(実施形態1)
以下、図1〜図9を参照して、この発明を多機能腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この多機能腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、それぞれバンド取付部2が設けられており、3時側と9時側との各側面には、複数の押釦スイッチ3がそれぞれ設けられている。この複数の押釦スイッチ3のうち、いずれか1つの押釦スイッチ3がストップウオッチスイッチに構成されている。
また、この腕時計ケース1の上面中央部には、図1に示すように、円板状の時計ガラス4が設けられており、この時計ガラス4の外周側に位置する腕時計ケース1の上面外周部には、リング状の回転目盛板5が回転可能に設けられている。さらに、この腕時計ケース1内には、文字板6が時計ガラス4に対応して設けられていると共に、この文字板6の周囲には、時計ガラス4を通して外部上方から見えるリング状の見切板7が回転目盛板5の内周に接近して設けられている。
この場合、文字板6の中心部には、図1に示すように、指針軸8が文字板6の下面側(図1では裏面側)から上面側(図1では表面側)に突出して設けられていると共に、この突出した指針軸8の上端部には、指針10が取り付けられている。この指針10は、秒針11、分針12、時針13の3針からなり、文字板6の上方をそれぞれ所定の速度で運針して文字板6の外周に設けられた時字6aを指示することにより、時刻を指示表示するように構成されている。
ところで、回転目盛板5の表面には、図1に示すように、予め設定された距離を所定時間内で走行する際の速度を表す速度表示目盛部14が回転目盛板5の円周に沿って印刷などにより設けられている。例えば、この速度表示目盛部14は、1周が3.0km〜3.9km程度のサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、1周が3.0kmのサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する場合の速度は、図2に示すように、約196.36km/h〜約168.75km/hである。
同様に、1周が3.5kmのサークルを車が55秒〜64秒で走行する場合の速度は、図2に示すように、約229.09km/h〜約196.87km/hであり、また、1周が3.9kmのサークルを車が55秒〜64秒で走行する場合の速度は、約255.27km/h〜約219.37km/hである。これにより、1周が3.0km〜3.9kmのサークルを車が55秒〜64秒で走行する場合の速度は、図2に示すように、約168.75km/h〜約255.27km/hの範囲である。
このため、1周が3.0kmのサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する場合の速度は、図3にA線で示す曲線となり、1周が3.1kmのサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する場合の速度は、図3にB線で示す曲線となる。同様に、1周が3.2km〜3.9kmのサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する場合の各速度は、図3にC線〜J線で示す各曲線となる。
この速度と時間の関係に基づいて、回転目盛板5には、図1に示すように、速度表示目盛部14の速度目盛が所定間隔で印刷などにより設けられている。すなわち、速度表示目盛部14の各速度目盛は、図1において、140(km)〜300(km)の各目盛が回転目盛板5の円周に沿って設けられていると共に、速度が次第に速くなるに従って目盛の間隔が次第に狭くなるように約300度の角度範囲内で設けられている。
つまり、この速度表示目盛部14の速度目盛は、図1および図4に示すように、140(km)と160(km)との各目盛間隔が最も広い間隔(約70度の角度)で、160(km)と180(km)との各目盛間隔が次に広い間隔(約50度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、280(km)と300(km)との各目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
一方、見切板7における円周に沿う一部には、図1に示すように、速度表示目盛部14の設置位置を微調整するための微調整目盛部である副目盛部15が設けられている。この副目盛部15は、予め設定する距離(例えば1周が3.0km〜3.9km)を正確に設定するためのものであり、予め設定する距離に対して1桁小さい単位(0.1km)の距離を表す単位目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、この副目盛部15は、1周が3.0km〜3.9km程度である場合、その距離を0.1kmの単位で設定するように、0.0(km)〜0.9(km)の各単位目盛が、12時位置を中心にその両側に約30度ずつの開き角度(全体で約60度の角度)の範囲内で設けられている。
また、回転目盛板5には、図1に示すように、設定マーク16が印刷などによって設けられている。この設定マーク16は、回転目盛板5が回転して副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、測定する距離に応じて速度表示目盛部14の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に設定するように構成されている。すなわち、この設定マーク16は、1周が3.0km〜3.9kmのサークルを車が55秒〜64秒で走行する場合の平均速度である約210(km)の目盛位置に設けられ、回転目盛板5を回転させて見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応させることにより、車の走行距離を正確に設定するように構成されている。
次に、図4〜図9を参照して、この多機能腕時計で1周が3.9kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。
この場合には、図4に示すように、まず、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられたリング状の回転目盛板5を時計回り(図4の矢印方向)に回転させて、図5に示すように、回転目盛板5に設けられた設定マーク16を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15における0.9(km)の単位目盛に合わせる。
これにより、速度表示目盛部14の設置位置が所定位置、つまり1周が3.9kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整され、速度表示目盛部14がセットされて速度を測定する準備が完了する。この状態で、サークル上を走行している車の位置(車のスタート位置に限らず、任意の位置で良い)を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図5に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。
そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。このとき、図6に示すように、秒針11が52秒の位置で停止した場合には、この52秒で停止した秒針11が指示する回転目盛板5の速度表示目盛部14の速度目盛(260の目盛)を読むことにより、1回目のラップ速度が約260km/hであると測定することができる。このときには、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、図7に示すように、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから、図8に示すように、10秒間だけ早送りされ、この後、通常の運針速度で運針する。
