JP5149907B2 - プレカット材料割付方法、プレカット材料割付方法のコンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
さらに、前記第2基準工程は、前記仮割付工程で生成した仮割付状態のそれぞれに対して、その仮割付に使用した各母材について製品が割付けられていない部分の残材寸法を算出する第2算出工程と、前記算出された各仮割付状態の残材寸法のうち最も小さな残材寸法を持つ仮割付状態を、選択候補として選択する第2選択工程とを備える。
この仮割付工程で行われる処理は、後述する表2に示した処理である。
また、前記母材および製品は、1次元部材または2次元部材のどちらでもよい。
ここで、前記1次元部材としては、たとえば、木材を対象としてもよい。
また、前記2次元部材としては、鋼板,布部材あるいは紙部材などを対象としてもよい。
102 製品群
103 取り合わせ結果
また、母材群は、互いに長さが異なる複数種類の母材から構成される。母材は、割付け対象となる製品をすべて割付けることができるほど多数用意されるものとする。
たとえば、図1では、母材群は、長さの異なる3種類の母材101から構成される。
製品とは、実際に使用される部材で、要求された長さを持つ部材を意味する。
たとえば、家を造るために必要な柱が製品であり、柱の長さが4種類必要であったとすると、製品(柱)として、4つの異なる長さの柱を母材から切り出すことが要求される。
また、同じ長さの製品が、複数個必要な場合は、その必要な数だけ、母材に割り付けられる。ここで、所定寸法を持つ複数個の製品とは、たとえば、図1に示した長さの異なる7つの製品102を意味する。
この発明のソート工程では、複数の製品が長さの長い順に配列される。たとえば図1の製品群(1)〜(6)に対しては、図2の(1)〜(6)のように、長い順に並べることを意味する。
ソート工程は、入力された製品のデータを用いて実行される。長さ順に並べられた製品のデータは、メモリに固定記憶しておき、1回だけ実行するものとする。
このように、ソートした結果をメモリに記憶しておけば、次の第1および第2基準工程の中で、再度ソートを行う必要はない。
取り出された1つの製品について、長さの異なる母材に割り付ける処理を繰り返し行う。たとえば、図2に示したように、1回目の仮割付では、取り出された製品(1)に対して、この製品(1)を母材1に仮割付した状態と、同じ製品(1)を母材2に仮割付した状態の2通りの仮割付状態が生成される。
言いかえれば、取り出された1つの製品について、割り付け可能な母材がN個あれば、N通りの仮割付状態が生成される。仮割付工程は、後述するように第1基準工程と第2基準工程の中で、それぞれ行われ、具体的には、後述する表2に示した処理を行う部分である。
まず、ステップS101において、上記したソート工程を実行する。これにより、長さの順に並べかえられた製品群のデータが得られる(図2参照)。
ここで、割付けに使用した母材の歩留が最も高い仮割付状態が、割付候補として選ばれる。たとえば、後述する図2に示すように、1回目の仮割付では、2つの仮割付状態(母材1、母材2)のうち、母材2の割付状態が割付候補として選択される。
第1算出処理では、材料歩留が算出される。
ここで、材料歩留とは、ある1つの母材に割り付けられた製品の合計寸法を、その母材の寸法で割った数値を意味し、仮割付けに使用した母材ごとに算出される。たとえば、図2に示すように、1回目の仮割付けでは、2つの母材1と母材2が選択されるが、この2つの母材ごとにそれぞれ材料歩留が算出される。
第1選択処理では、算出された材料歩留が複数個ある場合には、その中で最大の材料歩留を持つ母材が、歩留の最も高い仮割付状態として選択される。
たとえば、図2の1回目の仮割付では、2つの仮割付状態(母材1、母材2)に対して、算出された材料歩留のうち、大きな値を持つ材料歩留の方(すなわち、母材2)が、選択されることになる。
また、図3の仮割付では、3つの仮割付状態(母材1、母材2、母材3)のうち、最も大きい材料歩留を持つ仮割付状態(母材3)が選択される。選択された仮割付状態は、第1基準工程の割付候補としてメモリに記憶される。
この判断には、上記した所定の仮割付条件を用い、具体的には、後述する数式(9)を用いる。たとえば、後述する図3の場合、この判断は次のようにして行われる。
図3において、3つの仮割付状態(母材1、母材2、母材3)が生成されている。ここで、母材1(第1の仮割付状態)についての未割付の製品は、製品(3)と(4)であり、母材2(第2の仮割付状態)についての未割付製品は、製品(2)と(3)であり、母材3(第3の仮割付状態)についての未割付製品は製品(2)、(3)および(4)である。また、3つの母材のそれぞれについて、まだ割り付けされていない製品の合計寸法(長さ)のうち、最小のものは、図3では、第1の仮割付状態の製品(3)と(4)の合計長さ(3700)である。
