマスタDBの保持内容を示す説明図である。図16において、チェックマスタDB160には、病名と薬剤との組み合わせごとに、該組み合わせの妥当性を判定するためのチェックデータ1600−1〜1600−qを保持している。
具体的には、チェックデータ1600−1〜1600−qは、組み合わせごとに、一対の病名と薬剤およびチェック項目に関する情報を有している。病名と薬剤との組み合わせの妥当性をユーザに問い合わせる必要がある組み合わせは、チェック項目に『要確認』と表記されている。なお、初期設定の段階では、たとえば、各チェックデータ1600−1〜1600−qのチェック項目は『NG』に設定されている。
変更部1406(生成部1407、削除部1408)による変更処理は、たとえば、チェックマスタDB160内のチェック項目の内容を変更することで実現することができる。ここで、上記検索部1403による検索処理および変更部1406による変更処理の処理概要について説明する。
図17は、検索処理および変更処理の概要を示す説明図である。図17中、グラフ1710,1720において、横軸は検出部1404によって検出された任意の薬剤(たとえば、『PL顆粒』)と組み合わせをつくる『病名』を示し、縦軸は任意の薬剤と病名との組み合わせの『累積相関値』を示している。
まず、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値を昇順に並び替えて示すグラフ1710を作成する。このあと、算出部1405は、グラフ1710の累積相関値の平均値(以下、「平均値M」という)を算出する。そして、検索部1403は、グラフ1710を参照して、平均値M以上となる組み合わせを検索する。
つぎに、変更部1406は、チェックマスタDB160の保持内容のうち、検索部1403によって検索された平均値M以上となる組み合わせのチェックデータのチェック項目を『OK』に変更する。このあと、算出部1405は、グラフ1710の標準偏差σを算出する。
さらに、グラフ1710の累積相関値を2値化(平均値M以上を「1」、平均値M未満を「0」)して示すグラフ1720を作成する。そして、算出部1405は、グラフ1720の標準偏差Σを算出する。つぎに、検索部1403は、累積相関値が『{M−(Σ−σ)/2}≦累積相関値≦{M+(Σ−σ)/2}』の範囲内となる病名と薬剤との組み合わせを検索する。
そして、変更部1406は、チェックマスタDB160の保持内容のうち、検索部1403によって検索された上記範囲内となる組み合わせのチェックデータのチェック項目を『要確認』に変更する。これにより、組み合わせごとの累積相関値に基づいて、各チェックデータ1600−1〜1600−qのチェック項目を『OK』、『NG』、『要確認』のいずれかに分類することができる。
図14の説明に戻り、送信部1409は、変更部1406によって変更された変更後のチェックマスタDB160の保持内容をレセコン101に送信する機能を有する。送信部1409による送信タイミングは任意である。具体的には、たとえば、変更部1406による変更処理が実行された都度、変更後のチェックマスタDB160の保持内容を送信することとしてもよく、また、予め設定された期間経過後(たとえば、月単位)に自動送信することとしてもよい。さらに、レセコン101からのメンテナンス要求を受信することで、変更後のチェックマスタDB160の保持内容を送信することとしてもよい。
(医療業務支援システムの医療業務支援処理手順)
つぎに、医療業務支援システム100の医療業務支援処理手順について説明する。
(レセコンの医療業務支援処理手順)
まず、本実施の形態1にかかるレセコン101において実行される相関DB130の保持内容を更新する更新処理手順について説明する。図18は、レセコンにおいて実行される更新処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図18のフローチャートにおいて、まず、入力部601により、患者のレセプトデータの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、レセプトデータが入力されるのを待って(ステップS1801:No)、入力された場合(ステップS1801:Yes)、入力されたレセプトデータ内の病名数と薬剤数とに基づいて、相関値に加算する加算値を算出する(ステップS1802)。
このあと、抽出部602により、入力されたレセプトデータの中から、患者の病名と当該患者に処方された薬剤との組み合わせを抽出する(ステップS1803)。つぎに、更新部603により、相関DB130の保持内容のうち、抽出された組み合わせの相関値を、上記加算値が加算された相関値に更新する(ステップS1804)
そして、抽出部602によって抽出されていない未抽出の組み合わせがあるか否かを判断し(ステップS1805)、未抽出の組み合わせがある場合(ステップS1805:Yes)、ステップS1803に戻り、レセプトデータの中から未抽出の組み合わせを抽出する。一方、未抽出の組み合わせがない場合には(ステップS1805:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、レセプトデータに出現する病名と薬剤との相関関係をあらわす相関値を、病名と薬剤との組み合わせごとに相関DB130に保持することができる。また、レセプトデータが作成された都度、上述した一連の処理を繰り返すことで、病名と薬剤との組み合わせごとの相関値を相関DB130に蓄積することができる。