この状態で、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。このとき、図9に示すように、秒針11が62秒の位置で停止した場合には、この62秒(図9では2秒の位置)で停止した秒針11が指示する回転目盛板5の速度表示目盛部14の速度目盛(220の目盛)を読むことにより、2回目のラップ速度が約220km/hであると測定することができる。なお、押釦スイッチ3を操作して通常の時計モードに戻すと、秒針11、分針12、時針13が通常運針して、現在時刻を指示する。
このように、この腕時計によれば、文字板6の上方を運針して時刻を指示する指針10を備えた腕時計ケース1と、この腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられ、且つその表面に速度表示目盛部14が設けられた回転目盛板5と、腕時計ケース1の内周における見切板7の一部に設けられた副目盛部15と、回転目盛板5が回転して副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、速度表示目盛部14の設置位置を微調整して所定位置に設定するための設定マーク16とを備えているので、速度表示目盛部14を測定条件に合う位置に正確に且つ簡単に設定することができ、これにより速度を正確に測定することができる。
すなわち、この多機能腕時計によれば、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられた回転目盛板5を回転させて、腕時計ケースの内周における見切板7の一部に設けられた副目盛部15のいずれかの単位目盛に設定マーク16を合わせることにより、回転目盛板5に設けられた速度表示目盛部14の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に正確に且つ簡単に設置することができ、この状態で時刻を指示する指針10の秒針11を腕時計ケース1内の文字板6の上方で運針させ、この運針した秒針11が回転目盛板5に設けられた速度表示目盛部14の速度目盛を指示することにより、正確に且つ簡単に速度を測定することができる。
この場合、押釦スイッチ3のうち、いずれかの押釦スイッチ3が指針10の秒針11の運針開始と運針停止とを行うためのストップウオッチスイッチであることにより、使用者が測定を開始するタイミングを自由に選択することができる。すなわち、ストップウオッチスイッチを操作する際、必ずしも車がスタートする位置で操作する必要はなく、サークル上を走行している任意の位置で操作し、車がサークルを1周して操作地点と同じ地点に到達したときに、再度ストップウオッチスイッチを操作すれば良いので、使い勝手が良い。また、指針10は、時刻を指示するための秒針11、分針12、時針13の3針のみを備えていることにより、測定に必要な専用の指針を新たに設ける必要がなく、既存の構造をそのまま用いることができるので、構造が複雑にならず、低価格なものを提供することができる。
(実施形態2)
次に、図10〜図12を参照して、この発明を多機能腕時計に適用した実施形態2について説明する。なお、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この多機能腕時計は、図10に示すように、回転目盛板5に第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22を同心円上に設けた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22は、図10に示すように、異なる走行距離ごとの速度目盛が同心円上にそれぞれ印刷などによって設けられた構成になっている。例えば、第1速度表示目盛部20は、実施形態1と同様、1周が3.0km〜3.9km程度のサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で回転目盛板5の最も内周側に設けられている。
この場合にも、第1速度表示目盛部20の各速度目盛は、実施形態1と同様、140(km)〜300(km)の各目盛が回転目盛板5の円周に沿って設けられていると共に、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約300度の角度範囲内で設けられている。つまり、この第1速度表示目盛部20の速度目盛は、図10に示すように、140(km)と160(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約70度の角度)で、160(km)と180(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約50度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、280(km)と300(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
一方、第2速度表示目盛部21は、図10に示すように、1周が4.0km〜4.9km程度のサークルを車が約160km/h〜約300km/h程度の速度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、この第2速度表示目盛部21は、図10において、160(km)〜300(km)の各目盛が第1速度表示目盛部20の各速度目盛に対して約102度の角度だけ時計回りにずれた状態で、回転目盛板5の内周と外周との間の中間に位置する円周に沿って設けられている。
つまり、この第2速度表示目盛部21は、1周が4.5km程度のサークルを車が平均速度、約210km/h程度で走行すると、約77秒の時間がかかるため、第1速度表示目盛部20の各速度目盛に対して第2速度表示目盛部21の各速度目盛が約17秒(=77秒―60秒、つまり角度で102度の角度)ずれる必要がある。また、この第2速度表示目盛部21の各速度目盛は、第1速度表示目盛部20と同様、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約280度の角度範囲内で設けられている。
すなわち、この第2速度表示目盛部21の速度目盛も、図10に示すように、160(km)と180(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約70度の角度)で、180(km)と200(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約50度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、280(km)と300(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
さらに、第3速度表示目盛部22は、図10に示すように、1周が5.0km〜5.9km程度のサークルを車が160km/h〜340km/h程度の速度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、この第3速度表示目盛部22は、図10において、160(km)〜340(km)の各目盛が第1速度表示目盛部20の各速度目盛に対して約204度の角度だけ時計回りにずれた状態、つまり第2速度表示目盛部21に対して約102度の角度だけ時計回りにずれた状態で、回転目盛板5の外周側に設けられている。
つまり、この第3速度表示目盛部22は、1周が5.5km程度のサークルを車が平均速度、約210km/h程度で走行すると、約94秒の時間がかかるため、第1速度表示目盛部20の各速度目盛に対して各速度目盛が約34秒(=94秒―60秒、つまり角度で204度の角度)ずれる必要がある。また、この第3速度表示目盛部22の各速度目盛は、第1速度表示目盛部20と同様、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約420度の角度範囲内で設けられている。