この未割付の製品(3)と(4)の合計寸法(長さ)が、母材群の中の最大寸法(長さ)の母材1の長さ(6000)よりも短いとすると、この所定の仮割付条件が満たされたことになる。
そして、この条件が満たされたときは、ステップS104へ進み、第3基準工程を実行する。
一方、条件が満たされないときは、ステップS105へ進み、予め入力された製品全体の仮割り付けが終了したか否かを判断する。すべての製品の仮割付けが終了したときは、ステップS106へ進む。
この特定の基準とは、ある仮割付状態について、使用される各母材の寸法(長さ)の合計寸法(長さ)を計算し、その合計寸法(長さ)が、最も短いものを選択するという基準である。具体的には、後述する式(10)と(11)が、この基準に相当する。
たとえば、図3の第1の仮割付状態では、製品(1)と(2)が母材1に仮割付されており、未割付の製品(3)と(4)は1つの母材2に割付けることができることがわかるので、式(8)により母材2が選定される。
また、図3の第2の仮割付状態では、製品(1)と(4)が母材2に仮割付されており、未割付の製品(2)と(3)は1つの母材2に割付けることができることがわかる。
そして、このように残った未割付の製品をすべて割付けるのに必要な母材を選定した後、仮割付処理ですでに選択されていた母材の長さと、上記選定によって選択された未割付製品に使用される母材の長さとの合計長さが、最小となる仮割付状態を割付候補とする処理を行う。
また、仮割付処理で割付候補とされていた第3の仮割付状態では、使用する母材は、2つの母材3と1つの母材2であるので、使用する母材の合計長さは、3000×2+4900=10900となる。
この場合、計算された3つの合計長さのうち最小のものは、第2の仮割付状態であるので、合計寸法が最小となる第2の仮割付状態を、割付候補として選択し直すことになる。割付候補としてメモリに記憶されていた情報が、選択見直し後の第2の仮割付状態の情報に置きかえられる。
なお、この第3基準工程による選択見直しが実行されると、すべての製品の第1基準工程を利用した割付けが終了したことになる。
ここでは、具体的には、後述する数式(5)による計算が行われる。これにより、第1基準工程で割付けが終了した全製品と使用した全母材についての全体の歩留(y1)が求められる。
以上により、第1基準工程によって適切と考えられる製品の割付けが終了するので、その割付結果がメモリに記憶される。ここで、割付結果とは、上記歩留(y1)と、使用すべき母材のデータと、その母材それぞれについて対応づけられた製品のデータを含むものである。
ここで、ステップS141の仮割付処理と、その後のステップS108と、ステップS109と、ステップS110の処理内容は、それぞれステップS131、S103、S104およびS105と同様である。
ステップS142における第2算出処理は、材料歩留を算出する代わりに、ある1つの仮割付状態に対して、その仮割付に使用した各母材について、製品が割り付けられていない部分の残材寸法(長さ)を算出する点が、ステップS132と異なる。
同様に、母材2については、母材2の長さから、製品(1)と(6)の合計長さを引いたものが、母材2の残材長さである。ここでは、2つの残材長さが算出される。
上記図2の場合は、2つの仮割付状態(母材1、母材2)のうち、母材2の方が残材寸法(長さ)が短いので、母材2の仮割付状態の方が選択候補として選択される。
その後、上記した第1基準工程と同様に、ステップS108、S109およびS110の処理が行われ、すべての製品の割付けに使用したすべての母材についての残りの寸法の合計が最も小さくなる仮割付状態が割付候補として選択される。ただし、第3基準工程(ステップS109)が行われた場合は、割付候補が別の仮割付状態に変更される場合もある。
さらに、ステップS112において、計算された2つの歩留y1とy2との比較を行い、大きな数値を持つ方の割付候補を、最終的な割付状態として決定する(ステップS113、S114)。決定された割付状態を示す情報(母材および製品のデータ)は、メモリに保存されると共に、必要に応じて印刷、表示される。
図6と表1において、主として、ステップS101とStep1および2とが対応し、ステップS102およびS107とStep3〜6とが対応する。また、ステップS131およびS141とStep3〜5とが対応し、ステップS132およびS133とStep6とが対応する。さらに、ステップS142およびS143も、Step6に対応する。
ステップS105とS110は、Step8に対応する。
ステップS106とS111は、Step9の一部と対応する。
ステップS112、S113およびS114は、Step10に対応する。
以下の実施例で説明する処理や測定結果は、この図6に示した概略処理を実現したものである。