つぎに、エラーデータを取得した場合に実行される相関DB130の更新処理手順について説明する。図19は、レセコンにおいて実行される更新処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図19のフローチャートにおいて、まず、取得部604により、審査機関に提出されたレセプトデータに出現する病名と診療内容との誤った組み合わせを特定する返戻データを取得したか否かを判断する(ステップS1901)。
ここで、返戻データを取得するのを待って(ステップS1901:No)、取得した場合(ステップS1901:Yes)、返戻データの中から任意のエラーデータを抽出する(ステップS1902)。そして、抽出されたエラーデータから特定されるレセプトデータをレセプトDB120から取得する(ステップS1903)。
このあと、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせのうち、エラーデータから特定される組み合わせを検索する(ステップS1904)。そして、更新部603により、相関DB130の保持内容のうち、検索された組み合わせの相関値を、予め設定された減算値が減算された相関値に更新する(ステップS1905)。
つぎに、レセプトデータに出現する病名と薬剤との組み合わせのうち、検索されていない未検索の組み合わせがあるか否かを判断し(ステップS1906)、未検索の組み合わせがある場合(ステップS1906:Yes)、ステップS1904に戻り、エラーデータから特定される未検索の組み合わせを検索する。
一方、未検索の組み合わせがない場合には(ステップS1906:No)、ステップS1902において抽出されていない未抽出のエラーデータがあるか否かを判断する(ステップS1907)。ここで、未抽出のエラーデータがある場合(ステップS1907:Yes)、ステップS1902に戻り、未抽出のエラーデータを抽出する。一方、未抽出のエラーデータがない場合には(ステップS1907:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
このように、審査支払機関からの審査結果(返戻データ)を相関DB130に反映することで、流動的に変化する審査基準に合わせて相関DB130の保持内容を更新することができる。
つぎに、レセコン101において実行されるレセプトデータの判定処理手順について説明する。図20および図21は、レセコンにおいて実行される判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図20のフローチャートにおいて、まず、入力部601により、レセプトデータの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS2001)。
ここで、レセプトデータが入力されるのを待って(ステップS2001:No)、入力された場合(ステップS2001:Yes)、抽出部602により、入力されたレセプトデータの中から任意の対象薬剤を抽出する(ステップS2002)。
このあと、判定部608により、抽出された対象薬剤に関するチェックデータ400−1〜400−n(以下、「判定リスト」という)をチェックDB140から取得する(ステップS2003)。つぎに、抽出部602により、入力されたレセプトデータの中から任意の対象病名を抽出する(ステップS2004)。
そして、判定部608により、取得された判定リストに抽出された対象病名に関するチェックデータ400−1〜400−nが含まれているか否かを判断する(ステップS2005)。ここで、判定リストに含まれていない場合(ステップS2005:No)、図21に示すステップS2105に移行する。
一方、判定リストに含まれている場合(ステップS2005:Yes)、該当するチェックデータ400−1〜400−nの属性項目が『要確認』か否かを判断する(ステップS2006)。ここで、『要確認』であった場合(ステップS2006:Yes)、図21に示すステップS2101に移行する。
一方、『要確認』ではない場合(ステップS2006:No)、抽出部602によってレセプトデータの中から抽出されていない未抽出の病名があるか否かを判断する(ステップS2007)。ここで、未抽出の病名がある場合(ステップS2007:Yes)、ステップS2004に戻り、レセプトデータの中から未抽出の病名を抽出する。
一方、未抽出の病名がない場合(ステップS2007:No)、抽出部602によってレセプトデータの中から抽出されていない未抽出の薬剤があるか否かを判断する(ステップS2008)。ここで、未抽出の薬剤がある場合(ステップS2008:Yes)、ステップS2002に戻り、レセプトデータの中から未抽出の薬剤を抽出する。一方、未抽出の薬剤がない場合(ステップS2008:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