すなわち、この第3速度表示目盛部22の速度目盛も、160(km)と180(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約90度の角度)で、180(km)と200(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約70度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、320(km)と340(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
この場合、160(km)の目盛と300(km)の目盛とは、相互に接近して設けられており、310(km)〜340(km)の各目盛は、160(km)〜170(km)の各目盛と重なった状態で設けられている。また、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22は、それぞれ異なる色で表示されていることが望ましい。例えば、第1速度表示目盛部20は赤色で表示され、第2速度表示目盛部21は緑色で表示され、第3速度表示目盛部22は青色で表示されていることが望ましい。
ところで、見切板7の円周に沿う一部には、実施形態1と同様、微調整目盛部である副目盛部15が印刷などによって設けられている。この副目盛部15も、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22の設置位置を微調整するための単位目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、この副目盛部15は、予め設定する距離(例えば1周が3.0km〜5.9km)を正確に設定するためのものであり、図10に示すように、1周が3.0km〜5.9km程度である場合、その距離を0.1kmの単位で設定するように、0.0(km)〜0.9(km)の各単位目盛が、12時位置を中心にその両側に30度ずつの開き角度(全体で約60度の角度)の範囲内で設けられている。
また、この回転目盛板5にも、図10に示すように、設定マーク23が印刷などによって設けられている。この設定マーク23も、回転目盛板5を回転させて副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、測定する距離に応じて第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に設定するように構成されている。
すなわち、この設定マーク23は、第1速度表示目盛部20における平均速度である約210(km/h)の目盛位置、この第1速度表示目盛部20の目盛位置に対して102度の角度だけずれた第2速度表示目盛部21における約270(km/h)の目盛位置、この第2速度表示目盛部21の目盛位置に対して更に102度の角度だけずれた第3速度表示目盛部22における約330(km/h)の目盛位置(またはこれに重なる約165(km/h)の目盛位置)で、これら全ての目盛位置に対応して設けられ、回転目盛板5を回転させて見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応させることにより、車の走行距離を正確に設定するように構成されている。
次に、図10〜図12を参照して、この多機能腕時計でサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。
まず、1周が3.7kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合には、実施形態1と同様、リング状の回転目盛板5を時計回り(図11の矢印方向)に回転させて、図11に示すように、回転目盛板5に設けられた設定マーク23を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15の0.7(km)に対応する単位目盛に合わせる。
これにより、第1速度表示目盛部20の設置位置が所定位置、つまり1周が3.7kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整され、第1速度表示目盛部20がセットされて速度を測定する準備が完了する。この状態で、サークル上を走行している車の位置(車のスタート位置に限らず、任意の位置で良い)を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図11に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。
そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。このときに、図12に示すように、秒針11が64秒運針して停止した場合には、この64秒(図12では4秒の位置)で停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第1速度表示目盛部20の速度目盛(200〜220の間の目盛)を読むことにより、1周が3.7kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約215km/hであると測定することができる。
このときにも、秒針11は、実施形態1と同様、10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第1速度表示目盛部20の速度目盛を読むことにより、1周が3.7kmのサークルを走行する車の2周目のラップ速度を測定することができる。
次に、1周が4.7kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。このときにも、上記と同様、リング状の回転目盛板5を回転させて、図11に示すように、回転目盛板5に設けられた設定マーク23を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15の0.7(km)に対応する単位目盛に合わせる。これにより、第2速度表示目盛部21の設置位置が所定位置、つまり1周が4.7kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整され、第2速度表示目盛部21がセットされて速度を測定する準備が完了する。
この状態で、サークル上を走行している車の位置を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図11に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。このときに、図12に示すように、秒針11が64秒運針して停止した場合には、この64秒(図12では4秒の位置)で停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第2速度表示目盛部21の速度目盛(260の目盛)を読むことにより、1周が4.7kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約260km/hであると測定することができる。
このときにも、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第2速度表示目盛部21の速度目盛を読むことにより、1周が4.7kmのサークルを走行する車の2周目のラップ速度を測定することができる。