また、各処理の機能は、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマー等を備えたマイクロコンピュータによって実現され、CPUが、RAMやハードディスク等のメモリに保存されたプログラムに基づいて、各種ハードウェアを動作させることにより実現される。
m種類の容積bt(t=1,..,m)ビンが十分にあり、これに容積li(i=1,...,n)のアイテムをすべて入れるとき、容積btのビン種別tのビンの使用コストをct、ビンk(k=1,2,...)のビン種別をtkとすると、一次元マルチBPPは、
上記に対して、ビンをプレカット母材に、容量別のビンの集合を長さ別の母材(以下、母材種と表記)の集合に、ビンに入れるアイテムを切り出す製品に置き換え、容積を長さに読み替えればプレカットCSPとなる。通常プレカットでは歩留最大を狙うのが一般的である。歩留yは次式で表され、
長さの降順にソートした製品をそれぞれの母材種の母材1本に上記FFDルールで割付けてみて、もっとも「良い割付け」のできた母材とその割付を採用するという操作を、すべての製品が割付済になるまで繰り返す。このとき、先頭の最も長い製品は必ず割付けることにする。これは長い製品を最後のほうに残すことは適当でないという考え方に基づく。
FFDはその時点その時点で最適と想定される割付を行うアルゴリズムであり先まで見通した割付けではないため、終盤になると歩留の悪いビンが発生する傾向がある。本モデルでは複数の母材種を扱うことを生かし、複数の母材種からいかにうまく対象母材を選択し全体の歩留を上げるかを検討する。まず母材への「良い割付け」についての選択基準を以下のように設定した。
基準1:歩留基準・・・最も歩留の高い割付け
基準2:残材長基準・・・最も母材の残材長の短くなる割付け
基準1と2は母材種が1種類のときは同等であるが複数種のときは違ってくる。割付全体の歩留は(5)式で与えられるが、ある割付過程のその時点で最も高い歩留となる選択を与えるのが「基準1」である。一方、「基準2」は、製品の並びが母材に置き換わっていくにつれて、分母の母材長合計が最初は製品長合計であったものが母材長合計と残製品の合計に変わっていくと考えた場合、最も増加分が少ない選択基準である。しかし「基準2」は置き換わった製品の長さとの比率が考慮されていないため、一般には「基準1」のほうが合理的と考えられるが、先に述べたようにFFDは先まで見通した割付けではないため、必ずしも「基準1」が「基準2」よりも良い結果を与えるとは限らない。そこで本モデルでは、それぞれの基準で実行し良い結果が得られた割付を採用することとした。
基準3:母材長基準・・・その割付け以降の割付に必要な母材が最小となる割付け「基準3」はすべての割付けに適用すれば(6)式の目標そのものであるが、割付け全体を見通せないと適用できない。未割付製品に対する最終的な割付けが見通せる段階になった時点で適用する。ある段階の母材種tの母材への仮割付の結果まだ未割付となっている製品の長さ合計をl(t) resとしたとき、b(t)を次のように定義する。
(1)2つの基準(「歩留基準」と「残材長基準」)でそれぞれ実行し、良い結果の得られた母材への割付結果を採用する。
(2)さらに未割付製品に対して、次の割付で全体の割付が完了する目処がつく段階になったら、今回使用した母材と次回以降に割付ける母材の長さの合計を各母材について比較し、上記(1)で採用した母材を見直す。
ことによって、この弱点を補っている。
各ロットにより従来法との優劣は違うが、全体では遜色のない結果が得られた。全体の材積歩留は、邸1では従来法で93.37%に対して本願FFDで93.80%、邸2では従来法94.60%,本願FFDが94.45%となった。
さらに上記を含む10邸の木造住宅について、全体の材積歩留の比較をした結果を表3に示す。この10邸分のデータでは、邸2を除いてすべて本願FFDが優位となっており、邸5および邸6ではほぼ1%の歩留優位となった。
基準の組み合わせ適用が、歩留向上に明らかに有効であることが確認できる。
このように材料の歩留を向上させることは、使用する材料の節約につながり、使用されない廃材がでることをより少なくすることができ、資源の有効活用にもなる。
また、歩留が向上することにより、たとえば1件の家を建築するのに使用する母材の数量を減らすことができるので、建築コストの低減や、母材の運搬作業の効率向上を図ることができる。
さらに、1本当たりの単価が木材よりも高い鋼材の割り付けにこの発明の割付方法を適用した場合は、歩留の向上による材料コストの低減効果は、木材に比べてより大きいものとなる。
たとえば、多量の木材や鋼材を取り扱う業者にとっては、1軒当たりわずかな歩留の向上であったとしても、事業全体としては大きなコストダウンを図ることができる。