つぎに、図21のフローチャートにおいて、出力部609により、対象病名と対象薬剤との組み合わせの妥当性をユーザに問い合わせる確認画面を表示する(ステップS2101)。このあと、入力部601によって入力された入力結果に基づいて、対象薬剤に対する病名は正しいか否かを判断する(ステップS2102)。
ここで、病名が正しい場合(ステップS2102:Yes)、変更部607により、該当するチェックデータ400−1〜400−nのチェック項目を『OK』に変更するとともに、属性項目を『未送信』に変更して(ステップS2103)、図20に示すステップS2007に移行する。
一方、病名が誤っている場合(ステップS2102:No)、変更部607により、該当するチェックデータ400−1〜400−nのチェック項目を『NG』に変更するとともに、属性項目を『未送信』に変更して(ステップS2104)、出力部609により、対象病名と対象薬剤との組み合わせが誤っている旨を通知するエラー画面を表示する(ステップS2105)。
このあと、入力部601によって入力された入力結果に基づいて、レセプトデータの入力画面に戻るか否かを判断する(ステップS2106)。ここで、入力画面に戻る場合(ステップS2106:Yes)、出力部609により、レセプトデータの入力画面を表示して(ステップS2107)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、入力画面に戻らない場合(ステップS2106:No)、出力部609により、チェックDB140の保持内容を修正する修正画面を表示する(ステップS2108)。そして、変更部607により、入力部601によって入力された入力結果に基づいて、チェックDB140に新たなチェックデータを追加して(ステップS2109)、図20に示したステップS2007に移行する。
これにより、病名と薬剤との相関関係をあらわす相関値に基づいて変更されるチェックDB140の保持内容を用いて、レセプトデータの妥当性を判定することができる。さらに、チェック項目が『要確認』となっている病名と薬剤との組み合わせについては、その妥当性をユーザに問い合わせることができる。
つぎに、チェックDB140の保持内容をもとに実行される相関DB130の更新処理手順について説明する。図22は、レセコンにおいて実行される更新処理手順の一例を示すフローチャート(その3)である。
図22のフローチャートにおいて、まず、抽出部602により、チェックDB140から属性項目が『未送信』のチェックデータ400−1〜400−nを抽出する(ステップS2201)。そして、抽出されたチェックデータ400−1〜400−nのチェック項目が『OK』か否かを判断する(ステップS2202)。
ここで、『OK』の場合(ステップS2202:Yes)、更新部603により、抽出されたチェックデータ400−1〜400−nから特定される組み合わせに該当する相関DB130内の相関値を、予め設定された加算値αが加算された相関値に更新する(ステップS2203)。このあと、変更部607により、抽出されたチェックデータ400−1〜400−nの属性項目を『確認済』に変更する(ステップS2204)。
また、ステップS2202において、『NG』の場合(ステップS2202:No)、更新部603により、抽出されたチェックデータ400−1〜400−nから特定される組み合わせに該当する相関DB130内の相関値を、予め設定された減算値βが減算された相関値に更新し(ステップS2205)、変更部607により、抽出されたチェックデータ400−1〜400−nの属性項目を『確認済』に変更する(ステップS2204)。
このあと、ステップS2201において抽出されていない属性項目が『未送信』のチェックデータ400−1〜400−nがあるか否かを判断する(ステップS2206)。ここで、未抽出のチェックデータ400−1〜400−nがある場合には(ステップS2206:Yes)、ステップS2201に戻り、チェックDB140から未抽出のチェックデータ400−1〜400−nを抽出する。
一方、未抽出のチェックデータ400−1〜400−nがない場合には(ステップS2206:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、医療機関において独自に判定された判定結果を相関DB130に反映することができる。
つぎに、チェックDB140の保持内容を変更する変更処理手順について説明する。図23は、レセコンにおいて実行される変更処理手順の一例を示すフローチャートである。図23のフローチャートにおいて、まず、受信部606により、チェックマスタDB160の保持内容を受信したか否かを判断する(ステップS2301)。
ここで、チェックマスタDB160の保持内容を受信するのを待って(ステップS2301:No)、受信した場合(ステップS2301:Yes)、変更部607により、受信された保持内容から任意のチェックデータ(以下、「マスタデータ」という)を取得する(ステップS2302)。