次に、1周が5.7kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。このときにも、上記と同様、リング状の回転目盛板5を回転させて、図11に示すように、回転目盛板5に設けられた設定マーク23を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15の0.7(km)に対応する単位目盛に合わせる。これにより、第3速度表示目盛部22の位置が所定位置、つまり1周が5.7kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整され、第3速度表示目盛部22がセットされて速度を測定する準備が完了する。
この状態で、サークル上を走行している車の位置を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図11に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、図12に示すように、秒針11の運針を停止させる。
このときに、秒針11が64秒運針して停止した場合には、この64秒(図12では4秒の位置)で停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第3速度表示目盛部22の速度目盛(320の目盛)を読むことにより、1周が5.7kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約320km/hであると測定することができる。なお、秒針11が124秒(つまり2周以上)運針して停止したときには、160km/h〜180km/hの間の目盛に対応する速度目盛(約175km/h)を読めば良い。
このときにも、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する回転目盛板5の第3速度表示目盛部22の速度目盛を読むことにより、1周が5.7kmのサークルを走行する車の2周目のラップ速度を測定することができる。
このように、この多機能腕時計によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、回転目盛板5に、それぞれ異なる距離ごとの速度目盛が同心円上に沿って表示された第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22を設けた構成であることにより、1周が3.0km〜3.9kmのサークルを走行する車の速度、1周が4.0km〜4.9kmのサークルを走行する車の速度、および1周が5.0km〜5.9kmのサークルを走行する車の速度を測定する際、実施形態1と同様、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜21をそれぞれ異なる距離ごとの測定条件に合う位置に正確に且つ簡単に設定することができ、これにより異なる距離ごとの速度をそれぞれ正確に且つ簡単に測定することができる。
この場合、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22は、それぞれ異なる色で表示されていることにより、回転目盛板5に同心円上に沿って第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22が設けられていても、指針10の秒針11が指示する第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22の各速度目盛を読みる際、第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22のうち、所望するいずれかの目盛部の速度目盛を良好に見分けることができ、これにより正確に速度を読み取ることができる。
なお、上記実施形態2では、回転目盛板5に第1〜第3の各速度表示目盛部20〜22を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図13に示すように、回転目盛板5に、距離の単位がキロメートルの速度目盛が表示された第1速度表示目盛部25と、距離の単位がマイルの速度目盛が表示された第2速度表示目盛部26を設けた構成でも良い。このように構成すれば、第1速度表示目盛部25で距離の単位がキロメートルで表された速度と、第2速度表示目盛部26で距離の単位がマイルで表された速度との両方を知ることができる。
(実施形態3)
次に、図14〜図20を参照して、この発明を多機能腕時計に適用した実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この多機能腕時計は、図14に示すように、回転目盛板30がそれぞれ独立して回転する第1〜第3の各回転目盛リング31〜33を備えており、この第1〜第3の各回転目盛リング31〜33に、それぞれ異なる距離ごとの速度目盛が表示された第1〜第3の各速度表示目盛部34〜36と、第1〜第3の各設定マーク37〜39とを設けた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、第1回転目盛リング31は、図14に示すように、時計ガラス4の外周に最も接近する内側に位置した状態で、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられている。この第1回転目盛リング31の表面には、第1速度表示目盛部34が印刷などによって設けられている。この第1速度表示目盛部34は、実施形態1と同様、1周が3.0km〜3.9km程度のサークルを車が55秒〜64秒程度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。
この第1速度表示目盛部34の各速度目盛は、図14に示すように、140(km)〜300(km)の各目盛が第1回転目盛リング31の円周に沿って設けられていると共に、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約300度の角度範囲内で設けられている。つまり、この第1速度表示目盛部34の速度目盛は、実施形態1と同様、140(km)と160(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約70度の角度)で、160(km)と180(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約50度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、280(km)と300(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
この第1回転目盛リング31には、図14に示すように、第1設定マーク37が印刷などによって設けられている。この第1設定マーク37は、第1回転目盛リング31を回転させて見切板7に設けられた微調整目盛部である副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、測定する距離に応じて第1速度表示目盛部34の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に設定するように構成されている。すなわち、この第1設定マーク37は、第1速度表示目盛部34における平均速度である約210km/hの目盛位置に設けられ、第1回転目盛リング31を回転させて見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、車の走行距離を正確に設定するように構成されている。
一方、第2回転目盛リング32は、図14に示すように、第1回転目盛リング31と第3回転目盛リング33との間の中間部分に位置した状態で、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられている。この第2回転目盛リング32の表面には、第2速度表示目盛部35が印刷などによって設けられている。この第2速度表示目盛部35は、1周が4.0km〜4.9km程度のサークルを車が160km/h〜300km/h秒程度の速度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。