また、この発明の割付方法は、上記したように、ほぼリアルタイムに近い短時間で適切な割付結果を得ることができるが、生産計画の見直し、設計変更あるいは母材群の変更などの急な状況の変化があった場合でも、処理時間の短いこの発明の割付方法を再度適用することで、計画業務の効率の向上を図り、その状況変化に合わせて迅速な対応をすることが可能となる。
また、提案した本願の改良FFDは、複数の積載可能量のトラックへの荷物の積載取り合わせなど、多くの適用が可能である。
Claims (11)
- 複数種類の寸法が異なる母材からなる母材群に、所定寸法を持つ複数個の製品を割り付けるに際し、
前記複数個の製品を寸法の大きさの順に配列するソート工程と、
その配列順に各製品を取り出して前記母材群に属する各母材に、前記取り出した製品を仮割付けし、複数通りの仮割付状態を生成する仮割付工程と、
前記生成された複数通りの仮割付状態のうち、割付けに使用した母材の歩留が最も高い仮割付状態を割付候補として選択する第1基準工程と、
前記生成された複数通りの仮割付状態のうち、割付けに使用したすべての母材の残りの寸法の合計が最も小さくなる仮割付状態を割付候補として選択する第2基準工程とを備え、
前記第1基準工程と第2基準工程が、所定の仮割付条件が満たされたときに、前記第1および第2基準工程のそれぞれにおいて選択された仮割付状態について、選択された仮割付状態と、その他の仮割付状態とを比較し、使用する各母材の寸法の合計寸法が最小となる仮割付状態を割付候補として選択し直す第3基準工程を備え、
前記所定の仮割付条件は、
前記第1または第2基準工程において、所定数の製品の母材群への仮割付を実施した後、前記生成された各仮割付状態についての未割付の製品の合計寸法の最小値が、前記母材群に含まれる最大寸法の母材の寸法以下か否かを確認することであり、
前記未割付の製品の寸法の合計が、前記最大寸法の母材の寸法以下のときに、前記第3基準工程を実施し、その他の場合には前記第3基準工程は実施しないプレカット材料割付方法。 - 前記第1基準工程は、前記仮割付工程で生成した仮割付状態のそれぞれに対して、仮割付けに使用した各母材に割付けられた製品の合計寸法を、その母材の寸法で割った材料歩留をそれぞれ算出する第1算出工程と、
前記算出された各割付状態に対する材料歩留の中で最も大きな値を持つ仮割付状態を、歩留の最も高い仮割付状態として選択する第1選択工程とを備えた請求項1に記載のプレカット材料割付方法。 - 前記第2基準工程は、前記仮割付工程で生成した仮割付状態のそれぞれに対して、その仮割付に使用した各母材について製品が割付けられていない部分の残材寸法を算出する第2算出工程と、
前記算出された各仮割付状態の残材寸法のうち最も小さな残材寸法を持つ仮割付状態を、選択候補として選択する第2選択工程とを備えた請求項1に記載のプレカット材料割付方法。 - 前記第1基準工程で選択された割付候補に対して、割り付けるべきすべての製品の合計寸法をその割付けに使用したすべての母材の合計寸法で割った歩留y1を計算する第1歩留計算工程と、
前記第2基準工程で選択された割付候補に対して、割り付けるべきすべての製品の合計寸法をその割付けに使用したすべての母材の合計寸法で割った歩留y2を計算する第2歩留計算工程と、
前記歩留y1と歩留y2を比較する工程と、
前記比較の結果、大きな歩留を持つ割付候補を最終的な割付状態として決定する割付決定工程とを、さらに備えた請求項1乃至3のいずれかに記載されたプレカット材料割付方法。 - 前記仮割付工程において、取り出された1つの製品を、1つの母材に仮割付をしようとするとき、前記取り出された製品の寸法が前記母材の寸法以下であり、またはその母材にすでに仮割付けされた1または複数の製品が存在するときは、前記取り出された製品の寸法とすでに仮割付されたすべての製品の寸法との合計寸法が、前記母材の寸法以下となる場合に、前記取り出された製品を、前記母材に仮割付をする請求項1に記載のプレカット材料割付方法。
- 前記母材および製品が1次元方向に長い材料の場合、前記母材および製品の寸法は前記1次元方向の長さである請求項1乃至5のいずれかに記載のプレカット材料割付方法。
- 前記母材および製品は、1次元部材または2次元部材である請求項1乃至5のいずれかに記載のプレカット材料割付方法。
- 前記1次元部材が、木材である請求項7に記載のプレカット材料割付方法。
- 前記2次元部材が、鋼板,布部材あるいは紙部材である請求項7に記載のプレカット材料割付方法。
- 前記請求項1に記載のプレカット材料割付方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
- 前記請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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