そして、チェックDB140の保持内容のうち、取得されたマスタデータの病名と薬剤との組み合わせに該当するチェックデータ(以下、「該当データ」という)があるか否かを判断する(ステップS2303)。ここで、該当データがある場合(ステップS2303:Yes)、その該当データの属性項目が『確認済』か否かを判断する(ステップS2304)。
つぎに、属性項目が『確認済』ではない場合(ステップS2304:No)、該当データのチェック項目が『NG』か否かを判断し(ステップS2305)、チェック項目が『NG』の場合(ステップS2305:Yes)、変更部607により、チェックDB140から該当データを削除する(ステップS2306)。
このあと、受信された保持内容から取得されていない未取得のチェックデータがあるか否かを判断し(ステップS2307)、未取得のチェックデータがある場合(ステップS2307:Yes)、ステップS2302に戻り、受信された保持内容から未取得のチェックデータを取得する。
また、ステップS2304において属性項目が『確認済』であった場合(ステップS2304:Yes)、または、ステップS2305においてチェック項目が『OK』の場合(ステップS2305:No)、ステップS2307に移行する。
また、ステップS2303において、チェックDB140の保持内容のうち、取得されたマスタデータの病名と薬剤との組み合わせに該当する該当データがない場合には(ステップS2303:No)、取得されたマスタデータのチェック項目が『OK』か否かを判断する(ステップS2308)。
ここで、マスタデータのチェック項目が『OK』の場合(ステップS2308:Yes)、変更部607により、マスタデータをチェックデータとしてチェックDB140に追加して(ステップS2309)、ステップS2307に移行する。
一方、マスタデータのチェック項目が『NG』の場合(ステップS2308:No)、ステップS2307に移行して、未取得のチェックデータがない場合(ステップS2307:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、各医療機関の相関DB130の保持内容を累積した累積相関DB160の保持内容に基づいてメンテナンスされたチェックマスタDB160の保持内容を、チェックDB140に自動反映することができる。
(サーバの医療業務支援処理手順)
つぎに、本実施の形態1にかかるメンテサーバ103において実行されるチェックマスタDB160の保持内容を変更する変更処理手順について説明する。図24は、サーバにおいて実行される変更処理手順の一例を示すフローチャートである。
図24のフローチャートにおいて、まず、チェックマスタDB160に保持されているチェックデータ1600−1〜1600−qのチェック項目を『NG』で初期化する(ステップS2401)。このあと、検出部1404により、累積相関DB150の中から、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値を検出し(ステップS2402)、算出部1405により、任意の薬剤を含む組み合わせの累積相関値の平均値および標準偏差を算出する(ステップS2403)。
つぎに、検索部1403により、上記任意の薬剤を含む組み合わせの中から、累積相関値が算出部1405によって算出された平均値以上の組み合わせを検索する(ステップS2404)。そして、変更部1406により、チェックマスタDB160の保持内容のうち、検索された組み合わせに該当するチェックデータ1600−1〜1600−qのチェック項目を『OK』に変更する(ステップS2405)。
つぎに、検索部1403により、上記任意の薬剤を含む組み合わせの中から、算出された平均値と標準偏差とから特定される範囲内の組み合わせを検索する(ステップS2406)。そして、変更部1406により、チェックマスタDB160の保持内容のうち、検索された組み合わせに該当するチェックデータ1600−1〜1600−qのチェック項目を『要確認』に変更する(ステップS2407)。
このあと、累積相関DB150の中から検出されていない未検出の薬剤があるか否かを判断し(ステップS2408)、未検出の薬剤がある場合(ステップS2408:Yes)、ステップS2402に戻り、累積相関DB150の中から未検出の薬剤を含む組み合わせの累積相関値を検出する。一方、未検出の薬剤がない場合には(ステップS2408:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
なお、ステップS2405において、該当するチェックデータ1600−1〜1600−qがない場合には、検索された組み合わせのチェックデータに関する新たなエントリを作成し、チェック項目を『OK』としてチェックマスタDB160に登録する。
同様に、ステップS2407において、該当するチェックデータ1600−1〜1600−qがない場合には、検索された組み合わせのチェックデータに関する新たなエントリを作成し、チェック項目を『要確認』としてチェックマスタDB160に登録する。