この第2速度表示目盛部35の各速度目盛は、第1速度表示目盛部34と同様、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約280度の角度範囲内で設けられている。すなわち、この第2速度表示目盛部35の速度目盛も、160(km)と180(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約70度の角度)で、180(km)と200(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約50度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、280(km)と300(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。
また、この第2回転目盛リング32にも、図14に示すように、第2設定マーク38が印刷などによって設けられている。この第2設定マーク38は、第2回転目盛リング32を回転させて見切板7に設けられた微調整目盛部である副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、測定する距離に応じて第2速度表示目盛部35の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に設定するように構成されている。
すなわち、第2速度表示目盛部35は、160(km)〜300(km)の各目盛が第1速度表示目盛部34の各速度目盛に対して約102度の角度だけ時計回りにずれる必要がある。つまり、この第2速度表示目盛部35は、1周が4.5km程度のサークルを車が平均速度、約210km/h程度で走行すると、約77秒の時間がかかるため、第1速度表示目盛部34の各速度目盛に対して第2速度表示目盛部35の各速度目盛が約17秒(=77秒―60秒、つまり角度で102度の角度)だけ時計回りにずれる必要がある。
これに伴って、第2設定マーク38は、図14に示すように、第2速度表示目盛部35における約270km/hの目盛位置に設けられ、第2回転目盛リング32を回転させて見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、1周が4.0〜4.5kmのサークルを車が走行する際に、その走行距離に合うように第2回転目盛リング32の設置位置を正確に設定するように構成されている。
さらに、第3回転目盛リング33は、図14に示すように、第2回転目盛リング32の外周に接近する最も外周側に位置した状態で、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられている。この第3回転目盛リング33の表面には、第3速度表示目盛部36が印刷などによって設けられている。この第3速度表示目盛部36は、1周が5.0km〜5.9km程度のサークルを車が160km/h〜340km/h秒程度の速度で走行する自動車のサーキットレースを想定して、速度目盛が所定間隔で設けられている。この第3速度表示目盛部36の各速度目盛は、図14に示すように、速度が次第に速くなるに従って目盛間隔が次第に狭くなるように約420度の角度範囲内で設けられている。
すなわち、この第3速度表示目盛部36の速度目盛は、160(km)と180(km)との目盛間隔が最も広い間隔(約90度の角度)で、180(km)と200(km)との目盛間隔が次に広い間隔(約70度の角度)で、以下順次、目盛間隔が狭い間隔になり、320(km)と340(km)との目盛間隔が最も狭い間隔(約20度の角度)になるように設けられている。この場合、160(km)の目盛と300(km)の目盛とは、相互に接近して設けられており、310(km)〜340(km)の各目盛は、160(km)〜170(km)の各目盛と重なった状態で設けられている。
この第3回転目盛リング33にも、図14に示すように、第3設定マーク39が印刷などによって設けられている。この第3設定マーク39は、第3回転目盛リング33を回転させて見切板7に設けられた微調整目盛部である副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、測定する距離に応じて第3速度表示目盛部36の設置位置を微調整して測定条件に合った位置に設定するように構成されている。
すなわち、第3速度表示目盛部36は、160(km)〜340(km)の各目盛が第1速度表示目盛部34の各速度目盛に対して約204度の角度だけ時計回りにずれると共に、第2速度表示目盛部35に対して約102度の角度だけ時計回りにずれる必要がある。つまり、この第3速度表示目盛部36は、1周が5.5km程度のサークルを車が平均速度、約210km/h程度で走行すると、約94秒の時間がかかるため、第1速度表示目盛部20の各速度目盛に対して各速度目盛が約34秒(=94秒―60秒、つまり角度で204度の角度)ずれる必要がある。
これに伴って、第3設定マーク39は、図14に示すように、第3速度表示目盛部36における約330km/hの目盛位置に設けられ、第3回転目盛リング33を回転させて見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛に対応することにより、1周が5.0〜5.5kmのサークルを車が走行する際に、その走行距離に合うように第3回転目盛リング33の設置位置を正確に設定するように構成されている。この場合、第1〜第3の各回転目盛リング31〜33は、それぞれ異なる色で着色されていることが望ましい。例えば、第1回転目盛リング31は赤色で着色され、第2回転目盛リング32は緑色で着色され、第3回転目盛リング33は青色で着色されていることが望ましい。
次に、図15〜図20を参照して、この多機能腕時計でサークルを車が走行する際における速度を測定する場合について説明する。
まず、1周が3.5kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合には、回転目盛板30の第1回転目盛リング31を時計回り(図15の矢印方向)に回転させて、図15に示すように、第1回転目盛リング31に設けられた第1設定マーク37を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15における0.5(km)の単位目盛に合わせる。
これにより、第1速度表示目盛部34の設置位置が所定位置、つまり1周が3.5kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整されて、第1速度表示目盛部34がセットされる。このときには、図15に示すように、第2、第3の各回転目盛リング32、33を反時計回り(図15の矢印方向と反対方向)に回転させて、第2、第3の各設定マーク38、39を副目盛部15から離れた位置にセットしておくことが望ましい。これにより、速度を測定する準備が完了する。
この状態で、サークル上を走行している車の位置(車のスタート位置に限らず、任意の位置で良い)を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図15に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、図16に示すように、秒針11の運針を停止させる。
このときに、秒針11が63秒運針して停止した場合には、この63秒(図16では3秒の位置)で停止した秒針11が指示する第1回転目盛リング31の第1速度表示目盛部34の速度目盛(200の目盛)を読むことにより、1周が3.5kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約200km/hであると測定することができる。このときにも、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。
そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する第1回転目盛リング31の第1速度表示目盛部34の速度目盛を読むことにより、1周が3.5kmのサークルを走行する車の2回目のラップ速度を測定することができる。
次に、1周が4.5kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。このときにも、上記と同様、回転目盛板30の第2回転目盛リング32を時計回り(図17の矢印方向)に回転させて、図17に示すように、第2回転目盛リング32に設けられた第2設定マーク38を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15の0.5(km)に対応する単位目盛に合わせる。
これにより、第2速度表示目盛部35の設置位置が所定位置、つまり1周が4.5kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整されて、第2速度表示目盛部35がセットされる。このときにも、図17に示すように、第1、第3の各回転目盛リング31、33を反時計回り(図17の矢印方向と反対方向)に回転させて、第1、第3の各設定マーク37、39を副目盛部15から離れた位置にセットしておくことが望ましい。これにより、速度を測定する準備が完了する。
この状態で、サークル上を走行している車の位置を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図17に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、図18に示すように、秒針11の運針を停止させる。このときに、秒針11が62秒運針して停止した場合には、この62秒(図18では2秒の位置)で停止した秒針11が指示する第2回転目盛リング32の第2速度表示目盛部35の速度目盛(260の目盛)を読むことにより、1周が4.5kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約260km/hであると測定することができる。
このときにも、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する第2回転目盛リング32の第2速度表示目盛部35の速度目盛を読むことにより、1周が4.5kmのサークルを走行する車の2回目のラップ速度を測定することができる。
次に、1周が5.5kmのサークルを車が走行する際の速度を測定する場合について説明する。このときにも、上記と同様、回転目盛板30の第3回転目盛リング33を時計回り(図19の矢印方向)に回転させて、図19に示すように、第3回転目盛リング33に設けられた第3設定マーク39を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部15のいずれかの単位目盛の0.5(km)に合わせる。
これにより、第3速度表示目盛部36の設置位置が所定位置、つまり1周が5.5kmのサークルを車が走行する際の速度測定に合った位置に微調整されて、第3速度表示目盛部36がセットされる。このときにも、図19に示すように、第1、第2の各回転目盛リング31、32を反時計回り(図19の矢印方向と反対方向)に回転させて、第1、第2の各設定マーク37、38を副目盛部15から離れた位置にセットしておくことが望ましい。これにより、速度を測定する準備が完了する。
この状態で、サークル上を走行している車の位置を確認しながら、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、図19に示すように、指針10のうち、秒針11が12時(0秒)の位置から運針を開始する。そして、車がサークルを1周して、ストップウオッチスイッチを操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、図20に示すように、秒針11の運針を停止させる。
このときに、秒針11が61秒運針して停止した場合には、この61秒(図20では1秒の位置)で停止した秒針11が指示する第3回転目盛リング33の第3速度表示目盛部36の速度目盛(320の目盛)を読むことにより、1周が5.5kmのサークルを走行する車の1回目のラップ速度が約320km/hであると測定することができる。なお、秒針11が121秒(つまり2周以上)運針したときには、160〜180の間の目盛に対応する速度目盛(約175km/h)を読めば良い。
このときにも、秒針11は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた秒針11が0秒位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、車が更に走行してサークルを2周し、ストップウオッチスイッチを最初に操作した位置に車が到達したときに、再びストップウオッチスイッチを操作して、秒針11の運針を停止させる。この停止した秒針11が指示する第3回転目盛リング33の第3速度表示目盛部36の速度目盛を読むことにより、1周が5.5kmのサークルを走行する車の2回目のラップ速度を測定することができる。
このように、この多機能腕時計によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、回転目盛板30がそれぞれ独立して回転する第1〜第3の各回転目盛リング31〜33を備え、この第1〜第3の各回転目盛リング31〜33に、それぞれ異なる距離、例えば3km、4km、5kmごとの速度目盛が表示された第1〜第3の各速度表示目盛部34〜36と、第1〜第3の各設定マーク37〜39とが設けられていることにより、1周が3.0km〜3.9kmのサークルを走行する車の速度、1周が4.0km〜4.9kmのサークルを走行する車の速度、および5.0km〜5.9kmのサークルを走行する車の速度をそれぞれ個別に測定することができると共に、正確に且つ簡単に測定することができる。
この場合、第1回転目盛リング31の第1速度表示目盛部34で速度を読み取る場合には、第1設定マーク37を副目盛部15のいずれかの目盛に合わせた状態で、第2、第3の各回転目盛リング32、33の第2、第3の各設定マーク38、39を副目盛部15から離れた位置にセットしておくことにより、第1速度表示目盛部34の速度目盛を良好に見分けることができ、これにより第1速度表示目盛部34によって速度を正確に読み取ることができる。
同様に、第2、第3の各回転目盛リング32、33の第2、第3速度表示目盛部35、36で速度を読み取る場合にも、第2、第3設定マーク38、39をそれぞれ副目盛部15のいずれかの目盛に合わせ、これ以外の第1〜第3の各回転目盛リング31〜33の各設定マーク37〜39を副目盛部15から離れた位置にセットしておくことにより、第2、第3の各速度表示目盛部35、36の各速度目盛を良好に見分けることができ、これにより第2、第3の各速度表示目盛部35、36によって速度を正確に読み取ることができる。
また、この場合にも、第1〜第3の各回転目盛リング31〜33は、それぞれ異なる色で着色されていることにより、回転目盛板30がそれぞれ独立して回転する第1〜第3の各回転目盛リング31〜33を備え、この第1〜第3の各回転目盛リング31〜33に、それぞれ異なる速度目盛が表示された第1〜第3の各速度表示目盛部34〜36と、第1〜第3の各設定マーク37〜39とが設けられていても、指針10の秒針11が指示する第1〜第3の各速度表示目盛部34〜36の各速度目盛を読みる際、第1〜第3の各速度表示目盛部34〜36のうち、所望するいずれかの目盛部の速度目盛を良好に見分けることができ、これによっても速度を正確に読み取ることができる。