これにより、各医療機関の相関DB130の保持内容を累積した累積相関DB160の保持内容に基づいて、チェックマスタDB160の保持内容を自動変更することができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、各医療機関において過去のレセプトデータに出現した病名と薬剤との相関関係をあらわす相関値に基づいて、チェックDB140の保持内容を自動変更することができる。
また、病名と薬剤との相関関係から組み合わせの妥当性を決定することができない組み合わせ(たとえば、病名や薬剤が新しい)については、医療機関において独自に判断させることができる。さらに、医療機関において、チェックDB140の保持内容を任意に変更することができる。これにより、特定の医療機関においてのみ正しい(または、誤った)組み合わせについても対応可能となり、利便性の向上を図ることができる。
また、審査支払機関からの審査結果を相関DB130に反映することで、流動的に変化する審査基準に合わせて相関DB130の保持内容を更新することができる。この結果、頻繁におこなわれる医療費改定などに合わせたチェックデータの変更を効率的かつ効果的におこなうことができる。
さらに、複数の医療機関で蓄積された相関DB130の保持内容を用いてチェックマスタDB160の保持内容を変更するため、医療機関に対する迅速かつ適切なチェックデータの提供を実現することができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、管理センターのメンテサーバ103においてチェックマスタDB160のメンテナンスをおこなう場合について説明したが、実施の形態2では、医療機関のレセコンにおいてチェックDB140のメンテナンスをおこなう。以降において、実施の形態1と相違する点のみについて説明する。なお、実施の形態1で示した構成と同一構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
(医療業務支援システムのシステム構成)
まず、本実施の形態2にかかる医療業務支援システムのシステム構成について説明する。図25は、本実施の形態2にかかる医療業務支援システムのシステム構成図である。図25において、医療業務支援システム2500は、レセコン2501と、審査支払機関端末102と、がインターネット、WANなどのネットワーク110を介して相互に通信可能に接続されている。
実施の形態2にかかる医療業務支援システム2500では、各医療機関において独自に蓄積された相関DB130の保持内容に基づいて、チェックDB140の保持内容を変更する(メンテナンス処理)。レセコン2501は、実施の形態1で説明したレセコン101の機能に加え、メンテサーバ103の機能を備えるコンピュータ装置である。
具体的には、レセコン2501は、患者のレセプトデータをもとに更新される相関DB130の保持内容に基づいて、定期的(たとえば、月単位)にチェックDB140の保持内容を変更する。なお、チェックDB140の保持内容を変更する変更処理は、実施の形態1で説明したメンテサーバ103の変更部1406(図14参照)による変更処理と同様のため、ここでは説明を省略する。
このように、本実施の形態2によれば、複数の医療機関で相関DB130の保持内容を共有することなく、各医療機関で独自にチェックDB140のメンテナンスをおこなうことができる。これにより、実施の形態1で説明したアップロード処理およびダウンロード処理が不要となり(図1参照)、チェックDB140のメンテナンスにかかる通信負荷を削減することができる。
特に、複数の分科(たとえば、内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科など)を含む総合病院などの医療機関では、様々な医療分野の病名と診療内容との組み合わせの相関値を収集することができるため、チェックDB140の品質を向上させることができる。
以上説明した、この医療業務支援プログラム、医療業務支援装置、医療業務支援方法によれば、レセプトチェックに用いるチェックデータを効率的かつ効果的にメンテナンスする仕組みを提供することにより、医療業務にかかる作業負担の軽減化および効率化を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した医療業務支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)過去に作成されたレセプトデータに出現した病名と診療内容との組み合わせの出現頻度を当該組み合わせごとに保持するデータベースとアクセス可能なコンピュータを、
新たに作成された患者のレセプトデータの中から、前記患者の病名と当該患者に施された診療内容との組み合わせを抽出する抽出手段、
前記データベースの保持内容のうち、前記抽出手段によって抽出された組み合わせの出現頻度を更新する更新手段、
前記更新手段によって更新された更新後のデータベースの中から特定の出現頻度の組み合わせを検索する検索手段、
前記検索手段によって検索された検索結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする医療業務支援プログラム。
(付記2)前記検索手段は、
前記更新手段によって更新された更新後の組み合わせの出現頻度が所定の出現頻度以上の組み合わせを検索することを特徴とする付記1に記載の医療業務支援プログラム。
(付記3)前記コンピュータを、
前記更新後のデータベースの中から、任意の診療内容を含む組み合わせの出現頻度を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された検出結果に基づいて、前記任意の診療内容を含む組み合わせの出現頻度の平均値を算出する算出手段として機能させ、
前記検索手段は、
前記任意の診療内容を含む組み合わせのうち、前記更新手段によって更新された更新後の組み合わせの出現頻度が、前記算出手段によって算出された平均値以上の組み合わせを検索することを特徴とする付記1または2に記載の医療業務支援プログラム。
(付記4)前記算出手段は、
さらに、前記任意の診療内容を含む組み合わせの出現頻度の標準偏差を算出し、
前記検索手段は、
前記任意の診療内容を含む組み合わせのうち、前記更新手段によって更新された更新後の組み合わせの出現頻度が、前記算出手段によって算出された平均値と標準偏差とから特定される範囲内の組み合わせを検索することを特徴とする付記3に記載の医療業務支援プログラム。
(付記5)前記更新手段は、
前記データベースの保持内容のうち、前記抽出手段によって抽出された組み合わせの出現頻度を、前記患者のレセプトデータごとに正規化された数値が加算された出現頻度に更新することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の医療業務支援プログラム。
(付記6)前記コンピュータを、
審査機関に提出されたレセプトデータに出現する病名と診療内容との誤った組み合わせを特定するエラーデータを取得する取得手段として機能させ、
前記更新手段は、
前記データベースの保持内容のうち、前記取得手段によって取得されたエラーデータから特定される組み合わせの出現頻度を、予め設定された数値が減算された出現頻度に更新することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の医療業務支援プログラム。
(付記7)前記コンピュータを、
前記検索手段によって検索された検索結果に基づいて、病名と診療内容との組み合わせの妥当性を判定するチェックデータを生成する生成手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記生成手段によって生成されたチェックデータを出力することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の医療業務支援プログラム。
(付記8)前記コンピュータを、
前記生成手段によって生成されたチェックデータのうち、前記検索手段によって検索された検索結果に基づいて、特定の出現頻度未満の組み合わせの妥当性を判定するチェックデータを削除する削除手段として機能させることを特徴とする付記7に記載の医療業務支援プログラム。
(付記9)前記コンピュータを、
任意のレセプトデータの入力を受け付ける入力手段、
前記生成手段によって生成されたチェックデータに基づいて、前記入力手段によって入力されたレセプトデータに出現する病名と診療内容との組み合わせの妥当性を判定する判定手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記判定手段によって判定された判定結果を出力することを特徴とする付記7または8に記載の医療業務支援プログラム。
(付記10)新たに作成された患者のレセプトデータの中から、前記患者の病名と当該患者に施された診療内容との組み合わせを抽出する抽出手段と、
過去に作成されたレセプトデータに出現した病名と診療内容との組み合わせの出現頻度を当該組み合わせごとに保持するデータベースの保持内容のうち、前記抽出手段によって抽出された組み合わせの出現頻度を更新する更新手段と、
前記更新手段によって更新された更新後のデータベースの中から特定の出現頻度の組み合わせを検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された検索結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする医療業務支援装置。
(付記11)新たに作成された患者のレセプトデータの中から、前記患者の病名と当該患者に施された診療内容との組み合わせを抽出する抽出工程と、
過去に作成されたレセプトデータに出現した病名と診療内容との組み合わせの出現頻度を当該組み合わせごとに保持するデータベースの保持内容のうち、前記抽出工程によって抽出された組み合わせの出現頻度を更新する更新工程と、
前記更新工程によって更新された更新後のデータベースの中から特定の出現頻度の組み合わせを検索する検索工程と、
前記検索工程によって検索された検索結果を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする医療業務支援方法。