なお、上記実施形態1〜3では、1つの秒針11を運針させて1台の車の速度を測定する場合について述べたが、これに限らず、例えば図21に示す変形例のように、2つの秒針11a、11bを設けると共に、複数の押釦スイッチ3のいずれか2つをストップウオッチスイッチに構成し、2台の車の速度をそれぞれ測定するように構成しても良い。このように構成すれば、2台の車の速度を同時に測定することができる。
すなわち、1台目の車がスタートしたら第1のストップウオッチスイッチを操作して第1の秒針11aを運針させ、2台目の車がスタートしたら第2のストップウオッチスイッチを操作して第2の秒針11bを運針させる。この状態で、1台目の車がサークルを1周したら第1のストップウオッチスイッチを操作して第1の秒針11aを停止させることにより、1台目の車の速度を測定することができる。また、2台目の車がサークルを1周したら第2のストップウオッチスイッチを操作して第2の秒針11bを停止させることにより、2台目の車の速度を測定することができる。
この場合、1台目の車が走行する距離が例えば3.5kmで、2台目の車が走行する距離が例えば4.7kmで、両者の走行距離が異なっている場合には、実施形態2、3で述べたように、回転目盛板5に複数の速度表示目盛部(20〜22)を同心円上に設けた構造、または回転目盛板30を多重の回転目の離リング(31〜33)で構成した構造であることにより、複数の速度表示目盛部(20〜22、34〜36)のうち、走行距離に合った速度表示目盛部の速度目盛を読むことにより、2台の車の各速度を正確に且つ簡単に測定することができる。
(実施形態4)
次に、図22〜図25を参照して、この発明を多機能腕時計に適用した実施形態4について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この多機能腕時計は、図22に示すように、使用者が所定時間歩いた際の歩数を測定する歩数計を備えた構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられた回転目盛板5の表面には、図22に示すように、歩数を表す歩数目盛が表示された歩数表示目盛部40が円周に沿って印刷などにより設けられている。この歩数表示目盛部40は、使用者が30分〜1時間半程度、散歩したときの歩数を測定する場合を想定して、歩数目盛が所定間隔で設けられている。すなわち、人が1秒間に約2歩、歩くと仮定した場合、30分で3600歩、1時間で7200歩、1時間半で10800歩であることにより、歩数目盛は、3600歩〜10800歩の範囲であると想定する。
これに基づいて、回転目盛板5の歩数表示目盛部40は、図22に示すように、3.6(千歩)〜10.8(千歩)の歩数目盛が円周に沿って一定間隔で設けられている。すなわち、この歩数表示目盛部40の歩数目盛は、3.6(千歩)が6時位置に位置し、この6時位置から時計回りに30度の角度ごとに約227歩を加算した歩数が5分ごとの時字6aに対応して表示され、12時の位置が7.0(千歩)になり、1周した6時の位置が10.8(千歩)となり、この6時位置に3.6(千歩)と10.8(千歩)とが重なった状態で表示されている。
一方、見切板7の円周に沿う一部には、図22および図23に示すように、微調整目盛部である副目盛部41が印刷などによって設けられている。この副目盛部41は、歩数表示目盛部40の設置位置を微調整するためのものであり、単位時間当たりの歩数を表す単位目盛が所定間隔で表示されている。すなわち、単位時間(例えば1秒間)当たりの歩数は、人によって異なり、例えば子供の1秒間当たりの歩数が約1.5歩で、大人の速い人の1秒間当たりの歩数が約2.5歩程度であると想定する。
これにより、この副目盛部41は、使用者に応じた単位時間当たりの歩数を正確に設定するために、図23に示すように、約1.5(歩)〜約2.5(歩)の単位目盛が12時の位置を中心にその両側に約30度ずつの開き角度(全体で約60度の角度)の範囲内で設けられている。すなわち、この副目盛部41の各単位目盛は、2(歩)の単位目盛が12時の位置に対応し、この2(歩)を基準に時計回り次第に歩数が0.1(歩)ずつ減少して最小が1.5歩となり、逆に反時計回りに次第に歩数が0.1(歩)ずつ増えて最大が2.5歩になるように設けられている。
また、回転目盛板5には、図22および図23に示すように、設定マーク42が印刷などによって設けられている。この設定マーク42は、回転目盛板5を回転させて副目盛部41のいずれかの単位目盛に対応することにより、歩数表示目盛部40の設置位置を微調整して使用者に合った単位時間当たりの歩数に応じた位置に設定するように構成されている。すなわち、この設定マーク42は、3600歩と10800歩との平均歩数である約7200歩の目盛位置に設けられ、回転目盛板5を回転させて見切板7の副目盛部41のいずれかの単位目盛に対応させることにより、歩数表示目盛部40の設置位置を正確に設定するように構成されている。
次に、図22〜図25を参照して、この多機能腕時計で歩数を測定する場合について説明する。
この場合には、まず、図22に示す腕時計ケース1の上面外周に回転可能に設けられたリング状の回転目盛板5を時計回り(図23、図24の矢印方向)に回転させて、図23および図24に示すように、回転目盛板5に設けられた設定マーク42を文字板6の外周に設けられた見切板7の副目盛部41のいずれかの単位目盛、つまり使用者に合った単位当たりの歩数に合わせる。
例えば、使用者が1秒間に1.7歩、歩く場合には、図23に2点鎖線で示すように、設定マーク42を副目盛部41の1.7(歩)の目盛に合わせる。これにより、歩数表示目盛部40の設置位置が所定位置、つまり使用者に合った単位当たりの歩数に対応する位置に微調整され、歩数表示目盛部40がセットされて歩数を測定する準備が完了する。この状態で、押釦スイッチ3のストップウオッチスイッチを操作すると、指針10の分針12を12時(0分)の位置に戻して運針させ、散歩を開始する。そして、ほぼ1時間程度歩いたときに、ストップウオッチスイッチを操作して、図25に示すように、分針12の運針を停止させる。
このときに、分針12が指示する回転目盛板5の歩数表示目盛部40の歩数目盛を読むことにより、1回目の歩数を測定することができる。例えば、使用者が歩いた時間が1時間9分の場合には、図25に示すように、分針12が1周して9分の位置で停止し、この停止した分針12が指示する回転目盛板5の歩数表示目盛部40の歩数目盛(7.8)を読むことにより、約7800歩であると測定することができる。また、使用者が歩いた時間が54分の場合には、図示しないが、分針12が54分を指示するので、この54分の位置に対応する歩数目盛(5.6)を読むことにより、約5600歩であると測定することができる。
このときには、分針12は10秒間停止し、10秒経過すると、停止していた分針12が0分位置に戻ってから10秒間だけ早送りされた後、通常の運針速度で運針する。そして、再び、使用者が歩き始めて1時間程度歩いた後に、再度、ストップウオッチスイッチを操作すると、分針12の運針が停止する。この停止した分針12が指示する歩数表示目盛部40の歩数目盛を読むことにより、2回目の歩数を測定することができる。なお、押釦スイッチ3を操作して通常の時計モードに戻すと、秒針11、分針12、時針13が通常運針して、現在時刻を指示する。
このように、この多機能腕時計によれば、文字板6の上方を運針して時刻を指示する指針10を備えた腕時計ケース1と、この腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられ、且つその表面に歩数表示目盛部40が設けられた回転目盛板5と、腕時計ケース1の内周における見切板7の一部に設けられた副目盛部41と、回転目盛板5を回転させて副目盛部41のいずれかの単位目盛に対応することにより、歩数表示目盛部40の設置位置を微調整して所定位置に設定するための設定マーク42とを備えているので、歩数表示目盛部40を測定条件に合った位置に正確に設定して、歩いた歩数を正確に測定することができる。
すなわち、この多機能腕時計によれば、腕時計ケース1の上部外周に回転可能に設けられた回転目盛板5を回転させて、腕時計ケース1の内周における見切板7の一部に設けられた副目盛部41のいずれかの単位目盛に設定マーク42を合わせることにより、回転目盛板5に設けられた歩数表示目盛部40の設置位置を微調整して使用者の単位当たりの歩数に合った位置にセットすることができ、この状態で時刻を指示する指針10の分針12を腕時計ケース1内の文字板6上を運針させて、使用者が歩いた時間を分針12で計測し、その計測した分針12が回転目盛板5の表面に設けられた歩数表示目盛部40の歩数目盛を指示することにより、簡単に且つ正確に歩いた歩数を測定することができる。
なお、上記実施形態4では、回転目盛板5に3.6(千歩)〜10.8(千歩)の各歩数目盛を1周だけ表示した歩数表示目盛部40を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図26に示す第1変形例のように、回転目盛板5にそれぞれ異なる歩数目盛が表示された第1〜第3の各歩数表示目盛部45〜47を同心円上に異なる色で設けた構成でも良い。
この場合、第1歩数表示目盛部45は30分〜1時間半程度の歩数(3600歩〜10800歩)に対応する歩数目盛を内周側に設けた構成で、第2歩数表示目盛部46は1時間半〜2時間半程度の歩数(10800歩〜17600歩)に対応する歩数目盛を内周側と外周側との間の中間部分に設けた構成で、第3歩数表示目盛部47は2時間半〜3時間半程度の歩数(17600歩〜24400歩)に対応する歩数目盛を外周側に設けた構成になっている。
このように構成すれば、使用者が30分〜1時間半程度散歩したときに、分針12で指示された第1歩数表示目盛部45の歩数目盛を読み取れば良く、また使用者が1時間半〜2時間半程度散歩したときに、分針12で指示された第2歩数表示目盛部46の歩数目盛を読み取れば良く、さらに使用者が2時間半〜3時間半程度散歩したときに、分針12で指示された第3歩数表示目盛部47の歩数目盛を読み取れば良いので、30分〜3時間半に亘る散歩でも、簡単に且つ正確に歩数を測定することができる。
この場合にも、第1〜第3の各歩数表示目盛部45〜47は、それぞれ異なる色で表示されていることにより、回転目盛板5に同心円上に沿って第1〜第3の各歩数表示目盛部45〜47が設けられていても、指針10の分針12が指示する第1〜第3の各歩数表示目盛部45〜47の各歩数目盛を読みる際、第1〜第3の各歩数表示目盛部45〜47のうち、所望するいずれかの目盛部の歩数目盛を良好に見分けることができ、これにより正確に歩数を読み取ることができる。
また、上記実施形態4およびその変形例では、腕時計ケースの上部外周に1つの回転目盛板5を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図27に示す第2変形例のように、回転目盛板50をそれぞれ独立して回転する第1〜第3の各回転目盛リング51〜53で構成し、この第1〜第3の各回転目盛リング51〜53の表面にそれぞれ異なる歩数目盛が表示された第1〜第3の各歩数表示目盛部54〜56を設けると共に、第1〜第3の各回転目盛リング51〜53にそれぞれ第1〜第3の各設定マーク57〜59を設け、且つ第1〜第3の各回転目盛リング51〜53をそれぞれ異なる色で着色した構成でも良い。
この場合にも、第1歩数表示目盛部54は30分〜1時間半程度の歩数(3600歩〜10800歩)に対応する歩数目盛を円周に沿って設け、この第1歩数表示目盛部54の中間部、つまり7200歩に対応する箇所に第1設定マーク57を設けた構成である。また、第2歩数表示目盛部55は1時間半〜2時間半程度の歩数(10800歩〜17600歩)に対応する歩数目盛を円周に沿って設け、この第2歩数表示目盛部55の中間部、つまり14200歩に対応する箇所に第2設定マーク58を設けた構成である。第3歩数表示目盛部56は2時間半〜3時間半程度の歩数(17600歩〜24400歩)に対応する歩数目盛を円周に沿って設け、この第3歩数表示目盛部56の中間部、つまり21000歩に対応する箇所に第3設定マーク59を設けた構成である。
このように構成すれば、使用者が30分〜1時間半程度散歩するときに、予め第1設定マーク57を使用者の単位歩数に合う副目盛部41に合わせた状態で、測定を開始して分針12で指示された第1歩数表示目盛部54の歩数目盛を読み取れば良く、また使用者が1時間半〜2時間半程度散歩するときに、予め第2設定マーク58を使用者の単位歩数に合う副目盛部41に合わせた状態で、測定を開始して分針12で指示された第2歩数表示目盛部55の歩数目盛を読み取れば良く、さらに使用者が2時間半〜3時間半程度散歩するときに、予め第3設定マーク59を使用者の単位歩数に合う副目盛部41に合わせた状態で、測定を開始して分針12で指示された第3歩数表示目盛部56の歩数目盛を読み取れば良いので、30分〜3時間半に亘る散歩でも、簡単に且つ正確に歩いた歩数を測定することができる。
この場合、第1回転目盛リング51の第1歩数表示目盛部54で歩数を読み取る場合には、第1設定マーク57を副目盛部41のいずれかの目盛に合わせた状態で、第2、第3の各回転目盛リング52、53の第2、第3の各設定マーク58、59を副目盛部41から離れた位置にセットしておくことにより、第1歩数表示目盛部54の歩数目盛を良好に見分けることができ、これにより第1歩数表示目盛部54で歩いた歩数を正確に読み取ることができる。
同様に、第2、第3の各回転目盛リング52、53の第2、第3歩数表示目盛部55、56で歩数を読み取る場合にも、第2、第3設定マーク58、59をそれぞれ副目盛部41のいずれかの目盛に合わせ、これ以外の第1〜第3の各回転目盛リング51〜53の各設定マーク57〜59を副目盛部41から離れた位置にセットしておくことにより、第2、第3の各歩数表示目盛部55、56の各歩数目盛を良好に見分けることができ、これにより第2、第3の各歩数表示目盛部55、56で歩いた歩数を正確に読み取ることができる。
また、第1〜第3の各回転目盛リング51〜53も、それぞれ異なる色で着色されていることにより、回転目盛板50がそれぞれ独立して回転する第1〜第3の各回転目盛リング51〜53を備え、この第1〜第3の各回転目盛リング51〜53に、それぞれ異なる歩数目盛が表示された第1〜第3の各歩数表示目盛部54〜56と、第1〜第3の各設定マーク57〜59とが設けられていても、指針10の分針12が指示する第1〜第3の各歩数表示目盛部54〜56の各歩数目盛を読み取る際、第1〜第3の各歩数表示目盛部54〜56のうち、所望するいずれかの目盛部の歩数目盛を良好に見分けることができ、これによっても正確に且つ簡単に歩いた歩数を読み取ることができる。
なおまた、上記実施形態1〜4およびその各変形例では、見切板7に副目盛部15、41を設け、回転目盛板5、30、50に各設定マーク16、37〜39、42、57〜59を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば見切板7に各設定マーク16、37〜39、42、57〜59を設け、回転目盛板5、30、50に副目盛部15、41を設けた構成でも良い。この場合には、副目盛部15、41の各目盛を上述した各実施形態と逆向きに設ければ良い。
さらに、上記実施形態1〜4およびその各変形例では、多機能時計として3針を備えた腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも3針の腕時計である必要はなく、4針以上の針を備えたクロノグラフの腕時計にも適用することができ、また腕時計に限らず、懐中時計、トラベルウオッチなどの携帯型の時計にも適用することができるほか、速度計や歩数計などの測定装置にも広く適用することができる。